JP2011046413A - 耐水性を有する紙カップとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性と密封性が優れた紙カップ、特に高温高圧下でもレトルト殺菌処理可能な耐水性を有する紙カップとその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】紙と熱可塑性樹脂層が積層されたブランク用包装材料からなり、扇形状または方形状の胴部材ブランクの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部貼り合せ部を形成させて円筒形状の胴部材とし、胴部材の上部周縁を外方または内方に向けて巻き込み、口縁部を形成させた紙カップであって、胴部材ブランクの全周に表裏より延設された熱可塑性樹脂層が設けられていることを特徴とする紙カップ。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙カップ等の紙容器に関し、特にレトルト殺菌処理可能な耐水性を有する紙カップとその製造方法に関する。
ジュース等の飲料を充填し、上部の開口部を蓋材で密封して使用するカップ状紙容器は、紙を基材とし両面にポリエチレン等の熱可塑性樹脂層を設けた積層材料を所定の形状に打ち抜いたブランクを、胴部に接合部を設けて成形したカップ状紙容器が一般的であった。
このようなカップ状紙容器において容器内部の水分や容器外部の水分から容器を構成する積層材料を保護してさらに酸素や水蒸気等のガスに対するバリア性を必要とする場合、前記胴部の積層材料として、例えば、表側から、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレン、またはポリエチレン/紙/ポリエチレン/金属酸化物蒸着層を有するプラスチックフィルム/ポリエチレンのような材料を用いて成形した紙カップ等の紙容器を用いることが多かった。
しかしながら、胴部ブランクの接合部においてはブランクの両端部を単に重ね合わせて接着するだけでは、ブランクを構成する積層材料の端面が露出してそこから侵入する水分等で紙層やバリア層の金属成分が侵食されるので端面保護のためにいろいろな方法が考えられてきた。
カップ状紙容器の接合部のバリア性を確保するため、例えば、カップ状紙容器の胴部を構成する胴部材の接合部の容器内面側に位置する端面を保護するための端面処理(エッジプロテクト)の方法として、図2(a)〜(c)に示すスカイブヘミングと呼ばれる方法も知られている。
この方法では紙基材(101)に熱可塑性樹脂(102)、(103)を積層した図2(a)に示すような積層シートからなる胴部材(100)の最外層端縁部を切削ミーリング方式あるいは切削ベルナイフ方式等により図2(b)に示すように胴部材(100)の厚みの約半分をスカイブ(切削)する。次に、スカイブ(切削)した残りの半分を削除面が内側になるようにヘミング(折り返し)し、図2(c)に示すように熱可塑性樹脂によって紙端面を保護する。
上記、紙端面のスカイブヘミング加工を行うためには、あらかじめ打ち抜いた胴部材(ブランク)を紙カップに成形する前に、特別の加工機械を用いて紙端面のスカイブヘミング加工を行うことが必要である。また、スカイブ端面を一直線上にそろえるため、カップ成形機でスカイブヘミング加工をすると同時にカップ成形をすることは困難であった。このようにスカイブヘミング加工は複雑な加工工程を経なければならず、さらに、用紙をスカイブ(切削)するため紙粉が発生し、紙粉の完全除去が困難であった。
スカイブヘミング加工はさらに、スカイブ深さの管理が難しく成形後にスカイブ部からの切れが発生する場合があり、サイドシール等が安定しないという問題もあった。加えて、スカイブヘミング加工でのスカイブ後の折り返し接着には糊を使用するため、糊の量や位置等の管理が難しかった。
スカイブヘミング加工を行わずにバリア性に優れたカップ状紙容器を作製する方法とし
て、紙基材の端面がフィルムで覆われたブランクを用い、カップ状紙容器を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この紙基材の端面を保護した、バリア性を有するカップ状紙容器においては、胴部貼り合わせ部の内側の端縁は全体にわたって熱可塑性樹脂層が紙基材から延出して作製されている。このように、紙基材から延出した熱可塑性樹脂層のフィルムは、カップ成形する際に、不規則に成形されてしまい、本来の目的である紙基材の端面を被覆することが十分にできないことがあった。また、カップ状紙容器としての仕上がりが悪く、外観的に不具合が生じてしまう等の問題があった。
さらに、少なくとも内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シートを所定の形状に打ち抜き、一方の側端縁に外方に延出する樹脂部を、基材の端面に沿って、密着被覆させたブランクを、他方の側端縁の内側となるように重ね合わせ、密着することにより胴部貼り合わせ部を形成することが提案されている(特許文献2参照)。
この紙容器では、カップ状容器の場合、開口部に胴部材の上端縁部を巻き込んでフランジ部が形成されているため、前記フランジ部で、基材の紙の厚みによる段差部が生じる。そのため、前記フランジ部の上面に蓋材を重ね、そのまま加熱シールした場合、前記段差部により密封を確実に行うことができなかった。特に、前記フランジ部が扁平状態の場合、前記基材の厚みによる影響が大きかった。
また、前記密封を確実に行うためには、前記フランジ部の上面の段差部を埋めるため、たとえば別の樹脂等からなる充填部材を設けて段差部を解消するために前記段差部の位置の密封シールを部分的に行なう等の手段を用いなければならなかった。
胴ブランクの、内面に熱可塑性樹脂層が設けられた紙を基材とする積層シート接合部の上部に切欠き部を設け、ブランクの重ね合わせ部の内側に位置する側端縁は、前記基材の側端縁から延出する樹脂部を基材の外面側に折り返した折り返し樹脂部を有するブランクを、他方の側端縁の内側となるように重ね合わせて基材に密着することにより胴部貼り合わせ部を形成した紙容器も提案されている(特許文献3参照)。
