以下に本発明に係る光ピックアップ装置および光ディスク装置の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光ピックアップ装置のレンズ組立体の一実施形態を示す分解斜視図、図2は、光ピックアップ装置を構成するレンズ組立体の上側を示す斜視図、図3は、光ピックアップ装置を構成するレンズ組立体の下側を示す斜視図、図4は、光ピックアップ装置の上側を示す斜視図、図5は、光ピックアップ装置の下側を示す斜視図である。
各方向について説明すると、レンズホルダ5(図1,図2,図4)に各対物レンズ31,32が取り付けられる側を、レンズホルダ5の上側、又はレンズホルダ組立体6の上側、又はレンズ組立体7の上側、又は光ピックアップ装置1の上側とする。また、レンズホルダ5(図1,図3,図5)に補強用熱伝導性改善部材50が取り付けられる側を、レンズホルダ5の下側、又はレンズホルダ組立体6の下側、又はレンズ組立体7の下側、又は光ピックアップ装置1の下側とする。
また、コイル43(図1〜図4)からコイル44にかけた方向もしくはコイル44からコイル43にかけた方向、又は、コイル45からコイル46にかけた方向もしくはコイル46からコイル45にかけた方向を、レンズホルダ5の前後方向D1、又はレンズホルダ組立体6の前後方向D1、又はレンズ組立体7の前後方向D1、又は光ピックアップ装置1の前後方向D1とする。この明細書における前後方向D1は、第一方向D1と定められる。
また、各対物レンズ31,32(図1〜図3)から補強用熱伝導性改善部材50にかけた方向もしくは補強用熱伝導性改善部材50から各対物レンズ31,32にかけた方向を、レンズホルダ5の上下方向D2、又はレンズホルダ組立体6の上下方向D2、又はレンズ組立体7の上下方向D2、又は光ピックアップ装置1の上下方向D2とする。この明細書における上下方向D2は、第二方向D2と定められる。
また、コイル41(図1〜図5)からコイル42にかけた方向もしくはコイル42からコイル41にかけた方向を、レンズホルダ5の左右方向D3、又はレンズホルダ組立体6の左右方向D3、又はレンズ組立体7の左右方向D3、又は光ピックアップ装置1の左右方向D3とする。この明細書における左右方向D3は、第三方向D3と定められる。
なお、この明細書における「前」,「後」,「上」,「下」,「左」,「右」の定義は、光ピックアップ装置1および光ディスク装置(図示せず)を説明するために、便宜上、定められたものとされている。
光ピックアップ(optical pickup)は、一般に「OPU」と略称される。また、「optical pickup unit」が「OPU」と略称されて用いられることもある。ここでは、便宜上、光ピックアップ装置をOPUと略称して用いる。
また、対物レンズ(objective lens)は、「OBL」と略称して用いられている。OBL31,32は、各発光素子(図示せず)から出射されたレーザ光を光ディスクの信号部へ集光させる役割を果す。OBL31,32は、略無色透明なガラス材料が用いられて形成されている。例えば、略無色透明な合成樹脂材料が用いられ、大量生産性に優れる射出成形法に基づいて、OBL31,32が形成されていてもよい。
光ディスク装置に内装されたOPU1(図4,図5)が用いられて、光ディスク(図示せず)における情報などのデータの再生または記録が行われる。光ディスクとして、例えば、CD系列の光ディスクや、DVD系列の光ディスクなどが挙げられる(何れも図示せず)。「CD」は、「Compact Disc」(商標)の略称である。また、「DVD」は「Digital Versatile Disc」(登録商標)の略称である。
光ディスクについて詳しく説明すると、光ディスクとして、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などのデータ読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などのデータ追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」(登録商標),「DVD−RAM」,「HD DVD」(登録商標),「Blu-ray Disc」(登録商標)などのデータ書込み/消去やデータ書換え可能なタイプの光ディスクなどが挙げられる。
「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」の「ROM」は、「Read Only Memory」の略称である。「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」は、データ/情報読出し専用のものである。また、「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」の「R」は、「Recordable」の略称である。「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」は、データ/情報の書込みが可能なものである。また、「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」の「RW」は、「Re-Writable」の略称である。「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」は、データ/情報の書換えが可能なものである。また、「DVD−RAM」は「Digital Versatile Disc Random Access Memory」の略称である。「DVD−RAM」はデータ/情報の読み書き/消去が可能なものである。
また「HD DVD」は「High Definition DVD」の略称である。「HD DVD」は、従来のDVD系列のものと互換性をもたせ、且つ、従来のDVD系列のディスクよりも記憶容量の大きいものである。従来のCDには、赤外レーザが用いられていた。また、従来のDVDには、赤色レーザが用いられていた。しかしながら、「HD DVD」の光ディスクに記録されたデータ/情報が読み出されるときには、青紫色レーザが用いられる。また「Blu-ray」とは、従来の信号の読み書きに用いられていた赤色のレーザに対し、高密度記録が実現されるために採用された青紫色のレーザを意味する。
また、光ディスクとして、例えばディスク両面に信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、光ディスクとして、例えば二層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、例えば三層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた「HD−DVD」用光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、例えば四層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた「Blu-ray Disc」用光ディスク(図示せず)等も挙げられる。また、ディスクのレーベル面側にもレーザ光を照射させてレーベル等の各種書込みが可能とされた光ディスク(図示せず)等も挙げられる。
