JP2011048596A - 火災警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】各火災警報器間で互いに電波の干渉が起こるのを防ぐとともに全ての火災警報器に迅速に火災の発生を知らせることのできる火災警報システムを提供する。
【解決手段】中継ルート設定用スイッチに所定の操作入力が受け付けられた特定の火災警報器TRの制御部1は、応答メッセージの返信を促す確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させるとともに、応答メッセージの返信があった下位の各火災警報器TRに返信の無い火災警報器TRの探索を指令する探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から順次送信させ、応答メッセージの返信の無い火災警報器TRがあれば応答メッセージの返信があった更に下位の各火災警報器TRに順次探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させる動作を自身を除く全ての火災警報器TRから応答メッセージを受信するまで繰り返す。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の火災警報器が電波を媒体とする無線信号を送受信するようにした火災警報システムに関する。
従来から、住宅火災による犠牲者を減らすことを目的として住宅への火災警報器の設置が義務付けられており、既存住宅への施工性の観点から無線信号を利用して複数の火災警報器を連動させる火災警報システムが提供されている。このような火災警報システムは、多箇所に設置された複数台の火災警報器が各々火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能とを有しており、何れかの火災警報器が火災を感知すると、当該火災警報器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報を無線信号で他の火災警報器に伝送することにより、火元の火災警報器だけでなく複数台の火災警報器が連動して一斉に警報音を鳴動することにより、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる。
上述のような火災警報システムの一つとして、それぞれの火災警報器が自身を除く他の火災警報器から無線通信で受け取ったメッセージを更に別の火災警報器に中継する、所謂マルチホップ通信を行うことにより、電波が直接届かない火災警報器同士を連動させることができるものがある。但し、各火災警報器は、自身を除く他の火災警報器のうち少なくとも1つと無線通信が可能な状態であることを必要とする。
このような無線信号を中継する火災警報システムでは、複数の火災警報器が同時に中継送信を行うことで互いの電波が干渉し、各火災警報器間で正常に通信を行うことができない虞があった。この問題を解決した火災警報システムが例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の従来例では、各火災警報器において個々に割り当てられた登録番号と予め定められた単位時間との積に基づいて中継遅延時間を算出し、連動制御信号を受信した際に、連動警報を開始させるとともに、その受信した連動制御信号を算出した中継遅延時間の経過後に中継送信するようになっている。而して、各火災警報器から連動制御信号が個々で異なる中継遅延時間の経過後に中継送信されるため、互いの電波が干渉するのを防ぐことができる。
特開2008−009480号公報
しかしながら、上記従来例では、各火災警報器が中継遅延時間の経過後に中継送信を行うために、全ての火災警報器に無線信号を送信するのに要する時間が中継遅延時間の分だけ余計にかかってしまう。このため、全ての火災警報器に迅速に火災の発生を知らせることができないという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、各火災警報器間で互いに電波の干渉が起こるのを防ぐとともに全ての火災警報器に迅速に火災の発生を知らせることのできる火災警報システムを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、電波を媒体とする無線信号を送受信する複数の火災警報器を備え、各火災警報器は、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する報知手段と、送信元アドレス及び宛先アドレス、並びに各種メッセージを含む無線信号を送受信する無線送受信手段と、火災感知手段で火災を感知したときに報知手段に火災警報を報知させるとともに他の火災警報器に火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、且つ他の火災警報器から送信される無線信号を受信して火災警報メッセージを受け取った時に報知手段に火災警報を報知させる制御手段とを備え、各火災警報器の制御手段は、何れかの火災警報器から送信された火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信手段で受信した場合、当該火災警報メッセージを予め設定された中継ルートに従って中継する火災警報システムであって、各火災警報器は、互いに異なる固有の識別符号を有し、且つシステムに属する全ての火災警報器の識別符号を記憶するとともに、所定の操作入力を受け付けると自身から他の全ての火災警報器に対して無線信号を送信する場合における中継ルートを設定する動作を制御手段に行わせる中継ルート設定手段を備え、何れかの特定の火災警報器の中継ルート設定手段において所定の操作入力が受け付けられると、当該特定の火災警報器