JP2011038550A - ツインクラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メイン軸の振れを抑制しながら軽量・小型化を図ることができるツインクラッチ装置を供する。
【解決手段】入力歯車20に連動する第1クラッチアウタ37Aとメイン内軸9Aに一体に嵌合する第1クラッチインナ40Aとの間の断接を行う第1摩擦クラッチ21Aと、入力歯車20に連動する第2クラッチアウタ37Bとメイン外軸9Bに一体に嵌合する第2クラッチインナ40Bとの間の断接を行う第2摩擦クラッチ21Bとを備えたツインクラッチ装置21において、メイン外軸9Bの端部の外周に第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbが一体に嵌合され、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbの外周に軸受19を介して入力歯車20が軸支され、メイン外軸9Bの第2クラッチインナ40Bが嵌合される端部は、その内側のメイン内軸9Aとの間に軸受27Bが介装されて軸支されるツインクラッチ装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、変速機の変速切換えを円滑に行うツインクラッチ装置に関する。
変速機の従動歯車と常時噛み合う駆動歯車が奇数段歯車と偶数段歯車に分かれて内外重ねられたメイン内軸とメイン外軸にそれぞれ配設され、ツインクラッチ装置は、入力歯車に入力された動力をメイン内軸とメイン外軸に選択的に伝達することで、変速機の変速切換えを円滑に行う。
かかるツインクラッチ装置について、本願出願の出願人が先に出願した例(特許文献1参照)がある。
特開2008−298167号公報
同特許文献1に開示されたツインクラッチ装置は、メイン外軸の中央部外周において入力歯車とツインクラッチの共通のクラッチアウタが連結され、かつその外周が軸受を介して支持されている。
そして、メイン外軸の端部に一方のクラッチのクラッチインナが嵌合されている。
このようにメイン外軸は、中央部が軸受を介して軸支され、同軸支部に片持ち支持されたメイン外軸の端部にクラッチインナが嵌合されているので、片持ち状態の端部に振れが発生し易い。
そこで、筒状をなすメイン外軸の肉厚を増して剛性を高めた仕様にすることが考えられるが、そうするとメイン外軸の重量が増すうえに、部品が大型となりツインクラッチ装置および変速機の大型化を招くことになり、メイン外軸の振れ対策をしながらツインクラッチ装置の軽量・小型化を図ることが容易でなかった。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、メイン軸の振れを抑制しながら軽量・小型化を図ることができるツインクラッチ装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、奇数段駆動歯車が設けられるメイン内軸と、前記メイン内軸より短く前記メイン内軸に相対回転自在に外嵌され偶数段駆動歯車が設けられるメイン外軸と、入力歯車に連動する第1クラッチアウタと前記メイン内軸に一体に嵌合する第1クラッチインナとの間の断接を摩擦板を介して行う第1摩擦クラッチと、入力歯車に連動する第2クラッチアウタと前記メイン外軸に一体に嵌合する第2クラッチインナとの間の断接を摩擦板を介して行う第2摩擦クラッチと、を備えたツインクラッチ装置において、前記メイン外軸の端部の外周に前記第2クラッチインナの円筒ボス部が一体に嵌合され、前記第2クラッチインナの円筒ボス部の外周に軸受を介して前記入力歯車が軸支され、前記メイン外軸の前記第2クラッチインナが嵌合される端部は、その内側の前記メイン内軸との間に軸受が介装されて軸支されるツインクラッチ装置とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のツインクラッチ装置において、前記第2クラッチインナは、前記円筒ボス部の一方の開口端部からフランジ状に中空円板部が延出され、記摩擦板を内周側から係合支持する係合円筒部が前記中空円板部の外周端を前記円筒ボス部と軸方向反対側に延出して形成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のツインクラッチ装置において、前記第1クラッチアウタと前記第2クラッチアウタがともに底壁と円筒部とで椀状をなし、前記円筒部の開口を互いに反対側に向けて互いの前記底壁を密着させて一体に結合されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のツインクラッチ装置において、前記入力歯車の動力が、前記第2クラッチアウタの円筒部の開口端部に伝達されることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか記載のツインクラッチ装置において、前記メイン内軸の端部の外周に前記第1クラッチインナの円筒ボス部が一体に嵌合され、前記第1クラッチインナの円筒ボス部の外周に設けられた軸受を介して前記メイン内軸の端部が変速機ケースに軸支されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか記載のツインクラッチ装置において、前記第2クラッチインナの円筒ボス部に対して前記入力