JP2006227052A - 低電圧駆動型ランプ冷却構造体を有するプロジェクタ装置 - Google Patents
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Abstract
機器のコストアップを回避しつつ小型化を行い、合わせて筐体に熱伝導性の高い材料を使用しても差し支えないような、断熱材を用いず、筐体内壁から熱源までの距離が短くても十分な熱遮蔽効果を奏するプロジェクタ装置を提供すること、また、冷却ファンの駆動に伴う騒音を防止するため、冷却ファンを低電圧で駆動しても十分な熱遮蔽効果を奏するプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、プロジェクタ用ランプと、プロジェクタ装置筐体とプロジェクタ用ランプとの間に配置され両者間の熱遮蔽を行う熱遮蔽部とを有し、前記熱遮蔽部は、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路を有し、前記流路を流通する空気により形成される空気層により前記両者間の熱遮蔽を行うことを特徴とするプロジェクタ装置を提供するものである。
【選択図】図7
Description
また、プロジェクタ用ランプは一定時間経つと輝度が落ち交換の必要がある(例えばメタルハライドランプの場合、1000時間程度で輝度が半分程度に落ちる)ため、プロジェクタ用ランプはランプの交換を安全かつ簡易に行うためのボックス状の筐体であるランプハウスに収納される場合が多い。このタイプのプロジェクタ装置は、プロジェクタ用ランプが発する高温の熱をできるだけランプハウスの内側にとどめ装置筐体内の他の部分に熱が伝導しないようにできるというメリットがある半面、ランプハウスの外側表面及び内側の温度が装置筐体内の他の部分に比べて一層高温になるため、ファンを複数個設けたり、ファンの回転数を高くしたりするなどにより冷却能力の向上を図る必要がある。しかも、近年では、プロジェクタ装置の小型化と高輝度化が一層進み、より小さなスペースでより高い冷却能力を発揮することがますます要求されるようになっている。さらに、冷却能力向上のためにファンを複数個設けたりファンの回転数を高くしたりすれば騒音が増大するので、装置筐体に吸音材を取り付けるなどの防音措置を講じる必要も生じるようになっている。しかし、装置の小型化の要求が強まる中にあって、騒音を防止するための吸音材の取付け場所を新たに確保することが困難であるといった問題も生じている。
このような小型化、高輝度化、低騒音化の要求に対応するため、従来のプロジェクタにおいては光源となるランプの熱を筐体に伝えないようにランプハウスに断熱部材を用いたり、ランプハウスと筐体との間に断熱材を取り付けたりするなどの熱遮蔽対策を講じたうえで、吸気ブローファン等を用いランプハウス内部に外気を取り込み冷却を行っていた。例えば、特開平10‐209040号公報には、ランプハウスの壁に断熱部材を用いることにより、ランプハウス内の熱が筐体内に伝導することを防止する技術が開示されている(特許文献1参照)。
そこで、本発明が解決すべき課題は、第一に、機器のコストアップを回避しつつ小型化を行い、合わせて筐体に熱伝導性の高い材料を使用しても差し支えないような、断熱材を用いず、筐体内壁から熱源までの距離が短くても十分な熱遮蔽効果を奏するプロジェクタ装置を提供することである。また、第二に、冷却ファンの駆動に伴う騒音を防止するため、冷却ファンを低電圧で駆動しても十分な熱遮蔽効果を奏するプロジェクタ装置を提供することである。
また、請求項2に係る発明は、前記熱遮蔽部は、前記プロジェクタ用ランプのランプハウスである請求項1に記載のプロジェクタ装置を提供する。
また、請求項3に係る発明は、 前記ランプハウスは、内部を流通した空気を前記プロジェクタ用ランプに向かって吹き出すための吹出し手段を有している請求項2に記載のプロジェクタ装置を提供する。
また、請求項4に係る発明は、前記ランプハウスは、筐体外からの空気の流入口手段を有し、前記流入口手段形状は、なだらかな絞込み形状である請求項2又は3に記載のプロジェクタ装置を提供する。
また、請求項5に係る発明は、前記ランプハウスは、空気の流速方向を変化させる部分はR形状となっている請求項2から4のいずれか一に記載のプロジェクタ装置を提供する。
また、請求項6に係る発明は、前記吹出し手段によって吹き出された空気を、プロジェクタ用ランプの光進行方向と逆方向に排出する排気ファンを有する請求項3に記載のプロジェクタ装置を提供する。
また、請求項7に係る発明は、プロジェクタ装置筐体外から層流としてランプハウス内を流通させる空気を取り込むためのシロッコファンを有する請求項2から6のいずれか一に記載のプロジェクタ装置を提供する。
また、請求項8に係る発明は、プロジェクタ用ランプの熱を空気の層流でプロジェクタ装置筐体とを熱遮蔽する熱遮蔽方法を提供する。
実施例1:主に請求項1、請求項8などに関する。
実施例2:主に請求項2などに関する。
実施例3:主に請求項3などに関する。
実施例4:主に請求項4などに関する。
実施例5:主に請求項5などに関する。
実施例6:主に請求項6などに関する。
実施例7:主に請求項7などに関する。
なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
