以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
<<スロットマシン10の構成>>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン10の前面を示す正面図である。また、図2は、スロットマシン10の内部構造を示す図である。
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、箱形形状の基体部20と、前面扉40とを含む。前面扉40は、基体部20の左側側部で枢支されて、基体部20の前面側で開閉可能に設けられている。図1は、前面扉40を基体部20に対して閉じた状態を示し、図2は、前面扉40を基体部20に対して略180度開放した状態を示す。
<前面扉40の前面>
前面扉40は、閉じられたときに基体部20の前面を覆うように、基体部20に開閉可能に取り付けられている。図1に示すように、前面扉40の前面には、主に、操作に関する部材と、表示に関する部材とが設けられている。また、前面扉40の背面には、主に、制御用の回路基板が設けられている。
<操作に関する部材>
図1に示すように、前面扉40の前面側(遊技者側)の略中央には、水平方向に伸長する操作パネル41が設けられている。操作パネル41の前面側には、スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが設けられている。操作パネル41の上面側には、1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66や、メダル投入口46が設けられている。前面扉40の下部には、単位遊技の結果に基づいて払い出されたメダルを受けるための受け皿48も設けられている。なお、本明細書においては、後述する3つのリールに付された図柄の表示の態様によって進行が定まる遊技を単位遊技と称する。この単位遊技については、後で詳述する。
スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cは、単位遊技を進めるために遊技者によって操作されるスイッチである。スタートスイッチ42を遊技者が操作することによって、後述する3つのリール30L、30C及び30Rの回転が開始される。また、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを遊技者が操作することによって、操作されたストップスイッチに対応するリール30L〜30Rが停止される。
なお、1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66の機能については後述する。
<リール表示窓51とリール30L,30C,30R>
図1及び図2に示すように、前面扉40には、前面枠50が形成されている。前面枠50の略中央部には、リール表示窓51が形成されている。図2に示すように、3つのリール30L〜30Rは、リールユニット28内に回転可能に収容されている。リールユニット28は、前面29が開放されており、後述するように、遊技者はリールユニット28の前面29に位置した図柄の種類を視認することができる。リールユニット28は、基体部20に固定された支持板26によって支持されている。前面扉40が閉じられたときには、リール表示窓51は、リールユニット28の前面29の前方に位置する。リール表示窓51は、透明な部材で覆われており、前面扉40が閉じられたときには、遊技者は、リール表示窓51を介して3つのリール30L〜30Rに描かれている図柄の種類を視認することができる。
3つのリール30L〜30Rの各々には複数の種類の図柄が付されている。図柄の種類は、例えば、数字の「赤7」や、果物の「チェリー」等の遊技者が識別できるものである。
特に、本実施の形態では、図12に示すように、左リール30Lには、図柄「MB」が、3番目の位置に付され、図柄「RC」が、5番目の位置に付され、図柄「MA」が、10番目の位置に付され、図柄「RB」が、12番目の位置に付され、図柄「MC」が、17番目の位置に付され、図柄「RA」が、19番目の位置に付されている。
また、中リール30Cと右リール30Rとの双方のリールには、図柄「D」が、4番目、8番目、12番目、16番目及び20番目の位置に付されている。なお、ここで、「D」は、一定の同じ種類の図柄である。
後述するように、図柄の並び「RA」−「D」−「D」がRTパンク役Aに対応し、図柄の並び「RB」−「D」−「D」がRTパンク役Bに対応し、図柄の並び「RC」−「D」−「D」がRTパンク役Cに対応する。また、図柄の並び「RA」−「ANY」−「ANY」がメイン小役Aに対応し、図柄の並び「RB」−「ANY」−「ANY」がメイン小役Bに対応し、図柄の並び「RC」−「ANY」−「ANY」がメイン小役Cに対応する。なお、「ANY」は、リールに付された任意の図柄である。
なお、図12に示した例では、空欄で示した箇所には、「7」、「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」及び「バー」等の所定の図柄が付されているが、簡略化するために省略して示した。
また、後述するように、3つのリール30L〜30Rが停止したときには、リール表示窓51において、9個の図柄が視認可能に停止表示される。
このリール表示窓51によって形成される領域が、「図柄表示領域」に対応する。
<リール30L,30C,30Rとストップスイッチ44a,44b,44c>
左リール30Lは、左側のストップスイッチ44aに対応する。遊技者が、左側のストップスイッチ44aを操作したときには左リール30Lが停止する。中リール30Cは、中央のストップスイッチ44bに対応する。遊技者が、中央のストップスイッチ44bを操作したときには中リール30Cが停止する。右リール30Rは、右側のストップスイッチ44cに対応する。遊技者が、右側のストップスイッチ44cを操作したときには右リール30Rが停止する。
<リール表示窓51と入賞ラインL1〜L5(L7)>
上述したように、リール表示窓51は透明な部材で覆われている。図1に示すように、リール表示窓51には、5本の入賞ラインL1〜L5が描かれている。このようにすることで、遊技者は、リール表示窓51を介して図柄の種類を視認することができると共に、リール表示窓51上の5本の入賞ラインL1〜L5をも視認することができる。
入賞ラインL1は、水平方向に延びる中段の直線であり、入賞ラインL2は、水平方向に延びる上段の直線であり、入賞ラインL3は、水平方向に延びる下段の直線である。また、入賞ラインL4は、左上から右下へ向かって延びる直線であり、入賞ラインL5は、左下から右上へ向かって延びる直線である。本明細書では、入賞ラインL1の位置を中段と称し、入賞ラインL2の位置を上段と称し、入賞ラインL3の位置を下段と称する場合もある。
なお、図1に示した例では、5本の入賞ラインL1〜L5が、リール表示窓51上に描かれているものを示したが、遊技者に入賞ラインが明確であれば、リール表示窓51上に入賞ラインが描かれていなくてもよい。
また、図1に示した例では、5本の入賞ラインL1〜L5を示したが、後述するように、本実施の形態では、入賞ラインは、上述した入賞ラインL1〜L5のみならず、L6及びL7もあるが、図面を明確に示すために、入賞ラインL1〜L5以外の入賞ラインについては省略して示した。
<図柄停止位置P11〜P33>
上述したリール表示窓51を拡大した正面図を図3に示す。図3は、3つのリール30L〜30Rの全てが停止して、所定の停止位置に図柄が停止しているときの状態を示す。上述したように、3つのリール30L〜30Rの各々には、複数種類の図柄が複数個付されている。本実施の形態においては、3つのリール30L〜30Rの全てが停止したときには、1つのリールについて3個の図柄が停止表示されて、リール表示窓51の全体では9個の図柄が停止表示される。この9個の図柄が停止表示される位置を図柄停止位置と称する。
尚、図3においては、9つの白い丸によって図柄を示し、左リール30Lについては、3つの図柄Z11、Z12及びZ13が停止表示され、中リール30Cについては、3つの図柄Z21、Z22及びZ23が停止表示され、右リール30Rについては、3つの図柄Z31、Z32及びZ33が停止表示されている。図柄は、例えば、数字の「7」を示す画像や、果物の「チェリー」を示す画像からなる。
図3に示すように、9つの黒い丸によって図柄停止位置を示し、左リール30Lについての3つの図柄停止位置を下側から順に、P11、P12及びP13と称し、中リール30Cについての3つの図柄停止位置を下側から順に、P21、P22及びP23と称し、右リール30Rについての3つの図柄停止位置を下側から順に、P31、P32及びP33と称する。
すなわち、図3に示すように、左リール30Lについては、図柄停止位置P11に図柄Z11が停止し、図柄停止位置P12に図柄Z12が停止し、図柄停止位置P13に図柄Z13が停止している。中リール30Cについては、図柄停止位置P21に図柄Z21が停止し、図柄停止位置P22に図柄Z22が停止し、図柄停止位置P23に図柄Z23が停止している。右リール30Rについては、図柄停止位置P31に図柄Z31が停止し、図柄停止位置P32に図柄Z32が停止し、図柄停止位置P33に図柄Z33が停止している。
この図3に示した状態は、3つのリールの全てが停止したときに、9個の図柄停止位置の各々に、9個の図柄の1つずつが位置した状態であり、「前記複数のリールが停止したときには、前記複数の図柄停止位置の各々に、前記一定数の図柄の1つずつが位置し」ていることに対応する。このように、3つのリールの全てが停止したときには、1つの図柄停止位置には、1つの図柄が停止する。上述したP11〜P33の9個の図柄停止位置が、「複数の図柄停止位置」に対応し、Z11〜Z33の9個の図柄が、「一定数の図柄」に対応する。
尚、図3に示した例においては、3つのリール30L〜30Rの全てが停止して、図柄が図柄停止位置に停止したときには、図柄停止位置に図柄の略中心部が位置するように定めたが、図柄停止位置は、停止した図柄の位置を特定できる位置であればよく、停止した図柄の下端部等の端部としてもよい。
上述した入賞ラインL1〜L7は、9個の図柄停止位置P11〜P33のうちの3個の図柄停止位置が組み合わされて構成される。具体的には、3つのリール30L〜30R毎に1つの図柄停止位置を選び、選ばれた3つの図柄停止位置を結ぶことによって入賞ラインL1〜L7が構成される。
入賞ラインL1の場合には、左リール30Lについて図柄停止位置P12を選び、中リール30Cについて図柄停止位置P22を選び、右リール30Rについて図柄停止位置P32を選び、これらを組み合わせる。これらの3つの図柄停止位置P12、P22及びP32を結ぶことによって入賞ラインL1が構成される。これらの3つの図柄停止位置P12、P22及びP32が、「所定の数の図柄停止位置の組合せ」に対応する。
入賞ラインL2の場合には、左リール30Lについて図柄停止位置P13を選び、中リール30Cについて図柄停止位置P23を選び、右リール30Rについて図柄停止位置P33を選び、これらを組み合わせる。これらの3つの図柄停止位置P13、P23及びP33を結ぶことによって入賞ラインL2が構成される。これらの3つの図柄停止位置P13、P23及びP33が、「所定の数の図柄停止位置の組合せ」に対応する。
入賞ラインL3の場合には、左リール30Lについて図柄停止位置P11を選び、中リール30Cについて図柄停止位置P21を選び、右リール30Rについて図柄停止位置P31を選び、これらを組み合わせる。これらの3つの図柄停止位置P11、P21及びP31を結ぶことによって入賞ラインL3が構成される。これらの3つの図柄停止位置P11、P21及びP31が、「所定の数の図柄停止位置の組合せ」に対応する。
入賞ラインL4の場合には、左リール30Lについて図柄停止位置P13を選び、中リール30Cについて図柄停止位置P22を選び、右リール30Rについて図柄停止位置P31を選び、これらを組み合わせる。これらの3つの図柄停止位置P13、P22及びP31を結ぶことによって入賞ラインL4が構成される。これらの3つの図柄停止位置P13、P22及びP31が、「所定の数の図柄停止位置の組合せ」に対応する。
入賞ラインL5の場合には、左リール30Lについて図柄停止位置P11を選び、中リール30Cについて図柄停止位置P22を選び、右リール30Rについて図柄停止位置P33を選び、これらを組み合わせる。これらの3つの図柄停止位置P11、P22及びP33を結ぶことによって入賞ラインL5が構成される。これらの3つの図柄停止位置P11、P22及びP33が、「所定の数の図柄停止位置の組合せ」に対応する。
入賞ラインL6の場合には、左リール30Lについて図柄停止位置P13を選び、中リール30Cについて図柄停止位置P23を選び、右リール30Rについて図柄停止位置P32を選び、これらを組み合わせる。これらの3つの図柄停止位置P13、P23及びP32を結ぶことによって入賞ラインL6が構成される。これらの3つの図柄停止位置P13、P23及びP32が、「所定の数の図柄停止位置の組合せ」に対応する。
入賞ラインL7の場合には、左リール30Lについて図柄停止位置P13を選び、中リール30Cについて図柄停止位置P23を選び、右リール30Rについて図柄停止位置P31を選び、これらを組み合わせる。これらの3つの図柄停止位置P13、P23及びP31を結ぶことによって入賞ラインL7が構成される。これらの3つの図柄停止位置P13、P23及びP31が、「所定の数の図柄停止位置の組合せ」に対応する。
なお、図3に示した例では、合計で7本の入賞ラインを示したが、これらとは異なる入賞ラインにしたり、これより多い本数の入賞ラインを定めたりしてもよい。図3に示した例のように、9個の図柄停止位置P11〜P33がある場合には、最多で27本の入賞ラインを定めることができる。後述する共通した図柄停止位置を含んで構成された入賞ラインが存在すればよい。
<共通した図柄停止位置>
図3に示した例では、図柄停止位置P11、P13、P22、P23、P31、P32及びP33が、「共通した図柄停止位置」になる。
図柄停止位置P11は、入賞ラインL3及びL5が重複する図柄停止位置である。したがって、図柄停止位置P11は、入賞ラインL3及びL5についての共通した図柄停止位置となる。
図柄停止位置P13は、入賞ラインL2、L4、L6及びL7が重複する図柄停止位置である。したがって、図柄停止位置P13は、入賞ラインL2、L4、L6及びL7についての共通した図柄停止位置となる。
図柄停止位置P22は、入賞ラインL1、L4及びL5が重複する図柄停止位置である。したがって、図柄停止位置P22は、入賞ラインL1、L4及びL5についての共通した図柄停止位置となる。
図柄停止位置P23は、入賞ラインL2、L6及びL7が重複する図柄停止位置である。したがって、図柄停止位置P23は、入賞ラインL2、L6及びL7についての共通した図柄停止位置となる。
図柄停止位置P31は、入賞ラインL3、L4及びL7が重複する図柄停止位置である。したがって、図柄停止位置P31は、入賞ラインL3、L4及びL7についての共通した図柄停止位置となる。
図柄停止位置P32は、入賞ラインL1及びL6が重複する図柄停止位置である。したがって、図柄停止位置P32は、入賞ラインL1及びL6についての共通した図柄停止位置となる。
図柄停止位置P33は、入賞ラインL2及びL5が重複する図柄停止位置である。したがって、図柄停止位置P33は、入賞ラインL2及びL5についての共通した図柄停止位置となる。
このように、共通した図柄停止位置を設けたことにより、例えば、入賞ラインL3及びL5については、図柄停止位置P11が、1つの共通した図柄停止位置となる。また、入賞ラインL2、L6及びL7については、2つの図柄停止位置P13及びP23が、2つの共通した図柄停止位置となる。このようにすることで、「所定の本数の有効ラインには、少なくとも一部が共通した図柄停止位置が含まれる」ようにできる。なお、入賞ラインと有効ラインとの関係については後述する。また、以下では、共通した図柄停止位置が含まれた入賞ライン又は有効ラインを、簡略化のため「複合ライン」と称する場合がある。
<ベットスイッチ62,64及び66と入賞ラインL1〜L7>
