JP2014057171A - 無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】通信品質の良い中継ルートを設定することのできる無線通信システムを提供する。
【解決手段】中継設定処理において、親局T0の制御部5は、第1の子局TR10,TR11が受信する第2の子局TR20,TR21からの無線信号のRSSI値と子局用閾値とを比較して通信可否を判断し、且つ自身が受信する第1の子局TR10,TR11からの無線信号のRSSI値と親局用閾値とを比較して通信可否を判断し、子局用閾値は、定期監視時又は電波チェック時における通信可否の判断基準となる試験用閾値よりも大きく、親局用閾値は、試験用閾値よりも小さく設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の無線局が電波を媒体とする無線信号を送受信する無線通信システムに関する。
従来から、無線信号を利用して複数の火災警報器を連動させる火災警報システムが提供されている。このような火災警報システムは、多箇所に設置した複数台の火災警報器が、各々火災を感知する機能と警報音を鳴動する機能とを有している。そして、何れかの火災警報器が火災を感知すると、当該火災警報器が警報音を鳴動するとともに火災感知を知らせる情報を無線信号で他の火災警報器に伝送する。これにより、火元の火災警報器だけでなく複数台の火災警報器が連動して一斉に警報音を鳴動し、火災の発生を迅速且つ確実に知らせることができる。
上述の火災警報システムの一つとして、各火災警報器が自身を除く他の火災警報器から受け取ったメッセージを更に別の火災警報器に中継する、所謂マルチホップ通信を行うものが知られており、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の火災警報システムでは、何れかの火災警報器で中継ルート設定用スイッチを操作することで、中継ルートを設定することができる。
以下、この従来例における中継ルートの設定動作について簡単に説明する。中継ルート設定用スイッチに所定の操作入力が受け付けられた特定の火災警報器は、応答メッセージの返信を促す確認メッセージを含む無線信号をマルチキャストで送信する。次に、特定の火災警報器は、応答メッセージの返信があった下位の各火災警報器に、返信の無い火災警報器の探索を指令する探索メッセージを含む無線信号を順次送信する。そして、特定の火災警報器は、未だに応答メッセージの返信の無い火災警報器があれば、応答メッセージの返信があった更に下位の各火災警報器に順次探索メッセージを含む無線信号を送信させる。特定の火災警報器は、上記の動作を、自身を除く全ての火災警報器から応答メッセージを受信するまで繰り返す。
特開2011−48596号公報
しかしながら、上記従来例では、各火災警報器間で無線信号を送受信可能であれば、その通信品質を問わずに中継ルートを設定してしまう。このため、上記従来例では、必ずしも通信品質の良い中継ルートを設定することができるわけではない。したがって、上記従来例では、仮に設定した中継ルートの通信品質が良くない場合、設置場所の環境やフェージングにより僅かに電波環境が変動した場合でも中継ルートが途絶える虞があった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、通信品質の良い中継ルートを設定することのできる無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の無線通信システムは、複数の無線局から成り、任意の1台の前記無線局を親局、その他の前記無線局を子局とし、前記親局と前記子局との間で電波を媒体とする無線信号を送受信する無線通信システムであって、前記各無線局は、無線信号を送受信する無線送受信部と、前記子局の何れかを送信元の前記親局と送信先の前記子局との間を中継する中継器に設定する中継設定処理を実行する制御部とを備え、前記中継設定処理において、前記親局の前記制御部は、前記各子局に向けて返信を促す確認メッセージを前記無線送受信部から送信させ、前記子局のうち前記確認メッセージを受信した1乃至複数の第1の子局に向けて、前記子局のうち前記確認メッセージを受信できない1乃至複数の第2の子局を探索させる探索メッセージを前記無線送受信部から送信させ、前記第1の子局の前記制御部は、前記探索メッセージを受信すると、前記第2の子局に向けて前記確認メッセージを前記無線送受信部から送信させることで前記第2の子局を探索し、前記親局の前記制御部は、前記各第1の子局の探索の結果に基づいて前記第2の子局と通信可能な前記第1の子局を前記中継器に設定し、前記親局の前記制御部は、前記第1の子局が受信する前記第2の子局からの無線信号の受信信号強度と子局用閾値とを比較して通信可否を判断し、且つ自身が受信する前記第1の子局からの無線信号の受信信号強度と親局用閾値とを比較して通信可否を判断し、前記子局用閾値は、前記中継設定処理以外の処理時における通信可否の判断基準となる試験用閾値よりも大きく、前記親局用閾値は、前記試験用閾値よりも小さく設定することを特徴とする。
