JP2011038095A - ポリオキシアルキレングリコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状エーテルの開環重合によりポリオキシアルキレングリコールを工業的に効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】環状エーテルを開環重合してポリオキシアルキレングリコールを製造するにあたり、比表面積が50〜1,000m/gのカーボン担体に、ヘテロポリ酸が担持された触媒の存在下で開環重合を行なうことを特徴とするポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は環状エーテルを触媒の存在下で開環重合しポリオキシアルキレングリコールを製造する方法に関し、より詳細には、テトラヒドロフランを固体触媒の存在下で開環重合し、ポリオキシテトラメチレングリコールを製造する工業的に有利な方法に関する。
ポリエーテルポリオールの中でも代表的なものとして、ポリオキシアルキレングリコールが挙げられるが、ポリオキシアルキレングリコールは、一般式
HO−[(CH−O]−H
(式中のpは主骨格の繰り返し構成単位の炭素原子数を表し、qはポリオキシアルキレングリコールの重合度を表す。)
で示される両末端に水酸基を有する直鎖ポリエーテルグリコールであり、一般的に環状エーテルの開環重合により製造される。特に工業的に代表的なものとしては、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記することがある)の開環重合でポリオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記することがある。)を製造する方法がある。
PTMGは一般式
HO−[(CH−O]−H
(式中のrはポリオキシテトラメチレングリコールの重合度を表す。)
で示される水酸基を両末端にもつ直鎖ポリエーテルグリコールであり、伸縮性や弾力性が要求されるウレタン系弾性繊維の原料として利用されている他、熱可塑性エラストマー材の原料として利用されている。このような弾性繊維やエラストマー材の原料としての用途には、通常、数平均分子量(以下、Mnと略記することがある)で約500〜3,000程度の中分子量のPTMGが用いられ、工業的に製造されているPTMGには、この範囲の分子量のものが多い。
従来の工業的なPTMGの製造方法としては、原料のTHFを酸触媒存在下で両末端がプロトン酸またはカルボン酸のエステルなどの中間体として、その中間体を加水分解またはアルカリ触媒の存在下でのエステル交換反応により両末端を水酸基とすることによりPTMGを得る方法が主である。酸触媒としては、フルオロスルホン酸(例えば、特許文献1)や複合酸化物(例えば、特許文献2)などが挙げられる。しかしながら、これらの方法では、中間体として得られるエステルを、加水分解、又は、エステル交換反応により両末端を水酸基に変換する反応が必要となるため、反応工程が複雑になり、また加水分解、又は、エステル交換反応を有するため、その工程で多量に廃液が発生し、更にその廃液の処理工程が必要となるため、製造プロセスが複雑になる傾向があった。
上記のように、中間体を製造し、その中間体を加水分解やエステル交換反応を行なう工程を必要とせず、原料のTHFから直接PTMGを得る方法が知られている(例えば、特許文献3)。酸触媒として結晶水の含有量を特定の範囲に制御したヘテロポリ酸を用いて、水又はグリコール、又はPTMGのオリゴマーの存在下でTHFを開環重合によりPTMGを得ている。この方法では、結晶水の制御を厳密に行わなければならない上に、触媒としてヘテロポリ酸を多量に用いなければならず、更に、反応系は均一液相状態であり、触媒相と原料THFの分離工程が必要となる。その他の方法として、ヘテロポリ酸をアルミナや活性炭などの担体上に担持した触媒でPTMGを1段反応で得る方法も知られている(例えば、特許文献4)。しかしながら、得られるPTMGの収率が高くなく、工業的に製造するには十分な方法とは言えなかった。
特開昭58−125718号公報 特開平8−231706号公報 特開昭60−203633号公報 特開昭62−079223号公報
本発明は、環状エーテルの開環重合によりポリオキシアルキレングリコールを工業的に効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ヘテロポリ酸を担体上に担持した固体触媒を使って、環状エーテルからポリオキシアルキレングリコールを得るにあたり、触媒の担体としてある特定構造を持つカーボンからなる担体がポリオキシアルキレングリコールの収率に影響するとの推定の基、比表面積が50〜1,000m/gのカーボン担体に、ヘテロポリ酸が担持された触媒の存在下で開環重合を行なうことで、より簡便なプロセスで、高い収率でポリオキシアルキレングリコールを得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下の[1]〜[7]を要旨とする。
