以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.構成概要>
図1は、この実施形態に係る会議システム100(100A)の概要を示すシステム構成図である。当該会議システム100は、2つの会議管理装置10(詳細には、10a,10b)と複数のコンピュータ70とを備えている。一方の会議管理装置10aと他方の会議管理装置10bとは、互いに離れた場所(遠隔地)に配置されている。例えば、一方の会議管理装置10aは、大阪の会議室MRaに配置され、他方の会議管理装置10bは、東京の会議室MRbに配置される。この会議システム100は、遠隔地に配置された複数の装置10等の相互間において画像と音声とを送受信するTV会議システムであるとも表現される。
2つの会議管理装置10a,10bは、互いにネットワークNWを介して接続されており、ネットワーク通信を行うことが可能である。また、会議管理装置10aと複数のコンピュータ50,70(70a,70b,70c)とは、互いにネットワークNWを介して接続されており、ネットワーク通信を行うことが可能である。さらに、会議管理装置10aと複数のコンピュータ70(70d,70e,70f)とは、互いにネットワークNWを介して接続されており、ネットワーク通信を行うことが可能である。ここにおいて、ネットワークNWは、LAN、WAN、インターネットなどによって構成される。各装置のネットワークNWへの接続形態は、有線接続であってもよく或いは無線接続であってもよい。
各会議管理装置10は、会議(ミーティング)用の資料データDP(図19参照)を管理する。詳細には、後述するように、各会議管理装置10は、当該資料データDPを複数の会議参加者のそれぞれに対応する各ユーザボックス内に保存するとともに、当該各ユーザボックス内の資料データDPのアクセス状況を把握する。
表示装置30は、資料データ(発表資料データ)DPのアクセス状況等を表示する装置である。ここでは、表示装置30は、会議管理装置10に対してネットワークを介して接続されている。ただし、これに限定されず、表示装置30は、会議管理装置10の外部出力端子(映像信号出力部等)を介して接続されるようにしてもよい。
各コンピュータ50,70は、会議管理装置10との間でネットワーク通信が可能な装置である。コンピュータ50は、会議の提案者(プレゼンター)PRによって使用されるコンピュータである。また、各コンピュータ70は、会議の各参加者Pa,Pb,Pc,Pd,Pe,Pfによって使用されるコンピュータである。
各会議管理装置10a,10bは、それぞれ、この実施形態ではMFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral)として構成されている。
図2および図3は、各会議管理装置(MFP)10(10a,10b)の概略構成を示すブロック図である。図3は、図2の一部の構成をさらに詳細に示す図である。なお、以下では、会議管理装置10aを中心に説明するが、会議管理装置10bも会議管理装置10aと同様の構成を有している。
図2の機能ブロック図に示すように、会議管理装置(MFP)10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って、当該原稿の画像データ(原稿画像とも称する)を生成する処理部である。
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、通信ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。また、MFP10は、この通信部4を用いて、電子メールの送受信を行うことも可能である。
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。この格納部5には、画像読取部2等で生成された原稿画像(画像データ)が格納される。また、格納部5においては、資料データDP等が格納される。
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP10には操作パネル63(図1参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)63は、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部62の一部として機能するとともに、操作入力部61の一部としても機能する。
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM等)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM等)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。
具体的には、図3に示すように、コントローラ9は、会議情報登録制御部21と参加者情報取得部22と対応ユーザボックス決定部23と資料取得部24と格納制御部25とアクセス状況取得部26と表示制御部27とメール通知部28とを含む各種の処理部を実現する。これらの各処理部の動作については、後に詳述する。
また、格納部(記憶部)5は、会議データ格納部5aを有する。会議データ格納部5aには、会議予約データTB1(後述)が格納される。
さらに、格納部5は、1つの共通ボックス5cと複数のユーザボックス5dとを有する。共通ボックス5cは、全ユーザに共通に設けられ、ユーザボックス5dはユーザ毎に設けられる。また、ユーザボックス5dは、プライベートボックスとゲストボックスとに分類される。プライベートボックスは、MFP10の各登録ユーザごとに設けられる。各登録ユーザのプライベートボックスは、システム管理者を除いて当該各登録ユーザのみがアクセス可能な格納領域である。また、ゲストボックスは、MFP10の登録ユーザ以外の特定の人物ごとに設けられる。各ゲストボックスは、システム管理者を除いて当該各特定人物のみがアクセス可能な格納領域である。後述するように、各プライベートボックス5dには、それぞれ、会議に関する資料データDPがコンピュータ50等から転送されて格納される。
<2.動作概要>
図4〜図7は、会議管理装置10の動作を示す概念図であり、図8〜図12は、会議管理装置10の動作を示すフローチャートである。図8〜図10および図12は、会議管理装置10aの動作を示す図であり、図11は会議管理装置10bの動作を示す図である。
また、図13〜図16は、会議情報の登録画面を示す図である。図13は会議情報のメイン登録画面GA1を示し、図14は出席者の入力画面GA2を示し、図15は登録ユーザの入力画面GA3を示し、図16は非登録ユーザの入力画面GA4を示している。また、図17は、2つの会議管理装置10でのユーザ情報が統合される様子を示す図であり、図18は、登録された会議データ(会議予約データ)TB1を示す図であり、図19は、資料送信データDT1を示す図である。さらに、図20は、会議管理装置10aに対する資料データの格納動作を示す概念図であり、図21は、他の会議管理装置10bに対する資料データの格納動作を示す概念図である。
