JP2011032993A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算負荷を過大に増加させず高い時間分解能でスペクトル群を算出してノックに起因する信号の検出性を向上させる。
【解決方法】ノックセンサからの出力信号のノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値に対し、値の最初から所定個数分を第1のデータ群とし、第1のデータ群の最初から第1のシフト数分シフトした所定個数分を第2のデータ群とし、以下順次A/D変換後の値を所定個数と第1のシフト数を基にデータ群毎に区切り、各データ群に対し周波数解析を実施して時間分解能の低い第1のスペクトル群を出力し、第1のスペクトル群から大きなスペクトルが出力される区間を抽出し、その区間内でのA/D変換後の値を所定個数と第1のシフト数より小さい第2のシフト数とで各データ群に区切って、各データ群に対して周波数解析を実施して第2のスペクトル群を出力し、第1のスペクトル群および第2のスペクトル群を基にノック判定を実施する。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、エンジンの気筒内のエンドガスの自己着火により発生する圧力波に起因するノックを制御し、ノック検出性を向上できるノッキング制御装置に関する。
エンジンにノックが発生すると、特有の共鳴周波数成分を持った振動が発生する。そこで、この振動を検出することによりノックの発生を判定することができる。例えば特許第3471034号では、ノックセンサから出力されるノックセンサ信号に対して、ノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値を所定個数毎に区切り、区切られた各データ群に対して高速フーリエ変換(以下、FFTと称す)を実施することでノック検出ウィンドウ内での各周波数帯のスペクトル群を演算し、さらに各周波数帯でのスペクトル群のピークホールド値(以下、P/H値と称す)をそれぞれ演算してそれらを基にノック制御を実施している。
その際、データ群毎にFFTすることにより生じる誤差を軽減するために窓関数を乗じるので、各データ群の両端近傍にノックに起因する信号がある場合はそのスペクトルの大きさが小さくなる恐れがある。これに対して、例えば特許第3098104号では、ノックセンサ信号のA/D変換後の値を所定個数毎に区切って作成した各データ群だけでなく、各データ群の両端近傍をまたいで所定個数毎に区切った作成した各データ群に対してもFFTを実施することで、ノックセンサ信号のA/D変換後の値を所定個数毎に区切って作成した各データ群の両端近傍の信号の検出性を向上させることを示している。
特許第3471034号明細書 特許第3098104号明細書
特許第3098104号では、ノックセンサ信号のA/D変換後の値の最初から所定個数分を第1のデータ群、第1のデータ群の最初から所定のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第2のデータ群、第2のデータ群の最初から所定のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第3のデータ群、という具合にノックセンサ信号のA/D変換後の値を各データ群に順次区切っていることと同様であり、シフト数を小さくするほどデータ群の数は増えて出力されるスペクトル群の時間分解能は高くなりノックに起因する信号の検出性は高くなる(特許第3098104号の実施例はシフト数を所定個数の1/2とした場合に相当)。
しかし、シフト数を小さくしてデータ群の数を増やすほどスペクトル群算出のための演算負荷が増大(シフト数を1/2倍すると、データ群は約2倍となるので演算負荷も約2倍)するため、マイコンの処理能力等の制約によりシフト数を十分小さくできないことも考えられる。そうすると、以下の課題が生じる恐れがある。
図6は、ノック発生時のノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値を所定個数N=32、シフト数=N/2(=16)で区切って離散フーリエ変換(以下、DFTと称す)を実施した場合のある周波数のスペクトル群と、所定個数=32、シフト数=1(時間分解能が最大)で区切ってDFTを実施した場合のスペクトル群のグラフイメージを示しており、横軸は時間(またはクランク角)、縦軸はスペクトルを示す。
