JP2011037601A - エレベータのダブルブレーキ制御システム - Google Patents
エレベータのダブルブレーキ制御システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011037601A JP2011037601A JP2009187631A JP2009187631A JP2011037601A JP 2011037601 A JP2011037601 A JP 2011037601A JP 2009187631 A JP2009187631 A JP 2009187631A JP 2009187631 A JP2009187631 A JP 2009187631A JP 2011037601 A JP2011037601 A JP 2011037601A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake
- coil
- circuit
- contact
- main contact
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
- Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)
Abstract
【課題】充分なブレーキ性能が確保されているか否かについての確認作業を、エレベータ保守会社の保守作業員が容易且つ安全に行えるようにすると共に、乗場ドア付近に設置される主制御盤のスペースの増大を極力抑制する。
【解決手段】保守作業員は、ブレーキ制御回路8に制御電源供給信号を入力させた状態にしておき、この状態で非通電コイル選択指令回路15を操作することにより、第1及び第2のブレーキコイル3,5のうち非通電にしようとするブレーキコイルを自由に選択することができるので、性能を確認しようとするブレーキを自由に選択することができる。そして、主制御盤7内に配設される容量の大きなブレーキ主接点は第1及び第2の主接点13,14の2個のみになるので、その分スペースの増大が抑制される。
【選択図】図1
【解決手段】保守作業員は、ブレーキ制御回路8に制御電源供給信号を入力させた状態にしておき、この状態で非通電コイル選択指令回路15を操作することにより、第1及び第2のブレーキコイル3,5のうち非通電にしようとするブレーキコイルを自由に選択することができるので、性能を確認しようとするブレーキを自由に選択することができる。そして、主制御盤7内に配設される容量の大きなブレーキ主接点は第1及び第2の主接点13,14の2個のみになるので、その分スペースの増大が抑制される。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータのダブルブレーキ制御システムに関するものである。
ダブルブレーキ制御システムとは、例えば特許文献1(図5)又は特許文献2(第1図)に示されているように、ブレーキドラムに対して接触・離間を繰り返す2つのブレーキシューの制御を、2つのブレーキコイル(電磁石)に対する電流供給・電流遮断により行うブレーキ制御システムのことである。
このダブルブレーキ制御システムでは、2つのブレーキコイルに対する電流供給・電流遮断を同時に行うため、ブレーキドラムに対する2つのブレーキシューの接触・離間も同時に行われることになる(特許文献2の場合、乗り心地改善のため2つのブレーキシューの接触タイミングは僅かにずれているが、概略的には同時と見なすことができる)。
図3は、従来のダブルブレーキ制御システムの概略構成図である。ブレーキ装置1は巻上機に隣接して設置されているものであり、第1のブレーキコイル3を持つ第1のブレーキ2、及び第2のブレーキコイル5を持つ第2のブレーキ4を有している。そして、第1のブレーキコイル3及び第2のブレーキコイル5の一端側及び他端側はそれぞれ共通接続されている。
通常運転時に用いられるブレーキ電源回路6は、商用電源からの交流電力を入力し、これを直流電力に変換して出力するようになっている。
主制御盤7は、ブレーキ制御回路8、及びこのブレーキ制御回路8によりオンオフされるブレーキ主接点9(常開接点)を有している。なお、この従来システム及び本発明に係るシステムは、昇降路上方に機械室が設置されないタイプの所謂マシンルームレスエレベータに適用される場合を想定しており、主制御盤7は或る特定階床の乗場ドア付近に設置されている。また、巻上機は昇降路内の最上部に設置されている。
