JP2011033714A - 光反射基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の粉末焼成プロセスによって作製された光反射基材のように製造プロセスが煩雑ではなく、当該光反射基材より高い光反射率を有し、かつ大面積の光反射基材用途にも対応可能な光反射基材を提供する。
【解決手段】バルク状ガラスを結晶化させてなり、屈折率が1.7以上の析出結晶を含有する結晶化ガラスからなる光反射基材であって、波長400〜800nmにおける平均光反射率が90%以上であることを特徴とする光反射基材。
【選択図】なし

Description

本発明は、結晶化ガラスからなる高い光反射率を有する光反射基材、およびそれを用いた発光デバイスに関するものである。
LEDや有機ELデバイスは消費電力が小さく、新しい照明用デバイスとして近年注目を集めている。照明用デバイスにおいては、発光体が発する光を有効に利用するため、高い光反射率を有する基材やパッケージ材が必要とされる。例えば、従来のLED素子のパッケージ材としては、比較的光反射率の高いアルミナセラミック、あるいはこれに金属からなる光反射膜を設けた基材が用いられている。しかし、自動車用照明、ディスプレイ用照明、一般照明として十分な光量を得るためには、基材やパッケージ材の光反射率をさらに向上させる必要がある。当該目的を達成するために、ガラス粉末とセラミック粉末の混合物を焼成して得られる光反射基材が提案されている(特許文献1)。
特開2007−121613号公報
特許文献1に記載の光反射基材は、ガラス粉末とセラミック粉末にバインダーを加えてスラリー化した後に焼成して得られるものである。ここで、高い光反射率を得るためにセラミック粉末の粒径を可視光線の波長範囲に近くなるよう制御する必要があるが、当該手法によると、セラミック粉末の粒度を調整する工程が必要となり製造プロセスが煩雑となる。なお、特許文献1に記載の光反射基材は粉末焼結体からなるため、ガラス相と結晶粒子との界面に気孔などの光吸収性の欠陥が形成され、光透過率に劣るという問題がある。また、表面に微細な凹凸や気孔が形成されやすく、当該凹凸や気孔が材料強度に悪影響を及ぼす場合がある。さらに、スラリーを焼結する方法では大面積の板材を作製することが困難であり、例えば有機EL照明等の光反射基材用途などに対応できないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来の粉末焼成プロセスによって作製された光反射基材のように製造プロセスが煩雑ではなく、当該光反射基材より高い光反射率を有し、かつ大面積の光反射基材用途にも対応可能な光反射基材を提供することを目的とする。
本発明者らは、バルク状ガラスを結晶化させてなる結晶化ガラスを用いることによって、高い光反射率を有する光反射基材を簡便に作製することができ、かつ、大面積の光反射基材用途にも対応可能であることを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明は、バルク状ガラスを結晶化させてなり、屈折率が1.7以上の析出結晶を含有する結晶化ガラスからなる光反射基材であって、波長400〜800nmにおける平均光反射率が90%以上であることを特徴とする光反射基材に関する。
本発明者らは、バルク状ガラスの結晶化により高屈折率の結晶を析出させることで光の散乱強度が高まる結果、基材表面での光反射率が極めて高くなることを発見した。これは、バルク状ガラスの内部に結晶が析出することによって、ガラス相と結晶粒子との界面に光吸収性の欠陥が形成されることなく、光の散乱を強めることができるためである。したがって、結晶粒子の粒径を可視光の波長範囲に十分に制御しなくとも高い光反射率を実現することができる。これに対し、従来のガラス粉末とセラミック粉末を混合焼成する方法では、粉末粒子表面に存在する欠陥が焼結後の粉末粒子界面に残存し、これが光の吸収要因となって光反射率を十分に高めることができない。
本発明によれば、ガラス粉末やセラミック粉末を混合する工程が不要となり、製造工程を簡素化することができる。また、粉末焼結による製法と異なり、表面に凹凸や気孔のほとんどない平滑な表面を有する光反射基材が得られやすく、高い光反射率とともに高い強度も達成しやすくなる。さらに、ロール製板、フロート製板、オーバーフロー、キャスティング等のガラスの成形法によって大型のバルク状ガラスを得、これを結晶化させることによって大面積の光反射基材を得ることも容易である。
なお、本発明において、「バルク状」とは、粉末ではなく、板やブロック等、所定の形状を有する形態を指す。また、「屈折率」とは波長588nmにおける屈折率を指す。
第二に、本発明の光反射基材において、析出結晶が、ガーナイト、スピネル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウムの少なくとも一種であることが好ましい。
