JP2011047905A - 超音波振動子の設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば高温状態にある被検体などに対して圧電素子からなる超音波振動子の使用を可能にした、超音波振動子の設置方法を提供する。
【解決手段】下部電極5と上部電極3との間に圧電体4を挟持した圧電素子からなる超音波振動子2を、被検体1に設置する方法である。被検体1の超音波振動子設置面6に超音波振動子2の下部電極5を対向させ、設置面6の面方向に間隔をおいて設置面6と下部電極5との間にこれらを連結するリブ7を設けるとともに、リブ7間でかつ設置面6と下部電極5との間に、設置面6と下部電極5とに接した状態に充填剤を配する工程を、備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、配管等の被検体への、圧電素子からなる超音波振動子の設置方法に関する。
従来、プラントにおける配管等の被検体に超音波を伝播させることにより、被検体(配管等)の肉厚を計測する探傷技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この探傷技術では、超音波振動子を配管の複数箇所に設置し、超音波振動子から出力した超音波を配管内に伝播させ、超音波振動子と反対面で反射した反射波を超音波振動子で受信することにより、配管の肉厚を求めている。すなわち、受信した反射波の時間差及び音速を解析することにより、配管の肉厚を算出している。
なお、このような超音波探傷技術は、被検体(配管等)の肉厚を計測する以外にも、欠陥を探傷することにも用いられている。
このように超音波を出力し、あるいは反射波を受信する超音波振動子として、圧電素子が用いられることがある。圧電素子は、下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持したもので、電極間に電圧が印加されることで圧電体が機械的に歪み、また、圧電体に機械的な力を受けることで電極間に電圧を生じるものである。このような圧電素子を超音波振動子として用いる場合、固体である圧電素子と、同じく固体である被検体との間に超音波を良好に伝播させるため、これらの間に水やシリコーンオイル等の液状の接触媒質(カプラント)を配置するか、あるいは被検体に対して圧電素子を密着させるべく、圧電素子を加圧した状態に設置する必要がある。
また、一対の電極間に挟まれた振動子を積層してなる超音波探傷装置の接触子を、超音波伝達部材との間に直接アルミ系ろう材で接合する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術では、保護板あるいは金属材料と振動子との間にこれらを互いにろう接合する電極層を形成したので、接触子の耐熱許容限界温度を大幅に高めることができ、接触子の使用温度範囲が拡大され、信頼性を向上させることができる。
特開2006−170754号公報 特公平7−46095号公報
ところで、運転中の機器が高温状態となるプラントでは、従来では定期検査時に配管などの被検体を常温程度にまで冷却し、その後、前述した肉厚の測定(算出)を行っているが、将来的には、プラントの運転中に、したがって高温状態のままで、肉厚等の測定(算出)を行うことが検討されている。
しかし、被検体が高温状態にある場合では、液状の接触媒質は蒸発が起こるなどのためその使用が困難であり、したがって被検体に対して圧電素子を、加圧した状態に設置する方法を採る必要がある。
ところが、このように圧電素子を被検体に対して加圧した状態に設置しようとした場合、圧電体が割れやすいことからこの圧電素子を直接加圧するのが難しく、したがって被検体に対する圧電素子の設置が非常に困難なのが現状である。
また、特許文献2に記載された技術のように、圧電素子を直接ろう材で接合することも考えられるが、その場合には、ろう材の加熱時に、圧電素子の圧電体が加熱劣化してしまう懸念がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、例えば高温状態にある被検体などに対して圧電素子からなる超音波振動子の使用を可能にした、超音波振動子の設置方法を提供することにある。
本発明の第1の超音波振動子の設置方法は、下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
前記被検体の超音波振動子設置面に前記超音波振動子の下部電極を対向させ、前記設置面の面方向に間隔をおいて該設置面と前記下部電極との間にこれらを連結するリブを設けるとともに、該リブ間でかつ前記設置面と前記下部電極との間に、該設置面と下部電極とに接した状態に充填剤を配する工程を、備えることを特徴としている。
この超音波振動子の設置方法によれば、超音波振動子設置面と超音波振動子の下部電極との間にこれらを連結するリブを設けるようにしたので、前記設置面に対して超音波振動子を均一な間隔で固定することができ、これによってこれらの間に充填される充填剤の厚みも均一にすることができ、したがってこの充填剤を伝播する超音波信号の乱れを少なくすることが可能になる。
また、前記超音波振動子の設置方法においては、前記リブを設けるために、前記設置面と前記下部電極との間に溶接を行う工程を有し、前記リブ間に配する充填剤として接着剤を用い、該接着剤を硬化させて前記設置面と前記下部電極との間に塑性変形可能な接着剤層を形成する工程を、有していてもよい。
このようにすれば、接着剤層により、超音波振動子設置面と超音波振動子との間に超音波信号を良好に伝播させることが可能になる。
