JP2011046456A - エレベータの救出装置 - Google Patents

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Takeshi Tanaka
健 田中
Yukiomi Mizuno
幸臣 水野
Keita Shimabayashi
啓太 島林
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Abstract

【課題】保守作業員が昇降路ピット内に入ることなく、かごを最寄り階まで移動させることができ、乗客救出までの時間を短縮するエレベータの救出装置を得る。
【解決手段】エレベータの救出装置は、エレベータのかごを緊急時に手動で移動するエレベータの救出装置において、ガバナーロープまたはコンペンロープがストッパーが挿入されているとき隙間を通過するとともに上記ストッパーが抜かれたとき上記ガバナーロープまたはコンペンロープを掴持するロープキャッチャーと、上記ロープキャッチャーに一端が連結されるとともに途中が乗場付近に保持される引きワイヤーと、上記引きワイヤーの他端に連結されるワイヤー環と、を備え、上記ワイヤー環を引っ張ると上記かごが移動する。
【選択図】図1

Description

この発明は、エレベータのかごが階床間に停止したとき乗客を救出するエレベータの救出装置に関するものである。
従来、カゴとオモリの重量が拮抗している状態で、故障、停電などによりカゴが階床間で停止し、乗客の閉じ込めが発生した場合は、救出用のオモリを巻き上げロープ、コンペンロープ、ガバナーロープなどに固定してカゴとオモリの重量バランスを崩した上で、巻上機のブレーキを開放することにより、カゴを最寄り階まで移動させて乗客を救出している。
また、ロープを把持する金具を主ロープに取り付けて乗場から引っ張ることにより、カゴを移動させる構成が示されており、この方法によれば救出オモリを使用することなく乗客を救出することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−201074号公報
しかし、前述のどちらの方法でも保守作業員が昇降路ピット内に入って作業する必要があり、乗客の救出までに時間がかかるという問題がある。
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、保守作業員が昇降路ピット内に入ることなく、かごを最寄り階まで移動させることができ、乗客救出までの時間を短縮するエレベータの救出装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの救出装置は、エレベータのかごを緊急時に手動で移動するエレベータの救出装置において、ガバナーロープまたはコンペンロープがストッパーが挿入されているとき隙間を通過するとともに上記ストッパーが抜かれたとき上記ガバナーロープまたはコンペンロープを掴持するロープキャッチャーと、上記ロープキャッチャーに一端が連結されるとともに途中が乗場付近に保持される引きワイヤーと、上記引きワイヤーの他端に連結されるワイヤー環と、を備え、上記ワイヤー環を引っ張ると上記かごが移動する。
この発明に係るエレベータの救出装置は、乗場からワイヤーを引っ張ることによりかごを昇降させてかごを最寄り階の乗場に停止するので、救出者が昇降路内に入ることなく、乗客救出までの時間を短縮することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置を配備したエレベータの全体図である。 図1のガバナーロープ張り車周辺の拡大図である。 ロープキャッチャーの詳細図である。 図1のA−Aからの矢視図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータの救出装置を配備したエレベータの全体図である。 図5のストッパー固定金具周辺の拡大図である。 図5の返し車周辺の拡大図である。 この発明の実施の形態3に係る巻取り機構の斜視図である。
以下、本発明のエレベータの救出装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置を配備したエレベータの全体図である。図2は、図1のガバナーロープ張り車周辺の拡大図である。図3は、ロープキャッチャーの詳細図である。図4は、図1のA−Aからの矢視図である。
この発明の実施の形態1に係るエレベータは、昇降路20内を昇降するかご21、かご21と重さが釣合うおもり22、かご21とおもり22が両端に固定される主ロープ23、主ロープ23を走行する巻上げ機24、各階床の乗場の出入り口25に設けられた乗場ドア26、かご21に1箇所で固定されるとともにかご21の動きと同期して走行するガバナーロープ27、および、ガバナーロープ27に引張り力を加えるガバナーロープ張り車28を備える。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置は、ガバナーロープ張り車28の近傍に配備されるロープキャッチャー6、ロープキャッチャー6に一端が固定されるワイヤー7、および、ワイヤー7の他端に接続されるワイヤー環1を備える。
