JP6554073B2 - 内燃機関の制御装置及びノック判定方法 - Google Patents
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その他の解決手段については後記する。
前記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本実施形態は、クランク角度センサと、ノックセンサから得られる情報を基に、ノックが発生するクランク角度の区間であるノック判定角度区間のノックセンサ信号を取得する。
そして、ノック角度判定区間での、ノック周波数帯強度に対する外乱ノイズ周波数帯強度の影響度を算出し、この影響度を基にノック周波数帯強度もしくはノック判定のためのスライスレベル(閾値)を補正する。
そこで、本実施形態では、まず、ノック周波数帯強度の補正を行う第1実施形態から説明する。第1実施形態では、まず、内燃機関の全体構成を説明する。その後、制御装置であるECU(Electric Control Unit)の説明を行い、本実施形態における制御を行うためのプログラム構成を説明する。
その後、前記した影響度(本実施形態では強度比率差分)の考え方を説明し、フローチャートの説明を行う。
続いて、スライスレベルを補正する第2実施形態の説明を行う。
(内燃機関)
図1は、第1実施形態に係る内燃機関の全体構成を示す図である。
図1に示す内燃機関Zは、例えば、火花点火式燃焼を実施する自動車用4気筒ガソリンエンジンを示したものである。
内燃機関(エンジン)Zは、エアフローセンサ20と、電子制御スロットル2と、吸気温度センサ15と、吸気圧センサ21とを備えている。
エアフローセンサ20は、吸気管6における吸入空気量を計測する。
電子制御スロットル2は、吸気管6の圧力を調整する。
吸気温度センサ15は、吸入空気温度を計測する。
吸気圧センサ21は、吸気管6内の圧力を計測する。
インジェクタ3は、各吸気管6と連通する気筒C(C1〜C4)毎に、各気筒Cの燃焼室12の内部に燃料を噴射する燃料噴射装置であり、筒内直接噴射用インジェクタとも称される。
点火システム4は、混合気に着火するためのシステムであり、シグナルジェネレータ、イグニッションコイル、ディストリビュータ、点火プラグ等を有する。
冷却水温度センサ14は、シリンダヘッド7に備えられ、内燃機関Zの冷却水温度を計測する。
可変バルブ5は、気筒C内に流入する吸入ガスを調整する吸気バルブ可変装置5aと、気筒C内から排出される排気ガスを調整する排気バルブ可変装置5bとから構成される。ここで、可変バルブ5は、吸気バルブ可変装置5aや排気バルブ可変装置5bの位相角を検出する位相角センサ(不図示)を有している。ECU1は、可変バルブ5(特に吸気バルブ可変装置5aや排気バルブ可変装置5b)の位相角を調整することにより、気筒C1から気筒C4までの各気筒Cの吸気量や、EGR(Exhaust Gas Recirculation)量等を調整する。
さらに、内燃機関Zのクランク軸(不図示)には、その回転角度を算出するクランク角度センサ13が設けられている。そして、内燃機関Zのシリンダブロック(不図示)には、内燃機関Zの振動を検出するノックセンサ(ノック計測部)22が設けられている。
三元触媒10は、排気管8に設置され、排気を浄化する。
空燃比センサ9は、三元触媒10の上流側で排気の空燃比を検出する。
排気温度センサ11は、三元触媒10の上流側で排気温度を計測する。
また、符号23は、カムシャフトである。
このうち、本実施形態において重要な信号は、クランク角度センサ13及びノックセンサ22から取得される信号である。
また、ECU1は、クランク角度センサ13から得られる信号に基づいて内燃機関Zの回転速度を算出する。さらに、ECU1は、前記した各種センサの出力から得られる信号に基づいて内燃機関Zの運転状態を算出する。そして、ECU1は、空気流量、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度、可変バルブ5の作動量、燃料圧力等といった内燃機関Zに関する主要な作動量を算出する。
図2は、第1実施形態に係るECUの構成を示す図である。
ECU1は、主に、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、入力回路104と、入力ポート及び出力ポートからなる入出力ポート105とを有している。
CPU101は、ROM103に格納されている制御プログラムに従って演算処理を行う。
RAM102には、制御プログラムに従って算出された各アクチュエータの作動量を示す値が格納される。
ROM103には、算出処理内容を記述した制御プログラムが格納されている。
なお、図2において、CPU101、RAM102、ROM103及び入出力ポート105の間の太矢印はバスを示している。
なお、ECU1内の駆動回路は、これらに限定されない。
(制御プログラム)
図3は、第1実施形態に係る制御プログラムの構成を示す図である。
なお、図3における各部201〜209の処理の詳細は後記する。
制御プログラムは、信号選択部200、高速ADC(Analog Digital Converter)201、ノック用フィルタ処理部202、ノック周波数帯強度算出部203を有している。さらに、制御プログラムは、外乱ノイズ用フィルタ処理部204、外乱ノイズ周波数帯強度算出部205を有している。また、制御プログラムは、ノック周波数帯強度補正部(影響度算出部、補正部)206、バックグラウンドレベル算出部(バックグラウンドノイズ算出部)207、ノック判定処理部208、ノック回避制御部209を有している。