また、例えばスポット溶接によってリブを設けることにより、このリブによって前記設置面に対して超音波振動子を、均一な間隔でしかも十分な強度で固定することが可能になる。
また、前記超音波振動子の設置方法においては、前記リブを設けるために、前記設置面と前記下部電極との間に接着剤を配し、その後硬化させる工程を有していてもよい。
このようにすれば、接着剤からなるリブを例えば環状に形成することにより、このリブの内部に充填剤を配することで、充填剤の蒸発や漏れが確実に防止される。
また、接着剤によってリブを形成することにより、このリブによって前記設置面に対して圧電素子を、均一な間隔でしかも十分な強度で固定することが可能になる。
また、前記超音波振動子の設置方法においては、前記リブを設けるために、前記設置面と前記下部電極との間に溶接を行う工程と、前記設置面と前記下部電極との間に接着剤を配し、その後硬化させる工程と、を有していてもよい。
このようにすれば、接着剤からなるリブを例えば環状に形成することにより、このリブの内部に充填剤を配することで、充填剤の蒸発や漏れが確実に防止される。
また、例えばスポット溶接によってリブを設けることにより、このリブによって前記設置面に対して圧電素子を、均一な間隔でしかも十分な強度で固定することが可能になる。さらに、接着剤からなるリブによっても、均一な間隔でしかも十分な強度で固定することが可能になる。
また、本発明の第2の超音波振動子の設置方法は、下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
前記被検体の超音波振動子設置面と前記超音波振動子の下部電極との間に、接着剤を充填した袋を配置し、該袋を所望形状に変形させて充填した前記接着剤を硬化させ、変形させた袋の形状に対応させて前記超音波振動子を位置決めする工程と、
前記設置面と前記袋との間を固定する工程と、
前記袋と前記下部電極との間を固定する工程と、を備えることを特徴としている。
この超音波振動子の設置方法によれば、接着剤を充填した袋を配置し、該袋を所望形状に変形させて充填した前記接着剤を硬化させ、変形させた袋の形状に対応させて前記超音波振動子を位置決めするようにしたので、例えば設置面に対して超音波振動子を平行でなく角度を付けて配置したい場合など、所望の姿勢で超音波振動子を配置することが可能になる。
また、本発明の第3の超音波振動子の設置方法は、下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
前記被検体の超音波振動子設置面上に、ろう材を介して前記超音波振動子を配置する工程と、
前記ろう材を局部加熱し、前記超音波振動子の下部電極を前記設置面にろう付する工程と、を備えることを特徴とする超音波振動子の設置方法。
この超音波振動子の設置方法によれば、ろう材を局部加熱することで下部電極を設置面にろう付するようにしたので、超音波振動子における圧電体が加熱の影響によって劣化することが防止される。
また、ろう材によって接合(ろう付)することにより、設置面に対して圧電素子を強固に固定することが可能になる。
さらに、ろう材の厚さを均一にすることにより、このろう材を伝播する超音波信号の乱れを少なくすることが可能になる。
また、前記超音波振動子の設置方法においては、前記局部加熱として、誘導加熱を行うのが好ましい。
このようにすれば、圧電体が絶縁体であることにより、下部電極と設置面との間を選択的に加熱することが可能になり、圧電体が加熱の影響によって劣化することがより確実に防止される。
また、本発明の第4の超音波振動子の設置方法は、下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
前記超音波振動子に、その上部電極と圧電体とを厚さ方向に貫通する複数の穴を設ける工程と、
前記被検体の超音波振動子設置面に、前記超音波振動子の下部電極を当接させる工程と、
前記穴を介して前記下部電極と前記被検体との間に電圧を印加し、前記下部電極と前記設置面との間をスポット溶接する工程と、を備えることを特徴としている。
この超音波振動子の設置方法によれば、穴を介して下部電極と被検体との間をスポット溶接することにより、設置面に対して超音波振動子を、密着した状態でしかも十分な強度で固定することが可能になる。
また、本発明の第5の超音波振動子の設置方法は、下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
前記超音波振動子に、その上部電極と圧電体とを厚さ方向に貫通する複数の穴を設ける工程と、
前記穴に圧接治具を挿入し、該圧接治具を介して前記下部電極を前記被検体の超音波振動子設置面に圧接する工程と、
前記圧接治具による圧接状態を固定する工程と、を備えることを特徴としている。
この超音波振動子の設置方法によれば、超音波振動子に設けた穴に圧接治具を挿入し、該圧接治具を介して下部電極を被検体の超音波振動子設置面に圧接するようにしたので、設置面に対して下部電極を密着させることが可能になる。
また、圧接治具による圧接状態を固定するようにしたので、設置面に対して下部電極を密着した状態に固定することが可能になる。
本発明の第1の超音波振動子の設置方法にあっては、リブによって圧電素子を設置面に対して均一な間隔で固定し、これら設置面と超音波振動子との間に充填される充填剤の厚みも均一になるようにして、この充填剤を伝播する超音波信号の乱れを少なくできるので、例えば高温状態にある被検体に対しても、十分に使用が可能な状態に超音波振動子を設置することができる。