歯車を軸支する軸受をメタル軸受とし、内外に3重に重なる前記メイン内軸と前記メイン外軸の端部と前記第2クラッチインナの円筒ボス部の各部位に、内外を連通する径方向油路がそれぞれ形成されることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載のツインクラッチ装置において、前記第2クラッチインナの円筒ボス部の内周面に前記径方向油路に連通する拡径した内周溝が形成されたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか記載のツインクラッチ装置において、前記メイン外軸は、その両端部を内側の前記メイン内軸にそれぞれ軸受を介して支持されるとともに、その中央部を外側の変速機ケースに軸受を介して支持されることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項2ないし請求項7のいずれか記載のツインクラッチ装置において、前記入力歯車のボス部側面と前記第2クラッチインナの中空円板部との間に滑動部材が介装されることを特徴とする。
請求項1記載のツインクラッチ装置によれば、メイン外軸の端部はその外周において入力歯車とともに第2クラッチインナの円筒ボス部を径方向に重ねて互いに相対回転自在に支持するとともに、その内周においてメイン内軸に対して軸受を介して支持される構造なので、メイン外軸の端部の振れは抑制される。
そのため、メイン外軸の肉厚を厚くする必要はなく、かつメイン外軸の端部に入力歯車とともに第2クラッチインナの円筒ボス部を径方向に重ねて支持することで、メイン外軸の軸方向幅を小さく抑えることができ、メイン外軸の大型化および重量増加を回避することができる。
請求項2記載のツインクラッチ装置によれば、第2クラッチインナが、円筒ボス部の一方の開口端部からフランジ状に中空円板部が延出され、摩擦板を内周側から係合支持する係合円筒部が中空円板部の外周端を円筒ボス部と軸方向反対側に延出して形成されるので、第2摩擦クラッチを入力歯車に近づけて配置することができ、メイン外軸とともにメイン内軸を短くしてツインクラッチ装置の小型化を図ることができる。
請求項3記載のツインクラッチ装置によれば、第1クラッチアウタと第2クラッチアウタがともに底壁と円筒部とで椀状をなし、円筒部の開口を互いに反対側に向けて互いの底壁を密着させて一体に結合されたので、第1摩擦クラッチと第2摩擦クラッチを隣接させて軸方向に余分な隙間をなくしてツインクラッチ装置を軸方向にコンパクトに構成できる。
請求項4記載のツインクラッチ装置によれば、入力歯車の動力が、第2クラッチアウタの円筒部の開口端部に伝達されるので、第2摩擦クラッチにおいて第2クラッチアウタの構造に制約を受けることなく第2クラッチインナを自由に設計でき、その円筒ボス部を入力歯車側に延出して入力歯車を軸支する構造を簡単に構成することができる。
請求項5記載のツインクラッチ装置によれば、メイン内軸の端部の外周に第1クラッチインナの円筒ボス部が一体に嵌合され、第1クラッチインナの円筒ボス部の外周に設けられた軸受を介してメイン内軸の端部が変速機ケースに軸支されるので、メイン内軸の端部および第1クラッチインナの振れを抑制することができる。
請求項6記載のツインクラッチ装置によれば、第2クラッチインナの円筒ボス部に対して入力歯車を軸支する軸受をメタル軸受とし、内外に3重に重なるメイン内軸とメイン外軸の端部と第2クラッチインナの円筒ボス部の各部位に、内外を連通する径方向油路がそれぞれ形成されるので、メイン内軸の軸孔に供給された潤滑油がメイン内軸の径方向油路からメイン外軸の端部を軸支する軸受に供給され、さらにメイン外軸の端部の径方向油路から第2クラッチインナの円筒ボス部の径方向油路を経て入力歯車を軸支するメタル軸受に潤滑油が最短距離で供給されて十分な潤滑が容易にできる。
請求項7記載のツインクラッチ装置によれば、第2クラッチインナの円筒ボス部の内周面に径方向油路に連通する拡径した内周溝を形成したので、第2クラッチインナの円筒ボス部とメイン外軸との嵌合構造に邪魔されることなく、潤滑油は内周溝を通ってする円筒ボス部の径方向油路にオイルが流れ、メタル軸受に円滑に供給される。
請求項8記載のツインクラッチ装置によれば、メイン外軸は、その両端部を内側の前記メイン内軸にそれぞれ軸受を介して支持されるとともに、その中央部を外側の変速機ケースに軸受を介して支持されるので、メイン外軸は両端と中央を軸支されて振れを発生する要因をなくして安定して回転自在に軸支される。
請求項9記載のツインクラッチ装置によれば、入力歯車のボス部側面と第2クラッチインナの中空円板部との間に滑動部材が介装されるので、入力歯車と第2クラッチインナの相対回転に伴う摩擦による抵抗を滑動部材が低減してフリクションロスを抑えて互いに円滑な回転を保証することができる。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関の右側面図である。 同内燃機関の変速機の断面図である。 ツインクラッチ装置の拡大断面図である。 入力部材組立体をメイン軸から外した状態でのツインクラッチ装置の分解断面図である。 入力部材組立体をメイン軸に取り付けた状態でのツインクラッチ装置の分解断面図である。 入力部材組立体76の縦断面図である。 図6のVII矢視図である。 入力部材の縦断面図である。 図8のIX矢視図である。 クラッチアウタ組立体の縦断面図である。 図10のXI−XI断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関1の右側面図である。