図6に示すとおり、シフト数N/2の場合のスペクトル群はシフト数1のそれを間引きしたものとなる。このため、場合によっては図6に示すように時間分解能不足によりP/H値が低下し(図6のα(シフト数1でのP/H値)、β(シフト数N/2でのP/H値)参照)、結果として、ノック検出性の低下につながる恐れがある。また、時間分解能不足を解消するために、より高性能のマイコンを搭載してコストアップにつながる恐れがある。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、演算負荷を過大に増加させることなくノック検出性を向上させることができる内燃機関の制御装置を得ることを目的としている。
この発明に係る内燃機関の制御装置は、エンジンの振動またはシリンダ内圧振動を検出するセンサと、前記センサから出力される信号に各種処理を施しノック判定を実施してノック検出時に点火時期を遅角するためのノック遅角量を演算するノック制御手段とを備え、前記ノック制御手段は、前記センサから出力される信号のノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値に対して、ノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値の最初から所定個数分を第1のデータ群とし、第1のデータ群の最初から第1のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第2のデータ群とし、第2のデータ群の最初から第1のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第3のデータ群とし、以下順次ノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値を所定個数と第1のシフト数を基にデータ群毎に区切り、各データ群に対して単数または複数の周波数帯での周波数解析を実施して第1のスペクトル群を出力し、前記第1のスペクトル群を基にノック検出ウィンドウよりも狭い詳細検出区間を抽出し、前記詳細検出区間内でのA/D変換後の値を前記所定個数と第1のシフト数より小さい第2のシフト数とで各データ群に区切り、各データ群に対して単数または複数の周波数帯での周波数解析を実施して第2のスペクトル群を出力し、前記第1のスペクトル群および第2のスペクトル群に基づいてノック判定を実施することを特徴とする。
この発明によれば、第1のスペクトル群および第2のスペクトル群を基にノック判定を実施することで、演算負荷を過大に増加させることなく、高い時間分解能でスペクトル群を算出してノックに起因する信号の検出性を向上させて、ノック検出性を向上させることができる。
この発明の実施の形態1によるノッキング制御装置のシステム構成を示す図である。 ノック検出ウィンドウ内での高速A/D変換の実施からP/H値および平均値算出までのフローを示す図である。 第1のスペクトル群算出の具体例を示す図である。 第2のスペクトル群算出の具体例を示す図である。 第1のスペクトル群の上位1、2番目のスペクトルから詳細検出区間を抽出する場合の詳細検出区間および第2のスペクトル群を示す図、そして第1のスペクトル群のうち所定値以上のスペクトルから詳細検出区間を抽出する場合のノック発生時とノック未発生時の詳細検出区間を示す図である。 ノック発生時のノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値を高い時間分解能(シフト数=1)および低い時間分解能(シフト数=16)を実施した場合のある周波数のスペクトル群を示す図である。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係るノッキング制御装置のシステム構成を示す図である。ノッキング制御装置は、ノッキングを検出するためにエンジンに取り付けられている、例えば圧電素子からなる非共振型ノックセンサ1と、非共振型ノックセンサ1からのアナログ信号に各種処理を施して最終的にノック遅角量を演算する電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)29とから構成される。ここで、ECU29は、ノックI/F回路と、ノックI/F回路を介した非共振型ノックセンサ1から出力される信号に各種処理を施しノック判定を実施してノック検出時に点火時期を遅角するためのノック遅角量を演算するノック制御手段としてのノック制御ロジックに大別される。なお、非共振型ノックセンサ1に関しては、それに限らずエンジンの振動またはシリンダ内圧振動を検出するセンサであればよく、例えば筒内圧センサなどを使用してもよい。
続いて、図1を用いてECU29内のシステム構成を説明する。非共振型ノックセンサ1から出力されたアナログ信号はバッファ2に送られる。そして、バッファ2から出力されるアナログ信号は、アンチエイリアス用のローパスフィルタ及び増幅器(以下、ローパスフィルタをLPFと称す)5と故障検出用LPF3に送られる。故障検出用LPF3では、バッファ2でプルアップ・ダウンされたアナログ信号の交流成分を減衰させる。ノックセンサ故障検出部4は、この故障検出用LPF3から出力される直流電圧をモニタすることで非共振型ノックセンサ1の故障検出を実施する。