[1]環状エーテルを開環重合してポリオキシアルキレングリコールを製造するにあたり、比表面積が50〜1,000m/gのカーボン担体に、ヘテロポリ酸が担持された触媒の存在下で開環重合を行なうことを特徴とするポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
[2]前記カーボン担体の揮発分が1.40%以下であることを特徴とする[1]に記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
[3]前記カーボン担体に1〜2,000mg/kgの金属が含有されていることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
[4]前記カーボン担体に含まれる金属が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、鉄族金属からなる群より選ばれることを特徴とする[3]に記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
[5]前記ヘテロポリ酸がリンタングステン酸であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
[6]開環重合時に水、及び/又はアルコールを共存させることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
[7]前記環状エーテルがテトラヒドロフランであり、前記ポリオキシアルキレングリコールがポリオキシテトラメチレングリコールであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
本発明によれば、より簡便な方法で効率よく、高い収率で環状エーテルからポリオキシアルキレングリコールを製造することができる。
以下に本発明のポリオキシアルキレングリコールの製造方法の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。
本発明において、環状エーテルとしては、環を構成する炭素原子数が、2〜10のものが挙げられ、具体的には、THF、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロピラン、オキセパン、1,4−ジオキサン等が用いられる。また、3−メチルテトラヒドロフラン等の炭素数1から4程度のアルキル基やハロゲン原子等で置換された環状エーテルも使用できる。これらの中でも特にTHFがPTMGの原料であることから、好適に用いられる。
本発明で用いられるカーボン担体としては、窒素吸着量で求めた比表面積が50m/g以上1,000m/g以下であり、好ましくは80m/g以上800m/g以下、更に好ましくは100m/g以上600m/g以下である。この値が大きくなるほど、細孔径が小さくなる傾向にある。また、一方、この値が小さくなるほど、得られるポリオキシアルキレングリコールの収率が高くなるという傾向にある。
一般的に、固体触媒の担体として用いられる活性炭やゼオライトなどは、窒素吸着量より求めた比表面積が1,000m/g以上のものを用い、これらは、比表面積が大きくなるほど、触媒としての活性が高くなり、得られる生成物の収率も高くなる傾向となり、比表面積が小さいものほど、得られる生成物の収率が低くなる傾向となることが知られている。
本発明では、比表面積が50〜1,000m/gのカーボン担体を用いることで、得られるポリオキシアルキレングリコールの収率が高くなる。この理由は必ずしも明確ではないが、本発明のカーボン担体では、細孔径2ナノメートル以上のメソ孔あるいはマクロ孔を有しており、本発明における触媒活性成分であるヘテロポリ酸の担持や環状エーテル類の開環重合反応に際して好適であること、また、比表面積が高い担体では、細孔径が小さすぎるために比較的大きな分子であるヘテロポリ酸を効果的に担持できなくなり、細孔内での高分子の生成及び成長が困難なためと考えられる。
本発明で用いるカーボン担体としては、炭素以外の構成成分として水素、酸素、窒素等が含まれる。これらの成分は主にカーボン担体表面に存在する、カルボキシル基、水酸基、キノン基として存在する。表面官能基の量は、揮発分から推測され、一般に揮発分が多いほど表面官能基が多くなり、また揮発分が高いほど触媒のpH値が低くなる傾向にある。本発明においては、カーボン担体の揮発分が、一般的には、1.40%以下であり、好ましくは1.00%以下、更に好ましくは0.90%以下である。この値が小さくなるほど、活性成分であるヘテロポリ酸の活性を失うことなく担体上へ担持することができ、且つ、触媒のpH値が中性付近となり、反応液中へのヘテロポリ酸の溶出を抑制できる。
