JP2011037498A - 多層容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリプロピレンを主成分とする層(X)、接着性熱可塑性樹脂からなる接着層(Y)、及びポリアミド樹脂組成物(P)からなるガスバリア層(Z)が内層から外層へこの順に積層された3層以上の層構成を有する多層容器であって、前記ポリアミド樹脂組成物(P)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とアジピン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とからなるポリアミド樹脂(A)60乃至90質量%、及びポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(B)40乃至10質量%からなるポリアミド樹脂組成物(M)80乃至99.9質量%と、脂肪族ポリアミド樹脂(C)20乃至0.1質量%とを含む多層容器。
【選択図】なし
Description
前記3層の外側に更に接着層やPP層、あるいは別の樹脂からなる層が積層されていてもよい。例えば、多層容器に特徴を持たせるためにPP層の表側に、ポリカーボネートや各種イージーピール性樹脂からなる熱可塑性樹脂層を積層することができる。これらに限らず、目的に応じて様々な熱可塑性樹脂層を積層することが可能である。本発明の多層容器は、PP層/接着層/ガスバリア層/接着層/PP層の5層構造であることが好ましい。
また、前記3層がその順に積層されていればよく、その層間に中間層が積層されていてもよい。例えば、多層シート及び多層容器製造時にトリミングしてできたトリミングくずを粉砕して、粉砕物を単独で、又はPPや他の熱可塑性樹脂と混合してリサイクル樹脂層として、PP層と接着層との間に中間層として積層することができる。
本発明において、「ポリプロピレンを主成分とする」とは、ポリプロピレンを50質量%以上含むことを意味し、好ましくは70質量%以上である。PP層には本発明の効果を損なわない範囲でポリプロピレンの酸化劣化を防止するための酸化防止剤や艶消剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶化核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を加えることができる。また、場合によってはポリプロピレンの物性を改質するためにポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体等の熱可塑性樹脂を加えることもできる。
PP層(X)の厚さは特に限定されないが、強度及びコストの観点から、20〜2000μmが好ましく、50〜1000μmがより好ましい。
接着層(Y)の厚さは特に限定されないが、接着性及びコストの観点から、1〜200μmが好ましく、5〜100μmがより好ましい。
ガスバリア層(Z)の厚さは特に限定されないが、ガスバリア性、透明性及びコストの観点から、1〜400μmが好ましく、5〜150μmがより好ましい。また、本発明の多層容器におけるガスバリア層(Z)の厚みは、ガスバリア性、透明性及びコストの観点から、多層容器の総厚みに対して2〜20%の範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜18%であり、さらに好ましくは5〜15%である。
ポリアミド樹脂(A)は、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とアジピン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とからなる。
ポリアミド樹脂(A)中のジアミン単位は、優れたガスバリア性を発現させる観点から、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含み、好ましくは80モル%以上100モル%以下、より好ましくは90モル%以上100モル%以下である。メタキシリレンジアミン単位以外のジアミン単位を構成しうる化合物としては、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミド樹脂(A)は、溶融重合法により重縮合した後、さらに固相重合することにより製造されたものであることが好ましい。溶融重縮合法としては、例えばジアミン成分とジカルボン酸成分とからなるナイロン塩を、水の存在下に加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法が挙げられる。また、ジアミン成分を溶融状態のジカルボン酸成分に直接加えて、重縮合する方法を挙げることもできる。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミド樹脂の融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ重縮合が進められる。
固相重合は、溶融重縮合で得られたポリマーを一旦取り出した後に行うことが好ましい。固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱装置よりも、気密性に優れ高度に酸素とポリアミド樹脂との接触を絶つことができる回分式加熱装置が好ましく、特にタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ポリアミド樹脂(C)の具体例としては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,66、ナイロン4,6等が挙げられるが、溶融加工時の融点、結晶化速度の点からナイロン6が好ましい。
ポリアミド樹脂組成物(P)の、脱偏光光度法による160℃での結晶化における半結晶化時間(ST(P))は、本発明の多層容器を熱成形する際における結晶化速度の指標であり、熱成形性、ガスバリア性及び白化抑制効果の観点から、30秒以上300秒以下の範囲が好ましく、35秒以上200秒以下の範囲がより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物(M)及び脂肪族ポリアミド樹脂(C)の、脱偏光光度法による120℃での結晶化における半結晶化時間の比(ST(M)/ST(C))は、本発明の多層容器を加熱殺菌処理する際における結晶化速度の指標であり、ガスバリア性及び白化抑制効果の観点から、10秒以上1000秒以下の範囲が好ましく、50秒以上800秒以下の範囲がより好ましい。
脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、ステアリン酸(炭素数18)、エイコ酸(炭素数20)、ベヘン酸(炭素数22)、モンタン酸(炭素数28)、トリアコンタン酸(炭素数30)などの直鎖飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸と塩を形成する金属に特に制限はないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛等が例示でき、これらの中でもナトリウム、カリウム、及びリチウム、カルシウム、アルミニウム、及び亜鉛が特に好ましい。
脂肪酸金属塩の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム等が例示でき、これらの中でも、白化抑制効果の観点から、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸カルシウムが好ましい。上記脂肪酸金属塩は、1種類のみを含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
ジアミド化合物の脂肪酸成分としては、側鎖や二重結合があってもよいが直鎖脂肪酸が好ましく、ステアリン酸(炭素数18)、エイコ酸(炭素数20)、ベヘン酸(炭素数22)、モンタン酸(炭素数28)、トリアコンタン酸(炭素数30)等が例示できる。ジアミド化合物のジアミン成分としては、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示できる。
ジアミド化合物としては、炭素数8〜30の脂肪酸と主としてエチレンジアミンからなるジアミンとから得られるジアミド化合物、又は主としてモンタン酸からなる脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンとから得られるジアミド化合物が好ましく、主としてステアリン酸からなる脂肪酸と主としてエチレンジアミンからなるジアミンとから得られるジアミド化合物が特に好ましい。ジアミド化合物は1種類のみを含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
ジエステル化合物の脂肪酸成分としては、上記ジアミド化合物の脂肪酸成分と同様である。ジエステル化合物のジオール成分としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。
ジエステル化合物としては、炭素数8〜30の脂肪酸と主としてエチレングリコール及び/又は1,3−ブタンジオールからなるジオールとから得られるジエステル化合物が好ましく、主としてモンタン酸からなる脂肪酸と主としてエチレングリコール及び/又は1,3−ブタンジオールからなるジオールとから得られるジエステル化合物が特に好ましい。ジエステル化合物は1種類のみを含有してもよく、2種以上を組み合わせて含有してもよい。
(1)半結晶化時間
脱偏光光度法により測定した。具体的には、ポリマー結晶化速度測定装置(コタキ製作所製、形式:MK701)を使用し、以下の条件で測定した。
試料溶融温度:270℃
試料溶融時間:3分
結晶化油浴温度:120℃又は160℃
(2)ガスバリア性
ASTM D3985に準じて測定した。具体的には、酸素透過率測定装置(OX−TRAN 10/50A、商品名、モダンコントロールズ社製)を使用し、ガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数(ml・mm/m2・day・atm)を測定した。
(3)ヘイズ
レトルト食品用オートクレーブ(SR−240、商品名、(株)トミー精工製)を用いて多層容器を121℃30分レトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部を切り出し、JIS K−7105に準じてヘイズを測定した。なお、前記レトルト処理時間には加熱及び冷却時間は含まれない。測定装置は、色彩・濁度測定器(商品名:COH−300A、日本電色工業社製)を使用した。ヘイズ測定箇所における厚さを測定し、厚さ300μmに換算した値とした。
まず、メタキシリレンジアミン単位とアジピン酸単位とからなるN−MXD6(三菱ガス化学社製、商品名:S6007)(ポリアミド樹脂(A1))及びN−6T/6I(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ノバミッドX21)(ポリアミド樹脂(B1))を単軸押出機に投入して混練、ペレット化することで、ポリアミド樹脂(A1)80質量%とポリアミド樹脂(B1)20質量%とからなるポリアミド樹脂組成物(M1)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(M1)の120℃での結晶化における半結晶化時間ST(M1)は600秒であった。
次に、前記ポリアミド樹脂組成物(M1)及びナイロン6(宇部興産社製、商品名:UBEナイロン、グレード名:1015B)(ポリアミド樹脂(C1))を単軸押出機に投入して混練、ペレット化することで、ポリアミド樹脂組成物(M1)99質量%とポリアミド樹脂(C1)1質量%とからなるポリアミド樹脂組成物(P1)を調製した。ポリアミド樹脂(C1)の120℃での結晶化における半結晶化時間ST(C1)は6秒であった。また、ポリアミド樹脂組成物(P1)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P1)は38秒であった。
得られたポリアミド樹脂組成物(P1)を単軸押出機にて押し出し、膜厚50μmのガスバリアフィルムを作製した。ポリアミド樹脂組成物(P1)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.14ml・mm/m2・day・atmであった。
