JP2011040491A - 断熱構造 - Google Patents

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正彦 小林
Shuichi Mizutani
宗一 水谷
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Abstract

【課題】簡易な構成で安価且つ小型な断熱構造を提供すること。
【解決手段】複数のユニット20,30を有する装置1において、断熱構造80は、発熱体41から発生する熱によって装置1の内部の温度を変化させないように、ユニット20に配設され、断熱性能を有している。
断熱構造80は、発熱体41を有するシャーシ40と、発熱体41から発生する熱を内部20aにて循環させるファン51を有するシャーシ40と連結する熱交換器50と、内部20aにおいてシャーシ40の周辺に配設され、シャーシ40と熱交換器50とに連通し、ファン51によって流れる気体70の流路部60とを具備している。
熱交換器50は、ファン51と、気体70を流路部60に排気する排気口52と、気体70を冷却する冷却水を流入させる流入口53と、冷却パイプ54と、冷却水を流出させる流出口55と、冷却パイプ54に熱伝導する熱伝導性を有する放熱用フィン56とを有している。
【選択図】 図9

Description

本発明は、例えば精密装置における一方のユニットから発散される高温の熱がこのユニットに隣接する精密装置における他方のユニットに影響を及ぼさないように及びこれらユニットが設置される設置環境にこの熱が影響を及ぼさないように、一方のユニットから発散される熱を遮断する断熱構造に関する。
例えば半導体製造装置や精密測定器などの精密装置は、複数のユニットから構成されている。これらユニットは、精密機械が設置される環境の温度変化から多大な影響を受ける。そのため精密装置における一方のユニットから発散される高温の熱がこのユニットに隣接する精密装置における他方のユニットに影響を及ぼさないように及びこれらユニットが設置される設置環境にこの熱が影響を及ぼさないように、一方のユニットには、精密機械が設置される環境の温度を自身から発生する熱によって変化させないように、熱を遮断する高い断熱性能が要求されている。
一方のユニットは、上述した高温の熱を発散する発熱体を有している。そのため一方のユニットには、発熱体から発散される熱を遮断する断熱構造が配設されている。この断熱構造は、例えば熱交換器や、熱交換器を用いる際に排熱の影響を抑える構造である。また上述した断熱構造は、温調板である水冷パネルを有している。水冷パネルは、ユニットの外面に貼り付けられ、発熱体から発散される熱を遮断する。
例えば特許文献1には、小型軽量で低コストで大きな放熱性能を有する電子機器が開示されている。
特開2004−87577号公報
上述した水冷パネルにおいて、板部材が切削加工されて流路部が形成され、流路部をパネルにロウ付けすることで水冷パネルが形成される。そのため水冷パネルの製造は、手間がかかる。また水冷パネルの形成は、複数の板部材を必要とするため高価となる。さらに水冷パネルでは、流路部の配管の構成が複雑となり、断熱構造が大型化してしまう。また上述した断熱構造は、一般的に、気体を排気するダクトも有している。
これにより、断熱構造は、部品点数が多くなり組立が煩雑となり、高価となり、大型になり設置のためのスペースが必要となる。
そのため本発明は、上記事情に鑑み、簡易な構成で安価且つ小型な断熱構造を提供することを目的とする。
本発明は目的を達成するために、内部に複数のユニットを有する装置において、前記ユニットの内部に配設される発熱体から発生する熱によって前記装置の内部の温度を変化させないように、前記ユニットに配設され、断熱性能を有する断熱構造であって、断熱構造は、前記ユニットの内部に配設され、前記発熱体を有しているシャーシと、前記発熱体から発生する熱を前記ユニットの内部にて循環させるファンを有し、前記ユニットの内部に配設され、前記ファンを介して前記シャーシと連結する熱交換器と、前記ユニットの内部において前記シャーシの周辺に配設され、前記シャーシと前記熱交換器とに連通し、前記ファンによって流れる気体の流路部と、を具備し、前記熱交換器は、前記ファンと、前記流路部と連通し、前記ファンによって前記シャーシから吸引された前記気体を前記流路部に排気する排気口と、前記ファンによって前記シャーシから吸引され前記排気口から排気される前記気体を冷却する冷却水を前記熱交換器の外部から前記熱交換器の内部に流入させる流入口と、前記流入口と連通し、前記熱交換器の内部の前記冷却水の冷却水流路部である冷却パイプと、前記冷却パイプと連通し、前記熱交換器の内部から前記熱交換器の外部に前記冷却水を流出させる流出口と、前記冷却パイプと接合し、接合している前記冷却パイプに熱伝導する熱伝導性を有する放熱用フィンと、を有していることを特徴とする断熱構造を提供する。
