JP2011045187A - 電機子用磁芯 - Google Patents

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能成 浅野
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Abstract

【課題】アキシャルギャップ型回転電機において、積層鋼板で電機子用磁芯を形成する場合に、電機子巻線の巻回を妨げずにかつ、電磁鋼板のずれを回避又は抑制する技術を提供する。
【解決手段】電機子用磁芯10は、電機子巻線の巻回軸に平行な第1方向Qに直交する第2方向Rに積層される磁性体板12の複数を備え、一の磁性体板121と、それに隣接する他の磁性体板122とは、巻回部10aに相当する第1部位12aにおいて、第1方向Q及び第2方向Rに直交する第3方向Sに延在する第1条T1を呈する第1VカシメV1によって嵌着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電機子用磁芯に関し、特にアキシャルギャップ型回転電機において積層鋼板で形成される電機子用磁芯に関するものである。
予め定められた形状に打抜かれた略平板な電磁鋼板の複数枚を当該電磁鋼板が延在する面の法線方向に積層して、回転電機に搭載される電機子用磁芯を形成する技術が提案されており、例えば下掲の特許文献1ないし特許文献3等に開示されている。
特開2007−028854号公報 特開2003−111318号公報 特開2001−095181号公報
上掲の特許文献1ないし特許文献3に開示された技術はいずれも電機子用磁芯を構成する鋼板同士をカシメ結合している。上掲の特許文献3に開示された技術はラジアルギャップ型回転電機、特にステータたる電機子が径方向外側に配されるラジアルギャップ型回転電機に供する電動機用積層コアに関するものである。ラジアルギャップ型回転電機に供する電機子用磁芯を、回転軸方向に積層する電磁鋼板で形成する場合には、ラジアルギャップ型回転電機が有する電機子用磁芯と同数の凸部を呈する略環状の電磁鋼板を積層して形成し、当該凸部が積層した状態で一の電機子用磁芯を呈する。この場合、各電機子用磁芯に相当する位置においてカシメ結合を設ければ、一の電磁鋼板とそれに回転軸方向で隣接する他の電磁鋼板とは複数個(電機子用磁芯と同数個)のカシメで結合することになる。したがって、電機子巻線が巻回されて電磁鋼板に電機子巻線の張力が作用したとしても、電磁鋼板同士が回転軸方向を法線とする面上でずれることは起こりにくい。
これに対して上掲の特許文献1及び特許文献2に開示された技術はいずれもアキシャルギャップ型回転電機に供するティースに関するものであり、それぞれのティースは個別に形成される。このようなティースのそれぞれに電機子巻線を巻回した場合には電機子巻線の張力によって電磁鋼板がずれる場合がある。特許文献1及び特許文献2のように2箇所でカシメ結合すれば、電磁鋼板のずれを回避できる場合があるが、カシメには丸カシメやVカシメ等の種類があり、種類によってはこのずれを有効に回避又は抑制するとはいえない。また、カシメは電磁鋼板に凹凸を形成するので、当該凹凸が電機子巻線のスムーズな巻回を妨げることになる。
本発明は、上記課題に鑑み、アキシャルギャップ型回転電機において、積層鋼板で電機子用磁芯を形成する場合に、電機子巻線の巻回を妨げずにかつ、電磁鋼板のずれを回避又は抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る電機子用磁芯の第1の態様は、予め定められた回転軸(A)の周りで環状配置されて、前記回転軸に平行な第1方向(Q)に予め定められた空隙を介して界磁部と対向し、複数の電機子巻線のそれぞれが巻回される芯として機能する巻回部(10a)を呈する電機子用磁芯(10)であって、前記電機子巻線の巻回軸に平行な前記第1方向に直交する第2方向(R)に積層される磁性体板(12)の複数を備え、一の前記磁性体板と、それに隣接する他の前記磁性体板とは、前記第1方向の位置のうち、前記巻回部に相当する位置の第1部位(12a)において、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向(S)に延在する第1条(T1)を呈する第1Vカシメ(V1)又は前記第1条を呈する第1丸Vカシメ(V0)によって嵌着する。
本発明に係る電機子用磁芯の第2の態様は、その第1の態様であって、前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記第3方向の幅の中心の位置において、前記第1Vカシメ(V1)又は第1丸Vカシメ(V0)によって嵌着する。
