JP2004140061A - 冷却モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】単一のファンモータからの送風により効率良く熱交換を行ない、高い冷却性能を得る。
【解決手段】ファンモータ2から第1の吹出し部4と第2の吹出し部17に各々設けた放熱部9,19に、空気を送り出す。第1の吹出し部4では、放熱部9により発熱体6が直接的に冷却され、第2の吹出し部17では、発熱体6からヒートパイプ14を経由して伝達された熱が、別の放熱部19により間接的に冷却される。こうして、ファンモータ2から別々の方向に空気を送り出して、発熱体6から第1の吹出し部4のみならず第2の吹出し部17に達した熱をそれぞれ受け取る。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパソコン(パーソナルコンピュータ)内に実装するマイクロプロセッサユニットなどを冷却するのに好適なファンモータを備えた冷却モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3および図4は、例えば特許文献1などにおいて開示されるノートパソコンなどの薄型電子機器に内蔵されるMPU(マイクロプロセッサユニット)冷却モジュールの従来例を示している。図3から順に説明すると、1はヒートシンクをなすフレームで、このフレーム1は送風手段であるファンモータ2を保持する保持部3が、ファンモータ2の外周を囲うようにして形成されると共に、保持部3の一側に連通して吹出し部4が形成される。さらに、フレーム1自体をノートパソコンの筐体(図示せず)内の所望位置に取り付けるための取付部5が、それぞれ孔を有してフレーム1の下側に複数形成される。
【0003】
前記吹出し部4の下側には、例えばノートパソコンのMPUなどの発熱体6が密着して取り付けられる接続部7が形成される。また吹出し部4内には、ファンモータ2からの空気の流れを極力妨げない方向に、複数のフィンからなる放熱部9がフレーム1と一体的に形成される。この放熱部9は、前記発熱体6から熱を受取り、吹出し部4内を流れる空気と熱交換させて、冷却モジュールの外部に排熱させるためのものである。さらに、10はフレーム1の上面を覆う薄板状のカバーで、ここには冷却モジュール内に空気を取り入れるための吸気孔11が開口形成される。そして、フレーム1の上面をカバー10で覆うと、吸気孔11がファンモータ2の上部に対向して位置すると共に、前記吹出し部4とカバー10とにより排気孔12をその一端に有する風洞(ダクト)が形成される。
【0004】
そして、図3の構成における冷却モジュールでは、ファンモータ2を回転させると、冷却モジュールの上部周辺にある空気が吸気孔11から取り込まれ、吹出し部4とカバー10との間の風洞を通過する。一方、発熱体6の熱は熱伝導性の良好なフレーム1に伝導した後、フィン状の放熱部9にて受熱され、この放熱部9を通過するファンモータ2からの空気と熱交換して、排気孔12から冷却モジュールの外部に放熱される。これにより、発熱体6の温度上昇を抑制することができる。
【0005】
次に、図4に示す冷却モジュールについて説明すると、これは図3の冷却モジュールと同様に、ファンモータ2を保持する保持部3や、保持部3の一側に連通する吹出し部4や、フレーム1自体を所望位置に取り付けるための取付部5がフレーム1にそれぞれ形成される。一方、受熱部12上に実装する発熱体6はフレーム1に直接密着してしておらず、代わりに受熱部12と吹出し部4の下側に形成した接続部7との間には、伝熱部材としてのヒートパイプ14が配設される。このヒートパイプ14は、熱伝導性に優れた銅などの管体内部に微小量の作動液を注入し、この作動液を管体内部で還流させるもので、音速で移動する作動液により極めて優れた熱応答性が得られる。さらに、10はフレーム1の上面を覆う薄板状のカバーで、ここには冷却モジュール内に空気を取り入れるための吸気孔11が開口形成される。そして、フレーム1の上面をカバー10で覆うと、吸気孔11がファンモータ2の上部に対向して位置すると共に、前記吹出し部4とカバー10とにより排気孔12をその一端に有する風洞が形成される。
【0006】