上述した操作パネル41のメダル投入口46に規定枚数以上のメダルが投入されると、メダルカウンタ(図示せず)により投入されたメダルの枚数が計数され、その枚数はクレジット数として記憶される。上述した1ベットスイッチ62は、記憶されたクレジット数のうちの1枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。また、2ベットスイッチ64は、クレジット数のうちの2枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチであり、最大ベットスイッチ66は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
上述したように、リール表示窓51には5本の入賞ラインL1〜L7が描かれている。1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、7本の入賞ラインのうちの1本、例えば入賞ラインL1が有効化される。2ベットスイッチ64を操作したときには、7本の入賞ラインのうちの3本、例えば入賞ラインL1〜L3が有効化される。最大ベットスイッチ66を操作したときには、7本の入賞ラインの全て、すなわち、L1〜L7が有効化される。このように3つのベットスイッチ62,64及び66は、遊技の賭けの対象となるメダルの枚数を定めると共に、入賞ラインL1〜L7を有効化する有効ライン化手段として機能する。
<有効ライン>
上述したように、3つのベットスイッチ62,64及び66は、遊技者が操作することにより、入賞ラインL1〜L7を有効化する遊技媒体数設定手段として機能する。1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、入賞ラインL1が有効化され、2ベットスイッチ64を操作したときには、入賞ラインL1〜L5が有効化され、最大ベットスイッチ66を操作したときには、入賞ラインL1〜L7の全てが有効化される。上述したように、有効化された入賞ラインを有効ラインと称する。
また、上述した例では、3つのベットスイッチ62,64及び66の操作に応じて、有効ラインが定められる例を示したが、有効ラインは、後述する遊技状態と、メダルの賭け枚数とに応じて予め定められているものが好ましい。例えば、遊技状態が同じであるときには、メダルの賭け枚数が異なっている場合であっても、同じ有効ラインにするのが好ましい。具体的には、一般遊技状態では、メダルの賭け枚数が1枚であっても、3枚であっても、全ての入賞ラインを有効にするのに対して、特別遊技状態では、メダルの賭け枚数を常に3枚とすると共に、1本の入賞ラインを有効化するものが好ましい。
有効ライン上に停止した図柄の並びが、入賞したか否かの判断の対象となる。例えば、上述した有効ラインL1上に「赤7」−「赤7」−「赤7」の並びが揃ったときには、ビッグボーナスという役に入賞したと判断される。なお、役の種類については、後述する。また、有効ラインL1上に役を構成しない図柄の並びが停止したときには、入賞しなかったと判断される。これに対して、入賞ラインであっても、その入賞ラインが有効化されていないときには、その入賞ライン上に「赤7」−「赤7」−「赤7」の並びが揃った場合であっても、その入賞ラインは入賞したか否かの判断の対象とはされない。
<画像表示装置34>
前面扉40の上部には、画像表示装置34が設けられている。画像表示装置34には、演出画像が表示される。演出画像は、遊技が進行するに従って表示される画像であり、主に、その遊技に関する各種の情報が含まれた画像である。例えば、一の単位遊技においては、後述する役抽選手段120によって抽選処理が行われる。この抽選処理の抽選結果に基づいてその抽選結果を示唆する演出画像が画像表示装置34に表示される。
スロットマシン10で行われる単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技である。この単一の行程の遊技を単位遊技と称する。なお、単位遊技については、後で詳述する。
画像表示装置34に表示される演出画像には、各種の情報を文字の態様で表示するものと、文字以外の図画の態様で表示するものとがある。文字の態様で表示される情報は、主として、直接的に各種の情報を遊技者に視認させるために用いられる。この場合には、数値、アルファベット、平仮名、カタカナ、漢字等の人間の意思・感情の伝達手段としての言葉を視覚的に表した記号が文字として使用される。また、図画の態様で表示される情報は、主として、間接的に各種の情報を遊技者に視認させるために用いられる。この場合には、人物や動物等の生き物やロボット等の擬似生命体等を示すキャラクタの画像や、その他の機械類や建築物や風景等を示す画像が含まれる。
本実施の形態では、後述するように、画像表示装置34で行われる演出は、複数種類のものがあり、電車移動遊技と、連続演出と、その他の演出とがある。連続演出は、卓球対戦演出と、射的演出と、その他の連続演出とがある。連続演出は、電車移動遊技が行われた後に、電車移動遊技の結果に応じて選択される。
<スピーカ36>
スピーカ36は、図1に示すように、上述した画像表示装置34の左右の両側に設けられている。スピーカ36によって、音声による演出が遊技の進行に応じて行われる。後述するサブ制御基板52において所定の条件を満たしたときに、その条件に応じた音声がスピーカ36から発せられる。例えば、後述する役抽選手段120によって行われる抽選処理の抽選結果に基づいて、その抽選結果を示唆する効果音や音楽等がスピーカ36から発せられる。
<ランプ38>
ランプ38は、図1に示すように、前面扉40の上部に設けられている。ランプ38によって、光による演出が遊技の進行に応じて行われる。後述するサブ制御基板52において所定の条件を満たしたときに、その条件に応じてランプ38の点灯や点滅が行われる。例えば、後述する役抽選手段120によって行われる抽選処理の抽選結果に基づいて、その抽選結果を示唆するように、ランプ38は、その役の種類に応じて所定の色で点灯したり所定のパターンで点滅したりする。
尚、光による演出は、上述したランプ38のみならず、3つのリール30L,30C,30Rの内側に配置されたバックランプ(図示せず)等によるものもある。
<基体部20>
図2に示す基体部20は、木材等によって組み立てられて、前面が開口された箱形に形成されている。基体部20の内部の下部には、スロットマシン10に搭載された種々の装置に電源を供給する電源ユニット22や、メダルを貯留しておくホッパーを含むメダル払出し装置24が設けられている。また、これらの電源ユニット22及びメダル払出し装置24の上方には、支持板26が設けられている。この支持板26によって、リール30L、30C及び30Rを回転可能に収容するリールユニット28が支持されている。さらに、基体部20の内部の上部には、スロットマシン10で行われる遊技を全体的に制御するメイン制御基板32が設けられている。
<設定スイッチ27>
前面扉40の背面には、設定スイッチ27が配置されている。設定スイッチ27は、スロットマシン10の管理者等の者によって操作されるスイッチである。管理者等の者による操作によって、後述する役抽選手段120による役抽選処理を行うときに用いる抽選確率テーブルを設定するための設定値が設定される。
設定値を、設定したり変更したりするためには、スロットマシン10に設けられている他のスイッチを操作することによって、設定スイッチ27からの入力を受け付ける状態にする。管理者等の者は、設定スイッチ27を少なくとも1回押動操作することによって、所望する設定値にする。例えば、設定値が1〜6であるときには、設定スイッチ27を1回押動操作する度に、「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→・・・のように設定値が1ずつ変化するようにするものが好ましい。設定値を確定して、その設定値を記憶させるために、スロットマシン10に設けられている他のスイッチを操作する。なお、確定された設定値は、後述する設定値記憶手段170に記憶される。
<メイン制御基板32>
メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rの回転の開始及び停止制御をすると共に、スロットマシン10で行われる遊技の進行等の遊技全体を制御するための制御基板である。
このメイン制御基板32は、演算等を行うCPU(中央処理装置)(図示せず)、遊技プログラムを記憶したROM(リードオンリーメモリー)(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリー)(図示せず)等を含む。
例えば、ROMは、後述する図5〜図8及び図13に示すフローチャートを実行するためのプログラムを記憶する。また、RAMは、このプログラムで用いられる変数の値を記憶する。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バスによって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。
また、メイン制御基板32は、上述したベットスイッチ62,64及び66と電気的に接続されている。ベットスイッチ62,64及び66を遊技者が操作したときには、ベット指示信号がベットスイッチ62,64及び66の各々からメイン制御基板32へ発せられる。
さらに、メイン制御基板32は、上述したスタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cと電気的に接続されている。スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを遊技者が操作したときには、操作信号がスタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cからメイン制御基板32へ発せられる。スタートスイッチ42から信号がメイン制御基板32に発せられたときには、メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rの回転制御をする。また、ストップスイッチ44a、44b又は44cから信号がメイン制御基板32に発せられたときには、メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rのうち、操作されたストップスイッチに対応したリールの停止制御をする。
<サブ制御基板52>
サブ制御基板52は、図2に示すように、前面扉40の背面の上部に配置されている。サブ制御基板52は、主に、遊技中における演出を制御する基板である。例えば、画像表示装置34に演出画像を表示したり、スピーカ36から効果音や音楽を発したり、ランプ38の点灯や点滅をしたりする制御を行う。サブ制御基板52には、演算等を行うCPU(図示せず)、演出プログラム及び演出データを記憶したROM(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(図示せず)等を含む。
例えば、ROMは、図9及び図10に示す演出を制御するための演出制御プログラムや、演出のための画像データや音声データを記憶する。また、RAMは、上述した演出制御プログラムで用いる変数の値を記憶する。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バスによって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。
サブ制御基板52は、メイン制御基板32に、図示しないハーネスにより電気的に接続されている。メイン制御基板32は、サブ制御基板52に対して命令や情報等を送信する。上述したメイン制御基板32は、遊技全体を統括的に制御するのに対して、サブ制御基板52は、メイン制御基板32の下位に属し、メイン制御基板32から送られた命令や情報等に基づいて、演出の全体を制御する。
<スロットマシン10における単位遊技>
3つのリール30L、30C及び30Rが停止したときには、入賞ラインL1〜L5上に、図柄が位置する。スロットマシン10における単位遊技は、有効化された入賞ライン上に位置した図柄の並びによって、遊技の結果が定まる遊技である。このため、遊技者は、回転しているリール30L、30C及び30R上の図柄を目視し、所定の役を構成する図柄の並びが、有効化された入賞ライン上に揃うように、最適と判断したタイミングで、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作して、リール30L、30C又は30Rを停止させる。
役は、後述するように、複数の種類のものが予め定められている。後述する役抽選手段120の役抽選処理によって、少なくとも1つの種類の役が定められる。このように、少なくとも1つの種類の役が定められることを、「当り」と称する。また、役抽選処理によっては、いずれの種類の役も定められない場合もあり、この場合を「外れ」と称する。
また、スロットマシン10で行われる単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技である。この単一の行程の遊技を単位遊技と称する。単位遊技は、遊技者によってスタートスイッチ42が操作されたことに基づいて開始され、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが操作されたことに基づいて終了する。遊技者の観点から見た場合には、単位遊技は、スタートスイッチ42を操作して3つのリール30L,30C及び30Rが回転し始めてから、3つのリール30L,30C及び30Rの全てが停止するまでの単一の行程の遊技である。このように、単位遊技は、遊技者がスタートスイッチ42を操作する毎に開始される。なお、本明細書では、単位遊技と表現した場合には、単位遊技が繰り返される遊技を意味する場合と、1つの単位遊技を意味する場合との、双方の場合がある。
上述したように、単位遊技は、遊技者がスタートスイッチ42を操作することに基づいて開始される。この単位遊技の開始の時点は、より詳細には、遊技者がスタートスイッチ42を操作することによって、スタートスイッチ42から始動信号が発せられ、スタートスイッチ42から発せられた始動信号をメイン制御基板32が検出したときとするのが好ましい。また、この単位遊技の開始の時点を、3つのリール30L、30C及び30Rが回転し始めたことを視認できたときとしてもよい。
また、上述したように、単位遊技は、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作することによって終了する。この単位遊技の終了の時点は、より詳細には、遊技者が3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作することによって3つのリール30L、30C及び30Rが停止して、メイン制御基板32において、入賞処理等の終了処理を終えたときとするのが好ましい。また、単位遊技の終了の時点を、3つのリール30L、30C及び30Rが停止したことをメイン制御基板32が検出したときとしてもよい。さらに、単位遊技の終了の時点を、3つのリール30L、30C及び30Rが停止したことを視認できたときとしてもよい。
上述した役の種類には、例えば、小役や、再遊技役や、特別役等の種類がある。
小役は、予め定めた枚数のメダルの払い出しを行う役である。小役には、さらに、複数の種類の役がある。小役は、3つのリール30L、30C又は30Rに付された図柄の種類を用いて役の名称とする場合が多い。例えば、図柄の種類には、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」等がある。このため、有効ライン上に図柄「スイカ」が揃う小役をスイカ役と称し、有効ライン上に図柄「ベル」が揃う小役をベル役と称する。また、左リール30Lの図柄「チェリー」が有効ライン上に停止表示されたときには、中リール30C及び右リール30Rの図柄の種類に拘らず入賞したとする。この役をチェリー役と称する。
再遊技役は、現在行われた単位遊技における賭数(ベット枚数)を維持したまま、更なる所定の枚数のメダルを賭けの対象とすることなく、再び単位遊技を行えるようにした役である。なお、本明細書では、再遊技役を、リプレイ役又はRP役とも称し、また、再遊技役に当選したときに行われる単位遊技を再遊技(リプレイ又はRPとも称する。)と称する。
