JP2011034792A - 複合部品の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングと中子との間隙に充填された充填材の充填量の変動の影響を低減する。
【解決手段】ハウジング50aと中子102とを気密状態で固定するために、ハウジング50aと中子102との間隙に充填材(タルク)9を充填する。この充填材9の切削は、切削金具500に設けられた当接面をハウジング50aの端部53aに当接させた状態で、切削金具500に充填材9へ向かう方向の荷重を加えることにより行われる。
【選択図】図3

Description

この発明は、ハウジングと中子とを気密状態で固定した複合部品の製造技術に関する。
内燃機関に用いられるスパークプラグとして、工具係合部や取付ネジが形成された主体金具と、主体金具を軸方向に貫通する貫通孔に挿入された絶縁碍子(絶縁体)とを有するスパークプラグが知られている。このようなスパークプラグにおいて、主体金具と絶縁碍子とを気密状態で固定するため、主体金具と絶縁碍子との間隙に滑石(タルク)を充填した後、主体金具に加締を施すことが行われる。
特開2003−282218号公報
しかしながら、主体金具と絶縁碍子との間に充填されるタルクの量が変動すると、加締後の主体金具の工具係合部等が変形し、あるいは、主体金具と絶縁碍子との間の気密を十分に高くできない虞がある。この問題は、スパークプラグに限らず、ハウジングと中子とを充填材で固定した種々の複合部品に共通する。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、ハウジングと中子との間隙に充填された充填材の充填量の変動の影響を低減することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
筒状のハウジングと、前記ハウジングの内側に配置された中子と、前記ハウジングと前記中子との間隙に充填されて前記ハウジングと前記中子とを気密状態で固定する充填材とを有する複合部品の製造装置であって、前記充填材を切削する切削金具と、前記切削金具に対し前記充填材へ向かう荷重付加方向への荷重を加える荷重付加部とを備え、前記切削金具は、前記ハウジングの端部に当接して前記切削金具の前記荷重付加方向への移動を規制する当接面と、前記当接面から前記荷重付加方向に延びる刃先とを有している製造装置。この適用例によれば、充填材がハウジングの端部に当接面が当接する切削金具により切削される。そのため、ハウジングの端部から切削後の充填材までの距離がほぼ一定に保たれるので、充填材の充填量の変動の影響を低減することができる。
[適用例2]
適用例1記載の製造装置であって、前記切削金具は、前記当接面から前記荷重付加方向と反対の方向に設けられ、前記充填材の切削粉を排出するための排出孔を有している製造装置。切削金具に当接面から荷重付加方向と反対の方向に設けられた排出孔を設けることにより、切削粉がハウジングの外部に排出される。そのため、切削粉がハウジングと中子との間隙に残留することを抑制することができる。
[適用例3]
適用例1または2記載の製造装置であって、前記刃先の先端はすくい角を有していない製造装置。刃先の先端にすくい角を設けないことにより、刃先が充填材に食い込むことを抑制することができる。そのため、ハウジングの端部から切削後の充填材までの距離の変動をより容易に抑制することができる。
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれか記載の製造装置であって、前記ハウジングは、前記端部よりも外径が大きい大径部を有しており、前記製造装置は、さらに、前記大径部と当接するテーパ面を有し、前記テーパ面に前記荷重付加方向の荷重を加えることにより前記ハウジングを固定するハウジング保持部を備える製造装置。この適用例によれば、ハウジングの大径部と当接するテーパ面に荷重を加えることによりハウジングを固定することができるので、ハウジングの固定がより容易となる。
[適用例5]適用例1記載の製造装置であって、さらに、前記製造装置を前記荷重付加方向に駆動する駆動装置を備え、前記荷重付加部は、前記駆動装置と前記切削金具とに係合する第1の弾性体を有し、前記ハウジング保持部は、前記テーパ面を有する保持部材と、前記駆動装置と前記保持部材とに係合する第2の弾性体を有する製造装置。この適用例によれば、製造装置を荷重付加方向に駆動することにより、切削金具とハウジング保持部とに適正な荷重を加えることができる。
[適用例6]
適用例5記載の製造装置であって、前記第1と第2の弾性体は、バネである製造装置。第1と第2の弾性体をバネとすることにより、切削金具とハウジング保持部とに加える荷重をより容易に調整することが可能となる。
[適用例7]
適用例1ないし6のいずれか記載の製造装置であって、前記切削金具により前記充填材の切削が行われる切削部は外部空間に対し気密状態に維持されている製造装置。切削部を外部空間に対し気密状態に維持することにより、切削粉がハウジングに付着することを抑制することができる。
[適用例8]
