JP2008309095A - 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノッキングの有無を精度よく判定する。
【解決手段】エンジンECUは、ノック波形モデルの強度と基準値との差を2倍した値に基準値を加えたしきい値が予め定められた値よりも大きくなるクランク角において、しきい値よりも大きくなる、検出された波形の強度の個数(1)と、しきい値が予め定められた値以下になるクランク角において、予め定められた値よりも大きくなる、検出された波形の強度の個数(2)との和を算出するステップ(S200)と、個数(1)と個数(2)との和がゼロより大きく予め定められた数以下であると(S202にてYES)、振動波形を補正するステップ(S204)と、補正された振動波形に基づいて相関係数Kを算出するステップ(S206)と、算出された相関係数Kに基づいてノッキングが発生したか否かを判定するステップ(S116,S120)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図10
【解決手段】エンジンECUは、ノック波形モデルの強度と基準値との差を2倍した値に基準値を加えたしきい値が予め定められた値よりも大きくなるクランク角において、しきい値よりも大きくなる、検出された波形の強度の個数(1)と、しきい値が予め定められた値以下になるクランク角において、予め定められた値よりも大きくなる、検出された波形の強度の個数(2)との和を算出するステップ(S200)と、個数(1)と個数(2)との和がゼロより大きく予め定められた数以下であると(S202にてYES)、振動波形を補正するステップ(S204)と、補正された振動波形に基づいて相関係数Kを算出するステップ(S206)と、算出された相関係数Kに基づいてノッキングが発生したか否かを判定するステップ(S116,S120)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図10
Description
本発明は、内燃機関のノッキングの判定に関し、特に、内燃機関の振動の波形に基づいてノッキングの有無を判定する技術に関する。
従来より、内燃機関において発生するノッキング(ノック)を検出する様々な方法が提案されている。たとえば、内燃機関の振動の強度がしきい値よりも高いとノッキングが発生したと判定する技術がある。ところが、ノッキングが発生していなくても、たとえば吸気バルブや排気バルブが閉じる際に発生する振動などのノイズの強度がしきい値よりも高い場合がある。この場合、ノッキングが発生していないにもかかわらず、ノッキングが発生したと誤判定し得る。そこで、振動が発生するクランク角や減衰率など、強度以外の特性も考慮するために検出された振動の波形と予め定められたノック波形モデルとの比較結果に基づいてノッキングの有無を判定する技術が提案されている。
たとえば、特開2006−307663号公報(特許文献1)は、ノッキングが発生したか否かを精度よく判定する内燃機関のノッキング判定装置を開示する。このノッキング判定装置は、内燃機関のクランク角を検出するためのクランク角検出手段と、予め定められたクランク角の間における内燃機関の振動の波形を検出するための波形検出手段と、予め定められたクランク角の間における内燃機関の振動の波形を予め記憶するための記憶手段と、検出された波形が、波形のピークに対応する角度を起点として振動強度が連続して減少する波形であるか否かに基づいて、検出された波形にノイズに対応する振動が重畳しているか否かを判定するためのノイズ判定手段と、検出された波形にノイズに対応する振動が重畳していないと判定されると、検出された波形と記憶手段に記憶された波形とを比較した結果に基づいて、内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するためのノッキング判定手段とを含む。
上述した公報に開示されたノッキング判定装置によると、ノッキングは発生していないにもかかわらず検出された波形における強度と波形モデルにおける強度との差が小さい場合において、ノッキングが発生したと誤判定することを少なくすることができる。
特開2006−307663号公報
しかしながら、検出されたノッキングの振動強度が小さく、かつ、ノッキングの振動波形の後半にノイズが重畳する場合には、ノック波形モデルの振動波形の強度が後方側になるほど小さい値になるため、検出された振動波形における振動の強度がノック波形モデルの振動強度の2倍以上となる場合がある。そのため、検出された振動波形とノック波形モデルとの形状の相違がより顕著となるため、ノッキングが発生しているにも関わらず、ノッキングが発生していないと誤判定する可能性がある。上述した公報に開示されたノッキング判定装置においては、発生したノッキングが小さい場合において、ノッキングの振動の後方側に重畳するノイズに起因する誤判定の可能性について何ら考慮されていないため、このような問題を解決することができない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ノッキングの有無を精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを
記録した記録媒体を提供することである。