以下、各部の動作の概要を順に説明する。各部の処理の詳細は後記する。
高速ADC201は、入力されたノックセンサ信号を高速AD変換する。ノック発生時、内燃機関Zに数十kHzの高周波数成分がノックセンサ信号に重畳する。従って、高速ADC201では、サンプリング定理により検出したい周波数の倍以上の周波数でAD変換することが望ましい。例えば、20kHzまでの振動を検出したい場合、高速ADC201は、40kHz(=25μs)以上のサンプリング周波数で高速AD変換する。
なお、周波数強度とは、バンドパスフィルタ内の周波数特性において、最も強度の高い部分のことである。多くの場合、中心周波数における強度と一致する。
ノック周波数帯強度補正部206による算出結果は、バックグラウンドレベル算出部207と、ノック判定処理部208に出力される。
バックグラウンドレベル算出部207による算出結果は、ノック判定処理部208へ出力される。
図4は、バンドパスフィルタ特性を示す図である。
図4において、横軸は周波数を示し、縦軸はゲイン(dB)を示している。
バンドパスフィルタを構成する場合、中心周波数に対して信号の通過帯域が狭く、中心周波数帯の外側のゲインが低くなるよう設定する。これにより、バンドパスフィルタを通過した信号は中心周波数帯より外側のノイズ成分をほぼ含むことがないため、シグナル(ノック周波数帯強度)とノイズの比率であるSN比が高い。なお、ここでの「ノイズ」とは、外乱ノイズに限らず、一般的な意味でのノイズである。そのため、ノック用フィルタ処理部202(図3参照)及び外乱ノイズ用フィルタ処理部204(図3参照)では、このようなバンドパスフィルタを用いて各周波数帯の周波数強度を得ることが望ましい。
図5は、ノック周波数帯強度と外乱ノイズ周波数帯強度が発生する周波数帯の一例を示す図である。
図5の上段及び下段とも、横軸は周波数を示し、縦軸は周波数強度を示している。なお、図5の上段及び下段において、周波数軸は一致している。
なお、以下では、中心周波数がFsnのノック周波数帯をノック周波数帯Fsnと称する。同様に、中心周波数がFnmの外乱ノイズ周波数帯を外乱ノイズ周波数帯Fnmと称する。
図5の上段は、ノック周波数帯強度の特性を示している。図5の上段では、Fs1〜Fs5の周波数帯にノック特有の周波数強度ピークが現れている例を示している。
本来バックグラウンドノイズが、図5の上段及び下段における全周波数帯に含まれるが、バックグラウンドノイズはノックとは無関係に発生するものであるため、説明の簡素化のため図5の上段及び下段では図示省略している。
一方、外乱ノイズ周波数帯のFn2やFn3は、いずれのノック周波数帯からも離れた位置に存在しているため、これらの外乱ノイズがノック周波数帯強度に影響することはない。
そのため、外乱ノイズ影響を受けているノック周波数帯Fs2のノック周波数帯強度は外乱ノイズ影響を補正する。一方、外乱ノイズ影響を受けていないノック周波数帯Fs1,Fs3〜Fs5については外乱ノイズ補正を実施しなくてもよい。
次に、図6〜図20を参照して、ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1の関係について説明する。適宜、図3を参照する。
なお、図6〜図20において、横軸は周波数を示し、縦軸は周波数強度を示している。また、図6〜図20において、周波数軸は一致している。
まず、図6〜図8を参照して、外乱ノイズがノック周波数帯強度に影響する一例を説明する。
図6は、ノック判定角度区間にノックのみが発生し、外乱ノイズが含まれていない場合における、ノック周波数帯のノック周波数帯強度を示す図である。
ノック周波数帯Fs2のノック周波数帯強度は、ノック周波数Fs2を中心とするバンドパスフィルタFLs2で構成されている。図6に示す周波数成分は、ノック用フィルタ処理部202通過後の周波数成分に相当する。
外乱ノイズ周波数帯Fn1の外乱ノイズ周波数帯強度は、外乱ノイズ周波数Fn1を中心とするバンドパスフィルタFLn1で構成されている。なお、図7に示す周波数成分は、外乱ノイズ用フィルタ処理部204通過後の周波数成分に相当する。
外乱ノイズ発生時に現れる周波数強度ピークの一つが外乱ノイズ周波数Fn1に現れるため、外乱ノイズ周波数Fn1における周波数強度は高く、外乱ノイズ周波数Fn1から遠ざかるほど周波数強度は低くなる。そして、バンドパスフィルタFLn1の通過帯域外の周波数強度はほぼ得られない。
図8では、図6に示すノック周波数帯Fs2のノック周波数帯強度と、図7に示す外乱ノイズ周波数帯強度がともに発生している状態が示されている。
ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1は隣接しており、一部の周波数帯が重なり合っているため、重なり合った部分においては、外乱ノイズ周波数帯強度がノック周波数帯強度に重畳する。そのため、実際にノックで発生している周波数強度は図6に示す大きさであるが、外乱ノイズ影響を受けると図8に示すように、一部が実際よりも大きい周波数強度となってしまう。