特別役は、単位遊技の遊技状態を一般遊技状態から特別遊技状態(遊技者にとって有利な遊技)に移行させることができる役である。この特別役には、例えば、シングルボーナス(以下、SB役と称する。)や、レギュラーボーナス役(以下、RB役と称する。)や、第1種ビッグボーナス役(以下、第1種BB役と称する。)や、チャレンジボーナス役(以下、CB役と称する。)や、第2種ビッグボーナス役(以下、第2種BB役と称する。)がある。また、特別遊技状態には、後述するように、シングルボーナス遊技状態や、レギュラーボーナス遊技状態や、第1種ビッグボーナス遊技状態や、チャレンジボーナス遊技状態や、第2種ビッグボーナス遊技状態がある。
SB役は、単位遊技の遊技状態をシングルボーナス遊技状態(普通役物)(以下、SB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。SB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態をSB遊技状態に移行させる。SB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。SB遊技状態における単位遊技は、所定の役が高確率で当選する遊技であり、1回の単位遊技で終了する。
RB役は、単位遊技の遊技状態をレギュラーボーナス遊技状態(第1種特別役物)(以下、RB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。RB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態をRB遊技状態に移行させる。RB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。RB遊技状態における単位遊技は、所定の役が高確率で当選する遊技である。RB遊技状態は、単位遊技の回数が、所定回数(例えば、12回)を超えたとき、また、所定役が所定回数(例えば、8回)入賞したときに終了する。
第1種BB役は、単位遊技の遊技状態を第1種ビッグボーナス遊技状態(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)(以下、第1種BB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。第1種BB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態を第1種BB遊技状態に移行させる。第1種BB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。第1種BB遊技状態は、上述したRB遊技状態の遊技状態からなり、このRB遊技状態で少なくとも1回の単位遊技を行うことができる。また、1回の第1種BB遊技状態では、複数回のRB遊技状態を繰り返すことが可能な遊技状態である。第1種BB遊技状態は、第1種BB遊技状態で払い出したメダルの枚数が、所定枚数(例えば、300枚など)に達したときに終了する。
CB役は、単位遊技の遊技状態をチャレンジボーナス遊技状態(第2種特別役物)(以下、CB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。CB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態をCB遊技状態に移行させる。CB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。遊技状態がCB遊技状態となったときには、3つのリール30L、30C及び30Rのうちの一定のリールの停止制御を変更することができる。具体的には、その一定のリールに対応したストップスイッチが遊技者によって操作されたときを基準にして75ミリ秒以内(通常は、190ミリ秒)に、そのリールを停止させるように制御する。さらに、遊技状態がCB遊技状態となったときには、所定の小役については、後述する役抽選手段120による抽選処理の結果に拘らず、所定の小役に対応した図柄の並びを有効ラインに揃えることができる。CB遊技状態は、1回の単位遊技を行うことで終了する。
第2種BB役は、単位遊技の遊技状態を第2種ビッグボーナス遊技状態(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)(以下、第2種BB遊技状態と称する。)に移行させるための役である。第2種BB役に対応した図柄の並びが有効ラインに揃ったときに、単位遊技の遊技状態を第2種BB遊技状態に移行させる。第2種BB遊技状態に移行させるときには、メダルの払い出しはない。第2種BB遊技状態は、上述したCB役が高確率で当選するCB高確率当選状態と、上述したCB遊技状態と、の2つの遊技状態からなり、その各々で単位遊技を行うことができる。また、遊技状態がCB高確率当選状態からCB遊技状態へ移行したときには、その後、CB遊技状態からCB高確率当選状態へ再び戻すことができる。第2種BB遊技状態は、第2種BB遊技状態で払い出したメダルの枚数が、所定枚数(例えば、286枚など)に達したときに終了する。また、遊技状態が第2種BB遊技状態であるときに、上述したSB役やRB役を、役抽選手段120の抽選処理によって当選できるようにした場合には、SB役やRB役に当選したときに、第2種BB遊技状態は終了する。
さらに、上述した遊技状態のほかに、再遊技高確率遊技状態もある。この再遊技高確率遊技状態は、上述した再遊技役に当選しやすいように定められた遊技状態、すなわち、再遊技役の当選確率を高くして役抽選処理を行う遊技状態である。なお、この再遊技高確率遊技状態は、上述した一般遊技状態や特別遊技状態のような独立した遊技状態ではなく、これらの遊技状態に重畳することができる遊技状態である。すなわち、一般遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態や、特別遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態にすることができる。以下では、再遊技高確率遊技状態を、簡略化のために、RT遊技状態と称する場合もある。
なお、後述するように、再遊技高確率状態への移行は、特別遊技状態が終了したときや、3つのリール30L〜30Rが停止して、有効ラインに揃った図柄の組合せが所定のものになったとき、すなわち、所定の役に入賞したときに行われる。
<<スロットマシン10の機能>>
図4は、スロットマシン10における主要な制御機能の概略を示す機能ブロック図である。図4に示すように、スロットマシン10は、主に、操作手段500と、遊技媒体数設定手段600と、メイン制御手段100と、サブ制御手段200と、図柄表示手段400と、演出手段300とを含む。
<操作手段500>
操作手段500は、遊技者によって操作されるもので、操作されたことを示す信号を後述するメイン制御手段100に遊技者の操作に基づいて発する。操作手段500は、スタートスイッチ42と、ストップスイッチ44a〜44cと、を含むものが好ましい。スタートスイッチ42は、遊技者によって操作されたときに、操作されたことを示す信号を後述するメイン制御手段100に発する。また、ストップスイッチ44a〜44cの各々も、遊技者によって操作されたときに、操作されたことを示す信号をメイン制御手段100に発する。
上述したように、スタートスイッチ42からメイン制御手段100に発せられた信号によって、3つのリール30L、30C及び30Rの回転が始まり、上述した単位遊技の開始の契機が定められる。このスタートスイッチ42からメイン制御手段100に発せられる信号を始動信号と称する。
また、ストップスイッチ44a〜44cの各々からメイン制御手段100に発せられた信号によって、3つのリール30L、30C及び30Rのうち対応したリールが停止する。3つのストップスイッチ44a〜44cの全てが操作されて、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止したことに基づいて、単位遊技の終了の契機が定められる。このストップスイッチ44a〜44cの各々からメイン制御手段100に発せられる信号を停止信号と称する。このように、上述した始動信号が発せられたことに基づいて単位遊技が開始され、最後に停止させるリールに対応したストップスイッチから停止信号が発せられたことに基づいて単位遊技が終了する。
<遊技媒体数設定手段600(有効ライン化手段)>
遊技媒体数設定手段600も、操作手段500と同様に、遊技者によって操作されるもので、遊技者の操作に基づいて操作された旨の信号を後述するメイン制御手段100に発する。操作手段500からメイン制御手段100へ発せられた信号に基づいて、複数の入賞ラインL1〜L7のうちのいずれのものを有効化するかが定められる。
遊技媒体数設定手段600も、遊技者によって操作されるものであればよい。遊技媒体数設定手段600は、好ましくは、上述した1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66からなる。
1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64又は最大ベットスイッチ66からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、遊技の賭けの対象とするメダルの枚数が定められる。例えば、1ベットスイッチ62からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、1枚のメダルを遊技の賭けの対象とし、2ベットスイッチ64からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、2枚のメダルを遊技の賭けの対象とし、最大ベットスイッチ66からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、3枚のメダルを遊技の賭けの対象とする。
また、上述したように、リール表示窓51には7本の入賞ラインL1〜L7が描かれている。1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、入賞ラインL1が有効化される。2ベットスイッチ64を操作したときには、入賞ラインL1〜L3が有効化される。最大ベットスイッチ66を操作したときには、L1〜L7が有効化される。このように3つのベットスイッチ62,64及び66は、遊技の賭けの対象となるメダルの枚数を定めると共に、入賞ラインL1〜L7を有効化する有効ライン化手段として機能する。
<メイン制御手段100(遊技制御手段)>
メイン制御手段100には、上述した操作手段500や遊技媒体数設定手段600のほか、サブ制御手段200や、図柄表示手段400が電気的に接続されている。メイン制御手段100は、遊技の進行等の遊技全体を制御する。このメイン制御手段100は、上述したメイン制御基板32からなるのが好ましい。
上述したように、メイン制御手段100には操作手段500が電気的に接続されている。操作手段500のスタートスイッチ42からは、メイン制御手段100に始動信号が発せられる。これにより、スタートスイッチ42が遊技者によって操作されたことを検出することができる。操作手段500のストップスイッチ44a〜44cの各々からは、メイン制御手段100に停止信号が発せられる。これにより、ストップスイッチ44a〜44cの各々から発せられた停止信号の順番やタイミングを検出することができる。
また、メイン制御手段100には遊技媒体数設定手段600が電気的に接続されている。遊技媒体数設定手段600の1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66の各々からは、メイン制御手段100にベット信号が発せられる。発せられたベット信号を検出することによって、賭けの対象とするメダルの枚数や、有効ラインの設定の制御をする。
メイン制御手段100は、役抽選手段120と、リール駆動制御手段130と、図柄検出手段150と、有効ライン記憶手段160とを含む。
<役抽選手段120(役抽選手段)>
役抽選手段120は、予め定められている種類の役の抽選を行う。役には、上述したように、例えば、小役や、再遊技役や、特別役等の種類がある。このように、役抽選手段120の役抽選処理によって、少なくとも1つの種類の役が定められることを、「当り」と称し、いずれの種類の役も定められないことを、「外れ」と称する。
上述した小役は、予め定めた枚数のメダルの払い出しを行う役である。再遊技役は、現在行われた単位遊技における賭数を維持したまま、更なる所定の枚数のメダルを賭けの対象とすることなく、再遊技を行えるようにした役である。
さらに、本実施の形態では、上述した小役には、複数の第1の小役と複数の第2の小役とを含む。以下では、複数の第1の小役を1つの群として第1群の小役と称し、複数の第2の小役を1つの群として第2群の小役と称する。すなわち、第1群の小役には、複数の第1の小役が属し、第2群の小役には、複数の第2の小役が属する。具体的には、第1群の小役は、後述するメイン小役であり、この第1群の小役に属する第1の小役には、図11に示すように、メイン小役Aと、メイン小役Bと、メイン小役Cとがある。第2群の小役は、後述するRTパンク役であり、この第2群の小役に属する第2の小役には、RTパンク役Aと、RTパンク役Bと、RTパンク役Cとがある。
後述するように、メイン小役Aは、RTパンク役Aに対応し、メイン小役Bは、RTパンク役Bに対応し、メイン小役Cは、RTパンク役Cに対応するに定められている。役抽選手段120は、この対応した役同士が重複当選するように抽選処理をする場合がある。すなわち、役抽選手段120は、メイン小役AとRTパンク役Aとが重複当選するように抽選処理をしたり、メイン小役BとRTパンク役Bとが重複当選するように抽選処理をしたり、メイン小役CとRTパンク役Cとが重複当選するように抽選処理をしたりする場合がある。
上述したこれらの第1の小役も第2の小役も小役であるので、入賞したときには、予め定めた枚数の遊技媒体の払い出しを行う役である。特に、第2の小役が入賞したときには、所定の枚数の遊技媒体を払い出す。なお、この所定の枚数は、一定である必要はなく、遊技の進行や、遊技状態に応じて変動するようにしてもよい。なお、払い出し枚数については、後述する。
図11に示すように、メイン小役Aに対応した図柄の並びは、「MA」−「ANY」−「ANY」であり、メイン小役Bに対応した図柄の並びは、「MB」−「ANY」−「ANY」であり、メイン小役Cに対応した図柄の並びは、「MC」−「ANY」−「ANY」である。また、RTパンク役Aに対応した図柄の並びは、「RA」−「D」−「D」であり、RTパンク役Bに対応した図柄の並びは、「RB」−「D」−「D」であり、RTパンク役Cに対応した図柄の並びは、「RC」−「D」−「D」である。
RTパンク役A、B又はCに入賞したときのメダルの払い出し枚数は、いずれも9枚であり、メイン小役A、B又はCに入賞したときのメダルの払い出し枚数は、いずれも8枚である。なお、メイン小役A、B又はCに入賞したときのメダルの払い出し枚数である8枚は、基本払い出し枚数であり、実際に払い出されるメダルの払い出し枚数は、8枚を超える場合がある。
RTパンク役A、B又はCは、上述した複合ラインについて入賞しないように、3つのリール30L〜30Rが停止制御されるため、いずれの有効ラインについて入賞しても、メダルの払い出し枚数は、常に9枚である。これに対して、メイン小役A、B又はCは、複合ラインについて入賞するように、3つのリール30L〜30Rが停止制御される場合がある。複合ラインについて入賞したときには、複合ラインを構成する有効ラインの数に基づいてメダルの払い出し枚数が変化する。原則として、複合ラインを構成する有効ラインの数に、基本払い出し枚数を乗じた枚数のメダルが払い出される。なお、有効ラインの数に、基本払い出し枚数を乗じた枚数が、所定の枚数、例えば15枚を超えたときには、最大で15枚の払い出し枚数とするのが好ましい。
例えば、1本の有効ラインのみについて、メイン小役A、B又はCのいずれかが入賞したときには、基本払い出し枚数である8枚のメダルが払い出される。また、2本の有効ラインの数で構成された複合ラインについて、メイン小役A、B又はCのいずれかが入賞したときには、15枚のメダルが払い出される。上述したように、有効ラインの数である2本に、基本払い出し枚数である8枚を乗じた枚数は、16枚であるが、この場合は、15枚を超えているので、最大枚数の15枚とされ、払い出されるメダルの枚数は、15枚である。