この無線通信システムにおいて、前記親局の前記制御部は、前記定期監視時又は前記電波チェック時に通信が正常に確立できないと判断した場合は、前記中継設定処理を実行することが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記親局の前記制御部は、予め前記各子局に割り当てられた子局番号の順番にしたがって、前記各第1の子局に前記第2の子局を探索させることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記親局の前記制御部は、前回の前記中継設定処理時に探索した順番にしたがって、前記各第1の子局に前記第2の子局を探索させることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記親局の前記制御部は、前記各第1の子局からの返信信号の受信信号強度を測定し、前記受信信号強度が小さい順番にしたがって、前記各第1の子局に前記第2の子局を探索させることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記親局の前記制御部は、前記探索メッセージを前記無線送受信部から複数回送信させ、前記各第1の子局は、返信のあった前記第2の子局の前記子局番号を前記親局に通知し、前記親局の前記制御部は、全ての前記第2の子局の前記子局番号が通知されると、次回からは前記第1の子局に向けて前記探索メッセージを前記無線送受信部から1回送信させることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記第1の子局の前記制御部は、前記第2の子局が他の前記第1の子局に向けて送信した返信信号を受信すると、当該返信信号の送信元の前記第2の子局の前記子局番号をメモリに記憶させることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記親局の前記制御部は、前記各第1の子局に向けて前記探索メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させ、前記各第1の子局は、前記探索メッセージを受信してから自身の前記子局番号に基づいた時間が経過すると、前記各第2の子局に向けて前記確認メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記第2の子局の前記制御部は、前記確認メッセージの送信元の全ての前記第1の子局に向けて、前記確認メッセージを受信した旨を知らせる応答メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させることが好ましい。
本発明の無線通信システムは、複数の無線局から成り、任意の1台の前記無線局を親局、その他の前記無線局を子局とし、前記親局と前記子局との間で電波を媒体とする無線信号を送受信する無線通信システムであって、前記各無線局は、無線信号を送受信する無線送受信部と、前記子局の何れかを送信元の前記親局と送信先の前記子局との間を中継する中継器に設定する中継設定処理を実行する制御部とを備え、前記中継設定処理において、前記親局の前記制御部は、前記各子局に向けて返信を促す確認メッセージを前記無線送受信部から送信させ、前記子局のうち前記確認メッセージを受信できない1乃至複数の第2の子局の前記制御部は、トリガにより前記親局との中継を依頼する依頼メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させ、前記子局のうち前記確認メッセージを受信した1乃至複数の第1の子局の前記制御部は、前記依頼メッセージを受信すると、前記親局に向けて自身が前記依頼メッセージの送信元の前記第2の子局の中継器になり得る旨を知らせる通知メッセージを前記無線送受信部から送信させ、前記親局の前記制御部は、前記通知メッセージを受信すると、前記通知メッセージの送信元の前記第1の子局を中継器に設定し、前記親局の前記制御部は、前記第1の子局が受信する前記第2の子局からの無線信号の受信信号強度と子局用閾値とを比較して通信可否を判断し、且つ自身が受信する前記第1の子局からの無線信号の受信信号強度と親局用閾値とを比較して通信可否を判断し、前記子局用閾値は、前記中継設定処理以外の処理時における通信可否の判断基準となる試験用閾値よりも大きく、前記親局用閾値は、前記試験用閾値よりも小さく設定することを特徴とする。
この無線通信システムにおいて、前記各無線局は、操作入力を受け付ける操作入力受付部を有し、前記操作入力受付部における所定の操作入力を前記トリガとすることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記各無線局は、時間を計時するタイマを有し、前記タイマが前記無線局の電源の投入時点から計時を開始し、予め前記各子局に割り当てられた子局番号に基づいて決定した時間の経過を前記トリガとすることが好ましい。
この無線通信システムにおいて、前記各無線局は、火災の発生を感知する火災警報器と、空気質を測る空気質センサを有する無線局と、人の存在を検知する人センサを有する無線局との少なくとも何れか1種であることが好ましい。
本発明は、中継設定処理において、第1の子局が受信する第2の子局からの無線信号の受信信号強度を、試験用閾値よりも大きい子局用閾値と比較して通信可否を判断している。したがって、本発明では、第1の子局と第2の子局との間で、電波環境の変動に耐えうる通信品質の良い中継ルートを設定することができる。また、本発明では、中継設定処理において、親局で受信する第1の子局からの無線信号の受信信号強度を、試験用閾値よりも小さい親局用閾値と比較して通信可否を判断している。したがって、本発明では、親局と第1の子局との間の通信可否の判断基準を緩めているので、通信範囲を極力広げることができる。