そしてこの場合は、ファンモータ2を回転させると、冷却モジュールの上部周辺にある空気が吸気孔11から取り込まれ、吹出し部4とカバー10との間の風洞を通過する。一方、受熱部12は発熱体6の熱を受取り、熱応答性に優れたヒートパイプ14によりこの熱を速やかにフレーム1に伝える。フレーム1に達した熱はさらにフィン状の放熱部9に伝わり、この放熱部9を通過するファンモータ2からの空気と熱交換して、排気孔12から冷却モジュールの外部に放熱される。これにより、発熱体6の温度上昇を抑制することができる。なお、フレーム1と放熱部9は一体になっている場合もある。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−181260号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、図3や図4に示す従来の冷却モジュールでは、発熱体6からの熱を直接若しくはヒートパイプ14を利用して、接続部7の上部に位置する冷却フィン部としての放熱部9に伝え、ファンモータ2からの送風によって放熱部9を強制冷却することで、MPUからなる発熱体6の冷却を行なっている。しかし、放熱部9は吹出し部4に対応して一箇所だけ設けられているため、この放熱部9だけでは自ずと放熱に限界がある。また最近は高発熱のMPUが出回り始めていることから、より高い冷却性能が求められている。
【0009】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、単一のファンモータからの送風により効率良く熱交換を行ない、高い冷却性能を得ることが可能な冷却モジュールを提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の冷却モジュールは、上記目的を達成するために、ファンモータを具備し、このファンモータの送風側に、発熱体の接続部を有する第1の吹出し部を設けると共に、この第1の吹出し部とは別に放熱部を有する複数の吹出し部を設け、前記吹出し部との間に伝熱部材を設けたている。
【0011】
この場合、ファンモータから第1の吹出し部と複数の吹出し部に空気が送り出されると共に、発熱体を接続部に配置した第1の吹出し部では、そこから発熱体が直接的に冷却され、発熱体を配置していない複数の吹出し部では、発熱体から伝熱部材を経由して伝達された熱が、そこにある放熱部により間接的に冷却される。こうして、ファンモータから別々の方向に空気を送り出して、発熱体から第1の吹出し部のみならず複数の吹出し部に達した熱をそれぞれ受け取ることにより、単一のファンモータからの送風により効率良く熱交換を行ない、高い冷却性能を得ることが可能になる。
【0012】
また、本発明の請求項2の冷却モジュールは、前記複数の吹出し部の少なくとも一つには、前記放熱部を設けない構成としたものである。
【0013】
このようにすると、放熱部を設けていない複数の吹出し部の一つでは、空気がその流れを妨げずにそのまま冷却モジュールの外部に直接的に送り出されるため、冷却モジュールを収容する筐体内の雰囲気温度を下げて、冷却効果を高めることができる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下、本発明における冷却モジュールの各実施例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各実施例において従来例と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複するため省略する。各実施例における冷却モジュールは、いずれもノートパソコンなどの薄型電子機器の筐体内に設けられる。
【0015】
図1は本発明の第1実施例を示すもので、ヒートシンクをなす偏平状のフレーム1は、例えばアルミニウム,銅,マグネシウムなどの熱伝導性の良好な材料をダイカスト成形してなり、送風手段であるファンモータ2を回動可能に保持する保持部3と、ファンモータ2の送風側にあって、保持部3の側部から連通して一方向に延びる第1の吹出し部4と、同じくファンモータ2の送風側にあるものの、第1の吹出し部4とは別の保持部3の側部から連通して延びる複数の吹出し部に相当する第2の吹出し部17とをそれぞれ形成して構成される。これらの吹出し部4,17は、本実施例では水平方向に直交して設けられているもの、例えば保持部3の両側より略一直線状に延設してもよい。
【0016】