OPU1は、前記各種光ディスクに記録されたデータを再生させたり、前記書込み可能もしくは書換え可能な各種光ディスクにデータを記録させたりするときに用いられる。OPU1は、CD系の光ディスクや、DVD系の光ディスク等に対応する。このOPU1は、複数の光ディスクに対応可能なものとされている。
このOPU1(図4,図5)は、Blu-ray Disc,DVD,CD系列などの光ディスクの信号面(図示せず)に対しレーザ光を集光させる複数のOBL31,32(図1〜図3)と、各OBL31,32を保持する一つのレンズホルダ5と、レンズホルダ5に装着されレンズホルダ5を駆動可能な複数のコイル41,42,43,44,45,46と、レンズホルダ5に装着され、コイル41,42,43,44,45,46に電流が流されてコイル41,42,43,44,45,46が通電状態とされたときに、コイル41,42,43,44,45,46に生じる熱を発散させつつ、レンズホルダ5を介してOBL31,32に熱を略均等に伝えさせる一つの熱伝導性改善部材50とを備えるものとされている。
熱伝導性改善部材50がOPU1に装備されていれば、OBL31,32に対する熱の影響は抑えられる。レンズホルダ5に熱伝導性改善部材50が装着されることにより、コイル41,42,43,44,45,46に電流が流されてコイル41,42,43,44,45,46が通電状態とされたときに、コイル41,42,43,44,45,46に生じる熱は、効率よく発散される。また、レンズホルダ5に熱伝導性改善部材50が装着されることにより、コイル41,42,43,44,45,46に電流が流されてコイル41,42,43,44,45,46が通電状態とされたときに、コイル41,42,43,44,45,46に生じる熱は、レンズホルダ5を介してOBL31,32に略均等に伝えられ易くなる。従って、コイル41,42,43,44,45,46が通電状態とされたときに、OBL31,32が略均一に膨張されず、その結果、OBL31,32により集光され光ディスクに照射されたレーザ光のスポットに収差が生じるという不具合の発生は回避される。
各コイル41,42,43,44,45,46に電流が流されたときに、レンズホルダ5全体が略均一に温められつつレンズホルダ5の温度が上がる。これにより、OBL31,32の略中心部31c,32cに対し、レンズ周縁部31e,32eの温度が略均一の温度となる。従って、OBL31,32に生じる熱膨張により、OBL31,32により絞られ光ディスクに照射されたレーザ光のスポットに収差が生じるということは回避される。
OPU1の駆動部2(図4,図5)は、例えば、電流が流されて通電状態とされたときに電磁力を発生する複数のコイル41,42,43,44,45,46と、複数のコイル41,42,43,44,45,46に対応し常に磁力を発生する複数の磁石61,62,63,64,65,66と、各磁石61,62が装着される第一ヨーク81(図5)と、各磁石63,64,65,66が装着される第二ヨーク82と、コイル41(図4)の近傍に位置しレーザ光が透過する第一OBL31と、コイル42の近傍に位置しレーザ光が透過する第二OBL32と、複数のOBL31,32に対する熱の影響を抑える一つの熱伝導性改善部材50(図5)と、複数のコイル41,42,43,44,45,46(図4)と複数のOBL31,32と一つの熱伝導性改善部材50とが装着される一つのレンズホルダ5(図1〜図5)と、一つのレンズホルダ5を弾性支持する複数のサスペンション部70(図4,図5)とを備えるものとして構成されている。
「ヨーク」とは、例えば磁気的な連結を構造的に支持したものを意味する。また、ヨーク(yoke)は、磁石から生じる磁力の漏れを少なくさせるものとされている。また、OPU1の駆動部2は、いわゆるアクチュエータ2として構成されている。「アクチュエータ」とは、例えばエネルギーを並進運動または回転運動に変換させる駆動装置を意味する。アクチュエータ(actuator)は、「ACT」と略称されて用いられる。各OBL31,32によって絞られたレーザ光の焦点が、光ディスクの信号層に合わせられるときに、各OBL31,32が装着されたレンズ組立体7は、アクチュエータ2により前後上下に駆動される。
第一方向駆動用コイル41(図5)に対応して、第一方向駆動用磁石61が第一ヨーク81に取付固定されている。また、第一方向駆動用コイル42に対応して、第一方向駆動用磁石62が第一ヨーク81に取付固定されている。また、第二方向駆動用コイル43に対応して、第二方向駆動用磁石63が第二ヨーク82に取付固定されている。また、第二方向駆動用コイル44(図4)に対応して、第二方向駆動用磁石64が第二ヨーク82に取付固定されている。また、第二方向駆動用コイル45(図4,図5)に対応して、第二方向駆動用磁石65が第二ヨーク82に取付固定されている。また、第二方向駆動用コイル46(図4)に対応して、第二方向駆動用磁石66が第二ヨーク82に取付固定されている。
コイル41,42,43,44,45,46は、例えば、治工具(図示せず)などが用いられて細径の線状導体がコイル装着部11,12,23,24,25,26に巻回されることにより構成される。導体として、例えば細径のエナメル材被覆電線が用いられた。エナメル材が被覆された細径線状導体の巻回作業が行われることにより、例えば、二層巻タイプのコイル41,42,43,44,45,46が構成される。なお、OPU1の設計/仕様などにより、図1〜図5に示すコイル41,42,43,44,45,46に代えて、他の形態のコイル(図示せず)が用いられてもよい。
例えば、コイル41,42,43,44,45,46として、一層巻されたコイル(41,42,43,44,45,46)が用いられてもよい。また、例えば、コイル(41,42,43,44,45,46)として、ガラス層部や、エポキシ樹脂層部などの樹脂層部などを備える基板に、回路導体が鍍金処理されて構成されたコイルが用いられてもよい(何れも図示せず)。例えば、コイルとして、プリントコイルが用いられてもよい。
なお、この明細書において、符号に付けられた括弧( )は、図示されたものと若干異なる形状のものを説明するために、便宜上、用いられている。
また、各OBL31,32、各コイル41,42,43,44,45,46および熱伝導性改善用補強部材50が装着されたレンズホルダ5は、複数のサスペンションワイヤ70(図4,図5)によって、移動可能に弾性支持されている。また、各金属製サスペンションワイヤ70は、回路導体が設けられた制御基板90いわゆる回路基板90に通電可能に接続されて取り付けられている。
サスペンションワイヤ70として、弾性支持特性に優れると共に細径の導体とされる電線が用いられている。金属製サスペンションワイヤ70は、レンズホルダ5(図1〜図3)の第一ピース10に突出形成されたワイヤ装着部5vのワイヤ取付孔5wに挿通され、コイル41,42,43,44,45,46の一端部に半田接続されて、レンズホルダ5に取り付けられる。そのときに、一対のワイヤ装着部5v,5vの各ワイヤ取付孔5wに各サスペンションワイヤ70が挿通された状態で、ワイヤ取付孔5wに下記電子線硬化型接着剤などの接着剤が塗布され、電子線硬化型接着剤などの接着剤が固化することにより、レンズホルダ5に各サスペンションワイヤ70が固定される。接着剤として、例えば、レンズホルダ5(図1,図2)を構成する第一ピース10に第一OBL31および第二OBL32を固着させる接着剤と同じ種類の接着剤を用いる。各OBL31,32が装着されたレンズホルダ5は、複数の金属製サスペンションワイヤ70(図4,図5)によって、移動可能に弾性支持されている。