本発明に係る電機子用磁芯の第3の態様は、その第1の態様又は第2の態様であって、前記第3方向(S)は前記第2方向(R)に直交し、前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記第1部位(12a)の前記第1方向の幅の中心の位置において、前記第1Vカシメ(V1)又は第1丸Vカシメ(V0)によって嵌着する。
本発明に係る電機子用磁芯の第4の態様は、その第1の態様ないし第3の態様のいずれかであって、前記電機子用磁芯(10)のうち前記巻回部(10a)は、前記第1方向(Q)からの平面視で略台形状を呈する。
本発明に係る電機子用磁芯の第5の態様は、その第1の態様ないし第4の態様のいずれかであって、前記電機子用磁芯(10)は、前記第1方向(Q)の一方側の端部で電機子(30)のバックヨーク(32)が呈する凹部(32a)に埋込まれる埋込部(10b)を呈し、前記一の前記磁性体板(12)と、前記他の前記磁性体板とは、前記第1方向の位置のうち、前記埋込部に相当する位置の第2部位(12b)において、前記第1方向に延在する第2条(U1)を呈する第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する。
本発明に係る電機子用磁芯の第6の態様は、その第5の態様であって、前記バックヨーク(32)は前記第1方向(Q)を法線とする面上で複数の電機子用磁芯(12)を略環状に配列し、前記第2方向(R)は前記面上で前記回転軸(A)を中心とする円の半径方向に等しく、前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記第3方向(S)の幅の中心の位置において、前記第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する。
本発明に係る電機子用磁芯の第7の態様は、その第6の態様であって、前記電機子用磁芯(10)は、前記巻回部(10a)に対して前記埋込部(10b)とは反対側で、前記第1方向(Q)に沿った所定の空隙を介して界磁磁石(52)と対向し、前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記埋込部(10b)に相当する位置のうち前記第1方向(Q)の幅の中心の位置(M)に対して前記巻回部(10a)に相当する位置とは反対側の位置において、前記第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する。
本発明に係る電機子用磁芯の第8の態様は、その第7の態様であって、前記埋込部(10b)は、前記巻回部(10a)とは反対側において、前記第1方向(Q)に沿って突出する突出部(10c)を呈し、前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記突出部に相当する位置において、前記第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する。
積層鋼板で電機子用磁芯を形成し電機子巻線を巻回する場合には、積層された鋼板同士の間で電機子巻線の張力によってズレが生じる。本発明に係る電機子用磁芯の第1の態様によれば、第1Vカシメ又は第1丸Vカシメが呈する第1条の延在方向と、積層鋼板に作用する電機子巻線の張力の方向とが同一面内にあるので、鋼板同士のズレを回避又は抑制しつつ、強固に接合することができる。
本発明に係る電機子用磁芯の第2の態様によれば、第1Vカシメ又は第1丸Vカシメによって磁束の流れが妨げられることを回避又は抑制できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第3の態様によれば、第1Vカシメ又は第1丸Vカシメによって磁束の流れが妨げられることを回避又は抑制できる。また、電機子巻線の張力を均等に受けることができる。
第1方向からの平面視で略台形状を呈する電機子用磁芯の場合、積層された鋼板のそれぞれに作用する電機子巻線の張力の大きさは異なるので、鋼板同士を強固に保持することが必要になる。本発明に係る電機子用磁芯の第4の態様によれば、鋼板同士のズレを回避又は抑制しつつ、第1方向に平行な方向を回転軸とするアキシャルギャップ型モータに供する電機子の、電機子巻線の占積率を高めることができる。