この紙容器は、貼り合わせ部における内面側基材端面は、熱可塑性樹脂層で被覆することにより保護されている。
特許文献3にはまた、カップ状容器の場合、開口部に胴部材の上端縁部を巻き込んでフランジ部が形成されているため、前記フランジ部で、基材の紙の厚みによる段差部が生じるので、前記フランジ部の上面に蓋材を重ね、そのまま加熱シールした場合、前記段差部により密封が確実に行うことができなかったという問題に対する解決策として胴部材ブランクの接合部の上部に切り欠きを設けるという手段も用意されている。しかしながら、接合部の上部に設けた切り欠きの切断面からの水分の侵入を完全に防止することは困難であった。
上記のように、カップ状容器の胴部材を形成する胴ブランクの重ね合わせ接合部の端面を樹脂層で被覆する方法は種々提案されているが、上部フランジ部及び底部の紙基材端面からの水分浸透防止に関しては形状が曲線であることから端面から延出する樹脂層の形成が困難であり胴ブランク上部端縁の巻き込みカール時に巻き込んで重ねる回数を増やすことが行われてきた。また、底部に関しても胴ブランク下部端縁の底部ブランク周縁部の挟み込み部分を長く取り、胴ブランク下部端縁の切り口が露出しないようにすることで対処する等の対策が採られてきた。
このような、上部フランジ部及び底部の紙基材端面からの水分浸透防止のためにブラン
クの上下端を巻き込んで重ねる回数を増やすことはカップ成型時に完全密封しなければならない場所を増やし、結果として成型の安定性を損なう原因となる。
そのために、巻き込み回数を増やす方法ではレトルト殺菌などの苛酷な条件下でも紙基材端部からの水分の浸透を完全に防止することは困難であった。
基材に用いる紙自体に端面からの水分浸透性の少ないものを用いることによって紙基材端面からの水分の浸透を抑えて、たとえばレトルト殺菌時の熱水にも耐えるカップ状容器とする試みも提案されている。
紙基材の端面からの湿潤浸透距離(エッジウィック)を小さくすることでレトルト時の熱水の浸漬を抑える効果を得るという考えに基づく提案は多く提示されている。たとえば、エッジウィックが、10mm/24hrより大きな値となると紙基材の端面から水が浸透することにより、紙基材の層間剥離や形状破壊が起こりやすくなる。
なお、エッジウィック(湿潤浸透距離)とは、紙基材端面からの水分浸透性の指標となるもので、紙基材の両面にビニルテープを貼り、巾10mm、長さ5cmの大きさに切断したサンプルを乳酸1重量%の水溶液に24時間浸漬後、サンプル紙基材の端面から水の浸透距離を測定して求めたものである。
端面からの水分浸透性の指標としてはJIS P8122に規定された 紙のステキヒト・サイズ度試験方法等もある。
特許文献4では、胴部と底部のブランク板が、少なくとも最外層の耐熱性熱接着性樹脂層と、中間層のコップ原紙およびガスバリア層と、最内層の耐熱性熱接着性樹脂層とを含む積層シートで形成され、且つ、該コップ原紙の米坪量が150〜400g/mの範囲であって、該コップ原紙のステキヒト・サイズ度が400秒以上である原紙を使用する、レトルト殺菌処理可能な紙カップ容器が提案されている。
ステキヒト・サイズ度が400秒を下回る場合はコップ原紙の耐水度が不足し、積層シート端縁部の端面は、外部に露出しているため、レトルト殺菌処理の加熱蒸気がこの部分からコップ原紙の内部に浸透し、ふやけ現象を発生すると共に、剛性の低下により容器の変形も認められるとされている。
ここでは、熱水が浸透しにくい紙を使用してはいるが、レトルト殺菌時に加わり得る高圧条件下で熱水の浸透を完全に防ぐのは困難である。また、水分浸透性の指標としてのステキヒト・サイズが通常の倍以上の秒数の原紙が必要となり、特殊な紙を使用する必要があるので経済性および加工技術面からの問題もある。
基材に用いる紙として、熱水浸漬時にも強度が低下し難い加工を施した紙を使用することによってレトルト殺菌時の熱水にも耐えるカップ状容器とする試みも提案されている。特殊な紙を必要としない方法として、特許文献5には、耐熱性、耐水性、耐摩擦性および耐レトルト性に優れた塗膜物性が得られるα−メチルスチレンとメタクリル酸メチル、およびカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を必須成分とする水性アクリル樹脂を紙基材へ塗工して耐久性を付与することが提案されている。
さらに特許文献5には、含浸により紙基材の繊維構造物内部にポリイソシアネート化合物を導入し、繊維自体に被膜を形成して繊維の絡み合い部分に固着し水と尿素化合物を生成させることを併用することも提案されている。生成した尿素化合物は耐水性、耐熱性に優れるため、その含浸物である繊維構造物に極めて高い乾燥強度、湿潤強度、耐熱水性を付与することができる。
この方法によれば、たとえばレトルト殺菌時に紙基材内部に熱水が浸透しても紙基材に極めて高い乾燥強度、湿潤強度、耐熱水性が付与されているためにふやけ現象を発生することや、剛性の低下により容器の変形が発生することがない。
しかしながら、高温高圧でのレトルト殺菌時に紙基材内部に浸透した熱水を蒸発させる過程で内部の水蒸気を外部に蒸散させるための水蒸気透過性が必要であるため、紙基材表面の印刷適性を確保するためのコート層の形成に限界があり美麗な容器とならない場合があった。
特開昭51−122566号公報 特開2005−272010号公報 特開2008−222245号公報 特開2005−35574号公報 特開2003−26980号公報