回路基板90の基板本体91は、絶縁性に優れる合成樹脂材料が用いられて形成されている。例えば、合成樹脂製の基板本体91の上に、金属製の回路導体が形成され、その上に、絶縁被膜が設けられて、回路基板90が構成される(何れも図示せず)。回路基板は、例えば、PWB(printed wired board / printed wiring board)等と呼ばれている。
また、OPU1の可動部3(図4,図5)は、例えば、電流が流されて通電状態とされたときに電磁力を発生する六つのコイル41,42,43,44,45,46と、コイル41(図4)の近傍に位置しレーザ光が透過する第一OBL31と、コイル42の近傍に位置しレーザ光が透過する第二OBL32と、二つのOBL31,32に対する熱の影響を抑える一つの熱伝導性改善部材50(図5)と、六つのコイル41,42,43,44,45,46(図4)と二つのOBL31,32と一つの熱伝導性改善部材50とが装着される一つのレンズホルダ5(図1〜図5)と、一つのレンズホルダ5を弾性支持する六本のサスペンションワイヤ70(図4,図5)とを備えるものとして構成されている。
回路基板90と、サスペンションワイヤ70とが通電可能に接続され、サスペンションワイヤ70と、コイル41,42,43,44,45,46とが通電可能に接続され、回路基板90からサスペンションワイヤ70を経由してコイル41,42,43,44,45,46に電流が流されることで、コイル41,42,43,44,45,46と、対物レンズ31,32と、熱伝導性改善部材50とを備えるレンズホルダ5が動かされる。
レーザ光が通過可能な一対のレーザ光通過孔部51a,51b(図1,図3,図5)が熱伝導性改善用補強部材50に設けられている。熱伝導性改善用補強部材50に設けられた一対のレーザ光通過孔部51a,51bは、熱伝導性改善用補強部材50を軽量化させる肉抜き部を兼ねたものとされている。
また、熱伝導性改善部材50(図1〜図3)は、レンズホルダ5の剛性や強度を補う補強部材50を兼ねたものとされている。
これにより、例えばOPU1のシーク時に、複数のOBL31,32を備えるレンズホルダ5が甚だしく振動し、レンズホルダ5が塑性変形するという不具合の発生は回避される。熱伝導性改善部材50が、レンズホルダ5の剛性や強度を補う補強部材50を兼ねたものとされたことにより、レンズホルダ5に生じる振動は抑えられる。従って、振動に対応したOPU1が構成される。
図3および図5の如く、レンズホルダ5は、下側開口部5aを有する略矩形箱状に形成されている。熱伝導性改善用補強部材50(図1,図3)は、レンズホルダ5の下側開口部5a(図3)に対応した略平板状に形成されている(図1)。レンズホルダ5の下側開口部5a(図3)に熱伝導性改善用補強部材50が装着されて、レンズホルダ組立体6が構成される。
これにより、略矩形箱状のレンズホルダ5を備えるレンズホルダ組立体6の剛性が向上する。略矩形箱状をしたレンズホルダ5の下側開口部5aに、略平板状をした熱伝導性改善用補強部材50が装着されることにより、略矩形箱状のレンズホルダ5に対し、熱伝導性改善用補強部材50が例えば略平板状の蓋として機能する。例えば、蓋が閉じられていない箱状物と、蓋が閉じられた箱状物との強度を比較した場合、蓋が閉じられた箱状物のほうが、蓋が閉じられていない箱状物よりも強度が向上する。これに基づき、略矩形箱状のレンズホルダ5の下側開口部5aに、略平板状の熱伝導性改善用補強部材50を装着させることにより、レンズホルダ5および熱伝導性改善用補強部材50を備えるレンズホルダ組立体6の剛性や強度は向上する。レンズホルダ組立体6の剛性が向上するので、例えば、OPU1のシーク時に、複数のOBL31,32を備えるレンズホルダ5が甚だしく振動するという高次共振の発生は回避される。従って、高次共振に対応し制御が行われ易いOPU1が構成される。
ここでいう高次共振とは、例えば、OPU1を構成する可動部3が変形するほどの共振した状態を意味する。
レンズホルダ組立体6を構成するレンズホルダ5(図1,図2)は、OBL31,32が取り付けられるレンズ装着部13a,13bと、熱伝導性改善用補強部材50が取り付けられる部材装着部17,27(図3)とを備えたものとされている。レンズホルダ5に形成されたレンズ装着部13a,13b(図1)の略反対側に、部材装着部17,27(図3)が形成されている。レンズホルダ5(図1,図2)の上側にレンズ装着部13a,13bが形成され、レンズホルダ5(図3)の下側に部材装着部17,27が形成されている。レンズ組立体7(図1)を構成する各OBL31,32は、レンズホルダ5の上側部5cに取り付けられている。これに対し、熱伝導性改善用補強部材50(図3)は、レンズホルダ5の上側部5cの略反対側部とされるレンズホルダ5の下側部5dに取り付けられている。
このようにレンズ組立体7が構成されていれば、各OBL31,32に対する熱の影響は抑えられる。レンズホルダ5において、各OBL31,32が取り付けられるレンズ装着部13a,13bの略反対側の部材装着部17,27に、熱伝導性改善用補強部材50が取り付けられることにより、OBL31,32に伝えられる熱が略均一化され、OBL31,32の温度勾配が少なくなる。レンズホルダ5に装着されたコイル41,42,43,44,45,46から生じる熱の多くは、レンズホルダ5の部材装着部17,27に取り付けられた熱伝導性改善用補強部材50に伝えられて発散される。また、レンズホルダ5において、熱伝導性改善用補強部材50が取り付けられた部材装着部17,27の略反対側のレンズ装着部13a,13bに、OBL31,32が取り付けられることにより、熱の一部が、レンズホルダ5のレンズ装着部13a,13bに取り付けられたOBL31,32に伝えられる。
このようにOPU1が構成されることにより、OBL31,32に生じようとされる「温度むら」が抑えられる。OBL31,32の「温度むら」が抑えられるので、OBL31,32は略均一に熱膨張する。略均一にOBL31,32が熱膨張することにより、OBL31,32により集光され光ディスクに照射されたレーザ光のスポットに収差が生じるということは回避される。従って、収差が発生され難く制御が行われ易いOPU1が構成される。
OBL31,32(図1)として、第一波長レーザ光に対応した第一OBL31と、第一波長レーザ光に対応すると共に第一波長レーザ光と異なる波長光の第二波長レーザ光に対応した第二OBL32との二種類のOBL31,32が用いられている。
レンズホルダ5(図1,図2)は、第一OBL31が取り付けられる第一レンズ装着部13aと、第二OBL32が取り付けられる第二レンズ装着部13bと、熱伝導性改善用補強部材50が取り付けられる部材装着部17,27(図3)とを備えたものとされている。レンズホルダ5に形成された第一レンズ装着部13aおよび第二レンズ装着部13bの略反対側に、部材装着部17,27が形成されている。
レンズホルダ5のレンズ装着部13a,13b(図1)に第一OBL31および第二OBL32が取り付けられ、レンズホルダ5の部材装着部17,27に熱伝導性改善用補強部材50が取り付けられることで、レンズ組立体7(図2,図3)が構成される。
