<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における電子装置100の構成について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における電子装置100を側面から透視した構成を示す側面透視図である。なお、図1には、説明の便宜上、鉛直方向Gを示す。
図1に示されるように、電子装置100は、電子基板200と、筐体300と、熱輸送部400と、を含んで構成される。
以下に、電子基板200、筐体300および熱輸送部400について、図に基づいて具体的に説明する。
筐体300と熱輸送部400は、図1のA−A面に沿って、分離することができる。すなわち、熱輸送部400は、A−A面に沿って、筐体300に対して着脱可能に取り付けられる。なお、図1に示されるように、ここでは、電子基板200の面が、鉛直方向Gに対して略垂直方向に配置されている。
まず、電子基板200の構成について、説明する。電子基板200は、基材210と、発熱部品220と、メモリ230と、ハードディスクデバイス(Hard Disc Device:以下、HDDと称する)240と、発熱部品用ファン部250と、コネクタ部260を含んで構成される。なお、メモリ230と、ハードディスクデバイス(Hard Disc Device:以下、HDDと称する)240と、発熱部品用ファン部250と、コネクタ部260を含まなくても、本発明を構成することができる。
基材210は、例えば、板状に形成されたプリント配線基板である。例えば、基材210の材料には、ガラスエポキシなどの難燃性材料が用いられる。
発熱部品220は、稼働すると熱を発する部品であって、たとえばCPUやMCMなどである。発熱部品220は、たとえば、はんだ(不図示)を介して、基材210に取り付けられている。すなわち、電子基板200は、少なくとも発熱部品220を搭載する。なお、ここでは、発熱部品220は、はんだによって基材210に取り付けられていると説明した。しかしながら、例えばソケット(不図示)を用いて発熱部品220を基材210に取り付けてもよい。
メモリ230a、230bは、複数の電子部品(不図示)が実装された電子基板により構成される。メモリ230a、230bは、たとえば、基材210上に実装されたコネクタ(不図示)に取り付けられる。これにより、メモリ230a、230bが基材210に保持される。
HDD240は、データを記憶するためのディスク(不図示)や半導体(不図示)を内部に搭載する。HDD240は、コネクタなどを介して、基材210に形成された配線(不図示)に電気的に接続される。また、HDD240は、基材210に取り付けられたホルダ(不図示)内に収容される。これにより、HDD240は、基材210上に保持される。なお、図1では、HDD240は1つのみを示しているが、複数個のHDD240が基材210上に取り付けられてもよい。
図1に示されるように、発熱部品用ファン部250は、基材210上に設けられている。発熱部品用ファン部250は、発熱部品220と向き合うように、発熱部品220の近傍に、配置されている。発熱部品用ファン部250は、筐体300内で、各部品220、230a、230b、240(このうち、特に、発熱部品220)を冷却する。また、発熱部品用ファン部250は、後述の電子基板収容室300a、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300bの間における空気の循環を促進する。
図1に示されるように、コネクタ部260は、たとえばUSB(Universal Serial Bus)などであり、外部の配線プラグと接続することができるものである。コネクタ部260は、熱輸送部400によって覆われている。
以上の通り、電子基板200の構成について、説明した。
次に、筐体300の構成について説明する。図1に示されるように、筐体300は、電子基板200を収容する。これにより、塵や埃が電子基板220に付着することを抑制できる。筐体300は、例えばアルミニウムや銅やこれらの合金などの熱伝導性部材により形成され、より好ましくは熱抵抗が少ない材料により形成される。
図1に示されるように、筐体300は、筐体仕切り板310によって、2部屋に分けられている。すなわち、筐体300は、電子基板収容室300aと、空気誘導室300bとを有する。なお、電子基板収容室300aは、本発明の発熱部品収容室に対応する。
図1に示されるように、筐体仕切り板310は、電子基板収容室300aおよび空気誘導室300bの間に設けられ、電子基板収容室300aおよび空気誘導室300bの間を分離する。
図1に示されるように、電子基板収容室300aは、電子基板200を収容する。空気誘導室300bは、電子基板200および後述の受熱部510のいずれも収容しない。ここでは、空気誘導用ファン部350が、空気誘導室300b内に配置されている。ただし、この空気誘導用ファン部350を設けなくてもよい。また、空気誘導室300bは、後述の熱輸送部400内の受熱部収容室400aと電子基板収容室300aとの間の空気の流路を構成する。より具体的には、空気誘導室300bは、受熱部収容室400aから流出する空気を電子基板収容室300a内へ導く。
図1に示されるように、筐体300は、筐体仕切り板310と、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330と、ガイドダクト部340と、空気誘導用ファン部350と、連通孔360a、360bとを備えている。
筐体仕切り板310は、筐体300の内壁に溶接等により取り付けられる。なお、筐体仕切り板310は、例えばアルミニウムや銅やこれらの合金などの熱伝導性部材により形成され、より好ましくは熱抵抗が少ない材料により形成される。
図1に示されるように、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330は、熱輸送部400と接合するA−A面に沿って、形成されている。なお、暖気排出用開口部320は、本発明の第1の開口部に対応する。冷気供給用開口部330は、本発明の第2の開口部に対応する。
暖気排出用開口部320は、電子基板収容室300aと、後述の熱輸送部400内の受熱部510との間に、形成されている。暖気排出用開口部320は、電子基板収容室300aおよび受熱部収容室400aの間を連通する。
このとき、図1に示されるように、発熱部品220は、暖気排出用開口部320と向かい合うように配置されている。これにより、特に発熱部品220の熱を含む空気が、暖気排出用開口部320を通って、受熱部収容室400aに直接、流入する。したがって、発熱部品220の熱を含む空気を、効率よく受熱部収容室400aへ流入させることができる。
また、発熱部品220は、発熱部品用ファン部250と暖気排出用開口部320の間に配置されている。これにより、発熱部品220の発熱が、発熱部品用ファン部250により、直接、冷却される。また、発熱部品用ファン部250による送風が、発熱部品220の熱を含んで、暖気となって、暖気排出用開口部320を通って、受熱部収容室400aに流入する。
冷気供給用開口部330は、空気誘導室300bと、後述の熱輸送部400内の受熱部収容室400aとの間に、形成されている。冷気供給用開口部330は、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300bの間を連通する。
以上のように、暖気排出用開口部320および冷気供給用開口部330は、別々に分けて、筐体300に形成されている。これにより、電子基板収容室300aから受熱部収容室400aに流れ込む暖気と、受熱部収容室400aから空気誘導室300bに流れ込む冷気とが互いに混合することを防ぐことができる。
図1に示されるように、ガイドダクト部340は、発熱部品220の熱を、後述の受熱部収容室400a内の受熱部510へ送出するために、発熱部品220と受熱部510との間を管状に接続して形成されている。図1では、ガイドダクト部340は、筐体仕切り板310の一部を含んで構成されている。ただし、これに限定されず、ガイドダクト部340を、筐体仕切り板310とは全く別に設けてもよい。
図1に示されるように、ガイドダクト部340は、暖気排出用開口部320を介して、受熱部収容室400aに接続する。なお、図1に示されるように、発熱部品220と暖気排出用開口部320の間には、空気抵抗となるような他の電子部品は一切設けられていない。このように、発熱部品220の熱を含む空気は、空気抵抗となりうる障害物に全く影響されることなく、ガイドダクト部340を通って、直通で受熱部収容室410a内の受熱部510に流入する。このため、発熱部品220の熱を含む空気を効率よく受熱部510へ流入させることができる。この結果、受熱部510は、発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができる。
図1に示されるように、空気誘導用ファン部350は、空気誘導室300b内の筐体仕切り板310上に取り付けられている。空気誘導用ファン部350は、図1に示されるように、後述の熱輸送部400の受熱部収容室400a内の空気を、空気誘導室300b内に吸入し、吸入した空気を再び電子基板収容室300a内に流入させる。また、空気誘導用ファン部350は、発熱部品用ファン部250とともに、電子基板収容室300a、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300bの間における空気の循環を促進する。
図1に示されるように、連通孔360a、360bは、筐体仕切り板310に形成されている。この連通孔360a、360bは、電子基板収容室300aおよび空気誘導室300bの間を連通する。したがって、電子基板収容室300a中の空気と、空気誘導室300b中の空気とが、連通孔360a、360bを介して、行き来できる。なお、連通孔360a、360bは、本発明の第3の開口部に相当する。
以上の通り、筐体300の構成について説明した。
次に、熱輸送部400の構成について説明する。
図1に示されるように、熱輸送部400は、冷却部500と、冷却部収容筐体420と、熱輸送仕切り板430とを備えている。熱輸送部400は、筐体300に連結され、発熱部品220の熱を外部(筐体300の外でかつ熱輸送部400の外)に輸送し放熱する。
冷却部500は、冷却部収容筐体420内に収容されている。冷却部収容筐体420は、冷却部500を密閉して収容する。
冷却部収容筐体420は、例えばアルミニウムや銅やこれらの合金などの熱伝導性部材により形成され、より好ましくは熱抵抗が少ない材料により形成される。これにより、筐体300から暖気排出用開口部320を介して流入する発熱部品220の熱を、効率よく冷却することができる。
冷却部収容筐体420は、図1に示されるように、A−A面に沿って、筐体300に着脱可能に取り付けられる。冷却部収容筐体420は、コネクタ部260を被覆するように、筐体300に取り付けられる。