本発明に係る無線通信システムの実施形態1を示す図で、(a)は火災警報器の概略図で、(b)は中継設定処理を示すシーケンス図である。 本発明に係る無線通信システムの実施形態2における中継設定処理を示すシーケンス図である。 同上の無線通信システムにおける他の中継設定処理を示すシーケンス図である。 本発明に係る無線通信システムの実施形態3における中継設定処理を示すシーケンス図である。
(実施形態1)
以下、本発明に係る無線通信システム(本発明の技術的思想を適用した火災警報システム)の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、親局TR0及び各子局TR10,TR11,TR10,TR11を総括して示す場合には、「火災警報器TR」と表記する。本実施形態は、図1(b)に示すように、複数台(本実施形態では5台)の火災警報器TRを備え、これら複数の火災警報器TRの間で電波を媒体とする無線信号を伝送する。
火災警報器TRは、図1(a)に示すように、アンテナ1を介して無線信号を送受信する無線送受信部2と、火災を感知する火災感知部3と、火災等の異常の発生時に警報音を鳴動する報知部4と、各種制御を実行する制御部5とを備える。また、火災警報器TRは、各種操作入力を受け付ける操作入力受付部6と、乾電池等の電池を電源として各部に動作電力を供給する電源部7とを備える。
ここで、本実施形態では、各火災警報器TRを1台の親局と4台の子局とに分けて登録する作業を予め行なっている。したがって、各火災警報器TRには固有の識別符号が既に割り当てられており、当該識別符号によって無線信号の宛先又は送信元の火災警報器TRを特定することができる。また、少なくとも親局TR0は、システムに属する全ての火災警報器(ここでは、親局TR0及び各子局TR10,TR11,TR10,TR11)の識別符号をメモリ(図示せず)に記憶している。更に、各子局TR10,TR11,TR10,TR11には、それぞれ子局番号が割り当てられている。子局番号については従来周知であるので、ここでは説明を省略する。
無線送受信部2は、電波法施行規則第6条第4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠して電波を媒体とする無線信号を送受信するものである。また、無線送受信部2は、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(RSSI信号)を出力する。火災感知部3は、例えば火災に伴って生じる煙や熱、炎等を検出することで火災を感知する。なお、無線送受信部2のアンテナ1は、火災警報器TRの本体から突出したデザインのものであってもよいが、アンテナ1を目立たないように本体に内蔵したデザインのものも作製可能である。
制御部5は、マイコンや書換可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROM等)を主構成要素とする。制御部5は、メモリに格納されたプログラムをマイコンで実行することにより、各種機能を実行する。例えば、火災感知部3で火災の発生を感知すると、制御部5は、報知部4の備えるブザーを駆動して警報音を鳴動させる。或いは、制御部5は、予めメモリに格納されている警報用の音声メッセージ(例えば、「火事です」等)を報知部4の備えるスピーカに鳴動させる。
このとき、制御部5は、他の火災警報器TRでも火災警報を報知するために、火災警報メッセージを含む無線信号(以下、単に「火災警報メッセージ」と呼ぶ)を無線送受信部2から親局である火災警報器TRに対して送信させる。親局である火災警報器TRの制御部5は、無線送受信部2から子局である各火災警報器TRに対して火災警報メッセージを送信させる。子局である各火災警報器TRの制御部5は、火災警報メッセージを受信すると、報知部4を制御して警報音又は音声メッセージを鳴動させる。
また、制御部5は、何らかのトリガが無い限りは、電池の寿命を延ばすために間欠受信モードで無線送受信部2を制御する。間欠受信モードは、所定の周期毎に無線送受信部2を起動するとともに無線信号が受信されなければ直ちに無線送受信部2を停止させるモードである。
操作入力受付部6は、例えば押釦やディップスイッチ等の複数のスイッチを有しており、スイッチを操作することで各スイッチに対応した操作入力を受け付けるとともに、当該操作入力に対応した操作信号を制御部5に出力する。また、操作入力受付部6には、押操作やスライド操作などの所定の操作入力を受け付けると、後述する中継設定処理を制御部5に実行させる操作信号を出力する中継設定スイッチ60を設けている。
中継器に設定された火災警報器TRの制御部5は、送信元の火災警報器TRからの無線信号を受信すると、当該無線信号を無線送受信部2から送信先の火災警報器TRに送信させて無線信号を中継する。なお、送信先の火災警報器TRは1台でも複数台でもよい。1台の場合は、送信元の火災警報器TRの制御部5は、送信先の火災警報器TRの識別符号を指定してユニキャストで無線信号を送信させる。また、複数台の場合は、送信元の火災警報器TRの制御部5は、送信先の複数の火災警報器TRそれぞれの識別符号を指定してマルチキャストで無線信号を送信させる。
以下、本実施形態における中継設定処理について図1(b)を用いて説明する。親局TR0の操作入力受付部6の中継設定スイッチ60を操作すると、親局TR0の制御部5は、返信を促す確認メッセージを含む無線信号(以下、単に「確認メッセージ」と呼ぶ)を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。このとき、親局TR0の制御部5は、無線送受信部2を連続して起動させることで、他の火災警報器TRからの無線信号を連続して待ち受ける連続受信モードに切り替える。