つぎに、これらの図を参照しながら、本システム100での動作について説明する。
本システム100においては、図8に示すように、大別すると次の5つの動作が主に実行される。すなわち、
(1)TV会議予約動作(ステップS10)(図4、図9)、
(2)資料データ登録動作(ステップS20)(図5、図10、図11)、
(3)資料データへのアクセス動作(ステップS40)(図6参照)、
(4)資料データへのアクセス状況確認動作(ステップS50)(図7、図12)、
(5)TV会議の本動作(ステップS70)、
が主に実行される。以下では、これらの動作についてそれぞれ説明する。
<3.TV会議予約動作>
まず、TV会議予約動作(ステップS10)について説明する。ここでは、会議管理装置10aを用いて、会議室MRaと遠隔地の会議室MRbとの間で開催されるTV会議を予約する状況を想定する。なお、会議管理装置10aは、会議室MRaに配置されており、会議管理装置10bは、会議室MRbに配置されているものとする。
図4に示すように、会議予約者(例えば提案者PR)が最寄りの会議管理装置10(ここでは10a)を操作することによって、会議室の予約等が行われる。具体的には、会議管理装置10aの操作パネル63(図1)を用いて会議予約者により所定の操作が実行されると、会議管理装置10aは、会議情報登録用のメイン登録画面GA1(図13)を当該会議管理装置10aの操作パネル63に表示する。その後、会議予約者によりメイン登録画面GA1等を用いた操作入力がさらに行われることなどによって、会議管理装置10a,10bにおける会議情報の登録動作が行われる。
以下では、図9等を参照しながら、この会議予約動作について詳細に説明する。なお、図9は、ステップS10の詳細動作を示すフローチャートである。
まず、会議情報に対して予約番号が自動的に付与され、当該予約番号表示欄CP1(図13参照)に予約番号(「RS123456」等)が表示される。
つぎに、日付設定ボタンBN2(図13参照)が押下されるとカレンダー画面(不図示)が表示され、当該カレンダー画面を用いて会議の日付が設定される。日付に関する設定内容(「10月1日」等)は、画面GA1の表示欄CP2に表示される。また、時間帯設定ボタンBN3が押下されると時間帯設定用画面(不図示)が表示され会議の時間(「13:00〜15:00」等)が設定される。時間帯に関する設定内容は、表示欄CP3に表示される。このようにして、日時登録処理(ステップS11)が実行される。
さらに、TV会議における相手先(接続先)会議室の登録処理(ステップS12)が実行される。具体的には、画面GA1において接続先設定ボタンBN4(図13参照)が押下されると、接続先会議室選択画面(不図示)が表示され、当該選択画面を用いて、TV会議の接続先会議室(相手先会議室)が設定される。接続先会議室に関する設定内容(「会議室MRb」等)は、画面GA1の表示欄CP4に表示される。なお、接続先会議室および接続元会議室MRaの少なくともいずれかが上記の日時に関して予約済みである場合には、再設定を要求するエラー画面が表示される。この場合には、会議予約者は、適切な日時等を再設定することなどによって、会議の予約処理を続行すればよい。
その後、TV会議への出席者(参加者)の登録処理(ステップS13(図9))が実行される。具体的には、画面GA1において出席者設定ボタンBN5が押下されると、出席者入力画面GA2(図14)が表示され、当該画面GA2を用いて、TV会議の出席者が設定される。
画面GA2には、2つのボタンBN21,BN22が存在する。ボタンBN21が押下されると、画面GA3が表示され、当該画面GA3(図15)を用いて会議システム100の登録ユーザの中から出席者を選択入力することができる。一方、ボタンBN22が押下されると、画面GA4が表示され、当該画面GA4(図16)を用いて、会議システム100の非登録ユーザを出席者として登録することができる。
ボタンBN21(図14参照)が押下される場合には、会議管理装置10aは、他の会議管理装置10(10b等)と通信し、各会議管理装置10における登録ユーザのユーザ情報を取得する。
例えば、会議管理装置10aは、会議管理装置10bと通信し、会議管理装置10bに登録されているユーザ情報を取得する。そして、図17に示すように、会議管理装置10aは、会議管理装置10a内に格納されているユーザ情報Uaと会議管理装置10bから取得したユーザ情報Ubとを統合して、会議システム100における登録ユーザのリスト(登録ユーザリスト)Uzを作成する。なお、ここでは、同一人物(例えば人物Pb)が複数の会議管理装置において登録ユーザとして登録されている場合には、便宜上、それぞれ別の登録ユーザ(Pb1,Pb2)として扱うものとする。具体的には、会議管理装置10aに登録されている人物Pbは、人物Pb1であるとし、会議管理装置10bに登録されている人物Pbは、人物Pb2であるとする。たとえば、人物Pb1と人物Pb2とは、その登録場所(たとえば「(大阪)」「(東京)」)をそれぞれ氏名の後ろに付した名称が新たな「氏名」として表示されることによって、区別される。
そして、会議システム100における登録ユーザに関する人物データは、所定の順序(たとえば五十音順)にソートされ、画面GA3(図15)に示すように、所定の区分(たとえば「あ行」)ごとに表示される。会議予約者は、適宜の区分を選択して登録対象の人物名(氏名等)を表示させ、当該表示された人物名を選択する(当該人物に対応するボタンを押下する)ことによって、当該人物を登録することができる。
一方、ボタンBN22(図14)が押下される場合には、会議管理装置10aは、操作パネル63(図1)に画面GA4(図16)を表示する。会議予約者は、画面GA4の氏名入力欄CP41に非登録ユーザ(たとえばPc)の氏名を入力し、画面GA4の電子メールアドレス入力欄CP42に当該非登録ユーザの電子メールを入力する。最後に決定ボタンBN43を押下することによって、非登録ユーザが会議の参加者として登録される。
以上のような動作が複数の参加者について繰り返されることによって、TV会議の参加者が登録される。画面GA1(図13)は、6名の参加者Pa,Pb,Pc,Pd,Pe,Pfが登録されている状況を示している(表示欄CP11〜CP16参照)。
この結果、図18に示すような会議予約データTB1が生成され、会議管理装置10aの会議データ格納部5aに格納(登録)される。会議予約データTB1は、図18に示すように、会議予約番号(「RS123456」)、日付(「10月1日」)、時間帯(「13:00〜15:00」)、使用会議室(「MRa,MRb」)、出席者(「Pa,Pb,Pc,Pd,Pe,Pf」)などの情報を有している。なお、使用会議室に関する情報としては、会議管理装置10aの配置場所の「会議室MRa」が、会議管理装置10aの接続先会議室「会議室MRb」に加えて、自動的に登録される。
