JP3143763B2 - 音波センサ - Google Patents

音波センサ

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JP3143763B2
JP3143763B2 JP04332295A JP33229592A JP3143763B2 JP 3143763 B2 JP3143763 B2 JP 3143763B2 JP 04332295 A JP04332295 A JP 04332295A JP 33229592 A JP33229592 A JP 33229592A JP 3143763 B2 JP3143763 B2 JP 3143763B2
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喜樹 武井
博史 吉倉
潤一 長沢
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トキコ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波渦流量計等に用
いられる音波センサの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】音波センサを用いて管路内の流体の流量
を計測する流量計として超音波流量計や超音波渦流量計
がある。
【0003】例えば、超音波渦流量計は、被計測流体
(以下、流体という)が流れる管路内に渦発生体を設
け、この渦発生体の下流側の管路壁の外側に、超音波を
送受信する一対の音波センサを管路をはさんで互いに対
向させて設けた構成となっており、送信側の音波センサ
から管路内に送信されて流体中を伝播した超音波を受信
側の音波センサで受信するようになっている。そして、
流体の流れによって渦発生体の下流側に生成されるカル
マン渦による超音波の位相変調を検出することにより管
路内の流体の流量を計測する。
【0004】一般に、超音波渦流量計に装着される音波
センサは、ステンレス等の金属または樹脂からなる有底
筒状のホルダ内に、超音波を送信または受信する振動素
子が収納されており、ホルダの開口部にはプラグが装着
された構成となっている。なお、従来、金属製のホルダ
ではプラグは溶接されており、樹脂製のホルダではプラ
グは螺着されている。そして、振動素子とプラグとの間
にはばね部材が介装され、このばね部材によって振動素
子がホルダ底部の被振動部材に押圧されており、被振動
部材を介して超音波を送信または受信するようになって
いる。
【0005】ところで、振動素子と被振動部材との密着
が不充分であると超音波の伝達効率が著しく低下する。
そこで、従来、振動素子と被振動部材との密着性をよく
するために、振動素子と被振動部材との接合面にシリコ
ンゴム等の充填材を介装するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の音波センサでは、シリコンゴム等の充填材を可塑化
された状態で使用しており、この充填材は粘着性がなく
接着力も小さなものであるため、振動や温度変化によっ
て剥離しやすく、振動素子と被振動部材との密着性が損
なわれるやすいという問題がある。このため、樹脂製の
ホルダにプラグを超音波溶着しようとした場合、超音波
溶着時の振動により充填材が剥離して音波センサとして
の特性が得られなくなるので、このことがホルダとプラ
グとの超音波溶着の大きな阻害要因となっている。
【0007】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、振動素子と被振動部材との密着性を向上させた
音波センサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、振動素子を被振動部材に接合させ、該
被振動部材を介して音波を送信または受信する音波セン
サにおいて、前記振動素子と前記被振動部材との間に
常温下では液状で加熱によってゲル状となる粘着性接合
材を介装したことを特徴とする。
【0009】また、管路内の流体の流量を計測するため
に、振動素子を管路壁に接合させ、該管路壁を介して前
記管路内に音波を送信または前記管路内の音波を受信す
るようにした音波センサにおいて、前記振動素子前面と
前記管路壁との間に、常温下では液状で加熱によってゲ
ル状となる粘着性接合材を介装し、前記振動素子背面に
該振動素子を前記管路壁に押圧する弾性部材を設けたこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】このように構成したことにより、振動素子と被
振動部材または管路壁とが粘着性接合材によって接合さ
れるので、粘着性接合材の粘着力によって振動素子と被
振動部材または管路壁との接合力が向上して熱や振動に
よる剥離が発生しにくくなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。なお、本実施例では、本発明の音波セン
サを渦流量計に適用した場合について説明する。
【0012】図1に示すように、渦流量計1は、円筒状
の樹脂製の管路2内に流体の流れの方向(図中の太矢印
参照)に略直交する方向に延びる渦発生体3が設けられ
ている。管路2の渦発生体3の下流側の側壁の外周部に
は流体の流路をはさんで互いに対向する部位に一対の音
波センサ4,5が設けられている。ここで、管路2の材
質としては、PEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の合成
樹脂がある。
【0013】音波センサ4,5は、樹脂製の管路2と一
体に成形された円筒状のホルダ部6,7内に、振動素子
としてそれぞれ超音波送信素子8と超音波受信素子9が
収納されており、ホルダ部6,7の開口部には、管路2
およびホルダ部6,7と同様の材質のプラグ10,11が溶
着されている。超音波送受信素子8,9とプラグ10,11
の凸部10a ,11a の間には、シリコンゴム等の弾性部材
が12,13が圧縮された状態で介装されており、弾性部材
12,13の弾性力によって超音波送受信素子8,9が管路
壁を構成するホルダ部6,7の底部の被振動部材14,15
に押圧されている。また、超音波送受信素子8,9と被
振動部材14,15との間には、その隙間を充填するために
適度な粘着力を有する粘着性接合材16,17が介装されて
いる。この粘着性接合材としては、例えば「東レ ダウ