確認メッセージを受信した火災警報器TRの制御部5は、親局TR0に対して受信した旨を知らせる応答メッセージを含む無線信号(以下、単に「応答メッセージ」と呼ぶ)を無線送受信部2から送信させる。本実施形態では、図1(b)に示すように、親局TR0と直接無線通信できるのは子局TR10,TR11であるので、親局TR0は子局TR10,TR11からの応答メッセージを受信する。以下、親局TR0と直接無線通信できる子局を「第1の子局」と呼ぶ。このとき、各第1の子局TR10,TR11の制御部5は、無線送受信部2を連続で起動させて連続受信モードに切り替える。
応答メッセージを受信すると、親局TR0の制御部5は、応答メッセージの返信があった各第1の子局TR10,TR11の子器番号と、自身の記憶している全ての火災警報器TRの子器番号とを照合する。照合の結果、この段階では未だ応答メッセージの返信のない火災警報器TRが存在している。そこで、親局TR0の制御部5は、返信のない火災警報器TRを探索させる探索メッセージを含む無線信号(以下、単に「探索メッセージ」と呼ぶ)を無線送受信部2から各第1の子局TR10,TR11に向けて順次送信する。
第1の子局TR10の制御部5は、探索メッセージを受信すると、確認メッセージを無線送受信部2からマルチキャストで送信させることで、返信のない火災警報器TRを探索する。本実施形態では、図1(b)に示すように、この確認メッセージを子局TR20,TR21が受信することができる。このため、各子局TR20,TR21の制御部5は、第1の子局TR10に向けて応答メッセージを無線送受信部2から送信させる。以下、第1の子局を中継して親局TR0と無線通信できる子局を「第2の子局」と呼ぶ。このとき、各第2の子局TR20,TR21の制御部5は、無線送受信部2を連続で起動させて連続受信モードに切り替える。
各第2の子局TR20,TR21からの応答メッセージを受信すると、第1の子局TR10の制御部5は、受信した各応答メッセージのRSSI値を測定する。そして、第1の子局TR10の制御部5は、親局TR0に向けて、測定したRSSI値のデータを含む応答メッセージを無線送受信部2から送信させる。この応答メッセージを受信すると、親局TR0の制御部5は、各第2の子局TR20,TR21から第1の子局TR10への応答メッセージのRSSI値をメモリに記憶させる。更に、親局TR0の制御部5は、受信した応答メッセージのRSSI値を測定し、第1の子局TR10から親局TR0への応答メッセージのRSSI値もメモリに記憶させる。
次に、親局TR0の制御部5は、第1の子局TR11に向けて探索メッセージを無線送受信部2から送信させる。第1の子局TR11の制御部5は、探索メッセージを受信すると、確認メッセージを無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。本実施形態では、図1(b)に示すように、この確認メッセージを各第2の子局TR20,TR21が受信することができる。このため各第2の子局TR20,TR21の制御部5は、第1の子局TR11に向けて応答メッセージを無線送受信部2から送信させる。
各第2の子局TR20,TR21からの応答メッセージを受信すると、第1の子局TR11の制御部5は、受信した各応答メッセージのRSSI値を測定する。そして、第1の子局TR11の制御部5は、親局TR0に向けて、測定したRSSI値のデータを含む応答メッセージを無線送受信部2から送信させる。この応答メッセージを受信すると、親局TR0の制御部5は、各第2の子局TR20,TR21から第1の子局TR11への応答メッセージのRSSI値をメモリに記憶させる。更に、親局TR0の制御部5は、受信した応答メッセージのRSSI値を測定し、第1の子局TR11から親局TR0への応答メッセージのRSSI値もメモリに記憶させる。
各第1の子局TR10,TR11からの応答メッセージを受信すると、親局TR0の制御部5は、第2の子局TR20,TR21から第1の子局TR10,TR11への応答メッセージのRSSI値と、メモリに予め記憶してある子局用閾値とを比較する。本実施形態のような無線通信システムでは、例えば後述する定期監視時や、通信の状態を確認する電波チェック時などの中継設定処理以外の処理時には、通信可否を判断する。そして、通信可否を判断するために、各火災警報器TRにおいて受信した無線信号のRSSI値を閾値(試験用閾値)と比較する。ここで、RSSI値が試験用閾値を上回れば通信は可能であるが、例えば火災警報器TRの設置場所において電波環境が変動した場合に通信不可になる虞がある。そこで、本実施形態では、中継設定処理の際には、RSSI値と比較する子局用閾値を試験用閾値よりも大きい値に設定することで通信可否の判断基準を厳しくし、電波環境の変動に耐えうる通信品質の良い中継ルートを設定する。
また、親局TR0の制御部5は、第1の子局TR10,TR11から自身への応答メッセージのRSSI値と、メモリに予め記憶してある親局用閾値とを比較する。親局用閾値は、試験用閾値よりも小さい値に設定している。ここで、試験用閾値は通信可能なRSSI値の最低値ではなく、幾らかの余裕を持たせた値に設定している。親局用閾値は、この余裕分が無くならない程度に試験用閾値よりも小さくすることで、通信可否の判断基準を緩め、親局TR0と各第1の子局TR10,TR11との間の通信範囲を極力広げている。