の制御手段は、受信した旨を知らせる応答メッセージの返信を促す確認メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させるとともに、応答メッセージの返信があった下位の火災警報器の識別符号と自身の記憶している全ての火災警報器の識別符号とを照合し、返信の無い火災警報器があれば返信があった下位の各火災警報器に対して予め設定された探索条件に基づいて返信の無い火災警報器の探索を指令する探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、下位の各火災警報器の制御手段は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させるとともに、自身の下位の火災警報器から応答メッセージを受信すると探索メッセージの送信元アドレスに設定されている識別符号を中継元アドレスに設定し、且つ応答メッセージの送信元アドレスに設定されている識別符号を中継先アドレスに設定することで中継ルートを設定するとともに、当該応答メッセージを無線送受信手段から特定の火災警報器に中継送信させ、特定の火災警報器の制御手段は、自身を除く全ての火災警報器から応答メッセージを受信するまで上記一連の動作を繰り返すことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、探索条件は、応答メッセージの返信があった下位の各火災警報器に順次探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、応答メッセージの返信の無い火災警報器があれば応答メッセージの返信があった更に下位の各火災警報器に順次探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させる動作を繰り返すものであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、探索条件は、応答メッセージの返信があった下位の火災警報器のうち一の火災警報器の下位の火災警報器から応答メッセージの返信が無くなるまで探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、応答メッセージの返信が無くなると次の下位の火災警報器に探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させる動作を繰り返すものであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項の発明において、各火災警報器は、所定時間毎にタイミング信号を生成するタイマ手段を有し、制御手段は、タイミング信号を受け付けると中継ルートを設定する動作を自動的に行うことを特徴とする。
本発明によれば、全ての火災警報器に無線信号を送信するために必要な火災警報器のみを中継するように中継ルートを設定することができるので、全ての火災警報器が無線信号を中継する機能を有する場合と比較して、各火災警報器間で互いに電波の干渉が起こるのを防ぐことができる。また、中継ルート上の火災警報器では無線信号を受信すると中継送信を行うので、各火災警報器において中継遅延時間の経過後に無線信号を中継送信する場合と比較して、全ての火災警報器に無線信号を送信するのに要する時間を短くすることができる。したがって、全ての火災警報器に迅速に火災の発生を知らせることができる。
本発明に係る火災警報システムの実施形態を示す図で、(a)は火災警報器のブロック図で、(b)はシステム概略図である。 同上における無線信号のフレームフォーマットである。 同上における中継ルート設定動作を説明するためのシステム概略図である。
以下、本発明に係る火災警報システムの実施形態について図面を用いて説明する。但し、以下の説明では、火災警報器TR1〜TR9を総括して示す場合には火災警報器TRと表記するものとする。本実施形態は、図1(b)に示すように、複数(本実施形態では9台)の火災警報器TR1〜TR9を備え、これら複数の火災警報器TRの間で電波を媒体とする無線信号を伝送するものである。
火災警報器TRは、図1(a)に示すように、送信元アドレス及び宛先アドレス、並びに各種メッセージを含む無線信号をアンテナ3を介して送受信する無線送受信部2(無線送受信手段)と、火災を感知する火災感知部4(火災感知手段)と、火災時や異常時に警報音をスピーカから鳴動する等して利用者に報知する報知部5(報知手段)と、マイコンや書換可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROM等)を主構成要素とし、火災感知部4で火災を感知した時に報知部5に警報音を鳴動させるとともに、他の火災警報器TRに対して火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる制御部1(制御手段)と、警報音の鳴動を停止するための操作入力等を受け付ける操作入力受付部6と、乾電池等の電池を電源として各部に動作電源を供給する電源部7とを具備している。尚、各火災警報器TR1〜TR9には固有の識別符号が割り当てられており、当該識別符号によって無線信号の宛先並びに送信元の火災警報器TRを特定することができる。また、各火災警報器TRは、システムに属する全ての火災警報器(ここでは、火災警報器TR1〜TR9)の識別符号を図示しないメモリに記憶している。
無線送受信部2は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。また、火災感知部4は、例えば火災に伴って発生する煙や熱、炎等を検出することで火災を感知するものである。尚、無線送受信部2及び火災感知部4は従来周知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
