JP2011046818A - プリプレグとその製造方法 - Google Patents

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俊二 荒木
Yoshihiko Nakamura
善彦 中村
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Abstract

【課題】分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、およびイミダゾールシラン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物を用いた場合に、熱分解温度等の耐熱性、接着力、所要の難燃性を確保するとともに、ガラス転移温度の低下を有効に防止することができるプリプレグとその製造方法を提供する。
【解決手段】分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、分子内にイミダゾール基とアルコキシシリル基とを含むイミダゾールシラン化合物、および溶剤を含有し、樹脂固形分の臭素含有量が10質量%以上であるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し加熱乾燥して得られ、揮発成分含有量が0.7質量%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板用の積層板、多層板等の製造に用いられる、エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグとその製造方法に関するものである。
プリント配線板の材料として用いられるプリプレグは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物を溶剤で希釈してワニスとし、このワニスをガラスクロス等の基材に含浸した後、これを乾燥して、樹脂を未硬化状態(A−ステージ)から半硬化状態(B−ステージ)にすることにより作製されている。
そして、このようにして得たプリプレグを所定寸法に切断した後、所要枚数重ねると共にこの片面または両面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによりプリント配線板に加工される金属張積層板を作製することができる。この段階において樹脂は、半硬化状態(B−ステージ)から完全硬化状態(C−ステージ)へと変化し、基材と共に絶縁層を形成する。
近年では鉛フリー半田の使用に伴いプリント配線板への半導体素子の実装温度が上昇しているが、プリント配線板用のプリプレグに用いられるエポキシ樹脂組成物として、硬化剤にクレゾールノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のフェノール性水酸基を有する硬化剤を用いることにより、アミン系硬化剤を用いた場合に比べて高い熱分解温度とガラス転移温度が得られ、鉛フリー半田を用いる場合に有効であることが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、フェノール性水酸基を有する硬化剤を用いた場合、接着力においてアミン系硬化剤に比べると大幅に劣るという問題点があった。
この問題点を解決するために、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂を用いることやイミダゾールシラン化合物を用いることが検討されており(特許文献2参照)、これらを用いることで、フェノール性水酸基を有する硬化剤による耐熱性を有し、所要の難燃性も確保しつつ、接着力も改善されることを本発明者らは確認している。
特開平8−151507号公報 特願2008−324651
しかしながら、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、およびイミダゾールシラン化合物を用いた上記のエポキシ樹脂組成物において、常法に従って溶剤で希釈してワニスとして調製した場合、ガラス転移温度が特異的に低下してしまう場合があった。
本発明者らは、この現象について検討を進めたところ、上記のエポキシ樹脂組成物ではガラス転移温度がプリプレグに残存する溶剤の影響を特に受けることが判明した。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、およびイミダゾールシラン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物を用いた場合に、熱分解温度等の耐熱性、接着力、所要の難燃性を確保するとともに、ガラス転移温度の低下を有効に防止することができるプリプレグとその製造方法を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記の知見に基づき鋭意検討を行い、プリプレグの揮発成分含有量、および溶剤の沸点に着目して検討した結果、これらを適切なものとすることでガラス転移温度の特異的な低下を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明のプリプレグは、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、分子内にイミダゾール基とアルコキシシリル基とを含むイミダゾールシラン化合物、および溶剤を含有し、樹脂固形分の臭素含有量が10質量%以上であるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し加熱乾燥して得られ、揮発成分含有量が0.7質量%以下である。
第2に、上記第1のプリプレグにおいて、エポキシ樹脂組成物の溶剤の成分のうち、最高沸点成分の沸点が130℃以下である。
第3に、本発明のプリプレグの製造方法は、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、分子内にイミダゾール基とアルコキシシリル基とを含むイミダゾールシラン化合物、および溶剤を含有し、エポキシ樹脂および硬化剤の全量に対する臭素含有量が10質量%以上であるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸して加熱乾燥し、揮発成分含有量を0.7質量%以下とする。