第2の超音波振動子の設置方法にあっては、接着剤を充填した袋により、設置面に対して所望の姿勢で超音波振動子を配置することができ、したがって、例えば高温状態にある被検体に対しても、使用が可能な状態に超音波振動子を設置することができる。
第3の超音波振動子の設置方法にあっては、ろう材によって接合(ろう付)することにより、設置面に対して圧電素子を強固に固定することができ、さらにろう材を伝播する超音波信号の乱れを少なくできるので、例えば高温状態にある被検体に対しても、十分に使用が可能な状態に超音波振動子を設置することができる。
第4の超音波振動子の設置方法にあっては、設置面に対して超音波振動子を、密着した状態でしかも十分な強度で固定することができるので、例えば高温状態にある被検体に対しても、十分に使用が可能な状態に超音波振動子を設置することができる。
第5の超音波振動子の設置方法にあっては、設置面に対して下部電極を密着させ、さらにこの密着した状態に固定することができるので、例えば高温状態にある被検体に対しても、十分に使用が可能な状態に超音波振動子を設置することができる。
本発明の設置方法の第1実施形態を説明するための側断面図である。 本発明の設置方法の第2実施形態を説明するための側断面図である。 本発明の設置方法の第3実施形態を説明するための側断面図である。 本発明の設置方法の第4実施形態を説明するための側断面図である。 本発明の設置方法の第5実施形態を説明するための側断面図である。 (a)、(b)は本発明の設置方法の第6実施形態を説明するための側断面図である。 本発明の設置方法の第7実施形態を説明するための側断面図である。 被検体に超音波振動子(圧電素子2)を設置した状態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
本発明は、超音波振動子を被検体に設置する方法である。詳しくは、例えば前記特許文献1に記載された探傷技術において被検体(配管等)の肉厚を計測する際などに、超音波振動子を配管等の被検体に設置する方法である。この超音波振動子としては、本発明では下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持してなる、圧電素子が用いられる。したがって、この圧電素子からなる超音波振動子は、本発明では超音波を出力する発振子として用いることができ、また、この超音波の反射波を受信する際の受信子としても用いることができる。
図1は、本発明の設置方法の、第1実施形態を説明するための側断面図、すなわち、この第1実施形態の方法で超音波振動子を被検体に設置した後の、超音波振動子の設置状態(設置構造)を示す図である。まず、この図1に基づき、第1実施形態の方法で設置した後の、超音波振動子の状態(設置構造)を説明する。
図1中符号1は、プラントにおける配管からなる被検体、2は、超音波振動子としての圧電素子である。圧電素子(超音波振動子)2は、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属からなる上部電極3と、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr-Ti)O)等の圧電セラミックス(圧電体)からなる圧電体4と、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属からなる下部電極5とを有し、上部電極3と下部電極5との間に圧電体4を挟持したものである。また、本実施形態では、圧電体4や上部電極3より十分に大きい金属フィルム(金属箔)が下部電極5として用いられ、この下部電極5が、平面視した状態で圧電体4や上部電極3の全周に亘って、その外側に張り出した状態に形成されている。
なお、このように金属フィルムで下部電極5を形成するのに代えて、図1中二点鎖線で示すように、上部電極3と同様の構成で下部電極5aを形成してもよい。その場合には、本実施形態ではこの下部電極5aに金属フィルム(5)を貼設することで、これら下部電極5aと金属フィルムとによって複合的な下部電極を形成し、これを本発明における下部電極5とする。
下部電極5は、被検体1における、超音波振動子を設置するための位置、すなわち超音波振動子設置面(以下、設置面と記す)6に、数μmから数百μm程度の所定の間隔をあけて対向させられ、その状態でリブ7によって固定されている。リブ7は、後述するように溶接によって形成されたもので、金属フィルムからなる下部電極5の外周部に、その周方向に沿って複数形成されたものである。すなわち、これらリブ7は、前記設置面6の面方向に間隔をおいて、該設置面6と下部電極5との間にこれらを連結した状態に、形成されたものである。
また、設置面6と下部電極5との間には充填剤としての接着剤が配置されており、後述するようにこれが硬化させられていることにより、設置面6と下部電極5とに共に密着(接着)した状態で、塑性変形可能な接着剤層8が形成されている。この接着剤層8を形成する接着剤としては、高温での耐久性が高いもの、すなわち耐熱性が高いものが好適とされ、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは感光性樹脂が好適に用いられる。
次に、このような設置構造の形成方法に基づき、本発明の設置方法の第1実施形態を説明する。
この方法では、まず、被検体1の設置面6上に圧電素子(超音波振動子)2の下部電極5を対向させ、さらにこれら設置面6と下部電極5との間の間隔が、予め設定した所定の間隔でかつ均一な間隔となるように、圧電素子2を位置させる。その際、設置面6と下部電極5との間にスペーサー(図示せず)を着脱可能に設けておき、このスペーサーにより、前記の所定の間隔をだすようにするのが好ましい。