次に、図3の動作につき説明する。乗りかごの停止時にはブレーキ主接点9はオフとなっているので、ブレーキ電源回路6からブレーキコイル3,5に電流が供給されることはない。したがって、この状態では、ブレーキ装置1の2つのブレーキシューがコイルバネ(図示せず)のバネ力によりブレーキドラムに対して圧接されている。つまり、第1のブレーキ2及び第2のブレーキ4は、共にブレーキがかかった状態になっており、巻上機の回転が拘束されるので乗りかごが移動することはない。
しかし、主制御盤7に配設されているエレベータ主制御回路(図示せず)が、乗りかごを移動させるべくブレーキ解除指令をブレーキ制御回路8に出力すると、ブレーキ制御回路8はブレーキ解除制御信号を出力し、それまでオフ状態になっていたブレーキ主接点9をオン状態に切り換える。これにより、ブレーキ電源回路6から出力されるブレーキ電流がブレーキコイル3,5に供給される。すると、それまでコイルバネのバネ力によりブレーキドラムに圧接されていた2つのブレーキシューは、ブレーキコイル3,5の電磁力によってブレーキドラムから離間する。したがって、第1のブレーキ2及び第2のブレーキ4は、共にブレーキが解除された状態になり、巻上機が回転可能になるので乗りかごが移動できるようになる。
ところで、ブレーキ装置1は乗客の安全に直結する重要機器であるため、常に充分なブレーキ性能が確保されているか否かをメンテナンスにより確認しておく必要がある。ここで、ダブルブレーキ制御システムにおける充分なブレーキ性能とは、2つのブレーキのうちの1つが故障したとしても、残りのブレーキにより巻上機の回転すなわち乗りかごの移動を拘束できるだけのブレーキ力が得られていることである。
そのため、従来は、エレベータ保守会社の保守作業員がメンテナンス時に、昇降路内の最上部に登り、2つのブレーキの配線を切り換える作業を行いながらブレーキ性能の確認作業を行っていた。例えば、最初に第2のブレーキコイル5のみにブレーキ電流が流れるように配線作業を行い、第1のブレーキ2だけで巻上機の回転を拘束できるかどうかをチェックするようにし、次いで、第1のブレーキコイル3のみにブレーキ電流が流れるように配線作業を行い、第2のブレーキ4だけで巻上機の回転を拘束できるかどうかをチェックするようにしていた。
上記のように、従来のダブルブレーキ制御システムでは、充分なブレーキ性能が確保されているか否かを確認するために、エレベータ保守会社の保守作業員がメンテナンス時に昇降路最上部に登って、ブレーキ電流の電流経路を切り換えるための配線作業を少なくとも2回行わなければならなかった。しかし、このような昇降路最上部での複数回の配線作業は、保守作業員に対して多大な労力を強いるばかりか、保守作業員の作業上の安全を害する虞もある。
そのため、本願の発明者は、これまでに図4に示す構成を有するシステムを考えるに至っている。すなわち、第1のブレーキコイル用接点10及び第2のブレーキコイル用接点11を主制御盤7内に配設し、これらの接点10,11の一端側を共通接続した状態でブレーキ主接点9に接続し、また、両接点の各他端側を第1及び第2のブレーキコイル3,5に接続した構成である。
このような構成によれば、保守作業員は、第1のブレーキコイル用接点10のみをオフにした状態でブレーキ主接点9をオンにすることにより、第1のブレーキ2だけで巻上機の回転を拘束できるかどうかをチェックすることができ、また、第2のブレーキコイル用接点11のみをオフにした状態でブレーキ主接点9をオンにすることにより、第2のブレーキ4だけで巻上機の回転を拘束できるかどうかをチェックすることができる。したがって、乗場ドア付近に設置された主制御盤7内の機器を操作すればよいので、ブレーキ性能確認作業を容易且つ安全に行うことが可能になる。
しかし、ブレーキ主接点9、第1のブレーキコイル用接点10、及び第2のブレーキコイル用接点11は、いずれもブレーキ電流を流すために大きな接点容量を有するものであり、これら3個の大容量接点を配設するためにはかなりのスペースを必要とする。
一方、既述したように、図4に係るシステムはマシンルームレスエレベータに適用されるものであり、特定階床の乗場ドア付近に設置される主制御盤7には一定のスペース上の制限が課されている。したがって、図4の構成のように、3個の大容量接点を主制御盤7内に配設するためには、主制御盤7内に配設される他の機器の配置構成を変えなければならない場合が出てくるなど、設計上は非常に不利になる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、充分なブレーキ性能が確保されているか否かについての確認作業を、エレベータ保守会社の保守作業員が容易且つ安全に行えるようにすると共に、乗場ドア付近に設置される主制御盤のスペースの増大を極力抑制することができるエレベータのダブルブレーキ制御システムを提供することを目的としている。