つぎに、ステップS14(図9)において、会議管理装置10aは、このような会議予約データTB1(詳細にはそのコピーデータ)を接続先の会議管理装置10bに送信する。会議管理装置10bは、受信した当該会議予約データTB1を会議管理装置10bの会議データ格納部5aに格納(登録)する。この結果、会議予約データTB1は、会議管理装置10aと会議管理装置10bとによって共有される。
<4.資料データ登録動作>
つぎに、資料データの登録動作(ステップS20(図8))について図5、図10および図11等を参照しながら説明する。ここでは、図5に示すように、資料データDPが提案者PRのコンピュータ50から会議室MRaの会議管理装置10aへとネットワークNWを介して送信される状況を想定する。図10は、会議管理装置10aの動作(ステップS20a)を示すフローチャートであり、図11は、会議管理装置10bの動作(ステップS20b)を示すフローチャートである。
まず、会議管理装置10aにおける登録動作(ステップS20a)について図10を参照しながら説明する。
ステップS21においては、コンピュータ50が資料送信データDT1を会議管理装置10aに向けて送信し、会議管理装置10aの資料取得部24等が当該資料送信データDT1(図19参照)を受信する。受信されたデータDT1は、会議管理装置10a内の一時記憶メモリ(不図示)等に保存される。
図19に示すように、資料送信データDT1は、会議資料データ送付信号DA1と会議予約番号DA2と資料データDPとを有するデータである。資料データDPは、会議で使用する資料データであり、たとえば、プレゼンテーション用データ等が含まれる。会議資料データ送付信号DA1は、この送信データDT1が会議資料データ(資料データDP)を送付するためのデータであることを示すものである。また、会議予約番号DA2は、資料データDPに対応する会議の予約番号を示すデータである。この会議予約番号DA2に関する情報は、提案者PRによる資料データ送信操作時に手動入力あるいは自動入力等によってコンピュータ50により付加される。このように、ステップS21においては、会議用の資料データDP等が取得される。
ステップS22においては、会議管理装置10aは、資料送信データDT1に対応する会議を特定するとともに、当該会議に関する各種の情報を取得する。具体的には、会議管理装置10aは、資料送信データDT1に含まれる会議予約番号DA2(たとえば「RS123456」)に基づいて、資料送信データDT1に対応する会議予約データTB1を会議データ格納部5aの中から取得する。そして、会議管理装置10aは、取得した会議予約データTB1に基づいて、当該会議の日付(「10月1日」)、時間帯(「13:00〜15:00」)、使用会議室(「MRa,MRb」)、出席者(会議の参加者情報)(「Pa,Pb,Pc,Pd,Pe,Pf」)などの情報を取得する。特に、参加者情報取得部22は、会議の参加者情報を取得する。
ステップS23においては、会議管理装置10aは、資料送信データDT1を他の会議管理装置(ここでは10b)に転送する。これにより、資料送信データDT1に含まれる資料送信データDT1等が会議管理装置10bに転送される。なお、接続先の会議室(会議管理装置)として、複数の会議室が指定されている場合には、当該複数の会議室(会議管理装置)に対して同様の転送動作を行うようにすればよい。
ステップS24〜S33においては、複数の参加者のそれぞれについて、資料データの格納先決定処理、資料データの配布処理(配信処理)、およびメール送信処理等が実行される。会議管理装置10aにおいては、全参加者のうち、本システムの非登録ユーザ(会議管理装置10a,10bのいずれの登録ユーザでもない人物)と会議管理装置10aの登録ユーザとに関して、これらの処理が実行される。なお、全参加者のうち会議管理装置10bの登録ユーザに関しては、会議管理装置10bにおいてこれらの処理が実行される。
具体的には、まず、ステップS24において、複数の参加者のうちの或る参加者(特定の参加者)が会議管理装置10a,10bのいずれかの登録ユーザ(すなわち本システム100の登録ユーザ)であるか否かが判定される。また、本システムの登録ユーザである場合には、会議管理装置10aの登録ユーザであるか否かがさらに判定される(ステップS25)。
当該特定の参加者(たとえばPa)が会議管理装置10aの登録ユーザである場合には、ステップS24からステップS25を経由してステップS26に進み、本システム100の登録ユーザでない場合(非登録ユーザである場合)には、ステップS24からステップS31に進む。
ステップS26においては、会議管理装置10aの対応ユーザボックス決定部23は、登録ユーザとボックス情報との関連付け処理を実行する。詳細には、特定の登録ユーザに対応する格納領域として特定のユーザボックスが決定される。たとえば、特定の登録ユーザ(参加者)Paに対応する格納領域として、ユーザボックスBaが決定される。なお、同様に、特定の登録ユーザが参加者Pbである場合には、参加者Pbに対応する格納領域としてユーザボックスBbが決定される。
そして、ステップS27において、会議管理装置10aの格納制御部25は、特定の登録ユーザに対応するユーザボックスに資料データDPを転送して格納する処理を実行する(図5および図20参照)。たとえば、特定の登録ユーザ(参加者)Paに対応するユーザボックスBaに資料データDPを転送して格納する処理が実行される。なお、同様に、特定の登録ユーザが参加者Pbである場合には、特定の登録ユーザ(参加者)Pbに対応するユーザボックスBaに資料データDPを転送して格納する処理が実行される。
さらに、ステップS28において、会議管理装置10aのメール通知部28は、電子メールによる通知処理を実行する。具体的には、特定の登録ユーザに対応するユーザボックスに資料データDPが転送されて格納されたことを、当該特定の登録ユーザに電子メールで通知する処理が実行される(図5)。たとえば、特定の登録ユーザ(参加者)Paのメールアドレスに対して電子メールMLaが送信される。この電子メールMLaは、当該登録ユーザPaに対応するユーザボックスBaに資料データDPが格納されている旨の記載を有している。なお、同様に、特定の登録ユーザが参加者Pbである場合には、特定の登録ユーザ(参加者)Pbのメールアドレスに対して電子メールMLbが送信される。
一方、ステップS24からステップS31に進むと、まず当該ステップS31において、非登録ユーザに対する特定のユーザボックス(詳細にはゲストボックス)の作成処理と、当該非登録ユーザとボックス情報との関連付け処理が実行される。たとえば、特定の非登録ユーザ(参加者)Pcに対応するゲスト用のユーザボックスBc(BGc)が作成されるとともに、当該特定の非登録ユーザ(参加者)Pcに対応する格納領域として、当該ユーザボックスBc(BGc)が決定される。このユーザボックス(ゲストボックスとも称する)BGcは、未登録ユーザ用の一時保存ボックスであり、会議管理装置10aの格納部5内に生成される。
そして、ステップS32において、特定の非登録ユーザに対応するユーザボックス(ゲストボックス)に資料データDPを転送して格納する処理が実行される(図5および図20参照)。たとえば、非特定の登録ユーザ(参加者)Pcに対応するユーザボックスBGcに資料データDPを転送して格納する処理が実行される。