なお、熱輸送仕切り板430は、熱輸送部400の外の塵や埃が受熱部410内に侵入するのを防止する役割を有するので、防塵仕切り板とも呼ばれている。
また、図1に示されるように、熱輸送部400は、受熱部収容室400aと、放熱部収容室400bとを有している。受熱部収容室400aは、熱輸送部400内に設けられ、受熱部510を収容する。放熱部収容室400bは、熱輸送部400内に設けられ、放熱部520を収容する。
熱輸送仕切り板430は、受熱部収容室400aと放熱部収容室400bの間で空気が行き来できないように、受熱部収容室400aと放熱部収容室400bの間に設けられている。熱輸送仕切り板430は、例えばアルミニウムや銅やこれらの合金などの熱伝導性部材により形成され、より好ましくは熱抵抗が少ない材料により形成される。これにより、筐体300から暖気排出用開口部320を介して流入する発熱部品220の熱を、効率よく冷却することができる。
次に、冷却部500の構成を詳細に説明する。図2Aは、熱輸送部400内の冷却部500の構成を示す図であって、冷却部500の上面図である。図2Bは、熱輸送部400内の冷却部500の構成を示す図であって、冷却部500の正面図である。図2Cは、熱輸送部400内の冷却部500の構成を示す図であって、冷却部500の側面図である。図2Bは、受熱部510および放熱部520の配置関係が図1に対応する。図2Aは、図2Bの矢視Jを示す。図2Cは、図2Bの矢視Kを示す。なお、図2Bおよび図2Cには、鉛直方向Gを示す。また、図2Bには、説明の便宜上、熱輸送部仕切り板430も示す。
図1および図2A〜2Cに示されるように、冷却部500は、受熱部510と、放熱部520と、蒸気管530と、液管540とを有する。板状の受熱部510と板状の放熱部520は、互いに略直交するように、配置されている。また、受熱部510および放熱部520は、蒸気管530と液管540によって、連結されている。図1では、便宜上、液管540と蒸気管530とを重ねて表示している。
冷却部500は、受熱部510および放熱部520の間を循環する冷媒(Condensation preparations:以下COOと称する。)を有する。すなわち、受熱部510および放熱部520の内部には、空洞が設けられている。また、冷媒COOは、受熱部510、放熱部520、蒸気管530および液管540により形成される閉鎖空間内に、密閉された状態で閉じ込められる。この冷媒COOは、密閉された状態で、受熱部510および放熱部520の間を、蒸気管530および液管540を介して、循環する。冷媒は、例えば高分子材料などにより構成されており、高温になると気化し、低温になると液化する特性を有している。
図1および図2A〜2Cに示されるように、受熱部510は、熱輸送部400の受熱部収容室400a内に収容されている。このとき、受熱部510は、受熱部収容室400a内に密封されて設けられている。受熱部510は、蒸気管530および液管540によって、放熱部520と連結されている。受熱部510は、発熱部品用ファン部250により送出される発熱部品220の熱を受熱する。そして、受熱部510は、受熱した発熱部品220の熱を、冷媒COOを用いて、蒸気管530を介して、放熱部520に伝達する。すなわち、より具体的に説明すると、主として発熱部品220の熱によって高温化された送風が、ガイドダクト部340および暖気排出用開口部320を介して、受熱部収容室400aに流入する。受熱部510は、受熱部収容室400aに流入する発熱部品220の熱を、送風を介して受熱する。そして、受熱部510は、受熱した発熱部品220の熱を、冷媒COOを用いて、蒸気管530を介して、放熱部520へ伝達する。これにより、発熱部品220の熱が放熱部520へ伝達される。
このとき、前述の通り、発熱部品220の熱を含む空気は、発熱部品用ファン部250の風力によって、管状のガイドダクト部340を介して、受熱部収容室400a内に流入する。したがって、発熱部品220の熱を含む空気は、空気抵抗となりうる障害物に全く影響されることなく、ガイドダクト部340を通って、直通で受熱部収容室410a内の受熱部510に流入する。このため、発熱部品220の熱を含む空気を効率よく受熱部510へ流入させることができる。この結果、受熱部510は、発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができる。
さらに、受熱部510は、図1に示されるように、暖気排出用開口部320に対向するように設けられている。これにより、受熱部510は、暖気排出用開口部320から流入する発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができる。
図1および図2A〜2Cに示されるように、放熱部520は、蒸気管530および液管540によって、受熱部510と連結されている。図1に示されるように、放熱部520の一部は、熱輸送部400の冷却部収容筐体420の外に露出するように、配置されている。放熱部520は、受熱部510により受熱された発熱部品220の熱を受け取り、この熱を放熱する。すなわち、放熱部520は、冷媒COOを介して、受熱部510からは発熱部品220の熱を受け取る。そして、放熱部520は、受け取った発熱部品220の熱を熱輸送部400の外へ放熱する。
ここで、受熱部510は、冷却部収容筐体420の受熱部収容室400a内に密封されている。これに対して、放熱部520の一部は、冷却部収容筐体420の外に露出するように設けられている。したがって、放熱部520の全てが冷却部収容筐体420中に密閉して設けられている場合と比較して、放熱部520により放出される熱が冷却部収容筐体420内に充満することがなく、効率よく発熱部品220の熱を外気に放熱することができる。
図1および図2A〜2Cに示されるように、蒸気管530は、受熱部510および放熱部520を連結する。同様に、液管540は、受熱部510および放熱部520を連結する。蒸気管530および液管540は、受熱部510および放熱部520の間で、冷媒COOを循環させるために用いられる。すなわち、蒸気管530は、受熱部510で気化した冷媒COOを、受熱部510から放熱部520へ輸送する。逆に、液管540は、放熱部520で凝縮液化した冷媒COOを、放熱部520から受熱部510へ輸送する。
ここで、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530と放熱部520の接続部は、液管540と受熱部510の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、液管540と放熱部510の接続部よりも高い位置に配置される。
これにより、冷却部500内の冷媒COOを、受熱部510および放熱部520の間で、円滑に循環させることができる。すなわち、発熱部品220の熱により受熱部510内で気化した冷媒COOは、蒸気管530内を、鉛直方向Gの上方へ円滑に流れる。次に、放熱部520内で凝縮液化された冷媒COOは、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れる。そして、放熱部520内を鉛直方向Gの下方側に流れた冷媒COOは、液管540内を流れ、受熱部510に流入する。以降、上述した処理を繰り返す。
次に、受熱部510および放熱部520の内部構成について、より具体的に説明する。なお、受熱部510および放熱部520の基本的な構成は同一である。
図2A、図2Bおよび図2Cに示されるように、受熱部510および放熱部520は、例えば、平板形状に形成されている。受熱部510は、蒸気管接続用タンク部511と、液管接続用タンク部512と、複数の連結管部513と、複数の受熱部用フィン部514とを含んで構成されている。
蒸気管接続用タンク部511は、蒸気管530を介して、放熱部520と接続している。液管接続用タンク部512は、液管540を介して、放熱部520と接続している。連結管部513は、蒸気管接続用タンク部511と液管接続用タンク部512を連結する。連結管部513は、複数設けられている。複数の受熱部用フィン部514は、複数の連結管部513の間に、設けられている。これら受熱部用フィン部514は、高温になった送風から熱を奪い、連結管部513内の冷媒COOに、受熱した熱を伝える。受熱した冷媒COOは、液相から気相に相変化し、連結管部513内で鉛直方向Gの上方に流れる。
図2A、図2Bおよび図2Cに示されるように、放熱部520は、蒸気管接続用タンク部521と、液管接続用タンク部522と、複数の連結管部523と、複数の放熱部用フィン部524とを含んで構成されている。
蒸気管接続用タンク部521は、蒸気管530を介して、受熱部510と接続している。液管接続用タンク部522は、液管540を介して、受熱部510と接続している。連結管部523は、蒸気管接続用タンク部521と液管接続用タンク部522を連結する。連結管部523は、複数設けられている。複数の受熱部用フィン部524は、複数の連結管部523の間に、設けられている。これら放熱部用フィン部524は、蒸気管接続用タンク部521から流入した気相の冷媒COOの熱を放熱する。放熱された冷媒COOは、気相から液相に相変化し、液管接続用タンク部522に向けて連結管部523を鉛直方向Gの下方に流れる。
なお、上述した受熱部用フィン部514および放熱部用フィン部524は、複数のフィンにより構成されており、複数のフィン間には空気が通ることができるように構成されている。すなわち、受熱部用フィン部514の領域内では、受熱部510の一方の主面から他方の主面に向けて、空気が通り抜けることができる。同様に、放熱部用フィン部524の領域内では、放熱部520の一方の主面から他方の主面に向けて、空気が通り抜けることができる。
また、上述の通り、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530と放熱部520の接続部は、液管540と受熱部510の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、液管540と放熱部510の接続部よりも高い位置に配置される。
すなわち、図2A、図2Bおよび図2Cに示されるように、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および受熱部510の液管接続用タンク部512の接続部よりも高い位置に配置される。また、併せて、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および放熱部520の液管接続用タンク部522の接続部よりも高い位置に配置されている。