本発明に係る電機子用磁芯の第5の態様によれば、第1条の延在方向と、第2条の延在方向とが直交するので、第1Vカシメで鋼板同士の第1方向に垂直な方向のズレ(特に電機子巻線の巻回時の張力によるズレ)を、第2Vカシメで鋼板同士の第1方向のズレ(磁気吸引力の差によるズレ)を、それぞれ回避又は抑制できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第6の態様によれば、第2カシメ(磁性体板が埋込部に相当する位置で呈する変形)によって磁束の流れが妨げられることを回避又は抑制できる。
本発明に係る電機子用磁芯の第7の態様によれば、一の電機子用磁芯からそれに隣接する他の電機子用磁芯へと向かう磁束の流れを妨げることなく、鋼板同士を強固に保持できる。
電機子用磁芯を保持するに際し、バックヨークに形成される孔に電機子用磁芯を立設するのみならず、電機子用磁芯が立設される位置に孔が形成されている補強板を更に設けて、当該孔に電機子用磁芯の一部を立設することで、電機子用磁芯の保持を強固にすることがある。本発明に係る電機子用磁芯の第8の態様によれば、突出部を当該補強板の孔に立設することができ、電機子用磁芯をより強固に保持できる。しかも、補強板には磁束が流れないので、磁束の流れを妨げることなく、鋼板同士を強固に保持できる。
本発明の実施例1に係る電機子用磁芯の斜視図である。 電機子用磁芯の正面図である。 電機子用磁芯を採用した回転電機の分解斜視図である。 Vカシメを例示する平面図及び断面図である。 本発明の変形例に係る電機子用磁芯の斜視図である。 本発明の変形例に係る電機子用磁芯の斜視図である。 本発明の変形例に係る電機子用磁芯の斜視図である。
以下、本発明の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、図1を初めとする以下の図には、本発明に関係する要素のみを示す。
〈実施例1〉
図1ないし図3に示すように、本発明の実施例1に係る電機子用磁芯10は、アキシャルギャップ型モータ100の電機子30に適用される。アキシャルギャップ型モータ100は、回転子たる界磁子50と、固定子たる電機子30とが回転軸Aに平行な方向Qに沿って予め定められた空隙を介して対向している。界磁子50は界磁磁石(課題を解決するための手段における界磁部)52と、界磁磁石52を保持するヨーク54とを有している。電機子30は回転軸Aの周りで環状配置される複数の電機子用磁芯10と、電機子用磁芯10のそれぞれに巻回される電機子巻線20と、電機子用磁芯10を方向Qの一方側端部で保持するバックヨーク32及び補強板34とを有している。なお、構造の理解を容易にするため、アキシャルギャップ型モータ100を回転軸Qに沿って分解して示しているが、界磁磁石52とヨーク54とは互いに接触しており、電機子用磁芯10、バックヨーク32及び補強板34も互いに接触している。
電機子用磁芯10は、電機子巻線20が巻回される芯として機能する巻回部10aと、バックヨーク32が呈する凹部32aに埋込まれる埋込部10bとを呈する。例えば埋込部10bは、方向Qからの平面視で巻回部10aよりも面積が大きい。さらに、埋込部10bは、埋込部10bから巻回部10aとは反対側へ突出する突出部10cを呈し、補強板34が突出部10cと嵌合する孔34cを呈しても良い。例えば突出部10cは、方向Qからの平面視で巻回部10aよりも面積が小さい。電機子巻線20の占積率向上の観点から、巻回部10aは方向Qからの平面視で外周側に拡がる略台形状を呈する。なお、図3では電機子巻線20のうちの1つのみを示している。
なお、本願では特に断りのない限り、電機子巻線20はこれを構成する導線の1本1本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指すものとする。これは図面においても同様である。また、巻始め及び巻終わりの引出線と、それらの結線も図面においては省略している。また、電機子巻線20の巻回方法は、ワークを回転させて巻回するスピンドル巻、ノズルを旋回させて固定したワークに巻回するノズル巻等、任意である。さらに、巻回しながら又は巻回後に加熱して線同士を固着させる自己融着線を用いると好適である。また、巻回後に樹脂でモールドしても良い。
一の電機子用磁芯10は例えば、複数の磁性体板12をそれぞれ予め定められた形状に打抜き、方向Qに直交する方向(磁性体板12の法線方向)Rに積層して形成される。特に、複数の磁性体板12のそれぞれの幅(方向Q及び方向Rのいずれにも直交する方向Sの長さ)が一枚ごとに異なるように打抜かれている。図1等においては電機子用磁芯10の方向Sの端部は平坦に示しているが、実際には磁性体板12の板厚と、隣接する磁性体板の当該幅の差とで規定される階段状を呈する。以後、回転軸Aに平行な方向Qを「第1方向Q」と称し、方向Qに直交して磁性体板12が積層される方向Rを「第2方向R」と称する。図1に示すように、一の磁性体板121と、これに隣接する他の磁性体板122とは、第1方向Qの位置のうち、巻回部10aに相当する位置の部位12aにおいて、第1方向Q及び第2方向Rに直交する第3方向Sに延在する条T1を呈するVカシメV1によって嵌着する。なお、図1では説明の便宜上、電機子用磁芯10を構成する複数の磁性体板12のうち、最も回転軸Aに近い磁性体板を一の磁性体板121とし、これに隣接する磁性体板を他の磁性体板122としている。図4に示すように条T1は、第3方向Sを法線とする断面視でV字形状の谷線として現れる。