さらに、ステップS33において、特定の非登録ユーザに対応するユーザボックスに資料データDPが転送されて格納されたことを、当該特定の登録ユーザに電子メールで通知する処理が実行される(図5参照)。たとえば、特定の非登録ユーザ(参加者)Pcのメールアドレスに対して電子メールMLcが送信される。この電子メールMLcは、当該非登録ユーザPcに対応するユーザボックスBc(BGc)に資料データDPが格納されている旨の記載を有している。
以上のようにして、ステップS26,S31においては、会議の複数の参加者に対応する各ユーザボックスをそれぞれ決定する処理が実行される。また、ステップS27,S32においては、複数の参加者に対応する各ユーザボックスに資料データDPをそれぞれ転送して格納する処理が実行される。さらに、ステップS28,S33においては、複数の参加者に対応する各ユーザボックスに資料データDPがそれぞれ転送して格納されたことを、複数の参加者に電子メールで通知する処理が実行される。
つぎに、会議管理装置10bにおける登録動作(ステップS20b)について図11を参照しながら説明する。
会議管理装置10bは、(ステップS20bの)ステップS21において、会議管理装置10aから送信されてきた当該資料送信データDT1を受信する。この資料送信データDT1は、ステップS20aのステップS23(図10)において、会議管理装置10aが会議管理装置10bに向けて転送したデータである。これにより、会議管理装置10b(資料取得部24等)は、資料データDP等を取得する。
また、会議管理装置10bは、ステップS22において、資料送信データDT1に含まれる会議予約番号DA2(たとえば「RS123456」)に基づいて、資料送信データDT1に対応する会議予約データTB1を取得する。会議管理装置10bは、このようにして資料送信データDT1に対応する会議を特定するとともに、当該会議に関する各種の情報を取得する。特に、会議管理装置10bの参加者情報取得部22は、会議の参加者情報を取得する。
ステップS25〜S29においては、複数の参加者のそれぞれについて、資料データの格納先決定処理、資料データの配布処理(配信処理)、およびメール送信処理等が実行される。上述したように、この会議管理装置10bにおいては、全参加者のうち会議管理装置10bの登録ユーザに関してこれらの処理が実行される。
具体的には、まず、ステップS25において、複数の参加者のうちの或る参加者(特定の参加者)が会議管理装置10bの登録ユーザであるか否かが判定される(ステップS25)。
当該特定の参加者(たとえばPd)が会議管理装置10bの登録ユーザである場合には、ステップS25からステップS26に進み、会議管理装置10bの登録ユーザでない場合には、ステップS24からステップS29に進む。
ステップS26においては、会議管理装置10bの対応ユーザボックス決定部23は、登録ユーザとボックス情報との関連付け処理を実行する。詳細には、特定の登録ユーザに対応する格納領域として特定のユーザボックスが決定される。たとえば、特定の登録ユーザ(参加者)Pdに対応する格納領域として、ユーザボックスBdが決定される。なお、同様に、特定の登録ユーザが参加者Peである場合には、参加者Peに対応する格納領域としてユーザボックスBeが決定され、特定の登録ユーザが参加者Pfである場合には、参加者Pfに対応する格納領域としてユーザボックスBfが決定される。
そして、ステップS27において、会議管理装置10bの格納制御部25は、特定の登録ユーザに対応するユーザボックスに資料データDPを転送して格納する処理を実行する(図5および図21参照)。たとえば、特定の登録ユーザ(参加者)Pdに対応するユーザボックスBdに資料データDPを転送して格納する処理が実行される。なお、同様に、特定の登録ユーザが参加者Peである場合には、特定の登録ユーザ(参加者)Peに対応するユーザボックスBeに資料データDPを転送して格納する処理が実行される。また、特定の登録ユーザが参加者Pfである場合には、特定の登録ユーザ(参加者)Pfに対応するユーザボックスBfに資料データDPを転送して格納する処理が実行される。
さらに、ステップS28において、会議管理装置10bのメール通知部28は、電子メールによる通知処理を実行する。具体的には、特定の登録ユーザに対応するユーザボックスに資料データDPが転送されて格納されたことを、当該特定の登録ユーザに電子メールで通知する処理が実行される(図5参照)。たとえば、特定の登録ユーザ(参加者)Pdのメールアドレスに対して電子メールMLdが送信される。この電子メールMLdは、当該登録ユーザPdに対応するユーザボックスBdに資料データDPが格納されている旨の記載を有している。なお、同様に、特定の登録ユーザが参加者Peである場合には、特定の登録ユーザ(参加者)Peのメールアドレスに対して電子メールMLeが送信され、特定の登録ユーザが参加者Pfである場合には、特定の登録ユーザ(参加者)Pfのメールアドレスに対して電子メールMLfが送信される。
<5.資料データへのアクセス動作>
つぎに、資料データへのアクセス動作(ステップS40(図8))について説明する。
上述したように、会議の各参加者に対して電子メールが送信される。各参加者は、各コンピュータ70等を用いてメールサーバにアクセスして当該電子メールを受信する。各参加者は、資料データDPが自らのユーザボックスに格納されていることを知得すると、適宜のタイミングで当該ユーザボックスにアクセスする(図6参照)。なお、ここでは、資料データDPへのアクセスの態様として、次の3つの種類、すなわち、
(a)資料データDPのダウンロード、
(b)資料データDPのファイルオープン、
(c)資料データDPのプリントアウト、
を想定する。
例えば、図6に示すように、会議の参加者Paは、会議管理装置10aのユーザボックスBa内の資料データDPにアクセスする。詳細には、当該参加者Paは、ユーザボックスBa内に格納されている資料データDPを、会議管理装置10aのユーザボックスBaから自分用のコンピュータ70(70a)に対してダウンロードする。
また、会議の参加者Pcは、会議管理装置10aのユーザボックスBc内の資料データDPにアクセスする。詳細には、当該参加者Pcは、自分用のコンピュータ70(70c)を用いて、ユーザボックスBc内に格納されている資料データDPのファイルを開いて(ファイルオープンして)閲覧する。
また、会議の参加者Pbは、会議管理装置10aのユーザボックスBb内の資料データDPにアクセスする。詳細には、当該参加者Pbは、会議管理装置10aの操作パネル63を操作して、ユーザボックスBb内に格納されている資料データDPをプリントアウト(印刷出力)する。
また、会議の参加者Pdは、会議管理装置10bのユーザボックスBd内の資料データDPにアクセスする。詳細には、当該参加者Pdは、会議管理装置10bの操作パネル63を操作して、ユーザボックスBd内に格納されている資料データDPをプリントアウト(印刷出力)する。
