JP2011047867A - スケール体、位置検出装置、ステージ装置、及び露光装置 - Google Patents

スケール体、位置検出装置、ステージ装置、及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スケール用のパターンが形成されたパターン形成面の法線方向の位置情報を高精度に計測する。
【解決手段】スケール体28eは、Yスケール39Y2が形成されたパターン板4eと、パターン板4eに設けられ、Yスケール39Y2を覆うカバーガラス5と、カバーガラス5の表面に形成され、互いに異なる波長域の第1の光及び第2の光に対して波長選択性を有する波長選択膜7と、を備え、波長選択膜7を介してカバーガラス5を透過する第1の光の透過率は、カバーガラス5のみを透過する第1の光の透過率より低く、波長選択膜7を介してカバーガラス5を透過する第2の光の透過率は、波長選択膜7で反射する第2の光の反射率より高い。
【選択図】図4

Description

本発明は、スケール用のパターンが形成された部材を有するスケール体、このスケール体を用いて移動体の位置情報を検出する位置検出装置、この位置検出装置を用いるステージ装置及び露光装置、並びにその露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
半導体素子等のマイクロデバイス(電子デバイス)を生産するためのフォトリソグラフィ工程で用いられる、いわゆるステッパー又はスキャニングステッパーなどの露光装置においては、従来より、露光対象の基板を移動するステージの位置計測はレーザ干渉計によって行われていた。ところが、ステージに設けた反射面又は移動鏡に計測用ビームを照射するレーザ干渉計では、計測用ビームの光路が長く、かつ変化するため、その光路上の雰囲気の温度揺らぎに起因する計測値の短期的な変動が無視できなくなりつつある。
そこで、レーザ干渉計に比べて計測値の短期的安定性に優れるとともに、レーザ干渉計に近い分解能を持ちつつある計測装置として、ステージに固定されて、回折格子が形成されたパターン板に検出ヘッドから検出光を照射し、その回折格子からの回折光を検出して、その回折格子の周期方向におけるそのパターン板(ステージ)の位置情報を検出するエンコーダ方式の検出系が提案されている(例えば、特許文献1及びこれに対応する米国特許第5,610,715号明細書参照)。また、そのパターン板の回折格子の形成面に所定の検出光を照射し、その反射光を検出して、その形成面の法線方向の位置情報(高さ情報)、ひいてはそのパターン板(ステージ)の高さ情報を検出する検出系も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−270122号公報 特開2009−054734号公報
従来のパターン板(ステージ)の高さ情報を検出する検出系は、回折格子の形成面に検出光を照射していたため、回折格子の回折等によって反射光にノイズ光が混入するか、又は反射光の光量が減少して、計測精度が低下する恐れがあった。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、スケール用のパターンが形成されたパターン形成面の法線方向の位置情報を高精度に計測することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、スケールパターンが形成されたパターン部材と、そのパターン部材に設けられ、そのスケールパターンを覆うカバー部材と、そのカバー部材の表面に形成され、互いに異なる波長域の第1の光及び第2の光に対して波長選択性を有する波長選択膜と、を備え、その波長選択膜を介してそのカバー部材を透過するその第1の光の透過率は、そのカバー部材のみを透過するその第1の光の透過率より低く、その波長選択膜を介してそのカバー部材を透過するその第2の光の透過率は、その波長選択膜で反射するその第2の光の反射率より高いスケール体が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、移動体の位置情報を検出する位置検出装置であって、その移動体に設けられる本発明の第1の態様によるスケール体と、その移動体と異なる部材に設けられ、その第1の光をその波長選択膜に照射し、その波長選択膜から戻される光を受光して、そのカバー部材の表面の法線方向に沿ったそのスケール体の位置情報を検出する第1検出系と、その移動体と異なる部材に設けられ、その第2の光をその波長選択膜及びそのカバー部材を介してそのスケールパターンに照射し、そのスケールパターンから戻される光を受光して、そのパターン部材の表面に沿った方向のそのスケール体の位置情報を検出する第2検出系と、を備える位置検出装置が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、移動体の位置情報を検出する位置検出装置であって、その移動体と異なる部材に設けられる本発明の第1の態様によるスケール体と、その移動体に設けられ、その第1の光をその波長選択膜に照射し、その波長選択膜から戻される光を受光して、そのカバー部材の表面の法線方向に沿ったそのスケール体の位置情報を検出する第1検出系と、その移動体に設けられ、その第2の光をその波長選択膜及びそのカバー部材を介してそのスケールパターンに照射し、そのスケールパターンから戻される光を受光して、そのパターン部材の表面に沿った方向のそのスケール体の位置情報を検出する第2検出系と、を備える位置検出装置が提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、物体を保持して移動する移動体と、その移動体の位置情報を検出する本発明の第2又は第3の態様による位置検出装置と、を備えるステージ装置が提供される。
また、本発明の第5の態様によれば、露光光学系を介して基板を露光する露光装置において、その基板を移動するために、本発明の第4の態様によるステージ装置を備える露光装置が提供される。
また、本発明の第6の態様によれば、本発明の第5の態様による露光装置を用いて、基板にパターンを転写することと、そのパターンが転写されたその基板をそのパターンに基づいて加工することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第1の態様のスケール体によれば、スケールパターンを覆うカバー部材の表面に形成された波長選択膜に第1の光を照射し、その波長選択膜からの反射光を検出することによって、その波長選択膜の法線方向の位置情報、ひいてはそのスケールパターンの形成面の法線方向の位置情報を検出できる。この際に、そのスケールパターンの形成面に直接その第1の光を照射する場合に比べて、そのスケールパターンからの回折光又は反射光の影響が少ないため、計測精度を向上できる。さらに、波長選択膜及びカバー部材の第2の光に対する透過率は比較的高いため、その第2の光を用いてそのスケールパターンを検出できる。
