JP2011048119A - 電子写真用消色トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 帯電性を損なうことなく、優れた消色機能を発揮する電子写真用消色トナー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、4級アンモニウムホウ素錯体と、を少なくとも含む原料を、溶融・混練後、粉砕し分級して電子写真用消色トナーを得るに当たり、溶融・混練工程にニ軸押出型混練装置を用いると共に、溶融・混練時における混練物の排出口温度を4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度になるように調整する。
【選択図】 なし
【解決手段】 結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、4級アンモニウムホウ素錯体と、を少なくとも含む原料を、溶融・混練後、粉砕し分級して電子写真用消色トナーを得るに当たり、溶融・混練工程にニ軸押出型混練装置を用いると共に、溶融・混練時における混練物の排出口温度を4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度になるように調整する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真用消色トナーに係り、特に、赤外線照射により消色する画像を形成可能な電子写真用消色トナー及びその製造方法に関する。
従来、顔料の代わりに近赤外線吸収色素を使用した消色トナーが知られている。この消色トナーは、可視光下では青色に近い色を示している。また、この消色トナーには、消色剤として、4級アンモニウムホウ素錯体が添加されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
このような消色トナーの印字物を加熱した状態で、ハロゲンランプやレーザー、LED等により近赤外線を照射すると、トナー内の赤外線吸収色素が励起状態になり、消色剤としての4級アンモニウムホウ素錯体と反応して、消色反応が生じ、印字物のトナーが消色する。このような現象により、一度印字した用紙の印字が消色し、用紙を再利用することが可能となる。
ところで、トナーは一般的に種々の材料を均一に混練し粉砕した後、所定の粒度に分級し、更に必要に応じて添加剤を外添する、所謂粉砕法によって製造される。より具体的には、結着樹脂、着色剤、必要に応じてその他添加剤を含む原料を混合した後、加圧ニーダーや二軸混練機、オープンロールなどの混練機で混練し、混練物を得る。この混練物を冷却した後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機等で分級する。得られた分級物にシリカ等の外添剤を混合して所望するトナーを得ることができる。因みに、上記特許文献1及び2には、加圧ニーダーによる消色トナーの製造が例示されている。
この粉砕法の製造方法では、混練時にトナー全体に熱と剪断力を与え、材料を均一に樹脂内に分散させることが特徴である。従って、この方法は、熱や剪断力に弱い材料には適さない。
そこで、トナー用原料の混練中にトナーが消色、退色してしまうのを防止すべく、消色トナー用マスターバッチを用いる等の提案がなされている(例えば、特許文献3及び4参照)。なお、この特許文献3及び4では、トナーの混練に上記加圧ニーダーに加え二軸混練機の使用を記載している。
しかしながら、本願出願人が種々検討した結果、混練中に本来の消色機能が低下してしまう原因の主体は消色剤の耐熱性にあるとの結論を見出した。すなわち、上記のような消色トナーには、色素として近赤外吸収色素と消色剤として4級アンモニウムホウ素錯体を添加している。この場合、近赤外吸収色素は比較的安定した構造を示す一方で、4級アンモニウムホウ素錯体は比較的不安定な構造を有しており、高温、特にその融点を超える高い温度になると徐々に分解してしまう。
そのことから、消色トナー製造工程の際の混練時に高い熱と剪断力を与えてしまうと4級アンモニウムホウ素錯体の一部が分解してしまい、結果として、印字物に赤外線を照射しても、消色反応が起き難くなるため、本来の消色機能が低下してしまうというものである。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされ、優れた消色機能を発揮する電子写真用消色トナー、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、4級アンモニウムホウ素錯体と、を少なくとも含む原料を溶融・混練後、粉砕し分級して得られる電子写真用消色トナーであって、前記溶融・混練時に、混練物の温度を前記4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度で溶融・混練すべく調整してなることを特徴とする電子写真用消色トナーを提供する。