記録した記録媒体を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置は、内燃機関のノッキングを判定する。このノッキング判定装置は、内燃機関のクランク角を検出するためのクランク角検出手段と、クランク角に対応させて、内燃機関の振動の強度を検出するための強度検出手段と、内燃機関の振動の強度に基づいて、クランク角についての予め定められた間隔における振動の波形を検出するための波形検出手段と、内燃機関の基準として予め定められた波形モデルにおける振動の強度と検出された波形の強度の最小値を示す基準値との差に1よりも大きい予め定められた倍率を乗じた値に基準値を加えたしきい値が予め定められた値よりも大きくなるクランク角において、しきい値よりも大きくなる、検出された波形の強度の第1の個数を算出するための手段と、しきい値が予め定められた値以下になるクランク角以降において、予め定められた値よりも大きくなる、検出された波形の強度の第2の個数を算出するための手段と、第1の個数と第2の個数との和が予め定められた数以下であると、検出された波形を補正するための補正手段と、第1の個数と第2の個数との和が予め定められた数以下である場合に、補正された波形と波形モデルとを比較した結果に基づいて、内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための判定手段とを含む。第5の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第1の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第1の発明によると、しきい値が予め定められた値よりも大きくなるクランク角において、しきい値よりも大きくなる、検出された波形の強度の第1の個数が算出される。さらに、しきい値が予め定められた値以下になるクランク角以降において、予め定められた値よりも大きくなる、検出された波形の強度の第2の個数が算出される。補正手段は、第1の個数と第2の個数との和が予め定められた数以下であると、検出された波形を補正する。これにより、たとえば、ノッキングの振動の強度が小さく、かつ、ノッキングの振動の後半にノイズが重畳した場合においても、振動の後半に波形モデルの値が小さくなったときに、第2の個数を算出する際のしきい値を引き上げることができる。そのため、補正の可否判定の精度を向上させることができ、補正の頻度を増加させることができる。特に、ノッキングの振動の強度が小さく、かつ、ノッキングの振動の後半にノイズが重畳した場合に、補正の頻度を増加させることができるため、検出された振動波形にノッキングに対応する振動が含まれているか否かを精度よく判定することができる。したがって、ノッキングの有無を精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1の発明の構成に加えて、補正手段は、しきい値よりも大きくなる強度および予め定められた値よりも大きくなる強度のうちのいずれかをノック波形モデルの強度となるように補正するための手段を含む。第6の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第2の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第2の発明によると、補正手段は、しきい値よりも大きくなる強度および予め定められた値よりも大きくなる強度のうちのいずれかをノック波形モデルの強度となるように補正する。これにより、ノイズに対応する部分が除去されるため、検出された振動の波形にノッキングが含まれる場合には、波形モデルとの形状の一致の度合が向上する。そのため、ノッキングの有無を精度よく判定することができる。
第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第2の発明の構成に加えて、補正手段は、しきい値よりも大きくなる強度および予め定められた値よりも大きくなる強度に対応するクランク角のうち上死点に近いクランク角の強度を補正するための手段
を含む。第7の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
を含む。第7の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第3の発明によると、補正手段は、しきい値よりも大きくなる強度および予め定められた値よりも大きくなる強度に対応するクランク角のうち上死点に近いクランク角の強度を補正する。これにより、ノイズに対応する部分が除去されるため、検出された振動の波形にノッキングが含まれる場合には、波形モデルとの形状の一致の度合が向上する。そのため、ノッキングの有無を精度よく判定することができる。
第4の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、第1の個数と第2の個数との和が予め定められた数よりも大きいと、または、第1の個数および第2の個数が算出されないと、検出された波形と波形モデルとを比較した結果に基づいて内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための手段をさらに含む。第8の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第4の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第4の発明によると、第1の個数と第2の個数との和が予め定められた数よりも大きいと、または、第1の個数および第2の個数が算出されないと、検出された振動の波形にノイズが重畳していないことを判断することができる。そのため、検出された振動の波形を補正せずに、検出された振動波形と波形モデルとの比較結果に基づいて内燃機関にノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる。
第9の発明に係るプログラムは、第5〜8のいずれかの発明に係る内燃機関のノッキング判定方法をコンピュータで実現されるプログラムであって、第10の発明に係る記録媒体は、第5〜8のいずれかの発明に係る内燃機関のノッキング判定方法をコンピュータで実現されるプログラムを記録した媒体である。