一方、LPF及び増幅器5では、アナログ信号のアンチエイリアシング処理を実施したあとでスイッチドレジスタによりアナログ信号の増幅を実施する。なお、スイッチドレジスタはエンジン回転数に応じて生成されるゲイン制御信号6により制御される。
そして、高速A/D変換部7は、LPF及び増幅器5で処理されたアナログ信号に対して高速A/D変換を実施する。高速A/D変換部7による高速A/D変換は、ノック検出ウィンドウ判定部8で生成されるノック検出ウィンドウ信号のLOW期間中に実施される。
高速A/D変換を実施した後に、高速A/D変換後のデータに対して時間−周波数解析を実施する。本実施の形態では、2つの周波数帯(例えば6.25kHzと15.63kHz)について時間−周波数解析を実施するものとして以下の説明を行うが、解析する周波数の個数および周波数帯に関してはこれに限定するものではない。信号処理部9では第1の周波数帯(以下、周波数1と称す)での時間−周波数解析を実施し、信号処理部18では第2の周波数帯(以下、周波数2と称す)での時間−周波数解析を実施する。なお、本実施の形態では、信号処理部9、18で実施される時間−周波数解析は、高速A/D変換後のデータを区切ってDFTを実施するものであるが、時間−周波数解析はこれに限定するものではない。
ここで、図2〜図4を用いて図1の信号処理部9、18で実施される高速A/D変換後のデータ区切り処理からDFTの演算、詳細検出区間の抽出等を経て、ピークホールド(以下、P/Hと称す)P/H値および平均値の算出までの説明を行う。図2では、高速A/D変換部7およびノック検出ウィンドウ判定部8での処理から信号処理部9、18での処理を経てピークホールド算出部10、19及び平均値算出部14、23での処理までのフローを示している。
図2のS201に示すとおりノック検出ウィンドウ内で高速A/D変換を実施した後で、図2のS202、S203において比較的低い時間分解能でノック検出ウィンドウ内のスペクトル群(第1のスペクトル群)の算出を実施する。その後、図2のS204に示すとおり第1のスペクトル群から大きなスペクトルが出力される区間を抽出し、それを詳細検出区間とする。そして、図2のS205、S206において第1のスペクトル群の算出時よりも高い時間分解能で詳細検出区間内のスペクトル群(第2のスペクトル群)の算出を実施し、図2のS207において第1のスペクトル群および第2のスペクトル群からP/H値および平均値を算出する。
このように、まず比較的低い時間分解能でノック検出ウィンドウ内のスペクトル群を算出、その後に高い時間分解能でノック検出ウィンドウよりも狭い詳細検出区間内のスペクトル群を算出することで演算負荷を過大に増加させることなく、高い時間分解能でスペクトル群を算出してノックに起因する信号の検出性を向上させる。
以下、図3を用いた高速A/D変換から第1のスペクトル群の算出までの詳細説明、図4を用いた詳細検出区間の決定から第2のスペクトル群の算出までの詳細説明を行う。
図3では、図1のLPF及び増幅器5の後の信号を高速A/D変換部7、ノック検出ウィンドウ判定部8の処理を経て信号処理部9または信号処理部18での処理により第1のスペクトル群が出力されるまでの具体例を示しており、図3の(a)にノックセンサ信号(図1のLPF及び増幅器5の後の信号)を示す。図3の(a)に示すノックセンサ信号に対して図3の(b)に示すノック検出ウィンドウ信号のLOW期間中に高速A/D変換を実施する(図2のS201の処理)。その結果、図3の(c)に示すようなデータxs(0)〜xs(159)が得られる。
その後、データxs(0)〜xs(159)を所定個数(図3ではN=32。なお、所定個数はこれに限定されるものではない)と所定のシフト数(以下、このシフト数を第1のシフト数と称す)で区切り、図3の(d)に示すようなデータ群(xs1〜xs9)を得る(図2のS202の処理)。xs1はxs(0)〜所定個数分までのデータ群(=xs(0)〜xs(31))、xs2はxs1の開始(=xs(0))から第1のシフト数分シフトしたところ(=xs(16))〜所定個数分までのデータ群(=xs(16)〜xs(47))、xs3はxs2の開始(=xs(16))から第1のシフト数分シフトしたところ(=xs(32))〜所定個数分までのデータ群(=xs(32)〜xs(47))で、以下順次xs9まで区切られている。なお、第1のシフト数(図3ではN/2)は、マイコンの処理能力に余裕があればN/4にするなどしてさらに時間精度を上げてもよい。