これ以降の説明では、図5において、外乱ノイズの影響をうけるノック周波数帯Fs2に注目し、この周波数強度(ノック周波数帯強度)をSKD2とする。また、図5において、ノック周波数帯Fs2に影響を与える外乱ノイズ周波数帯Fn1の周波数強度(外乱ノイズ周波数帯強度)をNKD1とする。
例えば、ノック周波数帯強度SKD2の方が外乱ノイズ周波数帯強度NKD1よりも大きく、外乱ノイズ周波数帯強度NKD1がノック周波数帯強度SKD2の半分の大きさであるとする。このような場合、ノック周波数帯強度比率RSKD2及び外乱ノイズ周波数帯強度比率RNKD1は、以下のようになる。
RSKD2=100%
RNKD1=50%
例えば、外乱ノイズ周波数帯強度NKD1の方がノック周波数帯強度SKD2よりも大きく、ノック周波数帯強度SKD2が外乱ノイズ周波数帯強度NKD1の半分の大きさであるとする。このような場合、ノック周波数帯強度比率RSKD2及び外乱ノイズ周波数帯強度比率RNKD1は、以下のようになる。
RSKD2=50%
RNKD1=100%
強度比率差分ΔRKDは、ノック周波数に対して、どのくらい外乱ノイズ周波数が影響しているのかを示す評価値である。つまり、ノック周波数に対する外乱周波数の影響度である。
強度比率差分ΔRKDが+側であれば、ノック周波数帯強度SKD2の方が、外乱ノイズ周波数帯強度NKD1よりも大きいことを示している。そして、強度比率差分ΔRKDが+側に大きな値であればあるほど、ノック周波数帯強度SKD2が外乱ノイズ周波数帯強度NKD1よりも大きいことを示している。すなわち、外乱ノイズ周波数の影響が小さいことを示している。
次に、図9〜図11を参照して、外乱ノイズ周波数帯強度が、ほぼ0である例について説明する。
図9は、ノックが発生し、ノック判定角度区間に外乱ノイズ非混入の場合における、それぞれの周波数強度を示す図である。
ノック周波数帯強度は、発生しているノック周波数帯強度の中心周波数はFs2である。また、外乱ノイズは、ほぼ非混入であるため外乱ノイズ周波数帯強度はほとんど出ていない。
そして、ノック用フィルタ処理部202を通過した後のノック周波数帯強度は図10のようになる。同様に、外乱ノイズ用フィルタ処理部204を通過した後の外乱ノイズ周波数帯強度は図11のようになる。
ここで、ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1は隣接しており、一部の周波数帯が重なり合っている。しかし、外乱ノイズが非混入であるため、図10に示すように、外乱ノイズの影響はほぼ受けない。
ちなみに、ノック周波数帯強度SKD2及び外乱ノイズ周波数帯強度NKD1は、ノック周波数及び外乱ノイズ周波数が互いに重畳した周波数特性において、それぞれのバンドパスフィルタ中でのピーク値を指している。
前記したように、強度比率差分ΔRKDはノック周波数帯強度比率RSKD2から外乱ノイズ周波数帯強度比率RNKD1を引いた差分である。
強度比率差分ΔRKD=+100%は、外乱ノイズの影響が、ほぼ0であることを示している。このような場合、ノック周波数帯強度の補正は実行されない。
強度比率差分ΔRKD=+90%は、外乱ノイズの影響が、非常に小さいことを示している。このような場合、ノック周波数帯強度の補正は小さくてよい。
強度比率差分ΔRKDが+90%以上の場合のように、外乱ノイズの影響が小さい場合、ノック周波数帯強度の補正は実行されないようにするのが望ましい。なお、ノック周波数帯強度の補正が実行されない強度比率差分ΔRKDは+90%以上に限らない。
次に、図12〜図14を参照して、外乱ノイズが混入し、かつ、ノック周波数帯強度に対する外乱ノイズの影響が図9〜図11に示す例より大きく、補正量も図9〜図11に示す例より大きい例を説明する。
図12は、ノック周波数帯強度が、外乱ノイズ周波数帯強度より大きい場合におけるノック周波数帯強度及び外乱ノイズ周波数帯強度を示す図である。
図12において、ノック周波数帯強度及び外乱ノイズ周波数帯強度は重畳されていない状態が示されている。
図12に示すように、発生しているノック周波数帯強度の中心周波数はFs2である。そして、外乱ノイズが混入しているため外乱ノイズ周波数帯強度も、ノック周波数帯強度ほどではないが、外乱ノイズ周波数帯Fn1を中心周波数として発生している。
このような場合、ノック用フィルタ処理部202を通過した後のノック周波数帯強度は図13のようになる。また、外乱ノイズ用フィルタ処理部204を通過した後の外乱ノイズ周波数帯強度は図14のようになる。
前記したように、ノック判定角度区間に外乱ノイズが混入しており、かつ、ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1は隣接している。そのため、外乱ノイズはノックの影響を受けて(周波数強度が重畳されて)、一部で、本来の大きな外乱ノイズ周波数帯強度よりも大きい周波数強度となっている。
次に、図15〜図17を参照して、ノック周波数帯強度に対する外乱ノイズ周波数帯強度の影響が図12〜図14の場合より大きく、補正量も図12〜図14の場合より大きい例について説明する。
図15は、ノック周波数帯強度と、外乱ノイズ周波数帯強度とが、同程度の場合におけるノック周波数帯強度及び外乱ノイズ周波数帯強度を示す図である。
図15において、ノック周波数帯強度及び外乱ノイズ周波数帯強度は重畳されていない状態が示されている。