本発明は上記課題を解決するための手段として、第1のブレーキコイル及び第2のブレーキコイルを有するブレーキ装置と、第1のブレーキコイル及び第2のブレーキコイルに供給するためのブレーキ電流を出力するブレーキ電源回路と、一端側が前記第1のブレーキコイルに接続され他端側がブレーキ電源回路の出力側に接続された第1の主接点、及び一端側が第2の第2のブレーキコイルに接続され他端側が第1の主接点の他端側と共にブレーキ電源回路の出力側に接続された第2の主接点を含んで成るブレーキ主接点回路と、通常運転時は第1の主接点及び第2の主接点のオンオフを同時に制御することにより、第1のブレーキコイル及び第2のブレーキコイルに対する通電制御を一括して行うブレーキ制御回路と、メンテナンス時に第1のブレーキコイル又は第2のブレーキコイルのうち非通電の対象とするコイルの選択指令をブレーキ制御回路に出力し、これにより第1の主接点又は第2の主接点のうちのいずれか一方のみに対する非通電動作をブレーキ制御回路に行わせる非通電コイル選択指令回路と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、充分なブレーキ性能が確保されているか否かについての確認作業を、エレベータ保守会社の保守作業員が容易且つ安全に行うことができると共に、乗場ドア付近に設置される主制御盤のスペースの増大を極力抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るダブルブレーキ制御システムの構成図である。図1が図4と異なる点は主制御盤7の構成である。この主制御盤7は、ブレーキ制御回路8と、第1の主接点13及び第2の主接点14を有するブレーキ主接点回路12と、非通電コイル選択指令回路15とを含んで構成されている。
ブレーキ主接点回路12において、第1の主接点13(常開接点)は、一端側が第1のブレーキコイル3に接続され他端側がブレーキ電源回路6の出力側に接続されており、また、第2の主接点14(常開接点)は、一端側が第2のブレーキコイル5に接続され他端側が第1の主接点13の他端側と共にブレーキ電源回路6の出力側に接続されている。
ブレーキ制御回路8は、通常運転時には図示を省略してあるエレベータ主制御回路からのブレーキ解除指令S0により、ブレーキ解除制御信号S1,S2を出力して第1及び第2の主接点13,14を同時にオンさせるようになっている。また、このブレーキ制御回路8には、メンテナンス時に保守作業員が手動操作で制御電源供給信号を入力できるようになっている。
非通電コイル選択指令回路15は、メンテナンス時のブレーキ性能確認作業においてエレベータ保守会社の保守作業員が用いるものであり、保守作業員の操作によってブレーキ制御回路8に第1及び第2の非通電コイル選択指令S10,S20を出力するものである。
そして、ブレーキ制御回路8は、上記の制御電源供給信号を入力した状態で第1の非通電コイル選択指令S10を入力するとブレーキ解除制御信号S1を出力しないことによって第1の主接点13のみをオフにし、第2の非通電コイル選択指令S20を入力するとブレーキ解除制御信号S2を出力しないことによって第2の主接点14のみをオフするようになっている。
したがって、保守作業員は、ブレーキ制御回路8に制御電源供給信号を入力させた状態にしておき、この状態で非通電コイル選択指令回路15を操作することにより、第1及び第2のブレーキコイル3,5のうち非通電にしようとするブレーキコイルを自由に選択することができるので、性能を確認しようとするブレーキを自由に選択することができる。つまり、第1のブレーキ2の性能を確認するのであれば第1の非通電コイル選択指令S10を出力して第1のブレーキコイル3を非通電とすればよく、また、第2のブレーキ4の性能を確認するのであれば第2の非通電コイル選択指令S20を出力して第2のブレーキコイル5を非通電とすればよい。
そして、主制御盤7内に配設される容量の大きなブレーキ主接点は第1及び第2の主接点13,14の2個であり、図4における3個よりも1個少なくなっているので、その分スペースの増大が抑制されている。したがって、本実施形態によれば、充分なブレーキ性能が確保されているか否かについての確認作業を、エレベータ保守会社の保守作業員が容易且つ安全に行えるようにすると共に、乗場ドア付近に設置される主制御盤のスペースの増大を極力抑制することができる。