第4に、上記第3のプリプレグの製造方法において、エポキシ樹脂組成物の溶剤の成分のうち、最高沸点成分の沸点が130℃以下である。
上記第1および第3の発明によれば、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、およびイミダゾールシラン化合物を含有するエポキシ樹脂組成物を用いることで、熱分解温度等の耐熱性、接着力、所要の難燃性を確保するとともに、プリプレグの揮発成分含有量を0.7質量%以下とすることで、ガラス転移温度の低下を有効に防止することができる。
上記第2および第4の発明によれば、溶剤の成分のうち、最高沸点成分の沸点を130℃以下とすることで、上記第1および第3の発明の効果に加え、容易に揮発成分含有量を低減でき、ガラス転移温度の低下を特に有効に防止することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、エポキシ樹脂としては、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂が用いられる。この分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂は、ガラスクロス等の基材や銅箔等の金属箔への高い接着力を有している。
中でも、ガラス転移温度を高めることができる点からは、分子内にオキサゾリドン環を有するエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
分子内にオキサゾリドン環を有するエポキシ樹脂としては、好ましくは、エポキシ当量が330〜390g/eqであり、且つ、臭素含有量が10〜20質量%であるものが用いられる。
具体的には、例えば、下記式で表されるオキサゾリドン環と、臭素とを有しているものを用いることができる。
Figure 2011046818
より具体的には、例えば、下記式で表わされるエポキシ樹脂を用いることができる。
Figure 2011046818
(式中、R1は臭素および芳香環を有する2価の炭化水素基を示し、X1は、2価の炭化水素基またはその誘導基を示す。)
本発明では、接着力と共に熱分解温度等の耐熱性を得る点から、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂とともに、他のエポキシ樹脂を配合することが好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、分子内に窒素も臭素も含有しないエポキシ樹脂、分子内に窒素を含有せず臭素を含有するエポキシ樹脂が挙げられる。具体的には、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化合物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化合物、臭素含有エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の分子内に窒素も臭素も含有しないエポキシ樹脂または分子内に窒素を含有せず臭素を含有するエポキシ樹脂を、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂とともに併用する場合、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂全量に対して好ましくは30〜70質量%である。この配合量が少な過ぎると、接着性が低下する場合があり、この配合量が多過ぎると、耐熱性が低下する場合がある。
本発明において、エポキシ樹脂組成物には、フェノール性水酸基を有する硬化剤が配合される。フェノール性水酸基を有する硬化剤を用いることで、熱分解温度等の耐熱性を高めることができる。フェノール性水酸基を有する硬化剤としては、多価フェノール化合物、多価ナフトール化合物等が挙げられる。多価フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールAノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等が挙げられる。多価ナフトール化合物としては、例えば、ナフトールアラルキル樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール性水酸基を有する硬化剤は、硬化不足や硬化剤が未反応で残ることによる耐熱性等の性能低下を防止する点等から、好ましくは、エポキシ樹脂に対してフェノール性水酸基とエポキシ基との当量比(OH基当量/エポキシ基当量)が0.8〜1.2となる量で配合される。
本発明において、エポキシ樹脂組成物は、プリント配線板としての所要の難燃性を確保するために、樹脂固形分に対する臭素含有量が10質量%以上とされる。なお、樹脂固形分は、エポキシ樹脂、硬化剤、および硬化促進剤の合計量である。
本発明において、エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤としてイミダゾールシラン化合物が配合される。イミダゾールシラン化合物を用いることで、内層接着力、層間接着力、金属箔接着力の全てをバランス良く高めることができる。
イミダゾールシラン化合物は、1分子中にイミダゾール基と、アルコキシシリル基とを有する化合物である。具体的には、例えば、下記式(1)〜(5)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2011046818
上記式(1)〜(5)において、R1は、それぞれ独立に、水素原子、ビニル基または炭素数1〜5のアルキル基であり、水素、メチル基、エチル基、ウンデシル基、ヘプタデシル基が好ましい。R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であり、水素、メチル基、ビニル基が好ましい。R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基であり、メチル基、エチル基が好ましい。m、nは、それぞれ1〜3の整数であり、2または3が好ましい。k、lは、それぞれ1〜5の整数であり、3が好ましい。pは0〜30の整数であり、0〜10の整数であることが好ましい。)