これにより、熱対策が行われると共にバランスのとれたレンズ組立体7が構成される。OPU1のレンズ組立体7は、電流が流されて通電状態とされたときに電磁力を発生しレンズホルダ5を駆動可能な複数のコイル41,42,43,44,45,46と、コイル41の近傍に位置し第一波長レーザ光に対応した第一OBL31と、コイル42の近傍に位置し第二波長レーザ光に対応した第二OBL32と、各OBL31,32に対する熱の影響を抑える一つの熱伝導性改善用補強部材50と、複数のコイル41,42,43,44,45,46と第一OBL31と第二OBL32と熱伝導性改善用補強部材50とが装着されるレンズホルダ5とを備えるものとして構成される。
レンズホルダ5の上側のレンズ装着部13a,13bに、第一OBL31および第二OBL32が取り付けられることにより、レンズホルダ5の上側とされるレンズ装着部13a,13b側の重量が増加する。しかしながら、レンズホルダ5のレンズ装着部13a,13bの反対側とされレンズホルダ5の下側とされる部材装着部17,27に、熱伝導性改善用補強部材50が取り付けられることにより、レンズホルダ5の下側とされる部材装着部17,27側の重量が増加するので、レンズ組立体7の全体のバランスは保たれる。熱伝導性改善用補強部材50は、バランサとしての役目を果す。熱伝導性改善用補強部材50がレンズ組立体7に装備されることにより、複数のOBL31,32を備えるレンズ組立体7全体のバランスが保たれるので、例えば、OPU1のシーク時に、レンズ組立体7を備えるOPU1が暴走するという不具合の発生は回避され易くなる。
第一OBL31と、第二OBL32との二つのOBL31,32を備えるレンズホルダ5においては、レンズホルダ5が駆動されるときに、ヨーイングが発生され易い。補強部材50を兼ねた熱伝導性改善部材50がレンズホルダ5に装着されることにより、レンズホルダ5に生じるヨーイングが抑えられる。
レンズホルダ5(図1,図2)を構成する第一ピース10に第一OBL31および第二OBL32を固着させる接着剤として、例えば光などの電子線が照射されることで硬化する電子線硬化型接着剤(図示せず)が用いられた。具体的に説明すると、接着剤として、紫外線が照射されることで硬化する紫外線硬化型接着剤が用いられた。
レンズホルダ5を構成する第一ピース10の第一レンズ装着部13aに第一OBL31が装備され、第一レンズ装着部13aの周縁部13cから第一OBL31の周縁部31eにかけて紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤が塗布され、紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤に紫外線などの電子線が照射されることにより、短時間で第一レンズ装着部13aに第一OBL31が固着される。
また、レンズホルダ5を構成する第一ピース10の第二レンズ装着部13bに第二OBL32が装備され、第二レンズ装着部13bの周縁部13dから第二OBL32の周縁部32eにかけて紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤が塗布され、紫外線硬化型接着剤などの電子線硬化型接着剤に紫外線などの電子線が照射されることにより、短時間で第二レンズ装着部13bに第二OBL32が固着される。
これにより、第一OBL31および第二OBL32は、レンズホルダ5を構成する第一ピース10に精度よく迅速に固定される。レンズホルダ5を構成する第一ピース10の第一レンズ装着部13aに第一OBL31が精度よく固定されることにより、光ディスクの信号面部に精度よくレーザ光が照射される。また、レンズホルダ5を構成する第一ピース10の第二レンズ装着部13bに第二OBL32が精度よく固定されることにより、光ディスクの信号面部に精度よくレーザ光が照射される。また、レンズホルダ5を構成する第一ピース10に第一OBL31および第二OBL32が迅速に固着されることにより、レンズホルダ5を構成する第一ピース10に対する第一OBL31および第二OBL32の接着作業は速やかに行われる。従って、OPU1の組立工程における接着工程が迅速化される。また、これに伴って、OPU1の価格低減化が図られる。
電子線硬化型接着剤の一種とされる紫外線硬化型接着剤として、例えば、米国EMI社製:商品名「OPTOCAST」シリーズのもの等が挙げられる。具体的な紫外線硬化型接着剤としては、米国EMI社製:OPTOCAST3400,OPTOCAST3415等が挙げられる。OPTOCAST3400,OPTOCAST3415等の紫外線硬化型接着剤は、エポキシ系のものとされ、一液性の紫外線硬化型接着剤とされている。エポキシ系の紫外線硬化型接着剤は、低収縮性で高耐熱性のものとされ、耐薬品性、耐湿性に優れるものとされている。一液性の紫外線硬化型接着剤が用いられることにより、二液性の紫外線硬化型接着剤が使用されるときに行われる液と液との混合作業が不要となる。従って、接着剤の塗布工程は、迅速で効率的に行われる。
また、電子線硬化型接着剤の一種とされる紫外線硬化型接着剤として、例えば、米国NORLAND社製:光学UV接着剤NOA60,NOA83H等が挙げられる。光学UV接着剤NOA60,NOA83H等の紫外線硬化型接着剤は、アクリル系のものとされ、一液性の紫外線硬化型接着剤とされている。アクリル系の紫外線硬化型接着剤は、硬化時間が短く数秒単位で硬化可能なものとされている。「UV」とは、「ultraviolet」を意味する。また、「ultraviolet radiation」は、「紫外線」を意味する。紫外線硬化型接着剤は、UV硬化型接着剤などと呼ばれている。光ピックアップ装置の設計仕様などにより、例えば二液性の紫外線硬化型接着剤が用いられて接着工程が行われたものも使用可能とされる。二液性の紫外線硬化型接着剤として、例えば二液性エポキシ系の紫外線硬化型接着剤などが挙げられる。
このOPU1は、第一波長レーザ光と、第一波長レーザ光と異なる波長光の第二波長レーザ光と、第一波長レーザ光および第二波長レーザ光と異なる波長光の第三波長レーザ光との三波長に対応したOPU1とされている。第一波長レーザ光は、例えば波長が約390〜420nm(ナノメータ)、基準とされる波長が略405nmの「HD DVD」用および「Blu-ray Disc」用の青紫色レーザ光とされている。また、第二波長レーザ光は、例えば波長が約630〜685nm、基準とされる波長が略635nmまたは650nmのDVD用の赤色レーザ光とされている。また、第三波長レーザ光は、例えば波長が約770〜830nm、基準とされる波長が略780nmのCD用の赤外レーザ光とされている。
第一OBL31は、例えば、第一波長レーザ光に対応した「Blu-ray Disc」専用のものとされている。第一OBL31の開口数は、略0.85とされている。開口数とは、光学器械でOBLの有効半径(入射ひとみの半径)を物点から見る角の正弦と、入射側の媒質の屈折率との積をいう。開口数は、OBLの性能を表すときに用いられる。開口数(Numerical Aperture)は、「NA」と省略されて用いられている。
第二OBL32は、例えば、「HD DVD」用の第一波長レーザ光と、「DVD」用の第二波長レーザ光と、「CD」用の第三波長レーザ光との三種類のレーザ光に対応したものとされている。第二OBL32の開口数は、略0.6とされている。第二OBL32を透過するレーザ光の光路に、開口制限付広帯域1/4波長板(図示せず)が設けられ、この開口制限付広帯域1/4波長板により、第二OBL32は、例えば開口数約0.37〜0.95、実質的に開口数略0.45〜0.65として機能する。