図2は、図1における主制御盤7内に配設される各回路を詳細に示した部分構成図である。なお、ブレーキ制御回路8及び非通電コイル選択指令回路15に電源供給を行っている制御電源回路16は、図1においては図示が省略されていたものである。
ブレーキ制御回路8において、常閉接点17及びコイルX1から成る第1の直列接続体、並びに常閉接点18及びコイルX2から成る第2の直列接続体の各一端側及び各他端側が共通接続されている。これら第1及び第2の直列接続体の一端側の共通接続点は安全回路19及びメンテナンス用切換接点20を介してPラインに接続され、他端側の共通接続点はNラインに接続されている。また、Pラインにはエレベータ主制御回路からのブレーキ解除指令S0によりオンされる常開接点21が介挿されている。更に、上記一端側の共通接続点とPラインとの間にはメンテナンス用切換接点22が介挿されている。
なお、安全回路19は周知のものであり、かごドア及び全階床の乗場ドアが全閉状態にあることなど、ブレーキ解除のための所定条件が成立した場合に、Pラインからの電流のコイルX1,X2に対する励磁電流供給を許容するものである。
メンテナンス用切換接点20は、通常運転時はオンになっており、メンテナンス時に保守作業員が手動操作によりオフするものである。これはメンテナンス作業中にエレベータ主制御回路からブレーキ解除指令S0が出力されて常開接点21がオンになっても、ブレーキが解除されて乗りかごが移動してしまうのを防止するためのものである。
メンテナンス用切換接点22は、通常運転時はオフになっており、メンテナンス時に保守作業員が手動操作でオンにするものである。これはブレーキ性能確認作業のためのコイルX1,X2への励磁電流供給を可能にするためのものである。つまり、このメンテナンス用切換接点22は、図1における制御電源供給信号の生成手段となるものである。
そして、コイルX1が励磁されると、この励磁によりブレーキ解除制御信号S1が発生して第1の主接点13がオンとなり、また、コイルX2が励磁されると、この励磁によりブレーキ解除制御信号S2が発生して第2の主接点14がオンとなるようになっている。
また、非通電コイル選択指令回路15において、接続端子T1〜T4が固設されている。接続端子T1,T3はPラインに接続され、接続端子T2,T4はそれぞれコイルSX1,SX2の各一端側に接続されている。コイルSX1,SX2の各他端側は共通接続され、その共通接続点はNラインに接続されている。これらのコイルSX1,SX2が励磁されると、この励磁により第1及び第2の非通電コイル選択指令S10,S20が発生して常閉接点17,18をオフするようになっている。
そして、接続端子T1,T3と接続端子T2,T4との間に、第1の切換接点24及び第2の切換接点25から成る携帯式選択スイッチ回路23が着脱可能に取り付けられ、接続端子T1,T2間及び接続端子T3,T4間の導通・非導通が切換接点24,25の操作により切り換えることが可能になっている。この携帯式選択スイッチ回路23は、通常運転時にはこれらの接続端子T1〜T4から取り外され、主制御盤7内の適当な空きスペースに格納されている。
また、この携帯式選択スイッチ回路23は、保守作業員の作業用バンド等に装着可能なものであり、第1及び第2の切換接点24,25の一端側端子と接続端子T1,T3との間、並びに第1及び第2の切換接点24,25の他端側端子と接続端子T2,T4との間が長目の配線材で接続されている。したがって、保守作業員は、主制御盤7からある程度の距離だけ離れた状態で第1及び第2の切換接点24,25の操作を行うことができるので、ブレーキ性能確認作業を行う上で便利になっている。
次に、図2の動作につき説明する。通常運転時において、エレベータ主制御回路(図示せず)が、停止中の乗りかごを移動させるべくブレーキ解除指令S0を出力すると、これを受けて常開接点21がオンになる。したがって、メンテナンス用切換接点20及び安全回路19を介して、常閉接点17及びコイルX1から成る第1の直列接続体、並びに常閉接点18及びコイルX2から成る第2の直列接続体に制御電源回路16からのコイル励磁電流が流れる。なお、前述したように、通常運転時には、携帯式選択スイッチ回路23は接続端子T1〜T4から取り外され、主制御盤7内の適当な空きスペースに格納されている。
そして、コイルX1,X2の励磁によってブレーキ解除制御信号S1,S2が発生し、第1及び第2の主接点13,14が同時にオフからオンに切り換わる。これにより、第1及び第2のブレーキコイル3,5にブレーキ電流が流れ、第1のブレーキ2及び第2のブレーキ4は同時にブレーキ解除の状態となって乗りかごの移動が可能になる。
