JP2011034787A - 超高圧水銀ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】多数回にわたって繰り返し点灯した場合でも、電極の軸部に曲がりが生じることがなく、発光管に黒化が生じることを抑制することができる超高圧水銀ランプの提供。
【解決手段】発光部およびその両端に連設された封止部を有する石英ガラスよりなる発光管内に、基端部分が封止部に埋設されて保持された棒状の軸部を有する一対の電極が互いに対向するよう配置されてなり、陰極動作する電極は、軸部より大きい径の頭部と、その後端から一体に突出して伸びるよう形成され、内周面が軸部から離間して軸部を包囲するよう設けられた筒部とを有し、筒部の外周面には、開口縁によって易熱電子放出部が形成される穴部が形成され、穴部の開口を平行な二直線で挟んだ場合に当該二直線間の距離が最も小さくなる当該距離をx(mm)、アーク電流値をIa(A)としたとき、Ia/x≦125を満足する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ショートアーク型の超高圧水銀ランプに関し、更に詳しくは例えばDMD(デジタルマイクロミラーデバイス:登録商標)を使用したDLP(デジタルライトプロセッシング:登録商標)などの投射型プロジェクタ装置のバックライトとして好適な超高圧水銀ランプに関する。
例えばDMD(デジタルマイクロミラーデバイス:登録商標)を使用したDLP(デジタルライトプロセッシング:登録商標)などの投射型プロジェクタ装置においては、矩形状のスクリーンに対して、均一でかつ十分な演色性をもった画像を投影させることが要求されており、このため、光源としては、点灯時の水銀蒸気圧が例えば150気圧以上となるショートアーク型の超高圧水銀ランプが採用されている。また、紫外線露光用途や光学機器の照明用途のランプとしては、点灯時の水銀蒸気圧が例えば100気圧以上となるショートアーク型の超高圧水銀ランプが採用されている。
この超高圧水銀ランプは、例えば石英ガラスからなる発光管内に、一対の電極が例えば2mm以下の間隔で離間して互いに対向するよう配置されると共に、当該発光管内に水銀およびハロゲンが封入されて構成されている。ここで、発光管内にハロゲンが封入される主たる目的は、発光管内においてハロゲンサイクルを形成すると共に、これにより、電極物質であるタングステンが発光管の内壁に付着することを抑制するためである。このような超高圧水銀ランプは、例えば、下記特許文献1乃至下記特許文献3等に記載されている。
図7は、従来の超高圧水銀ランプの一例における要部の構成を示す説明用断面図である。この超高圧水銀ランプ80は、交流電圧を印加することによって点灯駆動される交流点灯方式によるものであって、発光部101の両端にロッド状の封止部102が形成された、石英ガラスよりなる発光管100を有する。
この発光管100における発光部101内には、それぞれタングステンからなる一対の電極90が互いに対向するよう配置されている。この電極90の各々は、基端部分が発光管100の封止部102に埋設されて保持された棒状の軸部91を有する。この軸部91の先端には、略円柱状の胴部93を介して略円錐状の頭部92が一体に形成されており、この頭部92の先端には突起部92Aが形成されている。電極90の軸部91の基端には、発光管100の封止部102に埋設された導電性金属箔(図示省略)が溶接されて接続され、この導電性金属箔には、発光管100の封止部102の外端から突出する外部リード棒(図示省略)が接続されている。
また、図示の例では、胴部93の周囲には、当該胴部93にコイルが巻き付けられた状態で溶融されることによって一体的に形成されたコイル部94が設けられている。このコイル部94は、主としてランプの始動時におけるグロー放電期間中に電極90を加熱し、当該電極90の温度上昇を促すことにより、グロー放電からアーク放電への移行を容易にするためものである。
特開2005−063817号公報 特開2006―079986号公報 特開2000−231903号公報
しかしながら、上記の超高圧水銀ランプ80においては、以下のような問題がある。