適用例7記載の製造装置であって、さらに、前記気密状態に維持された切削部から切削粉を吸引する吸引部を備える製造装置。切削部から切削粉を吸引することにより、切削部に切削粉が蓄積することをより容易に抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、ハウジングと中子とを有する複合部品の製造装置および製造方法、その製造装置あるいは製造方法を適用して製造されたスパークプラグ等で実現することができる。
本発明を適用して製造されるスパークプラグの一例を示す部分断面図。 スパークプラグの製造工程を示す工程図。 スパークプラグの製造工程を示す工程図。 カッタの形状を示す説明図。 タルクを切削するための切削装置の構成を示す断面図。
A.スパークプラグの構造:
図1は、本発明を適用して製造されるスパークプラグ100の一例を示す部分断面図である。以下では、図1においてスパークプラグ100の軸線方向ODを図面における上下方向とし、下側をスパークプラグの先端側、上側を後端側として説明する。なお、図1では、軸線O−Oの右側にスパークプラグ100の外観を示し、軸線O−Oの左側にスパークプラグ100を軸線O−O(すなわち、中心軸)を通る面で切断した断面を示している。
絶縁碍子10は、アルミナ等を焼成することにより形成された絶縁体である。絶縁碍子10は、軸線方向ODへ延びる軸孔12が中心軸に沿って形成された筒状の絶縁体である。絶縁碍子10には、軸線方向ODの略中央に外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側には後端側胴部18が形成されている。後端側胴部18には、表面長さを長くして絶縁性を高めるための襞部11が形成されている。鍔部19より先端側には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成されている。先端側胴部17よりもさらに先端側には、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は、先端側ほど外径が小さくなっている。この脚長部13は、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、内燃機関の燃焼室内に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には段部15が形成されている。
中心電極20は、絶縁碍子10に設けられた軸孔12内に保持されている。中心電極20は、絶縁碍子10の先端側から後端側に向かって中心軸O−Oに沿って延びており、絶縁碍子10の先端側において露出している。中心電極20は、電極母材21の内部に芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。電極母材21は、インコネル600またはインコネル601等(インコネルは商標名)のニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成されている。芯材25は、電極母材21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金から形成されている。通常、中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に芯材25を詰め、底側から押出成形を行って引き延ばすことで作製される。芯材25は、胴部分においては略一定の外径をなすものの、先端側においては先細り形状に形成される。軸孔12内において、中心電極20は、シール体4およびセラミック抵抗3を介して、絶縁碍子10の後端側に設けられた端子金具40に電気的に接続されている。なお、中心電極20、シール体4、セラミック抵抗3および端子金具40は、併せて「中軸」とも呼ばれる。そのため、以下では、中心電極20、シール体4、セラミック抵抗3および端子金具40(中軸)が取り付けられた絶縁碍子10を「中軸付絶縁体102」とも呼ぶ。
主体金具50は、低炭素鋼材より形成された筒状の金具であり、絶縁碍子10を内部に保持している。絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位は、主体金具50によって取り囲まれている。
主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52とを備えている。工具係合部51は、スパークプラグレンチ(図示せず)が嵌合する部位である。主体金具50の取付ネジ部52は、ネジ山が形成された部位であり、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合する。このように、主体金具50の取付ネジ部52をエンジンヘッド200の取付ネジ孔201に螺合させて締め付けることより、スパークプラグ100は、内燃機関のエンジンヘッド200に固定される。