以下では、複合ラインと払い出し枚数との関係について、より詳細に説明する。
例えば、1つの例として、図3に示した入賞ラインL3に着目すると、入賞ラインL3は、上述したように、図柄停止位置P11、P21及びP31を結ぶことによって構成される。このうちの図柄停止位置P11は、入賞ラインL3及びL5についての共通した図柄停止位置であり、図柄停止位置P31は、入賞ラインL3、L4及びL7についての共通した図柄停止位置である。
しかしながら、入賞ラインL1、L2及びL3のみが有効化されている場合には、入賞ラインL4、L5又はL7は、有効化されていない。このため、入賞ラインL3は、有効化された複合ラインとはなることはできず、単独で有効ラインとなる。これに対して、入賞ラインL1〜L7の全てが有効化されている場合には、入賞ラインL3は、L4、L5又はL7と共に、有効化された複合ラインになることができる。
したがって、入賞ラインL3が、有効化された複合ラインとならずに、単独で有効ラインとなっている場合に、メイン小役Aに当選して、図柄「MA」を図柄停止位置P11に位置づけることができたときには、有効化された入賞ラインL3に、図柄の並び「MA」−「ANY」−「ANY」が揃うので、単独でメイン小役Aに入賞したとされて、払い出し枚数は、基本払い出し枚数の8枚となる。
これに対して、入賞ラインL3が、有効化された複合ラインとなっている場合に、メイン小役Aに当選して、図柄「MA」を図柄停止位置P11に位置づけることができたときには、有効化された複合ラインである有効ラインL3とL5との双方の有効ラインに、図柄の並び「MA」−「ANY」−「ANY」が揃うので、重複してメイン小役Aに入賞したとされて、払い出し枚数は、基本払い出し枚数の15枚となる。なお、上述したように、払い出し枚数は、原則として、有効化された複合ラインの数に基本枚数の8枚を乗じた枚数になるが、有効ラインL3とL5との双方について、重複してメイン小役Aに入賞したときには、16枚となって、15枚を超えるので、15枚のメダルが払い出されることになる。
また、図柄「MA」を有効ラインに位置づけることができれば、それ以外は、任意の種類の図柄「ANY」を位置づければよいので、図柄「MA」を位置づけるときには、遊技者に緊張感を与え、任意の種類の図柄「ANY」を位置づけるときには、期待感を与えることができる。
上述した特別役とは、一般遊技状態から特別遊技状態に移行させる役である。特別遊技状態は、一般遊技状態における単位遊技で獲得できるメダルの数よりも多くのメダルを獲得できる可能性が高くなった遊技状態であり、遊技者にとって有利となる遊技状態である。特別役は、例えば、上述したように、SB役や、RB役や、第1種BB役や、CB役や、第2種BB役がある。SB役は、単位遊技の遊技状態をSB遊技状態に移行させるための役である。RB役は、単位遊技の遊技状態をRB遊技状態に移行させるための役である。第1種BB役は、単位遊技の遊技状態を第1種BB遊技状態に移行させるための役である。CB役は、単位遊技の遊技状態をCB遊技状態に移行させるための役である。第2種BB役は、単位遊技の遊技状態を第2種BB遊技状態に移行させるための役である。
役抽選手段120は、例えば、乱数発生手段122と、乱数抽出手段124と、乱数判定手段126とを含む。乱数発生手段122は、役抽選処理用の乱数(ハードウェア乱数等)を発生させる。乱数抽出手段124は、乱数発生手段122によって発せられた乱数を抽出する。乱数判定手段126は、乱数抽出手段124が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する。この役抽選手段120によって、「役抽選手段」が構成され、「抽選処理」が行われる。
「抽選処理」は、遊技についての「当り」又は「外れ」を定める抽選処理である。具体的には、後述する図5のステップS13において実行される。
<乱数発生手段122>
乱数発生手段122は、所定の正の整数の範囲(例えば10進法で0〜65535)の乱数を、所定のタイミング毎に継続的に発生させる。
<乱数抽出手段124>
乱数抽出手段124は、乱数発生手段122によって発生させた乱数を、所定のタイミングで抽出する。例えば、本実施の形態では遊技者によってスタートスイッチ42が操作されたときに乱数を抽出する。
<乱数判定手段126>
乱数判定手段126は、乱数抽出手段124によって抽出された乱数値を、後述する確率テーブル記憶手段128に記憶された抽選確率テーブル(確率テーブル)と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。
<確率テーブル記憶手段128(役記憶手段)>
確率テーブル記憶手段128は、複数の遊技状態と役の種類とに応じて、抽選確率が記憶された抽選確率テーブルを有する。
単位遊技の遊技状態は、例えば、上述したように、一般遊技状態、SB遊技状態、RB遊技状態、第1種BB遊技状態、CB遊技状態、第2種BB遊技状態等がある。抽選確率テーブルは、これらの遊技状態に対応して、一般遊技状態確率テーブル、SB遊技状態確率テーブル、RB遊技状態確率テーブル、第1種BB遊技状態確率テーブル、CB遊技状態確率テーブル、第2種BB遊技状態確率テーブル等の確率テーブルからなる。
また、再遊技高確率遊技状態にするための確率テーブルもある。上述したように、再遊技高確率遊技状態は、一般遊技状態や特別遊技状態のような独立した遊技状態ではなく、これらの遊技状態に重畳することができる遊技状態である。具体的には、再遊技高確率遊技状態は、一般遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態や、特別遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態がある。このように、再遊技高確率遊技状態は、遊技状態としては、一般遊技状態や特別遊技状態に重畳した遊技状態であるが、確率テーブルは、一般遊技状態確率テーブルや特別遊技状態確率テーブルとは別個に構成されている。具体的には、一般遊技状態であって再遊技高確率遊技状態である遊技状態に対応した一般再遊技高確率遊技状態確率テーブルと、特別遊技状態であって再遊技高確率遊技状態である遊技状態に対応した特別再遊技高確率遊技状態確率テーブルとからなる。
これらの確率テーブルの各々は、例えば、0〜65535の範囲の整数を所定の範囲ごとに分割した複数の領域を有する。複数の領域の各々は、役の種類に対応する。例えば、0〜65535の範囲の整数を、小役に対応した領域や、再遊技役に対応した領域や、RB役に対応した領域や、第1種BB役に対応した領域や、外れに対応した領域等の複数の領域に分割する。
上述した乱数判定手段126は、乱数抽出手段124が抽出した乱数の値が、これらの領域のうちのいずれの領域に含まれるかを判断して、役の種類を判定する。例えば、乱数抽出手段124が抽出した乱数の値が、第1種BB役に対応した領域に含まれたときには、乱数判定手段126は、第1種BB役に当選したと判定する。また、乱数抽出手段124が抽出した乱数の値が、外れに対応した領域に含まれたときには、乱数判定手段126は、外れたと判定する。
なお、一般遊技状態確率テーブル、SB遊技状態確率テーブル、RB遊技状態確率テーブル、第1種BB遊技状態確率テーブル、CB遊技状態確率テーブル、第2種BB遊技状態確率テーブル等の全ての確率テーブルについて、全ての役に対応した領域を設ける必要はない。その遊技状態で当選し得る役についてのみ領域を設ければよい。例えば、遊技状態がRB遊技状態であるときに、SB役やRB役や第1種BB役やCB役や第2種BB役が当選しないように、RB遊技状態確率テーブルには、これらの役に対応した領域を設けないようにする。また、遊技状態が第1種BB遊技状態であるときに、SB役や第1種BB役やCB役や第2種BB役が当選しないように、第1種BB遊技状態確率テーブルには、これらの役に対応した領域を設けないようにする。さらに、遊技状態が第2種BB遊技状態であるときに、第1種BB役や第2種BB役が当選しないように、第2種BB遊技状態確率テーブルには、これらの役に対応した領域を設けないようにする。
さらに、本実施の形態では、上述した一般再遊技高確率遊技状態確率テーブルと、特別再遊技高確率遊技状態確率テーブルとには、複数の第1の小役が単独で当選するように定められた領域と、複数の第2の小役が単独で当選するように定められた領域と、複数の第1の小役と複数の第2の小役とが重複して当選するように定められた領域とが設けられている。
具体的には、上述したように複数の第1の小役は、メイン小役Aと、メイン小役Bと、メイン小役Cとがある。また、第2の小役には、RTパンク役Aと、RTパンク役Bと、RTパンク役Cとがある。さらに、メイン小役Aは、RTパンク役Aに対応し、メイン小役Bは、RTパンク役Bに対応し、メイン小役Cは、RTパンク役Cに対応する。すなわち、一般再遊技高確率遊技状態確率テーブルと、特別再遊技高確率遊技状態確率テーブルとには、メイン小役A、メイン小役B、メイン小役C、RTパンク役A、RTパンク役B、又はRTパンク役Cが単独で当選する領域と、メイン小役AとRTパンク役Aとが重複して当選する領域と、メイン小役BとRTパンク役Bとが重複して当選する領域と、メイン小役CとRTパンク役Cとが重複して当選する領域とが設けられている。一般再遊技高確率遊技状態確率テーブルと、特別再遊技高確率遊技状態確率テーブルとをこのように構成することにより、役抽選手段120の抽選処理によって、メイン小役A、メイン小役B、メイン小役C、RTパンク役A、RTパンク役B、又はRTパンク役Cを単独で当選させたり、メイン小役AとRTパンク役Aとを重複して当選させたり、メイン小役BとRTパンク役Bとを重複して当選させたり、メイン小役CとRTパンク役Cとを重複して当選させたりすることができる。
この確率テーブル記憶手段128が、「前記複数の第1の小役の各々に、各々が対応した複数の第2の小役からなる前記第2群の小役とを示す情報、を記憶する役記憶手段」に対応する。
上述した役抽選手段120の役抽選処理によって、少なくとも1つの種類の役が定められる。このように、少なくとも1つの種類の役が定められることを、「当り」と称する。また、役抽選処理によって、いずれの種類の役も定められなかったことを、「外れ」と称する。
<リール駆動制御手段130>
リール駆動制御手段130は、上述したスタートスイッチ42から発せられた始動信号や、ストップスイッチ44a〜44cから発せられた停止信号に基づいて、3つのリール30L〜30Rの回転制御と停止制御とを行う。リール駆動制御手段130は、リール回転制御手段132とリール停止制御手段134とからなる。
<リール回転制御手段132>
リール回転制御手段132は、上述した操作手段500、好ましくはスタートスイッチ42から発せられた始動信号を検出したときに、モータ86a、86b及び86cに回転制御信号を発する。後述するように、モータ86aは左リール30Lを駆動し、モータ86bは中リール30Cを駆動し、モータ86cは右リール30Rを駆動する。リール回転制御手段132は、始動信号を検出したときには、これらの3つのモータ86a、86b及び86cに回転制御信号を発する。この回転制御信号によって、3つのリール30L〜30Rは、回転を開始する。この処理は、後述する図5のフローチャートに示すステップS15で実行される。
<リール停止制御手段134>
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b又は44cが遊技者によって操作されたときのタイミングと、上述した役抽選手段120の抽選処理の結果とに基づいて、モータ86a、86b又は86cへ停止制御信号を発して、左リール30L、中リール30C又は右リール30Rの停止制御をする。
上述したように、ストップスイッチ44a,44b又は44cが遊技者によって操作されたときには、ストップスイッチ44a,44b又は44cから停止信号が発せられる。リール停止制御手段134は、このストップスイッチ44a,44b又は44cから発せられた停止信号を検出する。
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b又は44cから発せられた停止信号を検出したときには、後述する図柄検出手段150によって定められた候補図柄を図柄検出手段150から得る。この候補図柄は、後述するように、リール30L、30C又は30Rが停止したときに、回転基準位置に位置させることができるものとして選ばれた少なくとも1つ以上の図柄である。なお、この少なくとも1つ以上の図柄とは、後述する制御コマ数分の図柄である。また、本実施の形態では、回転基準位置は、後述するように、入賞ラインL3とするのが好ましい。
以下では、制御コマ数と、候補図柄とについて説明する。
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されてから、リール30L,30C及び30Rがある程度回転してから停止するように制御する。しかし、リール30L,30C及び30Rが停止するまでの時間を余りに長くした場合には、リール30L,30C及び30Rが停止するまでの態様が不自然なものとなる。このようなことから、ストップスイッチ44a,44b及び44cから発せられた停止信号を検出したときからリールが停止するまでの時間を、原則、190ミリ秒以下に設定している。なお、上述したCB遊技状態で説明したように、遊技状態がCB遊技状態となったときには、3つのリール30L、30C及び30Rのうちの一定のリールについては、その停止制御を変更することができる。その一定のリールに対応したストップスイッチから発せられた停止信号を検出したときを基準にして75ミリ秒以内に、そのリールを停止させるように制御する。
また、リール30L,30C及び30Rが一定の速度で回転しているときには、リール30L,30C及び30Rに付された図柄を遊技者がおおむね識別できるようにする必要もある。このため、リール30L,30C及び30Rが1分間に80回転以上回転しないように、リール30L,30C及び30Rの回転速度が定められている。
なお、一般的なスロットマシンの場合には、リール30L,30C及び30Rの各々に付されている図柄の数は21個である。
このように、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されてから190ミリ秒以内に、21個の図柄が付されたリール30L,30C及び30Rが停止するように停止制御するという第1の制御条件と、リール30L,30C及び30Rが1分間に80回転以上回転しないように回転制御するという第2の制御条件とから、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されてからリール30L〜30Rが停止するまでの間に、回転基準位置を最も多く通過できる図柄の数(以下、最大通過図柄数と称する。)は、4個となる。回転基準位置を通過できる図柄の数には、ストップスイッチが操作されたときに回転基準位置を通過している最中の図柄も含まれる。
本明細書では、最大通過図柄数と、リールが停止して回転基準位置に位置した図柄との総和を制御コマ数と称する。上述したように、最大通過図柄数は4個である。また、リールが停止することによって回転基準位置に位置する図柄は、1個である。したがって、本実施の形態では、制御コマ数は5個となる。この制御コマ数分の図柄が、回転基準位置に位置する可能性がある図柄であり、後述する図柄検出手段150によって定められる候補図柄である。
リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されたときを基準にして、その後、回転基準位置を通過する図柄の数が、最大通過図柄数以下となるように、リール30L,30C及び30Rの停止制御をする。回転基準位置は、例えば、入賞ラインL3とするのが好ましい。回転基準位置を入賞ラインL3とした場合には、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作された後、入賞ラインL3を通過する図柄の数が、最大通過図柄数以下となるように、リールの停止制御をする。すなわち、上述した例では、リール停止制御手段134は、ストップスイッチ44a,44b及び44cが操作されたときから、入賞ラインL3を通過する図柄の数が4個になるまで、リール30L,30C及び30Rを回転させるようにして、リール30L,30C及び30Rを停止させる制御をする。
