JPH05150540A - 消色方法および消色装置 - Google Patents

消色方法および消色装置

Info

Publication number
JPH05150540A
JPH05150540A JP3314457A JP31445791A JPH05150540A JP H05150540 A JPH05150540 A JP H05150540A JP 3314457 A JP3314457 A JP 3314457A JP 31445791 A JP31445791 A JP 31445791A JP H05150540 A JPH05150540 A JP H05150540A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
recording paper
decoloring
binder resin
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3314457A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Abe
勇喜 阿部
Masakazu Okamoto
眞和 岡本
Katsumi Murofushi
克己 室伏
Kiichi Hosoda
喜一 細田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd, Showa Denko KK filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP3314457A priority Critical patent/JPH05150540A/ja
Publication of JPH05150540A publication Critical patent/JPH05150540A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート体上に形成されたトナー像の消色速度
を格段に向上することができる消色方法および消色装置
を提供することである。 【構成】 光化学的に消色が可能なトナーによってトナ
ー像が形成された記録紙6を、ヒータ65によって少な
くとも当該トナーの結着樹脂のガラス転移温度TG以上
の温度、好適には結着樹脂の軟化点以上の温度であっ
て、トナーの成分の熱分解温度未満の温度に加熱し、加
熱と平行して、あるいは加熱後に、ゴム弾性状態あるい
は溶融状態のトナーを擦る・撹拌する・押圧するなどし
て物理的に変形させ、近赤外線を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光化学的に消色可能な
トナーを用いてシート体上に形成されているトナー像を
消色するための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然保護、とくに森林資源の保護
および都市部におけるゴミの削減のため、使用済みの紙
類の再利用、再生利用が見直されつつある。その一環と
して、企業のオフィス内で生じる不要になった使用済み
の複写紙、印刷物、ファクシミリ用紙などの再利用など
について検討されている。
【0003】しかしながら、これらの紙類には一般に企
業秘密とされている企業内部機密書類が大半を占めてい
るため、これらの紙類を当該企業外部で回収し、再生利
用することは極めて困難であり、しかも印刷物、複写物
などの記録部分、印字部分は容易に消去することができ
ないため、焼却したり破砕して廃棄処分せざるをえず、
このような紙類の再利用などは事実上ほぼ不可能である
と考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本件発明者ら
は、前記従来例に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、近赤外
線を吸収して消色しうる近赤外線消色型色素を見いだ
し、かかる色素を用いたトナーを開発し、特願平3−2
77725で提案している。
【0005】前記トナーを用いて静電複写を行った場
合、複写用紙などのシート体に記録された画像、印字な
どを近赤外線を照射するだけで消去することができ、消
去後に再度静電複写または印字を行うことができるの
で、当該シート体の再利用が可能となり、また使用済み
のシート体を廃棄する際には、記録された画像、印字な
どを近赤外線の照射により消去しうるので、秘密事項の
外部漏出を防止することができると同時にシート体を回
収し、再生利用することが可能となるなどの数多くの利
点がある。
【0006】ところが、近赤外線照射だけによる消色速
度は遅く、例えば日本工業規格A列4番のサイズの記録