また本発明は目的を達成するために、前記ファンは、前記熱交換器から前記排気口を介して前記流路部に向って流れる気体を、前記熱交換器の内側を流れる気体と前記熱交換器の外側を流れる気体とに分け、前記熱交換器の内側を流れる気体を前記流路部の前記シャーシ側に流し、前記熱交換器の外側を流れる気体を前記流路部の前記シャーシに対向する前記ユニット側に流すことを特徴とする上記に記載の断熱構造を提供する。
また本発明は目的を達成するために、前記ユニットに対する前記シャーシの取り付け面には、前記シャーシから前記ユニットへの伝熱を防止するために熱を遮断する遮熱部材が貼り付けられていることを特徴とする上記に記載の配設構造を提供する。
また本発明は目的を達成するために、前記熱交換器は、前記流入口から流入した前記冷却水が一時的に溜まる流入貯留部と、前記冷却パイプから流出した前記冷却水が一時的に溜まる流出貯留部と、を有し、前記流入貯留部は、前記流入口と前記冷却パイプとに連通しており、前記流入口から流入して一時的に溜まった前記冷却水を前記冷却パイプに流入し、前記流出貯留部は、前記冷却パイプと前記流出口とに連通しており、前記冷却パイプから流入し一時的に溜まった前記冷却水を前記流出口に流出する上記に記載の配設構造を提供する。
また本発明は目的を達成するために、ユニットの内部に配設される熱交換器から排気される排気空気を、前記ユニットの外周にて層流の状態で流すことにより断熱し、前記ユニットの外面の温度を所望に制御する断熱構造を提供する。
また本発明は目的を達成するために、ユニットの内部に配設される熱交換器で発生させた低温流れを前記ユニットの外周に流すことにより、断熱層を形成し、前記ユニットの内部に配設される発熱体と、前記ユニットとを熱絶縁する断熱構造を提供する。
本発明によれば、簡易な構成で安価且つ小型な断熱構造を提供することができる。
図1は、ユニットと、ユニットが配設される装置の斜視図である。 図2(a)は、ユニットの側面図である。図2(b)は、図2(a)における2b−2b線におけるユニットの図である。図2(c)は、ユニットの図2(a)とは異なる側面図である。 図3は、ユニットの分解斜視図である。 図4は、流入口側と流出口側とからみた熱交換器の斜視図である。 図5は、ファン側からみた熱交換器の斜視図である。 図6(a)は、熱交換器の側面図である。図6(b)は、熱交換器の上面図である。図6(c)は、図6(a)における6c―6c線における図である。 図7は、図6(a)における7−7線におけるユニットの図であり、熱交換器の内部を気体の流れを示す図である。 図8は、ユニットとシャーシとの間の熱伝達を示す模式図である。 図9は、ユニットの内部を気体の流れを示す図である。
以下、図1乃至図9を参照して本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように例えば半導体製造装置や精密測定器などの精密装置1は、複数のユニット10を内部に有している。言い換えると、精密装置1は、ユニット10を収納する収納装置である。ユニット10は、例えば一方のユニット20と他方のユニット30とから構成される。
図2に示すようにユニット20は、熱を発生する後述する発熱体41をユニット20の内部20aに有している。ユニット30は、ユニット20の隣接に、またはユニット20の周辺に設置されており、設置される環境の温度変化から多大な影響を受ける。設置される環境とは、ユニット20,30が設置される環境であり、精密装置1の内部であることを示す。
ユニット20には、発熱体41から発生する熱によってユニット20,30が設置される環境(精密装置1の内部)の温度を変化させないように、断熱性能を有する断熱構造80が配設されている。言い換えると、収納装置である精密装置1は、断熱構造80を有しているユニット20を備えている。
図2と図3とに示すようにユニット20は、ユニット20の内部20aに配設され、熱を発生する発熱体41を有しているシャーシ40と、発熱体41から発生する熱を内部20aにて循環(攪拌)させるファン51を有し、内部20aに配設され、ファン51を介してシャーシ40と連結する熱交換器50と、内部20aにおいてシャーシ40の周辺に配設され、シャーシ40と熱交換器50とに連通し、図9に示すようにファン51によって流れる気体70の流路部60とを有している。