本発明は、耐水性と密封性が優れた紙カップ、特に高温高圧下でもレトルト殺菌処理可能な耐水性を有する紙カップとその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1の発明は、紙と熱可塑性樹脂層が積層されたブランク用包装材料からなり、扇形状または方形状の胴部材ブランクの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部貼り合せ部を形成させて円筒形状の胴部材とし、円形状の底部材ブランクを周縁部を下向きに起立させて底部材とし、胴部材の下部内面に底部材の周縁部の内面を接合させ、さらに底部材の周縁部を覆うように前記胴部材の下端縁部を内方に折り曲げて折り曲げ部を形成させ、該折り曲げ部を底部材の周縁部の外面に接合させて環状脚部を形成させ、胴部材の上部周縁を外方または内方に向けて巻き込み、口縁部を形成させた紙カップであって、胴部材ブランクの全周に表裏より延設された熱可塑性樹脂層が設けられていることを特徴とする耐水性を有する紙カップである。
本発明の請求項2の発明は、前記延設された熱可塑性樹脂層が胴部材ブランクの端縁部を覆うように折り返されていることを特徴とする請求項1に記載の耐水性を有する紙カップである。
本発明の請求項3の発明は、熱可塑性樹脂層は、バリア層を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の耐水性を有する紙カップである。
本発明の請求項4の発明は、紙と熱可塑性樹脂層が積層されたブランク用包装材料に所定の形状の窓を打ち抜く第一打ち抜き工程と、前記ブランク用包装材料の、少なくとも前記窓部分に熱可塑性樹脂層を形成する第一フィルム形成工程と、前記ブランク用包装材料に別の形状の窓を打ち抜く第二打ち抜き工程と、前記ブランク用包装材料の、少なくとも前記別の形状の窓部分に熱可塑性樹脂層を形成する第二フィルム形成工程と、前記ブランク用包装材料を所定の形状の胴部材ブランクに打ち抜く第三打ち抜き工程と、前記胴部材ブランクの熱可塑性樹脂層を形成した両方の側端縁を重ね合わせて密着させて胴部貼り合わせ部を形成する胴部形成工程と、前記胴部材ブランクの熱可塑性樹脂層を形成した上端縁を巻き込み口縁部を形成する口縁部形成工程と、前記胴部材ブランクの熱可塑性樹脂層を形成した下端縁を折り曲げて底部ブランクを挟み込んで環状脚部を形成する環状脚部形
成工程とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐水性を有する紙カップの製造方法である。
本発明の請求項1に係る発明の耐水性を有する紙カップは、紙と熱可塑性樹脂層が積層されたブランク用包装材料からなり、扇形状または方形状の胴部材ブランクの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部貼り合せ部を形成させて円筒形状の胴部材とし、円形状の底部材ブランクを周縁部を下向きに起立させて底部材とし、胴部材の下部内面に底部材の周縁部の内面を接合させ、さらに底部材の周縁部を覆うように前記胴部材の下端縁部を内方に折り曲げて折り曲げ部を形成させ、該折り曲げ部を底部材の周縁部の外面に接合させて環状脚部を形成させ、胴部材の上部周縁を外方または内方に向けて巻き込み、口縁部を形成させた紙カップの、胴部材ブランクの全周に表裏より延設された熱可塑性樹脂層が設けられているので、胴部材ブランクの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部貼り合せ部を形成させて円筒形状の胴部材とする時に胴部貼り合せ部を形成する両端縁の切り口を表裏より延設された熱可塑性樹脂層が覆うことによって貼り合せ部からの水分の浸入を防ぎ、外部からの水分の浸入による胴部材の膨潤や変形を防止することが出来る。
また、胴部材の下部内面に円形状の底部材の起立させた周縁部の内面を接合させ、さらに底部材の周縁部を覆うように前記胴部材の下端縁部を内方に折り曲げて折り曲げ部を形成させ、該折り曲げ部を底部材の周縁部の外面に接合させて環状脚部を形成させる時に、胴部材の折り曲げ部端部を熱可塑性樹脂層が覆うことによって貼り合せ部から胴部材内部と底部材内部への水分の浸入を防ぎ、外部からの水分の浸入による胴部材および底部材の膨潤や変形を防止することが出来る。
さらに、胴部材の上部周縁を外方または内方に向けて巻き込み、口縁部を形成させた時に胴部材の上部周縁の巻き込み部端部を熱可塑性樹脂層が覆うことによって胴部材の口縁部上端縁から胴部材内部への水分の浸入を防ぎ、外部からの水分の浸入による胴部材の膨潤や変形を防止することが出来る。
本発明の耐水性を有する紙カップによれば、このように、胴部材ブランクの上下左右の端縁の全周にわたってブランクの表裏より延設された熱可塑性樹脂層が設けられていることによって、胴部材のすべての切り口からの内部への水分の浸入を防ぎ、外部からの水分の浸入による胴部材の膨潤や変形を効果的に防止することが出来る。その結果、耐水性と密封性が優れた紙カップ、特に高温高圧下でもレトルト殺菌処理可能な耐水性を有する紙カップが得られる。
また、レトルト殺菌処理のような高温高圧条件ではない条件、たとえば簡易な湯煎設備で短時間に加熱調理してホット販売を行うような場合でも、紙カップの紙基材の切り口からの水分の浸透を防止できる構成とすることによって原紙の材料選定の範囲が広がり、通常の耐水性の低い原紙等も使用出来るようになった。
本発明の請求項2に係る発明によれば、前記延設された熱可塑性樹脂層が胴部材ブランクの端縁部を覆うように折り返されていることにより、端縁部で単に熱圧着されている場合に比べて胴部材ブランク端縁部の封止がより完全になり、端縁部からの水分の浸入をより確実に防止できるようになる。
のみならず、胴部貼り合わせ部においては貼り合せに必要な樹脂量が確保でき、胴部材ブランクの重ね合わせ部分の接着が紙基材の段差や樹脂部の乱れ等が目立たずに確実におこなえるようになる。
さらに、熱可塑性樹脂層がバリア層を含む熱可塑性樹脂層の場合、胴部材ブランクの端縁部を覆うように折り返されていて熱可塑性樹脂層の切り口が胴部材ブランクの重ね合わせ部分のもう一方の樹脂層によって覆われていることにより、前記ガスバリア層の端面が露出することを防止できる。これによって、断面からの浸水や酸化に耐性の少ない金属層等をガスバリア層として用いた場合でもそのバリアの効果が確実に発揮できるようになる。