紙全体のトナー像を消色しようとすると、少なくとも1
枚当たり数10秒程度の時間を要する。すなわち、数枚
/分程度の消色処理しかできないという問題を有してい
る。
【0007】そこで、本発明の目的は、上述の技術的問
題を解消し、シート体上に形成されたトナー像の消色速
度を格段に向上することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、シート体上に
形成されている光化学的消色可能なトナーによるトナー
像を少なくとも当該トナーの結着樹脂のガラス転移温度
以上に加熱する工程と、加熱されたトナーをシート体上
で、擦る・撹拌する・押圧するなどの物理的変形を加え
る工程と、当該トナーに近赤外線を照射する工程とを含
むことを特徴とする消色方法である。
【0009】また本発明は、シート体上に形成されてい
る光化学的に消色可能なトナーによるトナー像を少なく
とも当該トナーの結着樹脂のガラス移転温度以上に加熱
する手段と、擦る・撹拌する・押圧するなどの物理的変
形を加える手段と、当該トナーに近赤外線を照射する近
赤外線照射手段を含むことを特徴とする消色装置であ
る。
【0010】
【作用】本発明に従えば、シート体上に形成されている
光化学的に消色可能なトナーによるトナー像を消色しよ
うとする場合、加熱手段により少なくとも当該トナーを
当該トナーの結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱す
る。これによりシート体上のトナーは固体状態から、ゴ
ム弾性を有する状態あるいは溶融状態となる。このよう
な状態のトナーを擦る・撹拌する・押圧するなどの作用
を行う変形手段を用いて物理的に変形する。物理的変形
が終了したトナーに対して、または物理的変形が行われ
ているトナーに対して近赤外線照射手段を用いて近赤外
線を照射する。当該トナーが近赤外線の吸収により消色
作用を実現する構成を有していれば、当該照射により容
易に消色作用が発現する。
【0011】シート体上の固体状態のトナーが加熱され
て、少なくともゴム弾性を有する状態となることにより
トナーを構成する分子の熱運動量が増大した状態とな
り、さらに該トナーを物理的に変形させているので、ト
ナーを構成する分子間の化学反応が発生しやすい状態と
なる。さらにゴム弾性あるいは溶融状態のトナーを変形
・撹拌することによりトナーを構成する分子の間で化学
反応が生じる機会を格段に増大することができる。
【0012】本発明で再生使用できるシート体は、たと
えば通常の静電写真に用いられる記録紙、OHPフィル
ム、磁気カード、表示板用プラスチックシート等、事務
用、業務用に使用される静電複写可能なすべての紙類、
プラスチックフィルム等シート体を含むがプラスチック
フィルム上の印字を消色する場合はプラスチックフィル
ムの熱変形温度は使用するトナーのガラス転移温度以上
有することが必要である。
【0013】
【実施例】本発明に用いられる消色トナーを用いた記録
紙への画像形成は、たとえば静電式複写機を用いて行わ
れる。この静電式複写機で用いられるトナーは、光化学
的に消色可能なトナーであり、近赤外線の吸収により消
色する消色トナーである。このような消色トナーにおけ
る多数の組成例および各組成例のトナーの消色作用の現
れ方などの詳細については、前記特願平3ー27772
5に述べられている。したがって、以下の実施例では消
色トナーの数例を示す。本発明はこのような本実施例の
例に限定されるものではなく、本発明の精神に従う広範
な変形例を含むものである。
【0014】このような消色トナーは、たとえばその一
例として、スチレン系樹脂の中に色素と有機ホウ素アン
モニウム塩が分散して構成される。前記色素というの
は、たとえば次の化1または化2で示される。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】前記スチレン系樹脂は、トナーの結着樹脂
として広く用いられる。前述の化1および化2で示され
る色素は、シアニン系色素の1つであり、有機ホウ素ア
ンモニウム塩と共存させた場合、波長が820nm付近
の近赤外線を照射すると、近赤外線を吸収して非可逆反
応が起こり、青色が消えて無色になる。この有機ホウ素
アンモニウム塩は、たとえば、下記化3に示されるテト
ラブチルアンモニウムnブチルトリフェニルホウ素など
が用いられる。
【0018】
【化3】
【0019】前述のように形成された消色トナーによっ
てトナー像が形成された記録紙のトナー像の消色処理
は、例えば以下のように行われる。
【0020】以下の実施例には、下記表1に示されるS
1〜S6の6種類の消色トナーを作成して用いた。
【0021】
【表1】
【0022】上記表1において、記号RE1〜RE3は
結着樹脂であり、例として、スチレン・アクリル系樹脂