本実施例のプロジェクタ装置は、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気が流路を流通することにより形成される空気層により、プロジェクタ装置筐体とプロジェクタ用ランプとの間の熱遮蔽を行うものである。
図9は、本実施例のプロジェクタ装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において、本実施例のプロジェクタ装置0900は、プロジェクタ用ランプ0906と、プロジェクタ装置筐体0901と、熱遮蔽部0903とを有する。また、熱遮蔽部は、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路0910を有する。
「プロジェクタ装置」は、およそ画像を投影するための光源であって発熱するランプを有するものであれば、その種類を問わない。例えば、光変調装置として液晶を使用したもののほか、DMD(米テキサスインスツルメンツ社が開発したデジタル・マイクロミラー・デバイス)等を使用したものであってもよい。また光変調装置は透過型のものであってもよいし、反射型のものであってもよい。
「プロジェクタ用ランプ」は、画像を投影するための光源であって発熱するランプであれば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプその他その種類を問わない。
「プロジェクタ装置筐体」(以下、本実施例において「装置筐体」という。)とは、プロジェクタ用ランプと、光学装置・電子部品等の高熱となることを回避すべき機器等とを収納するスペースを有する箱状の構造体をいい、その材料、形状はこれを問わない。
「熱遮蔽部」は、プロジェクタ用ランプと装置筐体の両者間に配置される構造体である。この熱遮蔽部は、装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路を有し、前記流路を流通する空気により形成される空気層により、装置筐体と、プロジェクタ用ランプとの間の熱遮蔽を行うように構成されている。材質は各種のものを採用し得るが、形状を比較的自由に設計できる点から考えて耐熱性のプラスチック素材が好ましい。装置筐体外からの空気は、筐体の下面から取入れ、筐体の底面以外の面から排出するように構成することができる。また熱遮蔽部全体が温まりにくくなるように、前記流路近傍に水やその他の冷媒などの液体を蓄えるタンクや、水分を吸収しやすい素材からなる繊維部分を有していてもよい。水は、固体よりも比熱が大きいので温まりにくく熱遮蔽をするのに都合がよい。なお本件発明において、熱遮蔽部が、装置筐体と一体化していることを妨げるものでない。
装置筐体外から空気を取り入れる手段としては、例えば、装置筐体の底面や側面に近いところに吸気用ファンを取り付け、そのファンを回すことにより装置筐体外の空気を強制的に取り入れるものが考えられる。
「流路」は、装置筐体外から取り入れた空気を流通させるためのものであって、上述の熱遮蔽部の機能を発揮するため、プロジェクタ用ランプと装置筐体の間に配置される。もっとも、当該流路は、装置筐体のプロジェクタ用ランプ側に装置筐体の一部を構成するものとして配置されたものであることを妨げない。また、当該プロジェクタ装置がランプハウスを有する場合には、当該流路はランプハウスの一部を構成するものとして配置されていてもよい。さらに、流路は必ずしも一本に限られず、複数の流路が備えられていてもよい。
そして、このように流路を設けることにより、流路を流通する空気が空気層を形成し、プロジェクタ用ランプから発せられる熱が装置筐体及びその内部に収納されている他の機器等に伝わらないよう遮蔽することが可能となる。
このようにして形成される空気層は、上述のようにプロジェクタ用ランプ・装置筐体間の熱遮蔽を行うことを目的とする以上、低温に保たれていることが必要となる。しかし、装置筐体外から取り入れられた空気が流路に滞留していると、プロジェクタ用ランプからの放射熱で温められてしまい、熱遮蔽効果が減殺されてしまうことになる。そこで、装置筐体外から取り入れられた空気は、よどみなく流路を流通し、装置筐体外へ排出されるのと並行して、新たな空気が筐体内に取り入れられ、流通していくという空気の流れが絶えず保たれていることが必要である。
そこで、プロジェクタ装置は、かかる空気の流れを絶えず確保するための手段として、装置筐体外の空気を装置筐体内に強制的に取り込むための手段(例えば吸気ファン)及び装置筐体内の空気を装置筐体外に強制的に排出するための手段(例えば排気ファン)を備えていることが望ましい。これにより、装置筐体外の空気が装置筐体内に取り入れられ、流路を流通した後、装置筐体外へ排出されるという空気の流れが絶えず確保され、流路には常に低温の空気からなる空気層が形成され、かかる低温の空気層により熱遮蔽が行われるという構成の実現性が担保される。
図1は、本実施例のプロジェクタ装置の概念の一例を示す図であり、プロジェクタ装置内部の透視図である。
図2は、本実施例のプロジェクタ装置の概念をよりわかりやすく説明するため、図1に示すプロジェクタ装置の内部構造のうち、本発明に直接関連する光学ユニット、冷却用のファン等だけを残したものの一例を示す図である。同図に示すように、本例のプロジェクタ装置においては、底面筐体0201上に光学ユニット0202、ランプハウス0203、吸気ブローファン0204及び排気軸流ファン0205が配置されている。