制御部1は、メモリに格納されたプログラムをマイコンで実行することによって後述する各種機能を実現する。火災感知部4で火災の発生が感知されると、制御部1は報知部5が備えるブザーを駆動して警報音を鳴動させる、或いは予めメモリ等に格納されている警報用の音声メッセージ(例えば、「火事です」等)をスピーカに鳴動させることで火災警報を報知するとともに、他の火災警報器TRにおいても火災警報を報知させるために火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信部2より送信させる。また、他の火災警報器TRから送信された無線信号を無線送受信部2で受信することにより火災警報メッセージを受け取った場合でも、制御部1は報知部5を制御して警報音を鳴動させる。
操作入力受付部6は、例えば押釦やディップスイッチ等の複数のスイッチを有しており、スイッチが操作されることで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに、当該操作入力に対応した操作信号を制御部1に出力する。また、操作入力受付部6には、押操作やスライド操作などの所定の操作入力を受け付けると、自身から他の全ての火災警報器TRに対して無線信号を送信する場合における中継ルートを設定する後述の中継ルート設定動作を制御部1に行わせる操作信号を出力する中継ルート設定用スイッチ(図示せず)が設けられている。即ち、中継ルート設定用スイッチと制御部1とで中継ルート設定手段が構成されている。
中継ルート上に設定された火災警報器TRの制御部1は、中継元の火災警報器TRからの火災警報メッセージ等のメッセージを含む無線信号を受信すると、当該無線信号を無線送受信部2から中継先の火災警報器TRに送信させて無線信号を中継する。尚、中継先の火災警報器TRは1台でも複数台でもよく、1台の場合は当該火災警報器TRの識別符号を指定してユニキャストで無線信号を送信し、複数台の場合は複数の火災警報器TRの識別符号を指定してマルチキャストで無線信号を送信する。
図2は火災警報器TRが送受信する無線信号のフレームフォーマットを示しており、同期ビット(プリアンブル:PA)、フレーム同期パターン(ユニークワード:UW)、宛先アドレスDA、送信元アドレスSA、メッセージM、CRC符号で1フレームが構成されている。ここで、宛先アドレスDAとして各火災警報器TRの識別符号を設定すれば当該識別符号の火災警報器TRのみが無線信号を受信してメッセージを取得することになるが、宛先アドレスDAとして何れの火災警報器TRにも割り当てられていない特殊なビット列(例えば、全てのビットを1としたビット列)を設定することで、無線信号をマルチキャストで送信して通信範囲内にある全ての火災警報器TRにメッセージを取得させることができる。
以下、本実施形態における中継ルート設定動作について図面を用いて説明する。図1(b)では、相互に無線通信が可能である2台の火災警報器TRの間に矢印を記入しており、矢印が記入されていない火災警報器TRの間では無線通信ができないことを示している。例えば、火災警報器TR1と直接無線通信できるのは火災警報器TR2,TR4,TR5,TR8の4台のみであり、火災警報器TR2と直接無線通信できるのは火災警報器TR1,TR6の2台のみであり、火災警報器TR3と直接無線通信できるのは火災警報器TR5,TR7,TR9の3台のみである。
ここで、図3に示すように、例えば火災警報器TR1の中継ルート設定用スイッチに所定の操作入力が受け付けられたとする。すると、火災警報器TR1(特定の火災警報器)の制御部1は、受信した旨を知らせる応答メッセージの返信を促す確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。確認メッセージを受信した火災警報器TRの制御部1は、火災警報器TR1に対して応答メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させる。ここで、図1(b)に示すように、火災警報器TR1と直接無線通信できるのは火災警報器TR2,TR4,TR5,TR8であるので、火災警報器TR1は火災警報器TR2,TR4,TR5,TR8から応答メッセージを受信する。
応答メッセージを受信すると、火災警報器TR1の制御部1は、応答メッセージの返信があった下位の火災警報器(ここでは、火災警報器TR2,TR4,TR5,TR8)の識別符号と自身の記憶している全ての火災警報器TRの識別符号とを照合する。照合の結果、未だ応答メッセージの返信の無い火災警報器TRが存在しているので、火災警報器TR1の制御部1は、返信の無い火災警報器TRの探索を指令する探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から応答メッセージの返信があった下位の各火災警報器TR2,TR4,TR5,TR8に順次送信させる。
火災警報器TR2の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。ここで、図1(b)に示すように火災警報器TR2と直接無線通信できるのは火災警報器TR6であるので、火災警報器TR2は火災警報器TR6から応答メッセージを受信する。火災警報器TR2の制御部1は、自身の下位の火災警報器TR6から応答メッセージを受信すると、探索メッセージの送信元アドレスに設定されている識別符号を中継元アドレスに設定し、且つ応答メッセージの送信元アドレスに設定されている識別符号を中継先アドレスに設定することで中継ルートを設定する。即ち、火災警報器TR1から送信される無線信号を火災警報器TR6に中継送信する中継ルートを設定する。同時に、火災警報器TR6からの応答メッセージを無線送受信部2から火災警報器TR1に中継送信させる。