が用いられ、RE1は三洋化成工業株式会社製ハイマー
SBM−100であり、これは軟化点MPが104℃、
ガラス転移温度TGが60℃である。RE2は、三洋化
成工業株式会社製ハイマーTB−1000であり、これ
は軟化点MPが145℃、ガラス転移温度TGが58℃
である。RE3は、三洋化成工業株式会社製ハイマーS
T−125であり、軟化点MPが125℃、ガラス転移
温度TGが50℃である。
【0023】記号DY1,DY2は色素であり、DY1
は前記化1に示した色素であり、DY2は前記化2に示
した色素である。上記表1における増感剤は有機ホウ素
アンモニウム塩で前記化3に示したテトラブチルアンモ
ニウムnブチルトリフェニルホウ素である。上記表1に
おけるワックスの例は、三洋化成工業株式会社製のポリ
プロピレンワックスで、一例として商品名ビスコール5
50Pを用いた。
【0024】上記表1におけるS1〜S6の各混合物
を、加圧混合機で120℃の温度で15分間、混練りし
た。その後、冷却固化物をジェットミルにて粉砕し、次
に分級機で粒径約5〜20μm、平均粒径約10μmの
トナーとした。次に、外添剤としてシリカ系微粉末をト
ナー100重量部当たり0.5重量部添加し、ヘンシェ
ルミキサで混合した。このシリカ系微粉末はトナー表面
に付着し、トナーの帯電極性を負極などに揃える作用を
有し、トナーの帯電能力を改善するとともに、トナーが
凝集して固化する事態を防止する。
【0025】本実施例のトナーと混合されるキャリア
は、Cu−Znフェライトを用いた。具体的には関東電
化工業株式会社製商品名FB−810を用いた。このキ
ャリア95重量部と前記トナー5重量部とをポリプロピ
レン製容器に入れて50rpmで30分間混合し現像剤
とした。記録紙は、九州松下電器株式会社製レーザービ
ームプリンターKX−P4420により、富士ゼロック
ス社製コピー用紙NoV602に約4mm角の文字で
「TONER」と印刷したものを用いた。
【0026】(消色方法に関する実施例)前記構成を有
する光化学的に消色が可能なトナーによるトナー像を消
色するにあたり、当該トナー像をトナーの前記スチレン
系樹脂などの結着樹脂のガラス転移温度TG以上の温度
となるように加熱し、さらに好ましくは当該結着樹脂の
軟化点MP以上の温度であって、トナーを構成する近赤
外線吸収性色素の分解温度未満の温度に加熱する。前述
の近赤外吸収性色素の分解温度は、化1は約140℃、
化2は約180℃付近にある。結着樹脂は、ガラス転移
温度TG以上に加熱されると、固体状態からゴム弾性を
有する状態に転移し、軟化点MP以上では、溶融状態と
なる。さらにこのトナーに対して、擦る・撹拌する・押
圧するなどの物理的変形を加えるのである。このように
加熱され、物理的変形を加えられているトナーに近赤外
線を照射すると、近赤外線照射による該トナーの光化学
的消色が急速に行われるのである。本発明によって、ど
れだけ消色時間が短縮されるかを実験によって確認し
た。
【0027】図1は、このような計測を行うのに用いた
構成の概略図である。この計測は同図の構成を暗室中に
設置して行った。この構成は、ヒータ33上に上方が開
口した筒状の断熱カバー53を気密に装着し、断熱カバ
ー53の開口には透明な耐熱ガラス54を気密に固定す
る。これにより、外部とは気密な内部空間55が形成さ
れる。前記光化学的に消色が可能なトナーによるトナー
像が形成された記録紙6を、前記ヒータ33上に配置さ
れた断熱材料からなる支持板52上に乗載し、ヒータ3
3で記録紙6を加熱する。記録紙6の上方には、ハロゲ
ンランプなどの光源35が配置される。
【0028】すなわち、この構成では、ヒータ33で内
部空間55の空気を加熱し、この加熱された空気で記録
紙6を加熱する。記録紙6の温度すなわち内部空間55
の温度は断熱カバー53を貫通して内部空間55内部に
突出する温度計56で計測する。
【0029】図1に示す構成を用いて記録紙6上のトナ
ーの消色処理する手順は、まずヒータ33により内部空
間55の空気を加熱し、温度計56によって計測された
内部空間55の温度を所定の温度とする。内部空間55
の温度が所定の温度となると約5分間そのままの状態を
保持し、その後に光源35によって近赤外線の照射を行
った。このとき、先端に耐熱性繊維で植毛されたブラシ
部材96を用いて、記録紙6の表面を、例として1往復
/秒のサイクルで擦った。
【0030】また光源35は、近赤外線を発生するアル
ミニウムコート型のハロゲンランプを用い、15V×1
50Wの定格で照射を行った。
【0031】このような計測の結果を表2に示す。な
お、本実験例で、消色完了の判定は10人の観察者を準
備し、10人中6人が消色完了と判断した最短時間を消
色完了とし、この最短時間を消色に必要な照射時間とし