また、上記課題を解決するため、本発明の第2の態様は、結着樹脂、近赤外線吸収色素、4級アンモニウムホウ素錯体を少なくとも含む原料を混合する原料混合工程、該原料混合工程で得られた混合物を溶融・混練する溶融混練工程、該溶融混練工程で得られた混練物を冷却固化した後、粉砕する粉砕工程、及び該粉砕工程で得られた粉砕物を分級する分級工程を順次実施して電子写真用消色トナーを製造するに当たり、前記溶融混練工程において、前記混練物の温度を前記4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度に調整することを特徴とする電子写真用消色トナーの製造方法を提供する。
以上の電子写真用消色トナー及びその製造方法において、前記溶融・混練を行う溶融混練工程には、二軸押出型混練装置を用いると共に、前記混練物の温度は前記二軸押出型混練装置の混練物排出口における温度である。
本発明によると、優れた消色機能を発揮する電子写真用消色トナーが提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る消色トナーは、結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、4級アンモニウムホウ素錯体と、を少なくとも含む原料の溶融混練時工程に二軸押出型混練装置を用い、該二軸押出型混練装置の混練物排出口における混練物の温度を上記4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度で溶融・混練すべく調整してなることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る消色トナーは、結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、4級アンモニウムホウ素錯体と、を少なくとも含む原料の溶融混練時工程に二軸押出型混練装置を用い、該二軸押出型混練装置の混練物排出口における混練物の温度を上記4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度で溶融・混練すべく調整してなることを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る二軸押出混練機の一例を示す側面図である。この二軸押出混練機は、原料混合物が供給されるホッパー1、複数のゾーンに区分されたシリンダー2(バレルC1〜バレルC8)、及び溶融混合物が排出されるアダプタ3、ダイノズル4を具備している。シリンダー2の各バレルC1〜C8、アダプタ3、ダイノズル4は、ヒーター(図示せず)により所定の温度に加熱されており、またシリンダー2内には、その軸が平行又は所定の角度となるように配置された二本の円筒状のスクリュー(図示せず)が配置されている。スクリューは、同方向に又は反対方向に回転する。
ホッパー1から供給された原料混合物は、シリンダー2内に導入され、スクリュー間の間隙において、加熱されているシリンダー2からの熱により溶融されるとともに、スクリューの回転による圧縮力及びせん断力により混合され、スクリューのらせん状の羽根に沿ってアダプタ3を介しダイノズル4の側に移動し、ダイノズル4の排出口から排出される。
本発明においては、上記スクリューの回転数に基づく混練物搬送量に対して上記シリンダー2の各バレルC1〜C8、アダプタ3、ダイノズル4のヒーターの設定温度を後述するように設定することにより、混練物排出口における混練物の温度を上記4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下となるように調整して消色トナーを製造する。
混練機からの溶融混練物は、通常、トナーの製造に用いられる方法に従って、冷却され粉砕され、所定の粒度に分級され、外添剤を混合されて電子写真用トナーが得られる。冷却手段、粉砕手段及び分級手段は、特に限定されず、通常トナーの製造に用いられるものを採用することが出来る。例えば、冷却は、圧延や空気流の吹き付けによる冷却手段を用いることができ、粉砕は、衝突板式粉砕機等の気流粉砕機を用いることができ、分級は、様々な気流分級機を用いることができる。