本発明の請求項3に係る発明によれば、熱可塑性樹脂層が、バリア層を含むことによって、内容物の保存性がより優れた紙カップが得られる。
本発明の請求項4に係る発明によれば、少なくとも紙基材を含む層からなるブランク用包装材料に所定の形状の窓を打ち抜く第一打ち抜き工程と、前記窓部分を含む表裏面に熱可塑性樹脂層を形成する第一フィルム形成工程と、別の形状の窓を打ち抜く第二打ち抜き工程と、前記別の形状の窓部分を含む表裏面に熱可塑性樹脂層を形成する第二フィルム形成工程と、所定の形状の胴部材ブランクに打ち抜く第三打ち抜き工程と、前記胴部材ブランクの熱可塑性樹脂層を形成した両方の側端縁を重ね合わせて密着させて胴部貼り合わせ部を形成する胴部形成工程と、前記胴部の熱可塑性樹脂層を形成した上端縁を巻き込んで口縁部を形成する口縁部形成工程と、前記胴部の熱可塑性樹脂層を形成した下端縁を折り曲げて底部ブランクを挟み込んで環状脚部を形成する環状脚部形成工程とを有する耐水性を有する紙カップの製造方法であるから、胴部材ブランクの上下左右すべての紙端面の被覆に支障をきたさず、かつ、紙カップとしての仕上がり外観の綺麗な耐水性を有する紙カップとそれをロール状の紙基材から直接紙カップにする紙カップの製造方法を提供することが出来る。
本発明の製造方法では、さらに、胴部材ブランクの側端縁延設樹脂部の端面折り返し装置を紙カップを成形する紙カップ成形機上に設けることができる。このために各工程間でのロスが少なく、さらに効率良く紙カップを生産することができる。
また、ウェブ状シートの状態で各端縁の端面処理(エッジプロテクト)が施すことが出来るために、紙カップを成形する成形機の選択の幅が広くなり、巻き取り形式タイプ、枚葉形式タイプ等の広範な成形機での製造が可能になる。
また、ウェブ状シートの不要部分をカットすることによって、従来の紙カップ成形機も容易に使用することができる。
さらに、端面処理(エッジプロテクト)が紙基材を折り曲げることなく熱可塑性樹脂層で紙基材端面を覆って封止処理する方法で行われる。
このためにピンホールやクラック等のない酸素バリア性、水蒸気バリア性などの向上した物性品質の高い耐水性を有する紙カップが得られる。
紙カップの製造工程を示す説明図である。 スカイブヘミング加工の例を示す断面説明図である。 胴部材の両端貼り合わせ部の例を示す断面説明図である。 胴部材の両端貼り合わせ部の例を示す断面説明図である。 胴部材の両端貼り合わせ部の例を示す断面説明図である。 胴部材の両端貼り合わせ部の例を示す断面説明図である。 口縁部の例を示す断面説明図である。 環状脚部の例を示す断面説明図である。 ブランク用包装材料に所定の形状の窓を打ち抜く第一打ち抜き工程を示し、(A)は平面説明図であり、(B)は(A)のX−X’線断面説明図である。 ブランク用包装材料の窓部分に熱可塑性樹脂層を形成する第一フィルム形成工程を示し、(A)は平面説明図であり、(B)は(A)のX−X’線断面説明図である。 ブランク用包装材料に別の形状の窓を打ち抜く第二打ち抜き工程を示し、(A)は平面説明図であり、(B)は(A)のY−Y’線断面説明図である。 ブランク用包装材料の別の形状の窓部分に熱可塑性樹脂層を形成する第二フィルム形成工程を示し、(A)は平面説明図であり、(B)は(A)のY−Y’線断面説明図である。 ブランク用包装材料を所定の形状の胴部材ブランクに打ち抜く第三打ち抜き工程を示し、(A)は平面説明図であり、(B)は(A)のX−X’線断面説明図である。 ブランク用包装材料を所定の形状の胴部材ブランクに打ち抜く第三打ち抜き工程を示し、(A)は平面説明図であり、(B)は(A)のY−Y’線断面説明図である。
本発明の耐水性を有する紙カップの実施形態の例を図面に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の耐水性を有する紙カップは、例えば、内面及び外面に熱可塑性樹脂層が設けられた、紙を基材とする積層シートから構成されている。
図1は紙カップの製造工程を簡単に示す説明図である。
図1に示すように、それぞれ樹脂部を有する紙基材上端縁(8)、紙基材下端縁(9)、紙基材側端縁(11)、紙基材側端縁(12)を設けた胴部材ブランク(10)の、一方の側端縁(11)をもう一方の側端縁(12)に重ね合わせて胴部貼り合わせ部(15)を形成させて円筒形状の胴部材(18)とする。
また、底部材(20)は、円形状で、下向きに起立させた底部材周縁部(21)を有する。そして、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させる。
さらに底部材周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の紙基材下端縁(9)を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて環状脚部(22)を形成させる。
一方、胴部材の紙基材上端縁(8)を、外方に1周以上巻き込み、口縁部(16)を形成させて紙カップとする。
なお、このような構造は、テーパー状の紙カップに限定されず、円筒状のカップ状紙容器であっても同様である。さらには、内容物および外部環境からの水分の浸透等に対する紙基材接合部のエッジプロテクトを要求される紙容器であっても以下の接合部の構造の基本は同じである。
図3、図4、図5、図6はそれぞれ本発明の紙カップの胴部貼り合わせ部(15)の例を示す断面説明図であり、(a)は胴部貼り合わせ部の内側となるブランクの断面説明図、(b)は胴部貼り合わせ部の外側となるブランクの断面説明図であり、(c)は貼り合わせ後の貼り合わせ部(15)の断面説明図である。