本実施形態では、シャーシ40と熱交換器50と流路部60とは、ユニット20に配設される断熱構造80となる。
図2と図3とに示すようにユニット20は、熱交換器50とシャーシ40とを内部20aに収容するための収容口21と、熱交換器50とシャーシ40とのための図示しない電線やケーブルのための配線口22と、シャーシ40を内部20aに固定するための図示しないシャーシ固定口と、熱交換器50を内部20aに固定するための図示しない熱交換器固定口とを有している。ユニット20は、例えば輻射率の低い磨き薄板で形成されている。
シャーシ40は、例えば輻射率の低い磨き薄板で形成されている。このシャーシ40は、上述した発熱体41と、気体70を流路部60から吸気するための吸気口42と、吸気口42からシャーシ40のシャーシ40の内部40aに吸気された気体70を、ファン51を介して熱交換器50に排気するための排気口43とを有している。
図2(b)と図9とに示すように発熱体41と吸気口42と排気口43とは、連通しており、内部40aにおける気体70の流路部44上にて同一線上に配設されている。
発熱体41は、例えばICである。この発熱体41は、内部40aに配設されている図示しない基板に実装されている。基板には、上述した電線やケーブルが接続している。発熱体41は、吸気口42と排気口43との間、且つファン51によって流れる内部40aにおける気体70の流路部44上に配設されている。
シャーシ40が熱交換器50と連結しユニット20に配設された際、吸気口42は流路部60と連通し、排気口43はファン51と連結する。
なお図1と図2(a)と図3とに示すようにユニット20に対するシャーシ40の取り付け面40bには、シャーシ40からユニット20への伝熱を防止するために熱を遮断する遮熱部材45が貼り付けられている。
図2乃至図6に示すように熱交換器50は、上述したファン51と、流路部60と連通し、ファン51によって排気口43から吸引された気体70を流路部60に排気する排気口52と、ファン51によって排気口43から吸引され排気口52から排気される気体70を冷却する冷却水を熱交換器50の外部から後述する冷却パイプ54の内部50aを介して熱交換器50の内部50cに流入させる流入口53と、流入口53と連通し、内部50cにおける冷却水の冷却水流路部である冷却パイプ54と、冷却パイプ54と連通し、内部50aから熱交換器50の外部に冷却水を流出させる流出口55と、冷却パイプ54と接合し、接合している冷却パイプ54に熱伝導する熱伝導性を有している放熱用フィン56とを有している。
ファン51は、図示しないネジによってシャーシ40側の熱交換器50の面50bにネジ止めされている。ファン51は、気体を内部50cに送気する。熱交換器50がシャーシ40と連結した際、ファン51は排気口43と連結する。ファン51が駆動すると、ファン51は、発熱体41から生じた高温の気体70を排気口43から内部50cに吸引する。ファン51は、吸引した気体70を排気口52から流路部60に排気する。
このときファン51は、例えば図7に示すように排気口43から内部50cに向って流れる気体70を、熱交換器50の内側を流れる気体70aと熱交換器50の外側を流れる気体70bとに分け、図9に示すように熱交換器50の内側を流れる気体70aを排気口52から流路部60におけるシャーシ40側の流路部60aに流し、熱交換器50の外側を流れる気体70bを排気口43から流路部60におけるシャーシ40に対向するユニット20側(ユニット20の側面側)の流路部60bに流す。
つまりファン51からの気流は、例えば図7に示すように排気口43から内部50cに向って流れ、ファン51によって熱交換器50の内側を流れる気体70aと熱交換器50の外側を流れる気体70bとに分けられる。そして図9に示すように熱交換器50の内側を流れる気体70aは排気口52から流路部60におけるシャーシ40側の流路部60aに流れ、熱交換器50の外側を流れる気体70bは排気口43から流路部60におけるシャーシ40に対向するユニット20側(ユニット20の側面側)の流路部60bに流れる。
図5に示すように排気口52は、ファン51と同一面に配設され、ファン51の周辺に3箇所配設されている。熱交換器50がシャーシ40と連結した際、排気口52は、流路部60と連結する。