図15に示すように、発生しているノック周波数帯強度の中心周波数はFs2である。そして、このノック周波数の一部は、中心周波数Fn1の外乱ノイズの影響を受けている。また、発生している外乱ノイズ周波数帯強度の中心周波数はFn1である。この外乱ノイズ周波数帯強度の一部はノックの影響を受けている。この場合、ノック用フィルタ処理部202を通過した後のノック周波数帯強度は図16のようになる。また、外乱ノイズ用フィルタ処理部204を通過した後の外乱ノイズ周波数帯強度は図17のようになる。
前記したように、ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1は隣接している。そのため、ノック周波数帯Fs2と、外乱ノイズ周波数帯Fn1は、一部の周波数帯が重複している。そのため、ノック周波数帯Fs2のノック周波数帯強度は、外乱ノイズの影響を受け、一部が本来のノック周波数帯強度よりも大きい周波数強度となっている。
前記したように、ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1は隣接している。そのため、外乱ノイズ周波数帯強度はノックの影響を受けて、一部が本来の外乱ノイズ周波数帯強度よりも大きな周波数強度となっている。
次に、図18〜図20を参照して、ノック周波数帯強度に対する外乱ノイズの影響が図15〜図17の場合より大きく、補正量も図15〜図17の場合より大きい例について説明する。すなわち、図18〜図20は、外乱ノイズ周波数帯強度が、ノック周波数帯強度より大きい場合について説明する。
図18は、外乱ノイズ周波数帯強度が、ノック周波数帯強度より大きい場合におけるノック周波数帯強度及び外乱ノイズ周波数帯強度を示す図である。
図18において、ノック周波数帯強度及び外乱ノイズ周波数帯強度は重畳されていない状態が示されている。
図18に示すように、ノック周波数帯強度の中心周波数はFs2である。そして、ノック周波数帯Fs2のノック周波数帯強度は、外乱ノイズの影響を受けている。
一方、外乱ノイズの中心周波数はFn1である。そして、外乱ノイズ周波数帯Fn1の外乱ノイズ周波数帯強度の一部はノックの影響を受けている。
このような場合、ノック用フィルタ処理部202を通過した後のノック周波数帯強度は図19のようになる。また、外乱ノイズ用フィルタ処理部204を通過した後の外乱ノイズ周波数帯強度は図20のようになる。
前記したように、ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1は隣接している。そのため、ノック周波数帯Fs2及び外乱ノイズ周波数帯Fn1は、互いに一部の周波数帯が重なり合っている。そのため、ノック周波数帯強度SKD2は、外乱ノイズの影響を受け、一部が本来のノック周波数帯強度よりも大きい周波数強度となっている。
前記したように、ノック周波数帯Fs2と外乱ノイズ周波数帯Fn1は隣接している。そのため、外乱ノイズ周波数帯強度NKD1はノックの影響を受けて、一部が本来の周波数強度よりも大きな周波数強度となっている。
次に、図21〜図26を参照して、本実施形態に係るECUにおける処理手順を説明する。
図21は、第1実施形態に係る内燃機関の制御装置における処理手順を示すフローチャートである。
図21の処理は、内燃機関Zが「ON」となると実行開始される。
まず、信号選択部200が、クランク角度センサ13の信号に基づいて、ノックセンサ22から入力される信号を選択して、高速ADC201へ出力する。つまり、信号選択部200は、クランク角度センサ13の信号がノック判定角度区間である場合のみ、ノックセンサ22の信号を高速ADC201へ出力する。
そして、高速ADC201は、ノック判定を行うノック判定角度区間において、ノックセンサ22からノックセンサ信号を読み込む(S101)。
ノック判定角度区間は、予め設定されたクランク角度の区間(例えば上死点からクランク角度90deg進むまでの間等)とする。ノック判定角度区間であるか否かは、クランク角度センサ13から取得される信号を基に判定されればよい。
あるいは、エンジン回転数や負荷によって、ノック判定角度区間の開始位置やクランク角度判定区間を可変にしてもよい。
ノック用フィルタ処理部202には、ノック発生時に特徴的な周波数強度ピークを得るため、n個のノック用バンドパスフィルタFLs1〜FLsnが設けてある。なお、ノック用バンドパスフィルタFLs1〜FLsnは、実験で予めわかっているノック周波数帯を基に予め設定されている。
例えばノック用バンドパスフィルタFLs1の場合、中心周波数をFs1(kHz)とする所定の周波数帯域内の周波数強度の信号のみを抽出するフィルタである。その他のノック用バンドパスフィルタFLs2〜FLsnも同様の特性である。ノック用フィルタ処理部202は、各ノック用バンドパスフィルタFLs1〜FLsnを用いて、ノックセンサ信号から各周波数帯のノック周波数帯強度SKD1〜SKDnの信号を抽出する。
外乱ノイズ用フィルタ処理部204は、外乱ノイズ発生時に特徴的な外乱ノイズ周波数帯強度のピークを有する外乱ノイズ用バンドパスフィルタが設定されている。外乱ノイズ周波数帯強度のピークを有する周波数帯がm個ある場合、m個の外乱ノイズ用バンドパスフィルタFLn1〜FLnmが設定されている。なお、外乱ノイズ用バンドパスフィルタFLn1〜FLnmは、実験で予めわかっている外乱ノイズ周波数帯を基に予め設定されている。