例えば、第2の子局TR20から第1の子局TR10への応答メッセージのRSSI値が子局用閾値を上回り、第2の子局TR21からの応答メッセージのRSSI値が子局用閾値を下回る場合、第1の子局TR10は第2の子局TR20の中継器となり得る。また、第2の子局TR20から第1の子局TR11への応答メッセージのRSSI値が子局用閾値を下回り、第2の子局TR21からの応答メッセージのRSSI値が子局用閾値を上回る場合は、第1の子局TR11は第2の子局TR21の中継器となり得る。したがって、上記の場合には、親局TR0の制御部5は、第1の子局TR10を第2の子局TR20の中継器に、第1の子局TR11を第2の子局TR21の中継器に設定する。
なお、複数の第1の子局TR10,TR11,…において、1台の第2の子局TR20,TR21,…からの応答メッセージのRSSI値が子局用閾値を上回る場合が考えられる。この場合には、親局TR0の制御部5は、応答メッセージのRSSI値が最も高い第1の子局TR10,TR11,…を当該第2の子局TR20,TR21,…の中継器に設定する。
そして、親局TR0の制御部5は、第1の子局TR10に向けて、第2の子局TR20の中継器に設定する旨を知らせる設定メッセージを含む無線信号(以下、単に「設定メッセージ」と呼ぶ)を無線送受信部2から送信させる。設定メッセージを受信すると、第1の子局TR10の制御部5は、自身を第2の子局TR20の中継器に設定する。同様に、親局TR0の制御部5は、第1の子局TR11に向けて、第2の子局TR21の中継器に設定する旨を知らせる設定メッセージを無線送受信部2から送信させる。設定メッセージを受信すると、第1の子局TR11の制御部5は、自身を第2の子局TR21の中継器に設定する。これにより、中継設定処理が完了する。中継設定処理が完了すると、各火災警報器TRの制御部5は、連続受信モードから間欠受信モードへと切り替える。
上述のように、本実施形態では、中継設定処理において、第1の子局TR10,TR11,…が受信する第2の子局TR20,TR21,…からの無線信号のRSSI値(受信信号強度)を、試験用閾値よりも大きい子局用閾値と比較して通信可否を判断している。したがって、本実施形態では、第1の子局TR10,TR11,…と第2の子局TR20,TR21,…との間で、電波環境の変動に耐えうる通信品質の良い中継ルートを設定することができる。また、本実施形態では、中継設定処理において、親局TR0が受信する第1の子局TR10,TR11,…からの無線信号のRSSI値を、試験用閾値よりも小さい親局用閾値と比較して通信可否を判断している。したがって、本実施形態では、親局TR0と第1の子局TR10,TR11,…との間の通信可否の判断基準を緩めているので、通信範囲を極力広げることができる。
ところで、本実施形態のような無線通信システムでは、定期的(例えば、24時間毎)に無線送受信部2を起動して他の火災警報器TRが正常に動作しているか否かの確認、すなわち定期監視を行うのが通常である。この定期監視の際に、親局TR0の制御部5は、各火災警報器TRに向けて返信を促す定期監視メッセージを含む無線信号(以下、単に「定期監視メッセージ」と呼ぶ)を無線送受信部2から送信させる。なお、定期監視については従来周知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
この定期監視時に、例えば何れかの火災警報器TRで定期監視メッセージを受信できず、通信が正常に確立できない通信異常が発生する場合がある。そこで、定期監視時に通信異常が発生した場合に、親局TR0の制御部5が自動的に中継設定処理を実行するように構成してもよい。例えば、親局TR0の制御部5は、定期監視メッセージを送信してから一定時間が経過しても全ての火災警報器TRからの返信が無い場合に、自動的に中継設定処理を実行する。この構成では、施工業者やユーザ等に通信異常を報知することなく、通信状態を回復することができる。勿論、定期監視時のみならず、電波チェック時において通信異常が発生した場合にも、親局TR0の制御部5が自動的に中継設定処理を実行するように構成してもよい。
ここで、本実施形態では、上述のように親局TR0の制御部5が、第1の子局TR10、第1の子局TR11の順に探索メッセージを無線送受信部2から送信させている。すなわち、親局TR0の制御部5が各第1の子局TR10,TR11,…に向けて探索メッセージを無線送受信部2から送信させる順番を、各第1の子局TR10,TR11,…に割り当てられた子局番号に基づいて決定している。このように探索メッセージを送信する順番を決定しているので、各第1の子局TR10,TR11,…から親局TR0に向けて送信される応答メッセージが衝突することがない。
なお、親局TR0が探索メッセージを送信する順番は上記の順番に限定されるものではなく、例えば前回の中継設定処理時に探索メッセージを送信した順番であってもよい。この場合、中継設定処理が一度成功している順番で探索メッセージを送信するため、中継ルートの設定の成功確率が高い。また、親局TR0の制御部5が、確認メッセージの返信として送信される各第1の子局TR10,TR11,…からの応答メッセージのRSSI値を測定し、当該RSSI値の小さい順番に探索メッセージを送信するように構成してもよい。この構成では、最も親局TR0から離れていると予想される第1の子局TR10,TR11,…から順番に第2の子局TR20,TR21,…を探索するため、親局TR0から離れた第2の子局TR20,TR21,…を見つけ易い。したがって、全ての第2の子局TR20,TR21,…を見つけた時点で中継設定処理を完了する場合には、中継設定処理を素早く完了することができる。