また、会議の参加者Peは、会議管理装置10bのユーザボックスBe内の資料データDPにアクセスする。詳細には、当該参加者Peは、ユーザボックスBe内に格納されている資料データDPを、会議管理装置10bのユーザボックスBeから自分用のコンピュータ70に対してダウンロードする。
<6.資料データへのアクセス状況確認動作>
つぎに、資料データへのアクセス状況確認動作(ステップS50)について、図7および図12等を参照しながら説明する。
ここでは、会議を開始する際にステップS50が実行される場合を例示する。ただし、これに限定されず、ステップS50は、その他の適宜のタイミングで実行されるようにしてもよい。
このステップS50では、図7に示すように、各会議管理装置10a,10bに接続されている表示装置30a,30bにおいて、各参加者の資料データへのアクセス状況が表示される。具体的には、図23に示すような初期画面GB1が、図22に示すような画面GB10へと徐々に変更される。このような動作について図12等を参照しながら、さらに詳細に説明する。以下では、会議管理装置10aおよび表示装置30aに関する動作を中心に説明するが、会議管理装置10bおよび表示装置30bに関する動作も同様である。
まず、ステップS51において、会議管理装置10aがコンピュータ50等を介して会議の開始指令を受け付けると、会議管理装置10a(詳細にはその表示制御部27)が初期画面GB1(図23)を表示装置30aに表示させる。また、会議管理装置10aは、当該会議の開始指令を会議管理装置10bに転送し、当該開始指令を受信した会議管理装置10bは、会議管理装置10aと同様の動作を実行する。
以後のステップS52〜ステップS59の処理は、複数の参加者についてそれぞれ順次に実行される。なお、会議資料として複数の資料データDPが登録されている場合には、ステップS52〜ステップS59の処理は各資料データDPごとにも実行される。ただし、ここでは、簡単化のため、会議資料として単一の資料データDPのみが登録されている場合を先ず例示する。
ステップS52においては、会議管理装置10aのアクセス状況取得部26は、複数の参加者のうち或る参加者(特定の参加者)の資料データDPに対するアクセス状況を取得する。詳細には、特定の参加者(例えばPa)のユーザボックス(例えばBa)内に格納された資料データDPに対して、当該特定の参加者が既にアクセスしたか否かが取得される。より詳細には、会議管理装置10aは、会議管理装置10aの対応ユーザボックス(例えばBa)内の資料データDPに関するアクセス記録を参照して、当該アクセス情報を取得する。あるいは、当該特定の参加者が会議管理装置10bの登録ユーザ(例えばPd)であるときには、会議管理装置10aは、接続先の会議管理装置10bと通信して、会議管理装置10bの対応ユーザボックス(例えばBd)内の資料データDPに関するアクセス記録を参照して、当該アクセス情報を取得する。そして、取得されたアクセス情報(アクセス状況)に応じて分岐処理が実行される。このアクセス情報には、アクセス済みであるか否かに関する情報と、アクセス種別に関する情報とが含まれる。
複数の参加者のうちの注目参加者(特定の参加者)による資料データDPに対するアクセスが未だ行われていないときには、ステップS52からステップS60に進む。
一方、当該特定の参加者による資料データDPに対するアクセスが既に行われているときには、そのアクセス種別に応じた更なる分岐処理が、ステップS53,S55,S57において実行される。
アクセス種別がファイルダウンロードである場合、換言すれば、特定のユーザボックス内の特定の資料データDPに対するダウンロード処理が既に行われている場合には、ステップS53からステップS54に進み、会議管理装置10aの表示制御部27は、ダウンロード済み表示処理を実行する。
アクセス種別がファイルオープンである場合、換言すれば、特定のユーザボックス内の特定の資料データに対するファイルオープン処理が既に行われている場合には、ステップS55からステップS56に進み、会議管理装置10aの表示制御部27は、ファイルオープン済み表示処理を実行する。
アクセス種別がプリントアウトである場合、換言すれば、特定のユーザボックス内の特定の資料データDPに対するプリントアウト処理が既に行われている場合には、ステップS57からステップS58に進み、会議管理装置10aの表示制御部27は、プリントアウト済み表示処理を実行する。
その後、ステップS54,S56,S58からステップS59に進み、ステップS59においてファイル内容のプレビュー処理が行われ、さらにステップS60に進む。
ステップS60においては、全ての参加者について且つ全てのファイル(資料データ)について、アクセス状況の確認処理および表示処理が終了したか否かが判定される。終了した旨の判定がなされない場合には再びステップS52に戻り同様の動作が繰り返される。また、アクセス状況の確認処理および表示処理が全ての参加者且つ全てのファイルについて終了した後においては、未アクセスのファイル(資料データ)について、再びステップS52に戻り同様の動作が繰り返される。
以上のような動作が、開始準備処理の終了指令(ステップS61)が受信されるまで繰り返される。
上記の動作の一例を図23〜図32を参照しながらさらに詳細に説明する。図23〜図29は、この動作例に関する表示装置30aにおける画面の変遷を示す図である。
図23の初期画面GB1の左下側には、この会議の各参加者に対応するユーザボックス(フォルダ)Ba,Bb,Bc,Bd,Be,Bfがそれぞれアイコン画像(フォルダ画像)Fa,Fb,Fc,Fd,Fe,Ffとして表示されている。また、各参加者のフォルダ画像には、当該各参加者の名前が付随的に表示されているともに、当該ユーザボックス内に資料データが存在することを示すファイル画像(サブ画像)が重畳して示されている。例えば、参加者PaのユーザボックスBaを表すフォルダ画像Faに対しては、当該参加者Paの名前が付随的に表示されているともに、ファイル画像(サブ画像)DGが重畳して示されている。当該ファイル画像DGは、当該ユーザボックスBa内に資料データDPが存在することを示す画像であり、フォルダ画像Fa内における所定領域(サブ画像表示用領域ないしサブ画像領域とも称する)に表示される。また、その他の参加者に対応するフォルダ画像Fb,Fc,Fd,Fe,Ffに関しても同様の表示が行われている。
その後、ステップS52〜S60の処理が繰り返されると、各ユーザボックス内の資料データDPに対するアクセスが既に行われているか否かに応じて、各ユーザボックスに対応するアイコン画像の表示態様が変更される。
具体的には、まず、複数の参加者のうち参加者Paが注目参加者(特定の参加者)として選択され、当該参加者Paに関する資料データDPへのアクセス状況が取得される(ステップS52)。ここでは、ユーザボックスBa内の資料データDPに対してダウンロード処理が既に行われているものとする。