例えば、外乱ノイズ用バンドパスフィルタFLn1の場合、中心周波数をFn1(kHz)とする所定の周波数帯域内の周波数成分のみの信号を抽出するバンドパスフィルタである。その他の外乱ノイズ用バンドパスフィルタFLn2〜FLnmも同様の特性である。外乱ノイズ用フィルタ処理部204は、各外乱ノイズ用バンドパスフィルタを用いて、ノックセンサ信号から各周波数帯の外乱ノイズ周波数帯強度NKD1〜NKDmの信号を抽出する。
なお、ステップS103〜S104と、ステップS105〜S106は並列処理で行われる。
補正要否フラグfHOSは、外乱ノイズの影響による補正を行うか否かを識別するためのフラグである。
ノック発生時に特徴的なノック周波数帯強度のピークが現れるノック周波数帯と、外乱ノイズ発生時に特徴的な外乱ノイズ周波数帯強度ピークが現れる外乱ノイズ周波数帯は、内燃機関Zの機種毎に異なる。そのため、メーカは、予め実験等で外乱ノイズ影響を受けやすい周波数帯を特定しておく。そして、各ノック周波数帯のノック周波数帯強度SKD1〜SKDnのそれぞれに対して補正要否フラグfHOSを予め割り当てておく。補正要否フラグfHOS割り当ての様子を図22に示す。
補正要否フラグテーブルは、ROM103(図2参照)に格納されているものである。
図22では、どのノック周波数帯強度に対して補正が行われ、どのノック周波数帯強度に対して補正が行われないかを示している。
ノック周波数帯強度SKD1〜SKDnにはそれぞれ補正要否フラグfHOS1〜fHOSnが割り当てられている。そして、補正要否フラグ=「1」の場合、該当するノック周波数帯強度に影響する外乱ノイズ周波数帯強度が示されている。
前記したように、補正要否フラグfHOSは、実験等を基に予め作成されている。
ステップS111の後、ノック周波数帯強度補正部206が、補正要否フラグfHOS=1となっているノック周波数帯強度SKDと、それに対応した外乱ノイズ周波数帯強度NKDを読み込む。ここで、ノック周波数帯強度SKDは、ノック周波数帯強度SKD1〜SKDnを一般化したものである。同様に、外乱ノイズ周波数帯強度NKDは、外乱ノイズ周波数帯強度NKD1〜NKDmを一般化したものである。
次に、ノック周波数帯強度補正部206は、強度比率差分ΔRKDをキーとして、図23で後記するノック周波数帯強度補正テーブルを参照し、補正係数COHOSを検索する(S115)。
補正係数COHOSにおいて、補正が全くかからない場合はCOHOS=「1」である。また、補正する場合において、補正係数COHOSは「1」よりも小さい数値(0<COHOS<1)となる。その理由は、補正係数COHOSは、ノック周波数帯強度SKDから外乱ノイズ影響を除外するための補正係数であるので、ノック周波数帯強度SKDを小さくする側に補正するためである。
図23は、第1実施形態に係るノック周波数帯強度補正テーブルの一例を示す図である。
ノック周波数帯強度補正テーブルは、ROM103(図2参照)に格納されているものである。
強度比率差分ΔRKDの値が、マイナス側に大きくなるほど、補正係数COHOSの値が0に近づき、補正量が大きくなるように(ノック周波数帯強度SKDが小さくなるように)設定されている。逆に、強度比率差分ΔRKDの値が、プラス側に大きくなるほど、補正係数COHOSの値は1に近づき、補正量としては小さくなるよう(ノック周波数帯強度SKDが大きくなるよう)に設定されてある。
図9〜図20で説明したように、強度比率差分ΔRKDの値がプラスの方向に大きい値であればあるほど、ノック周波数帯強度が外乱ノイズ周波数帯強度より大きいことを示している。つまり、外乱ノイズの影響が小さいことを示している。
また、強度比率差分ΔRKDの値がマイナスの方向に大きい値であればあるほど、外乱ノイズ周波数帯強度がノック周波数帯強度より大きいことを示している。つまり、外乱ノイズの影響が大きいことを示している。
そのため、強度比率差分ΔRKDの値が、マイナス側に大きくなるほど、補正量が大きくなるように設定される。また、強度比率差分ΔRKDの値が、プラス側に大きくなるほど、補正量が小さくなるように設定される。
ノック周波数帯強度補正部206は、ステップS115で検索した補正係数COHOSと、ノック周波数帯強度SKD(ノック判定基準量)とを乗算することで、補正されたノック周波数帯強度である補正後ノック周波数帯強度HSKDを算出する(S116)。
ここで、ノック周波数帯強度補正部206の詳細について説明する。
図24は、第1実施形態に係るノック周波数帯強度補正部の詳細な機能ブロック図である。
ノック周波数帯強度補正部206は、周波数強度比率算出部401、強度比率差分算出部(影響度算出部)402、補正係数検索部403及び補正ノック周波数帯強度算出部404を有している。
周波数強度比率算出部401は、ノック周波数帯強度SKD、外乱ノイズ周波数帯強度NKDを読み込むとともに、補正要否フラグfHOSを読み込む(図21のS111)。そして、周波数強度比率算出部401が、外乱ノイズの影響に対する補正を行うため、前記したように、ノック周波数帯強度と外乱ノイズ周波数帯強度の周波数強度比率RSKD、RNKDをそれぞれ算出する(図21のS112とS113)。
そして、補正係数検索部403が、算出された強度比率差分ΔRKDをキーとして、ノック周波数帯強度補正テーブル(図23参照)を検索する(図21のS115)。
続いて、補正ノック周波数帯強度算出部404が、処理対象となっているノック周波数帯強度SKDに補正係数COHOSを乗算することで補正ノック周波数帯強度を算出する(図21のS116)。