ここで、図4において第1方向Qを法線とする面を「Q面」、第2方向Rを法線とする面を「R面」、第3方向Sを法線とする面を「S面」とそれぞれ称する。VカシメV1はR面においてその第2方向Rに沿って見た平面視が、Q面及びS面においてはそれぞれの面での断面視が、それぞれ現れている。また、Q面及びS面における断面視では複数の磁性体板のうち、2枚の磁性体板121,122のみを示すことで、VカシメV1による磁性体板12同士の関係を代表して示している。
VカシメV1のように、第3方向SにおけるVカシメV1の全体に延在する条T1が、S面における断面視でV字形状を呈する場合には、Q面における断面視で示すように条T1の端点近傍で磁性体板121,122が第3方向Sを法線方向とする面V2,V3を呈する。よって、第3方向Sに沿った外力が磁性体板121に印加されても、面V2,V3が形成される位置において磁性体板121,122の境界に剪断応力が働かず、磁性体板121,122は滑ることがなく、両者は外れない。
一方、図4のS面における断面視で示すように、VカシメV1の条T1を形成する二面V4,V5は、第1方向Qを法線とする面を呈するとは限らない。VカシメV1は磁性体板121に対して外部からパンチが押圧されて形成されることに鑑みれば、二面V4,V5の法線は第2方向Rの成分も有する。この場合には、第1方向Qに沿った外力が端部V6,V7に働いた場合、当該外力は両者の境界に対して剪断応力となる成分も有するため、磁性体板121,122同士が滑り、両者が外れる可能性がある。したがってVカシメV1は、第3方向Sを法線とする面V2,V3によって磁性体板121,122が第3方向Sにずれることを常に回避又は抑制するが、第1方向Qにずれることを常に回避又は抑制するわけではない。
VカシメV1が形成される巻回部10aは電機子巻線20が巻回され、巻回部10aには、電機子巻線20の巻回軸(第1方向Q)に垂直な方向たる第2方向R及び第3方向Sに沿って電機子巻線20の張力が作用する。巻回部10aは第1方向Qからの平面視で略台形状を呈しているので、磁性体板121,122に作用する電機子巻線20の張力の大きさはそれぞれで異なる。特に、巻回部10aが第1方向Qからの平面視において回転軸Aの外周側で呈する鋭角部10eに沿って電機子巻線20を曲げるときは、内周側で呈する鈍角部10fに沿って電機子巻線20を曲げるときに比べて、大きな張力が作用する。そのため、当該張力の反力として、磁性体板121,122がずれる方向に力が作用する。したがって、VカシメV1がなければ磁性体板12は当該張力によって第2方向R及び第3方向Sに沿った、すなわち第1方向Q成分をほとんどもたない外力を受ける。ここでは、磁性体板12は第2方向Rに沿って積層されているので、第2方向Rに沿って作用する張力によって磁性体板12がずれることはない。また、条T1が第3方向Sに延在しているので、第3方向Sに沿って作用する張力に磁性体板12は抗することになり、当該張力によって磁性体板12がずれることもない。
VカシメV1を採用することにより、磁性体板121,122に与えるストレスを抑制しつつ、面V2,V3を確実に形成し、磁性体板121,122同士を強固に固着できる。例えば、VカシメV1に代えて丸カシメを採用する場合には、VカシメV1による面V2,V3と同じ深さの面を形成するには、当該丸カシメを形成するパンチの円形部分全体を当該深さまで打込まなければ、第3方向Sの面を形成することができない。このとき、磁性体板121,122が変形する量(体積)は、丸カシメを形成する場合よりもVカシメV1を形成する場合の方が小さい。