内燃機関1は、車両にクランク軸を左右方向に指向させて横置きに搭載され、矢印Fはこの内燃機関1が車両に搭載されたときの車両の前方に対応して前方を指している。
内燃機関1は、並列2気筒内燃機関であり、内燃機関1のクランク軸を内蔵するクランクケース2は、上下割りされた上部クランクケース2Aと下部クランクケース2Bとからなり、クランクケース2に順次重ねられたたシリンダブロック3、シリンダヘッド4、シリンダヘッドカバー5が前傾姿勢で斜め上方に突出しており、クランクケース2の下方にはオイルパン6が設けられている。
上記クランクケース2は、変速機ケースを兼ねており、変速機7が一体的に組み込まれている。
上下に2分割されているクランクケース2の合わせ面の軸受にクランク軸8、変速機のメイン軸9およびカウンタ軸10が回転可能に支持されている。
下部クランクケース2Bの下端に接続されているオイルパン6にストレーナ11を備えたオイル吸入管12が設けられ、その上部に制御用オイルポンプ13と、制御用オイルポンプ13に連なる制御用オイルフィルタ14が接続されている。
この内燃機関1には潤滑用オイルポンプも設けられているが、制御用オイルポンプ13と側面視で重なるので、図1では図示されていないが、潤滑用オイルフィルタ15は下部クランクケース2Bの前部に設けられている。
制御用オイルポンプ13の吐出圧は、クラッチアクチュエータ用に高くなっており、潤滑用オイルポンプの吐出圧は、制御用オイルポンプの吐出圧に比して低い。
クランクケース2の後部に収容されている変速機7は、常時噛合い式ツインクラッチ変速機である。
また、クランクケース2の後部には、上記変速機7の変速段を変化させるシフトドラム16等のチェンジ機構が収容されている。
カウンタ軸10から動力を得て車両を駆動する出力軸18がクランク軸8の下方に設けてある。
なお、クランクケース2の右側部は右クランクケースカバー17で覆われており、右クランクケースカバー17の外面には各種油路70の外側部が襞状に膨出している。
図2は、変速機7の断面図である。
図の矢印L、Rはエンジン1を車両に搭載した時の車両の左右に対応する左右の方向を示している。
変速機7は、メイン軸9と、カウンタ軸10と、変速機の入力歯車であるプライマリ従動歯車20と、第1摩擦クラッチ21Aと第2摩擦クラッチ21Bとからなる一対のツインクラッチ21を備えている。
メイン軸9は、奇数段駆動歯車m1,m3,m5が設けられる長尺のメイン内軸9Aと、同メイン内軸9Aに相対回転自在に外嵌され偶数段駆動歯車m2,m4,m6が設けられる短尺のメイン外軸9Bとからなる。
短尺のメイン外軸9Bは、その両端部を内側のメイン内軸9Aにニードルベアリング27A,27Bを介して軸支されて長尺のメイン内軸9Aの中央部分に相対回転自在に外嵌される。
メイン外軸9Bの左端はC形止め輪28によってメイン内軸9Aに対して左方移動が規制され位置決めされる。
メイン内軸9Aは、左端がボールベアリング22を介してクランクケース2に回転自在に支持され、右端がボールベアリング24を介して右クランクケースカバー17に回転自在に支持されている。
そして、メイン内軸9Aの中央部はメイン外軸9Bが外嵌されて同メイン外軸9Bの略中央がボールベアリング23を介してクランクケース2に軸支されることで支持される。
一方、メイン軸9の後方に平行に配設されるカウンタ軸10は、左側部分がボールベアリング25を介してクランクケース2に左端を突出させて回転自在に支持され、右端がニードルベアリング26を介してクランクケース2に回転自在に支持されている。
メイン軸9を支持する左端のボールベアリング22と中央のボールベアリング23との間において、メイン外軸9Bよりも左側に露出したメイン内軸9Aの左側部分に奇数段駆動歯車m1,m3,m5が設けられ、メイン外軸9Bの左側部分に偶数段駆動歯車m2,m4,m6が設けられる。
1速駆動歯車m1は左端のボールベアリング22の右隣りでメイン内軸9Aに一体に形成され、その右隣りの5速駆動歯車m5はメイン内軸9Aに回転自在に軸支され、その右隣りの3速駆動歯車m3はメイン内軸9Aにスプライン30により相対回転しないが軸方向に移動可能なスプライン嵌合がなされ、チェンジ機構(図示なし)のシフトフォークが係合する係合溝Gが設けてあり、これに係合するシフトフォークによる軸方向の移動で左隣りの5速駆動歯車m5と断接することができる。
2速駆動歯車m2は中央のボールベアリング23の左隣りでメイン外軸9Bに一体に形成され、その左隣りの6速駆動歯車m6はメイン外軸9Bに回転自在に軸支され、その左隣りの4速駆動歯車m4はメイン外軸9Bにスプライン30により相対回転しないが軸方向に移動可能なスプライン嵌合がなされ、シフトフォークが係合する係合溝Gが設けてあり、これに係合するシフトフォークによる軸方向の移動で右隣りの6速駆動歯車m6と断接することができる。
一方、カウンタ軸10には、上記駆動歯車m1〜m6に対応して、それぞれ常時噛み合う従動歯車c1〜c6が設けられる。
1速駆動歯車m1と2速駆動歯車m2にそれぞれ噛合する1速従動歯車c1と2速従動歯車c2は、カウンタ軸10の左右両側で回転自在に軸支され、3速駆動歯車m3と4速駆動歯車m4にそれぞれ噛合する3速従動歯車c3と4速従動歯車c4は、カウンタ軸10の中央位置で回転自在に軸支されている。