これらの結晶は屈折率が高く、かつ、ガラス中に比較的容易に析出させることが可能であるため、所望の特性を有する光反射基材が得られやすい。
第三に、本発明の光反射基材は、析出結晶として、さらにβ−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体を含むことが好ましい。
当該構成によれば、熱膨張係数が小さく耐熱性に優れた光反射基材を得ることが可能になる。
第四に、本発明の光反射基材は、析出結晶の粒径が0.3μm以下であることが好ましい。
当該構成によれば、本発明の光反射基材をプレス成形する際に、ガラスの塑性変形が容易となり、プレス成形等の熱加工性が良好になる。
第五に、本発明の光反射基材は、結晶化ガラスが50質量%以下の結晶化度を有することが好ましい。
光反射基材を構成する結晶化ガラスが50質量%以下という比較的低い結晶化度を有することにより、ガラス相の比率が相対的に高くなり、ガラスの塑性変形が容易となり、プレス成形等の熱加工性が良好となる。なお、本発明の光反射基材は、既述の理由から高光散乱性が得られやすく、結晶化ガラスの結晶化度が比較的小さくても所望の光反射率を達成することが可能である。
第六に、本発明の光反射基材は、結晶化ガラスが析出結晶の融解温度よりも低い軟化温度を有することが好ましい。
当該構成によれば、プレス成形等の熱加工の際に結晶化ガラス中の析出結晶が融解して光反射率等の特性が低下するなどの問題が生じにくくなる。
第七に、本発明の光反射基材は、表面に光透過性の機能層を有することが好ましい。
当該構成によれば、光反射基材表面における光反射機能を保持しつつ、種々の機能(例えば、傷や汚れ、化学的腐食に対する保護コーティング、波長フィルター、光拡散、光干渉等)を付与することが可能となる。
第八に、本発明は、前記いずれかの光反射基材を用いたことを特徴とする発光デバイスに関する。
本発明の光反射基材を構成する結晶化ガラスは、バルク状ガラスを熱処理等により結晶化させることにより、高屈折率の結晶を析出させてなることを特徴とする。析出結晶の屈折率は1.7以上であり、好ましくは1.75以上、1.8以上、1.9以上、特に2.0以上である。析出結晶の屈折率が高いほどガラス相との屈折率差が大きくなり、光散乱効果を十分に高めることが可能となる。析出結晶の屈折率が1.7未満であると、ガラス相との屈折率差が小さく、十分な光反射率が得られにくい。
析出結晶は、ガーナイト、スピネル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウムのうち、少なくとも一種を含むことが好ましい。これらの結晶は、屈折率が高く、かつ、ガラス中に比較的容易に析出させることが可能であり、所望の光反射率が得られやすい。
結晶化ガラスの結晶化度は50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、特に20質量%以下が好ましい。結晶化度が50質量%を超えると、相対的にガラス相の比率が小さくなって、ガラスの塑性変形が生じにくくなり、熱加工が困難となる。一方、所望の光散乱効果を得るため、下限は1%以上、5%以上、特に10%以上が好ましい。
さらに、上記析出結晶以外に、β−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体を含んでいてもよく、これにより熱膨張係数が小さく耐熱性に優れた光反射基材を得ることが可能となる。なお、本発明の特性を損なわない限り、酸化錫、フォルステライト、ディオプサイト、コーディエライト、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ガーネット、エンスタタイトなどを結晶相に含んでいてもよい。これらの結晶を含有する場合、結晶化度が上記範囲を満たすよう調整することが好ましい。
結晶化ガラスにおいて、鉄、ニッケル、銅、コバルト、バナジウム等、可視域に吸収を有する遷移金属酸化物は実質的に含有しないことが好ましい。ここで言う「実質的に含有しない」とは、具体的には1質量%以下であることを指す。ただし、遷移金属の酸化還元反応によって光吸収特性を調整することを目的として、1種または複数の遷移金属酸化物を合量で1質量%以下の割合で意図的に含有させることは差し支えない。
結晶化ガラスの軟化温度は、析出結晶、特に主たる析出結晶の融解温度よりも低いことが好ましい。結晶化ガラスの軟化温度が析出結晶の融解温度より高いと、プレス成形等の熱加工の際に析出結晶が融解し、光反射率が低下するなどの問題が生じるおそれがある。なお、「主たる析出結晶(以下、単に「主結晶」ともいう)」とは析出結晶のうち最も析出量の多い結晶を指す。