主体金具50の工具係合部51と取付ネジ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。取付ネジ部52とシール部54との間のネジ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、シール部54の座面55と取付ネジ孔201の開口周縁部205との間で押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド200間が封止され、取付ネジ孔201を介した燃焼ガスの漏出が抑制される。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に、薄肉の座屈部58が設けられている。主体金具50の工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が挿入されている。さらに両リング部材6,7間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めることにより、主体金具50と絶縁碍子10とが固定される。主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、主体金具50の内周面に形成された段部56と、絶縁碍子10の段部15との間に介在する環状の板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの漏出が防止される。座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮長さを確保して主体金具50内の気密性を高めている。
主体金具50の先端部には、主体金具50の先端部から中心軸O−Oに向かって屈曲した接地電極30が接合されている。接地電極30は、インコネル600等(インコネルは商標名)の耐腐食性が高いニッケル合金で形成することが可能である。この接地電極30と主体金具50との接合は、溶接により行うことができる。接地電極30の先端部33は、中心電極20と対向している。
スパークプラグ100の端子金具40には、図示しない高圧ケーブルがプラグキャップ(図示しない)を介して接続されている。そして、この端子金具40とシリンダーヘッド200との間に高電圧を印加することにより、接地電極30と中心電極20との間に火花が生じる。
なお、図1では図示を省略しているが、中心電極20と接地電極30とのそれぞれには、耐火花消耗性を向上するために、高融点の貴金属を主成分として形成された電極チップが取り付けられる。具体的には、中心電極20の先端側の面には、例えば、イリジウム(Ir)や、イリジウムを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成された電極チップが取り付けられる。また、接地電極30の先端部33の中心電極20と対向する面には、白金または白金を主成分とした電極チップが取り付けられる。
なお、本実施例では、本発明をスパークプラグ100に適用しているが、本発明はスパークプラグ100の他、主体金具とセラミックとの間隙にタルクを充填して主体金具とセラミックとが組み付けられた種々の電気部品に対して適用することが可能である。本発明は、例えば、主体金具と固体電解質との間隙にタルクを充填して製造される酸素センサに適用することが可能である。本実施例は、ハウジングとして金属製の主体金具50を有し、中子として絶縁碍子10を有するスパークプラグ100に本発明を適用している例を示しているが、ハウジングや中子の材質は、種々変更できる。例えば、ハウジングと中子との双方をセラミックで形成しても良く、ハウジングと中子との双方を金属で形成しても良い。また、ハウジングと中子との間隙に充填される充填材は、タルクに限らず、アルミ等の金属粉等、種々の充填材を用いることができる。
B.スパークプラグの製造工程:
図2および図3は、本実施例におけるスパークプラグ100(図1)の製造工程を示す工程図である。図2のスパークプラグ100の製造工程では、まず、中軸付絶縁体102と、主体金具元部材50aとが準備される。主体金具元部材50aは、主体金具50(図1)の加締部53および座屈部58の元となる円筒状の筒状部53a,58aを有している。
図2(a)に示すように、主体金具元部材50aには、板パッキン8と、中軸付絶縁体102とがこの順に軸線方向ODに挿入される。中軸付絶縁体102の主体金具元部材50aへの挿入の後、図2(b)に示すように、中軸付絶縁体102と主体金具元部材50aとの間に、リング部材6,7が挿入されるとともに、タルク9が充填される。このとき、タルク9は、筒状部53aの後端側の付近まで充填される。なお、リング部材は、両方または少なくとも一方を省略することも可能である。
次に、図2(c)に示すように、中軸付絶縁体102と主体金具元部材50aとの間にプレス治具400を挿入し、挿入したプレス治具400に軸線方向ODの荷重を加える。プレス治具400に荷重を加えることにより、タルク9は、上方から軸線方向ODに圧縮される。このように、タルク9を軸線方向ODに圧縮することにより、中軸付絶縁体102は、主体金具元部材50a内で先端側に向け押圧されて主体金具元部材50aに組み付けられる。
図3(a)は、図2(c)に示すようにタルク9が圧縮されて、中軸付絶縁体102が主体金具元部材50aに組み付けられた状態を示している。図3(a)に示すように、タルク9が圧縮されることにより、筒状部53aからのタルク9の上面の深さ(以下、単に「深さ」ともいう)は、距離d1となる。次に、図3(b)に示すように、深さが距離d2となるまで、タルク9の上面はカッタ(削り刃)500により切削される。