また、本発明で用いるカーボン担体には、アルミニウム、カルシウム、クロム、銅、鉄、カリウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ナトリウム、ニッケル、ケイ素等の金属成分が含まれていてもよく、中でもナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、鉄、ニッケル、マンガンなどの鉄族金属などを含んでいてもよい。これら金属成分はカーボン担体のpH、灰分等の物性に影響するだけではなく、触媒成分であるヘテロポリ酸を中和し、反応活性を低下させるため、できるだけ低濃度であることが好ましい。これら金属成分の濃度は特に限定されないが、通常は、1〜2,000mg/kg、好ましくは1〜1,000mg/kg、特に好ましくは、1〜800mg/kgであることが好ましい。
また、本発明の触媒を用いて、ポリオキシアルキレングリコールを製造する場合の、ヘテロポリ酸の溶出量は、得られたポリオキシアルキレングリコール中のヘテロポリ酸濃度として、1,000ppm以下であり、好ましくは、900ppm以下であり、更に好ましくは850ppm以下である。この量が小さくなるほど、得られる製品ポリオキシアルキレングリコールの品質が高くなり、ポリオキシアルキレングリコールを精製する工程を簡略化することができる。
本発明の開環重合の際に用いる触媒成分であるヘテロポリ酸の種類としては、ケイ素、リン、ヒ素、ゲルマニウム、硫黄、鉄、コバルト等から選ばれる1つ以上の元素からなるオキソ酸と、タングステン、モリブデン、バナジウムから選ばれる1つ以上の元素からなるオキソ酸が縮合して生成するものであればよく、具体的には、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ヒ素タングステン酸、ゲルマニウムタングステン酸等が挙げられ、リンタングステン酸、ケイタングステン酸が好ましく、リンタングステン酸が最も好ましい。また、ヘテロポリ酸の水素イオンの一部または全部が他の陽イオンと置換されたヘテロポリ酸塩も使用することができる。
本発明において、カーボン担体にヘテロポリ酸を担持させる方法には特に制限はなく、公知の方法で可能である。例えば、ヘテロポリ酸を水、メタノール、エタノール、THF等の適当な溶媒や塩酸、硝酸、酢酸等の無機酸、有機酸に溶解し、これにカーボン担体を含浸させ、その後、乾燥させることにより調製することができる。このほかにも、ポアフィリング法、蒸発乾固法、混練法、スプレー法等の方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、触媒を調整する方法としては、特に限定されないが、通常、担持物質であるヘテロポリ酸を水、エタノール、メタノール、THFなどの溶媒に溶解し、この溶液中に担体を含浸させる含浸法で行なわれる。この含浸時の温度は特に限定されないが、ヘテロポリ酸を溶解する溶媒の融点から沸点の範囲で行なうことができる。また、含浸時間は特に限定されないが、通常、30分から10時間の範囲で行なわれる。また、含浸の際は溶液を攪拌しながらヘテロポリ酸を含浸させてもよい。その際の、攪拌条件としては、攪拌の回転数では、60〜300rpmの範囲で行なわれる。
この方法において、ヘテロポリ酸の担持量は、カーボン担体の表面構造により変化するが、触媒重量に対して5重量%から100重量%の範囲内であるのが好ましく、より好ましくは7重量%から90重量%の範囲である。ここで触媒重量に対する重量%とは、ヘテロポリ酸重量をヘテロポリ酸重量とカーボン担体重量の和で割った値である。
ヘテロポリ酸を担持するときの含浸液のヘテロポリ酸濃度は特に制限はないが、1重量%から飽和濃度の範囲内であるのが好ましく、より好ましくは5重量%以上である。
本発明で使用する触媒は、反応前に乾燥して使用することが望ましい。乾燥温度は、好ましくは80℃から350℃の範囲であり、350℃を超えるとヘテロポリ酸の構造崩壊が起こるため好ましくない。また、乾燥を減圧下で行うこともできる。乾燥時間は、一般に30分〜10時間程度である。
本発明の環状エーテルの重合において、分子量を調節するために反応系中に水、及び/又は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類を添加することが好ましい。PTMGの製造においては、水及び/又は1,4−ブタンジオールを添加することが好ましい。このような水やジオール類の使用量は、原料の環状エーテル1モルに対して、通常10−4〜0.5モル、好ましくは10−2〜0.1モル の範囲で添加される。
開環重合反応時に使用される触媒量としては、例えば回分型反応器においては、触媒量が少なすぎると重合速度が遅くなり、逆に多すぎると、重合熱の除去が困難となり、また反応系におけるスラリー濃度が高くなるので、撹拌が困難となり、重合反応終了後の分液にも問題を生じる。従って、油相に対して、通常0.001〜50重量倍、好ましくは0.01から20倍重量の範囲から、回分反応、流通反応等の反応形態から選ばれる。但し、流通反応の場合は、単位時間当たりの油相の供給量に対する触媒の量を表わす。