図3は、図2と同様に本実施例のプロジェクタ装置の内部構造の概念の一例を示す図であって、プロジェクタ装置の内部構造のうち光学ユニット及び冷却ファンのみを取り出して記載した図であるが、図2とは反対の側から見たものである。同図において、ランプハウス0303の中にプロジェクタ用ランプが収納されていることが、プロジェクタ用ランプの一部0306が見えていることで示されている。
図4は、図3に示すプロジェクタ装置の内部構造のうち、ランプハウス0403を取り外し、プロジェクタ用ランプ0406が見えている状態を示す図である。また、同図は、吸気ブローファン0404も取り外された状態も示しており、底面筐体0401の吸気ブローファンの下面にあたる部分に吸気孔0407が開けられていることがわかる。
図5は、ランプハウスの垂直断面の一例を示す図である。この場合の垂直断面は、図2で言えばランプハウスのほぼ中央部分において底面筐体0201の短いほうの辺(図2の右上と左下の辺)と平行の方向に切断した状態を示すものである。図5において、ランプハウス0503には外気取入れ口0508と吹出し口0509が設けられており、ランプハウス内部は空洞になっており、そこを空気が流通可能な構造になっている(以下、便宜上かかる空洞が設けられた空間を「ランプハウス内部」と呼び、プロジェクタ用ランプが収納されている空間を「ランプハウスの中」又は「ランプハウスの内側」と呼んで区別する)。なお、図5においてランプハウスの断面と合わせて示されているものは、プロジェクタ装置の筐体(上面筐体5000及び底面筐体0501)及びプロジェクタ用ランプ0506の断面である。
図6は、ランプハウスの外観の一例を示す図である。同図に示すように、ランプハウス0603の内壁面には吹出し口0609が設けられている。また、ランプハウスの外気取入れ口0608は吸気ブローファン0604に接続されている。この結果、吸気ブローファンから取り入れられた外気は、同図の矢印に示すように、外気取入れ口からランプハウス内部に取り入れられた後、当該ランプハウス内部を流通し、吹出し口よりプロジェクタ用ランプに向かって吹き出される。
図7は、本実施例のプロジェクタ装置の概念の一例を示す平面図であって、プロジェクタ装置筐体0701外から取り入れられた空気がランプハウス0703内部等を流通した後、再び筐体外へ排出されるまでの経路を示したものである。同図において、吸気ブローファン0704によって吸気孔を通じて取り入れられた空気は、ランプハウスの外気取入れ口0708からランプハウス内部に取り込まれる。そして、同図には示されていないが、ランプハウス内部に取り込まれた空気はランプハウス内部を流通し、同図に示すように、吹出し口0709よりプロジェクタ用ランプ0706に向かって吹き出される。同図においてはプロジェクタ用ランプのランプバルブに向かって吹き出される状態が示されている。そして、吹き出された空気はランプバルブ等を冷却した後、筐体に取り付けられた軸流ファン0705により筐体外へ排出される。
図8は、吸気ブローファン、ランプハウス、軸流ファン等を下から見た状態の一例を示す外観図である。同図においては、筐体外の空気が吸気ブローファン0804により筐体底面側から取り入れられる状態が示されている。そして、取り入れられた空気は、吹出し口0809よりプロジェクタ用ランプに向かって吹き出された後、軸流ファン0805により筐体外へ排出されることになる。
以上のような構成は、空気取入れ口から取り入れられた空気をランプハウス内部を流通させて形成される空気層によりプロジェクタ用ランプから発生する熱を吸収・遮蔽し、筐体とランプハウスの間に断熱材や余分な空間を設ける必要をなくし、もって省スペース化・機器の小型化を実現することを目的とする。
図12は、従来例のランプハウスの外側の表面温度の一例を示す概念図である。本例では、消費電力150Wのランプを使用し、この場合の発熱量である105Wをランプ部分に設定した。また、輻射解析を行う設定をするとともに、周囲温度を20℃に設定した。また、軸流ファン1205の風量は12Vで使用した場合の静圧−風量特性曲線から求められるように設定した。
当該解析に用いたプロジェクタ装置の装置筐体の寸法は、縦140mm×横270mm×高さ62mmである。また、ランプハウスの高さは装置筐体の高さとほぼ同一(約60mm)である。また、装置筐体の材質はポリカーボネート、ランプハウスの材質はポリフェニレンサルファイドである。また、2個の排気ファン(枠部分を含む)はそれぞれ縦45mm×横45mm×奥行き15mm、質量20gであり、排気ファンの使用電圧範囲は6.5〜13.2V、使用温度範囲はマイナス10℃〜80℃である。なお、この従来例におけるランプ吹き付けファン1204は、本実施例と同じ条件で比較するため、本実施例のものと同様、筐体外の空気を筐体の底面から取り入れ、ランプハウスの内側に収納されたランプに向かって吹き付けるためのファンとして設けた。ただし、当然のことながら、本実施例では筐体の底面から取り入れられた空気がランプハウス内部の流路を流通してランプハウス内のランプに吹き付けられるのに対し、この従来例では筐体の底面から取り入れられた空気がランプハウス内部の流路を流通することなく、直接ランプハウスの中に吹き付けられるような構造になっている。この場合の風量は毎秒0.0401?であることが解析結果から得られた。この場合、ランプハウス1203の外側の表面温度は、同図に示すように概ね25℃から80℃の範囲にわたり、最高で80.3℃となった。