図4は、カッタ500の形状を示す説明図である。図4(a)は、カッタ500の側面の外観を示し、図4(b)は、カッタ500を下面(すなわち、軸線方向ODの先端側)から見た外観を示している。図4において、矢印は、カッタ500の回転方向を示している。なお、カッタ500を用いてタルク9の上面を切削するための切削装置の構成や動作については、後述する。
円筒状のカッタ500は、円筒部520と刃先部540とを有している。円筒部520は、外径が主体金具元部材50a(図3)の筒状部53aの外径よりも大きく、内径が絶縁碍子10(図1)の後端側胴部18よりも大きな円筒状に形成されている。
刃先部540の外径は、一部を除いたほぼ全体が、円筒部520の外径と同じであり、刃先部540の内径は、絶縁碍子10(図1)の後端側胴部18よりもやや大きくなっている。刃先部540は、外径が円筒部520と同じ厚肉部542と、外径が主体金具元部材50a(図3)の筒状部53aの内径よりもやや小さい先端部544とを有している。なお、先端部544が、切削を実際に行うカッタ500の刃先である。
刃先部540には、刃先部540の内部と外部とを貫通する貫通孔550が設けられている。貫通孔550は、軸線方向ODに沿って立ち上がる前縁部552と、軸線方向ODに対して斜めに立ち上がる後縁部556と、略半円形の円形部558を有している。
このカッタ500は、図3(b)に示すように、中軸付絶縁体102を挿通するように配置され、軸線方向ODに荷重がかけられることによりタルク9の切削が行われる。そのため、カッタ500の軸線方向ODへの移動は、刃先部540の厚肉部542と先端部544との間の当接面560が主体金具元部材50aの筒状部53aの上端に当接することにより規制される。このようにカッタ500の軸線方向ODへの移動が規制されることにより、刃先部540は、先端部544の長さ分だけ筒状部53a内に挿入されるので、切削されたタルク9の上面の深さd2が、先端部544の長さと略一致する。このとき、タルク9の切削粉は、貫通孔550からカッタ500の外側に排出される。なお、本実施例では、切削金具であるカッタ500の当接面560と、筒状部53aとが直接当接しているが、カッタ500と筒状部53aとの間にスペーサ等の他の部材を挿入し、スペーサを筒状部53aに当接させても良い。このようにしてもカッタ500の軸線方向ODへの移動が規制されるで、タルク9の深さをほぼ一定にすることができる。この場合、カッタ500とスペーサとを合わせて切削金具と呼ぶ。
なお、本実施例のカッタ500では、前縁部552が軸線方向ODに沿って立ち上がっており、切削部分である前縁部552のすくい角は0°となっているが、すくい角は必ずしも0°とする必要はない。但し、前縁部552におけるすくい角を正にするとタルク9が先端部544の長さ以上に切削され、前縁部552におけるすくい角を負にするとタルク9の切削が十分に行われない。そのため、前縁部552のすくい角を略0°とする、すなわち、カッタ500の回転面(切削面)に対して前縁部552を略直角にして、前縁部552がすくい角を有さないようにするのがより好ましい。
図3(b)に示すようにタルク9の切削を行って、リング部材6を挿入した後、図3(c)に示すように、主体金具元部材50aの加締が行われる。加締が行われることにより、主体金具元部材50aの筒状部53a,58aが座屈して変形することにより、加締部53と座屈部58とが形成される。上述のように、本実施例では、タルク9の上面を切削することにより、圧縮後のタルク9の筒状部53aからの深さがほぼ一定の深さd2となり、タルク9の上面の深さの変動を抑制することができる。一般に、タルク9の充填量が多く、深さd1が浅くなった場合、工具係合部51(図1)にも加締による荷重が加わる。そのため、工具係合部51の外径が大きくなる可能性がある。また、タルク9の充填量が少なく、深さd1が深くなった場合、加締後のタルク9の圧縮量が低下して、気密性が低下する可能性がある。一方、本実施例によれば、加締前のタルク9の深さd2がほぼ一定となるので、加締後のスパークプラグ100の形状の変化や気密性の低下を抑制することが可能となる。
C.切削装置:
図5は、タルク9を切削するための切削装置700の構成を示す断面図である。切削装置700は、軸線方向ODに向かって移動することにより台座600に配置された主体金具元部材50aと中軸付絶縁体102との間に充填されたタルク9を切削する。
台座600は、鍔部610と、鍔部610よりも外径が小さい胴部620とを有する筒状の部材である。台座600は、この鍔部610により固定される。台座600には、内径が主体金具元部材50aの取付ネジ部52の外径よりも大きい挿入孔602が鍔部610と胴部620とにわたって設けられている。取付ネジ部52を挿入孔602に挿入することにより、主体金具元部材50aのシール部54の座面55と、挿入孔602の外縁部604が当接し、主体金具元部材50aは軸線方向ODへの移動が規制される。
切削装置700は、切削装置700を軸線方向ODに運動させる駆動装置(図示しない)に取り付けられた取付部702と、取付部702の運動を伝達する伝達部710と、主体金具元部材50aを保持するための保持部720と、カッタ500を回転させる回転駆動部730と、カッタ500に軸線方向ODの荷重を加える荷重付加部740とを備えている。