実施形態の一例の露光装置の概略構成を示す図である。 図1中のウエハステージ及びAF系等を示す平面図である。 図2中のウエハステージを示す平面図である。 図2中の検出ユニット2YZを示す拡大断面図である。 (A)はITO膜の波長と複素屈折率との関係の一例を示す図、(B)は所定の厚さのITO膜の波長と透過率及び反射率との関係を示す図、(C)は厚さd1の波長選択膜7に対するZセンサの検出光を示す図、(D)は厚さd2の波長選択膜7に対するZセンサの検出光を示す図である。 図1の露光装置の制御系を示すブロック図である。 ウエハの露光時のウエハステージを示す平面図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態の一例につき図1〜図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るスキャニングステッパーよりなる走査露光型の露光装置EXの概略構成を示す。本実施形態の露光装置EXは投影光学系PL(投影ユニットPU)を備えており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(ほぼ水平面に平行な面)内でレチクルとウエハとが相対走査される方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向にX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
図1において、露光装置EXは、照明系10、照明系10からの露光用の照明光(露光光)ILにより照明されるレチクルR(マスク)を保持するレチクルステージRST、レチクルRから射出された照明光ILをウエハW(基板)上に投射する投影光学系PLを含む投影ユニットPU、及びウエハWを保持するウエハステージWSTを備えている。露光装置EXは不図示の制御系等も備えている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、照明光学系とを含み、照明光学系は、回折光学素子等を含み通常照明、複数極照明、又は輪帯照明等のための光量分布を形成する光量分布形成光学系、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ))を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する。照明系10は、レチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、照明光としては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、YAGレーザ若しくは固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i線等)なども使用できる。
レチクルステージRSTの上面には、回路パターンなどがそのパターン面(下面)に形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により保持されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含む図6のレチクルステージ駆動系11によって、XY平面内で微少駆動可能であると共に、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
図1のレチクルステージRSTの移動面内の位置情報(X方向、Y方向の位置情報、及びθz方向の回転情報を含む)は、レーザ干渉計よりなるレチクル干渉計116によって、移動鏡15(ステージ端面を鏡面加工した反射面でもよい)を介して例えば0.5〜0.1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計116の計測値は、図6の主制御装置20に送られる。主制御装置20は、その計測値に基づいてレチクルステージRSTの少なくともX方向、Y方向、及びθz方向の位置を算出し、この算出結果に基づいてレチクルステージ駆動系11を制御することで、レチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
図1において、レチクルステージRSTの下方に配置された投影ユニットPUは、鏡筒40と、該鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を有する投影光学系PLとを含む。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。照明系10からの照明光ILによってレチクルRの照明領域IARが照明されると、レチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの像が、ウエハWの一つのショット領域上の露光領域IA(照明領域IARと共役な領域)に形成される。ウエハWは、例えばシリコン又はSOI(silicon on insulator)等からなる直径が200mmから450mm程度の円板状の基材の表面に、フォトレジスト(感光剤)を所定の厚さ(例えば200nm程度)で塗布した基板を含む。
また、露光装置EXは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子である先端レンズ191を保持する鏡筒40の下端部周囲を取り囲むように、局所液浸装置8の一部を構成するノズルユニット32が設けられている。
ノズルユニット32は、露光用の液体Lqを供給可能な供給口と、液体Lqを回収可能な多孔部材(メッシュ)が配置された回収口とを有する。ノズルユニット32の供給口は、供給流路及び供給管31Aを介して、液体Lqを送出可能な液体供給装置186(図6参照)に接続されている。
液浸法によるウエハWの露光時に、図6の液体供給装置186から送出された露光用の液体Lqは、図1の供給管31A及びノズルユニット32の供給流路を流れた後、その供給口より照明光ILの光路空間を含むウエハW上の液浸領域14(図7参照)に供給される。また、液浸領域14からノズルユニット32の回収口を介して回収された液体Lqは、回収流路及び回収管31Bを介して液体回収装置189に回収される。なお、液浸タイプの露光装置としない場合には、上記の局所液浸装置8は設けなくともよい。
図1において、ウエハステージWSTは、ベース盤12のXY面に平行な上面12aに配置されている。露光装置EXは、ウエハステージWSTの位置情報を計測するために後述のエンコーダシステムを含む位置計測システム、及びウエハステージWSTを駆動するステージ駆動系124(図7参照)などを備えている。
ウエハステージWSTは、不図示の複数の例えば真空予圧型空気静圧軸受を構成するエアパッドを介して、ベース盤12の上面12a上に数μm程度のクリアランスを介して非接触で支持されている。また、ウエハステージWSTは、例えば平面モータ、又は直交する2組のリニアモータを含むステージ駆動系124によってX方向及びY方向に駆動可能である。
ウエハステージWSTは、X方向、Y方向に駆動されるステージ本体91と、ステージ本体91上に搭載されたウエハテーブルWTBと、ステージ本体91内に設けられて、ステージ本体91に対するウエハテーブルWTB(ウエハW)のZ方向の位置、及びθx方向、θy方向のチルト角を相対的に微小駆動するZ・レベリング機構とを備えている。ウエハテーブルWTBの中央の上部には、ウエハWを真空吸着等によってほぼXY平面に平行な吸着面上に保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。
また、ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハホルダ上に載置されるウエハの表面とほぼ同一面となる、液体Lqに対して撥液化処理された表面(又は保護部材)を有し、かつ外形(輪郭)が矩形でその中央部にウエハホルダ(ウエハの載置領域)よりも一回り大きな円形の開口が形成された高平面度の平板状のプレート体28が設けられている。
