JP2011032554A - 薄膜積層体製造装置 - Google Patents

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正紀 西澤
Katsuji Yokoyama
勝治 横山
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Abstract

【課題】挟持ローラの加圧力に比較して大きな把持力や展張力が得られ、可撓性基板の下垂や皺の発生を抑制して高品質の製品を製造可能であると共に、逆方向への搬送を含む成膜プロセスにも対応可能な薄膜積層体製造装置を提供する。
【解決手段】基板の上側縁部を挟持する複数対の挟持ローラ31,32、前記複数対の挟持ローラを回転可能かつ相互に接離可能に支持する支持機構30、前記支持機構を介して前記複数対の挟持ローラに加圧力を付与する付勢手段37を備え、前記複数対の挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側に位置した大径部および基板幅方向中央側に位置した小径部を有しており、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向Fと同方向になるように直列配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、帯状可撓性基板上に薄膜を形成して、薄膜光電変換素子などの薄膜積層体を製造する装置に関し、さらに詳しくは、前記薄膜積層体製造装置において前記基板の搬送高さを制御する装置ならびに前記基板を上下に展張する装置に関する。
半導体薄膜などの薄膜積層体の基板には、通常、剛性基板が用いられるが、軽量でロールを介した取り扱いの利便性による生産性向上やコスト低減を目的として、プラスチックフィルムなどの可撓性基板が用いられる場合がある。特許文献1には、巻出しロールから供給される帯状可撓性基板(ポリイミドフィルム)を、その幅方向を鉛直方向に一致させて水平方向に搬送しながら、前記可撓性基板の搬送方向に配列された複数の成膜ユニットで、前記可撓性基板上に性質の異なる複数の薄膜を積層形成し、製品ロールとして巻取る薄膜積層体の製造装置が開示されている。
このような薄膜積層体の製造装置は、設置面積が小さく、基板表面が汚染されにくい等の利点がある反面、光電変換層を複数設ける場合等、成膜ユニットの数が多くなり搬送スパンが長くなるにつれて、成膜部の両側のガイドローラのみで重力に抗して搬送高さを一定に維持するのが困難になり、可撓性基板の表面に皺が発生したり、可撓性基板が垂れ下がったりする傾向は否めない。
そこで、多数並設された成膜ユニットの間に、可撓性基板の鉛直方向上側の縁部を挟持しつつ送出するグリップローラ対を設けることが提案されている(特許文献2〜4参照)。この装置では、各グリップローラ対の挟持部における回転方向が、可撓性基板の搬送方向に対して斜上方に向かう傾斜を有することで、可撓性基板に対して挟持圧および傾斜角に応じた持ち上げ力を付与するようにしている。
特開2005−72408号公報 特開2009−38276号公報 特開2009−38277号公報 特開2009−57632号公報
上記グリップローラは、可撓性基板を上下幅方向に展張して張力皺や加熱皺を抑制するうえで有利であるが、可撓性基板の逆方向への搬送を含む往復成膜プロセスには直ちに適用できない。可撓性基板を逆方向に搬送すると、上記傾斜角に応じた持ち上げ力および引き下げ力が上下逆方向に作用し、各グリップローラから可撓性基板が離脱する問題を生じる。
また、上記グリップローラは、金属製の芯体の周囲にゴム被覆を施したゴムローラを用いることで、可撓性基板に対する把持力を確保するようにしているが、成膜ユニットを構成する電極は高温に加熱されているため、電極が設置された区間にゴム製のグリップローラを設置することは困難である。設置場所に依ってはグリップローラに金属ローラを用いることもできるが、電極の近傍に金属製のグリップローラを設置すると、ローラを介した放電により、基板が破損する問題がある。さらに、金属ローラは、ゴムローラのような弾性変形を望めないので、加圧力を大きくすると、ローラ自体の挟持によって基板が損傷する問題があり、充分な把持力を得ることが困難であった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、挟持ローラの加圧力に比較して大きな把持力や展張力が得られ、可撓性基板の下垂や皺の発生を抑制して高品質の製品を製造可能であると共に、逆方向への搬送を含む成膜プロセスにも対応可能な薄膜積層体製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、帯状の可撓性基板を、その幅方向を鉛直方向にして水平方向に搬送しながら、前記基板の搬送経路に設置された成膜部にて、前記基板の表面に薄膜を積層形成する薄膜積層体製造装置であって、前記基板の上側縁部を挟持する複数対の挟持ローラと、前記複数対の挟持ローラを回転可能かつ相互に接離可能に支持する支持機構と、前記支持機構を介して前記複数対の挟持ローラに加圧力を付与する付勢手段とを備え、前記複数対の挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側に位置した大径部および基板幅方向中央側に位置した小径部を有しており、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されている、薄膜積層体製造装置にある。