反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは10〜80℃である。反応圧力は、反応系が液相を保持できるような圧力であればよく、通常常圧から9.8MPaG、好ましくは常圧から4.9MPaGの圧力の範囲から選択される。反応時間は触媒量と収率、経済性の双方を考慮し、0.1〜20時間の範囲、好ましくは0.5〜15時間の範囲が好ましい。ここで言う反応時間とは、回分方式においては、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷却を開始するまでの時間を示し、連続方式においては、反応器中での反応組成液の滞留時間のことを示している。反応器は、槽型、塔型等一般に用いられるものが使用される。
本発明のポリオキシアルキレングリコールの製造方法は、具体的には環状エーテルと水及び/又はアルコール類と触媒を反応器に仕込み撹拌しながら重合させる方法(回分式)、触媒を充填させた反応器に環状エーテルと水及び/又はアルコール類を連続的に供給し連続的に反応液を抜き取っていく方法のいずれでも良い。
本発明の方法により生成するポリオキシアルキレングリコールの分子量分布については、環状エーテルの種類によりその分布位置が異なるため、一般的な特徴を述べるのは難しい。代表的なTHFの重合反応については、数平均分子量(Mn)200〜80,000、中でも200〜40,000、特には500〜3,000程度の低分子量のPTMGが容易に得ることができ、更に分子量分布としての、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が20以下の狭いPTMGを容易に製造することができる。本発明では特徴的に、工業的に需要が大きい、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜4.0、さらに好ましくは1.1〜3.0程度の分子量分布が非常に狭いPTMGも得ることができる。
更に本発明の特徴は、未反応環状エーテルの回収工程、及び得られた重合体の取り出し、及び触媒の再生が容易なことが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
なお、以下において、触媒及びポリオキシアルキレングリコールの物性ないし特性の評価・測定は次の方法により行った。
(1)ヘテロポリ酸担持量
試料10mgとアルカリ混合塩(炭酸ナトリウム:ホウ酸=2:1)1.0gを白金るつぼに秤量し、電気炉で1100℃でアルカリ融解した水溶液を、誘導結合プラズマ発光分光法によりタングステン濃度を測定し、ヘテロポリ酸濃度へ換算した。
(2)担体表面積
試料を真空下(1.3Pa以下)250℃で2時間減圧加熱処理を行なった後、液体窒素温度下で吸着等温線(吸着ガス:窒素)を測定した。得られた吸着等温線を用いてBET多点法解析から比表面積を求めた。
(3)担体表面官能基揮発分
揮発分の測定は、担体の試料を950℃で7分間加熱したときの発生ガスを定量分析値より算出した。
(4)担体金属含有量
担体の試料3gを白金るつぼに秤量し、硫酸を加えて乾式分解したのち、環状炉で灰化を行なった。灰化後、硫酸とフッ酸を加えて加熱溶解した後、希釈した水溶液を誘導結合プラズマ発光分析法により測定した。
(5)PTMG中のヘテロポリ酸濃度
試料4gを白金るつぼに秤量し、蒸発乾固させ、硫酸を加えて乾式分解したのち、電気炉で灰化を行なった。灰化後、アルカリ混合塩(炭酸ナトリウム:ホウ酸=2:1)0.3gを白金るつぼに秤量し、電気炉1100℃でアルカリ融解した水溶液を誘導結合プラズマ発光分析法によりタングステン濃度を測定し、ヘテロポリ酸濃度へ換算した。
<触媒の調製例1>
還流管と温度計を取り付けた100mLの3ツ口フラスコに撹拌子と2.0gのリンタングステン酸n水和物(HPW1240・nHO、n=30、日本無機化学工業株式会社製)をはかりとり、20.0gの脱塩水を加えて溶解させた。これに比表面積384m/gのカーボン(Boreskov Institute of Catalysis 製)4.0g加えた。なお、このカーボンに含まれる金属の種類とその含有量を表2に示す。その後、撹拌しながら100℃まで加熱し、100℃で5時間撹拌し続けてリンタングステン酸を担持させた。5時間経過後、ろ過によりカーボンを回収した。得られたカーボンは脱塩水150gを用いて洗浄した後、デカンテーションによりカーボンを分離する操作を2回繰返した。還流管と温度計をとりつけた500mL 3ツ口フラスコにいれ、脱塩水300gを加えて加熱し、30分間還流させた。還流終了後、デカンテーションしてカーボンを回収し、再度、脱塩水150gを用いて洗浄した後、デカンテーションによりカーボンを分離する操作を2回繰返した。得られたカーボンを、真空下150℃で2時間乾燥させ、リンタングステン酸がカーボン担体に担持した触媒を得た。
<触媒の調製例2>