上記の超高圧水銀ランプ80の始動時においては、電極90におけるコイル部94が集中的に加熱され、このコイル部92に生じた熱は、胴部93を介して軸部91に伝熱され、更に発光管100の封止部102に伝達されるため、発光管100の封止部102が過熱状態となる。このように、超高圧水銀ランプ80を点灯する毎に封止部102の過熱状態が繰り返されると、当該封止部102を構成する石英ガラスが変質してその体積が変化し、これにより、封止部102に支持された電極90の軸部91に応力が加わるため、当該軸部91に曲がりが生じる。その結果、一対の電極90間の距離が変化してランプ電圧が変化するために、初期のランプ性能を維持することができず、或いは、電極90と発光管100の内壁との離間距離が短くなるため、発光管100に黒化が生じて照度が急激に低下する、という問題がある。
また、上記の超高圧水銀ランプ80のように、電極90にコイル部94を設ける手段では、ランプの始動性が十分なものではない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、多数回にわたって繰り返し点灯した場合でも、電極の軸部に曲がりが生じることがなく、発光管に黒化が生じることを抑制することができる超高圧水銀ランプを提供することにある。
本発明の他の目的は、始動性が良好な超高圧水銀ランプを提供することにある。
本発明の超高圧水銀ランプは、発光部および当該発光部の両端に連設された封止部を有する石英ガラスよりなる発光管内に、それぞれ基端部分が前記封止部に埋設されて保持された棒状の軸部を有する一対の電極が互いに対向するよう配置されてなる超高圧水銀ランプにおいて、
前記一対の電極のうち陰極動作する電極は、前記軸部より大きい径を有する頭部と、この頭部の後端面から一体に突出して伸びるよう形成され、その内周面が前記軸部から離間して当該軸部を包囲するよう設けられた筒部とを有し、
前記筒部の外周面には、その開口縁によって易熱電子放出部が形成される穴部が形成されており、
当該穴部の開口を平行な二直線で挟んだ場合に当該二直線間の距離が最も小さくなる当該距離をx(mm)とし、前記一対の電極の間に形成されるアーク放電におけるアーク電流値をIa(A)としたとき、Ia/x≦125を満足することを特徴とする。
また、本発明の超高圧水銀ランプは、発光部および当該発光部の両端に連設された封止部を有する石英ガラスよりなる発光管内に、それぞれ基端部分が前記封止部に埋設されて保持された棒状の軸部を有する一対の電極が互いに対向するよう配置されてなる超高圧水銀ランプにおいて、
前記一対の電極のうち陰極動作する電極は、前記軸部より大きい径を有する頭部と、この頭部の後端面から一体に突出して伸びるよう形成され、その内周面が前記軸部から離間して当該軸部を包囲するよう設けられた筒部とを有し、
前記筒部の外周面には、その開口縁によって易熱電子放出部が形成される穴部が形成されており、
当該穴部の開口を平行な二直線で挟んだ場合に当該二直線間の距離が最も小さくなる当該距離をx(mm)とし、前記一対の電極の間に形成されるグロー放電におけるグロー電流値をIg(A)としたとき、Ig/x≧1を満足することを特徴とする。
本発明の超高圧水銀ランプにおいては、前記穴部の開口が円形または楕円形であることが好ましい。
本発明の超高圧水銀ランプによれば、頭部の後端面から一体に突出して伸びる筒部が、その内周面が軸部から離間して当該軸部を包囲するよう形成されているため、筒部において生じた熱が軸部に直接伝達されることが防止され、これにより、発光管の封止部が過熱状態となることが抑制されるので、電極の軸部に曲がりが生じることがない。しかも、上記比Ia/xの値が125以下であることにより、ランプの点灯中において、電極における筒部の穴部の周辺において局所的に過剰に加熱されることが防止され、これにより、当該筒部を構成する電極物質の蒸発が抑制される。従って、多数回にわたって繰り返し点灯した場合でも、発光管に黒化が生じることを抑制することができる
また、本発明の超高圧水銀ランプによれば、上記比Ig/xの値が1以上であることにより、良好な始動性が得られる。