図3の(d)に示す処理の実施後、高速A/D変換後のデータを各データ群に区切って周波数解析することにより生じる誤差を軽減するために、図3の(e)に示すように各データ群xs1〜xs9に対して窓関数をかける。本実施の形態では、窓関数として、式(1)に示すハニング窓を使用するが、窓関数に関してはこれに限定するものではない。
Figure 2011032993
ここで、w(n):ハニング窓、N:所定個数
例として、xs1に窓関数をかける場合の演算を式(2)に示す([ ]は配列を表す)。
Figure 2011032993
ここで、xsw1(n):合成関数(xs1に窓関数を掛けた結果)
xsw1(0)〜xsw1(N−1):xsw1(n)の配列成分
図3の(e)に示す処理を実施後、図3の(f)に示すようにデータ群毎にDFTを行い、第1のスペクトル群を演算する(図2のS203の処理)。スペクトルの演算例としてxsw1(N)の場合を式(3)に示す。
Figure 2011032993
ここで、XsS1(k):xsw1(n)に対してDFTを実施したときの周波数k/ NTのスペクトル
k:周波数に関する変数(抽出する周波数に応じてk=0,1,2,・・・N −1のいずれかを設定)
:データxsのサンプリング周期
なお、各データ群でのDFT結果に対し、その時間(クランク角)は各データ群の区間の中間タイミングとする。
このように、高速A/D変換後のデータを所定個数と第1のシフト数で区切って周波数解析を実施することにより、比較的低い時間分解能(演算負荷は小さい)でノック検出ウィンドウ内のスペクトルの分布状態を確認する。
続いて、図4で詳細説明を行う。図4では、詳細検出区間の抽出から第2のスペクトル群が出力されるまでの具体例を示している。図4の(a)に図3の(f)で示した第1のスペクトル群と詳細検出区間とを示す。図4の(a)では、詳細検出区間を第1のスペクトル群の内で最大のスペクトル(図4の(a)のXsS4)を中心に隣接するスペクトル(図4の(a)のXsS3、XsS5)が算出される範囲で抽出している(図2の(S204)の処理)。なお、詳細検出区間の範囲はこれに限らず、マイコンの処理能力に余裕があれば最大のスペクトルの2個隣(図4の(a)のXsS2、XsS6)が算出される範囲で抽出するなどしてもよい。また、後述のように第1のスペクトル群の上位1〜所定番目のスペクトルを基に詳細検出区間を抽出したり、第1のスペクトル群のうち所定値以上のスペクトルを基に詳細検出区間を抽出したりしてもよい。
詳細検出区間の抽出後、図4の(b)に示すように図3の(c)の高速A/D変換後のデータから詳細検出区間のデータ(=xs(32)〜xs(95))を抽出する。そして、図4の(c)に示すように詳細検出区間のデータを所定個数(図3の(d)のときと同じ値とする)と第1のシフト数よりも小さい所定のシフト数(以下、このシフト数を第2のシフト数と称す)で図3の(e)の時と同様に区切ってデータ群(ys1〜ys9)を得る(図2のS205の処理)。なお、第2のシフト数(図4ではN/8)も第1のシフト数と同様に、マイコンの処理能力に余裕があればN/16にするなどしてさらに時間精度を上げてもよい。
図4の(c)の処理の実施後、図4の(d)に示すように図3の(e)の時と同様に各データ群ys1〜ys9に対して窓関数をかける。演算式は式(1)、(2)と同様なので省略する。
図4の(d)の処理の実施後、図4の(e)に示すようにデータ群毎にDFTを行い、第2のスペクトル群を演算する(図2のS206の処理)。なお、第2のスペクトル群の演算例は式(3)と同様なので省略する。
ここで、例としてノック検出ウィンドウ内での高速A/D変換後のデータ=352個、所定個数N=32個とした場合、シフト数=N/8でノック検出ウィンドウ内のスペクトルを算出するとスペクトルの個数は81個となる。一方、本実施の形態のように、第1のシフト数=N/2でノック検出ウィンドウ内のスペクトルを、第2のシフト数=N/8で詳細検出区間内のスペクトルを算出する場合はスペクトルの個数は合わせて30個となり演算負荷は小さくなる(所定個数Nが同じならばスペクトルの個数が多いほど演算負荷は増大する)。
このように、詳細検出区間を抽出し、詳細検出区間内の高速A/D変換後のデータを所定個数と第1のシフト数より小さい第2のシフト数で区切って周波数解析を実施することにより、演算負荷を過大に増加させることなく高い時間分解能のスペクトル群が得られる。
また、上記では、第1のスペクトル群の内で最大のスペクトルを基に詳細検出区間を抽出したが、図5に示す2通りの方法で詳細検出区間を抽出してもよい。図5は、第1のスペクトル群の上位1、2番目のスペクトルから詳細検出区間を抽出したときの詳細検出区間と第2のスペクトル群、そして第1のスペクトル群のうち所定値以上のスペクトルから詳細検出区間を抽出したときのノック発生時およびノック未発生時における詳細検出区間を示している。