なお、上述の局所液浸装置8を設けたいわゆる液浸露光装置の構成にあっては、さらにプレート体28は、図3のウエハテーブルWTB(ウエハステージWST)の平面図に示されるように、その円形の開口を囲む、外形(輪郭)が矩形の表面に撥液化処理が施されたプレート部(撥液板)28aと、プレート部28aをY方向に挟むように配置されたX方向に細長い1対の第1及び第2のスケール体28b,28cと、プレート部28aをX方向に挟むように配置されたY方向に細長い1対の第3及び第4のスケール体28d,28eとを有する。プレート部28aの上面には、例えば露光動作時、ウエハの表面からはみ出す液浸領域14(図7参照)の少なくとも一部が形成される。
スケール体28b,28cは同じ構成であり、スケール体28d,28eはほぼスケール体28b,28cを90°回転した構成である。代表的にスケール体28eの概略構成を説明する。図4に拡大して示すように、スケール体28eは、表面にY方向に所定ピッチの回折格子よりなるYスケール39Y2が形成された平板状のパターン板4eと、パターン板4eの表面にYスケール39Y2を覆うように薄い接着層6を介して固定された平板状のカバーガラス5と、カバーガラス5の表面に形成された波長選択膜7とを有する。パターン板4eは、例えば真空吸着又は静電吸着によってウエハテーブルWTBの上面に保持されている。
パターン板4eは、低熱膨張率の材料、例えばガラス、ガラスセラミックス(例えばショット社のゼロデュア(商品名))、又はセラミックス(例えばAl23あるいはTiCなど)等から形成されている。パターン板4eの厚さは例えば1mm〜数mm程度である。カバーガラス5は、パターン板4eと同様に低熱膨張率の材料、例えば石英、ガラス、又はガラスセラミックス等から形成可能である。ただし、パターン板4eはYスケール39Y2を検出するエンコーダシステムの検出光(後述のレーザビームLB1,LB2)を透過する必要はないのに対して、カバーガラス5は、レーザビームLB1,LB2を少なくとも位置検出が可能な程度には透過する必要がある。この条件下で、カバーガラス5の材料はパターン板4eの材料とできるだけ線膨張率が近いことが好ましい。
以上より、カバーガラス5の材料としては、厚さが数mmのときに波長0.6〜2μm程度の光に対する透過率が0.8程度以上ある光学材料、例えば石英又はガラスが使用可能である。カバーガラス5の厚さは例えば0.5〜数mm程度であるが、透過率をより大きくするためには1〜1.5mm程度が好ましい。
カバーガラス5の表面の波長選択膜7として、本実施形態では、厚さdが例えば100〜1000nm程度で、導電性を有する酸化インジウム・スズ(Indium Tin Oxide)の膜(ITO膜)が使用されている。波長選択膜7であるITO膜は可視光に対しては実質的に透明な導電膜であるが、その波長選択性に関しては後述する。波長選択膜7の表面には、液浸露光時に使用される液体Lqに対して撥液性のコーティング(不図示)が施されている。導電性を持つ波長選択膜7は、撥液性のコーティングが施されていない部分で、金属等の接地用部材ELを介してウエハテーブルWTB内の接地ラインに連結されている。従って、波長選択膜7(ITO膜)は実質的に接地されているため、波長選択膜7及びその下のカバーガラス5に静電気が帯電することが防止され、波長選択膜7の表面に微小な異物が付着することが防止されている。なお、接地用部材ELは必ずしも設けなくとも、或る程度の帯電防止効果は得られる。
図3において、プレート部28aは、スケール体28b〜28eに対してそのカバーガラス5の厚さ分だけ厚く形成されている。プレート部28aの材料はパターン板4eと同様に低熱膨張率の材料である。プレート部28aも例えば真空吸着又は静電吸着によってウエハテーブルWTB上に保持されている。
なお、スケール体28b〜28e毎に個別にカバーガラス5を設けてもよい。さらに、プレート体28の分割方法は任意であり、例えば第1〜第4のスケール体28b〜28eを1体のプレートで構成してもよく、さらにプレート体28全体を単一のプレートで構成してもよい。また、プレート部28aの表面もカバーガラス5で覆うようにしてもよい。
第1、第2のスケール体28b,28cのカバーガラス5の裏面(パターン板の表面)に形成されているXスケール39X1,39X2、及び第3、第4のスケール体28d,28eのカバーガラス5の裏面(パターン板の表面)に形成されているYスケール39Y1,39Y2は、それぞれY方向及びX方向を長手方向とする格子線37及び38を所定ピッチでX方向及びY方向に沿って形成した反射型の回折格子(例えば位相型の回折格子)である。
上記各スケール39X1,39X2,39Y1,39Y2は、スケール体28b〜28e中のパターン板4e等(例えば薄板状のガラス等)の表面に、例えば100nm〜4μmのピッチ(例えば1μmピッチ)で例えばホログラム(例えば感光性樹脂に干渉縞を焼き付けて作成される)により反射型の回折格子を形成することで作製できる。なお、各スケールに用いられる回折格子は、機械的に溝等を形成して作製してもよい。なお、図3等では、図示の便宜上から、格子ピッチは、実際のピッチに比べて格段に広く図示されている。
また、本実施形態では、プレート部28aの一部に基準マークが形成された基準マーク板(不図示)が固定されている。この底面に、その基準マークと対応するレチクルRのアライメントマークの像との位置関係を計測するレチクルアライメント系(不図示)が設置され、この検出結果が主制御装置20に供給されている。さらに、ベース盤12の上面12aに、ウエハステージWSTと独立にX方向、Y方向に移動可能に計測ステージ(不図示)が載置されている。計測ステージには、例えば投影光学系PLの結像特性を計測する図6の空間像計測装置45が配置されている。
次に、図2は図1のウエハステージWST、この位置計測システム、及びウエハWのアライメント系を示す平面図である。図1では図面の錯綜を避ける観点から図示が省略されているが、実際には、図2に示すように、投影ユニットPUの中心から−Y方向に離れた位置に、X方向に概ね等間隔で並ぶ複数のアライメント系(プライマリアライメント系AL1、及びセカンダリアライメント系AL21,AL22,AL23,AL24)が、固定アーム54、及び回転軸を中心として回動可能なアーム56n(n=1〜4)の先端に固定されている。
本実施形態では、アライメント系AL1及びAL21〜AL24のそれぞれとして、画像処理方式のアライメント系が用いられている。そのアライメント情報は主制御装置20に供給される。なお、アライメント系の数は5つに限られるものでなく、1つのみ(例えばプライマリアライメント系AL1のみ)でもよい。
図2において、前述した投影光学系PLの下端のノズルユニット32の周囲を四方から囲む状態で、エンコーダシステムの4つのヘッドユニット62A,62B,62C,62Dが配置されている。これらのヘッドユニット62A〜62Dを構成する複数のYヘッド64及びXヘッド66は、図2では2点鎖線で示すように、メインフレーム(不図示)に連結された取り付け板63A〜63Dに固定されている。Yヘッド64及びXヘッド66は、それぞれY方向及びX方向に所定ピッチで形成された回折格子にレーザビームを照射して、回折格子から発生する回折光を光電変換して、その回折格子のY方向及びX方向の位置を例えば0.5〜0.1nmの分解能で計測する。