本発明の超高圧水銀ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。 図1に示す超高圧水銀ランプにおける電極の側面図である。 図2に示す電極の側面断面図である。 図2に示す電極を線分P−Pで切断して示す断面図である。 図1に示す超高圧水銀ランプにおける始動時の状態を示す説明用断面図である。 本発明の超高圧水銀ランプにおける電極の変形例を示す説明図である。 従来の超高圧水銀ランプの一例における要部の構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の超高圧水銀ランプの一例における構成を示す説明用断面図であり、図2は、図1に示す超高圧水銀ランプにおける電極の側面図、図3は、図2に示す電極の側面断面図、図4は、図2に示す電極を線分P−Pで切断して示す断面図である。
この超高圧水銀ランプ1の発光管10は、内部に放電空間Sを形成する、外形が略球状の発光部11と、この発光部11の両端の各々に一体に連設された、管軸に沿って外方に伸びるロッド状の封止部12とを有する。この発光管10における発光部11内には、それぞれ基端部分が封止部12に埋設されて保持された棒状の軸部23を有する全体がタングステンよりなる一対の電極20が互いに対向するよう配置されている。
発光管10における封止部12の各々の内部には、モリブデンよりなる金属箔13が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設され、金属箔13の各々の一端には、一対の電極20における軸部23の基端23Kが溶接されて電気的に接続されており、一方、金属箔13の各々の他端には、封止部12の外端から外方に突出する外部リード14が溶接されて電気的に接続されている。
この例における超高圧水銀ランプ1は、一対の電極20間に交流電圧を印加することによって点灯駆動される交流点灯方式によるものであり、電極20の各々は、定常点灯時における熱的設計を容易にするため、互いに同一の構成のものとされている。
発光管10は石英ガラスより構成され、この発光管10の発光部11内には、例えば、水銀、希ガスおよびハロゲンガスが封入されている。
発光部11内に封入される水銀は、必要な可視光波長、例えば波長360〜780nmの放射光を得るためのものであり、点灯時に例えば150気圧以上の高い水銀蒸気圧を確保するために、その封入量が0.10mg/mm3 以上、好ましくは0.15mg/mm3 以上とされている。この水銀の封入量を増加することにより、点灯時に200気圧以上、または300気圧以上の高い水銀蒸気圧を得ることができ、プロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
発光部11内に封入される希ガスは、点灯始動性を改善するためのものであり、その封入圧は、静圧で例えば10〜26kPaである。また、希ガスとしては、アルゴンガスを好適に用いることができる。
発光部11内に封入されるハロゲンは、発光部11内においてハロゲンサイクルを形成すると共に、これにより、電極物質であるタングステンが発光部11の内壁に付着することを抑制するためのものであり、水銀その他の金属との化合物の形態で封入される。ハロゲンの封入量は、例えば1×10-6〜1×10-2μmol/mm3 である。また、ハロゲンとしては、沃素、臭素、塩素などを用いることができる。
また、発光部11内には、更に他の放電媒体としてハロゲン化金属を封入することもできる。
電極20においては、軸部23が小径部分23Aの先端に大径部分23Bが一体に形成されてなり、この軸部23の大径部分23Bの先端に頭部21が一体に形成されている。この頭部21は、先端に向かって小径となる略円錐台状の基台部分21Bと、この基台部分21Bの先端に一体に形成された、先端に向かって小径となる略円錐台状の突起部分21Aとにより構成されている。頭部21の基台部分21Bの後端は軸部23の大径部分23Bの先端の径より大きい径を有するものとされ、頭部21の突起部分21Aの後端は基台部分21Bの先端の径より小さい径を有するものとされている。