なお、基準にする回転基準位置は、本実施の形態では、水平方向に延びる入賞ラインL1〜L3のいずれかにするのが好ましい。また、リール30L,30C及び30Rのうちの1つのリールに着目すれば、ストップスイッチが操作されたときから、そのリールが停止するまでの間に入賞ラインL1〜L3を通過する図柄の数は、いずれの入賞ラインでも同じである。例えば、ストップスイッチ44aが操作されたときからリール30Lが停止するまでの間に、入賞ラインL1〜L3を通過する図柄の数は、いずれの入賞ラインでも同じである。
また、リール停止制御手段134は、上述した役抽選手段120の抽選処理の結果にも基づいて、左リール30L、中リール30C又は右リール30Rの停止制御をする。
例えば、役抽選手段120の抽選処理によって所定の役に当選した場合には、リール停止制御手段134は、当選したその役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に容易に揃うように3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。すなわち、図柄検出手段150によって定められた候補図柄の中に、当選した役に対応した図柄が含まれている場合には、その図柄が、有効化された入賞ライン上に位置するように、3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。このように、当選した所定の役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃うようにリールの停止制御を行うことを「引き込み制御」と称する。
一方、役抽選手段120の抽選処理によっていずれの役にも当選しなかった場合、すなわち、外れた場合には、リール停止制御手段134は、いずれかの役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃わないように3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。すなわち、図柄検出手段150によって定められた候補図柄を構成する図柄が、有効化された入賞ライン上に位置しても、いずれかの役に対応する図柄の並びとならないように、3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御を行う。このように、いずれかの役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃わないようにリールの停止制御を行うことを「蹴飛ばし制御」と称する。
<図柄停止位置記憶手段136>
リール停止制御手段134は、図柄停止位置記憶手段136を含む。
図3に示したように、3つのリール30L,30C及び30Rが停止したときには、何らかの役に入賞するか否かにかかわらず、9個の図柄が、入賞ライン上に位置する。常住したように、リール表示窓51によって形成される領域(図柄表示領域)には、9個の図柄停止位置P11〜P33が定められている。3つのリール30L,30C及び30Rが停止したときには、9個の図柄停止位置P11〜P33の各々に、1つの図柄が位置する。
図柄停止位置記憶手段136は、これらの9個の図柄停止位置P11〜P33を記憶する。なお、後述するように、3つのリール30L,30C及び30Rの回転角度は、後述する回転角度センサ83a〜83cから発せられるパルス信号の数を計数することによって得られる。このため、9個の図柄停止位置P11〜P33も、パルス信号の数に対応した値によって表され、その値が、図柄停止位置記憶手段136に記憶されている。
このようにすることで、リール表示窓51によって形成される領域(図柄表示領域)における一定数の図柄停止位置に図柄を位置づけて、3つのリール30L,30C及び30Rを停止させることができる。
上述したリール停止制御手段134における処理は、後述する図5に示すフローチャートのステップS18のリール停止制御処理で実行される。
<図柄検出手段150(図柄位置検出手段)>
図柄検出手段150は、リール30L,30C及び30Rが回転しているときには、回転基準位置を通過している最中の図柄や、回転基準位置に位置する可能性がある図柄を検出する。上述したように、回転基準位置に位置する可能性がある図柄とは、候補図柄であり、リール30L,30C及び30Rが停止したときに、回転基準位置に位置する可能性がある図柄である。また、図柄検出手段150は、リール30L,30C及び30Rが停止しているときには、回転基準位置に停止して位置している図柄を検出する。
リール30L,30C及び30Rが回転しているときには、図柄検出手段150は、操作手段500から停止信号が発せられたことに基づいて図柄を検出する。このリール30L,30C及び30Rが回転しているときにおける図柄検出手段150の処理は、以下のように行われる。
遊技者が、操作手段500、例えば、ストップスイッチ44a,44b及び44cを操作することに応じて、ストップスイッチ44a,44b及び44cから停止信号が発せられる。遊技者が、左側のストップスイッチ44aを操作したときには、ストップスイッチ44aから停止信号が発せられ、中央のストップスイッチ44bを操作したときには、ストップスイッチ44bから停止信号が発せられ、右側のストップスイッチ44cを操作したときには、ストップスイッチ44cから停止信号が発せられる。
図柄検出手段150は、ストップスイッチ44a,44b又は44cから発せられた停止信号を検出すると、操作されたストップスイッチに対応したリールの回転角度センサから発せられた信号を検出する。具体的には、左側のストップスイッチ44aには、リール30Lが対応し、ストップスイッチ44aが遊技者によって操作されたときには、リール30Lの回転角度を検出するための回転角度センサ83aから発せられた信号を検出する。また、中央のストップスイッチ44bには、リール30Cが対応し、ストップスイッチ44bが遊技者によって操作されたときには、リール30Cの回転角度を検出するための回転角度センサ83bから発せられた信号を検出する。さらに、右側のストップスイッチ44cには、リール30Rが対応し、ストップスイッチ44cが遊技者によって操作されたときには、リール30Rの回転角度を検出するための回転角度センサ83cから発せられた信号を検出する。後述するように、これらの回転角度センサ83a、83b又は83cから発せられる信号は、リール30L,30C及び30Rの一周分の回転角度に対応したパルスの数を示す信号を発する。回転角度センサ83a、83b又は83cから発せられる信号を検出することで、リール30L,30C及び30Rの回転基準位置からの回転位置を得ることができる。
図柄検出手段150は、図柄番号と、図柄番号に対応した図柄との対応関係を定めた図柄対応テーブル(図示せず)が記憶されている。上述したように、本実施の形態では、リール30L,30C及び30Rの各々には、リールの周方向に沿って21個の図柄が付されている。図柄番号は、リールに付された21個の図柄を特定するために、これらの図柄の各々に付した0番目から20番目の番号である。また、図柄番号と、図柄番号に対応した図柄との対応関係は、例えば、左リール30Lの0番目の図柄は、「プラム」であり、8番目の図柄は、「リプレイ」であり、19番目の図柄は、「ベル」であるような関係であり、図柄対応テーブルには、3つのリール30L,30C及び30R毎に、0番目〜20番目の21個の図柄が記憶されている。
また、図柄検出手段150は、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられた信号が示すパルスの数と、0番目〜20番目の図柄番号とのパルス数−図柄番号対応関係を定めたパルス数−図柄番号対応テーブル(図示せず)も記憶されている。
上述したように、遊技者によってストップスイッチが操作されると、図柄検出手段150は、操作されたストップスイッチに対応した回転角度センサ83a,83b又は83cから発せられた信号を検出する。回転角度センサ83a,83b又は83cから発せられた信号を検出することで、回転角度センサ83a,83b及び83cが計数したパルスの数を得る。次に、上述したパルス数−図柄番号対応関係を参照して、パルスの数から、図柄番号を得ることができる。このようにして得られた図柄番号は、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3を通過している最中の図柄の図柄番号を示す。さらに、上述した図柄対応テーブルを参照することによって、図柄番号から図柄を得る。
このようにすることで、図柄検出手段150は、ストップスイッチが操作されたときに、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3を通過している最中の図柄を得ることができる。さらに、上述したように、本実施の形態では、制御コマ数は、最大通過図柄数と、リールが停止して回転基準位置に位置した図柄との総和である。回転基準位置を通過している最中の図柄を得た後、さらに、図柄対応テーブルを参照することによって、制御コマ数分の図柄も得ることができる。上述したように、本明細書では、制御コマ数分の図柄を候補図柄と称する。上述したリール停止制御手段134は、図柄検出手段150によって候補図柄を得て、操作されたストップスイッチに対応したリールの停止制御を開始する。図柄検出手段150によって得られた候補図柄は、上述したリール停止制御手段134が引き込み制御や蹴飛ばし制御を行うときに、参照される。
上述したように、図柄検出手段150によって候補図柄を得ることにより、回転基準位置に対する候補図柄の位置を決めることもできる。すなわち、候補図柄に含まれる所定の図柄が、回転基準位置に対して、どの程度離れているのかを定めることができる。
また、図柄検出手段150は、リール30L、30C又は30Rが既に停止しているときに、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3に位置している図柄も得る。この処理は、まず、回転角度センサ83a〜83cから発せられた信号が示すパルスの数を記憶するパルス数記憶装置(図示せず)から、リール30L,30C又は30Rのうち、停止しているリールに対応したパルスの数を読み出し、読み出したパルスの数から図柄番号を得て、得られた図柄番号から回転基準位置に位置している図柄を得る。回転基準位置に位置している図柄を得た後、さらに、図柄対応テーブルを参照することによって、回転基準位置以外に位置している他の図柄も得ることができる。例えば、左リール30Lが既に停止しているときには、まず、回転角度センサ83aから発せられた信号を検出して、入賞ラインL3に位置している図柄を得る。さらに、図柄対応テーブルを参照することによって、入賞ラインL1やL2に位置している図柄も得ることができる。
既に停止しているリールの図柄は、上述したリール停止制御手段134が引き込み制御や蹴飛ばし制御を行うときに、参照される。役抽選手段120の抽選処理によって所定の役に当選した場合には、リール停止制御手段134は、既に停止しているリールの図柄と、これから停止しようとするリールの候補図柄とから、当選した役に対応した図柄の並びが、有効化された入賞ライン上に並ぶように、停止しようとしているリールの停止制御を行う。また、役抽選手段120の抽選処理によっていずれの役にも当選しなかった場合には、リール停止制御手段134は、既に停止しているリールの図柄と、これから停止しようとするリールの候補図柄とから、いずれかの役に対応する図柄の並びが有効化された入賞ライン上に揃わないように、停止しようとしているリールの停止制御を行う。
この図柄検出手段150による図柄の検出は、図5のステップS18のリール停止制御の処理を行うときに実行され、図柄の検出の結果は、図5のステップS20の入賞処理においても参照される。
上述したように、図12に示す左リール30Lには、図柄「MB」が、3番目の位置に付され、図柄「MA」が、10番目の位置に付され、図柄「MC」が、17番目の位置に付されている。このように、「MA」、「MB」、「MC」は互いに7コマ以上離隔した位置に配置されている。上述したように、制御コマ数は5個であるので、最大通過図柄数は4個である。また、左リール30Lに沿った図柄停止位置の数は、P11、P12、P13の3箇所である(図3参照)。このような場合に、「MA」、「MB」、「MC」を、互いに7コマ以上離隔した位置に配置することによって、「MA」と「MB」と「MC」とのうちの2つを同時に狙って止めることができなくなる。
例えば、図12に示す左リール30Lに示す図柄「MC」が、図柄停止位置P11を若干超えた位置で、遊技者がストップスイッチ44aを操作したときには、図柄「MB」を、図柄停止位置P13にまで引き込むことはできない。したがって、図柄「MC」と図柄「MB」とを同時に狙って、いずれかを一方の図柄を有効ラインに位置させようとすることはできない。このことは、他の図柄「MA」及び「MC」や、図柄「MB」及び「MA」についても同様である。
特に、後述する報知演出がされない場合には、「MA」と「MB」と「MC」とのうちのいずれの図柄に対応したメイン小役が当選しているのかを遊技者は知ることができない。このため、遊技者は、自らの判断で、これらの3つのうちのいずれか1つのみに狙いを定めて目押し操作をして停止させることになる。このようにすることで、メイン小役に対応する図柄が複数ある場合であっても、複数の図柄の各々を均等に狙わせることができ、複数のメイン小役の各々に同等の価値や重要性を持たせることができる。
また、図12に示す左リール30Lには、図柄「RC」が、5番目の位置に付され、図柄「RB」が、12番目の位置に付され、図柄「RA」が、19番目の位置に付されている。この図柄「RA」、「RB」及び「RC」についても、互いに7コマ以上離隔した位置に配置されている。上述したように、これらの図柄「RA」、「RB」及び「RC」に対応する役は、RTパンク役であり、後述すように、RTパンク役に入賞したときには、RT遊技状態を終了させるための役である。図柄「RA」、「RB」及び「RC」を、互いに7コマ以上離隔した位置に配置することによって、RT遊技状態を終了させにくくした左リール30Lにおける位置をなくすことができ、RT遊技状態を終了させる機会を同等にすることができる。
上述したように、図柄「RA」、「RB」及び「RC」に対応する役は、RTパンク役であり、RTパンク役に入賞したときには、RT遊技状態を終了させる。このようにしたことにより、遊技者は、RTパンク役に入賞しないように、停止操作をする必要が生ずるので、遊技者に緊張感を与えることができる。
さらに、図12に示す左リール30Lには、「MA」と「RA」とが、最も離隔するように配置し、「MB」と「RB」とが、最も離隔するように配置し、「MC」と「RC」とが、最も離隔するように配置している。上述したように、役抽選手段120の抽選処理によって、メイン小役AとRTパンク役Aとが重複して当選している場合、メイン小役BとRTパンク役Bとが重複して当選している場合、又はメイン小役CとRTパンク役Cとが重複して当選している場合がある。このように重複当選した場合であっても、図柄を上述したように配置することによって、重複して入賞しないようにできる。
さらにまた、図12に示す中リール30Cと右リール30Rとの双方のリールには、図柄「D」が、4番目、8番目、12番目、16番目及び20番目の位置に付されている。なお、ここで、「D」は、一定の同じ種類の図柄である。上述したように、図柄の並び「RA」−「D」−「D」がRTパンク役Aに対応し、図柄の並び「RB」−「D」−「D」がRTパンク役Bに対応し、図柄の並び「RC」−「D」−「D」がRTパンク役Cに対応する。上述したような位置に図柄「D」を、中リール30Cと右リール30Rとの双方のリールに配置することによって、RTパンク役A〜Cに当選したときには、当選したパンク役に入賞させやすくすることができるので、直ちにRT遊技状態を終了させやすくすることができる。
