JP2011042835A - ガスバリアフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ガスバリアフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子フィルムと炭化酸化珪素膜との密着性を改善した従来よりもバリア性の高いガスバリアフィルムを高い生産効率で提供すること。
【解決手段】基材となる高分子フィルム1の片面もしくは両面に、炭化酸化珪素膜2が形成されたガスバリアフィルムであって、炭化酸化珪素膜2がモノマーガス、酸化用ガスおよび不活性ガスを含有する成膜原料ガスを用いた化学的気相成長法(CVD法)によって形成され、不活性ガスとしてヘリウムを使用することを特徴とするガスバリアフィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリアフィルムおよびその製造方法に関し、例えば太陽電池のバックシート、食品や医薬品等の包装分野に用いられるガスバリアフィルムおよびその製造方法に関するものである。
太陽電池保護シートは太陽電池モジュールの起電部分であるパターニングされたシリコン薄膜の湿度による劣化を防止するために、太陽電池の裏側に配置されており、酸素や水蒸気といったガスを遮断し、同時に屋外などの過酷な状況下で使用されてもガスバリア性能が劣化しない耐久性能が求められる。
ハードディスクや半導体モジュール、食品や医薬品類の包装に用いられる包装材料においても、内容物を保護することが必要である。特に、食品包装においては蛋白質や油脂などの酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが必要である。また無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品類においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持することが求められる。これらの内容物の品質を保護するために、酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性を備える包装体が求められている。
高分子樹脂フィルムからなる包装体としては、従来、高分子の中では比較的ガスバリア性能に優れるポリビニルアルコール(PVA)、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などの樹脂フィルムや或いはこれらの樹脂をラミネートまたはコーティングしたプラスチックフィルムなどが好んで用いられてきた。しかしながら、これらのフィルムは、温度依存性が高く、高温または高湿度下においてガスバリア性能に劣化が見られ、また、食品包装用途においてはボイル処理や高温高圧力条件下でのレトルト処理を行うとガスバリア性能が著しく劣化する場合が多い。また、PVDC系の高分子樹脂組成物を用いたガスバリア性積層体は、湿度依存性は低いものの温度依存性がある上に、高いガスバリア性能(例えば、1cc/m・day・atm以下)を得ることができない。
また、PVDCやPANなどは廃棄・焼却の際に有害物質が発生する危険性が高いため、高防湿性を有し、かつ高度のガスバリア性能を要求される包装体については、アルミニウムなどの金属箔などにてガスバリア性能を担保せざるを得なかった。しなしながら、金属箔は不透明であるため、包装材料を透過して内容物を識別することが難しく、金属探知機による内容物検査や、電子レンジでの加熱処理が出来ない。
一方、高分子樹脂フィルム上に炭化酸化珪素膜を有するガスバリアフィルムは公知である(例えば特許文献1参照)。このようなガスバリアフィルムは、上記欠点をある程度克服することができるものの、これらの包装体を屋外などの過酷な条件下に長期間曝した場合、高分子樹脂フィルムと炭化酸化珪素膜との間で層間剥離が発生し包装体としての機能を損なう問題があり、屋外などで使用される高耐久性を有するガスバリア包装体を得るには鋭意工夫が求められる。
耐久性を付与するための手段の一つとして、従来から大気圧環境下において塗布方式による下地層を設ける試みがなされている。しかしながら、この方式では行程数が増えてしまうため生産効率が高いとはいえない。
高いガスバリア性能(例えば、1cc/m・day・atm以下)を得る方式として、従来から無機酸化物層の上に塗布方式によるオーバーコート層を設ける試みがなされている。しかしながら、この方式では行程数が増えてしまうため、生産効率が高いとはいえない。
なお、プラズマ化学的気相成長法(PECVD法)による成膜は、例えば下記非特許文献1〜3に開示されている。
特開2008−179104号公報
Clear Barrier Coating (F.Casey、A.W.Smith、G.Ellis) 1999 SVC 505/856-7188 415 PECVD of SiOX Barrier Films (A.W.Smith、N.Copeland、D.Gerrerd、D.Nicholas) 2002 SVC 505/856-7188 525 Clear Barrier Coating by Plasma CVD for Packaging Applications (A.W.Smith、N.Copeland) 2006 SVC 505/856-7188 636
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高分子フィルムと炭化酸化珪素膜との密着性を改善した従来よりもバリア性の高いガスバリアフィルムを高い生産効率で提供することにある。
請求項1に記載の発明は、基材となる高分子フィルムの片面もしくは両面に、炭化酸化珪素膜が形成されたガスバリアフィルムであって、
前記炭化酸化珪素膜がモノマーガス、酸化用ガスおよび不活性ガスを含有する成膜原料ガスを用いた化学的気相成長法(CVD法)によって形成され、前記不活性ガスとしてヘリウムを使用することを特徴とするガスバリアフィルムである。