ヘッドユニット62A,62Cは、投影ユニットPUの+X側、−X側にそれぞれX方向に沿って、投影光学系PLの光軸を通りX軸と平行な直線LH上に所定間隔で配置された複数(ここでは6個)のYヘッド64を備えている。Yヘッド64はそれぞれ前述のYスケール39Y1又は39Y2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY方向の位置(Y位置)を計測する。また、ヘッドユニット62B,62Dは、投影ユニットPUの+Y側、−Y側にそれぞれ光軸を通りY軸と平行な直線LV上にほぼ所定間隔で配置された複数(ここでは7個及び11個(ただし、図2ではその11個のうちのプライマリアライメント系AL1と重なる3個は不図示))のXヘッド66を備えている。Xヘッド66は、それぞれ前述のXスケール39X1又は39X2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX方向の位置(X位置)を計測する。
従って、図2のヘッドユニット62A及び62Cは、それぞれYスケール39Y1及び39Y2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のY位置を計測する多眼のY軸のリニアエンコーダ(以下、適宜、Yエンコーダと略述する)70A及び70C(図6参照)を構成する。Yエンコーダ70A,70Cはそれぞれ複数のYヘッド64の計測値の切り替え(常にYスケール39Y1及び39Y2に対向しているYヘッド64の計測値を用いること)を行う切り替え制御部を備えている。
また、ヘッドユニット62B及び62Dは、基本的にそれぞれXスケール39X1及び39X2を用いて、ウエハステージWST(ウエハテーブルWTB)のX位置を計測する、多眼のX軸のリニアエンコーダ(以下、適宜、Xエンコーダと略述する)70B及び70D(図6参照)を構成する。Xエンコーダ70B,70Dはそれぞれ複数のXヘッド66の計測値の切り替え(常にXスケール39X1及び39X2に対向しているXヘッド66の計測値を用いること)を行う切り替え制御部を備えている。
さらに、図2のセカンダリアライメント系AL21,AL24の−X側及び+X側に、ほぼ対称に検出点が配置されるYヘッド64y1,64y2がそれぞれ設けられている。Yヘッド64y1,64y2は、ウエハステージWST上のウエハWの中心が上記直線LV上にある図2に示される状態では、Yスケール39Y2,39Y1にそれぞれ対向している。アライメント動作の際などでは、Yヘッド64y1,64y2(すなわち、これらYヘッド64y1,64y2を含むYエンコーダ70C,70A)によってウエハステージWSTのY位置及びθz方向の角度が計測される。
Yヘッド64,64y1,64y2は同一構成であり、Xヘッド66はYヘッド64を90°回転した構成である。以下、Yスケール39Y2 を検出するためのYエンコーダ70A内の一つのYヘッド64の検出原理の一例につき図4を参照して説明する。
図4において、Yヘッド64から例えば30°程度の入射角φaで計測方向(ここではY方向)に対称に射出された1対のレーザビームLB1,LB2は、スケール体28eの波長選択膜7、カバーガラス5、及び接着層6を介して、パターン板4eのYスケール39Y2に入射する。レーザビームLB1,LB2は、一例として半導体レーザ等から射出されて、中心波長λxyが790nm、半値幅が0.01nm以下の高い可干渉性を有する光である。波長選択膜7及びカバーガラス5におけるレーザビームLB1,LB2の透過率は、波長選択膜7におけるレーザビームLB1,LB2の反射率よりも高くなっている。一例として、波長選択膜7及びカバーガラス5におけるレーザビームLB1,LB2の透過率はほぼ0.8以上であり、波長選択膜7におけるレーザビームLB1,LB2の反射率はほぼ0.2以下である。また、接着層6におけるレーザビームLB1,LB2の光量損失は極めて小さい。
Yスケール39Y2からは、レーザビームLB1,LB2の1次回折光LB1D,LB2Dが対称に回折角φb(ほぼ入射角φaに等しい)で発生し、これらの1次回折光LB1D,LB2DはYヘッド64内のミラーで反射され、入射時と同じ光路を逆方向にYスケール39Y2に戻る。そして、さらにYスケール39Y2で対称に発生する1対の1次回折光が、回折角φaで入射時のレーザビームLB1,LB2の光路に沿ってYヘッド64に戻る。Yヘッド64に戻った1対の1次回折光の干渉光を光電変換して電気信号を生成する。この電気信号を用い、Yスケール39Y2のピッチの1/2をさらに例えば数100分の1以上に内挿した計測パルスを生成することで、パターン板4e(スケール体28e)のYヘッド64に対するY方向の相対位置をレーザ干渉計と同等の分解能で高精度に計測できる。
なお、Yヘッド64の構成例については、例えば米国特許第5,610,715号明細書に開示されている。上記の説明から分かるように、Yヘッド64では、干渉させる2つのビームの光路長が極短くかつほぼ等しいため、空気揺らぎの影響がほとんど無視できる。上述したエンコーダ70A〜70Dの計測値は、主制御装置20に供給され、主制御装置20は、エンコーダ70A〜70Dの計測値に基づいて、ウエハテーブルWTBのXY平面内の位置を制御する。
次に、本実施形態の露光装置EXは、図2に示すように、照射系90a及び受光系90bから成る、例えば米国特許第5,448,332号明細書に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(以下、多点AF系と呼ぶ。)90を備えている。一例として、投影光学系PLと、ウエハステージWST上のウエハのローディング位置LP及びアンローディング位置UPとのY方向の間の領域に、多点AF系90の照射系90a及び受光系90bが不図示のメインフレームに支持されて配置されている。
本実施形態では、多点AF系90の検出領域AFのX方向の長さは、ウエハWの直径とほぼ等しい程度に設定されている。そして、多点AF系90の複数の計測点は、検出領域AF内に1行又は複数行(例えば2行)に配置される。この場合、検出領域AFに対してウエハWをY方向に1回走査するだけで、多点AF系90によってウエハWのほぼ全面でZ位置の分布(面位置情報)を計測できる。また、検出領域AFは、Y方向に関して、前述の液浸領域14(露光領域IA)とアライメント系AL1,AL21〜AL24の検出領域との間に配置されているので、多点AF系90とアライメント系とでその検出動作を並行して行うことが可能となっている。
本実施形態の露光装置EXは、多点AF系90の複数の計測点のうち両端に位置する計測点の近傍、すなわち検出領域AFの両端部近傍に、X方向に関して対称な配置で、各一対の被検面のZ位置計測用の面位置センサ(以下、Zセンサと呼ぶ)72a,72b及び72c,72dを備えている。これらの同一構成のZセンサ72a,72b及び72c,72dは、例えばメインフレーム(不図示)に連結された取り付け板63C,63Aに固定されている。Zセンサ72a〜72dは、被検面に対し上方から光束を照射し、その反射光を受光してその光の照射点における被検面の法線方向(ここではZ方向)の位置情報を計測するセンサである。