次に、冷却部500の前記閉鎖空間内に冷媒COOを充填する方法については、次の通りである。まず、受熱部510および放熱部520の内部空洞と、蒸気管530と、液管540とにより形成される閉鎖空間内に冷媒COOを注入する。次に、真空ポンプ(不図示)などを用いて、前記閉鎖空間内から空気を排除して、この当該閉鎖空間内に冷媒COOを密閉する。これにより、前記空間内の圧力は冷媒の飽和蒸気圧と等しくなり、前記閉鎖空間内に密閉された冷媒COOの沸点が室温近傍となる。以上の通り、冷却部400の前記閉鎖空間内に冷媒COOを充填する方法を説明した。
このように冷媒COOが充填された冷却部500が室温の環境下に置かれたとき、受熱部510が発熱部品220の熱を受熱すると、受熱開始とほぼ同時に冷媒COOが沸騰し、蒸気が発生する。この結果、少なくとも受熱部510、放熱部520、蒸気管530および液管540を含む冷却構造が、冷却モジュールとして機能し、発熱部品220からの熱を受熱し始める。
すなわち、受熱部510は、図1に示されるように、暖気排出用開口部320を介して、電子基板収容室300aから流入する暖気によって発熱部品220の熱を受熱する。受熱部510が発熱部品220の熱を受熱すると、受熱部510内では、冷媒COOが沸騰し、気相状態となる。この間、受熱部用フィン部514は、暖気に含まれる発熱部品220からの熱を受熱する。
次に、受熱部510内の気相状態の冷媒COOは、蒸気管530を通って、放熱部520の蒸気管接続用タンク部521に流入する。放熱部520内では、気相状態の冷媒COOを冷却することにより、冷媒COOに含まれる熱(発熱部品220からの熱)を放熱する。気相状態の冷媒COOは、放熱部520内で凝縮冷却されることによって、液相状態に相変化する。このとき、放熱部520内では、液相状態の冷媒COOが、蒸気管接続用タンク部521側から液管接続用タンク部522側へ下降する。この間、放熱部用フィン部524は、連結管部523内を下降する冷媒COOの熱を放射することによって、冷媒COOに含まれる熱(発熱部品220からの熱)を放熱する。
そして、放熱部520内で冷却された冷媒COOは、液相状態となって、放熱部520の液管接続用タンク部522に蓄留され、液相状態の冷媒COOは再び、液管440を介して受熱部510に流入する。
このように、冷媒COOは、受熱部510を通る暖気(発熱部品220からの熱を含む。)から、熱を受熱部510により受熱し、受熱部510、蒸気管530、放熱部520および液管540を順次、循環する。これにより、受熱部510により受熱された発熱部品220の熱が放熱される。
以上の通り、冷却部500は、受熱部510および放熱部520の間で、冷媒COOを相変化(液相←→気相)させながら循環させることにより、受熱部510により受熱される暖気を冷却する。
なお、前述の通り、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530と放熱部520の接続部は、液管540と受熱部510の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、液管540と放熱部510の接続部よりも高い位置に配置される。したがって、冷却部500内の冷媒COOを、受熱部510および放熱部520の間で、円滑に循環させることができる。すなわち、発熱部品220の熱により受熱部510内で気化した冷媒COOは、蒸気管530内を、鉛直方向Gの上方へ円滑に流れる。次に、放熱部520内で凝縮液化された冷媒COOは、放熱部520の鉛直方向Gの下方に流れる。そして、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れた冷媒COOは、液管540内を流れ、受熱部510に流入する。以降、上述した処理を繰り返す。
以上、冷却部500の構成および動作について説明した。
次に、電子装置100の動作について、図に基づいて説明する。
まず、電子装置100の電源を入れると、発熱部品220が発熱する。また、図1に示されるように、発熱部品220の熱は、発熱部品用ファン部250の送風によって、筐体300内の空気を媒体として、電子基板収容室300aに設けられたガイドダクト部340内を受熱部収容室400aへ向けて移動する(図1の矢印a)。このように、発熱部品220の熱を含む空気は、空気抵抗となりうる障害物に全く影響されることなく、ガイドダクト部340内を通って、直通で受熱部収容室400a内の受熱部510に流入する。このため、発熱部品220の熱を含む空気を効率よく受熱部510へ流入させることができる。この結果、受熱部510は、発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができる。そして、発熱部品220の熱を含む空気(暖気)は、暖気排出用開口部320を通って、電子基板収容室300aから受熱部収容室400aに流入する(図1の矢印b)。
次に、冷却部500の受熱部510は、受熱部収容室400a内で、暖気に含まれる発熱部品220の熱を受熱する。そして、冷却部500の放熱部520は、受熱部510により受熱された熱を熱輸送部400の外で放熱する(図1の矢印P)。このとき、放熱部520の一部は熱輸送部400外に露出するように設けられているので、受熱部収容室400a内に放熱された熱が充満することはない。そのため、当該放熱部520はより効率良く発熱部品220の熱を放熱することができる。
ここでは、冷却部500は、冷媒COOを相変化(液相←→気相)させながら循環させることにより、発熱部品220の熱を放熱する。より具体的には、上述にて図2A、図2Bおよび図2Cを用いて説明した通りである。
次に、受熱部収容室400a内の空気が、冷気排出用開口部330を通って、受熱部収容室400aから空気誘導室300bに流入する(矢印c)。このとき、受熱部収容室400a内に暖気排出用開口部330を通って矢印bの方向に流入する空気は発熱部品220の熱を含んでいるが、この発熱部品220の熱は冷却部500により放熱される。このため、受熱部収容室400a内に暖気排出用開口部330を通って矢印bの方向に流入する空気(暖気)は、冷却部500により冷却される。したがって、矢印cの方向に冷気排出用開口部330を通って空気誘導室300bに流入する空気(冷気)の温度は、矢印bの方向に暖気排出用開口部320を通る空気(暖気)の温度よりも低い。このように、暖気排出用開口部320および冷気供給用開口部330を別々に形成することにより、電子基板収容室300aから受熱部収容室400aに流れ込む暖気と、受熱部収容室400aから空気誘導室300bに流れ込む冷気とが互いに混合することを防ぐことができる。
次に、受熱部収容室400a内から空気誘導室300b内に流入した空気は、空気誘導用ファン部350によって、空気誘導室300b内を矢印dの方向に移動し、連通部360a、360bを通って、再び電子基板収容室300a内に流入する(矢印e、f)。なお、ここでは、2つの連通部360a、360bが筐体仕切り板310に設けられているが、1つの連通部360bが筐体仕切り板310に設けられていてもよい。また、3つ以上の連通部を筐体仕切り板310に設けてもよい。
連通部360aを通過した空気は、メモリ230a、230bを冷却する。連通部360bを通過した空気は、HDD240を冷却し、連通部360aを通過した空気に合流する。そして、連通部360a、360bを通過した空気は、発熱部品用ファン部250の送風によって、再び発熱部品220側に流れる(矢印g)。
このようにして、発熱部品220の熱を含む空気は、発熱部品用ファン部250および空気誘導用ファン部350によって、電子基板収容室300a、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300bを順次、循環する。すなわち、この発熱部品220の熱を含む空気は、電子基板収容室300a、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300bを通って、再び電子基板収容室300aに流入する。これにより、発熱部品220の熱を、密閉された筐体300および熱輸送部400の外に排熱することができる。したがって、電子装置100によれば、効率的な冷却が可能である。
以上、電子装置100の動作について説明した。
次に、電子装置100の配置向きを変更した際の冷却部の構成および動作について、説明する。図3Aおよび図3Bは、電子装置100の配置向きを変更した際の冷却部500の配置関係を示す。図3Bは、電子装置100の配置向きを変更した後の冷却部500の側面概略図である。なお、図3Aおよび図3Bでは、説明の便宜上、熱輸送部400の冷却部収容筐体420も示す。また、図3Aおよび図3Bには、鉛直方向Gを示す。なお、図3では、図1〜図2で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図2に示した符号と同等の符号を付している。
図3Aに示されるように、電子装置100をα方向に90度回転させた場合を想定する。図1および図3Aに示されるように、電子装置100の配置向きを変更する前では、放熱部520の主面が鉛直方向Gと略平行方向に沿って配置されている。一方、図3Bに示されるように、電子装置100の配置向きを変更した後では、受熱部510および放熱部520の双方の主面が鉛直方向Gと略平行方向に沿って配置される。
図4A〜4Cは、電子装置100の配置向きを変更した際の冷却部500の配置関係を示す図である。図4Aは、冷却部500の上面図である。図4Aは、図3Bの矢視Cを示す。図4Bは、冷却部500の正面図である。図4Bは、図3Bの矢視Dを示す。図4Cは、冷却部500の側面図である。なお、図4Bおよび図4Cには、鉛直方向Gを示す。また、図4Aには、説明の便宜上、熱輸送部仕切り板430も示す。なお、図4では、図1〜図3で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図3に示した符号と同等の符号を付している。
ここで、図2A、図2Bおよび図2Cは、電子装置100の配置向きを変更する前の冷却部500の配置関係を示し、図4A、図4Bおよび図4Cは、電子装置100の配置向きを変更した後の冷却部500の配置関係を示す。
図2A〜2Cと、図4A〜4Cとを対比する。図2Bおよび図2Cに示されるように、電子装置100の配置向きを変更する前では、板状の放熱部520の主面は、鉛直方向Gに対して略平行方向に沿って配置されている。板状の受熱部510の主面は、鉛直方向Gに対して略垂直方向に沿って配置されている。
これに対して、図4Bおよび図4Cに示されるように、電子装置100の配置向きを変更した後では、板状の放熱部520の主面および板状の受熱部510の主面の双方が、鉛直方向Gに対して略平行方向に沿って配置されている。
ここで、電子装置100の配置向きを変更した後であっても、電子装置100の配置向きを変更する前と同様に、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530と放熱部520の接続部は、液管540と受熱部510の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、液管540と放熱部510の接続部よりも高い位置に配置される。