次に、保守作業員のメンテナンス時におけるブレーキ性能確認作業につき説明する。まず、保守作業員は、乗りかごが停止中であることを確認した後、主制御盤7の扉を開き、メンテナンス用切換接点20をオンからオフに切り換える。これにより、保守作業員のメンテナンス作業中に、第三者が誤ってエレベータ主制御回路からブレーキ解除指令S0を出力させてしまい、常開接点21がオンになってもブレーキが解除されて乗りかごが動き出すのを防止できる。
次いで、保守作業員は、主制御盤7内の適当な空きスペースに格納されている携帯式選択スイッチ回路23を取り出し、これを長目の配線材により接続端子T1〜T4に接続した後、自己の作業用バンドに装着する。
そして、保守作業員はブレーキ性能確認作業を開始するにあたり、第1の切換接点24及び第2の切換接点25の双方をオンにしておく。これにより、コイルSX1,SX2が励磁状態となり、非通電コイル選択指令回路15からは第1及び第2の非通電コイル選択指令S10,S20の双方が発生し、常閉接点17,18が共にオンからオフに切り換わる。
次いで、保守作業員は手動操作により、それまでオフになっていたメンテナンス用切換接点22をオンに切り換える。これにより制御電源回路16からの励磁電流をコイルX1,X2に供給可能な状態にすることができたが、この時点では常閉接点17,18の双方がオフになっているので、コイルX1,X2は双方共に非励磁状態である。
そして、保守作業員は、最初に性能をチェックしようとする方のブレーキ(第1のブレーキ2)に対応する第1の切換接点24のみをオンに維持した状態で、他方の第2の切換接点25をオンからオフに切り換える。これにより、コイルSX2は非励磁となって第2の非通電コイル選択指令S20は発生しなくなり、非通電コイル選択指令回路15からは第1の非通電コイル選択指令S10のみが出力される。したがって、常閉接点18のみがオフからオンに復帰する。
常閉接点18がオンに復帰すると、制御電源回路16からの励磁電流がメンテナンス用切換接点22及び常閉接点18を介してコイルX2に流れるのでブレーキ解除制御信号S2が発生する。これにより、第2の主接点14のみがオフからオンに切り換わり、第2のブレーキコイル5のみにブレーキ電源回路6からのブレーキ電流が流れるので、第2のブレーキ4は解除状態となる。つまり、第1のブレーキコイル3は非通電となり第1のブレーキ2のみブレーキがかかった状態となる。この状態で保守作業員は、乗りかごの移動が生じていないかどうかを視認すること等により第1のブレーキ2のブレーキ性能が充分であるか否かを判別することができる。
次いで、保守作業員は、第1のブレーキ2のブレーキ性能を確認した後、第2の切換接点25を再度オンにする(第1の切換接点24もオンのままである)。これにより、コイルSX2は励磁状態となって第2の非通電コイル選択指令S20が発生し、非通電コイル選択指令回路15からは第1及び第2の非通電コイル選択指令S10,S20の双方が再び発生し、常閉接点17,18が共にオフとなる(第2の主接点14はオンからオフに復帰する)。
そして、保守作業員は、未だ性能をチェックしていない方のブレーキ(第2のブレーキ4)に対応する第2の切換接点25のみをオンに維持した状態で、他方の第1の切換接点24をオンからオフに切り換える。これにより、コイルSX1は非励磁となって第1の非通電コイル選択指令S10は発生しなくなり、非通電コイル選択指令回路15からは第2の非通電コイル選択指令S20のみが出力される。したがって、常閉接点17のみがオフからオンに復帰し、常閉接点18はオフのままである。
常閉接点17がオンに復帰すると、制御電源回路16からの励磁電流がメンテナンス用切換接点22及び常閉接点17を介してコイルX1に流れるのでブレーキ解除制御信号S1が発生する。これにより、第1の主接点13のみがオフからオンに切り換わり、第1のブレーキコイル3のみにブレーキ電源回路6からのブレーキ電流が流れるので、第1のブレーキ2は解除状態となる。つまり、第2のブレーキコイル5は非通電となり第2のブレーキ4のみブレーキがかかった状態となる。この状態で保守作業員は、乗りかごの移動が生じていないかどうかを視認すること等により第2のブレーキ4のブレーキ性能が充分であるか否かを判別することができる。