ところで、親局TR0の制御部5は、探索メッセージを無線送受信部2から送信させると、所定の間隔を空けて複数回、探索メッセージを無線送受信部2から再送信させる。これは、無線信号を受信するまでは各第2の子局TR20,TR21,…が間欠受信モードであり、探索メッセージを1回送信するだけでは第2の子局TR20,TR21,…からの返信が得られない可能性を考慮したものである。この場合、探索メッセージの再送信により消費電力が増大し、中継設定処理に要する時間が長くなるという問題が生じる。
上記の問題を解決すべく、本実施形態では、以下の構成を採用してもよい。すなわち、各第1の子局TR10,TR11,…の制御部5は、各第2の子局TR20,TR21,…からの応答メッセージを受信すると、送信元の各第2の子局TR20,TR21,…の子局番号をメモリに記憶させる。そして、各第1の子局TR10,TR11,…の制御部5は、親局TR0に向けて記憶した子局番号を含む応答メッセージを無線送受信部2から送信させる。
応答メッセージを受信すると、親局TR0の制御部5は、応答メッセージに含まれる各第1の子局TR10,TR11,…及び各第2の子局TR20,TR21,…の子局番号と、自身の記憶している全ての火災警報器TRの子局番号とを照合する。照合の結果、全ての子局TR10,TR11,TR20,TR21,…から返信があることを確認すると、親局TR0の制御部5は、次の順番の第1の子局TR10,TR11,…からは探索メッセージの再送信を停止する。全ての第2の子局TR20,TR21,…が連続受信モードに切り替わっており、探索メッセージを再送信せずとも返信を得ることができるからである。
この構成では、全ての第2の子局TR20,TR21,…からの返信を確認した段階で探索メッセージの再送信を停止するので、探索メッセージの再送信に必要な消費電力を省くことができ、消費電力を低減することができる。また、この構成では、探索メッセージの再送信に必要な時間を省くことができ、中継設定処理に要する時間を短くすることができる。例えば、探索メッセージを再送信する場合には約2.8秒を要するが、探索メッセージを再送信しない場合には約0.1秒で済む。
また、中継設定処理に要する時間を短くするために、本実施形態では、以下の構成を採用してもよい。すなわち、第1の子局TR10,TR11,…の制御部5は、第2の子局TR20,TR21,…が他の第1の子局TR10,TR11,…に向けて送信した応答メッセージを受信する。すると、当該第1の子局TR10,TR11,…の制御部5は、応答メッセージの送信元の第2の子局TR20,TR21,…の子局番号をメモリに記憶させる。これにより、第1の子局TR10,TR11,…は、確認メッセージを各第2の子局TR20,TR21,…に向けて送信する前に、自身が通信可能な第2の子局TR20,TR21,…を知ることができる。したがって、第1の子局TR10,TR11,…は、未だ通信可能か不明な第2の子局TR20,TR21,…に対してのみ確認メッセージを送信すればよく、中継設定処理に要する時間を短くすることができる。
(実施形態2)
以下、本発明に係る無線通信システムの実施形態2について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は中継設定処理のみが実施形態1と異なるので、以下では中継設定処理についてのみ説明する。本実施形態は、図2に示すように、親局TR0の制御部5が、各第1の子局TR10,TR11,…に向けて探索メッセージを無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。そして、探索メッセージを受信すると、各第1の子局TR10,TR11,…は、自身の子局番号に基づいた時間(例えば、子局番号×数秒)が経過した後に各第2の子局TR20,TR21,…に向けて確認メッセージを無線送受信部2から送信させる。
上述のように、本実施形態では、親局TR0の制御部5が各第1の子局TR10,TR11,…に向けて探索メッセージを無線送受信部2から順番に送信させる必要がないので、中継設定処理に要する時間を短くすることができる。
なお、中継設定処理に要する時間を短くするために、本実施形態では、以下の構成を採用してもよい。すなわち、図3に示すように、第2の子局TR20,TR21,…の制御部5は、確認メッセージの送信元の全ての第1の子局TR10,TR11,…に向けて、応答メッセージを無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。この構成では、応答メッセージを各第1の子局TR10,TR11,…に向けて順番に送信する場合と比較して、中継設定処理に要する時間を短くすることができる。
(実施形態3)
以下、本発明に係る無線通信システムの実施形態3について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は中継設定処理のみが実施形態1と異なるので、以下では中継設定処理についてのみ説明する。本実施形態では、図4に示すように、親局TR0の制御部5は、各第1の子局TR10,TR11,…に向けて探索メッセージを送信させない。代わりに、本実施形態では、第2の子局TR20,TR21の制御部5は、後述のトリガにより親局TR0との中継を依頼する依頼メッセージを含む無線信号(以下、単に「依頼メッセージ」と呼ぶ)を無線送受信部2からマルチキャストで送信させる。