次に、バックグラウンドレベル算出部207が、ノック周波数帯強度を用いて各周波数帯のバックグラウンドレベルBGLを算出する(S117)。
前記したように、バックグラウンドレベルBGLは内燃機関Zの各部品の動作に伴って発生するメカニカルノイズであり、エンジン回転数に関連するノイズに由来するものが多い。バックグラウンドレベルBGLの算出については後記する。
バックグラウンドレベル算出部207は、算出部501、前回強度記憶部502及びバックグラウンドレベル記憶部503を有する。
前回強度記憶部502では、前回処理時におけるノック周波数帯強度が格納されている。前回処理時に外乱ノイズの補正が行われた場合、前回強度記憶部502に格納されているノック周波数帯強度は補正ノック周波数帯強度となる。前回処理時に外乱ノイズの補正が行われていない場合、前回強度記憶部502に格納されているノック周波数帯強度は補正がなされていないノック周波数帯強度となる。
なお、前回処理時において、ノックが検出されていない場合、前回強度記憶部502には、ノック周波帯強度SKD=BGLとなっているノック周波数帯強度が格納される。すなわち、ノックが発生していない場合のノック周波数強度は、図6の山がない状態となる。
そして、前回ノック発生フラグfKNKが「0」であった場合、算出部501は、バックグラウンドレベル記憶部503に格納されているバックグラウンドレベルBGLに、前回強度記憶部502に格納されている前回処理時の(補正)ノック周波数帯強度を加重平均する。加重平均の割合は、例えば、前回処理時の(補正)ノック周波数帯強度:バックグラウンドレベルBGL=1:3である。
算出部501は、加重平均した結果を新たなバックグラウンドレベルBGLとしてノック判定処理部208へ出力するとともに、バックグラウンドレベル記憶部503を新たに算出されたバックグラウンドレベルBGLで上書き保存する。
なお、バックグラウンドレベルBGLはエンジン回転数によって値の大きさが変わる。そのため、バックグラウンドレベルBGL値の更新は、エンジン回転数が変わる毎に実行されてもよい。
なお、バックグラウンドレベルBGLは、外乱ノイズ周波数帯が隣接しているか否かにかかわらず、ノック周波数帯毎に算出される。
そして、ノック判定処理部208は、ノック判定におけるスライスレベルSLを読み込む(S118)。
スライスレベルSLは、予めエンジン回転数毎に設定されているものでる。
そして、ノック判定処理部208は、内燃機関Zにノックが発生しているか否かを判定する(S121)。
ノックの判定は、ステップS116で補正された各ノック周波数帯のノック周波数帯強度と、ステップS117で算出した各ノック周波数帯のバックグラウンドレベルBGLと、ステップS118で読込んだスライスレベルSLを用いて行われる。具体的には、ノック判定処理部208は、ノック周波数帯強度からバックグラウンドレベルBGLを引いた差分を各ノック周波数帯でそれぞれ算出する。そして、ノック判定処理部208は、算出された差分(バックグラウンドノイズの影響を除いたノック周波数帯強度)をそれぞれ加算する。この加算結果と、スライスレベルSLと比較する。スライスレベルSL以上の値を示した場合、ノック判定処理部208は、ノックが発生していると判定し(S121→Yes)、ノック回避制御部209がノック回避制御を行う(S122)。
それぞれの差分(バックグラウンドノイズの影響を除いたノック周波数帯強度を加算した結果がスライスレベルSL未満の値を示した場合、ノック判定処理部208はノックが発生していないと判定し(S121→No)、ECU1はステップS101へ処理を戻す(ノック回避制御は実行されない)。
なお、図21に示す処理は、内燃機関Zが「OFF」となるまで実行され続ける。
図26は、第1実施形態に係るノック判定処理部の詳細な機能ブロック図である。
ノック判定処理部208は、算出部601、スライスレベル検索部602及び判定部603を有する。
算出部601は、ノック周波数帯強度SKD又は補正後ノック周波数帯強度HSKDと、それぞれのノック周波数帯に対応するバックグラウンドレベルBGLを読み込む。
そして、算出部601は、それぞれのノック周波数帯のノック周波数帯強度SKD又は補正後ノック周波数帯強度HSKDからそれぞれのノック周波数帯のバックグラウンドレベルBGLを差し引く。これにより、算出部601は、メカニカルノイズ(バックグラウンドノイズ)を含まないノック発生時の振動によるノック周波数帯強度KPn(nはノック周波数帯を示す添え字で、KP1〜KPnのn個あることを示す)を、それぞれのノック周波数帯で算出する。
また、スライスレベル検索部602は、現在のエンジン回転数を読み込む。そして、スライスレベル検索部602は、図示しないスライスレベルテーブルから、ノック判定におけるスライスレベルSLを検索する。ノック判定におけるスライスレベルSLとは、現在のエンジン回転数に対応するスライスレベルSLである。スライスレベルテーブルは、エンジン回転数と、スライスレベルSLとが対応付けられているテーブルである。
エンジン回転数毎のスライスレベルSLは実験等で予め設定されている値である。
その後、判定部603は、ノック周波数帯強度KPnの加算結果と、スライスレベルSLを比較する。ノック周波数帯強度KPnの加算結果がスライスレベルSL以上である場合、判定部603は、内燃機関Zにノックが発生していると判定する(図21のステップS121で「Yes」)。逆に、ノック周波数KPnの加算結果がスライスレベルSLよりも小さい場合、判定部603は、内燃機関Zにノックが発生していない判定する(図21のステップS121で「No」)。