第1のスペクトル群の上位1、2番目のスペクトルから詳細検出区間を抽出する場合では、第1のスペクトル群の上位1番目と2番目のそれぞれで詳細検出区間(図5の詳細検出区間1、詳細検出区間2)を抽出し、詳細検出区間1と詳細検出区間2の論理和をもって詳細検出区間とする。
このようにすることで、図5に示すように第1のスペクトル群の上位1番目の近傍ではなく2番目の近傍にスペクトル群のP/H値がある場合にも、P/H値を検出もれすることがない。なお、マイコンの処理能力に余裕があれば第1のスペクトル群の上位1番目〜4番目から同様に詳細検出区間を抽出するなどして詳細検出区間の範囲を拡大してもよい。
第1のスペクトル群のうち所定値以上のスペクトルから詳細検出区間を抽出する場合では、図5に示すように第1のスペクトル群のうち所定値以上のスペクトルのそれぞれで詳細検出区間を抽出し、それらの論理和をもって詳細検出区間とする。所定値はエンジン回転数、充填効率、点火時期等の運転条件に応じてマップ設定すればよいが、所定値の設定はこれに限定するものではない。
このようにすることで、図5に示すようにノック発生時には第1のスペクトル群の大きさに応じて詳細検出区間が抽出される。また、ノック未発生時には詳細検出区間が抽出されないので、不必要に詳細検出区間で第2のスペクトルを算出せず、演算負荷を軽減できる。なお、上記2とおりの方法を合わせて、第1のスペクトル群のうち大きさが所定値以上でかつ上位1番目〜所定番目のスペクトルから詳細検出区間を抽出するなどしてもよい。
図1に戻って、信号処理部9以降の説明を続ける。
信号処理部9での信号処理により出力されるDFTのスペクトルに対して、ピークホールド算出部10では第1のスペクトル群および第2のスペクトル群からP/H値を演算し、平均値算出部14では第1のスペクトル群および第2のスペクトル群から平均値を演算する(図2のS207の処理)。なお、平均値算出の際に第1のスペクトル群と第2のスペクトル群とで重複するスペクトルの重複分は省くものとする。
そして、ノック判別スレショルド演算部11においてピークホールド算出部10で得られたP/H値を一次なまし処理した値にゲインを乗じてオフセットを付加することで周波数1のP/H値に対するノック判別スレッショルドを演算する。なお、ノック判別スレッショルドの演算に関してはこれに限定するものではない。
ノック判別スレショルド演算部11で周波数1のP/H値に対するノック判別スレッショルドを演算した後で、ノック検出量演算部12においてP/H値とノック判別スレッショルドの差分から周波数1のP/H値によるノック検出量を演算する。なお、ノック検出量の演算に関してはこれに限定するものではない。
そして、1点火毎ノック遅角量演算部13において、周波数1のP/H値によるノック検出量から周波数1のP/H値による1点火毎ノック遅角量(ノック遅角量を1点火毎に補正する量)を演算する。
1点火毎ノック遅角量演算部13以降は一旦置いて、平均値算出部14に戻って平均値算出部14から1点火毎ノック遅角量演算部17までを説明する。上述のとおり平均値算出部14から1点火毎ノック遅角量演算部17までの処理では平均値により1点火毎点火時期補正量の演算を実施するが、その内容は上述のピークホールド算出部10から1点火毎ノック遅角量演算部13までの処理でP/H値を平均値に置き換えたものと同様である。
そして、信号処理部18から1点火毎ノック遅角量演算部26に関しては、周波数2のP/H値および平均値による1点火毎ノック遅角量の演算を示しており、これらは上述の周波数1での処理(信号処理部9から1点火毎ノック遅角量演算部17)と同様の処理を実施するため説明は省略する。
信号処理部9から1点火毎ノック遅角量演算部26までの処理を実施後に、1点火毎ノック遅角量のMAX値演算部27において1点火毎ノック遅角量演算部13、17、22、26からそれぞれ演算された1点火毎ノック遅角量のうちの最大値を演算する。
そして、1点火毎ノック遅角量のMAX値演算部27で演算された1点火毎ノック遅角量のうちの最大値を基に、ノック遅角量演算部28においてノック遅角量を更新し、結果を点火時期制御へ反映させる。