火災警報器TR4の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させるが、図1(b)に示すように火災警報器TR4と直接無線通信できる下位の火災警報器TRが存在しないので、応答メッセージの返信が無かった旨を知らせる不応答メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から火災警報器TR1に送信させる。
火災警報器TR5の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。ここで、図1(b)に示すように、火災警報器TR5と直接無線通信できるのは火災警報器TR3であるので、火災警報器TR5は火災警報器TR3から応答メッセージを受信する。火災警報器TR5の制御部1は、自身の下位の火災警報器TR3から応答メッセージを受信すると、上記と同様に中継ルート、即ち、火災警報器TR1から送信される無線信号を火災警報器TR3に中継送信する中継ルートを設定する。同時に、火災警報器TR3からの応答メッセージを無線送受信部2から火災警報器TR1に送信させる。
火災警報器TR8の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させるが、図1(b)に示すように火災警報器TR4と直接無線通信できる下位の火災警報器TRが存在しないので、不応答メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から火災警報器TR1に送信させる。
一方、火災警報器TR1の制御部1では、各火災警報器TR2,TR4,TR5,TR8からの応答メッセージ又は不応答メッセージを受信する毎に識別符号の照合を行う。そして、照合の結果、自身を除く全ての火災警報器TRから応答メッセージを受信した時点で中継ルート設定動作を終了させる。ここでは、火災警報器TR8からの不応答メッセージを受信した時点で未だ応答メッセージの返信の無い火災警報器TRが存在しているので、火災警報器TR1の制御部1は、探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から応答メッセージの返信があった更に下位の各火災警報器TR6,TR3に順次送信させる。
火災警報器TR6の制御部1は、火災警報器TR2を中継して火災警報器TR1から送信された探索メッセージを受信すると、確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させるが、図1(b)に示すように火災警報器TR6と直接無線通信できる下位の火災警報器TRが存在しないので、不応答メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から火災警報器TR2を中継して火災警報器TR1に送信させる。
火災警報器TR3の制御部1は、火災警報器TR5を中継して火災警報器TR1から送信された探索メッセージを受信すると、確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。ここで、図1(b)に示すように、火災警報器TR3と直接無線通信できるのは火災警報器TR7,TR9であるので、火災警報器TR3は火災警報器TR7,TR9から応答メッセージを受信する。火災警報器TR3の制御部1は、自身の下位の火災警報器TR7,TR9から応答メッセージを受信すると、上記と同様に中継ルート、即ち、火災警報器TR5から送信される無線信号を火災警報器TR7,TR9にそれぞれ中継送信する中継ルートを設定する。同時に、火災警報器TR7,TR9からの応答メッセージを無線送受信部2から火災警報器TR1に送信させる。
一方、火災警報器TR1の制御部1では、上記と同様に各火災警報器TR6,TR3からの応答メッセージ又は不応答メッセージを受信する毎に識別符号の照合を行う。そして、照合の結果、火災警報器TR7,TR9からの応答メッセージを受信した時点で、自身を除く全ての火災警報器TRからの応答メッセージを受信するため、中継ルート設定動作を終了させる。
上述のように、全ての火災警報器TRに無線信号を送信するために必要な火災警報器TRのみを中継するように中継ルートを設定することができるので、全ての火災警報器TRが無線信号を中継する機能を有する場合と比較して、各火災警報器TR間で互いに電波の干渉が起こるのを防ぐことができる。また、中継ルート上の火災警報器TRでは無線信号を受信すると中継送信を行うので、各火災警報器TRにおいて中継遅延時間の経過後に無線信号を中継送信する場合と比較して、全ての火災警報器TRに無線信号を送信するのに要する時間を短くすることができる。したがって、全ての火災警報器TRに迅速に火災の発生を知らせることができる。
尚、複数の火災警報器TRが下位の同一の火災警報器TRから応答メッセージを受信可能な場合(例えば、図3において火災警報器TR3から火災警報器TR4,TR5の何れにも応答メッセージを返信可能な場合)、先に応答メッセージを受信した火災警報器TRが中継ルートを設定し、他の火災警報器TRでは中継ルートを設定しないようにするのが望ましい。このようにすることで、各火災警報器TR間での電波の干渉を好適に防止することができる。
ところで、中継ルート設定動作では、特定の火災警報器TRの制御部1は予め設定された探索条件に基づいて探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させている。上述の中継ルート設定動作では、特定の火災警報器TRの制御部1は、応答メッセージの返信があった下位の各火災警報器TRに順次探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させ、応答メッセージの返信の無い火災警報器TRがあれば応答メッセージの返信があった更に下位の各火災警報器TRに順次探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させる動作を繰り返す探索条件に従っている。