そして、5速駆動歯車m5と6速駆動歯車m6にそれぞれ噛合する5速従動歯車c5と6速従動歯車c6は、カウンタ軸10にスプライン30により相対回転しないが軸方向に移動可能なスプライン嵌合がなされ、5速従動歯車c5は左に移動すれば1速従動歯車c1と接続し、右に移動すれば3速従動歯車c3と接続し、中間に位置していずれとも切断し、6速従動歯車c6は左に移動すれば4速従動歯車c4と接続し、右に移動すれば2速従動歯車c2と接続し、中間に位置していずれとも切断する。
5速従動歯車c5と6速従動歯車c6にはシフトフォークが係合する係合溝Gが設けてあり、これに係合するシフトフォークにより軸方向に移動する。
図3は、ツインクラッチ21及びその周辺の拡大断面図であり、図4および図5は、その分解断面図である。
メイン外軸9Bの右端部には、変速機7の入力歯車であるプライマリ従動歯車20が支持され、メイン内軸9Aのメイン外軸9Bより右方に突出した右側部分にはツインクラッチ21が支持される。
プライマリ従動歯車20は、クランク軸8に設けられたプライマリ駆動歯車(図示なし)に噛合う歯車であり、入力部材38が緩衝部材としてのコイルばね67を介して取付けてある。
図6は、プライマリ従動歯車20と入力部材38とコイルばねカバー部材73とをリベット39で一体化した入力部材組立体76の縦断面図、図7は図6のVII矢視図である。
図6、図7において、プライマリ従動歯車20の周囲部には、歯部20aが設けてあり、クランク軸8(図1)に設けられたプライマリ駆動歯車(図示なし)に噛合して動力の伝達を受ける。
入力部材38は、リベット39を挿通する孔を備えた3個の係合凸部38bを有し、リベット39とともにプライマリ従動歯車20の3箇所の係合凸部挿通孔20bに挿入され、コイルばねカバー部材73と共にリベット39で一体化される。
入力部材38とコイルばねカバー部材73とは、リベット頭部39aとリベット39端部のかしめによって、固く一体化されているが、係合凸部挿通孔20bは係合凸部38bの断面に比して大きい孔であり、さらに、入力部材38とプライマリ従動歯車20との間には皿ばね74が設けてあるので、一体化された入力部材38とコイルばねカバー部材73との、プライマリ従動歯車20に対する結合は緩やかであり、回転方向に若干の相対移動が可能である。
図7において、プライマリ従動歯車20には、コイルばね収容部20cが6箇所設けてあり、それぞれにコイルばね67が装着されている。
コイルばねカバー部材73は環状の平板部73aの一部を湾曲膨出させて湾曲部73bを形成したもので、この湾曲部73bによって、コイルばね67の一方の側が覆われる。平板部73aの回転方向の縁73cに、上記コイルばね67の端部が当接させてある。
図8は入力部材38の縦断面図、図9は図8のIX矢視図である。
図8、図9において、入力部材38の周囲部には、後述の第2クラッチアウタ37Bの係合溝37aに係合する係合歯形38aが設けてある。
係合凸部38b、リベット孔38cについては前述した通りである。入力部材38のコイルばね67に対向する位置にコイルばね収容凹部38dが設けてある。このコイルばね収容凹部38dによって、コイルばね67の他方の側が覆われる。凹部38dの回転方向の端面38fに、上記コイルばね67の端部が当接させてある。
図6〜図9において、クランク軸8からプライマリ駆動歯車を介して、プライマリ従動歯車20に衝撃的な回転力が加わったときには、コイルばね67を介して、コイルばねカバー部材73の平板部73aの回転方向の縁73cと、入力部材38の凹部38dの回転方向の端面38fとが押されて、結果として入力部材38に回転力が伝達されるので、衝撃的な回転力の伝達は防止される。
一方、メイン内軸9Aのメイン外軸9Bより右方に突出した右側部分に支持されるツインクラッチ21は、第1摩擦クラッチ21Aと第2摩擦クラッチ21Bが互いに右と左に隣接して配設される。
第1摩擦クラッチ21Aと第2摩擦クラッチ21Bは、共通の円筒状をしたクラッチアウタ共通ボス部37Cがメイン内軸9Aの右側部分にニードルベアリング31A、31Bを介して相対回転可能に外嵌される。
第1摩擦クラッチ21Aと第2摩擦クラッチ21Bは、概ね左右対称に構成されており、それぞれの第1クラッチアウタ37Aと第2クラッチアウタ37Bは、図10に示すように、共に底壁37af,37bfと係合円筒部37ak,37bkとで椀状をなし、係合円筒部37ak,37bkの開口を互いに反対側に向けて互いの底壁37af,37bfを密着させて一体に溶接され、底壁37af,37bfの中央円孔がクラッチアウタ共通ボス部37Cの軸方向中央に溶接されて、第1クラッチアウタ37Aと第2クラッチアウタ37Bとクラッチアウタ共通ボス部37Cが溶接によって一体化してクラッチアウタ組立体77が構成されている。
図10に示すように、上記3部材は、溶接部35、36によって結合されている。
図10を参照して、係合円筒部37ak,37bkの内周面には、複数の駆動摩擦板43が外周凸部を係合する係合溝37av,37bvが軸方向に指向して開口端から奥部まで連続して形成されている。
また、係合円筒部37ak,37bkの内周面の軸方向所定位置にC形止め輪47の内周溝37d,37dが周方向に形成されている。