請求項2に記載の発明は、使用される前記モノマーガスが、テトラエチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルシラン、トリメチルシラン、モノシラン、ジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのうち1種類のガス、またはこれらの混合ガスからなることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルムである。
請求項3に記載の発明は、使用される前記酸化用ガスが酸素、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素、オゾンのうち1種類のガス、またはこれらの混合ガスからなることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記成膜原料ガスにおける酸化用ガス(O)と不活性ガス(H)の流量比O/HをRとした時、R≧1であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項5に記載の発明は、前記化学的気相成長法(CVD法)が、プラズマを用いたプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項6に記載の発明は、前記プラズマを用いたプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により炭化酸化珪素膜を形成する際、基材となる高分子フィルムがカソード側に設置されていることを特徴とする請求項5記載のガスバリアフィルムである。
請求項7に記載の発明は、前記炭化酸化珪素膜の化学式SiOxCyにおいて、xの範囲が0<x<2であり、yの範囲が0<y<2であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項8に記載の発明は、前記炭化酸化珪素膜にC−CもしくはC=C結合が含有されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項9に記載の発明は、前記基材となる高分子フィルムの片面もしくは両面に、前記炭化酸化珪素膜が形成される工程が減圧環境下で形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のガスバリアフィルムである。
請求項10に記載の発明は、基材となる高分子フィルムの片面もしくは両面に、炭化酸化珪素膜を形成する工程を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
前記炭化酸化珪素膜がモノマーガス、酸化用ガスおよび不活性ガスを含有する成膜原料ガスを用いた化学的気相成長法(CVD法)によって形成され、前記不活性ガスとしてヘリウムを使用することを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法である。
上記発明に依れば、高分子フィルムと蒸着膜との密着性を改善した従来よりもバリア性の高いガスバリアフィルムを高い生産効率で提供することができる。
密着性の劣化を抑える作用としては、ヘリウムイオンなどのボンバード効果により、基材表面弱結合層(Weak Boundary Layer(WBL))やPETであれば加水分解層などの、密着強度の低下を招く層を取り除くことでフレッシュな基材表面が提供され、炭化酸化珪素膜層との密着性が向上すると同時に、耐水劣化をおこさない界面を形成するものと考えられる。
バリア性を向上させる作用としては、成膜原料ガスにヘリウムを混入することで、プラズマ中の電子温度が上がることでモノマーガスの分解が進み、より密な膜を形成することで可能になると考えられる。
高い生産性を実現させる作用としては、従来用いられた大気圧環境下における塗布方式による下地層やオーバーコート層の形成方法では、その度に製造装置を変える必要が有るのに対し、全ての行程を減圧環境下に1つの装置で行うことで、間接時間の減少や異物混入によるロスの発生を抑えることで可能になると考えられる。
本発明のガスバリアフィルムの断面の説明図である。 本発明のガスバリアフィルム製造装置の説明図である。 本発明のガスバリアフィルム製造装置の説明図である。 本発明のガスバリアフィルム製造装置の説明図である。 本発明のガスバリアフィルム製造装置の説明図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のガスバリアフィルムを説明する断面図である。高分子フィルム1上に化学的気相成長法(CVD法)、好適にはプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により形成された炭化酸化珪素膜2が形成されている構成になっている。基材の両面に形成しても、さらに多層にしても良い。
高分子フィルム1は特に制限を受けるものではなく公知のものを使用することが出来る。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン―6、ナイロン―66等)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、アクリル、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などが挙げられるが特に限定されない。透明フィルムを用いた場合、大量生産に適するため好ましい。また、厚さに関しても特に制限を受けるものではなく、ガスバリアフィルムを形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には12〜250μmの範囲が好ましい。
高分子フィルム1上にプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により形成された炭化酸化珪素膜2の厚さは一般的には5〜1000nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし、その厚さが5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、十分なバリア性能を得られない場合がある。また、膜厚が1000nmを超える場合は、成膜時間の長時間化により基材に熱負けが生じ外観不良が生じたり、バリア性能に悪影響を与えてしまったりする恐れがある。より好ましくは、7〜40nmの範囲内にあることである。