図4と図5とに示すように熱交換器50は、流入口53から流入した冷却水が一時的に溜まる流入貯留部である貯留部57aと、冷却パイプ54から流出した冷却水が一時的に溜まる流出貯留部である貯留部57bとを有している。
貯留部57aは、熱交換器50の上側に配設されており、流入口53と冷却パイプ54とに連通している。貯留部57aは、流入口53から流入して一時的に溜まった冷却水を冷却パイプ54に流入する。
また貯留部57bは、熱交換器50の下側に配設されており、冷却パイプ54と流出口55とに連通している。貯留部57bは、冷却パイプ54から流入し一時的に溜まった冷却水を流出口55に流出する。
このように流入口53から流入して貯留部57aに一時的に溜まった冷却水は、冷却パイプ54に流入する。また冷却パイプ54から流入し貯留部57bに一時的に溜まった冷却水は、流出口55から流出する。
冷却パイプ54は、ファン51と排気口52との間にて流れる気体70の流路部である内部50cに配設されており、発熱体41から生じた高温の気体70と内部50aに流れる冷却水との間で熱交換を行うための隔壁となる。冷却パイプ54は、熱交換器50の高さ方向に沿って配設されている。冷却パイプ54は、複数配設されている。
放熱用フィン56は、冷却パイプ54と圧入またはカシメなどによって接合されている。放熱用フィン56は、熱伝導性が良いために、気体70から伝わった熱を冷却パイプ54に熱伝導し、熱を冷却パイプ54に流れる冷却水に向って放熱する。
本実施形態では流路部60は、ユニット20とシャーシ40とによって内部20aに形成される空間部である。言い換えると、シャーシ40は、内部20aに配設され、ユニット10の側面との間に気体が流動する流路部60を形成する。つまり排気口52と吸気口42とユニット20と熱交換器50とは、気体がユニット20とシャーシ40とに沿って流路部60を流動するようにそれぞれ配置されている。排気口52と吸気口42とは、流路部60内を気体70が層流の状態で流れるように配設されている。流路部60は、吸気口42と排気口52とに連通する。流路部60は、ファン51によって排気口43から熱交換器50に吸引され、冷却パイプ54によって冷却され、排気口52(熱交換器50)から排気された気体70をシャーシ40に流す。
本実施形態では発熱体41が熱を発生すると、発熱体41を有するユニット20(シャーシ40)の内部20aにおける温度は、ユニット20の外部(精密装置1の内部)の温度よりも高くなる。この熱は、シャーシ40に伝熱する。そのためシャーシ40は、ユニット20よりも高温になる。さらに熱は、シャーシ40とユニット20との輻射によってシャーシ40からユニット20に伝熱し、及びシャーシ40から伝導によってもユニット20に伝熱する。これにより熱はユニット20からユニット20の外部に伝熱し、ユニット20が設置される環境(精密装置1の内部)の温度は発熱体41から発生する熱によって変化してしまう。
そのためシャーシ40の取り付け面40bに貼り付けられている遮熱部材45は、発熱体41からユニット20への熱を遮断し、ユニット20から精密装置1への伝熱を防止する。
また一般にシャーシ40とユニット20とは、シャーシ40とユニット20との輻射によってシャーシ40からユニット20に伝熱する。しかし本実施形態では、シャーシ40とユニット20とは、この伝熱を基とするユニット20から外部への伝熱を抑制するために、例えば熱の輻射率の低い磨き板となっている。一般的に、熱を放射する放射エネルギーは、輻射率に比例する。そのため輻射率が低いと、放射エネルギーが低くなり、結果的にユニット20の外部への伝熱が抑えられる。
また発熱体41が熱を発生すると、流路部60において、シャーシ40側の流路部60aの温度は、シャーシ40に対向するユニット20側の流路部60bの温度よりも高くなる。本実施形態では、吸気口42の開口面積と、吸気口42と排気口52との配設位置と、流路部60の形状と、熱交換器50における流路部である内部50cと、ファン51の風量とから構成される断熱条件は、予め所望な値に設定されている。これにより気体70が層流の状態で流路部60を流れ(より詳細には、排気口52から吸気口42に流れる)、図8に示すように温度境界層がユニット20にまで達せず、流路部60において対流によるシャーシ40からユニット20への伝熱が抑制され、この抑制によってユニット20からユニット20の外部への伝熱が抑制される。
なお断熱条件が所望に設定されていないと、気体70が層流の状態で流路部60にて流れず、流路部60にて乱流が発生してしまう。これにより内部20aからユニット20の外部(精密装置1の内部)への伝熱が流路部60を流れる気体70によって抑制されず、内部20aからユニット20の外部への伝熱が抑制されないこととなる。