一方、上記の探索条件の他に、以下に説明する探索条件に従って中継ルート設定動作を行っても構わない。即ち、特定の火災警報器TRの制御部1は、応答メッセージの返信があった下位の火災警報器TRのうち一の火災警報器TRの下位の火災警報器TRから応答メッセージの返信が無くなるまで探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させ、応答メッセージの返信が無くなると次の下位の火災警報器TRに探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から送信させる動作を繰り返す。
以下、後者の中継ルート設定動作について図面を用いて具体的に説明する。前者の中継ルート設定動作と同様に、火災警報器TR1の中継ルート設定用スイッチに所定の操作入力が受け付けられたとする(図3参照)。すると、火災警報器TR1(特定の火災警報器)の制御部1は、受信した旨を知らせる応答メッセージの返信を促す確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。そして、火災警報器TR1は火災警報器TR2,TR4,TR5,TR8から応答メッセージを受信する。
応答メッセージを受信すると、火災警報器TR1の制御部1は識別符合の照合を行い、その結果未だ応答メッセージの返信の無い火災警報器TRが存在しているので、探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から応答メッセージの返信があった下位の各火災警報器TR2に送信させる。
火災警報器TR2の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。そして、火災警報器TR2は火災警報器TR6から応答メッセージを受信する。火災警報器TR2の制御部1は、中継ルートを設定するとともに、火災警報器TR6からの応答メッセージを無線送受信部2から火災警報器TR1に中継送信させる。
火災警報器TR6からの応答メッセージを受信した火災警報器TR1の制御部1は、識別符号の照合を行い、その結果未だ応答メッセージの返信の無い火災警報器TRが存在しているので、探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から応答メッセージの返信があった更に下位の火災警報器TR6に中継送信させる。火災警報器TR6の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。その結果、自身の下位の火災警報器TRが存在しないので、不応答メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から火災警報器TR1に送信させる。
火災警報器TR6からの不応答メッセージを受信した火災警報器TR1の制御部1は、探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から次の下位の火災警報器TR4に送信させる。火災警報器TR4の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。その結果、自身の下位の火災警報器TRが存在しないので、不応答メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から火災警報器TR1に送信させる。
火災警報器TR4からの不応答メッセージを受信した火災警報器TR1の制御部1は、探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から次の下位の火災警報器TR5に送信させる。火災警報器TR5の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。そして、火災警報器TR5は火災警報器TR3から応答メッセージを受信する。火災警報器TR5の制御部1は、中継ルートを設定するとともに、火災警報器TR3からの応答メッセージを無線送受信部2から火災警報器TR1に中継送信させる。
火災警報器TR3からの応答メッセージを受信した火災警報器TR1の制御部1は、識別符号の照合を行い、その結果未だ応答メッセージの返信の無い火災警報器TRが存在しているので、探索メッセージを含む無線信号を無線送受信部2から応答メッセージの返信があった更に下位の火災警報器TR3に中継送信させる。火災警報器TR3の制御部1は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。そして、火災警報器TR3は火災警報器TR7,TR9から応答メッセージを受信する。火災警報器TR3の制御部1は、中継ルートを設定するとともに、火災警報器TR7,TR9からの応答メッセージを無線送受信部2から火災警報器TR1に中継送信させる。
火災警報器TR7,TR9からの応答メッセージを受信した火災警報器TR1の制御部1は、識別符号の照合を行い、その結果火災警報器TR7,TR9からの応答メッセージを受信した時点で自身を除く全ての火災警報器TRからの応答メッセージを受信するため、中継ルート設定動作を終了させる。後者の中継ルート設定動作においても、前者の中継ルート設定動作と同様の効果を奏することができる。