第9または第10の発明によると、コンピュータ(汎用でも専用でもよい)を用いて、第5〜8のいずれかの発明に係る内燃機関のノッキング判定方法を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るノッキング判定装置を搭載した車両のエンジン100について説明する。このエンジン100には複数の気筒が設けられる。本実施の形態に係るノッキング判定装置は、たとえばエンジンECU(Electronic Control Unit)200が実行するプログラムにより実現される。
エンジン100は、エアクリーナ102から吸入された空気とインジェクタ104から噴射される燃料との混合気を、燃焼室内で点火プラグ106により点火して燃焼させる内燃機関である。点火時期は、出力トルクが最大になるMBT(Minimum advance for Best
Torque)になるように制御されるが、ノッキングが発生した場合など、エンジン100の運転状態に応じて遅角されたり、進角されたりする。
Torque)になるように制御されるが、ノッキングが発生した場合など、エンジン100の運転状態に応じて遅角されたり、進角されたりする。
混合気が燃焼すると、燃焼圧によりピストン108が押し下げられ、クランクシャフト110が回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ114
により調整される。
により調整される。
エンジン100は、エンジンECU200により制御される。エンジンECU200には、ノックセンサ300と、水温センサ302と、タイミングロータ304に対向して設けられたクランクポジションセンサ306と、スロットル開度センサ308と、車速センサ310と、イグニッションスイッチ312と、エアフローメータ314とが接続されている。
ノックセンサ300は、エンジン100のシリンダブロックに設けられる。ノックセンサ300は、圧電素子により構成されている。ノックセンサ300は、エンジン100の振動により電圧を発生する。電圧の大きさは、振動の大きさと対応した大きさとなる。ノックセンサ300は、電圧を表わす信号をエンジンECU200に送信する。水温センサ302は、エンジン100のウォータージャケット内の冷却水の温度を検出し、検出結果を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。
タイミングロータ304は、クランクシャフト110に設けられており、クランクシャフト110と共に回転する。タイミングロータ304の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ306は、タイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ304が回転すると、タイミングロータ304の突起と、クランクポジションセンサ306とのエアギャップが変化するため、クランクポジションセンサ306のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ306は、起電力を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角およびクランクシャフト110の回転数を検出する。
スロットル開度センサ308は、スロットル開度を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。車速センサ310は、車輪(図示せず)の回転数を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、車輪の回転数から、車速を算出する。イグニッションスイッチ312は、エンジン100を始動させる際に、運転者によりオン操作される。エアフローメータ314は、エンジン100に吸入される空気量を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。
エンジンECU200は、電源である補機バッテリ320から供給された電力により作動する。エンジンECU200は、各センサおよびイグニッションスイッチ312から送信された信号、ROM(Read Only Memory)202に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号およびクランク角に基づいて、予め定められたノック検出ゲート(予め定められた第1クランク角から予め定められた第2クランク角までの区間)におけるエンジン100の振動の波形(以下、振動波形と記載する)を検出し、検出された振動波形に基づいて、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。本実施の形態におけるノック検出ゲートは、燃焼行程において上死点(0度)から90度までである。なお、ノック検出ゲートはこれに限らない。
ノッキングが発生した場合、エンジン100には、図2において実線で示す周波数付近の周波数の振動が発生する。ノッキングに起因して発生する振動の周波数は一定ではなく
、所定の帯域幅を有する。そのため、本実施の形態においては、図2に示すように、第1の周波数帯A、第2の周波数帯Bおよび第3の周波数帯Cを包含する第4の周波数帯Dの振動を検出する。なお、図2におけるCAは、クランク角(Crank Angle)を示す。また、ノッキングに起因して発生する振動の周波数帯は3つに限られない。
、所定の帯域幅を有する。そのため、本実施の形態においては、図2に示すように、第1の周波数帯A、第2の周波数帯Bおよび第3の周波数帯Cを包含する第4の周波数帯Dの振動を検出する。なお、図2におけるCAは、クランク角(Crank Angle)を示す。また、ノッキングに起因して発生する振動の周波数帯は3つに限られない。