保守作業員は、上記のようにして、第1のブレーキ2及び第2のブレーキ4の双方のブレーキ性能を確認した後、メンテナンス用切換接点22をオンからオフに切り換える。保守作業員は、更に、携帯式選択スイッチ回路23の配線材と接続端子T1〜T4との接続を解除すると共に、自己の作業用バンドに装着していた携帯式選択スイッチ回路23を取り外し、これを主制御盤7内の元の空きスペースに格納する。そして、メンテナンス用切換接点20をオフからオンに切り換え、主制御盤7の扉を閉めることによりブレーキ性能確認作業を終了する。
なお、図2では、ブレーキ制御回路8及び非通電コイル選択指令回路15を、リレーコイル及びリレー接点等により構成した例を示したが、これらの回路を半導体素子等を用いて構成してもよい。また、携帯式選択スイッチ回路23は、勿論、固定式のものであってもよい。
1:ブレーキ装置
2:第1のブレーキ
3:第1のブレーキコイル
4:第2のブレーキ
5:第2のブレーキコイル
6:ブレーキ電源回路
7:主制御盤
8:ブレーキ制御回路
9:ブレーキ主接点
10:第1のブレーキコイル用接点
11:第2のブレーキコイル用接点
12:ブレーキ主接点回路
13:第1の主接点
14:第2の主接点
15:非通電コイル選択指令回路
16:制御電源回路
17:常閉接点
18:常閉接点
19:安全回路
20:メンテナンス用切換接点
21:常開接点
22:メンテナンス用切換接点
23:携帯式選択スイッチ回路
24:第1の切換接点
25:第2の切換接点
S0:ブレーキ解除指令
S1,S2:ブレーキ解除制御信号
S10:第1の非通電コイル選択指令
S20:第2の非通電コイル選択指令
X1,X2:コイル
SX1,SX2:コイル
T1〜T4:接続端子
2:第1のブレーキ
3:第1のブレーキコイル
4:第2のブレーキ
5:第2のブレーキコイル
6:ブレーキ電源回路
7:主制御盤
8:ブレーキ制御回路
9:ブレーキ主接点
10:第1のブレーキコイル用接点
11:第2のブレーキコイル用接点
12:ブレーキ主接点回路
13:第1の主接点
14:第2の主接点
15:非通電コイル選択指令回路
16:制御電源回路
17:常閉接点
18:常閉接点
19:安全回路
20:メンテナンス用切換接点
21:常開接点
22:メンテナンス用切換接点
23:携帯式選択スイッチ回路
24:第1の切換接点
25:第2の切換接点
S0:ブレーキ解除指令
S1,S2:ブレーキ解除制御信号
S10:第1の非通電コイル選択指令
S20:第2の非通電コイル選択指令
X1,X2:コイル
SX1,SX2:コイル
T1〜T4:接続端子
Claims (2)
- 第1のブレーキコイル及び第2のブレーキコイルを有するブレーキ装置と、
前記第1のブレーキコイル及び第2のブレーキコイルに供給するためのブレーキ電流を出力するブレーキ電源回路と、
一端側が前記第1のブレーキコイルに接続され他端側が前記ブレーキ電源回路の出力側に接続された第1の主接点、及び一端側が前記第2の第2のブレーキコイルに接続され他端側が前記第1の主接点の他端側と共に前記ブレーキ電源回路の出力側に接続された第2の主接点を含んで成るブレーキ主接点回路と、
通常運転時は前記第1の主接点及び第2の主接点のオンオフを同時に制御することにより、前記第1のブレーキコイル及び第2のブレーキコイルに対する通電制御を一括して行うブレーキ制御回路と、
メンテナンス時に前記第1のブレーキコイル又は第2のブレーキコイルのうち非通電の対象とするコイルの選択指令を前記ブレーキ制御回路に出力し、これにより前記第1の主接点又は第2の主接点のうちのいずれか一方のみに対する非通電動作を前記ブレーキ制御回路に行わせる非通電コイル選択指令回路と、
を備えたことを特徴とするエレベータのダブルブレーキ制御システム。 - 前記非通電コイル選択指令回路15は、制御電源に接続された接続端子と、この接続端子に対する着脱が可能で、且つ前記非通電の対象とするコイルの選択指令を出力するための第1の切換接点及び第2の切換接点から成る携帯式選択スイッチ回路とを有する、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータのダブルブレーキ制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009187631A JP2011037601A (ja) | 2009-08-13 | 2009-08-13 | エレベータのダブルブレーキ制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009187631A JP2011037601A (ja) | 2009-08-13 | 2009-08-13 | エレベータのダブルブレーキ制御システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011037601A true JP2011037601A (ja) | 2011-02-24 |