図2において、ヘッドユニット62C及び62Aは、それぞれ複数のYヘッド64の検出中心を結ぶX軸に平行な直線LHを挟むように対称に、かつ直線LHに平行な2本の直線に沿って所定間隔で配置された複数(ここでは各6個、合計で12個)のZセンサ74i,j(i=1,2、j=1〜6)及びZセンサ76p,q(p=1,2、q=1〜6)を備えている。各Zセンサ74i,j及び76p,qとしては、前述のZセンサ72a〜72dと同様のセンサが用いられている。また、一対のZセンサ741,4,742,4は、Zセンサ72a,72bと同一のY軸に平行な直線上に位置しており、一対のZセンサ761,3,762,3は、Zセンサ72c,72dと同一のY軸に平行な直線上に位置している。Zセンサ74i,j及び76p,qは例えば取り付け板63C,63Aに固定されている。
本実施形態では、例えばヘッドユニット62C中のYヘッド64と、Zセンサ72aと、図3のY軸のスケール体28eとから、スケール体28e(又はこれが固定されているウエハテーブルWTB)のY方向及びZ方向の位置情報を検出する一つの検出ユニット2YZが構成されている。なお、複数のYヘッド64と、複数のZセンサ72a〜72d,74i,j,76p,qと、Y軸のスケール体28d,28eとの組み合わせに応じて、多数のY方向及びZ方向の検出ユニットが構成可能である。同様に、ヘッドユニット62B中のXヘッド66と、Zセンサ761,1 等と、X軸のスケール体28bとから、スケール体28b(又はこれが固定されているウエハテーブルWTB)のX方向及びZ方向の位置情報を検出する一つの検出ユニット2XZが構成されている。
次に、検出ユニット2YZ中のZセンサ72aの構成例につき図4を参照して説明する。
図4は、図2の検出ユニット2YZを示す拡大図である。図4において、検出ユニット2YZは、スケール体28eと、Yヘッド64と、Zセンサ72aとを有し、スケール体28eの上方(+Z方向)にZセンサ72a及びヘッドユニット62C(Yエンコーダ70C)のYヘッド64が位置している。スケール体28eの上部の波長選択膜7の表面はほぼXY平面に平行(Z軸に垂直)である。
Zセンサ72aは、互いに周波数が所定量だけ異なり、偏光方向が直交している2つの可干渉なレーザビームよりなるヘテロダインビームLBHを射出する光源部21と、ヘテロダインビームLBHを+Y方向に向かうS偏光の参照ビームLBRと、スケール体28eの波長選択膜7(−Z方向)に向かうP偏光の計測ビームLBZとに分岐する偏光ビームスプリッタ22とを有する。さらに、Zセンサ72aは、参照ビームLBR及び計測ビームLBZをそれぞれ円偏光に変換する1/4波長板23A及び23Bと、円偏光の参照ビームLBRを反射して1/4波長板23Aを介してP偏光として偏光ビームスプリッタ22に戻すミラー24とを有する。この場合、波長選択膜7は、導電性を有し計測ビームLBZの少なくとも一部を反射するとともに、Yヘッド64から射出されるレーザビームLB1,LB2の大部分を透過する(詳細後述)。偏光ビームスプリッタ22と波長選択膜7との間隔は、偏光ビームスプリッタ22とミラー24との間隔とほぼ同じに設定されている。
波長選択膜7で反射された計測ビームLBZは1/4波長板23Bを介してS偏光として偏光ビームスプリッタ22に戻る。偏光ビームスプリッタ22に戻された参照ビームLBR及び計測ビームLBZは、偏光ビームスプリッタ22の接合面で同軸に合成されて干渉光LBIとなる。Zセンサ72aは、干渉光LBIの偏光方向を合わせる偏光板(検光子)23Pと、偏光板23Pを通過した干渉光LBIを検出する光電センサ25と、光電センサ25の検出信号を処理して波長選択膜7のZ方向の変位、ひいてはスケール体28eの計測ビームLBZの照射点におけるZセンサ72aに対するZ位置を求める信号処理系26とを有する。求められたZ位置が主制御装置20に供給される。Z位置の計測分解能は例えば1nm程度である。
光源部21は、一例としてレーザビームを発生する半導体レーザ等のレーザ光源と、そのレーザビームを2分割するビームスプリッタと、分割した一方のレーザビームの周波数を変調する変調器と、2つのレーザビームを伝送する偏波面保持型の2つの光ファイバーと、2つの光ファイバーから射出されるレーザビームを合成する偏光ビームスプリッタとを有する。本実施形態では、Zセンサ72aの計測ビームLBZ及び参照ビームLBRとして、中心波長λzが約1.55μmで、半値幅Δλが3nm程度又はこれ以上の比較的広帯域のレーザ光が使用されている。ビームLBZ,LBRの可干渉距離Lcoは、次のようにほぼ0.8mm程度又はこれ以下となる。
Lco≦λz2/Δλ≒0.80(mm) …(1)
従って、偏光ビームスプリッタ22と波長選択膜7との間隔と、偏光ビームスプリッタ22とミラー24との間隔との差は、初期状態で0.2mm(往復の光路差で0.4mm)程度以下に設定することが好ましい。これによって、波長選択膜7(スケール体28e)のZ位置の計測レンジはほぼ0.2mm(往復の光路で0.4mm)程度又はこれ以下になる。さらに、計測ビームLBZの可干渉距離Lcoはあまり長くないため、計測ビームLBZのうちで波長選択膜7を透過してYスケール39Y2で反射された光束は、干渉光LBI中でほぼオフセットの差となり、Z位置の計測誤差(後述の非線形誤差)にはほとんど寄与しない。また、波長選択膜7に入射する計測ビームLBZの断面形状はほぼ直径が1mm程度の円形である。従って、波長選択膜7の表面に微小なパーティクルが付着していても、計測誤差はほとんど生じない。
Zセンサ72aにおいても、計測ビームLBZ及び参照ビームLBRの光路長は短いため、空気揺らぎの影響が非常に小さい。従って、Zセンサ72aは、例えばレーザ干渉計と比較しても、空気が揺らぐ程度の短い期間における計測安定性(短期安定性)に格段に優れている。
次に、本実施形態のスケール体28eのITO膜よりなる波長選択膜7につき詳細に説明する。波長選択膜7は導電性であるが、波長選択膜7の好ましい波長選択特性は、Zセンサ72aの中心波長λz(ここでは約1550nm)の計測ビームLBZに対する反射率が高く、かつ透過率が低い(吸収率が大きい)とともに、Yヘッド64から射出される中心波長λxy(ここでは約790nm)のレーザビームLB1,LB2に対する透過率が高いことである。なお、パターン板4eのYスケール39Y2を覆うカバーガラス5として通常のガラスを使用するものとして、カバーガラス5の厚さが1.5mm程度までであれば、カバーガラス5自体の計測ビームLBZ及びレーザビームLB1,LB2に対する反射率はともにほぼ0.05で、透過率はともにほぼ0.95である。
本実施形態の波長選択膜7は導電性を持つITO膜であるため、その屈折率は次のような複素屈折率n’で表すことができる。なお、nは通常の屈折率、kは消衰係数、iは虚数単位である。
n’=n+i・k …(2)
また、ITO膜のキャリア密度cd(/cm3)を変えた場合の、ITO膜に入射する光の波長λと複素屈折率(屈折率n及び消衰係数k)との関係のシミュレーション結果の一例を図5(A)に示す。この図5(A)及び後述の図5(B)については、参考文献「南 内嗣:透明導電膜の新展開<3>ITOとその代替材料開発の現状,p.224(図2、図3)(シーエムシー出版,2008年4月)」に記載されている。このシミュレーションは、電気伝導率のモデルとして、ドルーデの式(Drude's formula)を使用し、このモデルから複素誘電率、ひいては複素屈折率を計算したものである。