この場合には、図24に示すように、表示装置30aにおいて、ユーザボックスBaに対応するアイコン画像(フォルダ画像)Faが、ダウンロード処理済みであることを示す態様に変更されて表示される(ステップS53,S54)。具体的には、フォルダ画像Fa内に表示されていたファイル画像DGが当該フォルダFa内のサブ画像領域から消去(ないし当該フォルダFa内のサブ画像領域にて淡色表示)されることによって、ユーザボックスBa内の資料データDPがダウンロード処理済みであることが示されている。換言すれば、当該変更後のフォルダ画像(アイコン画像)Fa(図24,図25)は、資料データDPに対するアクセスが既に行われていること(ダウンロード処理済み)を示す画像である。一方、変更前のフォルダ画像Fa(図23参照)は、アクセス状況に関する表示更新処理が未完了である場合に表示される。なお、変更前のフォルダ画像Fa(図23参照)は、資料データDPに対するアクセスが未だ行われていないことを示す画像としても用いられる。
また、フォルダ画像Faの表示変更動作に伴って、変更表示対象のフォルダ画像Faが点滅表示される(図24では斜線を付して示す)。このような点滅表示によって、いずれのユーザボックスに関する表示変更処理が実行されているか(すなわちフォルダ画像Faに関する表示変更処理が実行されていること)が併せて示される。
このような表示装置30aの表示内容を視認することによれば、提案者PRは、資料データDPが参加者Paにより既にダウンロードされていること、を知得することができる。
さらに、このようなフォルダ画像Faの変更処理が開始されると、画面右側のファイル内容確認欄CRにおいては、アクセス対象(ダウンロード対象)の資料データDPの概略内容を示す画像DHが所定期間(例えば数秒程度)にわたってプレビュー表示される(ステップS59)。たとえば、資料データDPの表紙等が画像(拡大画像)DHとしてプレビュー表示される。これによれば、アクセス状況に関する表示処理対象の資料データDPが明示されるので、提案者PRは対象ファイルをより確実に判別(確認)することができる。なお、画像DHとしては、資料データDPのうち、表紙ページ以外のページ(たとえば予め指定された所定のページ)のプレビュー画像等が用いられてもよい。
そして、一定期間が経過すると、図25のように、ファイル内容確認欄CRにおけるプレビュー表示が終了するとともに、フォルダ画像Faの点滅表示も終了する。
以上のようにして、特定の参加者Paに関するアクセス状況の表示処理が実行される。
つぎに、今度は、複数の参加者のうち別の参加者(例えば人物Pb)が注目参加者(特定の参加者)として選択され、当該参加者Pbに関する資料データDPへのアクセス状況が取得される(ステップS52)。ここでは、ユーザボックスBb内の資料データDPに対してプリントアウト処理が既に行われているものとする。
この場合には、図26に示すように、表示装置30aにおいて、ユーザボックスBbに対応するアイコン画像(フォルダ画像)Fbが、プリントアウト処理済みであることを示す態様に変更されて表示される(ステップS57,S58)。具体的には、フォルダ画像Fb内に表示されていたファイル画像DGに代えて、別の画像RG(図30参照)がフォルダ画像Fb内のサブ画像領域に表示されることによって、ユーザボックスBb内の資料データDPがプリントアウト処理済みであることが示されている。画像RGは、図30の拡大図にも示すように、「プリントアウト済み」を表すように図案化されたサブ画像である。図26においては、このような画像RGが、フォルダ画像Fb内にて、フォルダの図案化画像に付随して(重畳して)表示されている。換言すれば、当該変更後のフォルダ画像(アイコン画像)Fb(図26,図27)は、資料データDPに対するアクセスが既に行われていること(プリントアウト済みであること)を示す画像である。
また、変更表示対象のフォルダ画像Fbが点滅表示され(図26では斜線を付して示す)、フォルダ画像Fbに関する表示変更処理が実行されていることが併せて示される。
このような表示装置30aの表示内容を視認することによれば、提案者PRは、資料データDPが参加者Pbにより既にプリントアウトされていること、を知得することができる。
さらに、フォルダ画像Fbの変更処理が開始されると、画面右側のファイル内容確認欄CRにおいては、アクセス対象の資料データDPの概略内容を示す画像DHが所定期間(例えば数秒程度)にわたってプレビュー表示される(ステップS59)。
そして、一定期間が経過すると、図27のように、ファイル内容確認欄CRにおけるプレビュー表示が終了するとともに、フォルダ画像Fbの点滅表示も終了する。
以上のようにして、特定の参加者Pbに関するアクセス状況の表示処理が実行される。
つぎに、今度は、さらに別の参加者(例えば人物Pc)が注目参加者(特定の参加者)として選択され、当該参加者Pcに関する資料データDPへのアクセス状況が取得される(ステップS52)。ここでは、ユーザボックスBc内の資料データDPに対してファイルオープン処理が既に行われているものとする。
この場合には、図28に示すように、表示装置30aにおいて、ユーザボックスBcに対応するアイコン画像(フォルダ画像)Fcが、ファイルオープン処理済みであることを示す態様に変更されて表示される(ステップS55,S56)。具体的には、フォルダ画像Fc内に表示されていたファイル画像DGに代えて、別の画像EG(図31参照)がフォルダ画像Fc内のサブ画像領域に表示されることによって、ユーザボックスBc内の資料データDPがファイルオープン処理済みであることが示されている。画像EGは、図31の拡大図にも示すように、「ファイルオープン処理済み」を表すように図案化されたサブ画像である。図28においては、このような画像EGが、フォルダ画像Fc内にて、フォルダの図案化画像に付随して(重畳して)表示されている。換言すれば、当該変更後のフォルダ画像(アイコン画像)Fc(図28,図29)は、資料データDPに対するアクセスが既に行われていること(ファイルオープン処理済みであること)を示す画像である。
また、変更表示対象のフォルダ画像Fcが点滅表示され(図28では斜線を付して示す)、フォルダ画像Fcに関する表示変更処理が実行されていることが併せて示されている。
このような表示装置30aの表示内容を視認することによれば、提案者PRは、資料データDPが参加者Pcにより既にファイルオープンされていること、を知得することができる。
さらに、フォルダ画像Fcの変更処理が開始されると、画面右側のファイル内容確認欄CRにおいては、アクセス対象の資料データDPの概略内容を示す画像DHが所定期間(例えば数秒程度)にわたってプレビュー表示される(ステップS59)。
そして、一定期間が経過すると、図29のように、ファイル内容確認欄CRにおけるプレビュー表示が終了するとともに、フォルダ画像Fcの点滅表示も終了する。
以上のようにして、特定の参加者Pcに関するアクセス状況の表示処理が実行される。
その後、他の参加者(例えば人物Pd,Pe,Pf)についても、同様の処理が順次に実行される。ただし、資料データDPに未だアクセスしていない参加者(例えば人物Pf)に関しては、対応フォルダ画像の表示態様に関する変更処理等は実行されない。具体的には、ユーザボックスBf内の資料データDPに対して未だアクセス処理が実行されていない旨が取得されると(ステップS52)、表示態様の変更処理(ステップS54,S56,S58)が実行されることなく、終了判定処理(ステップS60,S61)に進む。