図3に示したのは、胴部材ブランク(10)は、胴部貼り合わせ部(15)において容器内面側に位置する一方の側端縁が、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層(40)と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層(41)が、紙基材(1)の側端縁(11)より外方に延出した外延樹脂部(4a)を、紙基材外面側に折り返した折り返し樹脂部(4b)を備えた構成となっている状態である。
図3では、また、胴部貼り合わせ部(15)において容器外面側に位置するもう一方の側端縁が、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層(40)と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層(41)が、紙基材(1)の側端縁(12)より外方に延出した外延樹脂部(4c)を、基材(1)の内面側に折り返した折り返し樹脂部(4d)を備えた構成を示した。
このように、胴部貼り合わせ部(15)において容器内面側に位置する側端縁においては折り返し樹脂部(4b)は、外延樹脂部(4a)を基材(1)の外面側に折り返した構成とすることで、胴部貼り合わせ部(15)における貼り合わせ部内面の密封性が良好となりかつ貼り合せに必要な樹脂量が確保できる。
また、胴部貼り合わせ部(15)において容器外面側に位置する側端縁においては折り返し樹脂部(4d)は、外延樹脂部(4c)を基材(1)の内面側に折り返した構成とすることで、胴部貼り合わせ部(15)における貼り合わせ部外面の密封性が良好となりかつ貼り合せに必要な樹脂量が確保できる。
さらに、容器内容物と処理方法により、胴部貼り合わせ部の容器外部からの浸水に対するエッジプロテクトの必要性が少ない場合、その程度によっては、図4に示したように胴部貼り合わせ部(15)において容器外面側に位置する胴部材ブランクのもう一方の端縁は、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層(40)と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層(41)が、紙基材(1)の側端縁(12)より外方に延出した樹脂部(4c)を、容器内面側の紙基材(1)の外面側の熱可塑性樹脂(41)に重ねて圧着した構成とすることも出来る。
さらに、容器内容物により、胴部貼り合わせ部の容器内部からの浸水に対するエッジプロテクトの必要性が少ない場合、その程度によっては、図5に示したように胴部貼り合わせ部(15)において容器内面側に位置する胴部材ブランクの端縁が、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層(40)と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層(41)が、紙基材(1)の側端縁(11)より外方に延出した樹脂部(4a)を、容器外面側の基材(1)の内面側の熱可塑性樹脂(40)に重ねて圧着した構成とすることも出来る。
さらに、容器内容物と処理方法により、胴部貼り合わせ部の容器内外からの浸水に対するエッジプロテクトの必要性が少ない場合、その程度によっては、図6に示したように胴部貼り合わせ部(15)において容器内面側に位置する胴部材ブランクの端縁が、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層(40)と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層(41)が、紙基材(1)の側端縁(11)より外方に延出した樹脂部(4a)を、容器外面側の紙基材(1)の内面側の熱可塑性樹脂(40)に重ねて圧着し、かつ、容器外面側に位置する胴部材ブランクのもう一方の端縁が、紙基材内面側の熱可塑性樹脂層(40)と紙基材外面側の熱可塑性樹脂層(41)が、紙基材(1)の側端縁(12)より外方に延出した樹脂部(4c)を、容器内面側の基材(1)の外面側の熱可塑性樹脂(41)に重ねて圧着した構成とすることも出来る。
このような構造を有している本発明の紙カップは、胴部貼り合わせ部(15)の内側に位置する紙基材の端面が、折り返し樹脂部(4b)または熱圧着により封止された外延樹脂部(4a)により保護されており、胴部貼り合わせ部(15)の外側に位置する紙基材の端面が、折り返し樹脂部(4d)または熱圧着により封止された外延樹脂部(4c)で保護されているので、容器に充填された内容物成分の胴部貼り合せ部の紙基材端面からの浸透を防止することが出来るだけでなく、容器外部からの水や熱水等の浸透をも防止することも出来るエッジプロテクト効果を得ることが出来る。
紙基材左右端面に外延した外延樹脂部(4a)、(4c)は端面に穿孔した紙基材の両面に熱可塑性樹脂層(40)、(41)をたとえば押出し法により設けることにより、前
記両面の熱可塑性樹脂層が左右それぞれの紙基材(1)の端面の外縁で一体化された状態で形成される。
前記外延樹脂部(4a)、(4c)は、紙基材両面に設けた熱可塑性樹脂層で形成する以外、別の部材、例えば、テープを紙基材の端部に設け、前述と同様に、外縁で一体化した構成でもよい。また、前記外延樹脂部(4a)、(4c)は、一方を紙基材に設けた熱可塑性樹脂層を外延した部分を用い、他方をテープとし、前述と同様外縁で一体化した樹脂部でもよい。
本発明の耐水性を有する紙カップには図1に示すような口縁部(16)が設けられており、胴部材(18)の上端縁においては、胴部材の上端外延樹脂部(4e)を延設した上部周縁を外方に1周以上巻き込んで、図7に部分断面説明図を示したような、少なくとも3重構成の口縁部を形成する。
また、図1に示すような環状脚部(22)が設けられており、円形状の底部材ブランク(20)を底部材周縁部(21)を下向きに起立させて底部材とし、胴部材(18)の下部内面に底部材の周縁部の内面を接合させ、さらに底部材の周縁部を覆うように胴部材の下端外延樹脂部(4f)を延設した紙基材下端縁(9)を内方に折り曲げて折り曲げ部を形成させ、該折り曲げ部を底部材の周縁部の外面に接合させて図8に部分断面説明図を示したような環状脚部を形成する。