頭部21の基台部分21Bの後端面には、当該基台部分21Bの基端の径と実質的に同一の外径を有する円筒状の筒部22が、基台部分21Bの後端面から続いて一体に突出して伸び、軸部23から離間した状態で当該軸部23を包囲するよう形成されている。この筒部22の後端側の外周面には、それぞれ開口縁Eによって易熱電子放出部が形成される複数(図示の例では4つ)の穴部22Aが、周方向に等間隔で離間して形成されている。図示の例では、穴部22Aの各々は、筒部22を貫通するよう形成されているが、非貫通のものであってもよい。また、本発明においては、穴部22Aが貫通したものであっても非貫通のものであっても、その周縁が開口縁Eとされる。
電極20を形成するタングステンとしては、その純度が4N以上のものを用いることが好ましい。電極物質として純度が4N以上のタングステンを用いることにより、電極20における頭部21や軸部23から放電空間S内に放出される不純物の量を低減することができる。
また、電極20は、例えば一本のタングステンよりなる棒材からレーザ加工、放電加工などによって切削する方法、電極の各部を別個に形成した後に、これらを溶接する方法によって形成することができる。
頭部21の体積は、1〜10mm3 であることが好ましい。頭部21の体積が過小である場合には、熱容量が小さいため、アークによる熱的負荷によって電極物質の溶融または蒸発が生じやすくなる。一方、頭部21の体積が過大である場合には、頭部21によって遮られる光の量が大きいため、光を高い効率で外部に放射することか困難となることがある。
また、頭部21の後端の径(図示の例では基台部分21Bの後端の径)は、例えば1.0〜3.0mmである。
筒部22の全長は、0.3〜5mmであるのが好ましい。筒部22の全長が過小である場合には、放電が軸部23に達することにより、当該軸部23が高い温度に加熱されることがあり、また、筒部22に生じた熱が頭部21を介して軸部23に伝達されやすくなる。一方、筒部22の全長が過大である場合には、発光管10の内壁との距離が短いため、筒部22の後端部分において放電が生じたときには、発光管10に黒化などが生じることがある。
軸部23の径(図示の例では大径部分23Bの先端の径)は、ランプの定格消費電電力や、電極20を形成する電極物質と封止部12を形成する石英ガラスとの熱膨張差などを勘案して設定されるが、頭部21の後端の径の20〜70%であることが好ましい。軸部23の先端の径がこの範囲にあれば、頭部21から軸部23への熱伝達が小さく、軸部23の温度上昇を抑制することができる。
また、図示の例では、軸部23の先端側が大径部分23Bとされているが、このような構成によれば、一本の棒材からレーザ加工、放電加工などによって切削する方法によって電極20を製造する場合において、当該棒材から切り出されて除去される部分が少ないため、電極20の製造が容易となる、という利点がある。
電極20における筒部22と軸部23との離間距離kは、10μm〜1mmであることが好ましい。この離間距離kが10μm以上であれば、超高圧水銀ランプ1の始動時に筒部22が加熱されて高温状態となった場合でも、その熱が軸部23に直接伝達されにくいため、軸部23の温度上昇を抑制することができ、これにより、発光管10における発光部11と封止部12との境界部分Dを構成する石英ガラスの変質を回避することができる。
上記の超高圧水銀ランプ1においては、例えば始動時に直流電流を供給し、その後、交流電流を供給する給電装置によって、以下のようにして点灯駆動される。
給電装置から電力が供給されると、電極20間において絶縁破壊が生じ、陰極動作する電極20の表面から水銀が蒸発して放電が開始され、例えば数十Vの水銀アークが形成され、この水銀アーク放電により、電極20に付着した水銀が当該電極20から熱を受けて蒸発が促される。ここで、水銀アーク放電においては、電極20は熱電子が放出されるのに必要な温度に加熱されないため、電極20の表面に付着した水銀の蒸発が完了すると、電極20間に例えば数百Vのグロー放電が開始される。
グロー放電は、放電空間S内の希ガス、水銀および電極物質であるタングステンのイオンが、例えば数百Vの電圧によって加速されて陰極動作する電極に衝突してエネルギーを付与することによって行なわれ、図5(1)に示すように、グロー放電Gは、電極20における頭部21および筒部22の表面全体を覆うよう形成される。グロー放電期間中においては、筒部22の熱容量が小さいため、当該筒部22が高温状態となるが、当該筒部22は、その内周面が軸部23から離間した状態であって頭部21にのみ接続されているため、筒部22に生じた熱は頭部21に伝達され、これにより、頭部21も高温状態となり、更に、その熱は軸部23に伝達される。