第2クラッチアウタ37Bの係合円筒部37bkは、第1クラッチアウタ37Aの係合円筒部37akと外径を同じくするが、軸方向幅は大きく、内周溝37dからさらに大きく左方に延出しており、係合溝37bvも連続して開口端まで延びている。
この第2クラッチアウタ37Bの係合円筒部37bkの内周溝37dよりも左方に延出した部分の係合溝37bvに前記入力部材38の外周端の係合歯形38aが係合して互いに結合して動力の伝達がなされることになる(図3,図4参照)。
一方、図4および図5を参照して、第1摩擦クラッチ21Aの第1クラッチインナ40Aは、メイン内軸9Aの右端部外周のスプライン溝41aにスプライン突条41bが嵌合する円筒ボス部40abの左側開口端部から径方向にフランジ状に中空円板部40afが延出され、中空円板部40afの外周端を円筒ボス部40abと軸方向反対側(左方)に延出して係合円筒部40akが形成されている。
図4を参照して、第2摩擦クラッチ21Bの第2クラッチインナ40Bは、メイン外軸9Bの右端部外周のスプライン溝42aにスプライン突条42bが嵌合する円筒ボス部40bbの右側開口端部から径方向にフランジ状に中空円板部40bfが延出され、中空円板部40bfの外周端を円筒ボス部40bbと軸方向反対側(右方)に延出して係合円筒部40bkが形成されている。
第1クラッチインナ40Aの係合円筒部40akと第2クラッチインナ40Bの係合円筒部40bkは、ともに外周面に複数の被動摩擦板44の内周凸部を係合する係合溝40av,40bvが軸方向に指向して形成されている。
図3を参照して、第1摩擦クラッチ21Aと第2摩擦クラッチ21Bは、ともに摩擦多板クラッチであり、外内で相対向する第1,第2クラッチアウタ37A,37Bの係合円筒部37ak,37bkと第1,第2クラッチインナ40A,40Bの係合円筒部40ak,40bkとの間に、第1,第2クラッチアウタ37A,37Bに相対回転不能で軸方向移動可能に係合する駆動摩擦板43と第1,第2クラッチインナ40A,40Bに相対回転不能で軸方向移動可能に係合する被動摩擦板44とが交互に配置されて摩擦板群45を構成している。
上記第1,第2クラッチアウタ37A、37Bの底壁37af,37bfと摩擦板群45との間に、加圧プレート46,46が設けてあり、加圧プレート46,46の外周部の端部は、摩擦板群45の一端の駆動摩擦板43に当接している。
上記摩擦板群45の他端の駆動摩擦板43はクラッチアウタ37に嵌められたC形止め輪47を介して移動規制されている。
加圧プレート46,46と第1,第2クラッチインナ40A、40Bとの間にバネ受け部材48,48が設けてある。
バネ受け部材48,48の内周端はクラッチアウタ共通ボス部37Cに設けられたC形止め輪49,49によって移動規制されている。
バネ受け部材48,48の外周端はシール部材50,50を介して加圧プレート46,46の外周部の内側に摺動可能に接している。
バネ受け部材48,48に一端を接するコイルばね51,51を介して、加圧プレート46,46は第1,第2クラッチアウタ37A、37Bの底壁37af,37bfの方へ押されている。
第1摩擦クラッチ21Aと第2摩擦クラッチ21Bのそれぞれにおいて、第1,第2クラッチアウタ37A、37Bの底壁37af,37bfと加圧プレート46,46との間に加圧室52A、52Bが形成されている。
バネ受け部材48,48と加圧プレート46,46との間に圧力調整室53A、53Bが形成されている。
なお、図10、図11とともに図3を参照して、クラッチアウタ共通ボス部37Cには、第1摩擦クラッチ21Aの加圧室52Aに連通する径方向油路63、第2摩擦クラッチ21Bの加圧室52Bに連通する径方向油路64、第1摩擦クラッチ21Aの圧力調整室53Aに連通する径方向油路65および第2摩擦クラッチ21Bの圧力調整室53Bに連通する径方向油路66が設けてある。
以上の入力部材組立体76とツインクラッチ21が、メイン外軸9Bおよびメイン内軸9Aに組付けられる。
図4および図5の分解断面図を参照して、メイン外軸9Bの2速駆動歯車m2の右側軸部に環状スペーサ54aを介してボールベアリング23が嵌入され、さらに円筒状スペーサ54bが外嵌されてボールベアリング23が挟まれるようにし、メイン外軸9Bのスプライン溝条42aが形成された右端部を露出させておく。
このメイン外軸9Bの右端部はメイン内軸9Aに対してニードルベアリング27Bにより軸支される部分である。
そして、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbの外周に環状の滑動部材55を嵌め込み、入力部材組立体76のプライマリ従動歯車20の内周面にメタル軸受19を介装して円筒ボス部40bbを嵌入して入力部材組立体76と第2クラッチインナ40Bを組み付けた状態で、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbの内周面のスプライン突条42bをメイン外軸9Bの右端部のスプライン溝42aに嵌合する。
すると、図5に示すように、メイン外軸9Bの右端部に第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbがスプライン嵌合してメイン外軸9Bと第2クラッチインナ40Bが一体に回転可能に連結し、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbの外周にメタル軸受19を介してプライマリ従動歯車20が相対回転自在に軸支され、プライマリ従動歯車20の内周ボス部端面と第2クラッチインナ40Bの中空円板部40bfとの間には滑動部材55が挟まれるので、プライマリ従動歯車20と第2クラッチインナ40Bは円滑に相対回転可能である。