上記式(1)〜(5)のイミダゾールシラン化合物の合成は、公知の方法により行うことができる。例えば、特開平5−186479号公報、特開2005−002000号公報に記載の製造方法を用いることができる。
イミダゾールシラン化合物として、例えば、株式会社日鉱マテリアルズ社製「IM1000」、「IS1000」等を用いることができる。
イミダゾールシラン化合物の配合量は、エポキシ樹脂組成物全量に対して好ましくは0.05〜2.0質量%である。配合量をこの範囲内とすることで、耐熱性やプリプレグの保存安定性等の他の物性を損なわずに内層接着力、層間接着力、金属箔接着力の全てをバランス良く高めることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、イミダゾールシラン化合物に加えて、さらに他の硬化促進剤を配合することができる。このような他の硬化促進剤としては、例えば、2−エチル4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で上記した成分以外の他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ等の無機充填材、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシシラン化合物等が挙げられる。
本発明において、エポキシ樹脂組成物は、上記の各成分を配合し、溶剤で希釈してワニスとして調製される。そして本発明のプリプレグを作製する際には、ワニスとして調製したエポキシ樹脂組成物を基材に含浸する。そして、例えば乾燥機中で130〜170℃、3〜15分間の加熱乾燥をすることにより、半硬化状態(B−ステージ)にしたプリプレグを作製することができる。
このとき本発明では、プリプレグの揮発成分含有量を0.7質量%以下とする。これにより、ガラス転移温度の低下を有効に防止することができる。なお、揮発成分含有量は、プリプレグを163℃で15分間加熱し、プリプレグ加熱前の質量W0と加熱後の質量Wとに基づき、下記式により導出されるものである(なお、W0とWは基材を除いた樹脂のみの質量である)。
揮発成分含有量(質量%)=100×{(W0−W)/W}
そして、エポキシ樹脂組成物の溶剤の成分のうち、最高沸点成分の沸点が130℃以下となるようにすることで、容易に揮発成分含有量を0.7質量%以下まで低減でき、ガラス転移温度の低下を特に有効に防止することができる。
本発明においてエポキシ樹脂組成物に配合される溶剤としては、例えば、アセトン(沸点56.5℃)、メチルエチルケトン(沸点79.5℃)等のケトン類、メタノール(沸点64.7℃)、エタノール(沸点78.4℃)、メトキシプロパノール(沸点120℃)等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点125℃)等のエーテル類、ベンゼン(沸点80.1℃)、トルエン(沸点110.6℃)等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プリプレグの基材としては、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラスマット等のガラス繊維を用いることができ、その他、クラフト紙、天然繊維布、有機合成繊維布等を用いることができる。
そして本発明のプリプレグは、プリント配線板用の積層板、多層板等の作製に用いられる。積層板は、上記のようにして得られたプリプレグを所要枚数重ね、例えば140〜200℃、0.5〜5.0MPa、40〜240分間の条件下で加熱加圧して積層成形することにより作製することができる。
この際、片面側または両面側の最外層のプリプレグに金属箔を重ね、これらを加熱加圧して積層成形することにより、金属張積層板を作製することができる。金属箔としては、銅箔、銀箔、アルミニウム箔、ステンレス箔等を用いることができる。
また、多層板は、次のようにして作製することができる。予め金属張積層板の片面または両面の金属箔にアディティブ法やサブトラクティブ法等により内層用の回路を形成するとともに、酸溶液等を用いてこの回路の表面に黒化処理を施すことにより、内層用回路板を作製しておく。
そして、この内層用回路板の片面または両面に、上記のプリプレグを所要枚数重ね、さらに必要に応じてその外面に金属箔を重ねて、これを加熱加圧して積層成形することにより多層板を作製することができる。
そして、上記のようにして作製した積層板や多層板の片面または両面にアディティブ法やサブトラクティブ法等により回路を形成し、必要に応じて、ドリル加工やレーザ加工等により穴あけを行い、この穴にめっきを施してスルーホールやバイアホールを形成する等の工程を行うことにより、プリント配線板や多層プリント配線板を作製することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1の配合量は質量部を示す。
エポキシ樹脂組成物の配合成分として以下のものを用いた。
(エポキシ樹脂)
・旭化成ケミカル株式会社製「AER4100」、エポキシ当量 320〜380g/eq、臭素含有率 16.5質量%、分子内平均エポキシ基含有量 2個、分子内に窒素および臭素を共に含有するエポキシ樹脂
・ダウケミカル株式会社製「DER593」、エポキシ当量 330〜390g/eq、臭素含有率 17〜18質量%、分子内平均エポキシ基含有量 2個、分子内に窒素および臭素を含有するエポキシ樹脂
・DIC株式会社製「EPICLON N690」、エポキシ当量 190〜240g/eq、臭素含有率 0質量%、分子内平均エポキシ基含有量 5〜3個、分子内に窒素も臭素も含有しないクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
・DIC株式会社製「EPICLON 1121」、エポキシ当量 450〜530g/eq、臭素含有率 19〜22質量%、分子内平均エポキシ基含有量 2個、分子内に窒素を含有せず臭素を含有するビスフェノールA型エポキシ樹脂