電極20の温度が熱電子を放出することが可能な温度に達すると、グロー放電から数十Vのランプ電圧を有するアーク放電に移行する。このアーク放電は、電極20において熱電子の放出が可能な温度に達した箇所から局所的に開始する。而して、上記の超高圧水銀ランプ1においては、電極20における筒部22の外周面に、穴部22Aが形成されており、この穴部22Aの開口縁Eには電流が集中することにより、穴部22Aの開口縁Eが局所的に加熱されて高温となるため、易熱電子放出部として機能する。その結果、図5(2)において実線で示すように、アーク放電Aは、初期においては筒部22の穴部22Aの開口縁Eが位置する箇所から形成され、その後、対向する電極側との距離が小さくなるよう移行する。最終的には、図5(2)において破線で示すように、アーク放電Aは、電極20の先端の突起部分21Aから形成される。
本発明においては、電極20の筒部22に形成された穴部22Aの開口を平行な二直線L1,L2で挟んだ場合に当該二直線L1,L2間の距離が最も小さくなる当該距離(以下、「最小開口距離」という。)をx(mm)とし、一対の電極20の間に形成されるアーク放電におけるアーク電流値をIa(A)としたとき、穴部22Aの最小開口距離に対するアーク電流値の比Ia/xの値が125以下とされ、好ましくは1〜60とされる。 ここで、アーク電流値は、アーク放電中に流れる電流の値であり、ランプ電圧が100V以下、例えば数十Vとなる状態において、電流プローブ等によって測定される。
このような超高圧水銀ランプ1によれば、電極20の頭部21の後端面から一体に突出して伸びる筒部22が、その内周面が軸部23から離間して当該軸部23を包囲するよう形成されているため、筒部22において生じた熱が軸部23に直接伝達されることが防止され、これにより、発光管10の封止部12が過熱状態となることが抑制されるので、電極20の軸部23に曲がりが生じることがない。しかも、電極20における筒部22の穴部22Aの最小開口距離に対するアーク電流値の比Ia/xの値が125以下であることにより、アーク電流値に対して穴部22Aの最小開口距離が十分に大きいため、筒部22の穴部22Aの周辺において局所的に過剰に加熱されることが防止される。これにより、筒部22を構成する電極物質の蒸発が抑制される。従って、多数回にわたって繰り返し点灯した場合でも、発光管10に黒化が生じることを抑制することができる
また、一対の電極20の間に形成されるグロー放電におけるグロー電流値をIg(A)としたとき、最小開口距離に対するグロー電流値の比Ig/xの値が1以上であることが好ましく、より好ましくは5〜200である。
ここで、グロー電流値は、グロー放電中に流れる電流の値であり、ランプ電圧が100V以上、例えば数百Vとなる状態において、電流プローブ等によって測定される。
このような超高圧水銀ランプ1によれば、電極20における筒部22の穴部22Aの最小開口距離に対するグロー電流値の比Ig/xの値が1以上であることにより、グロー電流値に対して穴部22Aの最小開口距離が十分に小さいため、電極20における筒部22の穴部22Aには、高いホロー効果が発現される結果、良好な始動性が得られる。
上記の超高圧水銀ランプ1について具体的な仕様を示すと、発光管10においては、発光部11の最大外径が12mm、発光部11の内容積が120mm3 であり、電極20においては、軸部23の小径部分の径a1が0.4mm、大径部分の径a2が0.8mm、軸部23の全長bが5mm、頭部21の後端(図示の例では基台部分21Bの後端)の径cが2mm、頭部21の全長dが1.5mm、筒部22の外径eが2mm、筒部22の内径fが1.2mm、筒部の全長gが1mmである。また、電極間距離が1.2mm、定格電圧が85V、定格電力が300Wである。