高分子フィルム1上に炭化酸化珪素膜2を形成する場合、プラズマ化学的気相成長法(PECVD法)を用いることが有効である。プラズマ化学的気相成長法(PECVD法)を用いることで、当初から基材に存在している凹凸や、欠陥を埋めることが可能であると共に、密着力とガスバリア性能に優れた膜を形成することができる。
高分子フィルム1上に炭化酸化珪素膜2をプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)で形成する際、プラズマを励起するためのガス種としては、テトラエチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルシラン、トリメチルシラン、モノシラン、ジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのうち1種類のガス、またはこれらの混合ガスと、酸素、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素、オゾンのうち1種類のガス、またはこれらの混合ガスを混合させたものにヘリウムを混ぜたガスを用いることができる。
ヘリウムを用いることで、電子温度、電子密度が上昇し、使用するモノマーガスの分解をより促進することが可能であり、生産効率が向上すると共に、より優れたガスバリア性を発揮できることが可能である。またプラズマ中においてOイオンが支配的となり酸化作用の促進も可能となる。
成膜原料ガスにおける酸化用ガス(O)と不活性ガス(H)の流量比O/HをRとした時、R≧1とすることで、膜の透明性を確保することができるが、R<1となってしまうと酸化が不十分となり膜が黄色く着色してしまう恐れが生じてしまう。
前記流量比Rは、1.0〜10.0であるのが好ましい。また、モノマーガス(m)の流量は、酸化用ガス(O)の流量を1としたとき、0.1〜1.0であるのが好ましい。
炭化酸化珪素膜2を形成する方法としては種々在り、通常のプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により形成することができる。また、その他の形成方法であるスパッタリング法、真空蒸着法などを用いることも可能である。ただし、スパッタリング法では、膜厚が厚くなっていくに従い、膜の内部応力によるクラック等に起因するガスバリア性能の上げ留まりが生じてしまう、また真空蒸着法は生産性に最も優れる反面優れたガスバリア性を発揮することが困難となってしまう。
プラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により炭化酸化珪素膜2を形成する際、高分子フィルム1をカソード側に設置することで、使用するモノマーガスの分解をより促進することが可能であり、生産効率が向上すると共に、より優れたガスバリア性を発揮できることが可能である。また、カソード側に設置することで、プラズマ中のイオンが高分子フィルム1へと効率的に衝突し、密着強度の低下を招く層を効率よく取り除くことが可能となり、結果優れた密着力を生み出すことが可能となる。
炭化酸化珪素膜2にC−CもしくはC=C結合が含有されることで、膜にフレキシビリティを持たせることが可能となる。また、結合距離を比較すると、Si−Si>Si−C>Si−O>C−C>C=Cであることから、C−CもしくはC=C結合が含有されることで膜密度を向上させる可能性がある。
また、炭化酸化珪素膜の化学式SiOxCyにおいて、xの範囲が0<x<2であり、yの範囲が0<y<2であることにより、ガスバリア性をさらに高めることができる。
高分子フィルム1上にプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により炭化酸化珪素膜2を形成する際、全ての工程を減圧環境下で行うことで、不純物が交ざりにくく、成膜環境に適した状態を維持しやすくなる。
図2は本発明におけるガスバリアフィルムの製造装置である。図2に示す装置に限定されるものではない。巻取り・巻き出し式であっても、バッチ式でもよい。図2において、高分子フィルム1は、成膜室9を備えた上記のような炭化酸化珪素膜形成手段3に導入され、成膜ロール6により送り出されながら高周波電源5によって高周波が印加され、電極8からプラズマ7が照射される。さらに、図3に示すように、アノード(電極8)側にマグネット4を設置したり、図4のように高周波電源5を2つ設置して高周波を重畳させたりしてもよい。図4のように高周波電源5を2つ設置した場合、周波数が高いほうがカソード、周波数が低いほうがアノードとして働く。成膜ロール6をカソードとするか、電極8をカソードとするかは、成膜材料や成膜方法によって適宜選択することができる。また、図5のように、電極8をカソードにしてもよい。この場合、成膜ロール6がアノードとして働く。マグネット4を設置した場合も、高周波を重畳させる場合も、プラズマ密度を向上させることが可能となり、より密着力とガスバリア性能に優れた膜を形成することができる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに具体的に説明する。
<実施例1>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により炭化酸化珪素膜を形成した。プラズマ化学的気相成長法(PECVD法)にて、炭化酸化珪素膜をする際400KHzの電源を用い、プラズマを励起するためのガス種としては10:4:10の割合で混合した、酸素/ヘキサメチルジシロキサン/ヘリウムの混合ガスを用いた。なおその際、それぞれのガスは独立した供給管より、成膜室に導入した。またその際の処理圧力は20Paとし、その厚さは50nmとした。ポリエチレンテレフタレートフィルムはカソード側に設置した。炭化酸化珪素膜の化学式SiOxCyにおいて、x=1.2、y=0.8となった。