依頼メッセージを受信した第1の子局TR10,TR11,…の制御部5は、当該依頼メッセージのRSSI値を測定する。そして、第1の子局TR10,TR11,…の制御部5は、親局TR0に向けて、測定したRSSI値のデータを含む通知メッセージを無線送受信部2から送信させる。ここで、通知メッセージは、自身が第2の子局TR20,TR21,…の中継器になり得る旨を親局TR0に知らせるものであり、実施形態1における第1の子局TR10,TR11,…から親局TR0への応答メッセージに置き換わるものである。その後、通知メッセージを受信すると、親局TR0の制御部5は、実施形態1と同様の処理を実行し、中継設定処理が完了する。
例えば、図4に示すように、第1の子局TR10が第2の子局TR21からの依頼メッセージを受信し、第1の子局TR11が第2の子局TR20からの依頼メッセージを受信した場合を考える。この場合、親局TR0の制御部5は、第1の子局TR10を第2の子局TR21の中継器に設定し、第1の子局TR11を第2の子局TR210中継器に設定する。
なお、複数の第1の子局TR10,TR11,…において、1台の第2の子局TR20,TR21,…からの依頼メッセージを受信でき、且つそのRSSI値が子局用閾値を上回る場合が考えられる。この場合には、親局TR0の制御部5は、依頼メッセージのRSSI値が最も高い第1の子局TR10,TR11,…を当該第2の子局TR20,TR21,…の中継器に設定する。
ところで、第2の子局TR20,TR21,…が依頼メッセージを送信するトリガとしては、例えば第2の子局TR20,TR21,…の操作入力受付部6において操作入力を受け付ける等の手動のトリガが考えられる。この場合、施工業者やユーザ等が所望のタイミングで送信タイミングを決定することができる。また、各火災警報器TRが時間を計時するタイマを有しているのであれば、タイマが電源の投入時点から計時を開始し、子局番号に基づいて決定した時間(例えば、子局番号×数秒)を経過するタイミングをトリガとしてもよい。この場合、自動的に第2の子局TR20,TR21,…から依頼メッセージを送信することができ、且つ各第2の子局TR20,TR21,…の送信タイミングを互いにずらすことができるので、衝突を回避することができる。
なお、本実施形態の無線局は、上述の火災警報器TRに限定されるものではない。例えば、火災警報器TR以外の無線局を用いて本実施形態の無線通信システムを構築してもよい。
例えば、空気中の湿度などのいわゆる空気質を測る空気質センサを有する無線局を用いて本実施形態の無線通信システムを構築してもよい。空気質センサの一例としては、ガスセンサがある。ガスセンサは、都市ガスやLPガスなどの燃料ガスや、二酸化炭素や一酸化炭素など環境を測る指標となるCOx系の気体成分、若しくはその他の気体成分や空気中に浮遊する塵などの汚れを測定するものである。このガスセンサを有する無線局としては、ガス漏れや不完全燃焼の発生を警報音で知らせるガス警報器がある。
また、人の存在を検知する人センサを有する無線局を用いて本実施形態の無線通信システムを構築してもよい。人センサは、人体から発せられる赤外線を感知して人の存在を検知する方式と、対象の領域を撮像した画像を画像処理解析して人の存在を検知する方式との何れか一方の方式を採用することが考えられる。または、上記の両方の方式を組み合わせて人センサに採用してもよい。
また、これら空気質センサを有する無線局や人センサを有する無線局を、上述した無線式の火災警報器TRと混合して無線通信システムを構築してもよい。この場合、火災感知のみならず、人体検知や換気警鐘の目的も兼ねる無線通信システムを構築することができる。
2 無線送受信部
5 制御部
TR0 親局
TR10,TR11 第1の子局
TR20,TR21 第2の子局
TR 火災警報器(無線局)

Claims (13)

  1. 複数の無線局から成り、任意の1台の前記無線局を親局、その他の前記無線局を子局とし、前記親局と前記子局との間で電波を媒体とする無線信号を送受信する無線通信システムであって、
    前記各無線局は、無線信号を送受信する無線送受信部と、前記子局の何れかを送信元の前記親局と送信先の前記子局との間を中継する中継器に設定する中継設定処理を実行する制御部とを備え、
    前記中継設定処理において、前記親局の前記制御部は、前記各子局に向けて返信を促す確認メッセージを前記無線送受信部から送信させ、前記子局のうち前記確認メッセージを受信した1乃至複数の第1の子局に向けて、前記子局のうち前記確認メッセージを受信できない1乃至複数の第2の子局を探索させる探索メッセージを前記無線送受信部から送信させ、
    前記第1の子局の前記制御部は、前記探索メッセージを受信すると、前記第2の子局に向けて前記確認メッセージを前記無線送受信部から送信させることで前記第2の子局を探索し、
    前記親局の前記制御部は、前記各第1の子局の探索の結果に基づいて前記第2の子局と通信可能な前記第1の子局を前記中継器に設定し、
    前記親局の前記制御部は、前記第1の子局が受信する前記第2の子局からの無線信号の受信信号強度と子局用閾値とを比較して通信可否を判断し、且つ自身が受信する前記第1の子局からの無線信号の受信信号強度と親局用閾値とを比較して通信可否を判断し、