図13は、本実施例のランプハウスの外側の表面温度の一例を示す概念図である。本例の解析条件は、ランプハウスを本実施例のものに置き換えた点を除き、図12に示した従来例の場合と同一である。ただし、ランプハウスを本実施例のものに置き換えたことにより通風抵抗が大きくなり、ランプ吹付けファン1304(図1〜8を用いた上述の本実施例の具体例の説明における「吸気ブローファン」に相当)の風量は毎秒0.0246?であることが解析結果から得られた。この場合、ランプハウス1303の外側の表面温度は、同図に示すように概ね25℃から55℃の範囲にわたり、最高で56.0℃を示した。これは、米国UL(Underwriters Laboratories Inc.)規格にて規定されている金属類における筐体外側の表面温度70℃以下を満足する値となっている。
図14は、従来例のランプハウスの内側の表面温度の一例を示す概念図である。解析条件は図12に示す場合と同一である。この場合、ランプハウス1403の内側の表面温度は、同図に示すように概ね25℃から80℃以上の範囲にわたり、最高で83.8℃を示した。
図15は、本実施例のランプハウスの内側の表面温度の一例を示す概念図である。解析条件は図13に示す場合と同一である。この場合、ランプハウス1503の内側の表面温度は、同図に示すように概ね25℃から100℃の範囲にわたり、最高で99.9℃を示した。
また、筐体とランプハウスの間に断熱材や余分な空間を設ける必要がなくなるということは、ランプハウスと筐体の距離が接近していても筐体が熱くなりにくいことを意味するので、小型化を行う際も、筐体をマグネシウムやアルミニウム等の熱伝導性の高い金属製にすることを可能にし、この結果機器の剛性を上げたり高級感を演出したりすることを可能にすることにも資する。
図16は、本実施例のランプハウスの外側の表面温度の別の一例を示す概念図である。本例の解析条件は、図13に示した例のうち、軸流ファンを駆動するための電圧のみを変更したものである。即ち、図13に示した例では、軸流ファン1305の駆動のための電圧は前述のように12Vであったが、本例の軸流ファン1605ではこれを8Vとした。この結果、ランプ吹付けファン1604から取り入れられる単位時間あたりの風量も当然減少し、ランプハウス内の空気層による熱遮蔽効果は減少することとなる。しかし、それでもなお、ランプハウス1603の外側の表面温度は、同図に示すように最高で68.8℃にとどまっており、図13の例に比べ約14℃上昇するものの、従来例に比べれば約12℃下回り、上述の米国UL規格を満足する値となっている。
図17は、本実施例のランプハウスの内側の表面温度の別の一例を示す概念図である。解析条件は図16に示す場合と同一である。この場合、ランプハウス1703の内側の表面温度は、同図に示すように最高で104.9℃となり、図15の例と比べ、約5℃の上昇にとどまっている。
また、実験の結果、軸流ファンの駆動電圧を12Vから8Vに変えると、ファン2個に使用される定格消費電力2.64Wが1.76Wに軽減(−0.88W)され、また騒音ではセット状態で約43.9dBから約35.3dB(−8.6dB)までの低減を図ることができることが判明した。
以上の解析結果は、本実施例のランプハウスが、低電圧駆動で静音性の高いファンを試用しても十分な冷却効果を達成し得るものであること示すものである。
図10は、本実施例のプロジェクタ装置における処理の流れの一例を示す図である。
まず、空気の取入れステップS1001において、プロジェクタ装置は、プロジェクタ装置外から空気を装置内に取り入れる。その際、プロジェクタ装置は、例えば、底面筐体に開けられた吸気孔から吸気ブローファンにより空気を取り入れる。そして、吸気ブローファンはランプハウスに接続されており、取り入れられた空気は、ランプハウス内部の空洞に送り込まれることになる。
次に、空気の流通ステップS1002において、プロジェクタ装置は、前記ステップにて取り入れた空気を、自身に設けられた流路に流通させる。その際、プロジェクタ装置は、例えば、前記ステップにて取り入れた空気を吸気ブローファンによってランプハウス内部の空洞に取り込み、ランプハウスの内壁に開けられた吹出し口まで流通させる。これにより、装置筐体内において、ランプハウス内部の空洞に沿ってプロジェクタ用ランプを覆うような形で空気層が形成されることとなり、プロジェクタ用ランプと装置筐体の両者間の熱遮蔽を行うという処理が可能になる。
次に、空気の吹出しステップS1003において、プロジェクタ装置は、流路を流通した空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出す。例えば、ランプハウスの内壁に開けられた吹出し口から空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出す。これにより、プロジェクタ用ランプを冷却するという処理が実施可能となる。
さらに、空気の排出ステップS1004において、プロジェクタ装置は、前記ステップにおいて吹き出され、プロジェクタ用ランプを冷却して熱せられた空気を、装置筐体外に排出する。かかる排出は、例えば、装置筐体に設けられた排出ファンによって実現される。
以上により、筐体外の空気が筐体内に取り入れられ、流路を流通した後、筐体外へ排出されるという空気の流れが絶えず確保され、流路には常に低温の空気からなる空気層が形成され、かかる低音の空気層により熱遮蔽が行われるという本実施例のプロジェクタ装置による処理が達成される。