コーニング シリコーン株式会社」製の「シリコンゲル
(SE1880ゲル)」が適している。
【0014】次に、音波センサ4,5の製造工程につい
て図2を用いて説明する。なお、送信側の音波センサ4
と受信側の音波センサ5は、超音波送信素子8と超音波
受信素子9が異なる以外、同様な構造であるから、以
下、送信側の音波センサ4についてのみ説明する。
【0015】先ず、図2の(A)に示すように、ホルダ
部6内底部の被振動部材14上に粘着性接合材16を載せ
る。粘着性接合材16として用いる上述のシリコンゲル
は、常温下で液状であり、これを加熱することで液中に
含まれる触媒の働きにより高分子化してゲル状になる。
このとき、加熱温度および時間は、一般に 100〜 150℃
で30〜60分程度であり、本実施例では 150℃で30分とし
ている。また、粘着性接合材16の膜厚は1mm以下が望ま
しい。
【0016】次に、図2の(B)に示すように、ホルダ
部6内の粘着性接合材16に超音波送信素子8を密着さ
せ、さらに、図2の(C)に示すように超音波送信素子
8上に弾性部材12を載せ、ホルダ部6の開口部にプラグ
10を挿入して互いの溶着部Aを当接させる。
【0017】この状態で、超音波溶着機(図示せず)に
よってプラグ10を振動(10〜30KHz)させ摩擦熱を発生
させて溶着部を溶融させる。そして、図2の(D)に示
すように、プラグ10の端部を押圧して凸部10a で弾性部
材12を圧縮させた状態でプラグ10をホルダ部6に溶着す
る。このとき、図2の(C)に示すホルダ部6の端部と
プラグ10のフランジ部との隙間cの寸法を管理すること
により弾性部材12の圧縮しろを所定の値に調整すること
ができる。
【0018】次に、以上のように構成した本実施例の作
用について説明する。
【0019】プラグ10の凸部10a に押圧され圧縮された
弾性部材10の弾性力によって超音波送信素子8が粘着性
接合材16を介して被振動部材14に押しつけられる。粘着
性接合材16の粘着力により超音波送信素子8と被振動部
材14との接合力が向上するので、振動や温度変化によっ
て超音波送信素子8と被振動部材14との間に剥離が発生
しにくくなり、音波センサ4の耐久性および信頼性が向
上する。また、ホルダ部6とプラグ10との超音波溶着が
可能となり生産性が向上する。
【0020】上記のように振動素子と被振動部材とを粘
着性接合材(シリコンゲル)を介して接合させ、ホルダ
とプラグとを超音波溶着した場合の音波センサの出力特
性は、図4に示すようになり、超音波溶着を行わない場
合の出力特性(図3参照)に近い出力特性を得ることが
できる。なお、粘着性接合材の代わりに従来の硬化型シ
リコンゴムやエポキシ系接着剤等の粘着性のないものを
用い、ホルダとプラグとを超音波溶着した場合、何れの
場合も振動素子と被振動部材との間に剥離が発生するた
め、音波センサの出力特性は図5に示すようになり、音
波センサとしての特性が得られない。
【0021】なお、本実施例では、一例として振動素子
を収納するホルダを管路と一体に形成したものについて
説明したが、本発明はこれに限らずホルダと管路を別体
としたものに適用することもできる。また、振動素子と
して超音波を送受信する超音波振動素子を用いたものに
ついて説明したが、可聴周波数の音波を送受信する振動
素子を用いたものにも適用することができる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の音波セン
サは、振動素子と被振動部材との間に粘着性接合材を介
装したので、振動素子と被振動部材との接合力が向上し
て熱や振動による剥離が発生しにくくなる。その結果、
音波センサの耐久性および信頼性が向上する。また、振
動素子を収納するホルダとプラグとの超音波溶着が可能
となり生産性が向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の音波センサを装着した渦流
量計の縦断面図である。
【図2】図1の装置の音波センサの製造工程を示す縦断
面図である。
【図3】振動素子を収納するホルダとプラグとを超音波
溶着しない場合の音波センサのの出力特性を示す図であ
る。
【図4】本発明の一実施例の音波センサの出力特性を示
す図である。
【図5】従来の硬化型シリコンゴムやエポキシ系接着剤
によって振動素子と被振動部材とを接着し、振動素子を
収納するホルダとプラグとを超音波溶着した場合の音波
センサの出力特性を示す図である。
【符号の説明】
2 管路 4,5 音波センサ 8 超音波送信素子(振動素子) 9 超音波受信素子(振動素子) 12,13 弾性部材 14,15 被振動部材(管路壁) 16,17 粘着性接合材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−296658(JP,A) 特開 平1−291842(JP,A) 特開 平1−291843(JP,A) 特開 平3−32652(JP,A) 特開 平4−183453(JP,A) 特公 平6−8811(JP,B2) 特公 平7−52184(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/32 G01F 1/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動素子を被振動部材に接合させ、該被
    振動部材を介して音波を送信または受信する音波センサ
    において、前記振動素子と前記被振動部材との間に、常
    温下では液状で加熱によってゲル状となる粘着性接合材
    を介装したことを特徴とする音波センサ。
  2. 【請求項2】 管路内の流体の流量を計測するために、
    振動素子を管路壁に接合させ、該管路壁を介して前記管
    路内に音波を送信または前記管路内の音波を受信するよ
    うにした音波センサにおいて、前記振動素子前面と前記
    管路壁との間に、常温下では液状で加熱によってゲル状
    となる粘着性接合材を介装し、前記振動素子背面に該振
    動素子を前記管路壁に押圧する弾性部材を設けたことを
    特徴とする音波センサ。
JP04332295A 1992-11-18 1992-11-18 音波センサ Expired - Lifetime JP3143763B2 (ja)

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