図3を参照して、エンジンECU200についてさらに説明する。エンジンECU200は、A/D(アナログ/デジタル)変換部400と、バンドパスフィルタ410と、積算部420とを含む。
A/D変換部400は、ノックセンサ300から送信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。バンドパスフィルタ410は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第4の周波数帯Dの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ410により、ノックセンサ300が検出した振動から、第4の周波数帯Dの振動のみが抽出される。
積算部420は、バンドパスフィルタ410により選別された信号、すなわち振動の強度を、クランク角で5度分づつ積算する。以下、積算された値を積算値と表わす。クランク角に対応させて積算値を算出することにより、図4に示すように、エンジン100の振動波形が検出される。
検出された振動波形は、図5に示される、エンジンECU200のROM202に記憶されたノック波形モデルと比較される。ノック波形モデルは、エンジン100にノッキングが発生した場合の振動波形のモデルとして予め作成される。
ノック波形モデルにおいて、振動の強度は0〜1の無次元数として表され、振動の強度はクランク角と一義的には対応していない。すなわち、本実施の形態のノック波形モデルにおいては、振動の強度のピーク値以降、クランク角が大きくなるにつれ振動の強度が低減することが定められているが、振動の強度がピーク値となるクランク角は定められていない。
本実施の形態におけるノック波形モデルは、ノッキングにより発生した振動の強度のピーク値以降の予め定められたクランク角分の振動に対応している。なお、ノッキングに起因した振動の立ち上がり以降の振動に対応したノック波形モデルを記憶してもよい。
ノック波形モデルは、実験などにより、強制的にノッキングを発生させた場合におけるエンジン100の振動波形を検出し、この振動波形に基づいて予め作成されて記憶される。
ノック波形モデルは、エンジン100の寸法やノックセンサ300の出力値が、寸法公差やノックセンサ300の出力値の公差の中央値であるエンジン100(以下、特性中央エンジンと記載する)を用いて作成される。すなわち、ノック波形モデルは、特性中央エンジンに強制的にノッキングを発生させた場合における振動波形である。なお、ノック波形モデルを作成する方法は、これに限られず、その他、シミュレーションにより作成してもよい。
検出された波形とノック波形モデルとの比較においては、図6に示すように、正規化された波形とノック波形モデルとが比較される。ここで、正規化とは、たとえば、検出された振動波形における積算値の最大値で各積算値を除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことである。なお、正規化の方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、正規化された振動波形とノック波形モデルとの比較結果に基づいて、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。
具体的には、正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、正規化後の振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値(ズレ量)がクランク角ごと(5度ごと)に算出される。なお、5度以外のクランク角ごとに振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値を算出するようにしてもよい。
正規化後の振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度とのクランク角ごとの差の絶対値をΔS(I)(Iは自然数)とおく。図7において斜線で示すように、ノック波形モデルにおける振動の強度と正値の基準値とのクランク角ごとの差の合計、すなわち、基準値以上の強度が占めるノック波形モデルの面積をSとおく。なお、基準値には、図7に示すように、ノック波形モデルとの比較が行なわれて、振動波形の強度とノック波形モデルの強度との差が算出されるクランク角の範囲内での振動波形の強度の最小値が用いられる。基準値は正値であれば、その他、振動波形の強度の最小値以外の値を用いるようにしてもよい。
そして、正規化後の振動波形がノック波形モデルに類似する度合を表わす(振動波形とノック波形モデルとの偏差を表わす)相関係数Kを算出する。
ここで、本実施の形態に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、エンジンECU200は、ノック波形モデルにおける振動の強度と基準値との差に1よりも大きい予め定められた倍率を乗じた値に基準値を加えたしきい値が予め定められた値よりも大きくなるクランク角において、しきい値よりも大きくなる、検出された振動の波形の強度の個数(1)を算出する。さらに、エンジンECU200は、しきい値が予め定められた値以下になるクランク角以降において、予め定められた値よりも大きくなる、検出された振動の波形の強度の個数(2)を算出する。エンジンECU200は、個数(1)と個数(2)との和が予め定められた数以下であると、正規化後の振動波形を補正する。
本実施の形態において「予め定められた倍率」は、たとえば、「2倍」とし、「予め定められた値」は、「0.3」であるとして説明するが、特にこれらの値に限定されるものではなく、実験的に適合すればよい。