このように、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbを介してプライマリ従動歯車20を支持するメイン外軸9Bの右端部は、その内周においてメイン内軸9Aに対してニードルベアリング27Bを介して支持される構造なので、メイン外軸9Bの右端部の振れは抑制される。
こうして、メイン外軸9Bの右端部に第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbを介して入力部材組立体76を組み付けた状態が図5に示す状態であり、その後に、メイン内軸9Aのメイン外軸9Bより突出した右側部分にツインクラッチ21が組み付けられる。
メイン内軸9Aの右側部分に嵌挿した環状スペーサ29が、第2クラッチインナ40Bの中空円板部40bfの内周端面とメイン外軸9Bの右端面とニードルベアリング27Bの右方に当てがわれ、クラッチインナ40A,40B以外全て組み付けられたツインクラッチ21のクラッチアウタ共通ボス部37Cがニードルベアリング31A,31Bを介してメイン内軸9Aの右側部分に回転自在に嵌挿される。
その際に、入力部材組立体76の入力部材38の外周端の係合歯形38aに、第2クラッチアウタ37Bの係合円筒部37bkの係合溝37bvを係合させてともに回転するようにするとともに、第2クラッチインナ40Bの係合円筒部40bkの係合溝40bvに被動摩擦板44の内周凸部を嵌挿して係合する。
したがって、プライマリ従動歯車20の動力が、第2クラッチアウタ37Bの係合円筒部37bkに伝達され、第2摩擦クラッチ21Bが接続しているときに被動摩擦板44を介して第2クラッチアウタ37Bの動力が、第2クラッチインナ40Bに伝達され、さらに第2クラッチインナ40Bにスプライン嵌合するメイン外軸9Bに伝達される。
次いで、メイン内軸9Aに嵌挿した環状スペーサ32がクラッチアウタ共通ボス部37Cの右端面とニードルベアリング31Aの右方に当てがい、メイン内軸9Aの右端近傍のスプライン溝41aに第1クラッチインナ40Aの円筒ボス部40abの内周面のスプライン突条41bを嵌合してメイン内軸9Aと第1クラッチインナ40Aが一体に回転可能に連結し、同時に第1クラッチインナ40Aの係合円筒部37akの係合溝37avに被動摩擦板44の内周凸部を係合させてともに回転するようにする。
そして、メイン内軸9Aの第1クラッチインナ40Aの円筒ボス部40abより突出した右端部の雄ねじ34sにワッシャ33を介してナット34が螺合して緊締される。
第1クラッチアウタ37Aと第2クラッチアウタ37Bは、互いに溶接されて一体に回転するので、プライマリ従動歯車20の動力は、第2クラッチアウタ37Bとともに第1クラッチアウタ37Aに伝達され、第1摩擦クラッチ21Aが接続しているときに被動摩擦板44を介して第1クラッチアウタ37Aの動力が、第1クラッチインナ40Aに伝達され、さらに第1クラッチインナ40Aにスプライン嵌合するメイン内軸9Aに伝達される。
第1クラッチインナ40Aの円筒ボス部40abは、ボールベアリング24を介して右クランクケースカバー17に軸支される。
メイン内軸9Aの端部の外周に第1クラッチインナ40Aの円筒ボス部40abが一体にスプライン嵌合され、第1クラッチインナ40Aの円筒ボス部40abの外周に設けられたボールベアリング24を介してメイン内軸9Aの端部が変速機ケースに相当する右クランクケースカバー17に軸支されるので、メイン内軸9Aの端部および第1クラッチインナ40Aのぶれを抑え振れを抑制することができる。
図3ないし図5を参照して、メイン内軸9Aには、左側に開口するメイン軸左側中心孔56と、右側に開口するメイン軸右側中心孔57が設けてある。
右側中心孔57は複数段の内径を有する段付き孔となっている。右側中心孔57には、同軸の2本のパイプ、即ち内側パイプ58と外側パイプ59が挿入されている。
内側パイプ58の左端部はシール部材60Aを介して右側中心孔57の細径部に嵌装され、その右端部はシール部材60Bを介して右クランクケースカバー17に支持され、これらのシール部材60A、60Bを介して内側パイプ58の内外は仕切られている。
外側パイプ59の左端部はシール部材61Aを介して右側中心孔57の大径部に嵌装され、その右端部はシール部材61Bを介して右クランクケースカバー17に支持され、これらのシール部材61A、61Bを介して外側パイプ59の内外は仕切られている。
内側パイプ58の外側と外側パイプ59の内側と右側中心孔57の中径部の内側との間に形成された油路をメイン軸端第1油路62A、内側パイプ58の内孔と右側中心孔57の細径部をつなぐ油路をメイン軸端第2油路62B、外側パイプ59の外側と右側中心孔57の大径部の内側との間に形成された油路をメイン軸端第3油路62Cと名付ける。
メイン軸端第1油路62Aには、右クランクケースカバー17に設けられた第1制御油路71Aが連通している。メイン軸端第2油路62Bには、右クランクケースカバー17に設けられた第2制御油路71Bが連通している。メイン軸端第3油路62Cには、右クランクケースカバー17に設けられた潤滑油路71Cが連通している。