このロープキャッチャー6は、1つの蝶番で回動可能に支持される2個の把握手4a、4b、把握手4a、4bの間に形成される隙間を狭くする方向に把握手4a、4bに力を加えるバネ12、通常は把握手4a、4bの間の隙間がガバナーロープ27の径より広くなるように把握手4a、4bの間に挿入されているストッパー5、および、ワイヤー7の一端を取付けるワイヤー取付け部11を備える。
把握手4a、4bの先端部には滑り止めが施されている。
ストッパー5は、ガバナーロープ張り車28のガバナーロープ27の外れを防止する張り車カバー2に固定されている。
ワイヤー7を上方に引っ張り上げると、把握手4a、4bが上方に引き上げられ、ストッパー5が把握手4a、4bとの間から抜ける。すると、バネ12により把握手4a、4bの間の隙間が狭まり、ガバナーロープ27を把持する。
ワイヤー7は2階の乗場の敷居29に開けられた穴13を通されて敷居29の上まで引き出されている。この穴13の中にはワイヤー7が戻らないように保持する戻り防止爪3が設けられている。敷居29の上まで引き出されたワイヤー7は、ワイヤー仮止めバネ14により保持されている。
ワイヤー7の他端にはワイヤー固定金具15を用いてワイヤー環1が接続される。このワイヤー環1は、乗場ドア26と昇降路20の壁との間に置かれる。
次に、この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置による救出動作を説明する。
かご21とおもり22の重量が釣合った状態でかご21が階床間で停止し、乗客の閉じ込めが発生したとする。
この事態を聞いて救出する人(以下、救出者と称す)は、乗場の乗場ドア26と昇降路20の壁の間にワイヤー引っ掛け具16を挿入してワイヤー引っ掛け具16の先端の折り曲げ部にワイヤー環1を引っ掛ける。それからワイヤー引っ掛け具16を引いてワイヤー環1を乗場に引き出す。このときワイヤー7はワイヤー仮止めバネ14から外れる。
次に、ワイヤー環1を引張るとロープキャッチャー6が引き上げられ、把握手4a、4bの間からストッパー5が抜ける。すると、把握手4a、4bの隙間が狭くなり、ガバナーロープ27を掴む。
ここで巻上げ機24のブレーキを開放する。それからワイヤー環1をさらに引き出すとガバナーロープ27に移動に伴いかご21が上昇し、かご21を2階の乗場の位置で停止する。
次に、かご21のドアを開いて乗客を救出する。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置では、2階の乗場からワイヤー7を引っ張り上げてかご21を2階の乗場に停止するので、救出者が昇降路20内に入ることなく、1階の高さの分だけかご21を移動させることができる。
また、救出者が昇降路20内に入らないので、昇降路20内に人が入りための確認などに要する時間が掛からず、短時間で乗客を救出することができる。
また、ワイヤー引っ掛け具14を用いてワイヤー環1を引き出すので、ワイヤー環1を乗場ドア26と昇降路20の壁の間に隠しておけて悪さをされない。
なお、上述の停止した階床間の上の階床にかご21を移動させて乗客を救出したが、かご21を停止した階床間の下の階床にかご21を停止して乗客を救出しても良い。
また、上述の実施の形態1ではガバナーロープ27を把持してかご21を移動するが、図示しないコンペンロープを把持してかご21を移動しても良い。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係るエレベータの救出装置を配備したエレベータの全体図である。図6は、図5のストッパー固定金具周辺の拡大図である。図7は、図5の返し車周辺の拡大図である。
この発明の実施の形態2に係るエレベータの救出装置は、この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置とロープキャッチャー6の配置位置が異なり、それに関連して返し車9とストッパー固定金具10を追加し、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係るロープキャッチャー6の把握手4a、4bの間に挿入されるストッパー5は、レール30に固定されるストッパー固定金具10に下向きに突き出すように固定されている。把握手4a、4bは、ストッパー固定金具10の下側にストッパー5が把握手4a、4bの間に挿入するように配置される。ワイヤー7は下方に引き出されている。
返し車9は、レール30に固定された返し車固定金具17に固定されている。そして、ロープキャッチャー6から引き出されたワイヤー7は、返し車9に半回分巻かれて方向転換し、その後1階の敷居29の穴13を通って1階の乗場まで引き出される。
次に、この発明の実施の形態2に係るエレベータの救出装置による救出動作を説明する。
かご21とおもり22の重量が釣合った状態でかご21が階床間で停止し、乗客の閉じ込めが発生したとする。