図1の如く、第一OBL31が取り付けられる第一レンズ装着部13aが、レンズホルダ5の本体5bの上側部5cに凹設されている。また、第二OBL32が取り付けられる第二レンズ装着部13bが、レンズホルダ5の本体5bの上側部5cに凹設されている。
また、コイル41が取り付けられるコイル装着部11が、レンズホルダ5の本体5bの側面部5eから本体5bの外側に向けて凸設されている。また、コイル42が取り付けられるコイル装着部12が、レンズホルダ5の本体5bの側面部5eから本体5bの外側に向けて凸設されている。
また、コイル43が取り付けられるコイル装着部23が、レンズホルダ5を構成する骨組部5fから骨組部5fの外側に向けて凸設されている。また、コイル44が取り付けられるコイル装着部24が、レンズホルダ5を構成する骨組部5fから骨組部5fの外側に向けて凸設されている。また、コイル45が取り付けられるコイル装着部25が、レンズホルダ5を構成する骨組部5fから骨組部5fの外側に向けて凸設されている。また、コイル46が取り付けられるコイル装着部26が、レンズホルダ5を構成する骨組部5fから骨組部5fの外側に向けて凸設されている。
コイル41に生じた熱が第一OBL31に伝えられることを防ぐ第一熱伝導遮断孔14aが、第一レンズ装着部13aと、コイル装着部11との間に穿設されている。レンズホルダ5の本体5bと、コイル装着部11との間には、熱逃し用の隙間14aが設けられている。熱の経路を遮断させるために、レンズホルダ5に熱伝導遮断孔14aが設けられている。
これにより、コイル41(図1,図2)に生じた熱が第一OBL31に伝えられるということは、防止され易くなる。レンズホルダ5の第一レンズ装着部13aと、レンズホルダ5のコイル装着部11との間に、第一熱伝導遮断孔14aが穿設されることにより、コイル41に生じた熱は、第一OBL31に伝えられ難くなる。コイル41に電流が流されてコイル41が通電状態とされたときにコイル41に生じる熱は、コイル41からレンズホルダ5のコイル装着部11に伝えられる。レンズホルダ5の本体5bの側面部5eに凸設されたコイル装着部11と、レンズホルダ5の本体5bの上側部5cに凹設された第一レンズ装着部13aとの間に、第一熱伝導遮断孔14aが穿設されているので、レンズホルダ5のコイル装着部11から、レンズホルダ5の第一レンズ装着部13aに多くの熱が伝えられるということは回避される。従って、第一OBL31に対する熱の影響は抑えられる。
また、コイル42に生じた熱が第二OBL32に伝えられることを防ぐ第二熱伝導遮断孔14bが、第二レンズ装着部13bと、コイル装着部12との間に穿設されている。レンズホルダ5の本体5bと、コイル装着部12との間には、熱逃し用の隙間14bが設けられている。熱の経路を遮断させるために、レンズホルダ5に熱伝導遮断孔14bが設けられている。
これにより、コイル42に生じた熱が第二OBL32に伝えられるということは、防止され易くなる。レンズホルダ5の第二レンズ装着部13bと、レンズホルダ5のコイル装着部12との間に、第二熱伝導遮断孔14bが穿設されることにより、コイル42に生じた熱は、第二OBL32に伝えられ難くなる。コイル42に電流が流されてコイル42が通電状態とされたときにコイル42に生じる熱は、コイル42からレンズホルダ5のコイル装着部12に伝えられる。レンズホルダ5の本体5bの側面部5eに凸設されたコイル装着部12と、レンズホルダ5の本体5bの上側部5cに凹設された第二レンズ装着部13bとの間に、第二熱伝導遮断孔14bが穿設されているので、レンズホルダ5のコイル装着部12から、レンズホルダ5の第二レンズ装着部13bに多くの熱が伝えられるということは回避される。従って、第二OBL32に対する熱の影響は抑えられる。
熱伝導性改善用補強部材50(図1)は、熱伝導性および放熱性に優れる非鉄金属材料が用いられ、板金が打抜き成形されて形成されている。また、レンズホルダ5を構成する第一ピース10および第二ピース20は、レンズホルダ5を軽量化させると共に成形性に優れる合成樹脂材料が用いられて、大量生産性に優れる射出成形法に基づき形成されている。
これにより、各OBL31,32に不均等な温度勾配が生じるということは回避される。合成樹脂製の第一ピース10および第二ピース20が組み立てられて構成されたレンズホルダ5に、非鉄金属製の熱伝導性改善用補強部材50が組付け装着されることにより、レンズホルダ5に装着された各コイル41,42,43,44,45,46から生じる熱の流れは整えられる。従って、各コイル41,42,43,44,45,46に生じた熱は、レンズホルダ5を介して略均等に各OBL31,32に伝えられる。
また、一般に非鉄金属は腐食され難いものとされているので、非鉄金属製の熱伝導性改善用補強部材50は、温度が上昇するOPU1に長期に亘って腐食が進行することなく備えられる。非鉄金属として、例えば、アルミニウムやマグネシウムなどが挙げられる。また、非鉄金属合金として、例えば、アルミニウム合金やマグネシウム合金などが挙げられる。具体的に説明すると、アルミニウム合金などの非鉄金属材料として、例えば、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)等の性能向上成分を約0.01〜0.6%含有する非鉄金属材料が挙げられる。
また、一般に金属材料成形体は、樹脂材料成形体よりも剛性が高いため、非鉄金属製の熱伝導性改善用補強部材50が合成樹脂製のレンズホルダ5に組付け装着されることで構成されたレンズホルダ組立体6の剛性は向上する。レンズホルダ組立体6の剛性が向上するので、例えば、OPU1のシーク時に、各OBL31,32を備えるレンズホルダ組立体6が甚だしく振動するという高次共振の発生は回避される。従って、高次共振に対応し制御が行われ易いOPU1が構成される。
熱伝導性改善用補強部材50(図1)は、マグネット61,62,63,64,65,66(図4,図5)などの磁性体から常に生じる磁力や、コイル41,42,43,44,45,46(図1〜図4)に電流が流されて通電状態とされたときにコイル41,42,43,44,45,46に生じる電磁力に影響されない非磁性体として形成されている。
金属製のコイル41,42,43,44,45,46と、金属製の熱伝導性改善用補強部材50とが接触して、ショートが発生することを防止するために、レンズホルダ5に装着された金属製のコイル41,42,43,44,45,46と、レンズホルダ5に装着された金属製の熱伝導性改善用補強部材50とは、非接触とされて離されている(図3)。レンズホルダ5は、金属製の熱伝導性改善用補強部材50に対し、コイル41,42,43,44,45,46に流される電流を絶縁させるために、絶縁性に優れる合成樹脂材料が用いられて形成されている。
各コイル41,42,43,44,45,46が装備されるレンズホルダ5は、絶縁性に優れる合成樹脂材料が用いられて形成される。レンズホルダ5は、金属材料よりも比重が小さく軽量化に適した合成樹脂材料が用いられて形成されている。詳しく説明すると、このレンズホルダ5は、液晶ポリマなどの成形性に優れる熱可塑性樹脂が用いられて、大量生産性に優れる射出成形法に基づいて形成されている。液晶ポリマとして、例えば、ポリプラスチックス社製:ベクトラ(登録商標)等が挙げられる。また、ベクトラ(登録商標)の商品として、例えば、グレードA410,S471等が挙げられる。