図21のステップS122における回避制御処理として、ノック回避制御部209は点火時期を遅角側に変更する。点火時期の遅角量は常に一定でもよいし、発生したノックの強さに段階を設け、その段階に応じて遅角量を決めてもよい。
本実施形態では、信号選択部200が、クランク角度センサ13の信号に基づいて、ノックセンサ信号を高速ADC201に出力している。
他にも、例えば、外乱ノイズが燃料噴射弁の開閉弁時に生じることがわかっているなら、信号選択部200は、噴射開始時期、噴射終了時期のノックセンサ信号を高速ADC201に出力するようにしてもよい。また、外乱ノイズが吸排気弁の着座時の振動であることがわかっている場合、信号選択部200は、吸排気弁の開閉タイミング時のノックセンサ信号を高速ADC201に出力するようにしてもよい。
また、式(1)による強度比率差分を前記した影響度とすることにより、ノック周波数帯強度に対する外乱ノイズ周波数帯強度の影響度を定量化することができる。これにより、補正量(補正係数)の決定を定量的に行うことができる。
さらに、バックグラウンドレベルを算出し、このバックグラウンドレベルを補正ノック周波数帯強度から減算することにより、補正ノック周波数帯強度からバックグラウンドノイズの影響を除外することができる。これにより、さらにノック判定の精度を高めることができる。
次に、図27及び図28を参照して、本発明に係る第2実施形態における内燃機関の制御装置について説明する。
(制御プログラムの構成)
図27は、第2実施形態に係る制御プログラムの構成を示す図である。図27では、図3と異なる箇所について説明を行い、図3と同様の構成については、図3と同一の符号を付し、説明を省略する。
図27に示す制御プログラムでは、図3におけるノック周波数帯強度補正部206の代わりにスライスレベル補正量算出部701が設けられている。
スライスレベル補正量算出部701は、補正要否フラグの検索、ノック周波数帯強度比率及び外乱ノイズ周波数帯強度比率の算出、強度比率差分の算出、強度比率差分を用いたノック周波数帯強度の算出までは、図3のノック周波数帯強度補正部206と同様の処理を行う。しかし、その後、スライスレベル補正量算出部701は、補正前のノック周波数帯強度と、補正後のノック周波数帯強度とを基に、スライスレベルの補正量であるスライスレベル補正量を算出することが、ノック周波数帯強度補正部206とは異なる。
図28は、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置における処理手順を示すフローチャートである。図28において、図21と同様の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
なお、図21において、ステップS111〜S116は、ノック周波数帯強度補正部206が行う処理であったが、図28では、スライスレベル補正量算出部701がステップS111〜S116の処理を行う。
そして、ステップS116の後、スライスレベル補正量算出部701は、以下の式(2)からスライスレベル補正量ΔSLを算出する(S201)。
なお、補正ノック周波数帯強度が複数存在する場合、式(2)で算出されたΔSLの平均値をΔSLとしてもよい。
そして、ステップS121では、補正前のノック周波数帯強度の一部又はすべてを加算し、平均値をとったものと、補正スライスレベルHSLを比較する。
このようにした場合、バックグラウンドレベル算出部207の処理は以下のようになる。
ノック判定処理部208でノックが検出された場合、バックグラウンドレベル算出部207が、(補正)ノック周波数帯強度(H)SKDの今回値と、過去のバックグラウンドレベルBGLを加重平均する。そして、バックグラウンドレベル算出部207は、加重平均の結果を新たなバックグラウンドレベルBGLとしてバックグラウンドレベル記憶部503に上書き保存する。
ノック判定処理部208でノックが検出されなかった場合、バックグラウンドレベル算出部207はなにも処理を行わない。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
13 クランク角度センサ
22 ノックセンサ(ノック計測部)
200 信号選択部
201 ノック用フィルタ処理部
203 ノック周波数帯強度算出部
204 外乱ノイズ用フィルタ処理部
205 外乱ノイズ周波数帯強度算出部
206 ノック周波数帯強度補正部(影響度算出部、補正部)
207 バックグラウンドレベル算出部(バックグラウンドノイズ算出部)
208,208a ノック判定処理部(判定部)
209 ノック回避制御部
401 周波数強度比率算出部
402 強度比率差分算出部(影響度算出部)
403 補正係数検索部
404 補正ノック周波数帯強度算出部
501 算出部
502 前回強度記憶部
601 算出部
602 スライスレベル検索部
603 判定部
701 スライスレベル補正量算出部(補正部)
Z 内燃機関
Claims (7)
- ノック計測部が計測したノック信号からノックに特有の周波数帯であるノック周波数帯を抽出するノック用フィルタ処理部と、
外乱ノイズに特有の周波数帯である外乱ノイズ周波数帯を抽出する外乱ノイズ用フィルタ処理部と、