また、このような超高圧水銀ランプ1においては、その点灯中に発光管10における発光部11内の水銀蒸気圧が例えば150気圧以上となる。そして、この超高圧水銀ランプ1は、例えばプロジェクタ装置に内蔵されるものであり、プロジェクタ装置においては、装置全体の小型化が図られる一方、高い光量が要求されることから、発光管10における発光部11内の熱的条件は極めて厳しいものであり、例えばランプの管壁負荷値は0.8〜3.0W/mm2 、より具体的には2.1W/mm2 である。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有することにより、プロジェクタ装置の光源として用いられる場合に演色性の良好な放射光を得ることができる。
本発明は、発光管内に0.10mg/mm3 以上の水銀が封入されたショートアーク型の超高圧水銀ランプに適用されることにより、投射型プロジェクタ装置の光源の他、紫外線露光用途や光学機器の照明用途のランプとして、極めて有用である。
本発明の超高圧水銀ランプにおいては、上記の実施の形態に限られず、種々の変更を加えることが可能である。
(1)電極20における筒部22の穴部22Aの位置および数は、図2〜図4に示すものに限定されず、例えば図6に示すように、多数の穴部22Aが筒部22の外周面全面にわたって等間隔で並ぶよう形成されていてもよい。
(2)電極20における筒部22の穴部22Aの開口の形状は円形に限られず、楕円形、矩形、その他の形状であってもよい。
但し、穴部22Aの開口の形状が円形または楕円形である場合には、穴部22Aの開口縁に沿って均一に加熱されるため、電極20が局所的に過剰に加熱されて溶融することがない。しかも、円形の穴部22Aの中心位置においては、穴部22Aの開口縁までの距離が等しくて空間電子密度が高く、これにより、ホロー効果が十分に発現させることができるため、より良好な始動性が得られる。以上のことから、穴部22Aの開口の形状が円形または楕円形であることが好ましい。
(3)本発明の超高圧水銀ランプは、一対の電極間に直流電圧を印加することによって点灯駆動される直流点灯方式によるものであってもよい。
このような直流点灯方式による超高圧水銀ランプにおいては、陽極として動作する電極としては、図2〜4に示す電極以外の適宜のものを用いることができる。
〈実験例1〉
図1〜図4に示す構成に従い、下記の仕様を有する交流点灯方式のランプ(A1)〜ランプ(A6)、ランプ(B1)〜ランプ(B6)、ランプ(C1)〜ランプ(C6)、ランプ(D1)〜ランプ(D6)、ランプ(E1)〜ランプ(E6)およびランプ(F1)を作製した。また、以下の仕様において、発光管、電極間距離、封入水銀量および電極の材質は、全てのランプに共通の仕様である。
・発光管は、石英ガラス製で、発光部の内容積が0.13cm3 である。
・電極間距離は1.3mmである。
・発光管内には、水銀、希ガスおよびハロゲンとして臭素が封入され、水銀封入量は290mg/mm3 、ハロゲン封入量は3×10-3 μmolである。
・電極は、純度が5Nのタングステン製で、頭部の後端の直径が1.8mm、頭部の全長が2.7mm、筒部の外径が1.8mm、筒部の内径が1.4mm、筒部の全長が0.8mmで、筒部には、4つの円形の穴部が形成されており、穴部の最小開口距離xは表1に示す通りである。
・入力電力は380Wである。
・アーク放電におけるアーク電流値は表1に示す通りである。
各ランプについて、5分間点灯させた後5分間消灯させる操作を500回繰り返す点滅点灯試験を行い、試験後のランプについて発光管の黒化の発生状況を目視で観察し、発光管の黒化が認められず光束の低下に全く支障がないレベルのものを1、黒化が認められるが光束の低下に概ね支障がないレベルのものを2、顕著な黒化が認められ光束の低下を伴い短寿命と判断し得るものを3として評価した。結果を表1に示す。

Figure 2011034787
表1に示す結果から明らかなように、穴部22Aの最小開口距離に対するアーク電流値の比Ia/xの値が125以下のランプにおいては、発光管の黒化現象が抑制されることが確認された。
〈実験例2〉
図1〜図4に示す構成に従い、下記の仕様を有する交流点灯方式のランプ(a1)〜ランプ(a6)、ランプ(b1)〜ランプ(b6)、ランプ(c1)〜ランプ(c6)、ランプ(d1)〜ランプ(d6)、ランプ(e1)〜ランプ(e6)およびランプ(f1)〜ランプ(f6)を作製した。また、以下の仕様において、発光管、電極間距離、封入水銀量および電極の材質は、全てのランプに共通の仕様である。