た。また、トナーの軟化点MPの計測は、日本工業規格
JIS K−2207(1990)環球法で行い、ガラ
ス転移温度の計測は熱分析計(DSC)を用いて、米国
規格ASTMD3418−82で規定される計測法で行
った。
【0032】
【表2】
【0033】表2から明らかなように、記録紙温度がト
ナーの結着樹脂のガラス転移温度以下で近赤外線を照射
した場合に比べ、記録紙温度が結着樹脂のガラス転移温
度以上で近赤外線を照射した場合、消色速度はかなり速
くなっている。また、結着樹脂が溶融して流動状態にな
ることにより、消色速度はさらに速くなっている。
【0034】本発明の狙いは、消色速度をより一層向上
させることにある。すなわち、実施例1〜9は、ブラシ
部材96を用いて記録紙上の表面を擦ったときの消色速
度を示す。比較例1〜15に比べ、消色トナーS1〜S
6のいずれの場合も消色トナーの種類(表1)の如何に
かかわらず、著しく消色速度が改善していることが解
る。
【0035】以上のような実験結果から消色速度をより
一層向上させるためには、当該消色トナーを少なくとも
当該トナーの結着樹脂のガラス転移温度以上の温度、望
ましくは該結着樹脂の軟化点以上の温度に加熱し、さら
に擦る・撹拌する・押圧するなどの物理的変形を加えた
状態で近赤外線を照射すればよいことが解る。
【0036】また、この消色反応は不可逆的な化学反応
によって実現されており、記録紙6上の消色されたトナ
ー像が、周囲の温度や通常の白色光の有無、あるいは化
学的条件によって消色/発色の変化や変色などが不所望
に変動する事態を防止している。
【0037】(消色装置に関する実施例)図2は、本発
明の一実施例の消色装置60の断面図である。本実施例
では、消色装置60は、内部に空洞を有する断熱性材料
からなる断熱壁61を有し、その内部には一対のローラ
62,63に架け渡される無端状ベルト64を備える。
無端状ベルト64で囲まれる空間内にあって前記ローラ
62,63の間にはヒータ65が配置され、無端状ベル
ト64に関してヒータ65と反対側の上方には、複数の
押圧ローラ66が配置される。
【0038】各押圧ローラ66は、図3に平面図を示す
ように、複数の回転軸67に間隔をあけて、複数の押圧
ローラ66が配置され、この押圧ローラ66の間に、隣
接する回転軸67に装着された押圧ローラ66が臨むよ
うに構成される。このような構成により、記録紙6がベ
ルト64と押圧ローラ66との間を通過するとき、記録
紙6が押圧ローラ66に巻付く事故を防ぐことができ
る。押圧ローラ66の上方には、押圧ローラ66を加熱
するための近赤外線を発生する光源68(例として10
0V500W棒状ハロゲンランプ)が配置される。
【0039】また、無端状ベルト64には記録紙6上の
トナー像がヒータ65による加熱によりゴム弾性を有
し、あるいは溶融されるのでトナーが付着しやすい。無
端状ベルト64に付着したトナーを除去するために、無
端状ベルト64には、摺接する金属製の刃などの清掃部
材69が配置される。
【0040】記録紙6の走行方向A1に沿って、前記押
圧ローラ66の下流側には記録紙6上に前記近赤外線を
含む光を照射する照射部70が設けられる。照射部70
は記録紙6が乗載されて摺動する乗載台71と、乗載台
71の上方には前記光源68と同様な構成の光源72が
配置される。前記乗載台71の上方に近接して、細線ワ
イヤ71aが架線されている。これにより、記録紙6が
照射部70を通過するとき、該記録紙6が上方に巻上る
事故を防ぐことができる。この乗載台71に関して、前
記走行方向A1下流側には、一対の定着ローラ73が配
置され、記録紙6上に残留する消色されたトナーは、一
対の定着ローラ73によって挟圧され記録紙6の紙面全
体に亘って引き延ばされ、記録紙6の表面を比較的平滑
にする。定着ローラ73の走行方向A1下流側には、一
対の排出ローラ74が配置され、トナー像が消色された
記録紙6を消色装置60の機外に排出する。
【0041】本実施例では、照射部70において記録紙
6に近赤外線を照射するに先立ってヒータ65で加熱
し、しかも押圧ローラ66でゴム弾性を有した状態ある
いは溶融状態となっているトナーを潰して押し広げるよ
うにしている。すなわち、図4に示すように、記録紙6
上のトナー75はヒータ65で加熱され少なくともゴム
弾性を有する状態となる。この状態のトナー75は光源
68からの輻射熱で加熱された押圧ローラ66によって
押し潰される。これにより、記録紙6上のトナー75が
記録紙6上で薄く押し引き延ばされ、トナー75の光源
72からの光に対する表面積が増大され、またトナー内
部で流動が生じているためにトナー75における前述し
た消色のための化学反応が、より起こりやすい状態とな
る。