図8に示すように、エンジンECU200は、ノック波形モデル(破線)の強度と基準値との差を2倍した値に基準値を加えたしきい値(一点鎖線)が0.3よりも大きい、クランク角bまでのクランク角において、しきい値よりも大きくなる、正規化後の振動波形(実線)の強度の個数(1)を算出する。図8において、エンジンECU200は、クランク角aおよびクランク角bにおいて、振動波形の強度がノック波形モデルの2倍値よりも大きくなるため、個数(1)として「2」が算出される。
また、エンジンECU200は、しきい値が0.3以下になるクランク角c以降において、0.3よりも大きくなる、正規化後の振動波形の強度の個数(2)を算出する。図8において、エンジンECU200は、クランク角cにおいて、振動波形の強度が0.3よりも大きくなるため、個数(2)として「1」が算出される。
エンジンECU200は、個数(1)と個数(2)との和が予め定められた数以下であるか否かを判定する。本実施の形態において、「予め定められた数」は、たとえば、「3
」であるとして説明するが、特にこの数に限定されるものではなく、実験的に適合すればよい。
」であるとして説明するが、特にこの数に限定されるものではなく、実験的に適合すればよい。
また、本実施の形態に係る内燃機関のノッキング判定装置であるエンジンECU200は、個数(1)と個数(2)との和が0よりも大きく3以下であれば、正規化後の振動波形を補正する。具体的には、図8に示すように、エンジンECU200は、しきい値よりも大きくなる強度および0.3よりも大きくなる強度のうちのいずれかをノック波形モデルの強度となるように補正する。本実施の形態においては、エンジンECU200は、しきい値よりも大きくなる強度および予め定められた値よりも大きくなる強度に対応するクランク角のうち上死点に近いクランク角の強度を補正する。
たとえば、図8に示すように、エンジンECU200は、上死点側のクランク角aにおける振動波形の強度を、クランク角aにおけるノック波形モデルの振動強度と同じ値に補正する。なお、エンジンECU200は、個数(1)と個数(2)との和が3よりも大きいと、または、個数(1)および個数(2)が算出されないと、上述のような補正は行なわない。以下の説明においては「正規化後の振動波形」には、補正された場合の正規化後の振動波形および補正されなかった場合の正規化後の振動波形が含むものとして説明する。
エンジンECU200は、正規化後の振動波形とノック波形モデルとに基づいて、相関係数Kを算出する。相関係数Kは、
K=(S−ΣΔS(I))/S・・・(1)
として算出される。ここで、ΣΔS(I)は、振動波形とノック波形モデルとが比較されるクランク角におけるΔS(I)の総和である。また、相関係数Kの算出方法はこれに限らない。
K=(S−ΣΔS(I))/S・・・(1)
として算出される。ここで、ΣΔS(I)は、振動波形とノック波形モデルとが比較されるクランク角におけるΔS(I)の総和である。また、相関係数Kの算出方法はこれに限らない。
さらに、エンジンECU200は、積算値の最大値(ピーク値)に基づいて、振動の強度を表わすノック強度Nを算出する。積算値の最大値をPとし、エンジン100にノッキングが発生していない状態におけるエンジン100の振動の強度を表わす値をBGL(Back Ground Level)とおくと、ノック強度Nは、N=P/BGLという方程式で算出される。なお、BGLはたとえばシミュレーションや実験などに基づいて予め定められ、ROM202に記憶される。また、ノック強度Nの算出方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、算出されたノック強度NとROM202に記憶された判定値V(KX)とを比較し、さらに検出された波形と記憶されたノック波形モデルとを比較して、エンジン100にノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定する。
図9に示すように、判定値V(KX)は、エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとした運転状態により区分される領域ごとに、マップとして記憶される。本実施の形態においては、低回転(NE<NE(1))、中回転(NE(1)≦NE<NE(2))、高回転(NE(2)≦NE)、低負荷(KL<KL(1))、中負荷(KL(1)≦KL<KL(2))、高負荷(KL(2)≦KL)で区分することにより、気筒ごとに9つの領域が設けられる。なお、領域の数はこれに限らない。また、エンジン回転数NEおよび吸入空気量KL以外のパラメータを用いて領域を区分するようにしてもよい。
図10を参照して、本実施の形態に係るノッキング判定装置であるエンジンECU200が、ノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定して点火時期を制御するために実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、エンジン回転数NEを検出するとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて、吸入空気量KLを検出する。
S102にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度を検出する。振動の強度は、ノックセンサ300の出力電圧値で表される。なお、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値で振動の強度を表してもよい。強度の検出は、燃焼行程において上死点から90度(クランク角で90度)までの間で行なわれる。