熱伝導性改善用補強部材50(図1)は、アルミニウム合金などのアルミニウム材料製の板金が用いられて、肉抜きされた略平板状に打抜き形成されている。熱伝導性改善用補強部材50は、アルミニウム板として形成されている。
アルミニウム材料が用いられて熱伝導性改善用補強部材50が形成されていれば、各OBL31,32(図1〜図3)に不均等な温度勾配が生じるということは回避される。アルミニウム材料成形体は、熱伝導性に優れたものとされている。例えば、アルミニウム材料成形体の熱伝導率は、鉄材料成形体の熱伝導率の約三倍とされている。例えば、鉄材料成形体の熱伝導率が約47kcal/m・hr・℃とされているのに対し、アルミニウム材料成形体の熱伝導率は、約180kcal/m・hr・℃とされている。このように、アルミニウム材料成形体は、熱を伝え易いものとされている。従って、コイル41,42,43,44,45,46に電流が流されてコイル41,42,43,44,45,46が通電状態とされたときに、コイル41,42,43,44,45,46に生じる熱は、アルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材50に効率よく伝えられて発散される。
各コイル41,42,43,44,45,46に同時に電流が流され、各コイル41,42,43,44,45,46が同時に発熱したときに、先ず、アルミニウム等の非鉄金属製の熱伝導性改善用補強部材50が温められる。その後、レンズホルダ5の下側部5dから上側部5cにかけて熱が上がってゆき、各OBL31,32に熱が略均一に伝えられる。
また、アルミニウム材料成形体は、比剛性が高いものとされている。一般に、アルミニウム合金などのアルミニウム材料成形体は、合成樹脂材料成形体よりも剛性が高いため、アルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材50が合成樹脂製のレンズホルダ5に組付け装着されることで構成されたレンズホルダ組立体6の剛性は向上する。レンズホルダ組立体6の剛性が向上するので、例えば、OPU1のシーク時に、OBL31,32を備えるレンズホルダ組立体6が甚だしく振動するという高次共振の発生は回避される。従って、高次共振に対応し制御が行われ易いOPU1が構成される。
また、アルミニウム材料成形体は、軽量化に適したものとされている。例えば、アルミニウムの比重は、鉄の比重の約三分の一とされている。例えば、鉄の比重は、約7.87とされているのに対し、アルミニウムの比重は、約2.71とされている。アルミニウム材料が用いられて、肉抜きされた略平板状の熱伝導性改善用補強部材50が板金から打抜き形成されることにより、OPU1の軽量化が図られる。熱伝導性改善用補強部材50がレンズホルダ5に装着されていても、レンズホルダ5の動作応答性が低下するということは回避される。
また、アルミニウム材料成形体は、非磁性体とされ、磁気をおびず、磁場に影響されないものとされている。このため、アルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材50が、コイル41,42,43,44,45,46や、マグネット61,62,63,64,65,66などに磁気の影響を及ぼすということは回避される。従って、レンズホルダ5を駆動可能な複数のコイル41,42,43,44,45,46や、複数のマグネット61,62,63,64,65,66に、磁気による悪影響が及ぶことのないOPU1が構成される。
アルミニウムを主成分とする非鉄金属材料として、例えば、マグネシウム(Mg)及びマンガン(Mn)からなる群から選択される少なくとも一種以上の性能向上成分を約0.05〜0.6%含有するアルミニウム合金が用いられることが好ましい。
アルミニウムを主成分とする非鉄金属材料として、例えば、加工性がよく耐食性に優れるアルミニウム−マグネシウム(Al−Mg)系合金が挙げられる。詳しく説明すると、アルミニウムを主成分とする非鉄金属材料として、例えば、「JIS H4000」に基づいて定められた5000系材料などが挙げられる。具体的に説明すると、アルミニウム合金として、例えば、「JIS H4000」に基づいて定められた5005(A5005),5052(A5052),5056(A5056),5083(A5083),5086(A5086)等が挙げられる。
また、アルミニウムを主成分とする非鉄金属材料として、例えば、加工性がよく耐食性に優れるアルミニウム−マンガン(Al−Mn)系合金が挙げられる。詳しく説明すると、アルミニウムを主成分とする非鉄金属材料として、例えば、「JIS H4000」に基づいて定められた3000系材料などが挙げられる。具体的に説明すると、アルミニウム合金として、例えば、「JIS H4000」に基づいて定められた3003(A3003),3004(A3004),3005(A3005)等が挙げられる。
光ピックアップ装置1の設計/仕様などにより、アルミニウムを主成分とする熱伝導性改善用補強部材50に代えて、例えば、アルミニウム以外の他の非鉄金属を主成分とする熱伝導性改善用補強部材50が用いられてもよい。例えば、アルミニウムを主成分とする熱伝導性改善用補強部材50に代えて、銅を主成分とする熱伝導性改善用補強部材50が用いられた。
銅を主成分とする熱伝導性改善用補強部材50は、バランサとしての役目を果す。銅の比重は約8.92とされ、銅は重い材料とされているので、二つのOBL31,32を備えたレンズホルダ5の下側部5dに、銅を主成分とする熱伝導性改善用補強部材50が装備されることにより、レンズホルダ5の本体5bの上側部5cに二つのOBL31,32が装備されたレンズホルダ5のバランスがとられる。
アルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材50に代えて用いられた熱伝導性改善用補強部材50は、銅合金などの銅材料製の板金が用いられて、肉抜きされた略平板状に打抜き形成されている。熱伝導性改善用補強部材50は、銅板として形成されている。
銅材料が用いられて熱伝導性改善用補強部材50が形成されていれば、各OBL31,32に不均等な温度勾配が生じるということは回避される。銅材料成形体は、熱伝導性に優れたものとされている。例えば、純銅材料成形体の熱伝導率は、鉄材料成形体の熱伝導率の約六倍以上とされている。例えば、鉄材料成形体の熱伝導率が約0.150cal/cm・/sec/℃とされているのに対し、純銅材料成形体の熱伝導率は、約0.938cal/cm・/sec/℃とされている。また、例えば、銅材料成形体の熱伝導率は、アルミニウム材料成形体の熱伝導率の約1.5倍以上とされている。例えば、アルミニウム材料成形体の熱伝導率が約0.534cal/cm・/sec/℃とされているのに対し、純銅材料成形体の熱伝導率は、約0.938cal/cm・/sec/℃とされている。このように、銅材料成形体は、熱を伝え易いものとされている。従って、コイル41,42,43,44,45,46に電流が流されてコイル41,42,43,44,45,46が通電状態とされたときに、コイル41,42,43,44,45,46に生じる熱は、銅製の熱伝導性改善用補強部材50に効率よく伝えられて発散される。