図5(A)において、横軸は波長λ(nm)、縦軸は屈折率n及び消衰係数kであり、横軸中に中心波長λxy及びλzが示されている。図5(A)において、曲線An6、An3、An2はそれぞれキャリア密度cdが6×1020/cm3、3×1020/cm3、2×1020/cm3の場合の波長λに対する屈折率nを示す。また、曲線Bk6、Bk3、Bk2はそれぞれキャリア密度cdが6×1020/cm3、3×1020/cm3、2×1020/cm3の場合の波長λに対する消衰係数kを示す。
図5(A)の波長λxy及びλzの光に対する屈折率n及び消衰係数kを記載したものが次の表1である。
[表1]
キャリア密度cd(/cm3) 6×1020 3×1020 2×1020
屈折率n、消衰係数k n k n k n k
波長λxy(790nm) 1.75 0 1.9 0 1.95 0
波長λz(1550nm) 0.5 0.6 1.5 0.01 1.75 0
図5(A)及び表1から、ITO膜はキャリア密度cdが高くなるほど消衰係数kが大きくなり、その内部を透過する光の吸収率が大きくなることが分かる。さらに、キャリア密度に関係なく、波長λが大きいほど、屈折率nが小さくなり透過率がほぼ低下する(反射率がほぼ上昇する)ことが分かる。また、キャリア密度cdが3×1020/cm3であるときに、波長λzに対する消衰係数kがほぼ0.01となり、この場合に、ITO膜の厚さが例えば500nmであると、その波長λzの光に対する吸収率がほぼ10%になる。
従って、本実施形態では、波長選択膜7(ITO膜)の波長λzの光に対する消衰係数kが0.01以上であることが好ましい。
さらに、このように波長λzの光に対する消衰係数kをほぼ0.01以上にするには、波長選択膜7(ITO膜)のキャリア密度cdは3×1020/cm3以上である必要がある。これは、ITO膜以外の透明導電膜についても当てはまるものと予測される。
なお、このように波長選択膜7が波長λzの光を吸収しても、波長λxyの光に対する波長選択膜7の吸収は極めて小さいため、Yヘッド64からのレーザビームLB1,LB2は波長選択膜7を効率的に透過する。
本実施形態では、波長選択膜7として、表1のキャリア密度cdが6×1020/cm3のITO膜を使用するものとする。このITO膜を厚さ500nmとした場合の波長λの光に対する透過率T(%)及び反射率(%)のシミュレーション結果を図5(B)に示す。図5(B)において、曲線AT6が透過率、曲線BR6が反射率を示す。図5(B)から、このITO膜よりなる波長選択膜7の波長λxy及びλzの光に対する反射率Rはそれぞれほぼ10%及び50%であり、波長λxy及びλzの光に対する透過率Tはそれぞれほぼ80%及び30%であることが分かる。従って、波長選択膜7は、Zセンサ72aからの計測ビームLBZに対する反射率が高く、Yヘッド64からのレーザビームLB1,LB2に対する透過率が高いため、Zセンサ72a及びYヘッド64でそれぞれ高精度にスケール体28eのZ位置及びY方向の位置を計測できる。
次に、波長選択膜7の厚さdを最適化する方法の一例につき説明する。波長選択膜7のYヘッド64からのレーザビームLB1,LB2に対する透過率を高めるためには、波長選択膜7(ITO膜)の厚さd(実際には光路長)を、レーザビームLB1,LB2の中心波長λxyの1/2の整数倍とすることが好ましい。この場合、図4のレーザビームLB1,LB2の波長選択膜7に対する入射角φa及び回折角φbの平均値φ0を28°とする。また、波長λxyでの波長選択膜7の屈折率nは表1より1.75であり、空気中の屈折率は1であるため、レーザビームLB1,LB2の波長選択膜7における光路長Lxは次のようになる。なお、入射角28°で屈折率1.75の媒体に入射する光の屈折角はほぼ15.6°であることを利用している。
Lx=1.75×d/cos15.6° …(3)
この光路長Lxが波長λxy/2の整数倍となる条件は以下のようになる。なお、qは1以上の整数である。
Lx=1.75×d/cos15.6°=q×λxy/2 …(4)
この式(4)で整数qを1としたときの条件をλ/2条件と呼ぶ。この場合に波長選択膜7の厚さdは217nm(これをd1とする)となる。この条件では、波長選択膜7におけるレーザビームLB1,LB2の透過率はほぼ100%となる。一方、波長選択膜7における中心波長λzの計測ビームLBZに対する反射率は0.304、透過率は0.424となり、残りは吸収される。
次に、式(4)で整数qを2としたときの条件をλ条件と呼ぶ。この場合に波長選択膜7の厚さdは434nm(これをd2とする)となる。この条件では、波長選択膜7におけるレーザビームLB1,LB2の透過率はほぼ100%となる。一方、波長選択膜7における中心波長λzの計測ビームLBZに対する反射率は0.19、透過率は0.15となり、残りは吸収される。
λ/2条件とλ条件とを比べると、波長選択膜7の計測ビームLBZに対する透過率が小さいという観点からは、λ条件(式(4)の整数qを2(偶数)とした条件)の方が好ましいことになる。従って、波長選択膜7の厚さdをレーザビームLB1,LB2の光路長で換算した値は、レーザビームLB1,LB2の中心波長λxyの1/2の偶数倍とすることがより好ましい。
なお、λ条件を用いる場合に、図5(C)に示すように、カバーガラス5の厚さを1mmとして、計測ビームLBMZのうちで波長選択膜7を透過する光LBNに起因する計測誤差(非線形誤差)を評価した結果、その計測誤差は0.67nm程度であった。
一方、λ/2条件を用いる場合に、図5(D)に示すように、カバーガラス5の厚さを1.35mmとして、計測ビームLBMZのうちで波長選択膜7を透過する光LBNに起因する計測誤差(非線形誤差)を評価した結果、その計測誤差は0.39nm程度であった。従って、計測誤差の観点からは、λ条件でもλ/2条件でも使用可能である。
次に、本実施形態においては、ウエハWにレチクルRのパターンの像を露光する際には、投影光学系PLの先端部とウエハWとの間の液浸領域14(露光領域IAを含む)に液体Lqが供給されるため、その液浸領域14におけるウエハWの表面のZ位置を斜入射方式のAF系で高精度に計測するのは困難である。そこで、ウエハWの露光中には、Zセンサ74i,j及び76p,qのうちのいずれかで、ウエハステージWST上のYスケール39Y2,39Y1(より正確にはこの上の図4の波長選択膜7)のZ位置を計測し、この計測値と予め多点AF系90及びZセンサ72a〜72dによって計測されているウエハW及びYスケール39Y2,39Y1(波長選択膜7)のZ位置分布とから、ウエハWの表面のZ位置分布を求める。そして、このようにして求めたZ位置分布に基づいて、液浸法で露光中のウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させる。
また、図6には、露光装置EXの制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御するコンピュータから成る主制御装置20を中心として構成されている。
以下、本実施形態の露光装置EXにおいて、主制御装置20の制御のもとで所定ロットのウエハに順次レチクルRのパターンの像を露光する際の動作の一例につき説明する。この場合、予め図2のZセンサ72a〜72d、Zセンサ74i,j及び76p,q、並びに多点AF系90のZ位置の計測値は、例えばその被検面が投影光学系PLの像面と同じZ位置にあるときに0になるように調整が行われている。
先ず、図2のウエハステージWSTの中心をローディング位置LPに移動して、不図示のウエハローダ系からウエハステージWST上にウエハWをロードする。