【0042】また、このように、トナー75を潰して押
し広げることにより、トナー75の記録紙6側の部分、
すなわち光源72から見てトナー75の奥側にある部分
を外表面に露出させ、また、トナー75の層厚を薄くす
ることにより、前記消色のための光化学反応を発生しや
すくしている。したがって、このようなトナー75の撹
拌処理を行うことにより、トナー75の消色に要する時
間を格段に短縮することができる。
【0043】図5は他の実施例の消色装置60aの断面
図である。本実施例は前記図2に示す実施例に類似し、
対応する部分には同様の参照符号を付す。本実施例で
は、消色装置60aの断熱壁61aは、その一方側に形
成された挿排口76から消色すべき記録紙6が供給さ
れ、また同一側から消色後の記録紙6が排出される。
【0044】また、本実施例では無端状ベルト64の上
方に配置された押圧ローラ66に関して記録紙6の走行
方向A1下流側であって前記ローラ63を外囲する範囲
にヒータ77が配置される。無端状ベルト64の図5の
下側走行部分の下方に近接して、この下側走行部分に沿
って走行する記録紙6を支持する複数の支持ローラ78
が配置され、ローラ62の下方にはローラ62と圧接す
る定着ローラ79が配置される。このローラ62に巻き
掛けられている無端状ベルト64の部分に接触し、無端
状ベルト64に付着するトナーを除去する金属製の刃状
の清掃部材69が配置され、その下方には除去されたト
ナーを受ける受部材80が配置される。受部材80で受
けられたトナーは、図示しないたとえば回転駆動される
スクリュなどにより消色装置60aの機外に排出され、
あるいは図示しない貯留槽などに貯留される。
【0045】このような実施例によっても、前記実施例
で述べた効果と同様な効果を達成することができる。
【0046】図6はさらに他の実施例の消色装置60b
の断面図である。本実施例は、前記図2に示した実施例
に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付す。消
色装置60bは、消色すべき記録紙6が積み重ねられる
トレイ83を備え、トレイ83の記録紙6は給紙ローラ
84によって取り出され、レジストローラ85で無端状
ベルト64側に供給される。加熱部59は、断熱性材料
からなる断熱壁61を有し、その下部には一対のローラ
62,63に掛け渡される無端状ベルト64を備える。
無端状ベルト64で囲まれる空間内にあって前記一対の
ローラ62,63の間には押圧ローラ86が配置され、
無端状ベルト64に関して押圧ローラ86と反対側に
は、加熱ローラ87が配置される。これにより、ローラ
86,87で挟まれる記録紙6は擦られまたは押圧さ
れ、しかも加熱されて少なくともゴム弾性状態のトナー
が押拡げられる。
【0047】前記ローラ62,63の上方には搬送ロー
ラ88,89がそれぞれ配置され、無端状ベルト64と
の間に記録紙6を挟んで搬送する。前記断熱壁61の内
部には光源35が配置され、その上方にはファン90が
設けられ、無端状ベルト64上の記録紙6を無端状ベル
ト64に押し付ける。消色後の記録紙6はトレイ91に
積み重ねられる。
【0048】このような実施例によっても前記実施例で
述べた効果と同様な効果を達成することができる。
【0049】また、図7は記録紙6を消色処理すると
き、加熱と近赤外線照射とを同時に行うようにした例で
ある。すなわち、透明なガラスからなるローラ57の内
部に前記近赤外線を照射する光源35が配置され、ロー
ラ57に近接し相互にローラ57の周方向に間隔をあけ
て一対のローラ58a,58bが配置される。また、ロ
ーラ57から間隔をあけて他のローラ58cが配置さ
れ、これらローラ58a,58b,58cにはベルト6
4が巻きかけられる。したがって、ローラ58a,58
bの間のベルト64は前記透明なガラスからなるローラ
57に沿って接触している。このローラ57に接触して
いるベルト64の部分に近接して、ヒータ33が設けら
れる。また、ローラ57とベルト64との各周速度は異
なるように駆動される。
【0050】矢符A1方向から搬送される記録紙は、ベ
ルト64とローラ57との間に挟まれて搬送されつつ、
ヒータ33によって加熱される。同時にベルト64とロ
ーラ57との周速度の相違により記録紙6は擦られ、物
理的変形が施される。このとき、ローラ57内の光源3
5によってローラ57を介して近赤外線が記録紙に照射
され、消色処理が行われる。消色後の記録紙は矢符A2
方向に搬送される。
【0051】このような実施例においても、前記実施例
で述べた効果と同様な効果を達成することができる。ま
た、図2〜図7に示す各実施例の構成を、静電式複写機
などに組み込み、消色手段として用いる応用例も本件発
明の実施例に含まれるものである。
【0052】また本発明の方法および装置は、前記実施