すなわち、図4A、図4Bおよび図4Cに示されるように、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および受熱部510の液管接続用タンク部512の接続部よりも高い位置に配置される。また、併せて、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および放熱部520の液管接続用タンク部522の接続部よりも高い位置に配置されている。
したがって、電子装置100の配置向きを変更した後であっても、電子装置100の配置向きを変更する前と同様に、冷却部500内の冷媒COOを、受熱部510および放熱部520の間で、円滑に循環させることができる。すなわち、発熱部品220の熱により受熱部510内で気化した冷媒COOは、蒸気管接続用タンク部511を通って、受熱部520内を、鉛直方向Gの上方へ円滑に流れる。蒸気管接続用タンク部511を上昇する気化冷媒COOは、順次、各連結管部513へも流入する。この間、受熱部用フィン部514は、暖気に含まれる発熱部品220からの熱を受熱する。
次に受熱部510の上方に集まった気化冷媒COOは、蒸気管530内を通って、放熱部520の蒸気管接続用タンク部521に円滑に流入する。次に、放熱部520内で凝縮液化された冷媒COOは、液管接続用タンク部522に沿って、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れる。液管接続用タンク部522を下降する気化冷媒COOは、順次、各連結管部523へも流入する。この間、放熱部用フィン部524は、連結管部523内を下降する冷媒COOの熱を放射することによって、冷媒COOに含まれる熱(発熱部品220からの熱)を放熱する。
そして、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れた冷媒COOは、液管540内を流れ、受熱部510に流入する。以降、上述した処理を繰り返す。
以上、電子装置100の配置向きを変更した際の冷却部の構成および動作について、説明した。
次に、熱輸送部400の第1の変形例400Aの構成を説明する。
図5は、熱輸送部400の第1の変形例400Aの構成を示す図である。この図5に示す熱輸送部400Aの配置関係は、図1に示す熱輸送部400の配置関係に対応する。また、熱輸送部400Aに含まれる冷却部500の構成は、図2A〜2Cを用いて説明した構成と同様である。なお、図5では、図1〜図4で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図4に示した符号と同等の符号を付している。
図5に示されるように、熱輸送部400Aは、冷却部500と、冷却部収容筐体420と、熱輸送仕切り板430と、受熱部保持部440とを備えている。この受熱部保持部440は、本発明の保持部に相当する。
図5に示されるように、受熱部保持部440は、受熱部510の外周部に沿って設けられている。受熱部保持部440は、受熱部510の外周部を保持する。また、受熱部保持部440は、受熱部510の外周部および熱輸送仕切り板430の間と、受熱部510の外周部および熱輸送部400Aの内壁の間に、空気の通過が生じないように設けられている。すなわち、図5に示されるように、受熱部保持部440は、受熱部510の外周部の下面側を覆いつつ、熱輸送仕切り板430に接続されている。また、図5に示されるように、受熱部保持部440は、受熱部510の外周部の下面側を覆いつつ、冷却部収容筐体420の内壁面に接続されている。
このように、受熱部保持部440は、受熱部510の外周部および熱輸送仕切り板430の間と、受熱部510の外周部および熱輸送部400Aの内壁の間に、空気の通過が生じないように設けられている。このため、発熱部品220の熱を含む空気が受熱部510を通らずに放熱部収容室400b内に流入することを抑止できる。
なお、熱輸送部400Aの動作については、上述した熱輸送部400の動作と同様であるので、詳しい説明を省略する。
次に、熱輸送部400の第2の変形例400Bの構成を説明する。
図6は、熱輸送部400の第2の変形例400Bの構成を示す図である。この図6に示す熱輸送部400Bの配置関係は、図1に示す熱輸送部400の配置関係に対応する。また、熱輸送部400Bに含まれる冷却部500の構成は、図2A〜2Cを用いて説明した構成と同様である。なお、図6では、図1〜図5で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図5に示した符号と同等の符号を付している。
ここで、図5と図6を対比する。図6では、放熱用開口部421が冷却部収容筐体420に形成されている点で、図5と相違する。また、図6では、放熱用ファン部450が冷却部収容筐体420に取り付けられている点で、図5と相違する。
図6に示されるように、熱輸送部400Bは、放熱用開口部421と、放熱用ファン部450とをさらに有する。
放熱用開口部421は、冷却部収容筐体420Aの上面に形成されている。熱輸送部400Bの外の空気は、放熱用開口部421を介して、放熱部収容室400b内に、流入することができる。
放熱用ファン部450は、放熱用開口部421にはめ込まれるように、冷却部収容筐体420Aの上面に取り付けられている。
次に、熱輸送部400Bの動作を説明する。
発熱部品220の熱を含む空気(暖気)は、暖気排出用開口部320を通って、電子基板収容室300aから受熱部収容室400aに流入する(図6の矢印b)。
次に、冷却部500の受熱部510は、受熱部収容室400a内で、暖気に含まれる発熱部品220の熱を受熱する。そして、冷却部500の放熱部520は、受熱部510により受熱された熱を熱輸送部400の外で放熱する(図1の矢印P)。
このとき、放熱用ファン部450は、熱輸送部400の外の空気を放熱部収容室400b内に吸入し、これを熱輸送仕切り板430に沿って、放熱部520へ供給する(矢印s)。放熱部520の一部は熱輸送部400外に露出するように設けられている。したがって、熱輸送部400の外の空気が、放熱部520を通って、再び熱輸送部400の外へ流れ出ていく。このため、当該放熱部520はより効率良く発熱部品220の熱を放熱することができる。
このとき、放熱部収容室400b内では、放熱部収容室400bの外の空気が筐体仕切り板430に衝突するように、筐体仕切り板430および放熱用開口部421を配置している。また、受熱部510を通過した発熱部品220の熱を含む空気が筐体仕切り板430に衝突するように、受熱部510、筐体仕切り板430および冷気供給用開口部330を配置している。このような配置関係に設定することにより、受熱部510を通過した発熱部品220の熱を含む空気(暖気)と、放熱部収容室400bの外の空気(冷気)とが、筐体仕切り板430の両面で衝突し合う。すなわち、受熱部510を通過した発熱部品220の熱を含む空気(暖気)と、放熱部収容室400bの外の空気(冷気)とが、筐体仕切り板430に衝突するように、両空気の流れが曲がるように設定している。これにより、筐体仕切り板430の受熱部収容室400a側は、まず、受熱部510を通過した発熱部品220の熱を含む空気(暖気)の熱を吸収する。一方、筐体仕切り板430の放熱部収容室400b側は、筐体仕切り板430の受熱部収容室400a側で吸収された熱を、放熱部収容室400bの外の空気(冷気)を用いて、冷却する。この結果、より高い熱交換効果を奏し、受熱部510を通過した発熱部品220の熱をより効率よく冷却することができる。
ここでは、前述したように、冷却部500は、冷媒COOを相変化(液相←→気相)させながら循環させることにより、発熱部品220の熱を放熱する。より具体的には、上述にて図2A、図2Bおよび図2Cを用いて説明した通りである。
なお、上述では、放熱用ファン部450を設けて、強制的に熱輸送部400の外の空気を吸入し、吸入した空気を熱輸送仕切り板430に沿って、放熱部520へ供給すると説明した。しかしながら、放熱用ファン部450を設けなくてもよい。すなわち、放熱用開口部421を介して自然吸入した空気を、熱輸送仕切り板430に沿って、放熱部520へ供給することもできる(矢印s)。この場合も、前述と同様の効果を奏することができる。なお、放熱部520により多くの空気を供給したい場合には、放熱用ファン部450を設ける方がより好ましい。
次に、熱輸送部400の第3の変形例400Cの構成を説明する。
図7は、熱輸送部400の第3の変形例400Cの構成を示す模式断面図である。図7は、図2の矢視Lを示す図に相当する。
なお、図7に示す熱輸送部400Cの配置関係は、図1に示す熱輸送部400の配置関係と同様である。また、熱輸送部400Cに含まれる冷却部500の構成は、図2A〜2Cを用いて説明した構成と同様である。なお、図7では、図1〜図6で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図6に示した符号と同等の符号を付している。
ここで、図1および図2A〜2Cに示した熱輸送部400と、図7に示す熱輸送部400Cを対比する。熱輸送部400では、熱輸送仕切り板430は、平面状に形成されていた。これに対して、熱輸送仕切り板430Aは、波状に形成されている。この点で、熱輸送部400と熱輸送部400Cは、互いに相違する。
このように、熱輸送仕切り板430Aを波状に形成することにより、受熱部収容室400a内の空気が熱輸送仕切り板430Aに接する面積が、熱輸送仕切り板を平面状に形成された場合と比較して、広くなる。この結果、前述と同様に、熱輸送仕切り板430Aは、熱伝導性部材により形成されるので、受熱部収容室400a内の空気として、発熱部品220の熱を有する空気を効率よく冷却することができる。
同様に、熱輸送仕切り板430Aを波状に形成することにより、放熱部収容室400b内の空気が熱輸送仕切り板430Aに接する面積が、熱輸送仕切り板を平面状に形成された場合と比較して、広くなる。この結果、前述と同様に、熱輸送仕切り板430Aは、熱伝導性部材により形成されるので、放熱部収容室400b内の空気として、受熱部510から供給される発熱部品220の熱を含む空気を効率よく冷却することができる。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における電子装置100は、電子基板200と、筐体300と、熱輸送部400と、受熱部510と、放熱部520と、ガイドダクト部340とを備えている。電子基板200は、発熱部品220を搭載する。筐体300は、電子基板200を収容する。熱輸送部400は、筐体300に連結され、発熱部品220の熱を外部に輸送する。受熱部510は、熱輸送部400内に設けられている。また、受熱部510は、発熱部品220の熱を受熱する。放熱部530は、一部が外部に露出するように熱輸送部400に設けられ、受熱部510に連結する。また、放熱部530は、受熱部510により受熱された熱を外部へ放熱する。ガイドダクト部340は、発熱部品220の熱を受熱部510へ送出するために、発熱部品220と受熱部510の間を管状に接続して形成されている。