次に、ウエハステージWSTの中心を、投影光学系PLの光軸を通りY軸に平行な直線LV上に移動した後、さらにウエハステージWSTの中心が投影光学系PLの露光領域(露光位置)の方向に移動するように、ウエハステージWSTの+Y方向への移動を開始する。その移動中、プライマリアライメント系AL1で基準マーク(不図示)の位置計測を行う。
さらにウエハステージWSTを+Y方向に移動して、Zセンサ72a〜72dによってウエハWの両側のYスケール39Y1,39Y2(波長選択膜7)の表面のZ位置を計測しつつ、多点AF系90の検出領域AFでウエハWの全面を走査して、Yスケール39Y1,39Y2(波長選択膜7)のZ位置を基準として、ウエハW表面のZ位置分布を計測する。この計測結果は、主制御装置20内の記憶部に記憶される。
また、上述のように、ウエハステージWSTをY方向に移動して多点AF系90でウエハWの表面のZ位置分布を計測する途中で、計測対象のアライメントショットのウエハマークがアライメント系AL1,AL21〜AL24の検出領域内に入ったときにウエハステージWSTを停止させて、順次、アライメント系AL1,AL21〜AL24によってそのウエハマークの位置を検出する。その後、主制御装置20は、計測された複数のウエハマークの座標を用いて、例えばEGA方式でウエハの全部のショット領域の配列座標(ショット配列)を算出する。
次に算出された配列座標に基づいて図6のエンコーダ70A〜70Dの計測値を用いてウエハステージWSTを駆動することで、図7に示すように、液浸方式で、かつステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全部のショット領域に投影光学系PLを介してレチクルRのパターン像を露光する。この際に、投影光学系PLを挟むように配置されている図2のZセンサ74i,j 及び76p,q を用いて、ウエハWの両側のYスケール39Y1,39Y2(波長選択膜7)の表面のZ位置を計測し、この計測値と上記のように求められているウエハW表面のZ位置分布とからウエハW表面のZ位置を間接的に求め、このように求めたウエハW表面のZ位置に基づいてウエハステージWSTのZ・レベリング機構を駆動して、ウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させる。
次に、ウエハステージWSTの中心を図7のアンローディング位置UPに移動して、露光済みのウエハWのアンロードを行って、そのウエハWを不図示のウエハローダ系に受け渡す。次に未露光のウエハがあるかどうかを判定し、未露光のウエハがある場合にはウエハのローディングを行った後、上記の露光動作を繰り返す。
本実施形態によれば、予め多点AF系90及びZセンサ72a〜72dによって、Yスケール39Y1,39Y2(波長選択膜7)の表面を基準として、ウエハWの表面のZ位置分布を計測しておくことによって、液浸領域14を介してウエハWを露光する際に、オートフォーカス方式でウエハWの表面を投影光学系PLの像面に高精度に合焦できる。従って、ウエハWの各ショット領域に微細な回路パターンを高精度に形成できる。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の検出ユニット2YZ(位置検出装置)はスケール体28eのY方向、及びZ方向の位置を検出するものである。また、本実施形態のスケール体28eは、Yスケール39Y2(スケールパターン)が形成されたパターン板4eと、パターン板4eに設けられ、Yスケール39Y2を覆うカバーガラス5と、カバーガラス5の表面に形成され、互いに異なる波長域の計測ビームLBZ(第1の光)及びレーザビームLB1,LB2(第2の光)に対して波長選択性を有する波長選択膜7と、を備えている。そして、波長選択膜7を介してカバーガラス5を透過する計測ビームLBZの透過率は、カバーガラス5のみ透過する計測ビームLBZの透過率より低く、波長選択膜7を介してカバーガラス5を透過するレーザビームLB1,LB2の透過率は、波長選択膜7で反射するレーザビームLB1,LB2の反射率より高く設定されている。
このスケール体28eによれば、Yスケール39Y2を覆うカバーガラス5の表面に形成された波長選択膜7に計測ビームLBZを照射し、波長選択膜7からの反射光を検出することによって、波長選択膜7の法線方向(Z方向)の位置情報、ひいてはYスケール39Y2の形成面の法線方向の位置情報を検出できる。この際に、Yスケール39Y2の形成面に直接に計測ビームLBZを照射する場合に比べて、Yスケール39Y2からの回折光又は反射光の影響が少ないため、計測精度を向上できる。さらに、波長選択膜7及びカバーガラス5のレーザビームLB1,LB2に対する透過率は比較的高いため、レーザビームLB1,LB2を用いてYスケール39Y2の表面に沿った方向の位置を高精度に検出できる。
(2)また、波長選択膜7はITO膜よりなり導電性を有するため、波長選択膜7及びカバーガラス5の帯電が防止できる。なお、ITO膜以外の透明導電膜も使用可能である。
さらに、波長選択膜7は必ずしも導電性を有する必要はない。
(3)また、本実施形態の検出ユニット2YZは、ウエハステージWSTのウエハテーブルWTB(移動体)の位置情報を検出する位置検出装置であって、ウエハテーブルWTBに設けられる本実施形態のスケール体28eと、ウエハテーブルWTBと異なる取り付け板63Cに設けられ、計測ビームLBZを波長選択膜7に照射し、波長選択膜7から戻される光を受光して、カバーガラス5の表面の法線方向(Z方向)に沿ったスケール体28eの位置情報を検出するZセンサ72a(第1検出系)と、取り付け板63Cに設けられ、レーザビームLB1,LB2を波長選択膜7及びカバーガラス5を介してYスケール39Y2に照射し、Yスケール39Y2から戻される光を受光して、パターン板4eの表面に沿った方向(Y方向)のスケール体28eの位置情報を検出するYヘッド64(第2検出系)と、を備えている。
この検出ユニット2YZによれば、Yヘッド64によってスケール体28e(Yスケール39Y2)のY方向の位置を高精度に計測できるとともに、Yスケール39Y2における回折又は反射に影響されることなく、Zセンサ72aによってスケール体28e(波長選択膜7)のZ方向の位置を高精度に計測できる。
(4)また、Zセンサ72aは、波長選択膜7からの反射光と参照ビームLBR(参照光)との干渉光を検出しているため、スケール体28eのZ位置を極めて高い分解能で計測できる。
なお、本実施形態のZセンサ72aは、ヘテロダイン干渉方式であるが、その代わりにホモダイン干渉方式でもよい。この場合、干渉する2つのレーザビームの一方を位相変調しておいてもよい。
(5)また、本実施形態のウエハステージWSTを含むステージ装置は、ウエハW(物体)を保持して移動するウエハステージWST(移動体)と、ウエハステージWSTの位置情報を検出する検出ユニット2YZ(及び2XZ)を備えている。従って、レーザ干渉計を用いる場合に想定される計測ビームの光路の揺らぎによる計測誤差を低減させて、ウエハステージWSTの位置を高精度に計測できる。
(6)また、本実施形態の露光装置EXは、投影ユニットPU(露光光学系)を介してウエハW(基板)を露光する露光装置において、ウエハWを移動するために、そのウエハステージWSTを含むステージ装置を備えている。この場合、ウエハステージWSTの位置を高精度に制御できるため、ウエハWに対して高精度に露光を行うことができる。