析出結晶の粒径は0.3μm以下、0.2μm以下、特に0.1μm以上であることが好ましい。析出結晶の粒径が0.3μmを超えると、ガラスが塑性変形しにくく、プレス成形等の熱加工性に劣る傾向がある。なお、本発明の光反射基材において、光散乱に寄与する屈折率1.7以上の析出結晶の粒径が可視光領域より小さい0.3μm以下であっても、既述の理由より、十分に高い光反射率を実現することが可能である。
本発明の光反射基材の波長400〜800nmにおける平均光反射率は90%以上であり、92%以上、特に94%以上であることが好ましい。
既述のように、本発明で用いられる結晶化ガラスは、バルク状ガラスを結晶化させてなるため、当該結晶化ガラスからなる光反射基材は、内部に気孔が少なく、かつ表面に凹凸や気孔のほとんどない平滑な表面を有する。本発明の光反射基材の気孔率は、好ましくは5%以下、特に3%以下である。気孔率は、結晶化ガラス内部を顕微鏡で撮影した画像に基づき求めることができる。また、本発明の光反射基材の光反射面の表面粗さRaは、好ましくは0.5μm以下、特に0.2μm以下である。
本発明の光反射基材を構成する結晶化ガラスを得るために適したガラス系としては、TiO、ZrO、ZnOの少なくとも一成分を含有するSiO−B−Al系ガラス、またはTiO、ZrO、ZnOの少なくとも一成分を含有するSiO−Al−LiO系ガラスが好ましい。勿論、本発明の特性を損なわない限り、P、MgO、CaO、BaO、SrO、NaO、KO等の酸化物成分、あるいはハロゲン化物成分、窒化物成分を含有しても良い。
本発明に用いられる結晶化ガラスの組成の一例として、質量%で、SiO 40〜60%、Al 10〜25%、ZnO+MgO 3〜15%、CaO+BaO 0〜4%、B 2〜15%、NaO+KO+LiO 2〜20%、TiO+ZrO 0.1〜5%の組成を含有するものが挙げられる(ガラス組成A)。当該組成によれば、ガーナイトやフォルステライト等の屈折率1.7以上の結晶を容易に析出させることができる。
また、本発明に用いられる結晶化ガラスの組成の別の例として、質量%で、SiO 55〜72%、Al 14〜30%、LiO 1.5〜3%、KO 1〜10%の組成を含有するものが挙げられる(ガラス組成B)。当該組成によれば、ガーナイト等の屈折率1.7以上の結晶とともに、β−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体を析出させることができる。
以下に、上記のようにガラス組成を限定した理由を述べる。
(ガラス組成A)
SiOは化学的耐久性を高める成分である。SiOの含有量は40〜60%、好ましくは42〜58%である。SiOの含有量が40%より少ないと耐候性が著しく悪化する傾向にあり、60%より多いとガラスの溶融が困難になる傾向がある。
Alは結晶の構成成分である。Alの含有量は10〜25%、好ましくは13〜23%である。Alの含有量が10%より少ないと結晶化しにくくなり、25%より多いとガラスの溶解性が悪化する傾向がある。
ZnOとMgOは結晶の構成成分である。ZnOとMgOの含有量は合量で3〜15%、好ましくは6〜12%である。これらの成分の合量が3%より少ないと結晶が析出しにくく、15%より多いと結晶化度が高くなりすぎるために、加熱成形が困難となる傾向がある。なお、ZnOの含有量は2〜7%、特に3〜6%であることが好ましい。また、MgOの含有量は0〜10%、特に1〜5%であることが好ましい。
CaOとBaOは結晶量を調整するための成分である。CaOとBaOの含有量は各々0〜4%である。各成分が4%より多いと結晶化しにくくなる。
はガラスの溶融性を向上させ、液相温度を下げる成分である。Bの含有量は2〜15%、好ましくは4〜13%である。Bの含有量が2%より少ないとガラスの溶融性が劣るだけではなく、液相温度が高くなりガラス成形時に失透しやすくなる。一方、Bの含有量が15%より多いと結晶化しにくくなる。
NaO、KO、LiOはガラスの溶融性を改善する成分である。NaO、KO、LiOの含有量は合量で2〜20%、好ましくは2.5〜18%である。これらの成分の合量が2%より少ないとガラスの溶融性に劣り、20%より多いと結晶化しにくくなる。
TiOは高屈折率の結晶を構成する成分であるとともに、核形成剤としての働きを有する成分である。TiOの含有量は0.05〜5%、好ましくは1〜3%である。TiOの含有量が0.5%より少ないと高屈折率の結晶の析出および核形成が不十分となり、結晶の析出が表面付近に偏り、析出結晶が粗大化し、流動性に影響を与える。それゆえ、ガラス表面の平滑性が得られにくくなり、光反射率が低下する傾向がある。一方、TiOの含有量が5%より多いと結晶の成長速度が速くなりすぎ、結晶量のコントロールが困難になる。