このように、熱輸送部400内では、放熱部受熱部510は筐体300内の発熱部品220の熱を受熱し、放熱部520は受熱部510により受熱された発熱部品220の熱を外部へ放熱する。このとき、ガイドダクト部340は、発熱部品220と受熱部510の間を管状に接続して形成されている。したがって、発熱部品220の熱を含む空気は、空気抵抗となりうる障害物に全く影響されることなく、ガイドダクト部340を通って、直通で受熱部収容室410a内の受熱部510に流入する。このため、本発明の第1の実施の形態における電子装置100によれば、発熱部品220の熱を含む空気を効率よく受熱部510へ流入させることができる。この結果、受熱部510は、発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができ、放熱部520は、受熱部510により受熱された発熱部品220の熱を効率よく受熱することができる。なお、特許文献1〜3に記載の技術では、冷媒を冷却部に循環するための専用機器を設ける必要があり、構造が複雑であった。これに対して、本発明の冷却部500は、受熱部510と放熱部520とにより構成されているため、小型で簡単な構成で形成することができる。よって、本発明の第1の実施の形態における電子装置100によれば、小型で簡単な構成で、電子基板200上の発熱部品220を効率よく冷却することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における電子装置100は、受熱部収容室400aと、放熱部収容室400bと、熱輸送仕切り板430とを備えている。受熱部収容室400aは、熱輸送部400内に設けられ、受熱部510を収容する。放熱部収容室300bは、熱輸送部400内に設けられ、放熱部520を収容する。熱輸送仕切り板430は、受熱部収容室400aと放熱部収容室400bの間に、受熱部収容室400aと放熱部収容室400bの間で空気が行き来できないように設けられている。
このように、受熱部510と放熱部520をそれぞれ別々の部屋に収容されている。また、受熱部510を収容する受熱部収容室400aと、放熱部520を収容する放熱部収容室400bは、熱輸送仕切り板430によって、互いに空気が行き来できないように設けられている。したがって、受熱部収容室400a内に充満する発熱部品220の熱が、受熱部510を介さないで、放熱部520へ流入することを抑止できる。この結果、電子基板200上の発熱部品220をより効率よく冷却することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100において、熱輸送仕切り板430は、発熱部品220の熱を含む空気が受熱部510を通過した後に筐体300内へ再び流入するように、配置されている。これにより、熱輸送部400内の受熱部510と、筐体300内の発熱部品220との間で、空気を円滑に循環させることができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100において、熱輸送部400Bは、放熱用開口部421を有している。放熱用開口部421は、熱輸送部400Bの外の空気を放熱部520に供給するために設けられている。また、放熱用開口部450から流入する熱輸送部400B外の空気は、熱輸送仕切り板430に沿って、放熱部520へ流入する。これにより、熱輸送部400B外の空気が効率よく放熱部520に流入する。したがって、放熱部520は、受熱部510により流入された発熱部品220の熱を、熱輸送部400B外の空気を用いて、効率よく冷却することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100において、熱輸送部400Aは、受熱部保持部440を備えている。受熱部保持部440は、受熱部510の外周部に沿って設けられている。受熱部保持部440は、受熱部510の外周部を保持する。受熱部保持部440は、受熱部510の外周部および熱輸送仕切り板430の間と、受熱部510の外周部および熱輸送部400Aの内壁の間とで、空気の通過を抑止するように設けられている。
このように、受熱部保持部440は、受熱部510の外周部および熱輸送仕切り板430の間と、受熱部510の外周部および熱輸送部400Aの内壁の間に、空気の通過が生じないように設けられている。これにより、発熱部品220の熱を含む空気が受熱部510を通らずに放熱部収容室400b内に流入することを抑止できる。この結果、電子基板200上の発熱部品220をより効率よく冷却することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100において、熱輸送仕切り板430Aは、波状に形成されている。
このように、熱輸送仕切り板430Aを波状に形成することにより、受熱部収容室400a内の空気が熱輸送仕切り板430Aに接する面積が、熱輸送仕切り板を平面状に形成された場合と比較して、広くなる。この結果、前述と同様に、熱輸送仕切り板430Aは、熱伝導性部材により形成されるので、受熱部収容室400a内の空気として、発熱部品220の熱を有する空気を効率よく冷却することができる。
同様に、熱輸送仕切り板430Aを波状に形成することにより、放熱部収容室400b内の空気が熱輸送仕切り板430Aに接する面積が、熱輸送仕切り板を平面状に形成された場合と比較して、広くなる。この結果、前述と同様に、熱輸送仕切り板430Aは、熱伝導性部材により形成されるので、放熱部収容室400b内の空気として、受熱部510から供給される発熱部品220の熱を含む空気を効率よく冷却することができる。
したがって、熱輸送仕切り板430Aを波状に形成することにより、電子基板200上の発熱部品220をより効率よく冷却することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100は、コネクタ部260を備えている。コネクタ部260は、電子基板200に接続され、筐体300外に露出されている。コネクタ部260は熱輸送部400によって覆われる。これにより、塵や埃からコネクタ部260を保護することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100において、筐体300は、電子基板収容室300a(発熱部品収容室)と、空気誘導室300bと、筐体仕切り板310と、暖気排出用開口部320(第1の開口部)と、冷気供給用開口部330(第2の開口部)と、連通孔360a、360b(第3の開口部)とを備えている。電子基板収容室300aは、発熱部品220を収容する。空気誘導室300bは、受熱部収容室400aと電子基板収容室300aとの間の空気の流路を構成する。筐体仕切り板310は、電子基板収容室300aおよび空気誘導室300bの間に設けられ、電子基板収容室300aおよび空気誘導室300bを分離する。暖気排出用開口部320は、電子基板収容室300aと受熱部収容室400aの間を連通する。冷気供給用開口部330は、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300bの間を連通する。連通孔360a、360bは、筐体仕切り板310に形成され、電子基板収容室300aおよび空気誘導室300bの間を連通する。そして、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330と、連通孔360a、360bとを介して、電子基板収容室300a、受熱部収容室400bおよび空気誘導室300bの間を循環する空気の流路が構成される。このとき、ガイドダクト部340は、筐体仕切り板310の一部を含んで構成されている。
このように、電子装置100では、筐体300を、筐体仕切り板310を用いて、電子基板収容室300aおよび空気誘導室300bの2つの部屋に分けている。また、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330と、連通孔360a、360bとが筐体300に形成されている。これにより、電子基板収容室300a、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300bの間で、空気を円滑に循環させることができる。また、筐体仕切板310の一部を用いて、ガイドダクト部340を形成しているので、部品点数を削減することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100は、発熱部品用ファン部250を有する。発熱部品用ファン部250は、電子基板収容室300a内に設けられている。発熱部品用ファン部250は、発熱部品220の熱がガイドダクト部340内へ流入することを促進する。このように、発熱部品用ファン部250によって、発熱部品220の熱をガイドダクト部340内に直接、流入させることができる。これにより、発熱部品220の熱を受熱部510により効率よく流入させることができる。このため、受熱部510は、ガイドダクト部340を介して流入する発熱部品220の熱を効率よく受熱することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100において、熱輸送部400は、受熱部510および放熱部520の間で循環する冷媒COOを内蔵する。受熱部510は、発熱部品220の熱を受熱し、受熱した熱を冷媒COOに伝達する。放熱部520は、受熱部510から流入する冷媒COOを凝縮させる。このように、冷媒COOを用いることにより、発熱部品220の熱を効率よく、受熱部510から放熱部520へ伝達することができる。
本発明の第1の実施の形態における電子装置100は、蒸気管530と、液管540とを備えている。蒸気管530は、受熱部510および放熱部520の間を接続する。蒸気管530は、受熱部510で気化した冷媒COOを、受熱部510から放熱部520へ輸送する。液管540は、受熱部510および放熱部520の間を接続する。液管540は、放熱部520で凝縮液化した冷媒COOを、放熱部520から受熱部510へ輸送する。そして、蒸気管530および放熱部520の接続部は、鉛直方向Gにおいて、液管540および受熱部510の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、蒸気管530および放熱部520の接続部は、鉛直方向Gにおいて、液管540および放熱部520の接続部よりも高い位置に配置されている。