次いで、プラグアシストを備えた圧空真空成形機を使用して、シート表面温度が170℃に達した時点で熱成形を行い、口径62mm×底径52mm×深さ27mm、表面積70cm2、容積70mlのカップ状容器を作製した。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂組成物(M1)及びポリアミド樹脂(C1)の含有比を、ポリアミド樹脂組成物(M1)95質量%及びポリアミド樹脂(C1)5質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物(P2)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(P2)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P2)は37秒であった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(P2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルム、多層シート及びカップ状容器を作製した。ポリアミド樹脂組成物(P2)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.15ml・mm/m2・day・atmであった。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂組成物(M1)及びポリアミド樹脂(C1)の含有比を、ポリアミド樹脂組成物(M1)90質量%及びポリアミド樹脂(C1)10質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物(P3)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(P3)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P3)は36秒であった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(P3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルム、多層シート及びカップ状容器を作製した。ポリアミド樹脂組成物(P3)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.17ml・mm/m2・day・atmであった。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂組成物(M1)及びポリアミド樹脂(C1)の合計100質量部に対して、ステアリン酸カルシウム0.5質量部を添加したこと以外は実施例2と同様にしてポリアミド樹脂組成物(P4)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(P4)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P4)は37秒であった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(P4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルム、多層シート及びカップ状容器を作製した。ポリアミド樹脂組成物(P4)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.15ml・mm/m2・day・atmであった。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂組成物(M1)及びポリアミド樹脂(C1)の合計100質量部に対して、変性エチレンビスステアリルアミド(共栄社化学製、商品名:WH−255)0.02質量部を添加したこと以外は実施例2と同様にしてポリアミド樹脂組成物(P5)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(P5)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P5)は37秒であった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(P5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルム、多層シート及びカップ状容器を作製した。ポリアミド樹脂組成物(P5)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.15ml・mm/m2・day・atmであった。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表1に示す。
変性エチレンビスステアリルアミドの添加量を0.5質量部に変更したこと以外は実施例5と同様にしてポリアミド樹脂組成物(P6)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(P6)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P6)は36秒であった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(P6)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルム、多層シート及びカップ状容器を作製した。ポリアミド樹脂組成物(P6)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.15ml・mm/m2・day・atmであった。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂(A1)を単軸押出機にて押し出し、膜厚50μmのフィルムを作製した。ポリアミド樹脂(A1)の120℃での結晶化における半結晶化時間は690秒であり、160℃での結晶化における半結晶化時間は25秒であった。また、ポリアミド樹脂(A1)からなるフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.09ml・mm/m2・day・atmであった。
ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂(A1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、多層シート及びカップ状容器を作製しようとしたが、熱成形時に伸びムラを生じたため、容器を作製することができなかった。
ポリアミド樹脂組成物(M1)を単軸押出機にて押し出し、膜厚50μmのガスバリアフィルムを作製した。ポリアミド樹脂組成物(M1)の160℃での結晶化における半結晶化時間は40秒であった。ポリアミド樹脂組成物(M1)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.13ml・mm/m2・day・atmであった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(M1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、多層シート及びカップ状容器を作製した。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表2に示す。
ポリアミド樹脂組成物(M1)及びポリアミド樹脂(C1)の含有比を、ポリアミド樹脂組成物(M1)75質量%及びポリアミド樹脂(C1)25質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物(P7)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(P7)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P7)は30秒であった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(P7)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルム、多層シート及びカップ状容器を作製した。ポリアミド樹脂組成物(P7)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.21ml・mm/m2・day・atmであった。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表2に示す。
ポリアミド樹脂組成物(M1)100質量部に対して、変性エチレンビスステアリルアミド(共栄社化学製、商品名:WH−255)0.5質量部を添加したこと以外は比較例2と同様にしてポリアミド樹脂組成物(P8)を調製した。ポリアミド樹脂組成物(P8)の160℃での結晶化における半結晶化時間ST(P8)は40秒であった。
また、ポリアミド樹脂組成物(P1)をポリアミド樹脂組成物(P8)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリアフィルム、多層シート及びカップ状容器を作製した。ポリアミド樹脂組成物(P8)からなるガスバリアフィルムの23℃60%RH環境下における酸素透過係数は、0.13ml・mm/m2・day・atmであった。
得られたカップ状容器をレトルト処理し、レトルト処理前後の容器側面部ヘイズを測定した。また、レトルト処理後の容器を目視観察した。結果を表2に示す。
これらに対し、実施例1〜6の多層容器は、熱成形により得ることができ、レトルト処理後においてもガスバリア性及び透明性に優れるものであることがわかった。特に、脂肪酸金属塩又はアミド化合物を含有するポリアミド樹脂組成物(P4)〜(P6)を用いた実施例4〜6では、レトルト処理後の白化度合いが小さく、より高い透明性を有するものであった。
Claims (6)
- ポリプロピレンを主成分とする層(X)、接着性熱可塑性樹脂からなる接着層(Y)、及びポリアミド樹脂組成物(P)からなるガスバリア層(Z)が内層から外層へこの順に積層された3層以上の層構成を有する多層容器であって、
前記ポリアミド樹脂組成物(P)が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位とアジピン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位とからなるポリアミド樹脂(A)60乃至90質量%、及びポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(B)40乃至10質量%からなるポリアミド樹脂組成物(M)80乃至99.9質量%と、脂肪族ポリアミド樹脂(C)20乃至0.1質量%とを含むことを特徴とする多層容器。 - 前記ポリアミド樹脂組成物(P)の、脱偏光光度法による160℃での結晶化における半結晶化時間(ST(P))が30秒以上300秒以下であり、かつ、前記ポリアミド樹脂組成物(M)及び前記脂肪族ポリアミド樹脂(C)の、脱偏光光度法による120℃での結晶化における半結晶化時間の比(ST(M)/ST(C))が10秒以上1000秒以下である、請求項1に記載の多層容器。
- 前記ポリアミド樹脂組成物(P)が、前記ポリアミド樹脂組成物(M)と前記脂肪族ポリアミド樹脂(C)との合計100質量部に対して、炭素数18〜50の脂肪酸金属塩、及び炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジアミン又はジオールとから得られるジアミド化合物又はジエステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を0.01〜1.0質量部含有してなる、請求項1又は2に記載の多層容器。
- 前記ガスバリア層(Z)の23℃、60%RH環境下における酸素透過係数が1.0ml・mm/m2・day・atm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の多層容器。
- 前記脂肪族ポリアミド樹脂(C)がナイロン6である、請求項1〜4のいずれかに記載の多層容器。
- 前記ガスバリア層(Z)の厚みが、多層容器の総厚みに対して2〜20%である、請求項1〜5のいずれかに記載の多層容器。
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