上記内燃機関1は、制御用オイルポンプ13と潤滑用オイルポンプ(図示なし)を備え、また、一対のクラッチに制御用オイルを送るために、第1アクチュエータと第2アクチュエータ(図示なし)を備えている。
制御用オイルポンプ13は、第1アクチュエータを介して、第1制御油路71A、メイン軸端第1油路62A、径方向油路63を経由して第1摩擦クラッチ21Aの加圧室52Aに連なると共に、第2アクチュエータを介して、第2制御油路71B、メイン軸端第2油路62B、径方向油路64を経由して第2クラッチ21Bの加圧室52Bへ連なっている。
第1摩擦クラッチ21Aの加圧室52Aに高圧オイルが供給された時、加圧プレート46はコイルばね51の付勢力に抗して摩擦板群45の方へ動き、摩擦板が圧接され、第1クラッチアウタ37Aの回転が第1クラッチインナ40Aに伝達され、メイン内軸9Aが回転駆動される。
第2クラッチ21Bの加圧室52Bに高圧オイルが供給された時、加圧プレート46はコイルばね51の付勢力に抗して摩擦板群45の方へ動き、摩擦板が圧接され、第2クラッチアウタ37Bの回転が第2クラッチインナ40Bに伝達され、メイン外軸9Bが回転駆動される。
上記一対のクラッチアクチュエータは、一方がONのときには、他方はOFFとされる。
一対のクラッチアクチュエータのいずれをONとするかは、電子コントロールユニット(図示なし)によって自動的に判断される。
潤滑用オイルポンプから吐出されるオイルの一部は、潤滑油路71C、メイン軸端第3油路62C、径方向油路65を介して、第1クラッチ21Aの圧力調整室53Aに供給される。
また、他の一部は、メイン軸左側中心孔56、径方向油路66を介して、第1クラッチ21Aの圧力調整室53Bに供給される。
圧力調整室53A、53Bへ供給されたオイルは、遠心力による加圧室52A、52Bの圧力増加分を圧力調整室53A、53Bのオイルにかかる遠心力による圧力増加分によって相殺し、クラッチOFFを可能にするためのものである。
なお、圧力調整室53A、53Bへ供給されるオイルによって、ニードルベアリング31A、31Bが潤滑される。
潤滑用オイルポンプから吐出されメイン軸左側中心孔56を経由するオイルの一部は、内外に3重に重なるメイン内軸9Aとメイン外軸9Bの端部と第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbの各部位にそれぞれ形成された内外を連通する径方向油路68を経由して、メイン外軸9Bを支えるニードルベアリング27Bと、プライマリ従動歯車20を支えるメタル軸受19を潤滑する。
したがって、プライマリ従動歯車20を軸支するメタル軸受19に潤滑油を最短距離で供給でき十分な潤滑が容易にできる。
なお、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbの内周面には径方向油路68に連通する拡径した内周溝69が形成されているので、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbとメイン外軸9Bとのスプライン嵌合構造に邪魔されることなく、潤滑油は内周溝69を通ってする円筒ボス部40bbの径方向油路68にオイルが流れ、メタル軸受19に円滑に供給される。
以上詳述したように、本実施形態は、第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbを介してプライマリ従動歯車20を支持するメイン外軸9Bの右端部は、その内周においてメイン内軸9Aに対してニードルベアリング27Bを介して支持される構造なので、メイン外軸9Bの右端部の振れは抑制される。
したがって、メイン外軸9Bの肉厚を厚くする必要はなく、かつメイン外軸9Bの端部にプライマリ従動歯車20とともに第2クラッチインナ40Bの円筒ボス部40bbを径方向に重ねて支持することで、メイン外軸9Bの軸方向幅を小さく抑えることができ、メイン外軸9Bの大型化および重量増加を回避することができる。
第2クラッチインナ40Bは、中空円板部40bfに関して円筒ボス部40bbと係合円筒部40bkを互いに軸方向反対側に設けているので、第2摩擦クラッチ21Bをプライマリ従動歯車20に近づけて配置することができ、メイン外軸9Bとともにメイン内軸9Aを短くしてツインクラッチ装置21の小型化を図ることができる。
第1クラッチアウタ37Aと第2クラッチアウタ37Bは、係合円筒部37ak,37bkの開口を互いに反対側に向けて互いの底壁37af,37bfを密着させて一体に溶接されているので、第1摩擦クラッチ21Aと第2摩擦クラッチ21Bを隣接させて軸方向に余分な隙間をなくしてツインクラッチ装置21を軸方向にコンパクトに構成できる。
入力部材組立体76の入力部材38の外周端の係合歯形38aに、第2クラッチアウタ37Bの係合円筒部37bkの係合溝37bvを係合させてともに回転するようにしたので、第2摩擦クラッチ21Bにおいて第2クラッチアウタ37Bの構造に制約を受けることなく第2クラッチインナ40Bを自由に設計でき、その円筒ボス部40bbをプライマリ従動歯車20側に延出してプライマリ従動歯車20を軸支する構造を簡単に構成することができる。