例のように静電式複写機の現像剤に含まれるトナーに対
して実施されるに限らず、化1または化2に示す色素、
あるいはその他の広範な色素を含有する印刷用、スタン
プ用あるいは筆記用の消色可能なインクに対しても実施
することができる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明に従えば、シート体
上の光化学的に消色可能なトナーを、当該トナーの結着
樹脂のガラス転移温度以上、好ましくは軟化点以上に加
熱して少なくともゴム弾性状態あるいは溶融状態とし、
擦る・撹拌する・あるいは押圧するなどの物理的変形を
施しつつまたは施した後に近赤外線を照射する。これに
よりトナーを構成する成分の間の不可逆的な化学反応に
よって消色される際の前記化学反応が発生する機会を格
段に増大することができ、トナーが消色完了するまでの
時間を格段に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施例の断面図である。
【図3】図2に示す押圧ローラ66の平面図である。
【図4】本実施例の拡大断面図である。
【図5】他の実施例の断面図である。
【図6】他の実施例の断面図である。
【図7】他の実施例の断面図である。
【符号の説明】
6 記録紙 35,68,72 光源 33,65,77 ヒータ 59 加熱部 60,60a,60b,60c 消色装置 64 無端状ベルト 66 押圧ローラ 70 照射部 75 トナー
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B41J 29/36 8804−2C G03G 9/08 365 (72)発明者 室伏 克己 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社化学品研究所内 (72)発明者 細田 喜一 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社化学品研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート体上に形成されている光化学的消
    色可能なトナーによるトナー像を少なくとも当該トナー
    の結着樹脂のガラス転移温度以上に加熱する工程と、 加熱されたトナーをシート体上で、擦る・撹拌する・押
    圧するなどの物理的変形を加える工程と、 当該トナーに近赤外線を照射する工程とを含むことを特
    徴とする消色方法。
  2. 【請求項2】 シート体上に形成されている光化学的に
    消色可能なトナーによるトナー像を少なくとも当該トナ
    ーの結着樹脂のガラス移転温度以上に加熱する手段と、 擦る・撹拌する・押圧するなどの物理的変形を加える手
    段と、 当該トナーに近赤外線を照射する近赤外線照射手段を含
    むことを特徴とする消色装置。
JP3314457A 1991-11-28 1991-11-28 消色方法および消色装置 Pending JPH05150540A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3314457A JPH05150540A (ja) 1991-11-28 1991-11-28 消色方法および消色装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3314457A JPH05150540A (ja) 1991-11-28 1991-11-28 消色方法および消色装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05150540A true JPH05150540A (ja) 1993-06-18

Family

ID=18053576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3314457A Pending JPH05150540A (ja) 1991-11-28 1991-11-28 消色方法および消色装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05150540A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1542093A2 (en) * 2003-12-08 2005-06-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Image-erasing apparatus and image-erasing method