本実施例に係るプロジェクタ装置により、断熱材を用いる必要がなくなり、コストアップを回避することが可能となるとともに、機器の小型化を図ることが一層容易となる。また、小型化を行う際に筐体をマグネシウムやアルミニウム等の熱伝導性の高い金属製にすることが可能となり、機器の剛性を上げたり高級感を演出したりすることも可能になる。さらに、低電圧駆動で静音タイプの冷却ファンを使用できることから、騒音も大幅に減少させることが可能となる。しかも、かかる低電圧駆動のモータを使用すれば、消費電力の削減も可能となる。従って、本実施例の発明は、環境保護の見地からも極めて望ましいプロジェクタ装置の提供を可能にするものである。
本実施例のプロジェクタ装置は、実施例1の装置における熱遮蔽部をランプハウスとしたものである。
図11は、本実施例のプロジェクタ装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において、本実施例のプロジェクタ装置1100は、プロジェクタ用ランプ1106と、プロジェクタ装置筐体1101と、熱遮蔽部1103とを有し、前記熱遮蔽部はプロジェクタ用ランプのランプハウスである。また、熱遮蔽部たるランプハウスは、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路1110を有する。
「ランプハウス」とは、プロジェクタ用ランプの交換を安全かつ簡易に行うためのボックス状の筐体をいう。また、ランプハウスは、プロジェクタ用ランプが発する高温の熱をできるだけランプハウスの内側にとどめプロジェクタ装置筐体内の他の部分に熱が伝導しないようにできるというメリットを有する。
かかるランプハウスの具体的構成の一例は、実施例1において図1〜8を用いて説明したところと同じであるので、説明を省略する。また、その余の構成も実施例1において説明したところと同じであるので、説明を省略する。
ランプハウス自体に設けられる流路は、例えば、ランプハウスの各壁を中空の形状とし、その空洞部分を空気が流通可能なようにしたものなどが考えられる。この場合、当該流路は、光源・発熱源たるプロジェクタ用ランプとプロジェクタ装置筐体の間にあって、両者間の熱遮蔽を行い得る位置に配置される必要がある。その具体的位置は、光源と高温化を回避すべき光学装置、電子部品といった機器等あるいはプロジェクタ装置筐体の上面や側面(特に熱伝導率の高い金属製の場合)との位置関係による。例えば、これらの機器が光源から見て一方の方向のみに配置されており、かつプロジェクタ装置筐体の上面・側面との距離が十分に保たれているような場合には、最低限これらの機器との間の1面にのみランプハウスの壁が設けられれば足りることが考えられる。あるいは、機器等の配置の関係上、プロジェクタ用ランプに向かって空気を吹き出すための吹出し口をこれとは別の壁に設ける必要があるとか、さらには、小型化を図る関係上光源とプロジェクタ装置筐体上面や側面との距離が十分に取れない場合にはプロジェクタ用ランプの上側にもランプハウスの壁を設ける必要があるとかいった事情により、ランプハウスの壁は2面又は3面が必要ということになる。このようにランプハウスの壁の数は当業者の適宜の設計事項である。ただし、小型化されたプロジェクタ装置にあって熱遮蔽を効果的に行うための空気層を形成するという観点、またランプの交換を安全かつ簡易に行うというランプハウス本来の目的に鑑みれば、ランプハウスは少なくとも3面の壁を有することが望ましい。なお、ここでいう「壁」は、その中の空洞が熱遮蔽を行うに足る空気層を形成し得るものであればよく、必ずしも全面が覆われていることを要しない。
本実施例のプロジェクタ装置における処理の流れは、実施例1のプロジェクタ装置の処理の流れのうち、空気の流通ステップと空気の吹出しステップにおける処理を常にランプハウスを用いて行うという点を除き、実施例1のそれと同じであるから、説明を省略する。
本実施例のプロジェクタ装置により、筐体に熱伝導性の高い材料を使用しても差し支えないような、断熱材を用いず、筐体内壁から熱源までの距離が短くても十分な熱遮蔽効果の発揮が一層顕著となり、機器の小型化が一層容易となる。
本実施例のプロジェクタ装置は、実施例2のランプハウスに、プロジェクタ用ランプに向かって空気を吹き出すための吹出し手段を設けたものである。
図18は、本実施例のプロジェクタ装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において、本実施例のプロジェクタ装置1800は、プロジェクタ用ランプ1806と、プロジェクタ装置筐体1801と、熱遮蔽部1803とを有し、前記熱遮蔽部はプロジェクタ用ランプのランプハウスである。また、熱遮蔽部たるランプハウスは、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路1810及びランプハウス内部を流通した空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出すための吹出し手段1809を有する。
吹出し手段が、ランプハウス内部を流通した空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出すのは、空気をランプもしくはその近傍の熱せられた部分に直接吹き付けることによりランプ等を直接冷却するためである。このため、吹出し手段は、当該冷却を効果的に行い得るような形状であることが望ましい。具体的には、例えば、上述の図6に示す吹出し口0609のような出口に近くなるほど先細りになっているような形状が考えられ、かかる形状により、流路を流通した空気がプロジェクタ用ランプに向かって強く吹き出され、冷却を効果的に行うことが期待できる。