調製例1において、比表面積384m/gのカーボンの代わりに、比表面積438m/gのカーボン(Boreskov Institute of Catalysis 製)を用いた以外は、製造例1と同じ方法で触媒を調製した。なお、このカーボンに含まれる金属の種類とその含有量を表2に示す。
<触媒の調製例3>
調製例1において、リンタングステン酸n水和物の代わりに、ケイタングステン酸n水和物(HSiW1240・nHO、n=30、日本無機化学工業株式会社製)用いた以外は、同じ方法で触媒を調製した。
<触媒の調製例4>
リンタグステン酸n水和物(HPW1240・nHO、n=30、日本無機化学工業株式会社製)5gをTHF50mLに溶解した。これに、比表面積1160m/gの活性炭(三菱化学カルゴン株式会社製)を25gと撹拌子をいれて、室温で1時間撹拌後、活性炭を濾別した。活性炭はTHF25mLを用いて洗浄した後、再度濾別し、減圧下で乾燥した。乾燥した活性炭は、反応評価前に150℃で2時間真空乾燥を行い、脱水処理を行い、触媒を得た。なお、この活性炭に含まれる金属の種類とその含有量を表2に示す。
<触媒の調製例5>
調製例4において、リンタングステン酸n水和物の代わりに、ケイタングステン酸n水和物(HSiW1240・nHO、n=30、日本無機化学工業株式会社製)を用いた以外は、調整例4と同じ方法で触媒を調製した。
<実施例1>
調製例1で得られたヘテロポリ酸触媒3 0gと1000ppmの水を含むテトラヒドロフラン10gと撹拌子を還流管と温度計を取り付けた100mLの3ツ口フラスコに仕込み、撹拌しながら60℃で6時間THFの開環重合反応を行ない、PTMGを製造した。反応終了後、カーボンと反応液を分離し、反応液をゲル浸透クロマトグラフィーで分析し、PTMG収率、数平均分子量、及び分子量分布を求めた。結果を表1に示す。また、使用した触媒について、ヘテロポリ酸を担持する前の担体の比表面積と担体揮発分、触媒の及びヘテロポリ酸担持量も併せて表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、調製例1で得られた触媒の代わりに、調製例2で得られた触媒を用いた以外は、同様にして反応を行なった。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、調製例1で得られた触媒の代わりに、調製例3で得られた触媒を用いた以外は、同様にして反応を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、調製例1で得られた触媒の代わりに、調製例4で得られた触媒を用いた以外は、同様にして反応を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、調製例1で得られた触媒の代わりに、調製例5で得られた触媒を用いた以外は、同様にして反応を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2011038095
Figure 2011038095

Claims (7)

  1. 環状エーテルを開環重合してポリオキシアルキレングリコールを製造するにあたり、比表面積が50〜1,000m/gのカーボン担体に、ヘテロポリ酸が担持された触媒の存在下で開環重合を行なうことを特徴とするポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
  2. 前記カーボン担体の揮発分が1.40%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
  3. 前記カーボン担体に1〜2,000mg/kgの金属が含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
  4. 前記カーボン担体に含まれる金属が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および、鉄族金属からなる群より選ばれることを特徴とする請求項3に記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
  5. 前記ヘテロポリ酸がリンタングステン酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
  6. 開環重合時に水、及び/又はアルコールを共存させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
  7. 前記環状エーテルがテトラヒドロフランであり、前記ポリオキシアルキレングリコールがポリオキシテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリオキシアルキレングリコールの製造方法。
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