・東都化成株式会社製「YDB400」、エポキシ当量 400g/eq、臭素含有率 48質量%、分子内に窒素を含有せず臭素を含有するエポキシ樹脂
(硬化剤)
・DIC株式会社製「PHENOLITE KH6021」、水酸基当量 118g/eq、軟化点 125〜140℃、ビスフェノールA型フェノールノボラック樹脂
(硬化促進剤)
・株式会社日鉱マテリアルズ製「IS1000」、イミダゾールシラン化合物
(溶剤)
・メチルエチルケトン(沸点79.5℃)
・メトキシプロパノール(沸点120℃)
・シクロヘキサノン(沸点155.6℃)
[樹脂ワニスの調製]
上記の配合成分を表1の配合量(質量部)で配合し、溶剤で希釈したものをディスパー等で攪拌、均一化し、エポキシ樹脂組成物を得た。
[プリプレグ作製条件]
基材として、ガラスクロス(日東紡績株式会社製「2116タイプクロス」)を用い、このガラスクロスにエポキシ樹脂組成物のワニスを室温にて含浸させ、その後、非接触タイプの加熱ユニットにより、約130〜170℃で加熱することにより、ワニス中の溶剤を乾燥除去し、エポキシ樹脂組成物を半硬化させることによりプリプレグを作製した。プリプレグにおける樹脂量は、ガラスクロス100質量部に対して樹脂100質量部となるように調整した。
[銅張積層板成形条件]
上記において作製したプリプレグ4枚(340mm×510mm)を2枚の銅箔(厚み35μm、日鉱グールドフォイル株式会社製)の粗化面の間に挟んで170℃、2.94MPaで90分間積層成形して銅張積層板を得た。
〈臭素含有量〉
エポキシ樹脂組成物の臭素含有量(%)は以下の式により算出した。
{(各エポキシ樹脂の臭素含有率×固形分での配合量)の合計}/(各エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の固形分配合量の合計)×100
〈揮発成分含有量〉
揮発成分含有量は、プリプレグを163℃で15分間加熱し、プリプレグの加熱前の質量W0と加熱後の質量Wとに基づき、下記式により導出した(なお、W0とWは基材を除いた樹脂のみの質量である)。
揮発成分含有量(質量%)=100×{(W0−W)/W}
〈ガラス転移温度(DSC)〉
IPC-TM-650-2.4.25に基づいて、昇温スピード20℃/分の条件で測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2011046818
表1より、比較例3、4では分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂を配合しなかったが、この樹脂系では、溶剤に沸点の高いシクロヘキサノンを含有しない比較例3から溶剤にシクロヘキサノンを含有するものに変更し揮発成分含有量が0.7質量%を超えても、比較例4に示されるようにガラス転移温度に有意差は見られない。
そして比較例3のエポキシ樹脂を分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂した実施例1では、ガラス転移温度が大きく増加していることが分かる。
ところが、実施例1のように分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、および分子内にイミダゾール基とアルコキシシリル基とを含むイミダゾールシラン化合物を配合し、樹脂固形分の臭素含有量を10質量%以上としたエポキシ樹脂組成物では、溶剤を沸点の高いシクロヘキサノンを含有するものに変更し揮発成分含有量が0.7質量%を超えると、比較例1に示されるようにガラス転移温度が大きく低下する。これは実施例2および比較例2の結果にも表れている。
なお、実施例3は、実施例2の沸点130℃以下の成分(メチルエチルケトン、メトキシプロパノール)からなる溶剤をメトキシプロパノールのみに変更しているが、沸点130℃以下の溶剤成分の変更はガラス転移温度に影響を与えず実施例2と同等の高いガラス転移温度を示している。
このように、分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、および分子内にイミダゾール基とアルコキシシリル基とを含むイミダゾールシラン化合物を配合し、樹脂固形分の臭素含有量を10質量%以上としたエポキシ樹脂組成物では、沸点130℃以下の溶剤を用いて揮発成分含有量を0.7質量%以下とすることでガラス転移温度の低下を防止することができることが分かる。

Claims (4)

  1. 分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、分子内にイミダゾール基とアルコキシシリル基とを含むイミダゾールシラン化合物、および溶剤を含有し、樹脂固形分の臭素含有量が10質量%以上であるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し加熱乾燥して得られ、揮発成分含有量が0.7質量%以下であることを特徴とするプリプレグ。
  2. エポキシ樹脂組成物の溶剤の成分のうち、最高沸点成分の沸点が130℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 分子内に窒素および臭素を含むエポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有する硬化剤、分子内にイミダゾール基とアルコキシシリル基とを含むイミダゾールシラン化合物、および溶剤を含有し、樹脂固形分の臭素含有量が10質量%以上であるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸して加熱乾燥し、揮発成分含有量を0.7質量%以下とすることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  4. エポキシ樹脂組成物の溶剤の成分のうち、最高沸点成分の沸点が130℃以下であることを特徴とする請求項3に記載のプリプレグの製造方法。
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