<比較例1>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により炭化酸化珪素膜を形成した。プラズマを励起するためのガス種としては10:4の割合で混合した、酸素/ヘキサメチルジシロキサンのみの混合ガスを用いた以外は、実施例1と同じ条件で炭化酸化珪素膜を形成した。炭化酸化珪素膜の化学式SiOxCyにおいて、x=2.0、y=0となった。
<比較例2>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により炭化酸化珪素膜を形成した。プラズマを励起するためのガス種としては10:4:10の割合で混合した、酸素/ヘキサメチルジシロキサン/アルゴンの混合ガスを用いた以外は、実施例1と同じ条件で炭化酸化珪素膜を形成した。炭化酸化珪素膜の化学式SiOxCyにおいて、x=1.9、y=0.1となった。
<評価1 ガスバリア性>
本発明品のガスバリア性を水蒸気透過度測定装置(モダンコントロール社製 MOCON PERMATRAN 3/33 40℃90%RH雰囲気)を用い測定した。その結果、ガスバリア性は、実施例1>比較例1≒比較例2となった。その結果を表1に示す。
<評価2 密着性>
本発明品の密着性を、水中引っ張り試験機を用い測定した。その結果、実施例1で示した方法で成膜したガスバリアフィルムは、比較例で示した方法で成膜したガスバリアフィルムと比べ強い密着性を有していた。
<評価3 耐久性>
本発明品の耐久性を測定するため、48時間のプレシャークッカー試験(PCT)後の密着性を、水中引っ張り試験機を用い測定した。その結果、実施例1で示した方法で成膜したガスバリアフィルムは、密着性の低下がなく、膜面の剥離等も確認されなかった。また、48時間のPCT後のガスバリア性能も、実施例1>比較例1≒比較例2となった。その結果を表1に示す。
<評価4 膜質>
本発明品の膜質を評価するため、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製 FT−IR)赤外線で測定した。その結果、C−C結合、C=C結合のピーク強度は共に、実施例1>比較例1≒比較例2となっていた。また、X線光電子分光法(JEOL社製 XPS)で測定した。その結果、O/Siの比率は比較例1≒比較例2>実施例1となっていた。
<評価5 透過率>
本発明品の透過率を評価するため、(日立製作所製 U4000)で測定した。その結果、300nm〜800nmの波長において、透過率に大きな差は生じなかった。
Figure 2011042835
本発明おけるガスバリアフィルムの産業上の利用可能性としては、太陽電池のバックシート、食品や医薬品等の包装分野に用いられるガスバリアフィルムが考えられる。
1・・・高分子フィルム
2・・・炭化酸化珪素膜
3・・・炭化酸化珪素膜製造手段
4・・・マグネット
5・・・高周波電源
6・・・成膜ロール
7・・・プラズマ
8・・・電極
9・・・成膜室

Claims (10)

  1. 基材となる高分子フィルムの片面もしくは両面に、炭化酸化珪素膜が形成されたガスバリアフィルムであって、
    前記炭化酸化珪素膜がモノマーガス、酸化用ガスおよび不活性ガスを含有する成膜原料ガスを用いた化学的気相成長法(CVD法)によって形成され、前記不活性ガスとしてヘリウムを使用することを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 使用される前記モノマーガスが、テトラエチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルシラン、トリメチルシラン、モノシラン、ジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのうち1種類のガス、またはこれらの混合ガスからなることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアフィルム。
  3. 使用される前記酸化用ガスが酸素、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素、オゾンのうち1種類のガス、またはこれらの混合ガスからなることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
  4. 前記成膜原料ガスにおける酸化用ガス(O)と不活性ガス(H)の流量比O/HをRとした時、R≧1であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  5. 前記化学的気相成長法(CVD法)が、プラズマを用いたプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記プラズマを用いたプラズマ化学的気相成長法(PECVD法)により炭化酸化珪素膜を形成する際、基材となる高分子フィルムがカソード側に設置されていることを特徴とする請求項5記載のガスバリアフィルム。
  7. 前記炭化酸化珪素膜の化学式SiOxCyにおいて、xの範囲が0<x<2であり、yの範囲が0<y<2であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  8. 前記炭化酸化珪素膜にC−CもしくはC=C結合が含有されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  9. 前記基材となる高分子フィルムの片面もしくは両面に、前記炭化酸化珪素膜が形成される工程が減圧環境下で形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  10. 基材となる高分子フィルムの片面もしくは両面に、炭化酸化珪素膜を形成する工程を有するガスバリアフィルムの製造方法であって、
    前記炭化酸化珪素膜がモノマーガス、酸化用ガスおよび不活性ガスを含有する成膜原料ガスを用いた化学的気相成長法(CVD法)によって形成され、前記不活性ガスとしてヘリウムを使用することを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
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