このようにして得られた消色トナーを用いて、電子写真プロセスにより印字又は画像を形成すると、印字又は画像は、可視光下では青色に近い色に見えるが、加熱した状態で近赤外線を照射すると、印字又は画像が消色する。すなわち、印字又は画像に、例えば80〜160℃に加熱した状態で近赤外線を照射すると、トナー中の近赤外線吸収色素が励起状態になり、近赤外線吸収色素の色素カチオンが4級アンモニウムホウ素アニオンのアルキル基と結合することにより消色反応が生ずる。その結果、印字又は画像が消色し、用紙を再利用することが可能となる。
本実施形態に係る消色トナーに含まれる近赤外線吸収色素としては、従来公知のものを用いることが出来る。そのような近赤外線吸収色素として、例えば、上記特開平5−119520号公報他に記載されているものがある。具体的な近赤外線吸収色素の例として、例えば、IRT(商品名、昭和電工(株)製)を挙げることが出来る。
また、4級アンモニウムホウ素錯体としては、従来公知のものを用いることが出来る。そのような4級アンモニウムホウ素錯体として、例えば、上記特開平5−119520号公報に記載されているものがある。具体的な4級アンモニウムホウ素錯体の例として、P3B(商品名、昭和電工(株)製)を挙げることが出来る。
本実施形態に係るトナー用の結着樹脂としては、公知のものを含む広い範囲から選択することができる。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、およびスチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示でき、これらの樹脂を二種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、これらの樹脂のうち、ポリエステル系樹脂が好ましい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて、従来公知の正帯電又は負帯電の帯電制御剤を添加することができるが、ポリマー型電荷制御剤を好ましく用いることができる。本実施形態に係る4級アンモニウムホウ素錯体は、帯電防止作用を有するため、その存在により帯電量が低下し、画像均一性が損なわれる傾向があり、ポリマー型電荷制御剤を含むことにより、そのような問題の発生を未然に防止することが出来る。
ポリマー型電荷制御剤としては、従来公知のものを用いることが出来る。そのようなポリマー型電荷制御剤として、スチレンアクリル系ポリマーからなるアクリベースFCA(商品名、藤倉化成(株)製)を挙げることが出来る。このポリマー型電荷制御剤は、優れた帯電特性を有しているだけでなく、金属を含まないため、安全性、透明性に優れているという特性を有している。負帯電用としてFCA−N型が、正負帯電用としてFCA−P型がある。
ポリマー型電荷制御剤の配合量は、結着樹脂100質量部に対して10〜25質量%である。この配合量の範囲で、充分な帯電量が得られ、優れた画像均一性が得られる。ポリマー型電荷制御剤の配合量が10質量%未満では、充分な帯電量が得られず、画像均一性が劣ってしまう。また、25質量%を越えると、充分な帯電量が得られるが、トナーの耐久性が劣り、画像欠陥が生じてしまう。
本発明の一実施形態に係る電子写真用消色トナーは、結着樹脂、近赤外線吸収色素、4級アンモニウムホウ素錯体、電荷制御剤以外に、離型材を含むことができる。離型剤としては、通常、電子写真用トナーに使用される任意のものを使用可能である。
そのような離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のオレフィン系ワックスや、カルナウバワックス、ライスワックス、カイガラムシワックス等の天然ワックス、合成エステルワックス等が挙げられる。低温定着性や高速印字性能を向上させるには、離型剤の融点は60〜100℃程度と比較的低い方が好ましく、具体的には、カルナウバワックスや、合成エステルワックスが好ましい。環境への影響を考慮すると、天然物系のカルナウバワックスがより好ましい。離型剤の添加量は、トナー全体に対して、1〜10質量%であることが好ましい。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明について、より具体的に説明する。
実施例1