・発光管は、石英ガラス製で、発光部の内容積が0.13cm3 である。
・電極間距離は1.3mmである。
・発光管内には、水銀、希ガスおよびハロゲンとして臭素が封入され、水銀封入量は290mg/mm3 、ハロゲン封入量は3×10-3 μmolである。
・電極は、純度が5Nのタングステン製で、頭部の後端の直径が1.8mm、頭部の全長が2.7mm、筒部の外径が1.8mm、筒部の内径が1.4mm、筒部の全長が0.8mmで、筒部には、4つの円形の穴部が形成されており、穴部の最小開口距離xは表2に示す通りである。
・入力電力は380Wである。
・グロー放電におけるグロー電流値は表2に示す通りである。
各ランプについて、5分間点灯させた後5分間消灯させる操作を500回繰り返す点滅点灯試験を行い、点滅点灯試験において始動確率および始動を観察し、始動確率が100%でかつ始動初期の過程で瞬時立消えが生じなかったものを1、始動確率が100%であるが始動初期の過程で瞬時立消えが生じたものを2、始動確率が100%に満たず、不点灯に到っていたものを3として評価した。結果を表2に示す。

Figure 2011034787
表2に示す結果から明らかなように、穴部22Aの最小開口距離に対するグロー電流値の比Ig/xの値が1以上のランプにおいては、良好な始動性が得られることが確認された。
1 超高圧水銀ランプ
10 発光管
11 発光部
12 封止部
13 金属箔
14 外部リード
20 電極
21 頭部
21A 突起部分
21B 基台部分
22 筒部
22A 穴部
23 軸部
23A 小径部分
23B 大径部分
23K 基端
80 超高圧水銀ランプ
90 電極
91 軸部
92 頭部
92A 突起部
93 胴部
94 コイル部
100 発光管
101 発光部
102 封止部
S 放電空間
E 開口縁

Claims (3)

  1. 発光部および当該発光部の両端に連設された封止部を有する石英ガラスよりなる発光管内に、それぞれ基端部分が前記封止部に埋設されて保持された棒状の軸部を有する一対の電極が互いに対向するよう配置されてなる超高圧水銀ランプにおいて、
    前記一対の電極のうち陰極動作する電極は、前記軸部より大きい径を有する頭部と、この頭部の後端面から一体に突出して伸びるよう形成され、その内周面が前記軸部から離間して当該軸部を包囲するよう設けられた筒部とを有し、
    前記筒部の外周面には、その開口縁によって易熱電子放出部が形成される穴部が形成されており、
    当該穴部の開口を平行な二直線で挟んだ場合に当該二直線間の距離が最も小さくなる当該距離をx(mm)とし、前記一対の電極の間に形成されるアーク放電におけるアーク電流値をIa(A)としたとき、Ia/x≦125を満足することを特徴とする超高圧水銀ランプ。
  2. 発光部および当該発光部の両端に連設された封止部を有する石英ガラスよりなる発光管内に、それぞれ基端部分が前記封止部に埋設されて保持された棒状の軸部を有する一対の電極が互いに対向するよう配置されてなる超高圧水銀ランプにおいて、
    前記一対の電極のうち陰極動作する電極は、前記軸部より大きい径を有する頭部と、この頭部の後端面から一体に突出して伸びるよう形成され、その内周面が前記軸部から離間して当該軸部を包囲するよう設けられた筒部とを有し、
    前記筒部の外周面には、その開口縁によって易熱電子放出部が形成される穴部が形成されており、
    当該穴部の開口を平行な二直線で挟んだ場合に当該二直線間の距離が最も小さくなる当該距離をx(mm)とし、前記一対の電極の間に形成されるグロー放電におけるグロー電流値をIg(A)としたとき、Ig/x≧1を満足することを特徴とする超高圧水銀ランプ。
  3. 前記穴部の開口が円形または楕円形であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超高圧水銀ランプ。
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