これにより、発熱部品220の熱により受熱部510内で気化した冷媒COOは、蒸気管530内を、鉛直方向Gの上方へ円滑に流れる。次に、放熱部520内で凝縮液化された冷媒COOは、放熱部520の鉛直方向Gの下方に流れる。そして、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れた冷媒COOは、液管540内を流れ、受熱部510に流入する。以降、上述した処理を繰り返す。したがって、冷却部500内の冷媒COOを、受熱部510および放熱部520の間で、円滑に循環させることができる。
本発明の第1の実施の形態における冷却装置は、筐体300と、熱輸送部400と、受熱部510と、放熱部520と、ガイドダクト部340とを備えている。筐体300は、発熱部品220を搭載する電子基板200を収容する。熱輸送部400は、筐体300に連結され、発熱部品220の熱を外部に輸送する。受熱部510は、熱輸送部400内に設けられている。また、受熱部510は、発熱部品220の熱を受熱する。放熱部530は、一部が外部に露出するように熱輸送部400に設けられ、受熱部510に連結する。また、放熱部530は、受熱部510により受熱された熱を外部へ放熱する。ガイドダクト部340は、発熱部品220の熱を受熱部510へ送出するために、発熱部品220と受熱部510の間を管状に接続して形成されている。
このように、熱輸送部400内では、放熱部受熱部510は筐体300内の発熱部品220の熱を受熱し、放熱部520は受熱部510により受熱された発熱部品220の熱を外部へ放熱する。このとき、ガイドダクト部340は、発熱部品220と受熱部510の間を管状に接続して形成されている。したがって、発熱部品220の熱を含む空気は、空気抵抗となりうる障害物に全く影響されることなく、ガイドダクト部340を通って、直通で受熱部収容室410a内の受熱部510に流入する。このため、本発明の第1の実施の形態における電子装置100によれば、発熱部品220の熱を含む空気を効率よく受熱部510へ流入させることができる。この結果、受熱部510は、発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができ、放熱部520は、受熱部510により受熱された発熱部品220の熱を効率よく受熱することができる。なお、特許文献1〜3に記載の技術では、冷媒を冷却部に循環するための専用機器を設ける必要があり、構造が複雑であった。これに対して、本実施形態の冷却部500は、受熱部510と放熱部520とにより構成されているため、小型で簡単な構成で形成することができる。よって、本発明の第1の実施の形態における電子装置100によれば、小型で簡単な構成で、電子基板200上の発熱部品220を効率よく冷却することができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における電子装置100Aの構成について、図に基づいて説明する。
図8は、本発明の第2の実施の形態における電子装置100Aを側面から透視した構成を示す側面透視図である。なお、図8には、説明の便宜上、鉛直方向Gを示す。なお、図8では、図1〜図7で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図7に示した符号と同等の符号を付している。
図8に示されるように、電子装置100Aは、電子基板200Aと、筐体300Aと、熱輸送部400と、を含んで構成される。
なお、図8に示す熱輸送部400の配置関係は、図1に示す熱輸送部400の配置関係と同様である。また、熱輸送部400に代えて、熱輸送部400A〜400Cを筐体300Aに取り付けてもよい。
ここで、図1と図8を対比する。図1では、電子基板200は、当該電子基板200の面が鉛直方向Gに対して略垂直方向になるように、筐体300内に配置されていた。これに対して、図8では、電子基板200Aは、電子基板200Aの面が鉛直方向Gに対して略平行方向になるように、筐体300A内に配置されている。
この関係で、図8では、発熱部品220、メモリ230a、230b、HDD240、発熱部品用ファン部250、筐体仕切り板310、ガイドダクト部340および空気誘導用ファン部350の配置が、図1に示した配置と異なっている。
また、後で詳しく説明するように、熱輸送部400Aの冷却部500Aに含まれる受熱部510および放熱部520の配置関係が、熱輸送部400の冷却部500に含まれる受熱部510および放熱部520の配置関係と、異なる。
以下に、電子基板200Aおよび筐体300Aについて、図に基づいて具体的に説明する。なお、熱輸送部400は、図1を用いて説明した通りであるので、詳しい説明を省略する。
筐体300Aと熱輸送部400は、図8のH−H面に沿って、分離することができる。すなわち、熱輸送部400は、H−H面に沿って、筐体300Aに対して着脱可能に取り付けられる。なお、図8に示されるように、ここでは、電子基板200Aの面が、鉛直方向Gに対して略平行方向に配置されている。
まず、電子基板200Aの構成について、説明する。電子基板200Aは、基材210Aと、発熱部品220と、メモリ230と、HDD240と、発熱部品用ファン部250と、コネクタ部260を含んで構成される。これらの部材の具体的な材料や機能は、第1の実施の形態で説明した通りである。
図8に示されるように、発熱部品220、メモリ230、HDD240および発熱部品用ファン部250は、基材210Aの一方の主面上に、設けられている。
このとき、図8に示されるように、発熱部品用ファン部250と発熱部品220は、互いに向き合うように、近傍に配置されている。また、発熱部品用ファン部250は、後述の発熱部品収容室300c、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dの間における空気の循環を促進する。
以上の通り、電子基板200Aの構成について、説明した。
次に、筐体300Aの構成について説明する。図8に示されるように、筐体300Aは、電子基板200Aを密閉して収容する。
図8に示されるように、筐体300Aは、筐体仕切り板310によって、2部屋に分けられている。すなわち、筐体300Aは、発熱部品収容室300cと、空気誘導室300dとを有する。
なお、図1では、電子基板収容室300aは、発熱部品220を含む電子基板200の全てを収容していた。これに対して、図8では、発熱部品収容室300cは、電気基板200Aの全てを収容せず、電子基板200Aのうちで発熱部品220を含む一部の領域のみを収容している。
図8に示されるように、筐体仕切り板310は、発熱部品収容室300cおよび空気誘導室300dの間に設けられ、発熱部品収容室300cおよび空気誘導室300dの間を分離する。
図8に示されるように、発熱部品収容室300cは、電子基板200A上の発熱部品220を収容する。空気誘導室300dは、空気誘導用ファン部350を収容する。ただし、この空気誘導用ファン部350を設けなくてもよい。また、空気誘導室300dは、熱輸送部400内の受熱部収容室400aと発熱部品収容室300cとの間の空気の流路を構成する。より具体的には、空気誘導室300dは、受熱部収容室400aから流出する空気を発熱部品収容室300c内へ導く。
図8に示されるように、筐体300Aは、筐体仕切り板310と、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330と、ガイドダクト部340と、連通孔360a、360bとを備えている。
図8に示されるように、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330は、熱輸送部400と接合するH−H面に沿って、形成されている。
暖気排出用開口部320は、発熱部品収容室300cと、熱輸送部400内の受熱部510との間に、形成されている。暖気排出用開口部320は、発熱部品収容室300cおよび受熱部収容室400aの間を連通する。
このとき、図8に示されるように、発熱部品220は、暖気排出用開口部320と向かい合うように配置されている。これにより、特に発熱部品220の熱を含む空気が、暖気排出用開口部320を通って、受熱部収容室400aに直接、流入する。したがって、発熱部品220の熱を含む空気を、効率よく受熱部収容室400aへ流入させることができる。
また、発熱部品220は、発熱部品用ファン部250と暖気排出用開口部320の間に配置されている。これにより、発熱部品220の発熱が、発熱部品用ファン部250により、直接、冷却される。また、発熱部品用ファン部250による送風が、発熱部品220の熱を含んで、暖気となって、暖気排出用開口部320を通って、受熱部収容室400aに流入する。
冷気供給用開口部330は、空気誘導室300dと、熱輸送部400内の受熱部収容室400aとの間に、形成されている。冷気供給用開口部330は、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dの間を連通する。
以上のように、暖気排出用開口部320および冷気供給用開口部330は、別々に分けて、筐体300Aに形成されている。これにより、発熱部品収容室300cから受熱部収容室400aに流れ込む暖気と、受熱部収容室400aから空気誘導室300dに流れ込む冷気とが互いに混合することを防ぐことができる。
図8に示されるように、ガイドダクト部340は、発熱部品220の熱を、受熱部収容室400a内の受熱部510へ送出するために、発熱部品220と受熱部510との間を管状に接続して形成されている。図8では、ガイドダクト部340は、筐体仕切り板310の一部を含んで構成されている。ただし、これに限定されず、ガイドダクト部340を、筐体仕切り板310とは全く別に設けてもよい。
図8に示されるように、ガイドダクト部340は、暖気排出用開口部320を介して、受熱部収容室400aに接続する。なお、図8に示されるように、発熱部品220と暖気排出用開口部320の間には、空気抵抗となるような他の電子部品は一切設けられていない。このように、発熱部品220の熱を含む空気は、空気抵抗となりうる障害物に全く影響されることなく、ガイドダクト部340を通って、直通で受熱部収容室410a内の受熱部510に流入する。このため、発熱部品220の熱を含む空気を効率よく受熱部510へ流入させることができる。この結果、受熱部510は、発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができる。
図8に示されるように、空気誘導用ファン部350は、空気誘導室300d内の電子基板200A上に取り付けられている。空気誘導用ファン部350は、図8に示されるように、熱輸送部400の受熱部収容室400a内の空気を、空気誘導室300d内に吸入し、吸入した空気を再び発熱部品板収容室300c内に流入させる。また、空気誘導用ファン部350は、発熱部品用ファン部250とともに、発熱部品収容室300c、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dの間における空気の循環を促進する。