結着樹脂としてポリエステル樹脂(軟化点147℃、ガラス転移点75℃、花王(株)製)100質量部、近赤外線吸収色素としてIRT(商品名、昭和電工(株)製)3質量部、消色剤としてP3B(商品名、昭和電工(株)製)3質量部、離型剤としてカルナウバワックス1号粉末(加藤洋行(株)輸入品)2.5質量部、ポリマー型電荷制御剤としてFCA−1001−NS(商品名、藤倉化成(株)製)10質量部を、合計10kgになるように計量し、20Lヘンシェルミキサーにより2800rpmで3分間混合した。
実施例1
結着樹脂としてポリエステル樹脂(軟化点147℃、ガラス転移点75℃、花王(株)製)100質量部、近赤外線吸収色素としてIRT(商品名、昭和電工(株)製)3質量部、消色剤としてP3B(商品名、昭和電工(株)製)3質量部、離型剤としてカルナウバワックス1号粉末(加藤洋行(株)輸入品)2.5質量部、ポリマー型電荷制御剤としてFCA−1001−NS(商品名、藤倉化成(株)製)10質量部を、合計10kgになるように計量し、20Lヘンシェルミキサーにより2800rpmで3分間混合した。
次に、混合物を二軸押し出し機(PCM−45:商品名、池貝(株)製)へ供給し、下記表1に示す、混練条件で混練を行った。すなわち、混合物をホッパー1からシリンダー2内に一時間当たり20kg供給するように調整すると共に、スクリュウ回転数を毎分200回転に設定した。また、シリンダー2のバレルC1の設定温度を50℃、バレルC8の設定温度を100℃となるようにバレルC1からバレルC8まで漸次温度を上昇させた設定とし(但し、バレルC2からバレルC7の設定温度は省略。)、アダプタ3及びダイノズル4の設定温度を100℃に設定した。そして、ダイノズル4の出口から得られる混練物に温度計を差して温度を測定し、樹脂温度が115.5℃の混練物を得た。
得られた混練物を冷却し、粗砕機で粉砕した後、衝突板式粉砕機(IDS−2:商品名、日本ニューマチック(株)製)により微粉砕し、更に風力分級機(CSX−2、商品名、日本ニューマチック(株)製)により分級し、平均粒径約9.0μmの着色微粒子を得た。
この着色微粒子に100質量部に対して、疎水性シリカとしてRY50(商品名、日本アエロジル(株)製)2.0質量部及びRY200商品名、日本アエロジル(株)製)0.3質量部、アルミナ(AL45−2:商品名、昭和電工(株)製)0.5質量部を合計3kgになるように計量し、容積20Lのヘンシェルミキサーに導入し、周速40m/秒で5分間、混合して、外添処理を行い、実施例1のトナーを得た。
実施例2〜11、比較例1〜8
二軸押し出し機(PCM−45)の混練条件を下記表1に示すように変化させたことを除いて、実施例1と同様にして、それぞれの実施例および比較例のトナーを得た。
二軸押し出し機(PCM−45)の混練条件を下記表1に示すように変化させたことを除いて、実施例1と同様にして、それぞれの実施例および比較例のトナーを得た。
比較例9
実施例1で使用した二軸押し出し機(PCM−45)に代えて、バッチ式加圧ニーダー(DR-1-5MB:商品名、(株)モリヤマ社製)を混練機として使用し、容器内温度を120℃、スクリュー回転数を毎分500回転として実施例1と同様にして、比較例9のトナーを得た。
実施例1で使用した二軸押し出し機(PCM−45)に代えて、バッチ式加圧ニーダー(DR-1-5MB:商品名、(株)モリヤマ社製)を混練機として使用し、容器内温度を120℃、スクリュー回転数を毎分500回転として実施例1と同様にして、比較例9のトナーを得た。
比較例10〜19
バッチ式加圧ニーダーの混練条件を下記表1に示すように変化させたことを除いて、比較例9と同様にして、各比較例のトナーを得た。
バッチ式加圧ニーダーの混練条件を下記表1に示すように変化させたことを除いて、比較例9と同様にして、各比較例のトナーを得た。
以上のようにして得られた実施例1〜11、比較例1〜19に係る30種のトナーについて、以下の特性を評価した。
1.消色反応
トナーをN3500プリンタ(カシオ計算機(株)製)に搭載し、用紙に印字した。得られた印字物をヒーターラバー上で約70℃に加熱した状態で、LEDより約830nmのピークを示す、50mW/cm2の近赤外線を約2秒間照射し、消色反応を確認した。
1.消色反応
トナーをN3500プリンタ(カシオ計算機(株)製)に搭載し、用紙に印字した。得られた印字物をヒーターラバー上で約70℃に加熱した状態で、LEDより約830nmのピークを示す、50mW/cm2の近赤外線を約2秒間照射し、消色反応を確認した。