S104にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300の出力電圧値(振動の強度を表わす値)を、クランク角で5度ごとに(5度分だけ)積算した値(積算値)を算出する。積算値の算出により、エンジン100の振動波形が検出される。
S106にて、エンジンECU200は、エンジン100の振動波形における積算値のうち、最も大きい積算値(ピーク値P)を算出する。
S108にて、エンジンECU200は、エンジン100の振動波形を正規化する。ここで、正規化とは、算出されたピーク値で、各積算値を除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことをいう。
S200にて、エンジンECU200は、ピーク値Pのクランク角とノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させて、しきい値が0.3よりも大きいクランク角において、しきい値よりも大きくなる、正規化後の振動波形の強度の個数(1)と、しきい値が0.3以下になるクランク角以降において、正規化後の振動波形の強度が0.3よりも大きくなる強度の個数(2)との和を算出する。
個数(1)と個数(2)との和の算出方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば、S108にて、正規化するとともに、カウント値をゼロにリセットする。ピーク値Pに対応するクランク角から5度ごとの検出された振動波形の強度と対応するノック波形モデルの強度とを読み出す。しきい値が0.3よりも大きければ、検出された振動波形の強度がしきい値よりも大きいか否かを判断する。検出された振動波形の強度がしきい値よりも大きいと、カウント値を1つ増分する。
また、しきい値が0.3以下であれば、検出された振動波形の強度が0.3よりも大きいか否かを判断する。検出された振動波形の強度が0.3よりも大きければ、カウント値を1つ増分する。検出された振動波形における全てのクランク角について、しきい値あるいは0.3との比較が終了したときのカウント値が個数(1)と個数(2)との和として算出される。
S202にて、エンジンECU200は、個数(1)と個数(2)との和が0よりも大きく予め定められた数以下であるか否かを判定する。予め定められた数は、本実施の形態においては上述したとおり「3」である。個数(1)と個数(2)との和が0よりも大きく3以下であると(S202にてYES)、処理はS204に移される。もしそうでないと(S202にてNO)、S110に移される。
S204にて、エンジンECU200は、振動波形を補正する。S206にて、エンジンECU200は、補正された振動波形とノック波形モデルとに基づいて相関係数Kを算出する。
S110にて、エンジンECU200は、検出された振動波形とノック波形モデルとに基づいて相関係数Kを算出する。S112にて、エンジンECU200は、ピーク値PをBGLで除算してノック強度Nを算出する。
S114にて、エンジンECU200は、相関係数Kがしきい値K(0)より大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きいか否かを判別する。相関係数Kがしきい値K(0)より大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きいと(S114にてYES)、処理はS116に移される。もしそうでないと(S114にてNO)、処理はS120に移される。
ここで、上述した式(1)は、
K=1−ΣΔS(I)/S・・・(2)
と変形できる。
K=1−ΣΔS(I)/S・・・(2)
と変形できる。
さらに式(2)は、
ΣΔS(I)/S=1−K・・・(3)
と変形できる。したがって、相関係数Kがしきい値K(0)よりも大きいということは、ΣΔS(I)/Sが1−K(0)よりも小さいということと同じである。なお、ΣΔS(I)/Sは、前述の第1の発明における第3の値に対応する。
ΣΔS(I)/S=1−K・・・(3)
と変形できる。したがって、相関係数Kがしきい値K(0)よりも大きいということは、ΣΔS(I)/Sが1−K(0)よりも小さいということと同じである。なお、ΣΔS(I)/Sは、前述の第1の発明における第3の値に対応する。
S116にて、エンジンECU200は、ノッキングが発生したと判別する。S118にて、エンジンECU200は、点火時期を遅角する。
S120にて、エンジンECU200は、ノッキングが発生していないと判別する。S122にて、エンジンECU200は、点火時期を進角する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るノッキング判定装置であるエンジンECU200の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、エンジン回転数NEが検出されるとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて、吸入空気量KLが検出される(S100)。また、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度が検出される(S102)。
燃焼行程における上死点から90度までの間において、5度ごとの積算値が算出される(S104)。これにより、前述した図4に示すようなエンジン100の振動波形が検出される。
5度ごとの積算値により振動波形を検出することにより、強度が細かく変化することが抑制された振動波形を検出することができる。そのため、検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を容易にすることができる。
算出された積算値に基づいて、エンジン100の振動波形における積算値のピーク値Pが算出される(S106)。