また、上述した例では、メイン小役AとRTパンク役Aとが重複して当選し、メイン小役BとRTパンク役Bとが重複して当選し、メイン小役CとRTパンク役Cとが重複して当選する場合を示したが、1つのメイン小役と2つのRTパンク役とを重複して当選するようにしてもよい。例えば、メイン小役Aと、RTパンク役A及びCとを重複当選させるようにしてもよい。このようにすることで、メイン小役Aに対応した図柄「MA」を狙い損ねた場合、例えば、遊技者が停止操作するタイミングが、早すぎたり遅すぎたりした場合には、RTパンク役AやRTパンク役Cに入賞しやすくなるので、メイン小役に入賞せずかつRTパンク役にも入賞しないという左リール30Lの位置をなくすことができる。
<有効ライン記憶手段160>
上述したように、遊技媒体数設定手段600(有効ライン化手段)によって、7本の入賞ラインL1〜L7のうちのいずれかが有効化される。有効ライン記憶手段160は、この遊技媒体数設定手段600(有効ライン化手段)によって、有効化された入賞ラインを有効ラインとして記憶する。
例えば、1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、入賞ラインL1が有効化され、有効ライン記憶手段160は、入賞ラインL1を有効ラインとして記憶する。2ベットスイッチ64を操作したときには、入賞ラインL1〜L5が有効化され、有効ライン記憶手段160は、入賞ラインL1〜L5を有効ラインとして記憶する。最大ベットスイッチ66を操作したときには、L1〜L7が有効化され、有効ライン記憶手段160は、入賞ラインL1〜L7を有効ラインとして記憶する。
<設定値記憶手段170>
設定値記憶手段170は、設定値設定手段700から発せられた信号が示す設定値を記憶する。例えば、設定値が1〜6であるときには、設定値記憶手段170には、1〜6のいずれかの値が記憶される。設定値記憶手段170に記憶された設定値は、確率テーブル記憶手段128に記憶された抽選確率テーブルを選択するときに読み出される。
また、設定値記憶手段170に記憶された設定値は、所定のタイミングで、後述するサブ制御手段200に送信される。
<図柄表示手段400>
図柄表示手段400は、3つのリール30L,30C及び30Rを含む。本実施の形態では、上述したように、リール30L、30C及び30Rの各々には、所定数、例えば21個の図柄がリールの回転方向に沿って配置されている。
リール30Lは、リール30Lを回転駆動するためのモータ86aと、リール30Lの回転角度を検出するための回転角度センサ83aとからなる。リール30Cは、リール30Cを回転駆動するためのモータ86bと、リール30Cの回転角度を検出するための回転角度センサ83bとからなる。リール30Rは、リール30Rを回転駆動するためのモータ86cと、リール30Rの回転角度を検出するための回転角度センサ83cとからなる。本実施の形態では、モータ86a、86b及び86cの回転軸に、リール30L,30C及び30Rの中心部が連結されており、モータ86a、86b及び86cが1回転すると、リール30L,30C及び30Rも1回転する。
本実施の形態では、モータ86a、86b及び86cの各々は、ステッピングモータからなる。モータ86a、86b及び86cの各々には、モータ86a、86b及び86cを駆動するためのモータ駆動回路(図示せず)が電気的に接続されている。モータ駆動回路は、メイン制御手段100に電気的に接続されている。
モータ駆動回路は、メイン制御手段100からパルス信号が供給されると、供給されたパルス信号に基づいて駆動信号を生成し、生成した駆動信号をモータ86a、86b及び86cの各々に発する。モータ駆動回路は、メイン制御手段100から供給されるパルス信号のパルスの数に応じた回転角度だけモータ86a、86b又は86cが回転するように、駆動信号を生成する。本実施の形態では、モータ86a、86b又は86cの1回転分、すなわち、360度を400個のステップに等分に分割した構成としている。すなわち、メイン制御手段100から400個のパルスからなるパルス信号が、モータ駆動回路に供給されると、モータ駆動回路は、モータ86a、86b又は86cが1回転するように、駆動信号を生成する。
回転角度センサ83a,83b及び83cは、メイン制御手段100からモータ駆動回路に供給されたパルス信号のパルスの数を計数するカウンタ(図示せず)を含む。回転角度センサ83a,83b及び83cは、カウンタで計数したパルスの数を示す信号を発する。また、回転角度センサ83a,83b及び83cは、カウンタで計数したパルスの数を初期化するための初期化手段(図示せず)を含む。初期化手段は、リール30L,30C及び30Rが、回転方向における一定の回転基準位置に達したときに、パルスの数を初期化する。したがって、リール30L,30C及び30Rが一定の回転基準位置に達するたびに、カウンタで計数したパルスの数は初期化される。この一定の回転基準位置が、リール30L,30C及び30Rの各々の回転方向の原点となる。上述したように、このリール30L,30C及び30Rの各々の回転方向の原点は、上述した回転基準位置、例えば、入賞ラインL3とするのが好ましい。
上述した構成にすることで、回転角度センサ83a,83b及び83cは、リール30L,30C及び30Rの一周分の回転角度に対応したパルスの数を示す信号を発することができる。上述したように、本実施の形態では、モータ86a、86b又は86cの1回転分を400個のステップに等分に分割した構成としている。したがって、リール30L,30C及び30Rが、回転基準位置に位置するときには、計数したパルスの数が0個であることを示す信号が回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる。また、リール30L,30C及び30Rが、回転基準位置から90度だけ回転した回転位置にあるときには、計数したパルスの数が99個であることを示す信号が回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる。
また、図柄表示手段400は、計数したパルスの数をリール30L,30C及び30R毎に記憶するパルス数記憶装置(図示せず)も有する。パルス数記憶手段に記憶されるパルスの数は、リール30L,30C及び30Rが回転しているときには、常に更新されている。したがって、リール30L,30C又は30Rが完全に停止するまで、パルスの数は更新されるので、リール30L,30C又は30Rのいずれかが停止したときには、停止したリールについては、停止したときのパルスの数が記憶されることになる。リール30L,30C及び30Rが停止しているときには、このパルス数記憶装置に記憶されているパルスの数が読み出される。
このように、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号から、リール30L,30C及び30Rの回転基準位置からの回転位置を得ることができる。なお、上述した説明は、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号を、概念的に説明するためのものである。スロットマシン10は、リール30L,30C及び30Rの回転位置を得る目的で、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号を検出するわけではない。後述するように、図柄番号や、図柄番号に対応した図柄を得たり、所定の図柄の位置を得たりするために、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられる信号を検出する。
上述したように、図柄検出手段150には、図柄番号と、図柄番号に対応した図柄との対応関係を定めた図柄対応テーブル(図示せず)が記憶されている。また、回転角度センサ83a,83b及び83cのカウンタで計数したパルスの数と、0番目〜20番目の図柄番号との対応を示すパルス数−図柄番号対応関係が予め定められている。このようにすることで、図柄検出手段150は、まず、回転角度センサ83a,83b及び83cから発せられた信号を検出することで、回転角度センサ83a,83b及び83cが計数したパルスの数を得る。次いで、上述したパルス数−図柄番号対応関係を用いて、パルスの数から、図柄番号を得る。このようにして得られた図柄番号は、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3に位置している図柄の図柄番号を示す。さらに、上述した図柄対応テーブルを用いることによって、図柄番号から図柄を得る。このようにして、回転基準位置、例えば、入賞ラインL3に位置している図柄を得ることができる。
また、リール30L,30C及び30Rのうち、いずれかのものが停止しているときには、その停止したリールについては、上述したパルス数記憶装置に記憶されているパルスの数を読み出し、上述したパルス数−図柄番号対応関係を用いて、読み出したパルスの数から、図柄番号を得、さらに、上述した図柄対応テーブルを用いることによって、図柄番号から図柄を得る。
図柄検出手段150は、このようにして入賞ラインL3に位置している図柄を得ることで、この図柄検出手段150における処理は、リールが、回転している場合と、停止している場合とに拘らず実行でき、リールが回転しているときに行えば、入賞ラインL3に停止する可能性のある候補図柄を決定することができる。また、リールが停止しているときに行えば、入賞ラインL3上に停止して位置している図柄を決定することができる。
<サブ制御手段200>
上述したように、メイン制御手段100には、サブ制御手段200が電気的に接続されており、メイン制御手段100から発せられた各種の信号や情報は、サブ制御手段200に供給される。
メイン制御手段100から発せられる各種の信号や情報には、役抽選手段120によって行われる抽選処理の抽選結果を示す信号や、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたことを示すストップ信号や、有効ラインL1〜L7に揃った図柄の並びを示す信号がある。これらの信号は、後述する図5のフローチャートのステップS14又はS20等の処理で、メイン制御手段100から送信される。
サブ制御手段200は、これらの信号を受信して、後述する演出手段300で行う演出の制御をする。
このサブ制御手段200は、上述したサブ制御基板52からなるのが好ましい。サブ制御手段200は、情報送信手段270を含む。
<情報送信手段270>
情報送信手段270は、演出に関する情報を、演出手段300に送信する。演出決定手段(図示せず)によって、演出をすると決定されたときには、演出手段300で行う演出に関する情報、例えば画像データ等が演出手段300に送信される。一方、演出をしないと決定されたときには、演出に関する情報は、演出手段300に送信されない。
<演出手段300>
演出手段300では、遊技に関する情報の報知が演出として行われる。本実施の形態では、単位遊技に関する情報を報知するための演出が、演出手段300で行われる。
演出手段300は、上述したサブ制御手段200の情報送信手段270と電気的に接続されている。演出手段300は、情報送信手段270から発せられた情報を遊技者が認識できるように報知する。この演出手段300は、画像表示装置34、スピーカ36又はランプ38からなるのが好ましい。上述した遊技に関する情報を報知するための遊技は、画像表示装置34で行われるのが好ましい。上述したように、演出は、サブ制御手段200によって制御されて進められる。
<<制御処理>>
以下に、上述したメイン制御手段100(メイン制御基板32)及びサブ制御手段200(サブ制御基板52)において行われる制御について説明する。図5〜図8及び図13は、メイン制御手段100における制御処理を実行するためのサブルーチンである。また、図9及び図10は、サブ制御手段200における制御処理を実行するためのサブルーチンである。
なお、以下においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述したメイン制御手段100においては、制御に用いられる種々の変数の初期化等の起動処理を終えて、スロットマシン10は定常動作しているものとする。また、この図5〜図8及び図13や図9及び図10に示すフローチャートは、メイン制御手段100やサブ制御手段200における制御処理を実行するための1つの例を示したにすぎず、この処理手順には限られない。
<メイン制御手段100における制御>
図5は、メイン制御手段100における制御を示すフローチャートである。
最初に、上述した1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64又は最大ベットスイッチ66を遊技者が操作することによって発せられた信号に基づいて、投入枚数を決定する(ステップS11)。この投入枚数は、1回の遊技をするために賭けの対象とされたメダルの数を示し、上述したクレジット数として一時的に蓄積されてから賭けの対象とされたメダルの数のみならず、メダル投入口46から投入されて直接賭けの対象とされたメダルの数も含む。
また、上述したように、1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64又は最大ベットスイッチ66は、入賞ラインを有効化する機能も有し、1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、入賞ラインL1が有効化される。2ベットスイッチ64を操作したときには、入賞ラインL1〜L5が有効化される。最大ベットスイッチ66を操作したときには、L1〜L7が有効化される。
次いで、スタートスイッチ42が遊技者によって操作されたか否かを判断する(ステップS12)。この判断処理は、スタートスイッチ42から始動信号が発せられたか否かによって判断する。スタートスイッチ42が操作されていないと判別したとき(NO)には、ステップS12の判断処理を繰り返す。一方、遊技者によってスタートスイッチ42が操作されたと判別したとき(YES)には、後述する図6に示す役抽選手段120による役抽選処理を呼び出して実行する(ステップS13)。
次に、役抽選手段120による役抽選処理の結果を示す信号(以下、抽選結果信号と称する。)をサブ制御手段200に送信する(ステップS14)。その後、上述したリール駆動制御手段130のリール回転制御手段132によって、3つのリール30L、30C及び30Rの回転制御を開始する(ステップS15)。
次いで、ストップスイッチ44a、44b又は44cが遊技者によって操作されたか否かを判断する(ステップS16)。この判断処理は、ストップスイッチ44a,44b又は44cから停止信号が発せられたか否かによって判断する。ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されていないと判別したとき(NO)には、ステップS16の判断処理を繰り返す。
一方、遊技者によって、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたと判別したとき(YES)には、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたことを示す信号(以下、ストップ信号と称する。)をサブ制御手段200に送信し(ステップS17)、ストップスイッチ44a、44b又は44cが操作されたことに基づいて、後述する図7に示す停止制御のサブルーチンを呼び出して、リール駆動制御手段130のリール停止制御手段134によって、3つのリール30L、30C及び30Rの停止制御を実行する(ステップS18)。
上述したステップS17の処理で、ストップ信号をサブ制御手段200に送信することで、サブ制御手段200は、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが操作された順番を得ることができる。