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置によれば、エンジンの振動またはシリンダ内圧振動を検出するセンサから出力される信号のノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値に対して、ノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値の最初から所定個数分を第1のデータ群とし、第1のデータ群の最初から第1のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第2のデータ群とし、第2のデータ群の最初から第1のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第3のデータ群とし、以下順次にノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値を所定個数と第1のシフト数を基にデータ群毎に区切って、各データ群に対して単数または複数の周波数帯での周波数解析を実施して時間分解能の低い第1のスペクトル群を出力し、第1のスペクトル群から大きなスペクトルが出力される区間を抽出し、それを詳細検出区間として、詳細検出区間内でのA/D変換後の値を所定個数と第1のシフト数より小さい第2のシフト数とで各データ群に区切って、各データ群に対して単数または複数の周波数帯での周波数解析を実施して第2のスペクトル群を出力し、第1のスペクトル群および第2のスペクトル群を基にノック判定を実施することで、演算負荷を過大に増加させることなく、高い時間分解能でスペクトル群を算出してノックに起因する信号の検出性を向上させて、ノック検出性を向上させることができる。
また、第1のスペクトル群のうち大きさが上位1番目〜所定番目のスペクトルを基に詳細検出区間を抽出することにより、例えば第1のスペクトル群の上位1番目の近傍ではなく上位2〜所定番目のいずれかの近傍に第2のスペクトル群のP/H値がある場合でも、P/H値の検出もれを防ぐことができる。
また、第1のスペクトル群のうち大きさが所定値以上の各スペクトルを基に、詳細検出区間を抽出することにより、第1のスペクトル群の大きさに応じて詳細検出区間が抽出され、例えばノック未発生時には第1のスペクトル群の大きさが所定値よりも小さく、詳細検出区間が抽出されないので、不必要に詳細検出区間で第2のスペクトルを算出することなく、演算負荷を軽減できる。
1 非共振型ノックセンサ、2 バッファ、3 故障検出用LPF、4 ノックセンサ故障検出部、5 LPF及び増幅器、6 ゲイン制御信号、7 高速A/D変換部、8 ノック検出ウィンドウ判定部、9,18 信号処理部、10,19 ピークホールド算出部、11,15,20,24 ノック判別スレッショルド演算部、12,16,21,25 ノック検出量演算部、13,17,22,26 1点火毎ノック遅角量演算部、14,23 平均値算出部、27 1点火毎ノック遅角量のMAX値演算部、28 ノック遅角量演算部、29 電子制御ユニット(ECU)。

Claims (3)

  1. エンジンの振動またはシリンダ内圧振動を検出するセンサと、前記センサから出力される信号に各種処理を施しノック判定を実施してノック検出時に点火時期を遅角するためのノック遅角量を演算するノック制御手段とを備え、
    前記ノック制御手段は、
    前記センサから出力される信号のノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値に対して、ノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値の最初から所定個数分を第1のデータ群とし、第1のデータ群の最初から第1のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第2のデータ群とし、第2のデータ群の最初から第1のシフト数分シフトしたところから所定個数分を第3のデータ群とし、以下順次ノック検出ウィンドウ内でのA/D変換後の値を所定個数と第1のシフト数を基にデータ群毎に区切り、各データ群に対して単数または複数の周波数帯での周波数解析を実施して第1のスペクトル群を出力し、
    前記第1のスペクトル群を基にノック検出ウィンドウよりも狭い詳細検出区間を抽出し、前記詳細検出区間内でのA/D変換後の値を前記所定個数と第1のシフト数より小さい第2のシフト数とで各データ群に区切り、各データ群に対して単数または複数の周波数帯での周波数解析を実施して第2のスペクトル群を出力し、
    前記第1のスペクトル群および第2のスペクトル群に基づいてノック判定を実施する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第1のスペクトル群のうち大きさが上位1番目〜所定番目のスペクトルを基に、前記詳細検出区間を抽出する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記第1のスペクトル群のうち大きさが所定値以上の各スペクトルを基に、前記詳細検出区間を抽出する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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