このように断熱構造80は、発熱体41から生じた熱を有する内部20aにおける気体70を、ファン51によって気体70を排気口43から熱交換器50に送気し、熱交換器50にて気体70を冷却し、排気口52から排気された気体70を排気流とし、この気体70によって層流で流れる空気層を流路部60(排気口52から吸気口42)にて形成し、ユニット20と発熱体41との間で断熱層を形成し、ユニット20における熱を遮断する。また断熱構造80は、遮熱部材45によってもシャーシ40からユニット20への伝熱を防止し、ユニット20における熱を遮断する。
また断熱構造80は、ユニット20の内部20aに配設される熱交換器50の排気口52から排気される排気空気である気体70を、ユニット20の外周である流路部60にて層流の状態で流すことにより断熱し、ユニット20,30が設置される環境(精密装置1の内部)の温度を変化させないように、断熱ユニット20の外面の温度を所望に制御している。
また断熱構造80は、ユニット20の内部20aに配設される熱交換器50で発生させた低温流れ(層流の状態で流れる気体70)をユニット20の外周である流路部60に流すことにより、断熱層を形成し、ユニット20の内部20aに配設される発熱体41と、ユニット20とを熱絶縁する。
次に本実施形態の動作方法について図9を参照して説明する。
熱交換器50は、ファン51を介してシャーシ40と連結する。このときファン51は、排気口43と連結する。
熱交換器50とシャーシ40は、収容口21からユニット20に収容される。このとき、熱交換器50は図示しない熱交換器固定口によって内部20aに固定され、シャーシ40は図示しないシャーシ固定口によって内部20aに固定される。
また熱交換器50とシャーシ40とがユニット20に収容されると、ユニット20とシャーシ40とによって内部20aに流路部60が形成される。このとき排気口52と吸気口42とは、流路部60と連通する。またこのとき吸気口42と発熱体41と排気口43とファン51とは、同一線上に配設される。
発熱体41が駆動すると、熱が発熱体41から発散され、内部20aの気体70は高温となる。つまり気体70は、熱を有することとなる。すると、ファン51が駆動し、これにより高温の気体70は、ファン51によって排気口43から排出され、熱交換器50に吸引される。
熱交換器50において、冷却パイプ54には、流入口53から貯留部57aを通じて流入し、貯留部57bを通じて流出口55から流出する冷却水が流れている。熱交換器50を流れる気体70の熱は、放熱用フィン56によって冷却パイプ54に伝導され、冷却パイプ54に流れる冷却水に向って放熱される。これにより熱交換器50を流れる気体70は、冷却される。
またファン51によって、気体70は、熱交換器50の内側を流れる気体70aと熱交換器50の外側を流れる気体70bとに分けられる。外側を流れる気体70bは、内側を流れる気体70aよりも、放熱用フィン56に接する距離は長い。これにより外側を流れる気体70bは、内側を流れる気体70aよりも、放熱用フィン56によって冷却水に熱を十分に吸収され、十分に冷却される。
また外側を流れる気体70bは、内側を流れる気体70aよりも、流速が遅く冷却パイプ54に長時間接する。これにより外側を流れる気体70bは、内側を流れる気体70aよりも、冷却水を介して冷却パイプ54によって十分に冷却される。
このように外側を流れる気体70bは、内側を流れる気体70aよりも冷却水と近似な温度となるまで冷却される。
冷却された外側を流れる気体70bと内側を流れる気体70aとは、3箇所の排気口43から流路部60に流れる。
また外側を流れる気体70bは流路部60においてユニット20側の流路部60bを流れ、内側を流れる気体70aは流路部60においてシャーシ40側の流路部60aを流れる。そのため、流路部60は、外側を流れる気体70bによって十分に冷却された空気層となる。よって温度境界層が発達し流路厚に達するまでは、流路部60は、外側を流れる気体70bによって断熱層として機能する。これにより流路部60は、発熱体41から発散される熱をユニット20に対して遮断する。
なお気体70が流路部60を流れる際、気体70は層流で流れる。
またシャーシ40とユニット20とは、輻射によって熱交換を行う。しかしながら本実施形態ではシャーシ40とユニット20とは、熱の輻射率の低い磨き板である。よってシャーシ40とユニット20との輻射は抑制され、断熱構造80は、伝熱を基にする内部20aからユニット20の外部(精密装置1の内部)への伝熱を抑制し、ユニット20における熱を遮断する。