巻回部10aに作用する電機子巻線20の張力に効率的に抗するには、VカシメV1は巻回部10aの第3方向Sの幅の中心の位置において磁性体板121,122を嵌着することが望ましい。さらに、効率的に張力に抗するには、巻回部10aの第1方向Qの幅の中心においてVカシメV1が磁性体板121,122を嵌着することが望ましい。また、巻回部10aの回転軸Aに最も近い側の第3方向Sの幅は、回転軸Aから最も遠い側の幅に比べて狭いので、VカシメV1を第3方向Sの幅の中心に形成するのが効率的である。さらにまた、一の電機子用磁芯10と、これに隣接する他の電機子用磁芯10との間を流れる磁束は、電機子用磁芯10が等間隔に配置されるときには、一の電機子用磁芯10の第3方向Sの幅の中心の一方側においては当該一方側で隣接する他の電機子用磁芯10との間で流れ、他方側においては当該他方側で隣接する他の電機子用磁芯10との間で流れる。したがって、当該磁束の流れを阻害することを回避又は抑制する観点からも、VカシメV1は第3方向Sの幅の中心に形成するのが望ましい。これにより、電機子巻線20の張力に効率的に抗し、磁束の流れを妨げることを回避又は抑制し、効率的に形成することができる。
一の磁性体板121と、他の磁性体板122とは、第1方向Qのうち、埋込部10bに相当する位置の部位12bにおいて、第1方向Qに延在する条U1を呈するVカシメW1によって嵌着する。以後、巻回部10aに相当する位置の部位12aを「第1部位12a」と称し、埋込部10bに相当する位置の部位12bを「第2部位12b」と称する。また、第1部位12aにおいて呈するVカシメV1を「第1VカシメV1」と称し、第2部位12bにおいて呈するVカシメW1を「第2VカシメW1」と称する。さらにまた、第1VカシメV1が呈する条T1を「第1条T1」と称し、第2VカシメW1が呈する条U1を「第2条U1」と称する。
第1VカシメV1と同様に、第2VカシメW1もまた、磁束の流れを妨げることを回避又は抑制し、効率的に形成する観点から、埋込部10bの第3方向Sの幅の中心に第2VカシメW1を形成して磁性体板121,122を嵌着することが望ましい。
また、第2VカシメW1は、第2部位12bのうち、第1方向Qの幅の中心位置Mに対して第1部位12aとは反対側の位置に形成されることが望ましい。一の電機子用磁芯10からそれに隣接する他の電機子用磁芯10へと向かう磁束の流れは第1部位12aの近くを通りやすく、当該磁束の流れを妨げにくくするためである。特に、電機子用磁芯10が突出部10cを呈する場合には、図5に示すように、第2VカシメW1は突出部10cに相当する位置の部位たる第3部位12cに形成されることがより望ましい。何となれば、突出部10cは補強板34と嵌合する部位であって、磁束が流れないからである。本実施例においては、孔34cは第2方向Rの両側が閉じているため、孔34cは第2VカシメW1が外れることを回避又は抑制する。
第2VカシメW1は第2条U1が延在する第1方向Qに沿って作用する力に抗する。このような力は例えば界磁子50による磁気的な吸引力が挙げられる。磁性体板12のそれぞれに作用する当該吸引力の大きさは、界磁磁石52及び電機子用磁芯10の平面視での大きさの差や、磁性体板12の径方向の位置等によって均一とはならない。そのため、第2条U1が第1方向Qに沿って延在することにより、磁性体板12同士の第1方向Qのずれを回避又は抑制できる。つまり、第1VカシメV1が第3方向Sに沿って作用する張力に抗し、第2VカシメW1が第1方向Qに沿って作用する力に抗するので、磁性体板12同士のずれを回避又は抑制し、強固に保持できる。
〈変形例〉
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施例1においては第1VカシメV1及び第2VカシメW1によって磁性体板121,122を嵌着しているが、それぞれが呈する第1条T1及び第2条U1を呈していれば、図6に示すように、第1VカシメV1に代えて第1丸VカシメV0や、第2VカシメW1に代えて第2丸VカシメW0によって磁性体板121,122を嵌着して電機子用磁芯10Aを形成しても良い。
第1丸VカシメV0の第1条T1の両端における面の法線は、第2方向Rの成分を有さない。よって第1VカシメV1の面V2,V3と類似して、第3方向Sに沿った外力に抗して磁性体板121,122が外れにくい。第1方向Qの成分を有する法線を呈する部分も有するので、第1方向Qに沿った外力にも抗するという利点がある。
また上記実施例1では、電機子用磁芯10が巻回部10a、埋込部10b及び、突出部10cを呈する態様を説明したが、図6に示すように、突出部10cは省略しても良い。また、上記実施例1では、埋込部10bが第1方向Qからの平面視で巻回部10aよりも面積が大きい態様を説明したが、図7に示すように、電機子用磁芯10Bの埋込部10dは、巻回部10aよりも第1方向Qからの平面視での面積が小さくても良い。また、電機子30は必ずしも補強板34を有している必要はなく、バックヨーク32が電機子用磁芯10及び電機子巻線20を保持しても良い。さらにまた、バックヨーク32に代えて圧粉磁芯等、積層鋼板以外のものであっても良い。
A 回転軸
Q 第1方向
R 第2方向