このように、本発明の耐水性を有する紙カップにおいては、胴部材(18)の貼り合せ部両端のみならず口縁部を形成する胴部材上端縁と胴部材下端縁を含む胴部材ブランク(10)の全周にわたって胴部材ブランクの表裏より延設された熱可塑性樹脂層が設けられていることにより、紙カップを構成する胴部材のすべての断面が保護されている。
また、底部材ブランクの断面は胴部材下部の折り曲げと挟み込み接着により密封されているので、紙カップを構成する部材のすべての断面が保護されている。
したがって、本発明によれば、容器に充填された内容物成分の紙基材端面からの浸透を防止することが出来るだけでなく、容器外部からの水や熱水等の浸透をも防止することも出来る、熱水へのドブ漬けも可能な耐水性を有する紙カップが得られる。
紙基材上下端面に外延した樹脂部(4e)、(4f)は紙基材の両面に熱可塑性樹脂層(43)、(44)をたとえば押出し法により設けることにより、前記両面の熱可塑性樹脂層が上下それぞれの端面の外縁で一体化された状態で形成される。
前記外延樹脂部(4e)、(4f)は、紙基材両面に設けた熱可塑性樹脂層で形成する以外、別の部材、例えば、テープを紙基材の端部に設け、前述と同様に、外縁で一体化した構成でもよい。また、前記外延樹脂部(4e)、(4f)は、一方を紙基材に設けた熱可塑性樹脂層を用い、他方をテープとし、前述と同様外縁で一体化した樹脂部でもよい。
また、紙基材上下端面に外延した樹脂部(4e)、(4f)は図7、図8に示したように単に隣接する材料に熱圧着するだけでなく、容器内外からの浸水に対するエッジプロテクトの必要性の程度によっては胴部貼り合わせ部(15)のばあいと同じく折り返し樹脂部(図示しない)とすることも出来る。
容器の形状がテーパーのついた紙カップではなく円筒状の紙カップである場合には胴部ブランクの上下の端縁の形状が直線なので外延樹脂部の折り返し工程も左右の端縁の場合と同じ方法で容易に折り返しが可能である。
本発明の耐水性を有する紙カップの胴部と底部のブランク板に用いる紙基材(1)は、主に剛性を高め、紙カップの保形性を向上させると同時に、紙カップの成形適性や印刷適性などを付与するために用いられる。
紙基材は特に限定はしないが、印刷適性と紙力を有し、成形性に優れ、且つ表面強度が強い晒クラフト紙の坪量150〜500g/m程度のものが用いられる。印刷層はグラビア印刷法やオフセット印刷法等の通常の印刷方法が用いられ、インキも公知のインキを用いることが出来る。
紙基材の米坪量が150g/m未満の場合は、ブランクに十分な剛性を付与することができず、容器の保形性が不十分となるため好ましくない。また、米坪量が500g/mを超える場合は、ブランクの剛性が強くなりすぎて、紙カップの成形適性が低下するため好ましくない。
本発明の耐水性を有する紙カップの胴部と底部のブランク板に用いる熱可塑性樹脂(40)、(41)、(43)、(44)はヒートシール性を有する樹脂、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が通常使われる。代表的なのは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含むポリエチレン樹脂であるが、シール加工時の容器内側樹脂層の耐熱性が要求される場合にはポリプロピレン樹脂などの高融点樹脂を組み合わせて使用することも出来る。熱可塑性樹脂の膜厚は通常10から100μmであり、エクストルーダー等の熱溶融押出しによって設けることが一般的である。
本発明の耐水性を有する紙カップにおいては、前記熱可塑性樹脂層が、バリア層(図示しない)を含む層とする構成とすることもできる。バリア層を含む構成とすることにより、紙基材(1)の表面からの水蒸気や酸素等の浸透もバリア層によって防止されるので、内容物保護性に優れた紙カップとすることができる。
また、たとえばバリア層を含めた外延樹脂部(4a)を折り返した折り返し樹脂部(4b)の構成とすることで、バリア層の端面が、容器内部に露出しない構成となり、内容物がバリア層と接触することがないようにすることができるので、内容物の保存に悪影響を及ぼさない。
本発明の耐水性を有する紙カップに使用するブランクの層構成要素のうちでバリア層は内容物保護のために酸素や蒸気等の透過を防止するフィルムであって、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、無機化合物蒸着プラスチックフィルム、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルムなど、ガスバリア性の優れた材料を使用することができる。
高度のバリア性が要求される場合にはアルミニウム箔が使われ、内容物と接触する場合には無機化合物を蒸着したプラスチックフィルムが使われるという場合に応じた使い分けもあるが、通常はどちらでも構わない。
金属箔を含んだ高ガスバリア性包装材料は、温度及び湿度などの環境の広い範囲で優れたガスバリア性を示す。
ただし、この包装材料を用いて形成した包装体は、廃棄の際に不燃物として扱わなければならない、内容物を入れた後の異物検査に金属探知機を使用できないなどの欠点があり、マイクロ波加熱には不向きであることを考慮する必要がある。 この場合のアルミニウム箔の厚みは3から50μmの範囲であればよく、これより薄いとピンホールの出現の可能性が大きく、これより厚いと加工性に問題が生じる。
図3、図4、図5、に示したように、折り返し樹脂部(4b)、(4d)を、樹脂部先端が、貼り合わせ部内側基材外面側もしくは貼り合わせ部外側基材内面側に折り返した構成とすることにより、熱可塑性樹脂層(40)が、熱可塑性樹脂とは異なる材料のバリア層を含む構成であっても、胴部を形成した際に、胴部貼り合わせ部(15)において紙基材(1)の端面だけでなく異なる材料のバリア層の端面の保護も確実に行うことが出来る。
なお、このような構造は、テーパー状の紙カップに限定されず、円筒状のカップ状紙容器であってもよく、紙基材端面からの浸透防止が必要な紙容器に用いることが出来る。