ZrOも高屈折率の結晶を構成する成分であるとともに、核形成剤としての働きを有する成分である。ZrOの含有量は0.05〜3%、好ましくは0.1〜2%である。ZrOの含有量が0.05%より少ないと高屈折率の結晶の析出および核形成が不充分となり、結晶の析出が表面付近に偏り、析出結晶が粗大化し、流動性に影響を与える。それゆえ、表面の平滑性が得られにくくなり、光反射率が低下する傾向がある。一方、ZrOが3%より多いと失透性が強くなりガラスを安定して溶融成形することが困難になる。
TiOとZrOは、合量で0.1〜5%、特に0.5〜5%の範囲にあることが所望の結晶化度を得るうえで好ましい。
上記成分以外に、AsおよびSbを清澄剤としてそれぞれ0〜1%添加することができる。
(ガラス組成B)
SiOはガラスの主たる構成成分であるとともに結晶成分でもある。SiOの含有量は55〜72%、好ましくは62〜68.5%である。SiOの含有量が55%よりも少ないと均一な構造の結晶化ガラスが得られにくい。一方、SiOの含有量が72%よりも多いと、結晶化ガラスの軟化点が高くなるとともに、ガラス溶融時の溶融性が悪化して不均一状態となりやすい。その結果、部分的に失透しやすくなり、加熱成形性が著しく低下する傾向がある。
Alも結晶構成成分である。Alの含有量は、14〜30%、好ましくは16〜24.5%である。Alの含有量が14%より少ないと結晶が粗大化して加熱成形性が著しく低下する傾向がある。一方、Alの含有量が30%より多くなると加熱成形時に失透が発生しやすくなる。
LiOは結晶の構成成分である。LiOの含有量は1.5〜3%、好ましくは1.8〜2.8%である。LiOの含有量が1.5%よりも少ないと均一な結晶化ガラスが得られにくくなる。一方、LiOの含有量が3%より多くなると結晶性が強くなりすぎて、ガラス相の割合が不十分になるとともに、加熱成形工程で結晶化が進行しやすくなる。
Oは結晶性を制御するための成分であり、ガラス相の割合と軟化点に重要な影響を及ぼす。KOの含有量は1〜10%、好ましくは2.5〜7%である。KOの含有量が1%未満であると結晶性が強くなりすぎてガラス相の割合が不十分になるとともに、結晶化ガラスの軟化点が高くなる傾向がある。一方、KOの含有量が10%より多くなると結晶が析出しにくくなる。
上記成分の他に、下記の成分を加えることが望ましい。各成分の限定理由は次の通りである。
TiOとZrOは高屈折率の結晶を構成する成分であるとともに、析出結晶の核となる成分で、結晶を微細にする作用を有する。TiOの含有量は0.05〜4.5%、好ましくは0.5〜3.5%であり、ZrOの含有量は0〜4%、好ましくは1.5〜2.5%である。また、TiOとZrOは合量で0.05〜7%、2.5〜7%、特に3〜6%であることが好ましい。これらの成分が、単独または合量で上記範囲よりも少ないと緻密な結晶が得られにくくなり、上記範囲より多いとガラスが不均一になりやすい。
ZnOは結晶の構成成分である。ZnOの含有量は0.05〜10%、1〜8%、2〜7%、特に3〜6%であることが好ましい。ZnOの含有量が0.05%より少ないと結晶が析出しにくく、10%より多いと結晶化度が高くなりすぎるために、加熱成形が困難となる傾向がある。
MgO、CaO、BaO、BおよびNaOはいずれも結晶化ガラスの軟化点を低下させるのに有効な成分である。各成分の含有量は、MgOは0〜2.5%(好ましくは0.5〜1.5%)、CaOは0〜2.5%(好ましくは0〜1%)、BaOは0〜3%(好ましくは0〜2%)、Bは0〜7%(好ましくは0〜5%)、NaOは0〜2%(好ましくは0〜1%)である。各成分の含有量が上記範囲より多いと異種結晶が析出しやすくなって失透性が強くなる傾向がある。
は結晶を細かくする作用を有する成分である。Pの含有量は0〜0.8%、好ましくは0〜0.5%である。Pの含有量が0.8%よりも多くなると失透性が強くなる傾向がある。
なお、上記成分以外にも、さらにAs、Sb、SnO、PbO、Bi等を合量で5%以下添加することもできる。
本発明の光反射基材の表面に光透過性の機能層を設けることができる。例えば、基材表面における光反射機能を保持しつつ、傷や汚れ、化学的腐食に対する保護コーティング、さらには波長フィルター、光拡散、干渉層としての機能を有する機能層を形成することが可能である。
機能層としては、特に限定されず、ケイ酸塩系ガラス等のガラス;シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化タンタル、酸化ニオブ等の金属酸化物;ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の樹脂など、公知の材質を用いることができる。
本発明の光反射基材は非常に高い光反射率を有するため、LEDパッケージ、有機EL等のディスプレイ、自動車用照明、一般照明等に好適である。
以下に、実施例によって本発明を説明する。