算出されたピーク値Pでエンジン100の振動波形における積算値が除算されて、振動波形が正規化される(S108)。正規化により、振動波形における振動の強度が0〜1の無次元数で表される。これにより、振動の強度に関係なく検出された振動波形とノック
波形モデルとの比較を行なうことができる。そのため、振動の強度に対応した多数のノック波形モデルを記憶しておく必要がなく、ノック波形モデルの作成を容易にすることができる。
波形モデルとの比較を行なうことができる。そのため、振動の強度に対応した多数のノック波形モデルを記憶しておく必要がなく、ノック波形モデルの作成を容易にすることができる。
正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させ、この状態で、個数(1)と個数(2)との和が算出される(S200)。
個数(1)と個数(2)との和が0よりも大きく3以下であると(S202にてYES)、振動波形の補正が行なわれる(S204)。そのため、図11に示すように、算出された個数に対応するクランク角のうち上死点側のクランク角aにおける振動波形の強度がノック波形モデルの強度と同じ値に補正される。補正された振動波形とノック波形モデルとに基づいて、相関係数Kが算出される(S206)。あるいは、個数(1)と個数(2)との和が0あるいは3よりも大きいと(S202にてNO)、検出された波形とノック波形モデルとに基づいて、相関係数Kが算出される(S110)。
相関係数Kを算出することにより、正規化後の振動波形とノック波形モデルとの一致度合を数値化して客観的に判定することができる。また、正規化後の振動波形とノック波形モデルとを比較することで、振動の減衰傾向など、振動の挙動からノッキング時の振動であるか否かを分析することができる。なお、補正後の振動波形とノック波形モデルとの相関係数は、補正前の振動波形とノック波形モデルとの相関係数よりも高くなる。
さらに、ピーク値PをBGLで除算することにより、ノック強度Nが算出される(S112)。これにより、振動の強度に基づいて、エンジン100の振動がノッキングに起因した振動であるか否かをより詳細に分析することができる。
相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい場合(S114にてYES)、ノッキングが発生したと判定され(S116)、点火時期が遅角される(S118)。これにより、ノッキングの発生が抑制される。
相関係数Kが予め定められた値よりも大きく、かつノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい状態ではない場合(S114にてNO)、ノッキングが発生していないと判定され(S120)、点火時期が進角される(S122)。このようにして、ノック強度Nと判定値V(KX)とを比較することにより1点火サイクルごとにノッキングが発生したか否かが判定され、点火時期が遅角されたり、進角されたりする。
以上のように、本実施の形態に係る内燃機関のノッキング判定装置によると、エンジンECUは、個数(1)と個数(2)との和が0よりも大きく3以下であると、検出された振動波形を補正する。そのため、たとえば、ノッキングの振動の強度が小さく、かつ、ノッキングの振動の後半にノイズが重畳した場合においても、振動の後半にノック波形モデルの値が小さくなったときに、個数(2)を算出する際のしきい値を引き上げることができる。そのため、補正の可否判定の精度を向上させることができ、補正の頻度を増加させることができる。特に、ノッキングの振動の強度が小さく、かつ、ノッキングの振動の後半にノイズが重畳した場合に、補正の頻度を増加させることができるため、検出された振動波形にノッキングに対応する振動が含まれているか否かを精度よく判定することができる。したがって、ノッキングの有無を精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
エンジンECUは、個数(1)と個数(2)との和が0よりも大きく3以下であると、
しきい値よりも大きくなる強度および予め定められた値よりも大きくなる強度のうちの上死点に近い方の強度をノック波形モデルの強度と同じ値になるように補正する。これにより、ノイズに対応する部分が除去されるため、検出された振動波形にノッキングが含まれる場合には、ノック波形モデルとの形状の一致の度合が向上する。そのため、ノッキングの有無を精度よく判定することができる。
しきい値よりも大きくなる強度および予め定められた値よりも大きくなる強度のうちの上死点に近い方の強度をノック波形モデルの強度と同じ値になるように補正する。これにより、ノイズに対応する部分が除去されるため、検出された振動波形にノッキングが含まれる場合には、ノック波形モデルとの形状の一致の度合が向上する。そのため、ノッキングの有無を精度よく判定することができる。
さらに、エンジンECUは、個数(1)と個数(2)との和が3よりも大きいと、あるいは個数(1)および個数(2)が算出されないと、検出された振動波形にノイズが重畳していない傾向にあることを判断することができる。そのため、検出された振動波形を補正せずに、検出された振動波形とノック波形モデルとを比較することにより、内燃機関にノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、104 インジェクタ、106 点火プラグ、110 クランクシャフト、116 吸気バルブ、118 排気バルブ、120 ポンプ、200 エンジンECU、202 ROM、300 ノックセンサ、302 水温センサ、304 タイミングロータ、306 クランクポジションセンサ、308 スロットル開度センサ、314 エアフローメータ、320 補機バッテリ。