各コイル41,42,43,44,45,46に同時に電流が流され、各コイル41,42,43,44,45,46が同時に発熱したときに、先ず、銅などの非鉄金属製の熱伝導性改善用補強部材50が温められる。その後、レンズホルダ5の下側部5dから上側部5cにかけて熱が上がってゆき、各OBL31,32に熱が略均一に伝えられる。
また、光ピックアップ装置1に用いられるために各種銅材料の中から選択された銅材料成形体は、非磁性体とされ、磁気をおびず、磁場に影響されないものとされている。このため、銅製の熱伝導性改善用補強部材50が、コイル41,42,43,44,45,46や、マグネット61,62,63,64,65,66などに磁気の影響を及ぼすということは回避される。従って、レンズホルダ5を駆動可能な複数のコイル41,42,43,44,45,46や、複数のマグネット61,62,63,64,65,66に、磁気による悪影響が及ぶことのないOPU1が構成される。
銅を主成分とする非鉄金属材料として、例えば、加工性や耐食性等のよいタフピッチ銅が挙げられる。タフピッチ銅として、例えば、「JIS H3100」に基づいて定められたC1100等が挙げられる。また、銅を主成分とする非鉄金属材料として、例えば、加工性や耐食性等のよい無酸素銅が挙げられる。無酸素銅として、例えば、「JIS H3100」に基づいて定められたC1020等が挙げられる。また、銅を主成分とする非鉄金属材料として、例えば、加工性や耐食性等のよいりん脱酸銅が挙げられる。りん脱酸銅として、例えば、「JIS H3100」に基づいて定められたC1201等が挙げられる。
レンズホルダ5の一対の射出ゲート跡部(図示せず)が熱伝導性改善用補強部材50に干渉することを回避させる一対の貫通孔形状のゲート跡回避部52,52が、熱伝導性改善用補強部材50に設けられている。熱伝導性改善用補強部材50に設けられた一対の貫通孔状ゲート跡回避部52,52は、熱伝導性改善用補強部材50を軽量化させる肉抜き部を兼ねたものとされている。
図3の如く、アルミニウム合金製の熱伝導性改善用補強部材50は、合成樹脂製のレンズホルダ5を構成する各壁5g,5hに当接された状態で、レンズホルダ5に装着されている。
これにより、レンズホルダ5に装着された各コイル41,42,43,44,45,46から生じる熱は、レンズホルダ5の各壁5g,5hを経由して熱伝導性改善用補強部材50に伝えられる。詳しく説明すると、レンズホルダ5に装着された各コイル41,42から生じる熱は、レンズホルダ5の壁5gを経由して熱伝導性改善用補強部材50に確実に伝えられる。また、レンズホルダ5に装着された各コイル43,44,45,46から生じる熱は、レンズホルダ5の壁5hを経由して熱伝導性改善用補強部材50に確実に伝えられる。
レンズホルダ5を構成する各壁5g,5hに熱伝導性改善用補強部材50が当接されることにより、レンズホルダ5に熱が蓄積されるということは回避される。各コイル41,42から生じた熱は、レンズホルダ5の壁5gに当接された熱伝導性改善用補強部材50に伝えられて、熱伝導性改善用補強部材50から効率よく発散される。また、各コイル43,44,45,46から生じた熱は、レンズホルダ5の壁5hに当接された熱伝導性改善用補強部材50に伝えられて、熱伝導性改善用補強部材50から効率よく発散される。
接着剤(図示せず)が用いられて、レンズホルダ5の下側部5dに熱伝導性改善用補強部材50が取り付けられる。接着剤として、熱硬化性樹脂を含有する接着剤が用いられた。詳しく説明すると、レンズホルダ5に熱伝導性改善用補強部材50を固着させる接着剤として、熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂が用いられた。具体的に説明すると、接着剤として、例えば、紫外線が照射されることで硬化する上記エポキシ系の紫外線硬化型接着剤が用いられた。OPU1の設計/仕様などにより、例えば、紫外線硬化型接着剤以外の通常のエポキシ系接着剤が用いられてもよい。
レンズホルダ5(図3)に対し位置合せを行わせ易くさせる一対の位置決め用孔部58,58(図1)が、熱伝導性改善用補強部材50に設けられている。熱伝導性改善用補強部材50に設けられた一対の位置決め用孔部58,58は、熱伝導性改善用補強部材50を軽量化させる肉抜き部を兼ねたものとされている。熱伝導性改善用補強部材50に設けられた一対の位置決め用孔部58,58に対応して、レンズホルダ5(図3)に、一対の位置合せ部用突出部28,28が設けられている。
熱伝導性改善用補強部材50の一対の位置決め用孔部58,58が、レンズホルダ5の一対の位置合せ部用突出部28,28に合わせられることで、レンズホルダ5に熱伝導性改善用補強部材50が精度良く装着される。
また、レンズホルダ5(図3)に対し位置合せを行わせ易くさせると共に、レンズホルダ5に対する熱伝導性改善用補強部材50の取付方向を規定する一対の位置決め用突出端縁部59,59(図1)が、熱伝導性改善用補強部材50に設けられている。熱伝導性改善用補強部材50に設けられた一対の位置決め用突出端縁部59,59に対応して、レンズホルダ5(図3)に、一対の位置合せ用膨出内壁部29,29が設けられている。
熱伝導性改善用補強部材50の一対の位置決め用突出端縁部59,59が、レンズホルダ5の一対の位置合せ用膨出内壁部29,29に合わせられることで、熱伝導性改善用補強部材50が精度良く正しい向きでレンズホルダ5に装着される。
レンズホルダ5の熱は、レンズホルダ5に精度良く装着された熱伝導性改善用補強部材50を介して、レンズホルダ組立体6の外部に逃がされる。従って、レンズホルダ組立体6全体の熱伝導率が向上する。
図1の如く、レンズホルダ5は、複数のOBL31,32が装着される第一ピース10と、一つの熱伝導性改善用補強部材50が装着される第二ピース20とを備えて構成されている。
これにより、各OBL31,32に伝えられる熱量は抑えられる。レンズホルダ5が、複数のOBL31,32が装着される第一ピース10と、一つの熱伝導性改善用補強部材50が装着される第二ピース20との二部材に分けられることにより、例えば、第二ピース20から第一ピース10に向けた熱の伝わりは間接的となる。第二ピース20から第一ピース10に向けた熱の伝わりが間接的となるので、各OBL31,32が装着された第一ピース10に伝えられる熱は抑えられる。第一ピース10に伝えられる熱が抑えられるので、第一ピース10に装着された各OBL31,32への熱の伝わりは抑えられる。
また、複雑な形状のレンズホルダ5とされていても、レンズホルダ5が、第一ピース10と、第一ピース10に組み付けられる第二ピース20との二部材に分けられることにより、レンズホルダ5は、射出成形法に基づいて容易に製造される。
図1〜図3においては、レンズホルダ5は、第一ピース10と、第二ピース20との二つのものを備えた二構造のものとして構成されているが、OPU1の設計/仕様などにより、例えば、2ピース構造とされることなく単一部材のレンズホルダ(5)とされたものも使用可能とされる。
図1の如く、レンズホルダ5は、第一OBL31および第二OBL32が装着される第一ピース10と、単品の熱伝導性改善用補強部材50が装着される第二ピース20とを備えて構成されている。第一ピース10を形成する材料の熱伝導率と、第二ピース20を形成する材料の熱伝導率とは、異なる熱伝導率とされている。