各実施例の光反射基材は以下のようにして作製した。まず、表1に示す組成のガラスが得られるように原料を調合し、1500℃に保った電気炉中で5時間溶融した。溶融後、ガラス融液をカーボン板上に流し出し、室温まで5時間かけて徐冷して結晶化ガラスの前駆体であるバルク状ガラス(ガラス板)を得た。
次に、バルク状ガラスに対して熱処理を施すことにより、結晶化ガラスからなる光反射基材を得た。実施例1、2の光反射基材は、バルク状ガラスを電気炉中で1075℃で30分間熱処理することによって作製した。実施例3の光反射基材は、実施例2で得られた結晶化ガラスの表面に厚さ0.5mmのケイ酸塩系透明ガラス板を電気炉中800℃で熱圧着させて作製した。実施例4の光反射基材は、バルク状のガラスを800℃で1時間、さらに1170℃で1時間熱処理して作製した。
一方、比較例1はガラス粉末とアルミナ粉末の混合焼結体、比較例2は析出結晶としてβ−スポジュメン固溶体のみを含有する結晶化ガラス、比較例3はアルミナセラミックである。
表中に記載された析出結晶のうち、最も上段に記載されたものが主結晶として析出した結晶である。
光反射率は分光光度計により測定した。
結晶化度はX線回折により測定した。
結晶粒径は走査型電子顕微鏡により測定した。なお、表中の結晶粒径は主結晶の結晶粒径を示す。
軟化温度はDTA(示差熱分析)により測定したものである。
熱膨張係数は、ディラトメータを用いて測定した30〜380℃における線熱膨張係数の値を示している。
表1に示すように、実施例1および2の光反射基材は、屈折率1.7以上の結晶が析出しているため、90%以上の高い反射率を有している。さらに、結晶化度が15質量%と低く、かつ、軟化温度が主結晶であるガーナイトの融解温度よりも低く、結晶粒径も0.1μm以下と小さいため、良好なプレス成型性を有していた。
実施例3の光反射基材は実施例2の光反射基材の特性を維持しつつ、表面に光透過性の平滑な層を有しており、防汚コーティング機能を有している。
また、実施例4の光反射基材も、屈折率が1.7以上の結晶を含むため高い光反射率を有していた。また、β−スポジュメン固溶体を主たる析出結晶として含有するため熱膨張係数が低く、優れた耐熱性を有していた。ただし、結晶化度が45質量%と比較的高いため、プレス成形性に関しては実施例1および2の光反射基材の方が優れていた。
一方、比較例1の光反射基材はガラス粉末とアルミナ粉末の混合焼結体からなるため十分な光反射率が得られず、結晶化度も高いためプレス成型もできなかった。比較例2の光反射基材は実施例と同様にバルク状ガラスを結晶化して得られたものであるが、析出結晶がβ−スポジュメン固溶体のみであり、屈折率が高い結晶を実質的に含有しないため光反射率が低かった。さらに、結晶化度が90質量%と高いため、熱膨張係数は小さいもののプレス成形ができなかった。比較例3の光反射基材はアルミナセラミックからなるものであり、実質的にガラス相を含有しないため光散乱効果が不十分で光反射率が低かった。

Claims (8)

  1. バルク状ガラスを結晶化させてなり、屈折率が1.7以上の析出結晶を含有する結晶化ガラスからなる光反射基材であって、波長400〜800nmにおける平均光反射率が90%以上であることを特徴とする光反射基材。
  2. 析出結晶が、ガーナイト、スピネル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウムの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の光反射基材。
  3. 析出結晶として、さらにβ−石英固溶体またはβ−スポジュメン固溶体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光反射基材。
  4. 析出結晶の粒径が0.3μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光反射基材。
  5. 結晶化ガラスが50質量%以下の結晶化度を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光反射基材。
  6. 結晶化ガラスが析出結晶の融解温度よりも低い軟化温度を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光反射基材。
  7. 表面に光透過性の機能層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光反射基材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光反射基材を用いたことを特徴とする発光デバイス。
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