上述したステップS18の処理を実行した後、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止したか否かを判断する(ステップS19)。上述したリール30Lを駆動するためのモータ86aや、リール30Cを駆動するためのモータ86bや、リール30Rを駆動するためのモータ86cは、これらのモータの各々の全ての相を励磁させることで、停止させることができる。例えば、モータ86a,86b及び86cの各々が3相励磁によって駆動される場合には、各々のモータの3相の全てを同時に励磁させることによって、そのモータを停止させることができる。上述したステップS19の判断処理は、このようなモータを停止させるための励磁制御を、3つのモータ86a、モータ86b、及びモータ86cの全てに対して行ったか否かを判断する処理である。
上述したステップS19の判断処理で、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止していないと判別したとき、すなわち、3つのリール30L、30C及び30Rのうちの少なくとも1つのリールが停止していないと判別したとき(NO)には、上述したステップS16に処理を戻す。一方、3つのリール30L、30C及び30Rの全てが停止したと判別したとき(YES)には、後述する図8に示す入賞処理のサブルーチンを呼び出して、今回行われた単位遊技の入賞処理を実行し(ステップS20)、本サブルーチンを終了する。ステップS20の処理は、例えば、RB役に入賞したときには、RB遊技状態へ移行させ、スイカ役等の小役に入賞したときには、役に対応した枚数の遊技媒体を払い出す等の処理を行い、いずれの役に入賞しなかったときには、入賞に関する処理は行わない。
<役抽選処理>
図6は、上述した図5のサブルーチンのステップS13で呼び出されて実行される役抽選処理のサブルーチンを示す。なお、以下に説明する遊技状態は、フラグや変数の値として記憶されており、フラグや変数の値を読み出すことで、遊技状態を得ることができる。
最初に、遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判断する(ステップS21)。遊技状態が一般遊技状態であると判別したときには、一般遊技状態確率テーブルを選択する(ステップS22)。この一般遊技状態確率テーブルは、上述した乱数判定手段126の確率テーブル記憶手段128に記憶されている。
ステップS21で、遊技状態が一般遊技状態でないと判別したときには、遊技状態が第2種BB中一般遊技状態であるか否かを判断する(ステップS23)。遊技状態が第2種BB中一般遊技状態であると判別したときには、第2種BB中一般遊技状態確率テーブルを選択する(ステップS24)。この第2種BB中一般遊技状態確率テーブルも、上述した乱数判定手段126の確率テーブル記憶手段128に記憶されている。
ステップS23で、遊技状態が第2種BB中一般遊技状態でないと判別したときには、遊技状態が第2種BB中RB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS25)。遊技状態が第2種BB中RB遊技状態であると判別したときには、第2種BB中RB遊技状態確率テーブルを選択する(ステップS26)。この第2種BB中RB遊技状態確率テーブルも、上述した乱数判定手段126の確率テーブル記憶手段128に記憶されている。
ステップS25で、遊技状態が第2種BB中RB遊技状態でないと判別したときには、遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判断する(ステップS27)。遊技状態がRT遊技状態であると判別したときには、RT遊技状態確率テーブルを選択する(ステップS28)。このRT遊技状態確率テーブルも、上述した乱数判定手段126の確率テーブル記憶手段128に記憶されている。
ステップS27で、遊技状態がRT遊技状態でないと判別したときには、遊技状態がSB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS29)。遊技状態がSB遊技状態であると判別したときには、SB遊技状態確率テーブルを選択する(ステップS30)。このSB遊技状態確率テーブルも、上述した乱数判定手段126の確率テーブル記憶手段128に記憶されている。
ステップS29で、遊技状態がRT遊技状態でないと判別したときには、RB遊技状態確率テーブルを選択する(ステップS31)。
上述したステップS22、S24、S26、S28、S30又はS31の処理を実行した後、上述した乱数抽出手段124によって乱数を抽出する(ステップS32)。乱数判定手段126は、乱数の値を上述した確率テーブル記憶手段128に記憶されている抽選確率テーブルのデータと照合して、役の種類を定める(ステップS33)。
なお、図5に示したフローチャートでは、遊技状態が第1種BB遊技状態であるときの処理については省略したが、他の遊技状態のときの処理と同様に、遊技状態が第1種BB遊技状態であるときには、第1種BB遊技状態確率テーブルを選択して抽選処理を行う。
<リール停止制御処理>
図7は、上述した図5のサブルーチンのステップS18で呼び出されて実行されるリール停止制御処理のサブルーチンを示す。
最初に、メイン小役とRTパンク役とが重複当選しているか否かを判断する(ステップS41)。上述したように、メイン小役には、メイン小役Aと、メイン小役Bと、メイン小役Cとがあり、RTパンク役には、RTパンク役Aと、RTパンク役Bと、RTパンク役Cとがある。また、メイン小役Aは、RTパンク役Aに対応し、メイン小役Bは、RTパンク役Bに対応し、メイン小役Cは、RTパンク役Cに対応するに定められている。したがって、ステップS41の判断は、メイン小役AとRTパンク役Aとが重複当選したか否か、メイン小役BとRTパンク役Bとが重複当選したか否か、又はメイン小役CとRTパンク役Cとが重複当選したか否かを判断する処理である。このステップS41の判断処理を実行することによって、第1の小役と第2の小役とが重複当選したか否かを判断することができる。
ステップS41の判断処理で、メイン小役とRTパンク役とが重複当選していないと判断したとき(NO)には、何らかの役に単独で当選しているか否かを判断する(ステップS42)。何らかの役に単独で当選していると判別したとき(YES)には、当選している役に対応した図柄を、有効されている入賞ラインに引き込むことができるか否かを判断する(ステップS43)。この処理は、上述した遊技制御手段であるメイン制御手段100のリール停止制御手段134が判断する。
当選している役に対応した図柄を、有効されている入賞ラインに引き込むことができると判別したとき(YES)には、リール停止制御手段134は、引き込み制御をし(ステップS44)、本サブルーチンを終了する。一方、ステップS42の判断処理で、何らかの役に当選していないと判別したとき(NO)、又はステップS43の判断処理で、当選している役に対応した図柄を有効されている入賞ラインに引き込むことができないと判別したとき(NO)には、リール停止制御手段134は、蹴飛ばし制御をし(ステップS45)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS41の判断処理で、メイン小役とRTパンク役とが重複当選しているとき(YES)には、RTパンク役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができるか否かを判断する(ステップS46)。RTパンク役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができると判別したとき(YES)には、リール停止制御手段134は、引き込み制御をし(ステップS47)、本サブルーチンを終了する。
このように、メイン小役とRTパンク役とが重複当選しているときに、ステップS46の判断処理で、メイン小役に対応した図柄よりも先に、RTパンク役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができるか否かを判断することによって、優先的にRTパンク役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができる可能性を高めることができる。
一方、ステップS46の判断処理で、RTパンク役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができないと判別したとき(NO)には、メイン小役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができるか否かを判断する(ステップS48)。メイン小役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができないと判別したとき(NO)には、リール停止制御手段134は、蹴飛ばし制御をし(ステップS49)、本サブルーチンを終了する。
ステップS48の判断処理で、メイン小役に対応した図柄を、有効化された入賞ラインに引き込むことができると判別したとき(YES)には、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが所定の順序で操作されたか否かを判断する(ステップS50)。この処理は、図5のステップS17の処理でメイン制御手段100から送信されたストップ信号を受信することによって判断することができる。例えば、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが、44c→44b→44aの順序、いわゆる逆押しで操作されたか否かを判断する。3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが所定の順序で操作されたと判別したとき(YES)には、メイン小役に対応した図柄を、有効化された複合ラインに引き込むことができるか否かを判断する(ステップS51)。上述したように、複合ラインは、共通した図柄停止位置が含まれた有効ラインである。メイン小役に対応した図柄を、有効化された複合ラインに引き込むことができると判別したとき(YES)には、リール停止制御手段134は、メイン小役に対応した図柄を、有効化された複合ラインに引き込む制御をし(ステップS52)、本サブルーチンを終了する。
このように、所定の押し順で3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作したときのみ、メイン小役に対応した図柄を、有効化された複合ラインに引き込むようにする。このように制御することにより、停止操作が所定の押し順であれば、メイン小役に入賞する可能性が生ずるので、遊技者に緊張感や期待感を与えることができる。一方、停止操作が所定の押し順とは異なる押し順であれば、メイン小役に入賞することがないので、遊技者に悔しさを感じさせて、成功に至るまで遊技を続行しようという意欲を起こさせることができる。
上述したステップS50の判断処理で、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが所定の順序で操作されていないと判別したとき(NO)、又はステップS51の判断処理で、メイン小役に対応した図柄を、有効化された複合ラインに引き込むことができないと判別したとき(NO)には、リール停止制御手段134は、メイン小役に対応した図柄を、有効化された複合ラインから蹴飛ばす制御をし(ステップS53)、本サブルーチンを終了する。
<入賞処理>
図8は、上述した図5のサブルーチンのステップS20で呼び出されて実行される入賞処理のサブルーチンを示す。
最初に、遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判断する(ステップS61)。上述したように、遊技状態は、フラグや変数の値を読み出すことによって得ることができる。遊技状態が一般遊技状態であると判別したとき(YES)には、図5のステップS13の役抽選処理によって第2種BB役に入賞していたか否かを判断する(ステップS62)。第2種BB役に入賞していたと判別したとき(YES)には、第2種BB遊技状態を開始する(ステップS63)。なお、この処理は、遊技状態を示すフラグや変数の値を変更するものであり、実際に遊技者が遊技を行うことができる状態としての第2種BB遊技状態は、このサブルーチンの処理を終えて、図5のサブルーチンが呼び出されて次の単位遊技を行うことができるようになった状態をいう。
一方、第2種BB役に入賞していなかったとき(NO)には、他の役に入賞した処理や、役に入賞しなかった処理を実行する(ステップS64)。ステップS63又はS64の処理を実行した後、後述するメダルの払い出し処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS78)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS61で遊技状態が一般遊技状態でないと判別したとき(NO)には、遊技状態が第2種BB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS65)。第2種BB遊技状態であるか否かは、第2種BB中一般遊技状態であるか、又は第2種BB中RB遊技状態であるかを判断する。遊技状態が第2種BB遊技状態であると判別したとき(YES)には、遊技状態が第2種BB中RB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS66)。
遊技状態が第2種BB中RB遊技状態でないと判別したとき(NO)、すなわち、遊技状態が第2種BB中一般遊技状態であると判別したときには、図5のステップS13の役抽選処理によってCB役に入賞していたか否かを判断する(ステップS67)。役抽選処理によってCB役に入賞していたと判別したとき(YES)には、第2種BB中RB遊技状態を開始する(ステップS68)。この処理は、遊技状態を示すフラグや変数の値を変更することによって行われる。一方、役抽選処理によってCB役に入賞していなかったと判別したとき(NO)には、他の役に入賞した処理や、役に入賞しなかった処理を実行する(ステップS69)。例えば、RB役に入賞したときには、RB遊技状態へ移行させ、スイカ役等の小役に入賞したときには、役に対応した枚数の遊技媒体を払い出す処理を行い、入賞しなかったときには、遊技回数を計数する処理のみを行う。
上述したステップS66で遊技状態が第2種BB中RB遊技状態であると判別したとき(YES)には、第2種BB中RB遊技状態を終了し(ステップS70)、第2種BB中一般遊技状態を開始する(ステップS71)。これらのステップS70又はS71の処理も遊技状態を示すフラグや変数の値を変更することによって行われる。このステップS71の処理もフラグや変数の値を変更するものであり、実際に遊技者が遊技を行うことができる状態としての第2種BB中一般遊技状態は、このサブルーチンの処理を終えて、図5のサブルーチンが呼び出されて次の単位遊技を行うことができるようになった状態をいう。
上述したステップS68、S69又はS71の処理を実行した後、第2種BB遊技状態の終了条件を満たしたか否かを判断する(ステップS72)。この第2種BB遊技状態の終了条件は、図5のステップS13の役抽選処理によってRB役又はSB役に入賞したことや、遊技者が獲得したメダルの枚数が所定の枚数以上になったことである。第2種BB遊技状態の終了条件を満たしたと判別した(YES)ときには、RT遊技状態を開始し(ステップS73)、処理をステップS78に移す。このステップS73の処理も、遊技状態を示すフラグや変数の値を変更することによって行われる。一方、第2種BB遊技状態の終了条件を満たしていないと判別したとき(NO)には、直ちに処理をステップS78に移す。上述したステップS73の処理も、フラグや変数の値を変更するものであり、実際に遊技者が遊技を行うことができる状態としてのRT遊技状態は、このサブルーチンの処理を終えて、図5のサブルーチンが呼び出されて次の単位遊技を行うことができるようになった状態をいう。
上述したステップS75で遊技状態が第2種BB遊技状態でないと判別したとき(NO)には、遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判断する(ステップS74)。遊技状態がRT遊技状態であると判別したとき(YES)には、RTパンク役に入賞したか否かを判断する(ステップS75)。RTパンク役に入賞したと判別したとき(YES)には、RT遊技状態を終了し(ステップS76)、処理をステップS78に移す。この処理は、遊技状態を示すフラグや変数の値を変更するものである。一方、RTパンク役に入賞していないと判別したとき(NO)には、直ちに処理をステップS78に移す。