Claims (10)
- 内燃機関のノッキング判定装置であって、
前記内燃機関のクランク角を検出するためのクランク角検出手段と、
クランク角に対応させて、前記内燃機関の振動の強度を検出するための強度検出手段と、
前記内燃機関の振動の強度に基づいて、クランク角についての予め定められた間隔における振動の波形を検出するための波形検出手段と、
前記内燃機関の基準として予め定められた波形モデルの振動の強度と前記検出された波形の強度の最小値を示す基準値との差に1よりも大きい予め定められた倍率を乗じた値に前記基準値を加えたしきい値が予め定められた値よりも大きくなるクランク角において、前記しきい値よりも大きくなる、前記検出された波形の強度の第1の個数を算出するための手段と、
前記しきい値が予め定められた値以下になるクランク角以降において、前記予め定められた値よりも大きくなる、前記検出された波形の強度の第2の個数を算出するための手段と、
前記第1の個数と前記第2の個数との和が予め定められた数以下であると、前記検出された波形を補正するための補正手段と、
前記第1の個数と前記第2の個数との和が前記予め定められた数以下である場合に、前記補正された波形と前記波形モデルとを比較した結果に基づいて、前記内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための判定手段とを含む、内燃機関のノッキング判定装置。 - 前記補正手段は、前記しきい値よりも大きくなる強度および前記予め定められた値よりも大きくなる強度のうちのいずれかを前記ノック波形モデルの強度となるように補正するための手段を含む、請求項1に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
- 前記補正手段は、前記しきい値よりも大きくなる強度および前記予め定められた値よりも大きくなる強度に対応するクランク角のうち上死点に近いクランク角の強度を補正するための手段を含む、請求項2に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
- 前記ノッキング判定装置は、前記第1の個数と前記第2の個数との和が前記予め定められた数よりも大きいと、または、前記第1の個数および前記第2の個数が算出されないと、前記検出された波形と前記波形モデルとを比較した結果に基づいて前記内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定装置。
- 内燃機関のノッキング判定方法であって、
前記内燃機関のクランク角を検出するステップと、
クランク角に対応させて、前記内燃機関の振動の強度を検出するステップと、
前記内燃機関の振動の強度に基づいて、クランク角についての予め定められた間隔における振動の波形を検出するステップと、
前記内燃機関の基準として予め定められた波形モデルの振動の強度と前記検出された波形の強度の最小値を示す基準値との差に1よりも大きい予め定められた倍率を乗じた値に前記基準値を加えたしきい値が予め定められた値よりも大きくなるクランク角において、前記しきい値よりも大きくなる、前記検出された波形の強度の第1の個数を算出するステップと、
前記しきい値が予め定められた値以下になるクランク角以降において、前記予め定められた値よりも大きくなる、前記検出された波形の強度の第2の個数を算出するステップと、
前記第1の個数と前記第2の個数との和が予め定められた数以下であると、前記検出された波形を補正する補正ステップと、
前記第1の個数と前記第2の個数との和が前記予め定められた数以下である場合に、前記補正された波形と前記波形モデルとを比較した結果に基づいて、前記内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するステップとを含む、内燃機関のノッキング判定方法。 - 前記補正ステップは、前記しきい値よりも大きくなる強度および前記予め定められた値よりも大きくなる強度のうちのいずれかを前記ノック波形モデルの強度となるように補正するステップを含む、請求項5に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
- 前記補正ステップは、前記しきい値よりも大きくなる強度および前記予め定められた値よりも大きくなる強度に対応するクランク角のうち上死点に近いクランク角の強度を補正するステップを含む、請求項6に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
- 前記ノッキング判定方法は、前記第1の個数と前記第2の個数との和が前記予め定められた数よりも大きい、または、前記第1の個数および前記第2の個数が算出されないと、前記検出された波形と前記波形モデルとを比較した結果に基づいて前記内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するステップをさらに含む、請求項5〜7のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法をコンピュータで実現されるプログラム。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法をコンピュータで実現されるプログラムを記録した記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007159080A JP2008309095A (ja) | 2007-06-15 | 2007-06-15 | 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 |
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