この時の印字物の照射前の画像濃度をあらかじめX-riteで測定し、また、照射後の画像濃度をX-riteで測定し、濃度減少率を次式で算出した。
濃度消色率(%)=100−(照射後濃度/照射前濃度)×100
数値が大きいほど、消色反応が良いことを示す。
濃度消色率(%)=100−(照射後濃度/照射前濃度)×100
数値が大きいほど、消色反応が良いことを示す。
消色反応の判定の基準を以下に示す。
95%以上:○
60%〜95%:△
60%以下:×
以上の評価結果を上記表1の判定欄に示す。
95%以上:○
60%〜95%:△
60%以下:×
以上の評価結果を上記表1の判定欄に示す。
上記表1から次のことがわかる。
即ち、実施例1では混練時の樹脂温度(混練後排出樹脂温度)が115.5℃であり、消色剤のP3Bの融点である140℃以下で混練したことにより、P3Bの分解が起きにくく、結果として消色特性が良好であった。
即ち、実施例1では混練時の樹脂温度(混練後排出樹脂温度)が115.5℃であり、消色剤のP3Bの融点である140℃以下で混練したことにより、P3Bの分解が起きにくく、結果として消色特性が良好であった。
同様に、混練条件であるバレルC1〜バレルC8、アダプタ3、ダイノズル4の設定温度とスクリュー回転数及びホッパーフィード量を各々種々に振った実施例2〜実施例11では、いずれも出口の樹脂温度が120℃以下であり、消色特性が良好な結果が得られた。
これに対して、同様に混練条件を振った比較例1〜比較例4、比較例6、及び比較例7では、いずれも出口の樹脂温度が120℃を超える結果となってしまっていたため、混練中にP3Bの分解が起きてしまい、結果として消色特性が著しく低下している。なお、比較例5及び比較例8では、ホッパーフィード量を40kg/hrに上げたため、樹脂の溶融が均一にならずに混練することができない結果となっている。
一方、混練機設定温度が80℃と低すぎて混練不可となった比較例13を除いて、混練機にバッチ式加圧ニーダーを用いて、上記同様に条件を振って混練を行った比較例9〜比較例19では、バッチ式のため、設定温度としては二軸押し出し機と同様な設定にも関わらず最終的に取り出した樹脂温度が120℃を超える異常な高温度になっており、消色性能が良好ではなかった。
このことから、消色トナーを製造するに当たり、二軸押出混練機を用い、混練物排出口における混練物の温度を4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度で溶融・混練すべく調整することが好ましいという知見を得た。
本発明は、消色剤として4級アンモニウムホウ素錯体を使用した消色トナーに利用することができる。
1…ホッパー、2…シリンダー、3…アダプタ、4…ダイノズル。
Claims (4)
- 結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、4級アンモニウムホウ素錯体と、を少なくとも含む原料を溶融・混練後、粉砕し分級して得られる電子写真用消色トナーであって、前記溶融・混練時に、混練物の温度を前記4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度で溶融・混練すべく調整してなることを特徴とする電子写真用消色トナー。
- 前記溶融・混練を二軸押出型混練装置を用いて行うと共に、前記混練物の温度が前記二軸押出型混練装置の混練物排出口における温度であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用消色トナー。
- 結着樹脂、近赤外線吸収色素、4級アンモニウムホウ素錯体を少なくとも含む原料を混合する原料混合工程、
該原料混合工程で得られた混合物を溶融・混練する溶融混練工程、
該溶融混練工程で得られた混練物を冷却固化した後、粉砕する粉砕工程、
及び該粉砕工程で得られた粉砕物を分級する分級工程
を順次実施して電子写真用消色トナーを製造するに当たり、
前記溶融混練工程において、前記混練物の温度を前記4級アンモニウムホウ素錯体の融点よりも20℃以下の温度に調整する
ことを特徴とする電子写真用消色トナーの製造方法。 - 前記溶融混練工程に、二軸押出型混練装置を用いると共に、前記混練物の温度が前記二軸押出型混練装置の混練物排出口における温度であることを特徴とする請求項3記載の電子写真用消色トナーの製造方法。
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