なお、上記の実施形態では、ウエハステージWSTのウエハテーブルWTBにスケール体28e等を設け、投影ユニットPU側の取り付け板63CにZセンサ72a及びYヘッド64等を設けている。しかしながら、投影ユニットPU側の取り付け板63Cにスケール体28b〜28eと同様で、かつより大面積のスケール体を固定し、ウエハステージWST(例えばウエハテーブルWTB)にZセンサ72a、Yヘッド64、及びXヘッド66を固定してもよい。一例として、ウエハステージWST側には、4箇所にそれぞれZセンサ72a、Yヘッド64、及びXヘッド66よりなる計測系が配置される。この場合にも、Zセンサ72a及びYヘッド64等を用いて、投影ユニットPU側の取り付け板63Cに対するウエハステージWSTのX方向、Y方向、及びZ方向の位置情報を高精度に計測できる。
また、上記の実施形態では、パターン板4eとカバーガラス5とを接着層6を介して固定しているが、パターン板4eとカバーガラス5とは例えば圧着等で固定してもよい。
また、上記の実施形態では、Zセンサ72aの計測ビームLBZとして半値幅が3nm程度又はこれ以上のレーザ光が使用されている。しかしながら、例えば波長選択膜7における計測ビームLBZの透過率が小さい(又は吸収率が大きい)ときには、計測ビームLBZとして半値幅が3nm程度以下の狭帯域のレーザ光を使用してもよい。
また、上記の実施形態の露光装置EX(露光方法)を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図8に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたレチクル(マスク)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置(露光方法)によりレチクルのパターンを基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置EX(露光方法)を用いてレチクルのパターンの像を基板(ウエハ)に転写することと、そのパターンの像が転写されたその基板をそのパターンの像に基づいて加工すること(ステップ224の現像、エッチング等)とを含んでいる。この際に、上記の実施形態によれば、露光装置のウエハステージWSTのウエハテーブルWTB(基板)のZ位置を高精度に制御でき、レチクルのパターンの像の合焦精度を向上できるため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、上述のステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ等)にも適用できる。さらに、本発明は、液浸型露光装置以外のドライ露光型の露光装置にも同様に適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、WTB…ウエハテーブル、WST…ウエハステージ、2YZ…Y方向及びZ方向の検出ユニット、4e…パターン板、5…カバーガラス、6…接着層、7…波長選択膜、20…主制御装置、28b〜28e…スケール体、39Y1,39Y2…Yスケール、62A〜62D…ヘッドユニット、64…Yヘッド、72a〜72d…Zセンサ、74i,j,76p,q…Zセンサ

Claims (13)

  1. スケールパターンが形成されたパターン部材と、
    前記パターン部材に設けられ、前記スケールパターンを覆うカバー部材と、
    前記カバー部材の表面に形成され、互いに異なる波長域の第1の光及び第2の光に対して波長選択性を有する波長選択膜と、を備え、
    前記波長選択膜を介して前記カバー部材を透過する前記第1の光の透過率は、前記カバー部材のみを透過する前記第1の光の透過率より低く、前記波長選択膜を介して前記カバー部材を透過する前記第2の光の透過率は、前記波長選択膜で反射する前記第2の光の反射率より高いことを特徴とするスケール体。
  2. 前記波長選択膜は導電性を有することを特徴とする請求項2に記載のスケール体。
  3. 前記第1の光に対する前記波長選択膜の複素屈折率の消衰係数kの絶対値が少なくとも0.01であることを特徴とする請求項2に記載のスケール体。
  4. 前記第1の光の波長は前記第2の光の波長よりも長く、
    前記波長選択膜のキャリア密度が少なくとも3×1020/cm3であることを特徴とする請求項2又は3に記載のスケール体。
  5. 前記波長選択膜は酸化インジウム・スズの膜であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のスケール体。
  6. 前記第2の光の波長をλとして、前記波長選択膜の光路長で表した厚さはλ/2の偶数倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスケール体。
  7. 移動体の位置情報を検出する位置検出装置であって、
    前記移動体に設けられる請求項1〜6のいずれか一項に記載のスケール体と、
    前記移動体と異なる部材に設けられ、前記第1の光を前記波長選択膜に照射し、前記波長選択膜から戻される光を受光して、前記カバー部材の表面の法線方向に沿った前記スケール体の位置情報を検出する第1検出系と、
    前記移動体と異なる部材に設けられ、前記第2の光を前記波長選択膜及び前記カバー部材を介して前記スケールパターンに照射し、前記スケールパターンから戻される光を受光して、前記パターン部材の表面に沿った方向の前記スケール体の位置情報を検出する第2検出系と、
    を備えることを特徴とする位置検出装置。
  8. 移動体の位置情報を検出する位置検出装置であって、
    前記移動体と異なる部材に設けられる請求項1〜6のいずれか一項に記載のスケール体と、
    前記移動体に設けられ、前記第1の光を前記波長選択膜に照射し、前記波長選択膜から戻される光を受光して、前記カバー部材の表面の法線方向に沿った前記スケール体の位置情報を検出する第1検出系と、
    前記移動体に設けられ、前記第2の光を前記波長選択膜及び前記カバー部材を介して前記スケールパターンに照射し、前記スケールパターンから戻される光を受光して、前記パターン部材の表面に沿った方向の前記スケール体の位置情報を検出する第2検出系と、
    を備えることを特徴とする位置検出装置。
  9. 前記第1検出系は、前記波長選択膜からの反射光と参照光との干渉光を検出することを特徴とする請求項7又は8に記載の位置検出装置。
  10. 物体を保持して移動する移動体と、
    前記移動体の位置情報を検出する請求項7〜9のいずれか一項に記載の位置検出装置と、
    を備えることを特徴とするステージ装置。
  11. 前記位置検出装置の検出結果に基づいて、前記移動体の移動制御を行う制御部を備えることを特徴とする請求項10に記載のステージ装置。
  12. 露光光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    前記基板を移動するために、請求項10又は11に記載のステージ装置を備えることを特徴とする露光装置。
  13. 請求項11に記載の露光装置を用いて、基板にパターンを転写することと、
    前記パターンが転写された前記基板を前記パターンに基づいて加工することと、
    を含むデバイス製造方法。
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