次に、前記の間隔を維持した状態で、設置面6に対して下部電極5の外周部(周辺部)を溶接する。具体的には、スポット溶接によって特に下部電極5側を溶融固化し、図1に示したように設置面6と下部電極5との間に、主に下部電極5を構成する金属フィルムが溶融固化したリブ7を形成する。これにより、設置面6に対して前記間隙を維持した状態に、下部電極5を固定することができる。すなわち、設置面6と下部電極5との間を、リブ7によって連結することができる。なお、このようなスポット溶接によるリブ7は、下部電極5の外周部に、例えば4箇所、あるいはそれ以上形成するのが、より高い強度を得るうえで好ましい。
次いで、形成した設置面6と下部電極5との間の間隙で、かつ前記リブ7、7間に、充填剤として未硬化の接着剤を充填する。この未硬化の接着剤としては、前記の間隙を隙間なく充填できるよう、比較的粘度が低いものが用いられる。ただし、粘度が低すぎると、この接着剤が設置面6上を流れ拡がり、前記リブ7の外側に流れ出てしまうことがあるため、このような流れだしが起きない程度に、粘度を調整したものが用いられる。
その後、例えば加熱することで前記接着剤を硬化させ、接着剤層8を形成する。このようにして硬化させられた接着剤層8は、金属等に比べて十分に軟らかく、被検体1の表面の小さな凹凸にも追従可能な、塑性変形が可能な層となる。
この超音波振動子(圧電素子2)の設置方法によれば、設置面6と圧電素子2の下部電極5との間にこれらを連結するリブ7を設けるようにしたので、設置面6に対して圧電素子5を均一な間隔で固定することができ、これによってこれらの間に充填される接着剤(接着剤層8)の厚みも均一にすることができる。したがって、この接着剤層8を伝播する超音波信号の乱れを少なくすることができる。また、このように接着剤層8を伝播する超音波信号の乱れを少なくできることなどから、例えば高温状態にある被検体1に対しても、十分に使用が可能な状態に、超音波振動子(圧電素子2)を設置することができる。
なお、前記の実施形態では、設置面6と下部電極5との間にリブ7を形成し、その後、リブ7によって形成した設置面6と下部電極5との間の間隙に、接着剤を充填するようにしたが、これらの工程を逆にして、圧電素子2を設置するようにしてもよい。
すなわち、この方法ではまず、被検体1の設置面6上に未硬化の接着剤を配する。この未硬化の接着剤としては、設置面6上を大きく流れ拡がらない程度に、粘度が高く調整されたものが用いられる。
続いて、前記設置面6に圧電素子(超音波振動子)2の下部電極5を対向させ、さらに下部電極5の底面(下面)を前記接着剤に当接させる。そして、設置面6と下部電極5との間に前記接着剤を挟持させた状態で、これら設置面6と下部電極5との間隔が予め設定した所定の間隔でかつ均一な間隔となるように、圧電素子2を位置させる。その際、前記方法と同様に、設置面6と下部電極5との間にスペーサー(図示せず)を着脱可能に設けておき、このスペーサーにより、前記の所定の間隔をだすようにするのが好ましい。
次いで、例えば加熱することで前記接着剤を硬化させ、接着剤層8を形成する。これにより、圧電素子2は接着剤層8によって設置面6に接着固定されたものとなる。
その後、前記方法と同様に、設置面6に対して下部電極5の外周部(周辺部)を溶接(スポット溶接)することにより、リブ7を形成する。
このように工程を変えても、図1に示した超音波振動子(圧電素子2)の設置構造を形成することができる。
また、この方法によっても、先に述べた方法と同様の作用効果が得られる。
図2は、本発明の設置方法の、第2実施形態を説明するための側断面図、すなわち、この第2実施形態の方法で超音波振動子を被検体に設置した後の、超音波振動子の設置状態(設置構造)を示す図である。
図2に示した設置構造が、図1に示した設置構造と異なるところは、リブが溶接によって形成されたものでなく、接着剤によって形成されている点と、充填剤が硬化した接着剤(接着剤層8)からなっているのに代えて、スラリー状あるいは液状のもの(充填剤10)からなっている点である。
すなわち、この図2に示した設置構造では、接着剤からなるリブ9が、例えば図1に示した接着剤層8を形成する接着剤によって形成されている。このリブ9は、本実施形態では下部電極5の外形に対応した環状に形成されている。
また、充填剤10は、接触媒質として用いられる一般的なもので、シリコーンオイルや高温用の接触媒質などが用いられている。
このような設置構造の形成方法に基づいて、本発明の設置方法の第2実施形態を説明すると、この方法ではまず、被検体1の設置面6と下部電極5との間、すなわち設置面6又は下部電極5の底面の一方あるいは両方に、未硬化の接着剤を配する。本実施形態では、設置面6上に配するものとする。その際、この接着剤については、図2に示したように下部電極5の外周部(周辺部)、すなわち圧電体4の直下となる位置の外側に位置するように配置する。また、この圧電体4の直下となる位置(面)を、囲んだ状態に環状に配置する。さらに、この接着剤については、配置した環状の状態が維持されるよう、比較的粘度が高い状態に調整しておく。
続いて、このように環状に配置した接着剤の内部の設置面6上に、前記充填剤10を充填する(配する)。その際、充填剤10の液面の、設置面6からの高さが、予め設定した設置面6と下部電極5との間の間隔より僅かに高くなる程度に、充填する充填剤10の量を調整しておく。