また遮熱部材45は、取り付け面40b(シャーシ40)から精密装置1への熱を遮断し、シャーシ40から精密装置1への伝熱を防止する。
冷却された気体70は、流路部60を流れ、吸気口42を通り、シャーシ40に流れる。さらに気体70は、発熱体41に流れ、発熱体41を冷却する。
このように本実施形態では、ファン51と冷却パイプ54とを配設し、シャーシ40とユニット20との間に流路部60を配設し、輻射と伝導とによる伝熱を抑制することで、簡易な構成で安価且つ小型な断熱構造80を提供することができる。
また本実施形態では、ファン51と冷却パイプ54とを配設することで、水冷パネルと、気体70を排気するダクトとを用いずに冷却することができ、簡易な構成で小型な断熱構造80を提供することができる。
また本実施形態は、水冷パネルを用いず、排気される気体70を用いて冷却するために、断熱構造80を安価にすることができる。
また本実施形態では、断熱構造80によってユニット20によるユニット30への熱の影響を容易に抑えることができる密閉構造型の精密装置1を提供することができる。
また本実施形態では、流路部60にて層流の状態で気体70を流すことにより、ユニット20を冷却することができる。
また本実施形態では、放熱用フィン56と冷却パイプ54とファン51とによって、流路部60において断熱層を形成することができ、発熱体41とユニット20とを断熱することができる。
なおユニット20とシャーシ40とは、輻射率の低い磨き薄板であるがこれに限定する必要は無い。ユニット20とシャーシ40との少なくとも一方が低輻射処理を施されていればよい。
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
1…精密装置、10…ユニット、20…一方のユニット、20a…内部、21…収容口、22…配線口、30…他方のユニット、40…シャーシ、40a…内部、40b…取り付け面、41…発熱体、42…吸気口、43…排気口、44…流路部、45…遮熱部材、50…熱交換器、50a…内部、50b…面、50c…内部、51…ファン、52…排気口、53…流入口、54…冷却パイプ、55…流出口、56…放熱用フィン、57a,57b…貯留部、60,60a,60b…流路部、70,70a,70b…気体、80…断熱構造。

Claims (3)

  1. 内部に複数のユニットを有する装置において、前記ユニットの内部に配設される発熱体から発生する熱によって前記装置の内部の温度を変化させないように、前記ユニットに配設され、断熱性能を有する断熱構造であって、
    断熱構造は、
    前記ユニットの内部に配設され、前記発熱体を有しているシャーシと、
    前記発熱体から発生する熱を前記ユニットの内部にて循環させるファンを有し、前記ユニットの内部に配設され、前記ファンを介して前記シャーシと連結する熱交換器と、
    前記ユニットの内部において前記シャーシの周辺に配設され、前記シャーシと前記熱交換器とに連通し、前記ファンによって流れる気体の流路部と、
    を具備し、
    前記熱交換器は、
    前記ファンと、
    前記流路部と連通し、前記ファンによって前記シャーシから吸引された前記気体を前記流路部に排気する排気口と、
    前記ファンによって前記シャーシから吸引され前記排気口から排気される前記気体を冷却する冷却水を前記熱交換器の外部から前記熱交換器の内部に流入させる流入口と、
    前記流入口と連通し、前記熱交換器の内部の前記冷却水の冷却水流路部である冷却パイプと、
    前記冷却パイプと連通し、前記熱交換器の内部から前記熱交換器の外部に前記冷却水を流出させる流出口と、
    前記冷却パイプと接合し、接合している前記冷却パイプに熱伝導する熱伝導性を有する放熱用フィンと、
    を有していることを特徴とする断熱構造。
  2. ユニットの内部に配設される熱交換器から排気される排気空気を、前記ユニットの外周にて層流の状態で流すことにより断熱し、前記ユニットの外面の温度を所望に制御する断熱構造。
  3. ユニットの内部に配設される熱交換器で発生させた低温流れを前記ユニットの外周に流すことにより、断熱層を形成し、前記ユニットの内部に配設される発熱体と、前記ユニットとを熱絶縁する断熱構造。
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