これにより、第一OBL31および第二OBL32に伝えられる熱量は抑えられる。第一ピース10を形成する材料の熱伝導率と、第二ピース20を形成する材料の熱伝導率とが異なる熱伝導率とされていれば、第一OBL31および第二OBL32が装着された第一ピース10に伝えられる熱伝導量は抑えられる。例えば、第一ピース10の材料と、第二ピース20の材料との選定などにより、各OBL31,32が装着された第一ピース10に伝えられる熱伝導量は抑えられる。
レンズホルダ5(図1)は、二つのOBL31,32が装着される第一ピース10と、一つの熱伝導性改善用補強部材50が装着される第二ピース20とを備えて構成されている。
また、コイル41,42,43,44,45,46として、第一ピース10に装着される一対の第一方向駆動用コイル41,42と、第二ピース20に装着される二対の第二方向駆動用コイル43,44,45,46とが用いられた。
レンズ組立体7を第一方向D1に沿って駆動させる第一方向駆動用コイル41,42は、光ディスクに対してレンズ組立体7をトラッキング方向に沿って駆動させるトラッキングコイル41,42とされている。「トラッキング」とは、光を用いて、光ディスクに設けられた微小なピット(穴、凹み)や、グルーブ(溝)、ウォブル(蛇行)などを追跡観測し、螺旋状に描かれた軌道の位置を定めることを意味する(何れも図示せず)。光ディスクに対し、各OBL31,32を備えるレンズ組立体7のトラッキングサーボが行われるときに、各OBL31,32を備えるレンズ組立体7は、前後方向D1に沿って動かされる。
また、レンズ組立体7を第二方向D2に沿って駆動させる第二方向駆動用コイル43,44,45,46は、光ディスクに対してレンズ組立体7をフォーカス方向に沿って駆動させたり、レンズ組立体7のチルト調整を行わせたりさせるフォーカス・チルトコイル43,44,45,46とされている。「フォーカス」とは、焦点やピントを意味する。また、「チルト」とは、光ディスクの信号面と、発光素子から出射されOBLを透過したレーザ光の光軸との角度ずれを意味する。光ディスクに対し、各OBL31,32を備えるレンズ組立体7のフォーカスサーボが行われるときに、各OBL31,32を備えるレンズ組立体7は、上下方向D2に沿って動かされる。
コイル41が巻回されるコイル装着部11が、第一ピース10の側面部5eに突出形成されている。また、コイル42が巻回されるコイル装着部12が、第一ピース10の側面部5eに突出形成されている。第一方向駆動用コイル41,42が巻回される第一コイル装着部11,12が、第一ピース10の側面部5eに一対ほど設けられている。
また、コイル43が巻回されるコイル装着部23が、第二ピース20の骨組部5fに突出形成されている。また、コイル44が巻回されるコイル装着部24が、第二ピース20の骨組部5fに突出形成されている。また、コイル45が巻回されるコイル装着部25が、第二ピース20の骨組部5fに突出形成されている。また、コイル46が巻回されるコイル装着部26が、第二ピース20の骨組部5fに突出形成されている。第二方向駆動用コイル43,44,45,46が巻回される第二コイル装着部23,24,25,26が、第二ピース20の骨組部5fに二対ほど設けられている。
これにより、熱対策が行われると共に、価格を抑えたOPU1が構成される。例えば、レンズホルダ(5)を構成する第一ピースから第二ピースに亘って各コイル(41,42,43,44,45,46)を巻回させる構造のレンズホルダが用いられた場合、各コイル(41,42,43,44,45,46)を第一ピースから第二ピースに亘って効率よく正確に巻回させる作業は、難しい作業とされていた。コイル巻回作業が難しい作業とされた場合、コイル巻回作業に多くの時間が費やされることとなり、これに伴って、OPU(1)の価格が上がることが懸念される。
しかしながら、第一ピース10の第一コイル装着部11,12に第一方向駆動用コイル41,42が巻回され、第二ピース20の第二コイル装着部23,24,25,26に第二方向駆動用コイル43,44,45,46が巻回されることにより、コイル巻回作業は、効率よく正確に行われる。コイル巻回作業は、レンズホルダ5の第一ピース10の第一コイル装着部11,12に第一方向駆動用コイル41,42が巻回される作業と、レンズホルダ5の第二ピース20の第二コイル装着部23,24,25,26に第二方向駆動用コイル43,44,45,46が巻回される作業との個別巻回作業とされるので、コイル巻回作業は、無理なく効率的に行われる。従って、OPU1の製造コストが低く抑えられる。
レンズホルダ5の各コイル装着部11,12,23,24,25,26に、導線などの電線が直に巻かれることで、各コイル41,42,43,44,45,46が構成される。導線などの電線が巻回されることにより構成された各コイル41,42,43,44,45,46は、二層巻タイプのコイル41,42,43,44,45,46として構成されている。
OPU1が組み立てられるときに、OPU1の上側に、例えば各種部品を保護する被覆板100が備えられる。被覆板100は、例えば放熱性に優れる薄肉金属板が用いられてプレス成形されている。薄肉板金製の被覆板100に代えて、例えば合成樹脂製の黒色被覆板100がOPU1の上側に備えられてもよい。
上記OPU1は、光ディスク装置に内装される。光ディスク装置は、上記OPU1を備えるものとされている。
これにより、OBL31またはOBL32により集光され光ディスクに照射されたレーザ光のスポットに収差が生じ、その結果、光ディスク装置が正常に機能しないという不具合の発生は、回避される。
本発明のOPUは、図示されたものに限定されるものではない。
例えば、略平板状をしたアルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材(50)が、OBL(31,32)の直下に取り付けられてもよい。また、略平板状をしたアルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材(50)が、レンズホルダ(5)を構成する第一ピース(10)と、第二ピース(20)との間に設けられてもよい。また、略平板状をしたアルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材(50)が、OBL(31,32)を囲む形状に形成されてもよい。
レンズホルダ5に対しアルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材50の取付位置を最適化させることや、アルミニウム製の熱伝導性改善用補強部材50の形状を最適化させることで、OPU1の可動部3の重心位置調整や、OPU1の高次共振特性の改善などが行われる。
また、図4に示すOPU1においては、レンズホルダ5は、第一OBL31と、第二OBL32との二つのOBL31,32を備えたものとされているが、例えば、OPU(1)の設計/仕様などにより、二つのOBL(31,32)が装備されることなく、OBLとして一つのOBLのみが装備されたレンズホルダを有するOPUも使用可能とされる(図示せず)。
また、レーザ光を出射する発光素子として、例えば、異なる二種類の波長のレーザ光を出射可能な二波長発光素子(図示せず)や、異なる三種類の波長のレーザ光を出射可能な三波長発光素子(図示せず)が用いられてもよい。
本発明のものは、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能とされる。