図22は、アクセス状況の表示処理が複数の参加者について一巡した状態、を示す図である。図22では、参加者Pf以外の参加者Pa,Pb,Pc,Pd,Peは自らのユーザフォルダ内の資料データDPにアクセス済みであること、及び参加者Pfは自らのユーザフォルダ内の資料データDPに未だアクセスしていないこと、が示されている。たとえば、図22におけるフォルダ画像Ffは、アクセス状況の表示処理後においてもファイル画像DGを引き続き有しており、資料データDPに対するアクセスが未だ行われていないことを示している。また、図22におけるフォルダ画像Fdは、アクセス状況の表示処理後においてサブ画像RGを有しており、資料データDPに対するアクセス済み(具体的には、プリントアウト処理済み)であることを示している。
なお、未アクセスの資料データを有する参加者については、ステップS52〜S60の処理が、(会議の開始準備処理に関する終了指令の受信時点まで)所定時間間隔で繰り返し実行される。したがって、ステップS50の開始準備処理中に、アクセス状況が変化した場合も、更新後のアクセス状況を随時確認することが可能である。
また、上記においては、表示装置30aの表示動作等について説明したが、表示装置30bにおいても同様の表示動作等が行われる。具体的には、会議管理装置10bが会議管理装置10aと同様の動作を行うことによって、同様の表示動作等が実現される。
<7.TV会議の本動作等>
その後、会議の開始準備処理の終了指令が受信されると、TV会議の本動作(ステップS70(図8))が開始される。
上述のような動作によれば、たとえばTV会議の本動作の開始前において、提案者(発表者)PRは、各ユーザに対して個別に配信された資料データを各ユーザがアクセスしたか否かを知得することができる。したがって、資料の配布状況を把握した上で、会議を円滑に進行させることが可能である。
<8.本実施形態における効果>
上記のような実施形態においては、会議管理装置10a(,10b)は、複数の参加者Pa〜Pc(,Pd〜Pf)に対応する各ユーザボックスBa〜Bc(,Bd〜Bf)に資料データDPをそれぞれ転送して格納する(ステップS27,S31)。したがって、会議の提案者PR等は、資料データDPの配布を参加者個人単位で容易に管理することが可能である。
また、会議管理装置10a(,10b)は、複数の参加者Pa〜Pc(,Pd〜Pf)のそれぞれに対して、対応ユーザボックスに資料データDPが格納されていることを、各電子メールMLa〜MLc(,MLd〜MLf)により通知する(ステップS28,S32)。したがって、各参加者Pa〜Pc(,Pd〜Pf)は、自らに対して資料データDPが配信されていることを容易に知得することができる。
また、上記のようにMFP(画像形成装置)を会議管理装置として用い、当該MFP10a,10bのユーザボックス機能を利用することによれば、資料データの配布管理を容易に実現することが可能なミーティングシステム(会議管理システム)100を構築することが可能である。
また、複数の参加者の中に未登録ユーザ(画像形成装置10a,10bのユーザ以外の人物)が含まれる場合には、未登録ユーザPc用の一時保存ボックスBcが会議管理装置10aの格納部5内に生成されるとともに、当該一時保存ボックスBcが未登録ユーザPc用のユーザボックスとして決定される。そして、当該一時保存ボックスに資料データDPが転送されて格納される。したがって、画像形成装置10a,10bの未登録ユーザに関しても、資料データの配布状況を管理することが可能である。
また、会議管理装置10a(,10b)は、ステップS52において、複数の参加者Pa〜Pfに対応する各ユーザボックスBa〜Bfにそれぞれ格納された各資料データDPへのアクセス状況を取得する。したがって、各資料データDPに対するアクセス状況を参加者個人単位で把握することが可能である。特に、会議管理装置10a(,10b)は、ステップS54,S56,S58等において、参加者Pa〜Pfごとのアクセス状況を表示装置30a(,30b)に表示するので、会議の提案者PR等は各参加者Pa〜Pfごとのアクセス状況を容易に把握することができる。より詳細には、特定のユーザボックス内の特定の資料データに対するアクセスが既に行われているか否かに応じて、特定のユーザボックスに対応するアイコン画像の表示態様が変更される(ステップS54,S56,S58等)。したがって、会議の提案者PR等は特定の資料データDPに対するユーザごとのアクセス状況を容易に把握することができる。
また、各ユーザフォルダ内の資料データDPに対して異なるアクセス種別による複数回のアクセスが行われている場合には、複数のアクセス種別のうち所定の順位(ここではダウンロード、ファイルオープン、プリントアウトの順)にしたがって選択された単一のアクセス種別のみが表示される。したがって、「当該資料データにアクセス済み」との情報が最小限のアクセス種別情報とともに単純化して表示されるので、会議の提案者PR等は、アクセスの有無等を簡易に且つ判りやすく知得することができる。
<9.複数の資料データが存在する場合>
上記においては、会議資料として単一の資料データDPのみが存在する場合を例示したが、これに限定されず、会議資料として複数の資料データDPが存在する場合にも上記の思想を適用することができる。
たとえば、ステップS27,S32(図10,図11参照)において、複数のユーザのそれぞれに対応する各ユーザボックスにそれぞれ複数の資料データDP(詳細にはDP1,DP2)を転送して格納するとともに、ステップS50(図12参照)において、当該各ユーザボックス内の複数のデータDPのそれぞれに関するアクセス状況を確認するようにすればよい。
図32〜図37は、このような改変例に係るアクセス状況の確認の様子を示す図である。図32は、アクセス状況の確認動作(ステップS50)における初期状態を示す図である。
図32においては、図23と同様の初期状態(ステップS51)での初期画面GB11が示されている。ただし、図32は、各フォルダ画像において複数(ここでは2つ)のファイル画像DG1,DG2がそれぞれ表示されている点で、図23と相違する。具体的には、図32においては、各参加者Pa〜Pfの各ユーザボックスBa〜Bfを表す各フォルダ画像Fa〜Ffにおいて、それぞれ、2つの資料データDPが存在することを示す2つのファイル画像(サブ画像)DG1,DG2が重畳して表示されている。
その後、ステップS52〜S60の処理が繰り返され、各ユーザボックス内の資料データDPに対するアクセスが既に行われているか否かに応じて、各ユーザボックスに対応するアイコン画像の表示態様が変更される。ここでは、会議資料として複数の資料データDP(DP1,PD2)が登録されており、ステップS52〜ステップS59の処理は各資料データDPごとにも実行される。
たとえば、ユーザボックスBa内の資料データDP(詳細にはDP1,DP2)に対してダウンロード処理が既に行われているものとすると、図32〜図36に示すような表示態様の変更処理が実行される。