また、取付孔5は第1の吹出し部4の周辺のフレーム1の下側に、それぞれ取付用の孔を有して複数形成される。そして、第1の吹出し部4と第2の吹出し部17には、いずれもファンモータ2からの空気の流れを極力妨げない方向に、複数のフィンからなる放熱部9,19がそれぞれフレーム1と一体的に形成される。
【0017】
第1の吹出し部4の下側には、例えばノートパソコンのMPUなどの発熱体6が密着して取り付けられる接続部7が形成される。また、第1の吹出し部4と第2の吹出し部17との間には、発熱体6からの熱を第2の吹出し部17に素早く伝えるために、L字状に折曲げ形成した伝熱部材たるヒートパイプ14が配設される。このヒートパイプ14は、前述したように極めて優れた熱応答性を有するが、発熱体6からの熱を効率よく受け取るために、ファンモータ2からの空気の流れと直交して、第1の吹出し部4の全幅を跨ぐように、その一端部14aが発熱体6の近傍に取り付けられると共に、第2の吹出し部17全体に幅広く熱を伝えるために、ファンモータ2からの空気の流れと直交して、第2の吹出し部17の全幅を跨ぐように、その他端部14bが取り付けられている。
【0018】
10はフレーム1の上面を覆う薄板状のカバーで、ここには冷却モジュール内に空気を取り入れるための吸気孔11が開口形成される。そして、フレーム1の上面をカバー10で覆うと、吸気孔11がファンモータ2の上部に対向して位置すると共に、前記吹出し部4とカバー10とにより、第1の吹出し部4と第2の吹出し部17のそれぞれ一端に排気孔12,22を有する風洞(ダクト)が形成される。なお、本実施例のように、排気孔12,22を直交した位置に開口形成すると、矩形状をなす薄型電子機器筐体の隣り合う側面に、排気孔12,22と向かい合う開口を形成できる利点があるが、筐体の形状などに応じて排気孔12,22の位置を適宜変えてもよい。
【0019】
次に、図1における冷却モジュールの構成について、その作用を説明する。ファンモータ2が回転すると、冷却モジュールの上部周辺にある空気が吸気孔11から取り込まれ、ファンモータ2は吹出し部4とカバー10との間に囲まれた風洞に空気を送り出す。これにより、保持部3の側部から延びる第1の吹出し部4から排気孔12を通過して空気が送り出されると共に、同様に保持部3の側部から延びてはいるものの、第1の吹出し部4と別な方向にある第2の吹出し部17からも、排気孔22を通過して空気が送り出される。そして、各排気孔12,22からの空気は、図示してはいないが、薄型電子機器の筐体に形成した開口から機器外部に排出される。
【0020】
また、発熱体6を通電することにより発生する熱は、フレーム1の接続部7から第1の吹出し部4に先ず伝導し、この第1の吹出し部4内にあるフィン状の放熱部9にて受熱される。放熱部9はファンモータ2からの空気が通過するため、ここで空気と熱交換され、排気孔12から冷却モジュールの外部に放熱される。すなわち放熱部9は、発熱体6からの熱を直接的に冷却する直接冷却部として作用する。
【0021】
一方、前記発熱体6から第1の吹出し部4に伝わった熱の一部は、ヒートパイプ14を経由して発熱体6から離れた部位にある第2の吹出し部17に伝導し、この第2の吹出し部17内にある別のフィン状の放熱部19にて受熱される。この放熱部19もファンモータ2からの空気が通過するため、ここで空気と熱交換され、排気孔22から冷却モジュールの外部に放熱される。すなわち放熱部19は、発熱体6かの熱を離れた部位で間接的に冷却する間接冷却部として作用する。
【0022】
こうしてファンモータ2により2方向への送風を行なって、発熱体6を配置した第1の吹出し部4にある放熱部9では発熱体6を直接的に冷却し、発熱体6を配置していない第1の吹出し部4とは異なる方向の第2の吹出し部17では、発熱体6からヒートパイプ14を経由して伝達された熱を間接的に冷却する。すなわちファンモータ2は、第1の吹出し部4と第2の吹出し部17に各々設けた放熱部9,19のどちらにも送風が可能で、この2ヶ所の放熱部9,19により発熱体6の冷却を効率良く行ない、その温度上昇を効果的に抑制することが可能になる。したがって、発熱体6として高発熱のMPUを用いた場合でも、単独のファンモータ2からの送風で好ましい冷却性能を得ることができる。
【0023】
以上のように、本実施例の冷却モジュールは、冷却用のファンモータ2を具備し、このファンモータ2の送風側に、発熱体6の接続部7と、この発熱体6からの熱を直接的に冷却する放熱部9とを有する第1の吹出し部4を設けると共に、この第1の吹出し部4とは別な方向に、発熱体6からの熱を間接的に冷却する放熱部19を有する第2の吹出し部17を設け、第1の吹出し部4と第2の吹出し部17との間に、発熱体6から第2の吹出し部17に熱を伝えるための伝熱部材たるヒートパイプ14を設けている。