メイン内軸9Aの端部の外周に第1クラッチインナ40Aの円筒ボス部40abが一体にスプライン嵌合され、第1クラッチインナ40Aの円筒ボス部40abの外周に設けられたボールベアリング24を介してメイン内軸9Aの端部が右クランクケースカバー17に軸支されるので、メイン内軸9Aの端部および第1クラッチインナ40Aの振れを抑制することができる。
メイン外軸9Bは、その両端部を内側のメイン内軸9Aにそれぞれニードルベアリング27A,27Bを介して支持されるとともに、その中央部を外側の変速機ケース(クランクケース2)に軸受を介して支持されるので、メイン外軸9Bは両端と中央をバランス良く軸支されて振れを発生する要因をなくして安定して回転自在に軸支される。
プライマリ従動歯車20の内周ボス部端面と第2クラッチインナ40Bの中空円板部40bfとの間に滑動部材55が介装されるので、プライマリ従動歯車20と第2クラッチインナ40Bの相対回転に伴う摩擦による抵抗を滑動部材55が低減してフリクションロスを抑えて互いに円滑な回転を保証することができる。
1…内燃機関、2…クランクケース、7…変速機、8…クランク軸、9…メイン軸、9A…メイン内軸、9B…メイン外軸、10…カウンタ軸、17…右クランクケースカバー、19…メタル軸受、20…プライマリ従動歯車、
21…ツインクラッチ装置、21A…第1摩擦クラッチ、21B…第2摩擦クラッチ、22,23,24…ボールベアリング、27A,27B…ニードルベアリング、
37A…第1クラッチアウタ、37B…第2クラッチアウタ、37C…クラッチアウタ共通ボス部、38…入力部材、
40A…第1クラッチインナ、40ab…円筒ボス部、40B…第2クラッチインナ、40bb…円筒ボス部、40bf…中空円板部、40bk…係合円筒部、
43…駆動摩擦板、44…被動摩擦板、45…摩擦板群、55…滑動部材、68…径方向油路、69…内周溝、
76…入力部材組立体、77…クラッチアウタ組立体。

Claims (9)

  1. 奇数段駆動歯車が設けられるメイン内軸と、
    前記メイン内軸より短く前記メイン内軸に相対回転自在に外嵌され偶数段駆動歯車が設けられるメイン外軸と、
    入力歯車に連動する第1クラッチアウタと前記メイン内軸に一体に嵌合する第1クラッチインナとの間の断接を摩擦板を介して行う第1摩擦クラッチと、
    入力歯車に連動する第2クラッチアウタと前記メイン外軸に一体に嵌合する第2クラッチインナとの間の断接を摩擦板を介して行う第2摩擦クラッチと、を備えたツインクラッチ装置において、
    前記メイン外軸の端部の外周に前記第2クラッチインナの円筒ボス部が一体に嵌合され、
    前記第2クラッチインナの円筒ボス部の外周に軸受を介して前記入力歯車が軸支され、
    前記メイン外軸の前記第2クラッチインナが嵌合される端部は、その内側の前記メイン内軸との間に軸受が介装されて軸支されることを特徴とするツインクラッチ装置。
  2. 前記第2クラッチインナは、
    前記円筒ボス部の一方の開口端部からフランジ状に中空円板部が延出され、
    前記摩擦板を内周側から係合支持する係合円筒部が前記中空円板部の外周端を前記円筒ボス部と軸方向反対側に延出して形成されることを特徴とする請求項1記載のツインクラッチ装置。
  3. 前記第1クラッチアウタと前記第2クラッチアウタがともに底壁と円筒部とで椀状をなし、前記円筒部の開口を互いに反対側に向けて互いの前記底壁を密着させて一体に結合されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のツインクラッチ装置。
  4. 前記入力歯車の動力が、前記第2クラッチアウタの円筒部の開口端部に伝達されることを特徴とする請求項3記載のツインクラッチ装置。
  5. 前記メイン内軸の端部の外周に前記第1クラッチインナの円筒ボス部が一体に嵌合され、
    前記第1クラッチインナの円筒ボス部の外周に設けられた軸受を介して前記メイン内軸の端部が変速機ケースに軸支されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載のツインクラッチ装置。
  6. 前記第2クラッチインナの円筒ボス部に対して前記入力歯車を軸支する軸受をメタル軸受とし、
    内外に3重に重なる前記メイン内軸と前記メイン外軸の端部と前記第2クラッチインナの円筒ボス部の各部位に、内外を連通する径方向油路がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載のツインクラッチ装置。
  7. 前記第2クラッチインナの円筒ボス部の内周面に前記径方向油路に連通する拡径した内周溝が形成されたことを特徴とする請求項6記載のツインクラッチ装置。
  8. 前記メイン外軸は、その両端部を内側の前記メイン内軸にそれぞれ軸受を介して支持されるとともに、その中央部を外側の変速機ケースに軸受を介して支持されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載のツインクラッチ装置。
  9. 前記入力歯車のボス部側面と前記第2クラッチインナの中空円板部との間に滑動部材が介装されることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか記載のツインクラッチ装置。
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