    前記子局用閾値は、前記中継設定処理以外の処理時における通信可否の判断基準となる試験用閾値よりも大きく、前記親局用閾値は、前記試験用閾値よりも小さく設定することを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記親局の前記制御部は、前記定期監視時又は前記電波チェック時に通信が正常に確立できないと判断した場合は、前記中継設定処理を実行することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記親局の前記制御部は、予め前記各子局に割り当てられた子局番号の順番にしたがって、前記各第1の子局に前記第2の子局を探索させることを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
  4. 前記親局の前記制御部は、前回の前記中継設定処理時に探索した順番にしたがって、前記各第1の子局に前記第2の子局を探索させることを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
  5. 前記親局の前記制御部は、前記各第1の子局からの返信信号の受信信号強度を測定し、前記受信信号強度が小さい順番にしたがって、前記各第1の子局に前記第2の子局を探索させることを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
  6. 前記親局の前記制御部は、前記探索メッセージを前記無線送受信部から複数回送信させ、前記各第1の子局は、返信のあった前記第2の子局の前記子局番号を前記親局に通知し、前記親局の前記制御部は、全ての前記第2の子局の前記子局番号が通知されると、次回からは前記第1の子局に向けて前記探索メッセージを前記無線送受信部から1回送信させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の無線通信システム。
  7. 前記第1の子局の前記制御部は、前記第2の子局が他の前記第1の子局に向けて送信した返信信号を受信すると、当該返信信号の送信元の前記第2の子局の前記子局番号をメモリに記憶させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の無線通信システム。
  8. 前記親局の前記制御部は、前記各第1の子局に向けて前記探索メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させ、前記各第1の子局は、前記探索メッセージを受信してから自身の前記子局番号に基づいた時間が経過すると、前記各第2の子局に向けて前記確認メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の無線通信システム。
  9. 前記第2の子局の前記制御部は、前記確認メッセージの送信元の全ての前記第1の子局に向けて、前記確認メッセージを受信した旨を知らせる応答メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の無線通信システム。
  10. 複数の無線局から成り、任意の1台の前記無線局を親局、その他の前記無線局を子局とし、前記親局と前記子局との間で電波を媒体とする無線信号を送受信する無線通信システムであって、
    前記各無線局は、無線信号を送受信する無線送受信部と、前記子局の何れかを送信元の前記親局と送信先の前記子局との間を中継する中継器に設定する中継設定処理を実行する制御部とを備え、
    前記中継設定処理において、前記親局の前記制御部は、前記各子局に向けて返信を促す確認メッセージを前記無線送受信部から送信させ、
    前記子局のうち前記確認メッセージを受信できない1乃至複数の第2の子局の前記制御部は、トリガにより前記親局との中継を依頼する依頼メッセージを前記無線送受信部からマルチキャストで送信させ、
    前記子局のうち前記確認メッセージを受信した1乃至複数の第1の子局の前記制御部は、前記依頼メッセージを受信すると、前記親局に向けて自身が前記依頼メッセージの送信元の前記第2の子局の中継器になり得る旨を知らせる通知メッセージを前記無線送受信部から送信させ、
    前記親局の前記制御部は、前記通知メッセージを受信すると、前記通知メッセージの送信元の前記第1の子局を中継器に設定し、
    前記親局の前記制御部は、前記第1の子局が受信する前記第2の子局からの無線信号の受信信号強度と子局用閾値とを比較して通信可否を判断し、且つ自身が受信する前記第1の子局からの無線信号の受信信号強度と親局用閾値とを比較して通信可否を判断し、
    前記子局用閾値は、前記中継設定処理以外の処理時における通信可否の判断基準となる試験用閾値よりも大きく、前記親局用閾値は、前記試験用閾値よりも小さく設定することを特徴とする無線通信システム。
  11. 前記各無線局は、操作入力を受け付ける操作入力受付部を有し、前記操作入力受付部における所定の操作入力を前記トリガとすることを特徴とする請求項10記載の無線通信システム。
  12. 前記各無線局は、時間を計時するタイマを有し、前記タイマが前記無線局の電源の投入時点から計時を開始し、予め前記各子局に割り当てられた子局番号に基づいて決定した時間の経過を前記トリガとすることを特徴とする請求項10記載の無線通信システム。
  13. 前記各無線局は、火災の発生を感知する火災警報器と、空気質を測る空気質センサを有する無線局と、人の存在を検知する人センサを有する無線局との少なくとも何れか1種であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の無線通信システム。
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