S 第3方向
T1 第1条
U1 第2条
V1 第1Vカシメ
V0 第1丸Vカシメ
W1 第2Vカシメ
W0 第2丸Vカシメ
10,10A,10B 電機子用磁芯
10a 巻回部
10b 埋込部
12;121,122 磁性体板
12a 第1部位
12b 第2部位
20 電機子巻線
30 電機子
32 バックヨーク
32a 凹部
52 界磁磁石

Claims (8)

  1. 予め定められた回転軸(A)の周りで環状配置されて、前記回転軸に平行な第1方向(Q)に予め定められた空隙を介して界磁部と対向し、複数の電機子巻線のそれぞれが巻回される芯として機能する巻回部(10a)を呈する電機子用磁芯(10)であって、
    前記電機子巻線の巻回軸に平行な前記第1方向に直交する第2方向(R)に積層される磁性体板(12)の複数を備え、
    一の前記磁性体板と、それに隣接する他の前記磁性体板とは、前記第1方向の位置のうち、前記巻回部に相当する位置の第1部位(12a)において、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向(S)に延在する第1条(T1)を呈する第1Vカシメ(V1)又は前記第1条を呈する第1丸Vカシメ(V0)によって嵌着する、電機子用磁芯。
  2. 前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記第3方向の幅の中心の位置において、前記第1Vカシメ(V1)又は第1丸Vカシメ(V0)によって嵌着する、
    請求項1記載の電機子用磁芯(10)。
  3. 前記第3方向(S)は前記第2方向(R)に直交し、
    前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記第1部位(12a)の前記第1方向の幅の中心の位置において、前記第1Vカシメ(V1)又は第1丸Vカシメ(V0)によって嵌着する、
    請求項1又は請求項2記載の電機子用磁芯(10)。
  4. 前記電機子用磁芯(10)のうち前記巻回部(10a)は、前記第1方向(Q)からの平面視で略台形状を呈する、
    請求項1ないし請求項3のいずれか記載の電機子用磁芯。
  5. 前記電機子用磁芯(10)は、前記第1方向(Q)の一方側の端部で電機子(30)のバックヨーク(32)が呈する凹部(32a)に埋込まれる埋込部(10b)を呈し、
    前記一の前記磁性体板(12)と、前記他の前記磁性体板とは、前記第1方向の位置のうち、前記埋込部に相当する位置の第2部位(12b)において、前記第1方向に延在する第2条(U1)を呈する第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する、
    請求項1ないし請求項4のいずれか記載の電機子用磁芯。
  6. 前記バックヨーク(32)は前記第1方向(Q)を法線とする面上で複数の電機子用磁芯(12)を略環状に配列し、
    前記第2方向(R)は前記面上で前記回転軸(A)を中心とする円の半径方向に等しく、
    前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記第3方向(S)の幅の中心の位置において、前記第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する、
    請求項5記載の電機子用磁芯(10)。
  7. 前記電機子用磁芯(10)は、前記巻回部(10a)に対して前記埋込部(10b)とは反対側で、前記第1方向(Q)に沿った所定の空隙を介して界磁磁石(52)と対向し、
    前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記埋込部(10b)に相当する位置のうち前記第1方向(Q)の幅の中心の位置(M)に対して前記巻回部(10a)に相当する位置とは反対側の位置において、前記第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する、
    請求項6記載の電機子用磁芯(10)。
  8. 前記埋込部(10b)は、前記巻回部(10a)とは反対側において、前記第1方向(Q)に沿って突出する突出部(10c)を呈し、
    前記一の前記磁性体板(12)と前記他の前記磁性体板とは、それぞれの前記磁性体板の前記突出部に相当する位置において、前記第2Vカシメ(W1)又は第2丸Vカシメ(W0)によって嵌着する、
    請求項7記載の電機子用磁芯(10)。
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