次いで、被検体1の設置面6上に圧電素子(超音波振動子)2の下部電極5を対向させ、これら設置面6と下部電極5との間に前記接着剤と前記充填剤10とを介在させた状態で、設置面6と下部電極5との間の間隔が予め設定した所定の間隔でかつ均一な間隔となるように、圧電素子2を接着剤及び充填剤10上に載置する。その際、設置面6と下部電極5との間にスペーサー(図示せず)を着脱可能に設けておき、このスペーサーにより、前記の所定の間隔をだすようにするのが好ましい。すなわち、スペーサーによって規定される間隔となるように圧電素子2側を軽く押圧し、接着剤の厚さをスペーサーの厚さに一致させる。このようにすることで、環状の接着剤の内側に充填された充填剤10は、一部が接着剤の外側に流れ出ることがあるものの、残部は、設置面6と下部電極5との間において、環状の接着剤に囲まれた状態に封入された状態となる。
その後、光照射したり加熱することで前記接着剤を硬化させ、硬化した接着剤からなるリブ9を形成する。このように接着剤によってリブ9を形成することにより、設置面6に対して圧電素子2を、均一な間隔でしかも十分な強度で固定することができる。また、環状に形成したリブ9により、その内部に充填剤10を気密に封止することができ、したがって充填剤10の蒸発や漏れを確実に防止することができる。
よって、この超音波振動子(圧電素子2)の設置方法にあっても、設置面6と圧電素子2の下部電極5との間にこれらを連結するリブ9を設けるようにしたので、設置面6に対して圧電素子5を均一な間隔で固定することができ、これによってこれらの間に充填される充填剤10の厚みも均一にすることができる。したがって、この充填剤10を伝播する超音波信号の乱れを少なくすることができる。また、このように充填剤10を伝播する超音波信号の乱れを少なくできることなどから、例えば高温状態にある被検体1に対しても、十分に使用が可能な状態に、超音波振動子(圧電素子2)を設置することができる。
図3は、本発明の設置方法の、第3実施形態を説明するための側断面図、すなわち、この第3実施形態の方法で超音波振動子を被検体に設置した後の、超音波振動子の設置状態(設置構造)を示す図である。
図3に示した設置構造が、図2に示した設置構造と異なるところは、接着剤で形成したリブ9の外側に、図1に示した溶接によるリブ7を設けた点である。
したがって、このような設置構造を得るための、本発明の設置方法の第3実施形態では、前記第2実施形態の設置方法に対して、前記第1実施形態の設置方法における、溶接(スポット溶接)によるリブ7の形成工程を加えることで、図3に示した設置構造を形成することができる。具体的には、前記第2実施形態の設置方法における接着剤の硬化工程(リブ9の形成工程)の後に、前記の溶接(スポット溶接)によるリブ7の形成工程を追加すればよい。
この超音波振動子(圧電素子2)の設置方法にあっても、設置面6と圧電素子2の下部電極5との間にこれらを連結するリブ7及びリブ9を設けるようにしたので、設置面6に対して圧電素子5を均一な間隔で固定することができ、これによってこれらの間に充填される充填剤10の厚みも均一にすることができる。したがって、この充填剤10を伝播する超音波信号の乱れを少なくすることができる。また、このように充填剤10を伝播する超音波信号の乱れを少なくできることなどから、例えば高温状態にある被検体1に対しても、十分に使用が可能な状態に、超音波振動子(圧電素子2)を設置することができる。
また、接着剤からなるリブ9と溶接によるリブ9の両方を形成することにより、設置面6と下部電極5との間を、より均一な間隔で、かつより十分な強度で固定することができる。
図4は、本発明の設置方法の、第4実施形態を説明するための側断面図、すなわち、この第4実施形態の方法で超音波振動子を被検体に設置した後の、超音波振動子の設置状態(設置構造)を示す図である。この図4に基づき、第4実施形態の方法で設置した後の、超音波振動子の状態(設置構造)を説明する。
図4に示した設置構造が、図1に示した設置構造と主に異なるところは、リブ7を形成していない点と、接着剤を充填した袋11を介して、設置面6に超音波振動子(圧電素子2)を設置している点である。なお、この設置構造では、圧電素子2(超音波振動子)の下部電極5を、上部電極3と同様に、圧電体4の大きさ(形状)にほぼ一致させている。ただし、その材質については、図1に示した金属フィルムを、そのまま下部電極5として用いることができる。
この設置構造では、ある程度の伸縮性がある樹脂フィルムからなる袋11内に、前述したシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂(図示せず)を充填し、その口部(図示せず)を封止したものを、設置面6上に配置している。そして、この袋11を所望形状に変形させ、内部の接着剤を硬化させたことにより、袋11の形状を所望形状に形成している。
そして、このような所望形状の袋11上に、圧電素子2を配し、固定している。なお、設置面6への袋11の固定、及び袋11への圧電素子2の固定は、接着剤12、接着剤13によって行っている。
このような設置構造の形成方法に基づいて、本発明の設置方法の第4実施形態を説明すると、この方法ではまず、接着剤を充填し、その口部を封止した袋11を用意する。
続いて、この袋11を、接着剤12によって設置面6に接着する。その際、接着剤12については、袋11内の接着剤とは別に硬化させてもよく、後述する袋11内の接着剤の硬化と同時に、硬化させてもよい。