次に、本発明の耐水性を有する紙カップの一例の製造方法について、特に、胴部材ブランクの製造方法を含めて説明する。
先ず、ロール状の紙基材(1)に扇形状の胴部材ブランク(10)を複数個並べて割りつけ印刷すると共に、胴部材ブランクの両方の紙基材側端縁(11)、(12)に、その端縁を含めて外方の部分を長窓(13)、(14)として穿設する(図9(A),(B)参照)〜第一打ち抜き工程。
胴部材ブランク(10)を印刷して長窓(13)、(14)が穿設された紙基材(1)の内側面、および外側面にポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂層(40)、(41)を溶融樹脂押し出し法により積層して、積層シートを形成する。この時、紙基材(1)の長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層で長窓樹脂部(13a)、(14a)を形成させる(図10(A),(B)参照)〜第一熱可塑性樹脂層形成工程。
胴部材ブランク(10)の紙基材上端縁(8)と紙基材下端縁(9)に、その端縁を含めて外方の部分を長窓(17)、(19)として穿設する(図11(A),(B)参照)〜第二打ち抜き工程。
胴部材ブランク(10)の長窓(17)、(19)が穿設された内側面、および外側面にポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂層(43)、(44)を溶融樹脂押し出し法により積層して、積層シートを形成する。この時、胴部材ブランクの長窓部分に、前記2つの熱可塑性樹脂層で長窓樹脂部(17a)、(19a)を形成させる(図12(A),(B)参照)〜第二熱可塑性樹脂層形成工程。
前記積層シートの、外方に延出して設けられた長窓樹脂部(13a)、(14a)、(17a)、(19a)を含む長窓部分を形成した胴部材ブランクの不必要部分を連続してカットする。
さらに不必要部分が切り取られた胴部材ブランクから、印刷された複数個の略扇形状の胴部材ブランク(10)を打ち抜き、樹脂部(4a)、(4c)、(4e)、(4f)を形成させた一枚ずつの胴部材ブランク(10)を作製する(図13(A),(B)参照)第三打ち抜き工程。
たとえば、このような各工程を経て紙基材(1)より所定幅外方に延出した樹脂部(4a)、(4c)、(4e)、(4f)を端縁の全周に形成させた胴部材ブランク(10)を作製することができる。
このような方法により作製した胴部材ブランク(10)を用いて耐水性を有する紙カップを成形する成形方法の一例を説明する(図1参照)。
胴部材ブランクの端面の折り返し樹脂部(4b)を設けた側端縁(11)を内面側にし
て、もう一方の折り返し樹脂部(4d)を設けた側端縁(12)に重ね合わせて接合し、胴部貼り合わせ部(15)を形成させて円筒形状の胴部材(18)とする。
前記胴部材(18)の下部内面に、底部材周縁部(21)の外面を接合させ、さらに底部材周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端外延樹脂部(4f)を備えた下端縁部(9)を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて環状脚部(22)を形成させる。(図8参照)
最後に胴部材(18)の上端外延樹脂部(4e)を備えた上端縁部(8)を外方に1周以上巻き込み、口縁部(16)を形成させ、本発明の耐水性を有する紙カップとする。(図7参照)
口縁部(16)は、前記のように上端縁部(8)を外方に1周以上巻き込んだ構成だけでなく、さらに、この口縁部を上下から、加圧圧着して、上面を平坦にしてもよい。
このようにすると、内容物充填後に蓋材でシールする場合に空隙なく蓋材と口縁部上面が密着して加工と輸送の時に内容物の漏れることがなくなる。
通常前記の工程はカップ成形機を使用して、これに口縁部を平坦化するためのプレス装置を連結して、紙カップを所定の寸法となるように成形することによって自動的に行われる。
この蓋材としては、たとえば、外側から二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)、二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)、アルミニウム箔(厚み9μm)、CPPフィルム(厚み40μm)をこの順に、それぞれドライラミネーション法で貼り合わせた積層フィルムからなる柔軟性蓋材が用いられ、内容物充填後に紙カップの口縁部にリングシーラーで熱接着して密封する。
その後、蒸気式のレトルト釜を用いて、温度121℃、圧力1.8×10Pa、時間30分間の条件で加圧加熱殺菌し、空冷を主とする冷却を行った後出荷される。
本発明の耐水性を有する紙カップは周知の方法で加飾することが出来る。たとえば、紙基材の表面に通常のグラビアあるいはオフセット等の印刷により、装飾層を設けた基材を胴部ブランクとして用い、紙カップを製造することが出来る。
あるいは、紙基材の表面側に印刷等による装飾層および/または金属蒸着層を設けたプラスチックフィルムを積層した積層材料を用い、または、成形された紙容器の胴部の表面に、印刷、金属蒸着により装飾層を施したプラスチックフィルムを被覆することも出来る。
以下に実施例によって本発明の実施形態の一例を説明する。
<実施例1>
片面印刷済の紙基材(坪量260g/m)からなるシートに長窓(13)、(14)を打ち抜き、図9に示すようなシートを形成した。
次に、前記シートの長窓領域を含む表面に外層フィルム(ポリプロピレン樹脂層30μm厚/(ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm厚)/(ポリプロピレン樹脂層30μm厚)を、裏面に内層フィルム(ポリプロピレン樹脂層30μm厚/(無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm厚)/(ポリプロピレン樹脂層30μm厚)を、ポリプロピレン樹脂40μm厚のサンドイッチラミネーションによって積層して図10に示すような長窓樹脂部(13a)、(14a)を含む樹脂層を備えたシートを形