ところで、近年はインターネットの普及によって無線LANが導入される住宅も増えており、無線LANで使用される周波数帯の電波と火災警報システムで使用する周波数帯の電波が干渉して火災警報器TR同士の無線通信が阻害される虞がある。また、無線LAN以外にも電波を使用する家庭用電気機器(例えば、電波式リモコンなど)や電子レンジのように電磁波ノイズを発する電気機器も多数存在している。更には、金属製の什器類の設置や、住宅内での壁の新設等によっても電波の伝搬特性が変化し、通信が阻害されることがある。そのため、火災警報器TRを設置して中継ルートを設定した時点では全ての火災警報器TRにおいて無線通信が可能であったとしても、中継ルート設定後に新たに無線LANや電気機器が導入されたり、電波の伝搬に影響を与えるような環境の変更があった場合、電波の使用状況が変化し、中継ルートが正常に機能しない虞がある。
そこで、各火災警報器TRに所定時間毎にタイミング信号を生成するタイマ部(図示せず)を設け、制御部1が、タイミング信号を受け付けると中継ルート設定動作を自動的に行うように構成するのが望ましい。即ち、各火災警報器TRが所定時間(例えば24時間)毎に中継ルート設定動作を自動的に行うことで、全ての火災警報器TRが1日1回自身を無線信号の発信源とする中継ルートを再設定するので、上述のように電波の使用状況が変化して中継ルートが正常に機能しなくなるのを防止することができる。尚、各火災警報器TRが中継ルートの再設定を行うタイミングは、電波の干渉を防ぐために互いに時間をずらすのが望ましい。
1 制御部(制御手段,中継ルート設定手段)
2 無線送受信部(無線送受信手段)
4 火災感知部(火災感知手段)
5 報知部(報知手段)
TR1〜TR9 火災警報器

Claims (4)

  1. 電波を媒体とする無線信号を送受信する複数の火災警報器を備え、各火災警報器は、火災を感知する火災感知手段と、火災警報を報知する報知手段と、送信元アドレス及び宛先アドレス、並びに各種メッセージを含む無線信号を送受信する無線送受信手段と、火災感知手段で火災を感知したときに報知手段に火災警報を報知させるとともに他の火災警報器に火災警報を報知させるための火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、且つ他の火災警報器から送信される無線信号を受信して火災警報メッセージを受け取った時に報知手段に火災警報を報知させる制御手段とを備え、各火災警報器の制御手段は、何れかの火災警報器から送信された火災警報メッセージを含む無線信号を無線送受信手段で受信した場合、当該火災警報メッセージを予め設定された中継ルートに従って中継する火災警報システムであって、各火災警報器は、互いに異なる固有の識別符号を有し、且つシステムに属する全ての火災警報器の識別符号を記憶するとともに、所定の操作入力を受け付けると自身から他の全ての火災警報器に対して無線信号を送信する場合における中継ルートを設定する動作を制御手段に行わせる中継ルート設定手段を備え、何れかの特定の火災警報器の中継ルート設定手段において所定の操作入力が受け付けられると、当該特定の火災警報器の制御手段は、受信した旨を知らせる応答メッセージの返信を促す確認メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させるとともに、応答メッセージの返信があった下位の火災警報器の識別符号と自身の記憶している全ての火災警報器の識別符号とを照合し、返信の無い火災警報器があれば返信があった下位の各火災警報器に対して予め設定された探索条件に基づいて返信の無い火災警報器の探索を指令する探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、下位の各火災警報器の制御手段は、探索メッセージを受信すると確認メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させるとともに、自身の下位の火災警報器から応答メッセージを受信すると探索メッセージの送信元アドレスに設定されている識別符号を中継元アドレスに設定し、且つ応答メッセージの送信元アドレスに設定されている識別符号を中継先アドレスに設定することで中継ルートを設定するとともに、当該応答メッセージを無線送受信手段から特定の火災警報器に中継送信させ、特定の火災警報器の制御手段は、自身を除く全ての火災警報器から応答メッセージを受信するまで上記一連の動作を繰り返すことを特徴とする火災警報システム。
  2. 前記探索条件は、応答メッセージの返信があった下位の各火災警報器に順次探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、応答メッセージの返信の無い火災警報器があれば応答メッセージの返信があった更に下位の各火災警報器に順次探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させる動作を繰り返すものであることを特徴とする請求項1記載の火災警報システム。
  3. 前記探索条件は、応答メッセージの返信があった下位の火災警報器のうち一の火災警報器の下位の火災警報器から応答メッセージの返信が無くなるまで探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させ、応答メッセージの返信が無くなると次の下位の火災警報器に探索メッセージを含む無線信号を無線送受信手段から送信させる動作を繰り返すものであることを特徴とする請求項1記載の火災警報システム。
  4. 前記各火災警報器は、所定時間毎にタイミング信号を生成するタイマ手段を有し、制御手段は、タイミング信号を受け付けると中継ルートを設定する動作を自動的に行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の火災警報システム。
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