次に、袋11を所望形状に変形させ、その状態を保持しつつ、内部の接着剤を硬化させる。これにより、内部の接着剤は硬化してこれを保持している袋11と密着し一体化する。袋11の形状としては、図4に示したように例えば楔形状(三角柱状)とし、設置面6に当接する面に対向する側の一方の面11aを、設置面6に対して所望角度に調整した形状とする。
次いで、この変形させた袋11の形状に対応させて、すなわち設置面6に対して所望角度に調整した面11aに、接着剤13を介在させて圧電素子2を位置決め配置する。その際、圧電素子2の下部電極5が、前記の面11aのなす角度に一致するように、この面11aに対して傾くことなく面一となるように配置する。
その後、接着剤13を硬化させることにより、圧電素子2を袋11上に固定する。
なお、本実施形態では、このような工程順に限定されることなく、例えば、袋11内の接着剤を硬化させる前にこの袋11に接着剤13によって圧電素子2を固定し、その後、袋11内の接着剤を硬化させることで、圧電素子2を設置面6に対して所望の状態、例えば所定角度傾いた状態に、配置してもよい。
この超音波振動子(圧電素子2)の設置方法にあっては、接着剤を充填した袋11を配置し、該袋11を所望形状に変形させて充填した前記接着剤を硬化させ、変形させた袋11の形状に対応させて圧電素子2を位置決めするようにしたので、設置面6に対して圧電素子2を平行でなく傾斜させて(角度を付けて)配置したい場合など、所望の姿勢で超音波振動子を配置することができる。したがって、例えば高温状態にある被検体に対しても、特に特殊な姿勢で設置したい場合に、使用が可能な状態で圧電素子2を設置することができる。
図5は、本発明の設置方法の、第5実施形態を説明するための側断面図、すなわち、この第5実施形態の方法で超音波振動子を被検体に設置した後の、超音波振動子の設置状態(設置構造)を示す図である。この図5に基づき、第5実施形態の方法で設置した後の、超音波振動子の状態(設置構造)を説明する。
図5に示した設置構造が、図4に示した設置構造と異なるところは、袋11や接着剤12、13を用いることなく、設置面6に圧電素子2をろう付した点である。
すなわち、圧電素子2はその下部電極5が、合金(例えば銀合金)製のろう材14を介して設置面6に接合されている。
このような設置構造の形成方法に基づいて、本発明の設置方法の第5実施形態を説明すると、この方法ではまず、設置面6上に例えば厚さ10μm程度のろう材14を配置し、さらにこのろう材14上に圧電素子2を配置する。
次いで、ろう材14を局部加熱してこれを溶融固化し、圧電素子2の下部電極5を設置面6にろう付する。
局部加熱については、電磁誘導を利用する誘導加熱を用いるのが好ましい。すなわち、この誘導加熱によってろう材14とその近傍(被検体1の設置面6及び下部電極5)を局部加熱することにより、ろう材14を溶融固化して下部電極5を設置面6にろう付することができる。また、このように誘導加熱を用いると、圧電体4は絶縁体であって発熱せず、したがって誘導加熱の影響をほとんど受けないため、この加熱によって劣化することが確実に防止される。
なお、局部加熱については、電磁誘導以外にも、例えば被検体1の設置面6近傍にヒーターを巻き付けておき、これを発熱させることにより、ろう材14を加熱し溶融固化するようにしてもよい。
また、設置面6上に配置するろう材14とは別に、予め下部電極5の底面に(ろう材を)ろう付しておいてもよく、又は、設置面6上に予め(ろう材を)ろう付しておいてもよい。さらに、このようにした場合には、設置面6上へのろう材14の配置を省略し、予め下部電極5の底面に設け(ろう付し)、又は設置面6上に設け(ろう付し)たろう材を、図5に示したろう材14としてもよい。
この超音波振動子(圧電素子2)の設置方法にあっては、ろう材14を局部加熱することで下部電極5を設置面6にろう付するようにしたので、圧電素子2における圧電体4が加熱の影響によって劣化することを防止することができる。
また、ろう材14によって接合(ろう付)することにより、設置面6に対して圧電素子2を強固に固定することができ、さらに、ろう材の厚さを均一にすることにより、このろう材を伝播する超音波信号の乱れを少なくすることができる。したがって、例えば高温状態にある被検体1に対しても、十分に使用が可能な状態に超音波振動子(圧電素子2)を設置することができる。
図6(a)は、本発明の設置方法の、第6実施形態を説明するための側断面図、すなわち、この第6実施形態の方法で超音波振動子を被検体に設置した後の、超音波振動子の設置状態(設置構造)を示す図である。この図6(a)に基づき、第6実施形態の方法で設置した後の、超音波振動子の状態(設置構造)を説明する。
図6(a)に示した設置構造が、図5に示した設置構造と異なるところは、設置面6に対して圧電素子2をろう付で固定しているのに代えて、スポット溶接で固定している点である。
すなわち、図6(a)に示した設置構造では、圧電素子2の上部電極3と圧電体4とに、その厚さ方向に貫通して下部電極5に到達する複数の穴15が、形成されている。穴15は、例えば図6(b)に示すように、縦横に配列して形成されたものである。
そして、これら穴15が形成された各位置において、下部電極5は設置面6に対してスポット溶接で固定されている。
このような設置構造の形成方法に基づいて、本発明の設置方法の第6実施形態を説明すると、この方法ではまず、設置する圧電素子2に、その上部電極3と圧電体4とを厚さ方向に貫通する複数の穴15を設ける。なお、このような構成の圧電素子2については、圧電素子2の製造時に穴15を有した状態に形成してもよく、穴15が無い通常の状態に製造した後、穴15を穿設してもよい。これら両方の手法を含めて、本発明では「超音波振動子(圧電素子2)に、その上部電極3と圧電体4とを厚さ方向に貫通する複数の穴を設ける工程」としている。