救出者は、乗場の乗場ドア26と昇降路20の壁の間にワイヤー引っ掛け具16を挿入してワイヤー引っ掛け具16の先端の折り曲げ部にワイヤー環1を引っ掛ける。それからワイヤー引っ掛け具16を引いてワイヤー環1を乗場に引き出す。このときワイヤー7はワイヤー仮止めバネ14から外れる。
次に、ワイヤー環1を引っ張るとワイヤー7が張られてロープキャッチャー6が引き下げられ、把握手4a、4bの間からストッパー5が抜ける。すると、把握手4a、4bの隙間が狭くなり、ガバナーロープ27を掴む。
ここで巻上げ機24のブレーキを開放する。それからワイヤー環1を引き出すとガバナーロープ27に移動に伴いかご21が下降し、かご21を乗場の位置で停止する。
次に、かご21のドアを開いて乗客を救出する。
この発明の実施の形態2に係るエレベータの救出装置は、この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置と同様な効果を奏するとともに、ロープキャッチャー6がピットより上部に固定されていて返し車9で反転させ引けるのでかご21の救出ストロークも十分得ることができるという効果を奏する。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係る巻取り機構の斜視図である。
この発明の実施の形態3に係るエレベータの救出装置は、この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置にワイヤー7を巻き取る巻取り機構を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
この発明の実施の形態3に係る巻取り機構は、ワイヤー7を巻き付ける巻取りドラム31と、巻取りドラムの巻き戻しを防止する巻取り戻り防止ピン32およびピニオン歯車33と、巻取りドラム31の一端面に挿入して巻取りドラム31を回転する巻取りハンドル34と、巻取りドラム31の一端が露出しているとともに巻取りハンドル34を収納する鍵付収納箱35を備える。
次に、この発明の実施の形態3に係る巻取り機構でワイヤー7を巻き取る手順を説明する。
かご21とおもり22の重量が釣合った状態でかご21が階床間で停止し、乗客の閉じ込めが発生したとする。
救出者は、鍵付収納箱35の鍵を解錠して巻取りハンドル34を取り出し、巻取りハンドル34の係合部を巻取りドラム31の一端面の被係合部に挿入する。次に、巻取りハンドル34で巻取りドラム31を回転してワイヤー7を巻き取る。なお、ワイヤー7の一端は巻取りドラム31に固定されている。
この発明の実施の形態3に係るエレベータの救出装置は、この発明の実施の形態1に係るエレベータの救出装置と同様な効果を奏するとともに、巻取り機構を具備することによりワイヤー7を小さな力の人でも十分に引っ張ることができるという効果を奏する。
なお、巻取りドラム31に図示しないモータを備えた減速機を連結しておいても良い。このようにすることによりワイヤー7の引っ張りを確実に行うことができる。
1 ワイヤー環、2 張り車カバー、3 戻り防止爪、4a、4b 把握手、5 ストッパー、6 ロープキャッチャー、7 ワイヤー、9 返し車、10 ストッパー固定金具、11 ワイヤー取付け部、12 バネ、13 穴、14 ワイヤー仮止めバネ、15 ワイヤー固定金具、16 ワイヤー引っ掛け具、17 返し車固定金具、20 昇降路、21 かご、22 おもり、23 主ロープ、24 巻上げ機、25 出入口、26 乗場ドア、27 ガバナーロープ、28 ガバナーロープ張り車、29 敷居、30 レール、31 巻取りドラム、32 巻き戻し防止ピン、33 ピニオン歯車、34 巻取りハンドル、35 鍵付収納箱。

Claims (5)

  1. エレベータのかごを緊急時に手動で移動するエレベータの救出装置において、
    ガバナーロープまたはコンペンロープがストッパーが挿入されているとき隙間を通過するとともに上記ストッパーが抜かれたとき上記ガバナーロープまたはコンペンロープを掴持するロープキャッチャーと、
    上記ロープキャッチャーに一端が連結されるとともに途中が乗場付近に保持される引きワイヤーと、
    上記引きワイヤーの他端に連結されるワイヤー環と、
    を備え、
    上記ワイヤー環を引っ張ると上記かごが移動することを特徴とするエレベータの救出装置。
  2. 上記ワイヤー環を引っ掛けるワイヤー引っ掛け金具を備えることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの救出装置。
  3. 上記ワイヤーの返し車を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの救出装置。
  4. 上記ワイヤーを巻き取る巻取り機構を上記乗場に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータの救出装置。
  5. モータを具備するとともに上記ワイヤーの巻取りドラム回転する減速機を備えることを特徴とする請求項4に記載のエレベータの救出装置。
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