本実施例のプロジェクタ装置における処理の流れは、実施例2のプロジェクタ装置の処理の流れと同じであるから、説明を省略する。なお、吹出しステップにおける処理は、ランプハウス内部を流通した空気をランプもしくはその近傍の熱せられた部分に直接吹き付けることによりランプ等を直接冷却するためであるから、当該処理は、空気を強く吹き出すことにより行われることが望ましい。これにより、次に、プロジェクタ用ランプの冷却処理をより実効あらしめることが担保された状態で、当該処理が実行されることとなる。
本実施例のプロジェクタ装置により、ランプハウス内部を流通した空気をランプもしくはその近傍の熱せられた部分に直接吹き付けることができるので、冷却効果を高めることができる。
本実施例のプロジェクタ装置は、ランプハウス内を流通する空気の乱流を防止するため、ランプハウスの空気の流入口部分の形状をなだらかな絞込み形状としたものである。
図19は、本実施例のプロジェクタ装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において、本実施例のプロジェクタ装置1900は、プロジェクタ用ランプ1906と、プロジェクタ装置筐体1901と、熱遮蔽部1903とを有し、前記熱遮蔽部はプロジェクタ用ランプのランプハウスである。また、熱遮蔽部たるランプハウスは、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路1910及び筐体外からの空気の流入口手段1908を有する。あるいは、同図には示されていないが、ランプハウスは、これらに加えランプハウス内部を流通した空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出すための吹出し手段を有していてもよい。そして、いずれの場合においても、前記空気の流入口手段の形状は、なだらかな絞込み形状である。
「空気の流入口手段」とは、筐体外部から取り入れられた空気が熱遮蔽部であるランプハウスに設けられた流路をよどみなく流通するようにランプハウスの一部としてその入口部分に設けられた、ランプハウス内部に空気を流入させる部分をいう。この場合、空気の流入口手段の取込み対象は「筐体外からの空気」であるから、筐体外から直接当該流入口に取り込まれるものであっても、筐体外から一旦他の部分を経由して当該流入口に取り込まれるものであってもよい。例えば、上述の図5に示したランプハウスの例で言えば、外気取入れ口0508が当該空気の流入口手段に相当する。その際、当該空気の流入口手段が、空気をランプハウス内部に流入させるという処理を円滑に実行できるために、例えば、上述の図6で示したように、空気流入口手段に相当する外気取入れ口0608に接続された吸気ブローファン0604により強制的に外気取入れ口からランプハウス内部に空気が取り込まれるような構成であることが望ましい。
「なだらかな絞込み形状」とは、空気の流入口の断面積が入口部分で最も広く、奥に進むにつれて徐々に狭くなっていく形状をいう。即ち、「なだらかな」とは、空気の流入口の内壁面に空気がぶつかって乱流を起こすような急に勾配が変化する部分がないことを意味する。空気の流入口をこのような形状とする理由は、プロジェクタ装置筐体外から取り入れられた空気がよどみなく流路を流通し、プロジェクタ装置筐体外へ排出されるのと並行して、新たな空気がプロジェクタ装置筐体内に取り入れられ、流通していくという空気の流れを絶えず保つとともに、相対的に広い流入口の入口部分から相対的に狭いランプハウスの壁内の空洞に空気を送り込む際の空気の流れを層流とするためである。かかる目的に照らし、その具体的形状としては、例えば、上述の図6で示したように、底面が略三角形ですべての部分の高さが同一の立体形状が考えられる。あるいは、図6の例に準じて言うと、吸気ブローファンに接する開口部分が略円であり、当該略円を底面とする略円錐状(漏斗のような形状)であってもよい。その他、上述の「なだらかな絞込み形状」の定義にあてはまる形状であれば何でもよい。
その余の構成は実施例2又は3のプロジェクタ装置の構成と同じであるので、説明を省略する。
本実施例のプロジェクタ装置における処理の流れは、実施例2又は3のプロジェクタ装置の処理の流れと同じであるから、説明を省略する。なお、空気の流通ステップにおいてプロジェクタ装置が空気をランプハウス内部に取り込む際には、その入口部分に設けられた空気の流入口を通じて取り込む処理を行う。これにより、装置筐体内に取り入れられた空気がランプハウスに設けられた流路をよどみなく流通することが担保された状態で、当該処理が実行されることとなる。
本実施例のプロジェクタ装置により、ランプハウス内を流通する空気の乱流を防止し、熱遮蔽のための空気層の形成をより効果的に行うことができる。
本実施例のプロジェクタ装置は、ランプハウス内を流通する空気の乱流を防止するため、ランプハウスの空気の流速方向を変化させる部分の形状をR形状としたものである。
本実施例のプロジェクタ装置の機能ブロックの一例を以下に示す。本実施例のプロジェクタ装置は、プロジェクタ用ランプと、プロジェクタ装置筐体と、熱遮蔽部とを有し、前記熱遮蔽部はプロジェクタ用ランプのランプハウスである。また、熱遮蔽部たるランプハウスは、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路を有する。あるいは、ランプハウスは、これに加えランプハウス内部を流通した空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出すための吹出し手段又は筐体外からの空気の流入口手段の少なくともいずれか一を有していてもよい。そして、いずれの場合においても、前記ランプハウスの空気の流速方向を変化させる部分はR形状となっている。