前記ノック用フィルタ処理部が抽出した前記ノック周波数帯におけるノック周波数に対する、前記外乱ノイズ用フィルタ処理部が抽出した前記外乱ノイズ周波数帯における外乱ノイズ周波数の影響度を算出する影響度算出部と、
前記影響度を基に、ノッキングが発生しているか否かを判定する判定部と、
前記影響度を基に、ノック判定基準量の補正量を決定し、前記補正量によって、ノック判定基準量を補正する補正部と、
を有し、
前記ノック周波数帯及び前記外乱ノイズ周波数帯は複数存在し、
どの前記ノック周波数帯と、どの前記外乱ノイズ周波数帯とが隣接しているかを示す情報が予め設定されており、
前記判定部は、
前記補正されたノック判定基準量を基に、ノッキングが発生しているか否かを判定し、
前記補正部は、
抽出された前記ノック周波数及び前記外乱ノイズ周波数のうち、互いに隣接している前記ノック周波数及び外乱ノイズ周波数に対して、前記影響度を算出する
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記ノック判定基準量は、前記ノック周波数における周波数強度であるノック周波数帯強度である
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記ノック判定基準量は、ノックが生じているか否かを判定するための閾値であるスライスレベルである
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記ノック判定基準量は、前記ノック周波数帯における周波数強度であるノック周波数帯強度であり、
前記外乱ノイズとは異なるノイズであり、観測される周波数全域にわたってのっているバックグラウンドノイズを算出するバックグラウンドノイズ算出部を有し、
前記補正部は、
前記バックグラウンドノイズに基づいて、前記ノック周波数帯強度を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - ノック計測部が計測したノック信号からノックに特有の周波数帯であるノック周波数帯を抽出するノック用フィルタ処理部と、
外乱ノイズに特有の周波数帯である外乱ノイズ周波数帯を抽出する外乱ノイズ用フィルタ処理部と、
前記ノック用フィルタ処理部が抽出した前記ノック周波数帯におけるノック周波数に対する、前記外乱ノイズ用フィルタ処理部が抽出した前記外乱ノイズ周波数帯における外乱ノイズ周波数の影響度を算出する影響度算出部と、
前記影響度を基に、ノッキングが発生しているか否かを判定する判定部と、
を有し、
ノック周波数帯強度は、前記ノック周波数帯における周波数強度であり、
外乱ノイズ周波数帯強度は、前記外乱ノイズ周波数帯における周波数強度であり、
前記ノック周波数帯強度及び前記外乱ノイズ周波数帯強度のうち、大きい方を100%とし、前記ノック周波数帯強度及び前記外乱ノイズ周波数帯強度のうち、大きいほうの周波数強度に対する小さい方の周波数強度の割合を算出することで、ノック周波数帯強度比率及び外乱ノイズ周波数帯強度比率を算出し、前記ノック周波数帯強度比率から前記外乱ノイズ周波数帯強度比率を減算した値が、前記ノック周波数に対する前記外乱ノイズ周波数の影響度である
ことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - ノック計測部が計測したノック信号からノックに特有の周波数帯であり、複数存在するノック周波数帯を抽出するとともに、外乱ノイズに特有の周波数帯であり、複数存在する外乱ノイズ周波数帯を抽出し、
抽出された前記ノック周波数帯におけるノック周波数に対する、前記外乱ノイズ周波数帯における外乱ノイズ周波数の影響度を算出し、
予め設定されている、どの前記ノック周波数帯と、どの前記外乱ノイズ周波数帯とが隣接しているかを示す情報を基に、抽出された前記ノック周波数及び前記外乱ノイズ周波数のうち、互いに隣接している前記ノック周波数及び外乱ノイズ周波数に対して、前記影響度を算出し、前記影響度を基に、ノック判定基準量の補正量を決定し、前記補正量によって、ノック判定基準量を補正し、
前記補正されたノック判定基準量を基に、ノッキングが発生しているか否かを判定する
ことを特徴とするノック判定方法。 - ノック計測部が計測したノック信号からノックに特有の周波数帯であるノック周波数帯を抽出するとともに、外乱ノイズに特有の周波数帯である外乱ノイズ周波数帯を抽出し、
抽出された前記ノック周波数帯におけるノック周波数に対する、前記外乱ノイズ周波数帯における外乱ノイズ周波数の影響度を算出し、
前記影響度を基に、ノッキングが発生しているか否かを判定し、
ノック周波数帯強度は、前記ノック周波数帯における周波数強度であり、
外乱ノイズ周波数帯強度は、前記外乱ノイズ周波数帯における周波数強度であり、
前記ノック周波数帯強度及び前記外乱ノイズ周波数帯強度のうち、大きい方を100%とし、前記ノック周波数帯強度及び前記外乱ノイズ周波数帯強度のうち、大きいほうの周波数強度に対する小さい方の周波数強度の割合を算出することで、ノック周波数帯強度比率及び外乱ノイズ周波数帯強度比率を算出し、前記ノック周波数帯強度比率から前記外乱ノイズ周波数帯強度比率を減算した値が、前記ノック周波数に対する前記外乱ノイズ周波数の影響度である
ことを特徴とするノック判定方法。
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