成した。
次に、前記シートに別の長窓(17)、(19)を打ち抜き、図11に示すようなシートを作成した。
次に、前記シートの長窓領域を含む表面にポリプロピレン樹脂層60μm厚を、裏面にポリプロピレン樹脂層70μm厚を押出しラミネーションによって積層して、図12に示すような長窓樹脂部(17a)、(19a)を含む樹脂層を備えたシートを形成した。
次に、前記シートを長窓樹脂部の輪郭に沿って所定の寸法で打ち抜き、図13および図14に示したような、全周に外延樹脂部(4a)、(4c)、(4e)、(4f)を備えた胴部材ブランクを作成した。なお、両方の側端縁に設けた外延樹脂部(4a)、(4c)は、それぞれ5mm幅で設け、折り返して2.5mm延出する折り返し樹脂部(4b)、(4d)を有する胴部材ブランクとした。
折り返し樹脂部を有する前記ブランクの側端縁を重ね合わせ接合一体化し、胴部貼り合わせ部を設けて胴部を形成した。
次に、前記胴部の下部内面に、円形状で下向きに起立させた周縁部(21)を有する底部材の周縁部の外面を接合させた。
そして、カップ成形機を用い、前記胴部材(18)の下部内面に、底部材(20)の周縁部(21)の外面を接合させ、さらに周縁部(21)を覆うように、前記胴部材(18)の下端縁部を内方に折り曲げ、底部材の周縁部(21)内面に接合させて、直径が52mmの環状脚部(22)を形成した。
また、トップカールユニットにより、上部開口部を1周以上巻き込み、幅が3mmの口縁部を有する、開口の直径が69mmの図7に示すような紙カップを成形して、口縁部を超音波シール装置を用い上下から加圧圧着し、口縁部上面を平坦にした。
口縁部の下3mm程度まで内容物充填後、蓋材として外側から二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)、二軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)、アルミニウム箔(厚み9μm)、CPPフィルム(厚み40μm)をこの順に、それぞれドライラミネーション法で貼り合わせた積層フィルムからなる柔軟性蓋材を、紙カップの口縁部にリングシーラーで熱接着して密封した。
その後、蒸気式のレトルト釜を用いて、温度121℃、圧力1.8×10Pa、時間30分間の条件で加圧加熱殺菌し、空冷を行った後観察したところ外観的な異常は認められなかった。開封して観察しても同様に異常は認められなかった。
1…紙基材
4…樹脂部
4a…外延樹脂部
4b…折り返し樹脂部
4c…外延樹脂部
4d…折り返し樹脂部
4e…上端外延樹脂部
4f…下端外延樹脂部
40…熱可塑性樹脂層
41…熱可塑性樹脂層
42…樹脂部端部空隙
43…熱可塑性樹脂層
44…熱可塑性樹脂層
8…胴部材上端縁
9…胴部材下端縁
10…胴部材ブランク
11…側端縁
12…側端縁
13…長窓
13a…長窓樹脂部
14…長窓
14a…長窓樹脂部
15…貼り合わせ部
16…口縁部
17…長窓
17a…長窓樹脂部
18…胴部材
19…長窓
19a…長窓樹脂部
20…底部材
21…底部材周縁部
22…環状脚部
100…胴部材
101…紙基材
102…熱可塑性樹脂
103…熱可塑性樹脂

Claims (4)

  1. 紙と熱可塑性樹脂層が積層されたブランク用包装材料からなり、扇形状または方形状の胴部材ブランクの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部貼り合せ部を形成させて円筒形状の胴部材とし、円形状の底部材ブランクを周縁部を下向きに起立させて底部材とし、胴部材の下部内面に底部材の周縁部の内面を接合させ、さらに底部材の周縁部を覆うように前記胴部材の下端縁部を内方に折り曲げて折り曲げ部を形成させ、該折り曲げ部を底部材の周縁部の外面に接合させて環状脚部を形成させ、胴部材の上部周縁を外方または内方に向けて巻き込み、口縁部を形成させた紙カップであって、
    胴部材ブランクの全周に表裏より延設された熱可塑性樹脂層が設けられていることを特徴とする耐水性を有する紙カップ。
  2. 前記延設された熱可塑性樹脂層が胴部材ブランクの端縁部を覆うように折り返されていることを特徴とする請求項1に記載の耐水性を有する紙カップ。
  3. 熱可塑性樹脂層は、バリア層を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の耐水性を有する紙カップ。
  4. 少なくとも紙基材を含む層からなるブランク用包装材料に所定の形状の窓を打ち抜く第一打ち抜き工程と、前記窓部分を含む表裏面に熱可塑性樹脂層を形成する第一フィルム形成工程と、別の形状の窓を打ち抜く第二打ち抜き工程と、前記別の形状の窓部分を含む表裏面に熱可塑性樹脂層を形成する第二フィルム形成工程と、所定の形状の胴部材ブランクに打ち抜く第三打ち抜き工程と、前記胴部材ブランクの熱可塑性樹脂層を形成した両方の側端縁を重ね合わせて密着させて胴部貼り合わせ部を形成する胴部形成工程と、前記胴部の熱可塑性樹脂層を形成した上端縁を巻き込んで口縁部を形成する口縁部形成工程と、前記胴部の熱可塑性樹脂層を形成した下端縁を折り曲げて底部ブランクを挟み込んで環状脚部を形成する環状脚部形成工程とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐水性を有する紙カップの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108249038A (zh) * 2017-02-16 2018-07-06 苍南县棋源包装科技有限公司 一种车载内卷边圆筒容器

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