「空気の流速方向を変化させる部分」とは、ランプハウスに設けられた流路がランプハウスの形状にしたがってその方向を変化させる部分をいう。その場合、流路を流通する空気も当然その流路の方向の変化に従って変化することになる。なお、空気が方向を変化させる場合には流速も変化するのが通例であるので「流速方向」(流速及び方向の意である)としたが、流速の変化は必須の条件ではない。
当該部分の形状をR形状としたのは、プロジェクタ装置筐体外から取り入れられた空気がよどみなく流路を流通し、プロジェクタ装置筐体外へ排出されるのと並行して、新たな空気がプロジェクタ装置筐体内に取り入れられ、流通していくという空気の流れを絶えず保つとともに、流路を流通する空気が、流路がランプハウスの形状にしたがってその方向を変化させる部分においても、内壁面に空気がぶつかるなどにより乱流を起こすことなく、流路をよどみなく流通するように、その流れを層流とするためである。
その余の構成は実施例2から4のいずれか一におけるプロジェクタ装置の構成と同じであるので、説明を省略する。
本実施例のプロジェクタ装置における処理の流れは、実施例2から4のいずれか一におけるプロジェクタ装置の処理の流れと同じであるから、説明を省略する。なお、空気の流通ステップにおいては、ランプハウスの空気の流速方向を変化させる部分がR形状となっていることで、装置筐体内に取り入れられた空気がランプハウスに設けられた流路をよどみなく流通することが担保された状態で、当該処理が実行されることとなる。
本実施例のプロジェクタ装置により、ランプハウス内を流通する空気の乱流を防止し、熱遮蔽のための空気層の形成をより効果的に行うことができる。
本実施例のプロジェクタ装置は、吹出し手段から吹き出された空気をプロジェクタ用ランプの光進行方向と逆方向に排出する排気ファンを有するものである。
図20は、本実施例のプロジェクタ装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において、本実施例のプロジェクタ装置2000は、プロジェクタ用ランプ2006と、プロジェクタ装置筐体2001と、熱遮蔽部2003と、排気ファン2005を有し、前記熱遮蔽部はプロジェクタ用ランプのランプハウスである。また、熱遮蔽部たるランプハウスは、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路2010及びランプハウス内部を流通した空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出すための吹出し手段2009を有する。
「排気ファン」は、前記吹出し手段によって吹き出された空気を、プロジェクタ用ランプの光進行方向と逆方向に排出するように構成されている。これは、吹出し手段によって吹き出された空気はプロジェクタ用ランプを冷却して熱を帯びているところ、通例光進行方向には光学装置、電子部品といった高熱になることを回避すべき機器等が配置されているので、かかる熱せられた空気が機器等の方向に行かないように、逆方向に排出するための構成である。また、かかる排気ファンを設けることで、装置筐体内の熱せられた空気が強制的に装置筐体外に排出されるので、これと並行して、新たな空気がプロジェクタ装置筐体内に取り入れられ、流通していくという空気の流れが絶えず保たれることにも資する。
図22は、本実施例のプロジェクタ装置の概念の一例を示す平面図である。同図において、吹出し口2209よりプロジェクタ用ランプ2206に向かって吹き出された空気が、軸流ファン2205(排気ファンに相当)によりプロジェクタ用ランプの光進行方向(矢印B方向)とは逆方向(矢印A方向)に排出されることが示されている。
その余の構成は実施例3のプロジェクタ装置の構成と同じであるので、説明を省略する。
本実施例のプロジェクタ装置における処理の流れは、実施例3におけるプロジェクタ装置における処理の流れと同様、空気の取入れステップと、空気の流通ステップと、空気の吹出しステップと、空気の排出ステップとからなるところ、このうち空気の排出ステップにおいて、プロジェクタ装置は、排気ファンを用いて、吹出し手段から吹き出された空気をプロジェクタ用ランプの光進行方向と逆方向に排出する。その余の処理の流れは、実施例3のプロジェクタ装置における処理の流れと同じであるので、説明を省略する。
本実施例のプロジェクタ装置により、プロジェクタ用ランプを冷却して熱を帯びている空気が光進行方向とは逆方向に排出されるので、通例この方向にある光学装置、電子部品等の機器等の方向にかかる熱せられた空気が行かないようにすることができる。また、プロジェクタ用ランプを冷却して熱を帯びている空気が強制的に排出されることで、これと並行して、新たな空気がプロジェクタ装置筐体内に取り入れられ、流通していくという空気の流れを絶えず保つことができ、もって流路に常に低温の空気からなる空気層が形成され、熱遮蔽の効果を高めることが可能となる。
本実施例のプロジェクタ装置は、プロジェクタ装置筐体外から層流としてランプハウス内を流通させる空気を取り込むためのシロッコファンを有するものである。