駆動装置による運動は、取付部702を介して、第1の運動伝達部材711と第2の運動伝達部材712に伝達される。第1の運動伝達部材711は、保持部720に運動を伝達するともに、ネジにより第1の運動伝達部材711に固定され、荷重付加部740に運動を伝達する第2の運動伝達部材712に運動を伝達する。
保持部720は、バネ721と、筒状の外筒部722と、外筒部722の先端側に取り付けられた保持部材723とを有している。第1の運動伝達部材711が軸線方向ODに向かって移動すると、保持部720のバネ721の上端位置が軸線方向ODに向かって移動する。このバネ721の移動に伴って、外筒部722と保持部材723とが軸線方向ODに移動する。そして、保持部材723の先端部に設けられた孔の外縁部724が主体金具元部材50aの工具係合部51の上端に当接すると、バネ721による荷重が主体金具元部材50aに加えられる。このように、荷重が主体金具元部材50aに加えられることにより、主体金具元部材50aは、台座600に固定される。なお、外縁部724は、軸線方向ODの先端側に向かって内径が拡大するテーパ形状とするのがより好ましい。このように外縁部724をテーパ形状とすることにより、外縁部724の内面(テーパ面)に工具係合部51の上端をより容易に当接させることができる。
回転駆動部730は、筒状のシャフト731と、シャフト731の後端側に止めネジ732により固定された抜止部材733と、ネジによりシャフト731の先端側に取り付けられた筒状のカッタ保持部材734とを有している。カッタ保持部材734には、内径がカッタ500の外径と同じ保持孔735が設けられている。この保持孔735の上端部がカッタ500の上端部と当接することにより、カッタ500は、回転駆動部730と一体となって軸線方向ODに移動する。また、シャフト731の上端部は、モータ(図示せず)と接続され、モータが回転することにより、シャフト731、カッタ保持部材734、およびカッタ500が回転する。
荷重付加部740は、バネ741と、荷重伝達部742と、2つのベアリング743,744とを有している。2つのベアリング743,744は、それぞれベアリング止745,746により荷重伝達部742に取り付けられている。荷重伝達部742に取り付けられたベアリング743,744は、シャフト731に連結されており、シャフト731の自在な回転を許容する。
取付部702の運動が伝達されることにより第2の運動伝達部材712が軸線方向ODに向かって移動すると、荷重付加部740のバネ741の軸線方向ODに向かって移動する。このバネ741の移動に伴って、ベアリング止745と荷重伝達部742とが軸線方向ODに移動すると、荷重伝達部742の下面に当接しているシャフト731が軸線方向ODに移動する。そして、カッタ保持部材734を介してシャフト731に取り付けられたカッタ500は、カッタ500の当接面560(図4)が主体金具元部材50aの筒状部53aの上端に当接するまで、バネ741による荷重が加えられた状態でタルク9を切削する。そして、当接面560が筒状部53aの上端に当接し、バネ741による荷重が加えられた状態で、カッタ500を少なくとも1回転以上回転させることにより、タルク9の上面の深さがほぼ一定になる。
なお、図5に示すように、カッタ500の周囲は、切削装置700を構成する各部材により覆われており、気密が保たれている。そのため、タルク9を切削した切削粉は、切削装置700の外部に放出されない。しかしながら、カッタ500の周囲の気密を必ずしも保つようにする必要はない。但し、中軸付絶縁体102や主体金具元部材50aに切削粉が付着することを抑制することができる点で、カッタ500の周囲の気密を保つように切削装置700を構成するのがより好ましい。なお、切削装置700からの切削粉の排出は、例えば、外筒部722に外筒部の内部と外部とを貫通する貫通孔を設け、当該貫通孔から吸引することにより行うことができる。
本実施例の切削装置700では、バネ721,741を用いることにより保持部材723やカッタ500に荷重を加えているが、バネ721,741に換えて、ゴムや空気バネ等の種々の弾性体を用いることもできる。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6,7…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
11…襞部
12…軸孔
13…脚長部
15…段部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極母材
25…芯材
30…接地電極
33…先端部
40…端子金具
50…主体金具
50a…主体金具元部材
51…工具係合部
52…取付ネジ部
53…加締部
53a,58a…筒状部
54…シール部
55…座面
56…段部
58…座屈部
59…ネジ首
100…スパークプラグ
102…中軸付絶縁体
200…エンジンヘッド
201…取付ネジ孔
205…開口周縁部
400…プレス治具
500…カッタ
520…円筒部
522,524…溝
540…刃先部
542…厚肉部
544…先端部
550…貫通孔
552…前縁部
556…後縁部
558…円形部
560…当接面
600…台座
602…挿入孔
604…外縁部
610…鍔部
620…胴部