次に、穴15を設けた圧電素子2を設置面6上に載置し、下部電極5の底面を設置面6に当接させる。続いて、前記穴15を介して下部電極5と被検体1の設置面6との間に電圧を印加し、これら下部電極5と設置面6との間をスポット溶接する。このスポット溶接については、前記穴15の複数に対応して設けられた複数のプローブ状電極を有する溶接具を用いて、複数箇所を一括して行ってもよく、単一のプローブ状電極からなる溶接具を用いて、個々に行ってもよい。
この超音波振動子(圧電素子2)の設置方法にあっては、穴15を介して下部電極5と被検体1の設置面6との間をスポット溶接することにより、設置面6に対して圧電素子2を、密着した状態でしかも十分な強度で固定することができる。したがって、例えば高温状態にある被検体1に対しても、十分に使用が可能な状態に超音波振動子(圧電素子2)を設置することができる。
図7は、本発明の設置方法の、第7実施形態を説明するための側断面図、すなわち、この第7実施形態の方法で超音波振動子を被検体に設置した後の、超音波振動子の設置状態(設置構造)を示す図である。この図7に基づき、第7実施形態の方法で設置した後の、超音波振動子の状態(設置構造)を説明する。
図7に示した設置構造が、図6(a)に示した設置構造と主に異なるところは、設置面6に対して圧電素子2の下部電極5をスポット溶接で固定しているのに代えて、圧接治具16を用いて固定している点である。
すなわち、図7に示した設置構造では、圧電素子2に形成された複数の穴15を介して、下部電極5の内面に剣山状の圧接治具16のピン16aが圧接させられ、これによって下部電極5の外面が設置面6に密着した状態に、当接させられている。
ここで、剣山状の圧接治具16は、板体16bに絶縁性のピン16aが多数設けられたもので、これらピン16aが、全ての穴15に対応するように板体16bに位置決めされ、配設されたものである。また、ピン16aは、穴15の内径に比べて十分に小さい外径に形成されており、したがって、穴15の内面を構成する圧電体4や上部電極3に、接触しないようになっている。
また、この圧接治具16は、図示しない固定具によって被検体1に固定されている。これにより、圧接治具16によって圧電素子2が設置面6に圧接されている状態(圧接状態)が、固定具によって固定されている。固定具として具体的には、被検体1に対して圧接治具16を押圧した状態でこれらを一体に巻き付け、その状態に固定するバンドや、被検体1に対して圧接治具16を押圧させた状態に固定するクランプなど、公知の固定具が使用可能である。
なお、上記の説明では、圧電素子2の下部電極5を設置面6に直接当接させているが、例えば、図7中の符号20で示す接触媒体20を介して、下部電極5を設置面6に対し間接的に当接させてもよい。接触媒体20としては、接着剤等からなる接合材や、スラリー状又は液状の接触媒質を用いることもできる。このように接触媒体20を介在させる場合にも、前記の固定具により、圧接治具16によって圧電素子2が設置面6に圧接されている状態(圧接状態)を固定するのは、同様である。
このような設置構造の形成方法に基づいて、本発明の設置方法の第7実施形態を説明すると、この方法ではまず、前記第6実施形態と同様にして設置する圧電素子2に複数の穴15を設ける。
次に、穴15を設けた圧電素子2を設置面6上に載置し、下部電極5の底面を設置面6に当接させる。続いて、前記圧接治具16を用い、そのピン15aを前記穴15にそれぞれ挿通させる。そして、これらピン15aによって下部電極5の内面を均一に押圧するべく、板体15bを押圧(加圧)し、該圧接治具16を介して下部電極5を設置面6に圧接する。
その後、前記固定具を用い、圧接治具16による圧接状態を固定する。
なお、前述したように下部電極5を、接触媒体20を介して設置面6に対し間接的に当接させる場合には、圧電素子2を設置面6上に載置するに先だって、設置面6上に接触媒体20を載せる。そして、この接触媒体20上に、圧電素子2を載置するようにすればよい。
この超音波振動子(圧電素子2)の設置方法にあっては、穴15に圧接治具16を挿入し、該圧接治具16を介して下部電極5を設置面6に圧接するようにしたので、設置面6に対して下部電極5を密着させることができる。また、圧接治具16による圧接状態を固定具によって固定するようにしたので、設置面6に対して下部電極5を密着した状態に固定することができる。したがって、例えば高温状態にある被検体1に対しても、十分に使用が可能な状態に超音波振動子(圧電素子2)を設置することができる。
次に、前記実施形態に基づいて被検体1に設置した超音波振動子(圧電素子2)を用い、被検体1の肉厚の測定する例について簡単に説明する。
図8は、被検体1としての配管に、前記実施形態の設置方法で超音波振動子(圧電素子2)を設置した状態を示す斜視図である。この配管(被検体1)には、設置面6とのその近傍以外に保温材17が設けられており、特に運転時において高温状態が保持されるようになっている。
超音波振動子2は、この例では超音波を出力する発振子とされ、前記実施形態に基づいて被検体1に設置されている。また、この超音波振動子2(発振子)とは別に、超音波の反射波を受信するためのセンサ(受信子)18が、配管(被検体1)の所望箇所に設置されている。なお、このセンサ18としては従来公知の種々のものが使用可能であるが、前記の圧電素子2(超音波振動子)を、センサ(受信子)18として使用することもできる。その場合には、その設置方法に本発明の設置方法を適用することができる。