図21は、本実施例のプロジェクタ装置の機能ブロックの一例を示す図である。同図において、本実施例のプロジェクタ装置2100は、プロジェクタ用ランプ2106と、プロジェクタ装置筐体2101と、熱遮蔽部2103とを有し、前記熱遮蔽部はプロジェクタ用ランプのランプハウスである。この場合、熱遮蔽部たるランプハウスは、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路2110を有する。あるいは、同図には示されていないが、以上の構成に加え、ランプハウスが、ランプハウス内部を流通した空気をプロジェクタ用ランプに向かって吹き出すための吹出し手段、筐体外からの空気の流入口手段の少なくともいずれか一を有するものであってもよい。ランプハウスが筐体外からの空気の流入口手段を有する場合には、その形状はなだらかな絞込み形状である。あるいは、同図には示されていないが、当該ランプハウスの空気の流速方向を変化させる部分はR形状となっていてもよい。あるいは、ランプハウスが前記吹出し手段を有する場合に、吹き出された空気をプロジェクタ用ランプの光進行方向と逆方向に排出する排気ファンを有するものであってもよい。そして、上述のいずれの場合にあっても、本実施例のプロジェクタ装置は、プロジェクタ装置筐体外から層流としてランプハウス内を流通させる空気を取り込むためのシロッコファン2104を有する。
「シロッコファン」とは、一般に円筒状の羽を回転させて空気等を取り込み、ダクト等を通して他の場所に当該空気を送り込む機能を有するファンをいい、比較的低騒音であり、かつ外気等の抵抗に影響されにくく安定した吸排気が可能であるという特性を有する。本実施例では、装置筐体の上面や側面に極めて近いところに設置されて、装置筐体外から空気を取り込むとともにランプハウスの有する流路に空気を送り込む機能を有するものをいい、かかる機能を有するものであれば、その名称のいかんを問わない。例えば、上述の図7における吸気ブローファン0704がかかる機能を有する場合にはこれに該当する。同図に即して言えば、当該吸気ブローファンがシロッコファンである場合、図に明示されているファンのカバー部分のうちランプハウスに接続された略直方体部分がダクトに相当し、当該ダクトにより空気を層流としてランプハウス内を流通させることが可能な構成となっている。あるいは、これにランプハウスの有する流路を加えたもの全体をダクトとして当該シロッコファンがかかる機能を発揮する構成になっているという説明も可能である。
本実施例のプロジェクタ装置における処理の流れは、実施例2などにおけるプロジェクタ装置における処理の流れと同様、空気の取入れステップと、空気の流通ステップと、空気の吹出しステップと、空気の排出ステップとからなるところ、このうち空気の取入れステップにおいて、プロジェクタ装置は、プロジェクタ装置筐体外から、シロッコファンを用いて、層流としてランプハウス内を流通させる空気を取り込む。また、空気の流通ステップにおいて、プロジェクタ装置は、前記ステップにて取り込まれた空気を層流としてランプハウス内を流通させる。その余の処理の流れは、実施例2から6のいずれか一のプロジェクタ装置における処理の流れと同じであるので、説明を省略する。
本実施例のプロジェクタ装置は、シロッコファンを有するため、その特性により、プロジェクタ装置筐体外から取り込んだ空気を層流としてランプハウス内に送り込むことができ、流路を空気がよどみなく流通し、流路に常に低温の空気からなる空気層が形成されて熱遮蔽の効果を高めることを一層効果的に実現することが可能となる。
0702 光学ユニット
0703 ランプハウス
0704 吸気ブローファン
0705 軸流ファン
0706 プロジェクタ用ランプ
0708 外気取入れ口
0709 吹出し口
0900 プロジェクタ装置
0901 プロジェクタ装置筐体
0903 熱遮蔽部
0906 プロジェクタ用ランプ
0910 流路
Claims (8)
- プロジェクタ用ランプと、
プロジェクタ装置筐体とプロジェクタ用ランプと、の間に配置され、両者間の熱遮蔽を行う熱遮蔽部と、
を有し、
前記熱遮蔽部は、プロジェクタ装置筐体外から取り入れた空気を流通させるための流路を有し、前記流路を流通する空気により形成される空気層により前記両者間の熱遮蔽を行うことを特徴とするプロジェクタ装置。 - 前記熱遮蔽部は、前記プロジェクタ用ランプのランプハウスである請求項1に記載のプロジェクタ装置。
- 前記ランプハウスは、内部を流通した空気を前記プロジェクタ用ランプに向かって吹き出すための吹出し手段を有している請求項2に記載のプロジェクタ装置。
- 前記ランプハウスは、筐体外からの空気の流入口手段を有し、
前記流入口手段形状は、なだらかな絞込み形状である請求項2又は3のいずれかに記載のプロジェクタ装置。 - 前記ランプハウスは、空気の流速方向を変化させる部分はR形状となっている請求項2から4のいずれか一に記載のプロジェクタ装置。
- 前記吹出し手段によって吹き出された空気を、プロジェクタ用ランプの光進行方向と逆方向に排出する排気ファンを有する請求項3に記載のプロジェクタ装置。
- プロジェクタ装置筐体外から層流としてランプハウス内を流通させる空気を取り込むためのシロッコファンを有する請求項2から6のいずれか一に記載のプロジェクタ装置。
- プロジェクタ用ランプの熱を空気の層流でプロジェクタ装置筐体とを熱遮蔽する熱遮蔽方法。
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