詳細には、まず、ユーザボックスBa内の一方の資料データDP1に対するダウンロード処理が既に行われていることを示す表示動作が実行される。
具体的には、まず図33の画面GB12に示すように、ユーザボックスBaに対応するアイコン画像(フォルダ画像)Fa内の2つのファイル画像DG1,DG2のうちファイル画像DG1が、ダウンロード処理済みであることを示す態様に変更されて表示される。このとき、変更示対象のフォルダ画像Faが点滅表示され(図面では斜線を付して示す)、フォルダ画像Faに関する表示変更処理が実行されていることが併せて示されている。このような表示内容を視認することによれば、提案者PRは、資料データDP1が参加者Paにより既にダウンロードされていること、を知得することができる。
さらに、このようなフォルダ画像Faの変更処理が開始されると、画面右側のファイル内容確認欄CRにおいては、アクセス対象の資料データDP1の概略内容を示す画像DH1が所定期間(例えば数秒程度)にわたってプレビュー表示される。これによれば、アクセス対象(ダウンロード対象)の資料データDP1をより確実に確認することができる。
その後、一定期間が経過すると、図34の画面GB13に示すように、ファイル内容確認欄CRにおけるプレビュー表示が終了するとともに、フォルダ画像Faの点滅表示も終了する。
つぎに、ユーザボックスBa内の他方の資料データDP2に対するダウンロード処理が既に行われていることを示す表示動作が実行される。
具体的には、まず図35の画面GB14に示すように、ユーザボックスBaに対応するアイコン画像(フォルダ画像)Fa内の2つのファイル画像DG1,DG2のうちファイル画像DG2が、ダウンロード処理済みであることを示す態様に変更されて表示される。また、変更示対象のフォルダ画像Faが点滅表示され(図面では斜線を付して示す)、フォルダ画像Faに関する表示変更処理が実行されていることが併せて示される。さらに、このようなフォルダ画像Faの変更処理が開始されると、画面右側のファイル内容確認欄CRにおいては、アクセス対象の資料データDP2の概略内容を示す画像DH2が所定期間(例えば数秒程度)にわたってプレビュー表示される。そして、一定期間が経過すると、図36の画面GB15に示すように、ファイル内容確認欄CRにおけるプレビュー表示が終了するとともに、フォルダ画像Faの点滅表示も終了する。
このような表示内容を視認することによれば、提案者PRは、資料データDP2が参加者Paにより既にダウンロードされていること、を知得することができる。特に、ファイル内容確認欄CR内の表示を視認することによれば、アクセス対象(ダウンロード対象)の資料データDP2をより確実に確認することができる。
以上のようにして、ユーザPaのユーザボックスBaに格納された資料データDP1,DP2に関するアクセス状況の表示動作が実行される。
同様に、他の複数のユーザの各ユーザボックスにそれぞれ格納された資料データDP1,DP2に関するアクセス状況の表示動作も実行される。
図37は、6人のユーザPa〜Pfの全てに関して、上記のようなアクセス状況の表示動作が終了した状態を示す図である。図37においては、複数のユーザの資料データに対するアクセス状況が、ユーザPa〜Pfごと且つ資料データDP1,DP2ごとに個別に示されている。特に、各ユーザボックスBa〜Bfに対応するフォルダ画像Fa〜Ffは、当該各ユーザボックス内に格納される複数の資料データDP1,DP2にそれぞれ対応する複数のサブ画像領域を有している。そして、これら複数のサブ画像領域の表示態様は、対応する資料データへのアクセス状況に応じて変更される。この結果、各ユーザボックスに対応するフォルダ画像は、各資料データのアクセス状況に応じて異なる態様で表示される。
たとえば、ユーザボックスBaに対応するフォルダ画像Faにおいては、資料データDP1に関する位置(サブ画像領域)のサブ画像DG(DG1)が非表示状態(ないし淡色表示状態)に変更され、資料データDP2に関する位置(サブ画像領域)のサブ画像DG(DG2)が非表示状態(ないし淡色表示状態)に変更される。また、ユーザボックスBdに対応するフォルダ画像Fdにおいては、資料データDP1に関する位置(サブ画像領域)にサブ画像RGが表示され、資料データDP2に関する位置(サブ画像領域)にサブ画像EGが表示される。
このような表示動作等によれば、各ユーザが複数の資料データDP1,DP2のそれぞれに対してアクセス済みであるか否か、および各ユーザが複数の資料データDP1,DP2のそれぞれに対していずれのアクセス種別によってアクセスしたかなどを、提案者PR等が知得することが可能である。換言すれば、会議の提案者PR等は、複数の資料データのうちの特定の資料データに対するアクセス状況を参加者ごとに容易に把握することができる。たとえば、提案者PRは、フォルダ画像Fd(図37)を視認することによって、ユーザPdが資料データDP1を既にプリントアウトしていること、及び資料データDP2を既にファイルオープンしていることなどを、知得することができる。
<10.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態においては、全ての参加者に対して同一の資料データDPを送付する場合を例示したが、これに限定されず、参加者ごとに異なる資料データを送付するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、3つのアクセス種別(ダウンロード、ファイルオープン、プリントアウト)のうちのいずれか1つのみを表示する場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、或る資料データに対する全てのアクセス種別を表示するようにしてもよい。これによれば、会議の提案者PR等は、アクセスの有無とともに、詳細なアクセス種別情報をも知得することが可能である。
また、上記実施形態においては、TV会議システムに本発明を適用する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記と同様の動作を実行する1つの会議管理装置10aを用いて、1つの会議室内で行われる会議を管理するようにしてもよい。ただし、この場合には、上記実施形態のような接続先の会議管理装置(10b)にデータ資料送信データDT11等を転送することなどを要さない。そして、当該1つの会議管理装置10aは、全ての参加者の資料データDPを、当該会議管理装置10a内の対応ユーザボックスにそれぞれ配信するようにすればよい。また、会議管理装置10aは、上記と同様にして、資料データDPに対するアクセス状況等を表示装置30aに表示するようにすればよい。
また、上記実施形態においては、MFP(画像形成装置)を用いて会議管理装置10を構成する場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、パーソナルコンピュータ等を用いて会議管理装置10を構成するようにしてもよい。