Family
ID=43765818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009187631A Pending JP2011037601A (ja) | 2009-08-13 | 2009-08-13 | エレベータのダブルブレーキ制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011037601A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104692206A (zh) * | 2013-12-03 | 2015-06-10 | 株式会社日立制作所 | 电梯的维修检查用制动器控制装置 |
JP2019001632A (ja) * | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 解放装置及びブレーキスイッチ調整装置 |
-
2009
- 2009-08-13 JP JP2009187631A patent/JP2011037601A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104692206A (zh) * | 2013-12-03 | 2015-06-10 | 株式会社日立制作所 | 电梯的维修检查用制动器控制装置 |
JP2015107845A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-06-11 | 株式会社日立製作所 | エレベーターの保守点検用ブレーキ制御装置 |
JP2019001632A (ja) * | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 | 解放装置及びブレーキスイッチ調整装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4987074B2 (ja) | エレベータ装置 | |
JP5197745B2 (ja) | エレベータ装置及びその運転方法 | |
JP4566992B2 (ja) | エレベータ安全装置 | |
EP2763925B1 (en) | Elevator brake control | |
CN107428498B (zh) | 制动控制设备和控制电梯制动器的方法 | |
JP2008207898A (ja) | エレベータの制御装置 | |
JP4441247B2 (ja) | エレベータの制御装置 | |
JP2011037601A (ja) | エレベータのダブルブレーキ制御システム | |
JP2008230757A (ja) | 機械室レスエレベータシステム | |
JP2011037600A (ja) | エレベータのダブルブレーキ制御システム | |
JP5556134B2 (ja) | エレベータの戸開走行検出装置 | |
KR101338843B1 (ko) | 엘리베이터 장치 | |
JP2014054695A (ja) | 産業用ロボットのブレーキ解除回路及び産業用ロボットのブレーキ解除回路の使用方法 | |
JP5220126B2 (ja) | エレベータの安全回路装置 | |
JP2007062853A (ja) | エレベータ | |
EP3480155B1 (en) | Elevator system | |
JP5392680B2 (ja) | エレベータ用ブレーキ装置、およびエレベータの安全確認方法 | |
JPWO2011010356A1 (ja) | エレベータの制御装置 | |
JP2012006683A (ja) | エレベータ | |
JP2008162799A (ja) | エレベータの制御装置 | |
WO2017009918A1 (ja) | エレベータ巻上機用制動装置 | |
WO2024004086A1 (ja) | エレベータ装置 | |
JP6522184B1 (ja) | エレベータ制御装置及び電圧異常時におけるエレベータ運転方法 | |
JP2005206325A (ja) | エレベータの制御装置 | |
JP2005280888A (ja) | エレベータ制御装置 |