図8に示されるように、連通孔360a、360bは、筐体仕切り板310に形成されている。この連通孔360a、360bは、発熱部品収容室300cおよび空気誘導室300dの間を連通する。したがって、発熱部品収容室300c中の空気と、空気誘導室300d中の空気とが、連通孔360a、360bを介して、行き来できる。
以上の通り、筐体300Aの構成について説明した。
次に、熱輸送部400の構成について説明する。
図8に示されるように、熱輸送部400は、冷却部500Aと、冷却部収容筐体420と、熱輸送仕切り板430とを備えている。熱輸送部400は、筐体300に連結され、発熱部品220の熱を外部(筐体300の外でかつ熱輸送部400の外)に輸送し放熱する。図8の熱輸送部400の基本構成は、図1の熱輸送部400と同一である。
しかしながら、図8に示す冷却部500Aに含まれる受熱部510および放熱部520の配置関係は、図1に示す冷却部500に含まれる受熱部510および放熱部520の配置関係と、異なる。
図9Aは、熱輸送部400A内の冷却部500Aの構成を示す図であって、冷却部500Aの上面図である。図9Bは、熱輸送部400A内の冷却部500Aの構成を示す図であって、冷却部500Aの正面図である。図9Cは、熱輸送部400A内の冷却部500Aの構成を示す図であって、冷却部500Aの側面図である。図9Bは、受熱部510および放熱部520の配置関係が図8に対応する。図9Aa)は、図9Bの矢視J1を示す。図9Cは、図9Bの矢視K1を示す。なお、図9Bおよび図9Cには、鉛直方向Gを示す。また、図9Bには、説明の便宜上、熱輸送部仕切り板430も示す。
ここで、図2A〜2Cに示す冷却部500と図9A〜9Cに示す冷却部500Aを対比する。図2Cに示されるように、冷却部500では、放熱部520の連結管部523は、鉛直方向Gと略平行方向に沿って配列されている。また、図2Aおよび図2Cに示されるように、冷却部500では、受熱部510の連結管部513は、放熱部520の連結管部523と略平行方向に配置されている。
一方、図9Cに示されるように、冷却部500Aでは、放熱部520の連結管部523は、鉛直方向Gに対して略垂直方向に沿って配列されている。また、図9Aおよび図9Cに示されるように、冷却部500Aでは、受熱部510の連結管部513は、放熱部520の連結管部523と略垂直方向に配置されている。
図9A、図9Bおよび図9Cに示されるように、受熱部510は、蒸気管接続用タンク部511と、液管接続用タンク部512と、複数の連結管部513と、複数の受熱部用フィン部514とを含んで構成されている。各部の接続関係や機能は、図2A〜2Cを用いて説明した内容と同様である。
図9A、図9Bおよび図9Cに示されるように、放熱部520は、蒸気管接続用タンク部521と、液管接続用タンク部522と、複数の連結管部523と、複数の放熱部用フィン部524とを含んで構成されている。各部の接続関係や機能は、図2A〜2Cを用いて説明した内容と同様である。
また、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530と放熱部520の接続部は、液管540と受熱部510の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、液管540と放熱部510の接続部よりも高い位置に配置される。なお、この配置関係は、図2A〜2Cに示す冷却部500と同じである。
すなわち、図9A、図9Bおよび図9Cに示されるように、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および受熱部510の液管接続用タンク部512の接続部よりも高い位置に配置される。また、併せて、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および放熱部520の液管接続用タンク部522の接続部よりも高い位置に配置されている。
なお、冷却部500Aの動作は、前述の冷却部500と同様に動作する。したがって、冷却部500内の冷媒COOを、受熱部510および放熱部520の間で、円滑に循環させることができる。すなわち、発熱部品220の熱により受熱部510内で気化した冷媒COOは、蒸気管530内を、鉛直方向Gの上方へ円滑に流れる。次に、放熱部520内で凝縮液化された冷媒COOは、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れる。そして、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れた冷媒COOは、液管540内を流れ、受熱部510に流入する。以降、上述した処理を繰り返す。
以上、冷却部500Aの構成および動作について説明した。
次に、電子装置100Aの動作について、図に基づいて説明する。
まず、電子装置100Aの電源を入れると、発熱部品220が発熱する。また、図8に示されるように、発熱部品220の熱は、発熱部品用ファン部250の送風によって、筐体300A内の空気を媒体として、発熱部品収容室300cに設けられたガイドダクト部340内を受熱部収容室400aへ向けて移動する(図8の矢印a1)。このように、発熱部品220の熱を含む空気は、空気抵抗となりうる障害物に全く影響されることなく、ガイドダクト部340内を通って、直通で受熱部収容室400a内の受熱部510に流入する。このため、発熱部品220の熱を含む空気を効率よく受熱部510へ流入させることができる。この結果、受熱部510は、発熱部品220の熱を、効率よく受熱することができる。
そして、発熱部品220の熱を含む空気(暖気)は、暖気排出用開口部320を通って、発熱部品収容室300cから受熱部収容室400aに流入する(図8の矢印b1)。
次に、冷却部500Aの受熱部510は、受熱部収容室400a内で、暖気に含まれる発熱部品220の熱を受熱する。そして、冷却部500Aの放熱部520は、受熱部510により受熱された熱を熱輸送部400の外で放熱する(図8の矢印P)。このとき、放熱部520の一部は熱輸送部400外に露出するように設けられているので、受熱部収容室400a内に放熱された熱が充満することはない。そのため、当該放熱部520はより効率良く発熱部品220の熱を放熱することができる。
ここでは、冷却部500Aは、冷媒COOを相変化(液相←→気相)させながら循環させることにより、発熱部品220の熱を放熱する。より具体的には、上述にて図2A、図2Bおよび図2Cを用いて説明した内容と同様である。
次に、受熱部収容室400a内の空気が、冷気排出用開口部330を通って、受熱部収容室400aから空気誘導室300dに流入する(矢印c1)。このとき、受熱部収容室400a内に暖気排出用開口部330を通って矢印b1の方向に流入する空気は発熱部品220の熱を含んでいるが、この発熱部品220の熱は冷却部500Aにより放熱される。このため、受熱部収容室400a内に暖気排出用開口部330を通って矢印b1の方向に流入する空気(暖気)は、冷却部500Aにより冷却される。したがって、矢印c1の方向に冷気排出用開口部330を通って空気誘導室300dに流入する空気(冷気)の温度は、矢印b1の方向に暖気排出用開口部320を通る空気(暖気)の温度よりも低い。このように、暖気排出用開口部320および冷気供給用開口部330を別々に形成することにより、発熱部品収容室300cから受熱部収容室400aに流れ込む暖気と、受熱部収容室400aから空気誘導室300dに流れ込む冷気とが互いに混合することを防ぐことができる。
次に、受熱部収容室400a内から空気誘導室300d内に流入した空気は、空気誘導用ファン部350によって、空気誘導室300d内を矢印d1の方向に移動し、連通部360a、360bを通って、再び発熱部品収容室300c内に流入する(矢印e1、f1)。なお、ここでは、2つの連通部360a、360bが筐体仕切り板310に設けられているが、1つの連通部360bが筐体仕切り板310に設けられていてもよい。また、3つ以上の連通部を筐体仕切り板310に設けてもよい。
連通部360aを通過する空気は、メモリ230a、230bを冷却する。連通部360bを通過する空気は、HDD240を冷却し、連通部360aを通過した空気に合流する。そして、連通部360a、360bを通過した空気は、発熱部品用ファン部250の送風によって、再び発熱部品220側に流れる(矢印g1)。
このようにして、発熱部品220の熱を含む空気は、発熱部品用ファン部250および空気誘導用ファン部350によって、発熱部品収容室300c、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dを順次、循環する。すなわち、この発熱部品220の熱を含む空気は、発熱部品収容室300c、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dを通って、再び発熱部品収容室300cに流入する。これにより、発熱部品220の熱を、密閉された筐体300Aおよび熱輸送部400の外に廃熱することができる。したがって、電子装置100Aによれば、効率的な冷却が可能である。
以上、電子装置100Aの動作について説明した。
次に、電子装置100Aの配置向きを変更した際の冷却部の構成および動作について、説明する。図10A〜10Bは、電子装置100Aの配置向きを変更した際の冷却部500Aの配置関係を示す。図10Aは、図8の矢視B1を示す図であって、電子装置100Aの配置向きを変更する前の冷却部500Aの側面概略図である。図10Bは、電子装置100Aの配置向きを変更した後の冷却部500Aの側面概略図である。なお、図10Aおよび図10Bでは、説明の便宜上、熱輸送部400Aの冷却部収容筐体420も示す。また、図10Aおよび図10Bには、鉛直方向Gを示す。なお、図10では、図1〜図9で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図9に示した符号と同等の符号を付している。
図10Aに示されるように、電子装置100Aをα1方向に90度回転させた場合を想定する。図8および図10Aに示されるように、電子装置100Aの配置向きを変更する前では、放熱部520の主面が鉛直方向Gと略平行方向に沿って配置されている。一方、図10Bに示されるように、電子装置100Aの配置向きを変更した後では、受熱部510および放熱部520の双方の主面が鉛直方向Gと略平行方向に沿って配置される。
図11A〜11Cは、電子装置100Aの配置向きを変更した際の冷却部500Aの配置関係を示す図である。図11Aは、冷却部500Aの上面図である。図11Aは、図10Bの矢視C1を示す。図11Cは、冷却部500Aの正面図である。図11Bは、図10Bの矢視D1を示す。図11Cは、冷却部500Aの側面図である。なお、図11Bおよび図11Cには、鉛直方向Gを示す。また、図11Aには、説明の便宜上、熱輸送部仕切り板430も示す。なお、図11では、図1〜図10で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜図10に示した符号と同等の符号を付している。