JP2011048119A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Casio Electronics Co Ltd 電子写真用消色トナー及びその製造方法
JP2012123026A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Casio Electronics Co Ltd 消色装置
JP2012128062A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Casio Electronics Co Ltd 熱源解除機構付き消色装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1542093A2 (en) * 2003-12-08 2005-06-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Image-erasing apparatus and image-erasing method
EP1542093A3 (en) * 2003-12-08 2007-12-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Image-erasing apparatus and image-erasing method
JP2011048119A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Casio Electronics Co Ltd 電子写真用消色トナー及びその製造方法
JP2012123026A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Casio Electronics Co Ltd 消色装置
JP2012128062A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Casio Electronics Co Ltd 熱源解除機構付き消色装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0542192B1 (en) Method and apparatus for decolorization, and image forming apparatus
US6396528B1 (en) Image forming system, intermediate transfer medium and method with temporary attachment features
US5714291A (en) System for authenticating printed or reproduced documents
CN102566352B (zh) 图像形成装置以及图像形成消除方法
JPS63113576A (ja) 電子写真プリンタ−
JPH0749634A (ja) 画像形成装置
US3368892A (en) Method of copying utilizing an infrared-absorptive image formed by electrostatic attraction
JPH05150540A (ja) 消色方法および消色装置
JP2960229B2 (ja) 消色方法および消色装置
JP3061313B2 (ja) 記録紙再生方法
JP2003149994A (ja) 画像形成装置
JP2009210667A (ja) 紫外線吸収無色トナー及びそれを用いた筆記システム並びに紫外線蛍光画像可視化方法
US20060088350A1 (en) Fixing device in image forming apparatus with pressing roller having a reversed crown shape
JP2011043647A (ja) 消色機能付画像形成装置
JPH0772763A (ja) 画像形成装置
JPH1115279A (ja) 液体現像工程を有する印刷機または複写機
JPH08106171A (ja) 電子写真用現像剤及び画像形成方法
JPH05150663A (ja) 消色方法および消色装置
JPH0569764U (ja) 消色トナー用現像機
CN100392520C (zh) 苯产生量少的苯胺黑系带电控制剂的制造方法
JP4504605B2 (ja) 現像剤、その製造方法、及びこれを用いた画像形成方法
JPH07239632A (ja) 画像形成装置
JPH05134551A (ja) 消色機能を有する画像形成装置
JP2016011969A (ja) 現像装置および画像形成装置
JPS5917567A (ja) 静電印刷方法