前記超音波振動子2(発振子)及びセンサ18は、超音波計測器として機能する超音波探傷器19に配線を介して接続されている。これによって超音波振動子2は、超音波探傷器19からの印加電圧を受けて超音波を出力するようになっており、一方、センサ18は超音波の反射波を受信するようになっている。
このような構成のもとに超音波探傷器19は、超音波振動子2から配管に向けて超音波を出力させる。すると、超音波は配管の肉厚内において多重反射する。したがって、センサ18によってこの反射波を捉え、時間差及び音速を解析することにより、肉厚を算出することができる。これにより、超音波探傷器19よって配管の肉厚測定(算出)を行うことができる。
このような肉厚の計測において、特に発振子又は受信子として機能する超音波振動子(圧電素子2)の設置を、本発明の設置方法に基づいて行うことにより、従来のように定期検査時において被検体1を常温程度にまで冷却した後に行うことができるのはもちろん、プラントの運転中に高温状態のままで、被検体1の肉厚等の測定(算出)を行うこともできる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、被検体が配管でなく容器などであってよい。
また、圧電素子(超音波振動子)の大きさや形状、厚さ、材質等についても、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
1…被検体、2…超音波振動子(圧電素子)、3…上部電極、4…圧電体、5…下部電極、6…超音波振動子設置面、7…リブ、8…接着材層、9…リブ、10…充填剤、11…袋、12…接着剤、13…接着剤、14…ろう材、15…穴、16…圧接治具

Claims (9)

  1. 下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
    前記被検体の超音波振動子設置面に前記超音波振動子の下部電極を対向させ、前記設置面の面方向に間隔をおいて該設置面と前記下部電極との間にこれらを連結するリブを設けるとともに、該リブ間でかつ前記設置面と前記下部電極との間に、該設置面と下部電極とに接した状態に充填剤を配する工程を、備えることを特徴とする超音波振動子の設置方法。
  2. 前記リブを設けるために、前記設置面と前記下部電極との間に溶接を行う工程を有し、
    前記リブ間に配する充填剤として接着剤を用い、該接着剤を硬化させて前記設置面と前記下部電極との間に塑性変形可能な接着剤層を形成する工程を、有していることを特徴とする請求項1記載の超音波振動子の設置方法。
  3. 前記リブを設けるために、前記設置面と前記下部電極との間に接着剤を配し、その後硬化させる工程を有することを特徴とする請求項1記載の超音波振動子の設置方法。
  4. 前記リブを設けるために、前記設置面と前記下部電極との間に溶接を行う工程と、前記設置面と前記下部電極との間に接着剤を配し、その後硬化させる工程と、を有することを特徴とする請求項1記載の超音波振動子の設置方法。
  5. 下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
    前記被検体の超音波振動子設置面と前記超音波振動子の下部電極との間に、接着剤を充填した袋を配置し、該袋を所望形状に変形させて充填した前記接着剤を硬化させ、変形させた袋の形状に対応させて前記超音波振動子を位置決めする工程と、
    前記設置面と前記袋との間を固定する工程と、
    前記袋と前記下部電極との間を固定する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波振動子の設置方法。
  6. 下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
    前記被検体の超音波振動子設置面上に、ろう材を介して前記超音波振動子を配置する工程と、
    前記ろう材を局部加熱し、前記超音波振動子の下部電極を前記設置面にろう付する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波振動子の設置方法。
  7. 前記局部加熱として、誘導加熱を行うことを特徴とする請求項6記載の超音波振動子の設置方法。
  8. 下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
    前記超音波振動子に、その上部電極と圧電体とを厚さ方向に貫通する複数の穴を設ける工程と、
    前記被検体の超音波振動子設置面に、前記超音波振動子の下部電極を当接させる工程と、
    前記穴を介して前記下部電極と前記被検体との間に電圧を印加し、前記下部電極と前記設置面との間をスポット溶接する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波振動子の設置方法。
  9. 下部電極と上部電極との間に圧電体を挟持した圧電素子からなる超音波振動子を、被検体に設置する方法であって、
    前記超音波振動子に、その上部電極と圧電体とを厚さ方向に貫通する複数の穴を設ける工程と、
    前記穴に圧接治具を挿入し、該圧接治具を介して前記下部電極を前記被検体の超音波振動子設置面に圧接する工程と、
    前記圧接治具による圧接状態を固定する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波振動子の設置方法。
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