ここで、図9A、図9Bおよび図9Cは、電子装置100Aの配置向きを変更する前の冷却部500Aの配置関係を示し、図11A、図11Bおよび図11Cは、電子装置100Aの配置向きを変更した後の冷却部500Aの配置関係を示す。
図9A〜9Cと、図11A〜11Cとを対比する。図9(b)および図9(c)に示されるように、電子装置100Aの配置向きを変更する前では、板状の放熱部520の主面は、鉛直方向Gに対して略平行方向に沿って配置されている。板状の受熱部510の主面は、鉛直方向Gに対して略垂直方向に沿って配置されている。
これに対して、図11Bおよび図11Cに示されるように、電子装置100Aの配置向きを変更した後では、板状の放熱部520の主面および板状の受熱部510の主面の双方が、鉛直方向Gに対して略平行方向に沿って配置されている。
ここで、電子装置100Aの配置向きを変更した後であっても、電子装置100Aの配置向きを変更する前と同様に、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530と放熱部520の接続部は、液管540と受熱部510の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、液管540と放熱部510の接続部よりも高い位置に配置される。
すなわち、図11A、図11Bおよび図11Cに示されるように、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および受熱部510の液管接続用タンク部512の接続部よりも高い位置に配置される。また、併せて、鉛直方向Gにおいて、蒸気管530および放熱部520の蒸気管接続用タンク部521の接続部は、液管540および放熱部520の液管接続用タンク部522の接続部よりも高い位置に配置されている。
したがって、電子装置100Aの配置向きを変更した後であっても、電子装置100Aの配置向きを変更する前と同様に、冷却部500A内の冷媒COOを、受熱部510および放熱部520の間で、円滑に循環させることができる。すなわち、発熱部品220の熱により受熱部510内で気化した冷媒COOは、蒸気管接続用タンク部511を通って、鉛直方向Gの上方へ円滑に流れる。蒸気管接続用タンク部511を鉛直方向Gの上方へ流れる気化冷媒COOは、連結管部513にも順次流れる。この間、受熱部用フィン部514は、暖気に含まれる発熱部品220からの熱を受熱する。
次に受熱部510の鉛直方向Gの上方に集まった気化冷媒COOは、蒸気管530内を通って、放熱部520の蒸気管接続用タンク部521に円滑に流入する。次に、放熱部520内で凝縮液化された冷媒COOは、連結管部523を通って、蒸気管接続用タンク部521から液管接続用タンク部522へ鉛直方向Gの下方側に流れる。この間、放熱部用フィン部524は、連結管部523内を下降する冷媒COOの熱を放射することによって、冷媒COOに含まれる熱(発熱部品220からの熱)を放熱する。
そして、放熱部520の鉛直方向Gの下方側に流れた冷媒COOは、液管540内を流れ、受熱部510に流入する。以降、上述した処理を繰り返す。
以上、電子装置100Aの配置向きを変更した際の冷却部500Aの構成および動作について、説明した。
本発明の第2の実施の形態における電子装置100Aも、第1の実施の形態における電子装置100と同様の効果を奏する。
本発明の第2の実施の形態における電子装置100Aにおいて、筐体300Aは、発熱部品収容室300cと、空気誘導室300dと、筐体仕切り板310と、暖気排出用開口部320(第1の開口部)と、冷気供給用開口部330(第2の開口部)と、連通孔360a、360b(第3の開口部)とを備えている。発熱部品収容室300cは、発熱部品220を収容する。空気誘導室300dは、受熱部収容室400aと発熱部品収容室300cとの間の空気の流路を構成する。筐体仕切り板310は、発熱部品収容室300cおよび空気誘導室300dの間に設けられ、発熱部品収容室300cおよび空気誘導室300dを分離する。暖気排出用開口部320は、発熱部品収容室300cと受熱部収容室400aの間を連通する。冷気供給用開口部330は、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dの間を連通する。連通孔360a、360bは、筐体仕切り板310に形成され、発熱部品収容室300cおよび空気誘導室300dの間を連通する。そして、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330と、連通孔360a、360bとを介して、発熱部品板収容室300c、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dの間を循環する空気の流路が構成される。このとき、ガイドダクト部340は、筐体仕切り板310の一部を含んで構成されている。
このように、電子装置100Aでは、筐体300Aを、筐体仕切り板310を用いて、発熱部品収容室300cおよび空気誘導室300dの2つの部屋に分けている。また、暖気排出用開口部320と、冷気供給用開口部330と、連通孔360a、360bとが筐体300Aに形成されている。これにより、発熱部品収容室300c、受熱部収容室400aおよび空気誘導室300dの間で、空気を円滑に循環させることができる。また、筐体仕切板310の一部を用いて、ガイドダクト部340を形成しているので、部品点数を削減することができる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述各実施の形態に対して、さまざまな変更、増減、組合せを加えてもよい。これらの変更、増減、組合せが加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
また、前記の第1および第2の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限られない。
[付記1]
発熱部品を搭載する電子基板と、
前記電子基板を収容する筐体と、
前記筐体に連結され、前記発熱部品の熱を外部に輸送する熱輸送部と、
前記熱輸送部内に設けられ、前記発熱部品の熱を受熱する受熱部と、
一部が外部に露出するように前記熱輸送部に設けられ、前記受熱部に連結し、前記受熱部により受熱された熱を外部へ放熱する放熱部と、
前記発熱部品の熱を前記受熱部へ送出するために、前記発熱部品と前記受熱部の間を管状に接続して形成されたガイドダクト部とを備えた電子装置。
[付記2]
前記熱輸送部内に設けられ、前記受熱部を収容する受熱部収容室と、
前記熱輸送部内に設けられ、前記放熱部を収容する放熱部収容室と、
前記受熱部収容室と前記放熱部収容室の間に、前記受熱部収容室と前記放熱部収容室の間で空気が行き来できないように設けられた熱輸送仕切り板とを備えた付記1に記載の電子装置。
[付記3]
前記熱輸送仕切り板は、前記発熱部品の熱を含む空気が前記受熱部を通過した後に前記筐体内へ再び流入するように、配置された付記2に記載の電子装置。
[付記4]
前記放熱部収容室は、前記熱輸送部外の空気を前記放熱部に供給するための放熱用開口部を有し、
前記放熱用開口部から流入する熱輸送部外の空気は、前記熱輸送仕切り板に沿って、前記放熱部へ流入する付記2または3に記載の電子装置。
[付記5]
前記熱輸送部は、前記受熱部の外周部に沿って設けられ、前記受熱部の外周部を保持する保持部を備え、
前記保持部は、前記受熱部の外周部および前記熱輸送仕切り板の間と、前記受熱部の外周部および前記熱輸送部の内壁の間とで、空気の通過を抑止するように設けられている付記2〜4のいずれか1項に記載の電子装置。
[付記6]
前記熱輸送仕切り板は、波状に形成された付記2〜5のいずれか1項に記載の電子装置。
[付記7]
前記電子基板に接続され、前記筐体外に露出されたコネクタ部を備え、
前記コネクタ部は前記熱輸送部によって覆われる付記1〜6のいずれか1項に記載の電子装置。
[付記8]
前記筐体は、
前記発熱部品を収容する発熱部品収容室と、
前記受熱部収容室と前記発熱部品収容室との間の空気の流路を構成する空気誘導室と、
前記発熱部品収容室および前記空気誘導室の間に設けられ、前記発熱部品収容室および前記空気誘導室を分離する筐体仕切り板と、
前記発熱部品収容室と前記受熱部収容室の間を連通する第1の開口部と、
前記受熱部収容室および前記空気誘導室の間を連通する第2の開口部と、
前記筐体仕切り板に形成され、前記発熱部品収容室および前記空気誘導室の間を連通する第3の開口部とを備え、
前記第1の開口部と、前記第2の開口部と、前記第3の開口部とを介して、前記発熱部品収容室、前記受熱部収容室および前記空気誘導室の間を循環する空気の流路が構成され、
前記ガイドダクト部は、前記筐体仕切り板の一部を含んで構成された付記1〜7に記載の電子装置。
[付記9]
前記電子基板収容室内に設けられたファン部を有し、
前記ファン部は、前記発熱部品の熱が前記ガイドダクト部内へ流入することを促進する付記1〜8のいずれか1項に記載の電子装置。
[付記10]
前記熱輸送部は、前記受熱部および前記放熱部の間で循環する冷媒を内蔵し、
前記受熱部は、前記発熱部品の熱を受熱し、受熱した熱を前記冷媒に伝達し、
前記放熱部は、前記受熱部から流入する前記冷媒を凝縮させる付記1〜9のいずれか1項に記載の電子装置。
[付記11]
前記受熱部および前記放熱部の間を接続し、前記受熱部で気化した冷媒を、受熱部から放熱部へ輸送する蒸気管と、
前記受熱部および前記放熱部の間を接続し、前記放熱部で凝縮液化した冷媒を、放熱部から受熱部へ輸送する液管とを備え、
前記蒸気管および前記放熱部の接続部は、鉛直方向において、前記液管および前記受熱部の接続部よりも高い位置に配置されるとともに、
前記蒸気管および前記放熱部の接続部は、鉛直方向において、前記液管および前記放熱部の接続部よりも高い位置に配置されている付記10に記載の電子装置。
[付記12]
発熱部品を搭載する電子基板を収容する筐体と、
前記筐体に連結され、前記発熱部品の熱を外部に輸送する熱輸送部と、
前記熱輸送部内に設けられ、前記発熱部品の熱を受熱する受熱部と、
一部が外部に露出するように前記熱輸送部に設けられ、前記受熱部に連結し、前記受熱部により受熱された熱を外部へ放熱する放熱部と、
前記発熱部品の熱を前記受熱部へ送出するために、前記発熱部品と前記受熱部の間を管状に接続して形成されたガイドダクト部とを備えた冷却装置。
この出願は、2013年2月26日に出願された日本出願特願2013−035781を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。