【0024】
この場合、ファンモータ2から第1の吹出し部4と第2の吹出し部17に各々設けた放熱部9,19に空気が送り出されると共に、発熱体6を接続部7に配置した第1の吹出し部4では、放熱部9により発熱体6が直接的に冷却され、発熱体6を配置していない第2の吹出し部17では、発熱体6からヒートパイプ14を経由して伝達された熱が、別の放熱部19により間接的に冷却される。こうして、ファンモータ2から別々の方向に空気を送り出して、発熱体6から第1の吹出し部4のみならず第2の吹出し部17に達した熱をそれぞれ受け取ることにより、単一のファンモータ2からの送風により効率良く熱交換を行ない、高い冷却性能を得ることが可能になる。
【0025】
次に、本発明の第2実施例を図2に基づき説明する。ここでは、第2の吹出し部17に放熱部19を設けていない点、およびヒートパイプ14を具備していない点が第1実施例とは異なるが、それ以外の構成は第1実施例と共通している。なお図示しないが、第1実施例において、第1の吹出し部4に放熱部9を設けない構成としてもよい。すなわちここでは、第1の吹出し部4若しくは第2の吹出し部17の少なくとも一方には、それに対応した放熱部9または放熱部19を設けない構成としている。
【0026】
この場合も、ファンモータ2から第1の吹出し部4と第2の吹出し部17に空気が送り出されると共に、発熱体6を接続部7に配置した第1の吹出し部4および放熱部9に空気が触れることにより、発熱体6が直接的に冷却される。
【0027】
また、第2の吹出し部17は放熱部19により妨げられることなく、空気がそのまま冷却モジュールの外部に直接的に送り出されるため、この冷却モジュールを収容する筐体内の雰囲気温度を下げて、冷却効果を高めることができる。
【0028】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、吹出し部は実施例に示す2方向とは限らず、冷却モジュールの特性上で排気が可能な3方向以上に吹出し部を設けてよい。また、発熱体を直接的に冷却する直接冷却部(実施例における放熱部9)は必ずしも設ける必要がなく、逆にヒートパイプを経由して間接的に冷却する間接冷却部(実施例における放熱部19)を2個所以上設けることも可能であるように、実施例以外でも種々の変形が可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明の請求項1の冷却モジュールによれば、ファンモータから別々に空気を送り出して、発熱体から第1の吹出し部と複数の吹出し部にそれぞれ達した熱を受け取ることで、単一のファンモータからの送風により効率良く熱交換を行ない、高い冷却性能を得ることができる。
【0030】
本発明の請求項2の冷却モジュールによれば、放熱部を設けていない複数の吹出し部の一つにおいて、空気の流れを妨げるものがないので、冷却モジュールを収容する筐体内の雰囲気温度を下げて、冷却効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す冷却モジュールの一部を分解した斜視図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す冷却モジュールの一部を分解した斜視図である。
【図3】従来例を示す冷却モジュールの一部を分解した斜視図である。
【図4】別の従来例を示す冷却モジュールの一部を分解した斜視図である。
【符号の説明】
2 ファンモータ
4 第1の吹出し部
6 発熱体
7 接続部
14 ヒートパイプ(伝熱部材)
17 第2の吹出し部(複数の吹出し部)
19 放熱部

Claims (2)

  1. ファンモータを具備し、このファンモータの送風側に、発熱体の接続部を有する第1の吹出し部を設けると共に、この第1の吹出し部とは別に放熱部を有する複数の吹出し部を設け、前記吹出し部との間に伝熱部材を設けたことを特徴とする冷却モジュール。
  2. 前記複数の吹出し部の少なくとも一つには、前記放熱部を設けない構成としたことを特徴とする請求項1記載の冷却モジュール。
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