上述したステップS74の判断処理で、遊技状態がRT遊技状態でないと判別したとき(NO)には、他の遊技状態の処理を実行し(ステップS77)、メダルの払い出し処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップS78)、本サブルーチンを終了する。このステップS77の処理は、第1種BB遊技状態や、RB遊技状態や、SB遊技状態や、RT遊技状態に応じた処理を実行する。
上述したステップS75の判断処理で、RTパンク役に入賞したと判別したときには、ステップS76の処理で、RT遊技状態を終了するので、遊技者は、RTパンク役に入賞しないように、停止操作をする必要が生ずるので、遊技者に緊張感を与えることができる。また、RTパンク役に入賞させてしまったときには、RT遊技状態を直ちに終了させることができるので、遊技媒体を払い出す数を調整することができる。
さらに、遊技状態がRT遊技状態であるときには、メダルの数を減らしにくくして遊技を行うことができるので、遊技者は、少しでも長い間、このRT遊技状態であることを望む。このため、RTパンク役が入賞してRT遊技状態を終了しないようにするために、RTパンク役が入賞しないように停止操作をする必要があるので、遊技者に緊張感を与えることができ、飽きを感じさせにくくすることができる。また、RTパンク役が入賞しないように停止操作できたときには、RT遊技状態が継続するので、さらに利益を増やすことができるのではないかという期待感を与えることができ、さらに、飽きを感じさせにくくすることができる。
上述したRTパンク役が、「第2の小役」に対応し、RT遊技状態が、「一の遊技状態」に対応する。
<メダルの払い出し処理>
図13は、上述した図8のサブルーチンのステップS78で呼び出されて実行されるメダルの払い出し処理のサブルーチンを示す。
最初に、小役に入賞したか否かを判断する(ステップS101)。この処理は、いずれかの有効ラインに並んだ図柄の並びが、当選した役に対応した図柄の並びと一致したか否かを判断する処理である。小役に入賞していないと判別したとき(NO)には、メダルを払い出す処理をする必要がないので、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、小役に入賞したと判別したとき(YES)には、入賞した役に応じて、予め記憶されている基本払い出し枚数を読み出す(ステップS102)。この基本払い出し枚数は、入賞した役に応じて、メイン制御手段100(遊技制御手段)の基本払い出し枚数記憶手段(図示せず)に予め記憶されている。
次に、現在の遊技状態が、RT遊技状態であるか否かを判断する(ステップS103)。現在の遊技状態が、RT遊技状態でないと判別したとき(NO)には、実際に払い出すメダルの枚数を、ステップS102の処理で読み出した基本払い出し枚数として決定し(ステップS104)、決定した払い出し枚数のメダルを払い出し(ステップS105)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS103の判断処理で、現在の遊技状態が、RT遊技状態であると判別したとき(YES)には、複合ラインについて、当選した小役に入賞したか否かを判断する(ステップS106)。この処理は、共通した図柄停止位置が含まれた有効ラインの各々に並んだ図柄の並びが、当選した役に対応した図柄の並びと一致したか否かを判断する処理である。
複合ラインについて、当選した小役に入賞しなかった、すなわち、単独の有効ラインでのみ、小役に入賞したと判別したとき(NO)には、上述したステップS104に処理を移す。一方、複合ラインについて、当選した小役に入賞したと判別したとき(YES)には、ステップS102の処理で読み出した基本払い出し枚数に、小役に入賞した有効ラインの数を乗じた値を、実際に払い出すメダルの枚数とする(ステップS107)。
次いで、実際に払い出すメダルの枚数が15枚より多いか否かを判断する(ステップS108)。実際に払い出すメダルの枚数が15枚以下であると判別したとき(NO)には、上述したステップS105に処理を移す。一方、実際に払い出すメダルの枚数が15枚より多いと判別したとき(YES)には、実際に払い出すメダルの枚数を15枚として(ステップS109)、実際に払い出すメダルの枚数の修正をして、上述したステップS105に処理を移す。このようにすることで、実際に払い出すメダルの枚数の最大を15枚に制限することができる。
例えば、1本の有効ラインのみについて、メイン小役A、B又はCのいずれかが入賞したときには、上述したステップS106及びS104の処理によって、基本払い出し枚数である8枚のメダルが払い出される(図11参照)。一方、2本の有効ラインの数で構成された複合ラインについて、メイン小役A、B又はCのいずれかが入賞したときには、上述したステップS106及びS104の処理によって、15枚のメダルが払い出される。上述したように、有効ラインの数である2本に、基本払い出し枚数である8枚を乗じた枚数は、16枚であるが(ステップS107)、この場合は、15枚を超えているので(ステップS108)、最大枚数の15枚とされ(ステップS109)、実際に払い出されるメダルの枚数は、15枚となる。
これに対して、RTパンク役A、B又はCは、1本の有効ラインについてのみ入賞するように、3つのリール30L〜30Rの停止制御がされるので、実際に払い出されるメダルの枚数は、常に、基本払い出し枚数である9枚となる(図11参照)。
このようにすることで、通常は、第1の小役(メイン小役A、B又はC)よりも第2の小役(RTパンク役A、B又はC)に入賞したときの方が多くの遊技媒体が払い出されるようにし、遊技の進行や遊技状態に応じた何らかの契機によって、第2の小役よりも第1の小役に入賞したときの方が多くの遊技媒体が払い出されるようにできるので、通常、払い出すメダルの枚数を少なく抑えるとともに、何らかの契機によって、払い出すことができるメダルの数を急激に多くすることができ、遊技者を楽しませることができたり、期待感を与えたりすることができる。
<ミニゲーム処理>
図9は、サブ制御手段200において実行されるミニゲーム処理のサブルーチンを示す。なお、このサブルーチンは、所定のタイミング毎に呼び出されて実行される。
最初に、メイン制御手段100によって制御されている単位遊技の遊技状態が、RB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS81)。なお、本サブルーチンの説明において、RB遊技状態とは上述した第2種BB中RB遊技状態を示す。単位遊技の遊技状態がRB遊技状態でないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
ステップS81の判断処理で、単位遊技の遊技状態がRB遊技状態であると判別したとき(YES)には、単位遊技が、RB遊技状態へ移行してから1回目のRB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS82)。単位遊技が、1回目のRB遊技状態であると判別したとき(YES)には、抽選処理を行って図柄を抽選する(ステップS83)。具体的には、ステップS83の処理は、「チェリー」、「スイカ」、「リプレイ」又は「バー」の4つの図柄のうちのいずれか1つの図柄を抽選する処理である。以下では、抽選処理によって決められた図柄を抽選図柄と称する。
上述したステップS82の判断処理で、単位遊技が、1回目のRB遊技状態でないと判別したとき(NO)、すなわち、2回目以降のRB遊技状態であると判別したときには、抽選処理を行い(ステップS84)、抽選処理の結果に応じて、ミニゲームを実行する否かを判断する(ステップS85)。ミニゲームを実行しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、ミニゲームを実行すると判別したとき(YES)には、上述したステップS83の処理を実行する。
上述したステップS83の処理を実行した後、抽選処理によって決定した抽選図柄を演出手段300の画像表示装置34に表示する(ステップS86)。
本サブルーチンが実行されることによって行われるミニゲームは、ステップS86の処理で画像表示装置34に表示された抽選図柄と同一の図柄を、遊技者が入賞ライン上に停止させることができたときには、ポイントを加算するというゲームである。具体的には、左リール30Lの中段、すなわち、左リール30Lの入賞ラインL1上に、抽選図柄と同一の図柄を、遊技者の停止操作によって位置づけることができたときには、ポイントを加算する。
メイン制御手段100において、単位遊技が、RB遊技状態であるときには、(1)「チェリー」−「ANY」−「ANY」と、(2)「ベル」−「ベル」−「ベル」と、(3)「スイカ」−「ベル」−「ベル」と、(4)「リプレイ」−「ベル」−「ベル」と、(5)「バー」−「ベル」−「ベル」との5通りの図柄の並びに対応した役が、単位遊技の各々で常に重複当選している。なお、これらの図柄の並びは、左リール30L、中リール30C、右リール30Rの順に、有効ラインに沿って図柄が位置した並びを示す。このように、左リール30Lについては、「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」又は「バー」の5つの図柄のうちのいずれか1つを有効ライン上に位置づけることができれば、上述した5つの役のいずれかに入賞する可能性が生ずる。
一方、上述したように、ミニゲームは、サブ制御手段200において、「チェリー」、「スイカ」、「リプレイ」又は「バー」の4つの図柄のいずれか1つを抽選図柄として抽選処理によって決め、単位遊技で左リール30Lの入賞ラインL1上に位置させた図柄が、抽選図柄と一致したときには、サブ制御手段200において、ポイントを加算するものである。
このように、単位遊技において、左リール30Lについて有効ライン上に位置づける図柄は、「チェリー」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」又は「バー」の5つの図柄であり、ミニゲームにおいて、左リール30Lの入賞ラインL1上に位置づける図柄は、「チェリー」、「スイカ」、「リプレイ」又は「バー」の4つの図柄である。したがって、ミニゲームにおいて入賞ラインL1に位置づけるべき図柄は、単位遊技において有効ラインに位置づけるべき図柄に含まれているので、ミニゲームと単位遊技とのいずれについても遊技者に不利になることなく、ミニゲームと単位遊技とを両立して遊技者に行わせることができる。
上述したステップS86の処理を実行した後、メイン制御手段100における制御で、左リール30Lが停止した否かを判断する(ステップS87)。左リール30Lが停止していないと判別したとき(NO)には、ステップS87の処理を繰り返す。一方、左リール30Lが停止したと判別したとき(YES)には、左リール30Lの入賞ラインL1上に位置した図柄が、ステップS83の抽選処理で定められた抽選図柄と一致したか否かを判断する(ステップS88)。このステップS88の処理は、図5のステップS19の判断処理で、全てのリールが停止したと判別したときに、メイン制御手段100は停止した図柄に関する情報を送信し(図示せず)、サブ制御手段200は、この情報を受信することで処理することができる。
ステップS88の判断処理で、左リール30Lの入賞ラインL1上に位置した図柄が、抽選図柄と一致していないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、左リール30Lの入賞ラインL1上に位置した図柄が、抽選図柄と一致したと判別したとき(YES)には、ポイントを加算し(ステップS89)、本サブルーチンを終了する。なお、加算したポイントは、後述する報知制御処理で用いる。また、ポイントの値の初期化は、上述したステップS82の判断処理で1回目のRB遊技が実行されたと判別したときに行われる(図示せず)。
<報知制御処理>
図10は、サブ制御手段200において実行される報知制御処理のサブルーチンを示す。なお、このサブルーチンは、所定のタイミング毎に呼び出されて実行される。
最初に、メイン制御手段100によって制御されている単位遊技の遊技状態が、RT遊技状態であるか否かを判断する(ステップS91)。上述したように、RT遊技状態は、一般遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態や、特別遊技状態でありかつ再遊技高確率遊技状態である遊技状態がある。このサブルーチンでは、いずれの再遊技高確率遊技状態においても呼び出されて実行される。
ステップS91の判断処理で、単位遊技の遊技状態が、RT遊技状態でないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、単位遊技の遊技状態が、RT遊技状態であると判別したとき(YES)には、RT遊技状態へ移行してから1回目のRT遊技状態であるか否かを判断する(ステップS92)。
1回目のRT遊技状態であると判別したとき(YES)には、上述した図9のステップS89の処理で加算したポイントの値に応じて、報知を開始するタイミングと、報知をする回数とを決定する(ステップS93)。例えば、ポイントの値が小さいときには、報知を開始するタイミングを遅らせると共に、報知をする回数を少なくする。また、ポイントの値が大きいときには、報知を開始するタイミングを早めると共に、報知をする回数を多くする。
上述したステップS92の判断処理で、1回目のRT遊技状態でないと判別したとき(YES)、又はステップS93の処理を実行したときには、現在、報知をしている最中であるか否かを判断する(ステップS94)。現在、報知をしている最中でないと判別したとき(NO)には、ステップS93で定めた報知をするタイミングに至ったか否かを判断する(ステップS95)。未だ、報知をするタイミングに至っていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
上述したステップS94の判断処理で、現在、報知をしている最中であると判別したとき(YES)、又は報知をするタイミングに至ったと判別したとき(YES)には、演出手段300の画像表示装置34において報知演出を実行し(ステップS96)、画像表示装置34において報知演出をした回数を計数する(ステップS97)。
上述したステップS96の報知演出によって報知される内容は、重複当選した役に関する情報や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cの押し順に関する情報である。例えば、メイン小役AとRTパンク役Aとが重複して当選していることに関する情報や、メイン小役BとRTパンク役Bとが重複して当選していることに関する情報や、メイン小役CとRTパンク役Cとが重複して当選していることに関する情報である。
また、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cの押し順に関する情報は、例えば、「左→中→右」や「右→中→左」など、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作する順番に関する情報である。
なお、報知演出による報知は、明確に示す必要はなく、キャラクタの動作などの何らかの態様によって、示唆したり暗示したりできるものも含まれる。
次に、ステップS97で計数した回数が、ステップS93で定めた回数に至って、報知を終了すべきか否かを判断する(ステップS98)。報知を終了すべきでないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。一方、報知を終了すべきであると判別したとき(YES)には、報知を終了する処理、例えば変数やフラグの値を変更して(ステップS99)、本サブルーチンを終了する。
上述したように、通常は、第1の小役よりも第2の小役に入賞したときの方が多くの遊技媒体が払い出されるようにし、遊技の進行や遊技状態に応じた何らかの契機によって、第2の小役よりも第1の小役に入賞したときの方が多くの遊技媒体が払い出されるようにできるので、遊技者を楽しませることができたり、期待感を与えたりすることができる。