700…切削装置
702…取付部
710…伝達部
711,712…運動伝達部材
720…保持部
721…バネ
722…外筒部
723…保持部材
724…外縁部
730…回転駆動部
731…シャフト
732…ネジ
733…抜止部材
734…カッタ保持部材
735…保持孔
740…荷重付加部
741…バネ
742…荷重伝達部
743,744…ベアリング
745,746…ベアリング止
OD…軸線方向

Claims (16)

  1. 筒状のハウジングと、前記ハウジングの内側に配置された中子と、前記ハウジングと前記中子との間隙に充填されて前記ハウジングと前記中子とを気密状態で固定する充填材とを有する複合部品の製造装置であって、
    前記充填材を切削する切削金具と、
    前記切削金具に対し前記充填材へ向かう荷重付加方向への荷重を加える荷重付加部と
    を備え、
    前記切削金具は、前記ハウジングの端部に当接して前記切削金具の前記荷重付加方向への移動を規制する当接面と、前記当接面から前記荷重付加方向に延びる刃先とを有している
    製造装置。
  2. 請求項1記載の製造装置であって、
    前記切削金具は、前記当接面から前記荷重付加方向と反対の方向に設けられ、前記充填材の切削粉を排出するための排出孔を有している
    製造装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の製造装置であって、
    前記刃先の先端はすくい角を有していない
    製造装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載の製造装置であって、
    前記ハウジングは、前記端部よりも外径が大きい大径部を有しており、
    前記製造装置は、さらに、
    前記大径部と当接するテーパ面を有し、前記テーパ面に前記荷重付加方向の荷重を加えることにより前記ハウジングを固定するハウジング保持部を備える
    製造装置。
  5. 請求項1記載の製造装置であって、さらに、
    前記製造装置を前記荷重付加方向に駆動する駆動装置を備え、
    前記荷重付加部は、前記駆動装置と前記切削金具とに係合する第1の弾性体を有し、
    前記ハウジング保持部は、
    前記テーパ面を有する保持部材と、
    前記駆動装置と前記保持部材とに係合する第2の弾性体を有する
    製造装置。
  6. 請求項5記載の製造装置であって、
    前記第1と第2の弾性体は、バネである
    製造装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか記載の製造装置であって、
    前記切削金具により前記充填材の切削が行われる切削部は外部空間に対し気密状態に維持されている
    製造装置。
  8. 請求項7記載の製造装置であって、さらに、
    前記気密状態に維持された切削部から切削粉を吸引する吸引部を備える
    製造装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか記載の製造装置であって、
    前記充填材は、滑石である製造装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか記載の製造装置であって、
    前記複合部品は、スパークプラグであり、
    前記ハウジングは、主体金具であり、
    前記中子は、絶縁碍子である
    製造装置。
  11. 筒状のハウジングと、前記ハウジングの内側に配置された中子と、前記ハウジングと前記中子との間隙に充填されて前記ハウジングと前記中子とを気密状態で固定する充填材とを有する複合部品の製造方法であって、
    前記間隙に前記充填材を充填し、
    前記ハウジングの端部に当接する当接面を有し前記充填材を切削するための切削金具に対し前記充填材へ向かう荷重付加方向の荷重を加え、前記切削金具の前記当接面が前記ハウジングの前記端部に当接するまで前記充填材を切削する
    製造方法。
  12. 請求項11記載の製造方法であって、
    前記ハウジングは、前記端部よりも外径が大きい大径部を有しており、
    前記大径部に当接するテーパ面に前記荷重付加方向の荷重を加えて前記ハウジングを固定した状態で前記切削を行う
    製造方法。
  13. 請求項11または請求項12記載の製造方法であって、
    前記切削金具により前記充填材の切削が行われる切削部は外部空間に対し気密状態に維持されている
    製造方法。
  14. 請求項13記載の製造方法であって、
    前記気密状態に維持された切削部から切削粉を吸引する
    製造方法。
  15. 請求項11ないし請求項14のいずれか記載の製造方法であって、
    前記充填材は、滑石である製造方法。
  16. 請求項11ないし請求項15のいずれか記載の製造方法であって、
    前記複合部品は、スパークプラグであって、
    前記ハウジングは、前記スパークプラグの主体金具であり、
    前記中子は、前記スパークプラグの絶縁碍子である
    製造方法。
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