上記薄膜積層体製造装置において、可撓性基板は、成膜部の上流側および下流側に配置されたフィードローラ等の搬送手段により、張力を付与された状態で水平方向に搬送される。その際、可撓性基板の上側縁部を挟持する複数対の挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側すなわち上方に位置した大径部および基板幅方向中央側すなわち下方に位置した小径部を有しており、大径部と小径部とで周速差があるので、このような挟持ローラで、可撓性基板が挟持されつつ送出されることで、可撓性基板は周速の大きい側すなわち上方に誘導される。
さらに、複数対の挟持ローラは、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されているので、これら複数の挟持ローラで可撓性基板の上側縁部に一斉に上昇力が付与され、加圧力に比較して大きな上昇力を得ることができる。
したがって、各挟持ローラに金属ローラのような低摩擦の耐熱性剛体ローラを用いた場合にも、可撓性基板に対する実用的な把持力、上昇力、あるいは展張力を得ることができ、さらに、各挟持ローラに非導電質の耐熱性剛体ローラを用いることで、高温に加熱された電極の近傍に設置することも可能となり、可撓性基板の加熱皺を効果的に抑制し、良好な成膜を行うことができる。
しかも、各挟持ローラは、可撓性基板の搬送経路に対して固定配置され、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されているので、可撓性基板の正逆双方向の搬送に対して全く同様に上昇力や展張力を作用させることができ、正逆双方向の搬送を含む往復成膜プロセスに直ちに対応可能である。
本発明において、前記複数対の挟持ローラが、前記基板の一面側に配列された複数の固定ローラと、前記基板の他面側に配列された複数の可動ローラで構成され、前記支持機構が、前記各固定ローラに共通の固定フレームを含む態様では、複数の固定ローラによって可撓性基板の厚さ方向の搬送ラインが安定的に維持され、良好な成膜プロセスを実施可能であるとともに、固定フレームを介して設置部位への取付けがなされることで、取付け構造が簡素化される利点もある。
また、上記態様において、前記支持機構が、前記各可動ローラに共通の可動フレームをさらに含み、前記付勢手段が、前記可動フレームを介して前記各可動ローラに共通に配設され、かつ、前記各可動ローラに共通の加圧力調整手段を備えていれば、取付け構造のみならず、各可動ローラに対する付勢手段および加圧力調整手段が共通化されたことで、複数対の挟持ローラを備えながらも部品点数を少なく装置全体の構造を簡素化でき、かつ、設置部位への取付け作業や加圧力の調整操作を容易に行える利点がある。
また、上記本発明に係る薄膜積層体製造装置が、前記複数対の挟持ローラ、前記支持機構、および前記付勢手段で構成される上側展張ユニット、すなわち、
前記基板の上側縁部を挟持する複数対の上側挟持ローラと、前記複数対の上側挟持ローラを回転可能かつ相互に接離可能に支持する上側支持機構と、前記上側支持機構を介して前記複数対の上側挟持ローラに加圧力を付与する上側付勢手段とを含み、前記複数対の上側挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側に位置した大径部および基板幅方向中央側に位置した小径部を有しており、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されている上側展張ユニットと、
前記複数対の上側挟持ローラのそれぞれと前記基板の搬送方向に対して同位置で前記基板の下側縁部を挟持する複数対の下側挟持ローラと、前記複数対の下側挟持ローラを回転可能かつ相互に接離可能に支持する下側支持機構と、前記下側支持機構を介して前記複数対の下側挟持ローラに加圧力を付与する下側付勢手段とを含み、前記複数対の下側挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側に位置した大径部および基板幅方向中央側に位置した小径部を有しており、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されている下側展張ユニットと、を備えている態様では、可撓性基板の上下両側縁部が、搬送方向に対して同位置で上下両方向に展張されることで、搬送張力や成膜時の熱による皺を一層確実に抑制でき、良好な成膜を行う上で有利である。
本発明実施形態に係る薄膜積層体製造装置を示す概略側面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明第1実施形態に係る上側展張ユニットを示す斜視図である。 本発明第1実施形態に係る上側展張ユニットを示す搬送方向上流側から見た正面図である。 本発明第2実施形態に係る上側展張ユニットを示す斜視図である。 本発明第2実施形態に係る上側展張ユニットを示す搬送方向上流側から見た正面図である。
以下、本発明の実施形態について、本発明に係る薄膜積層体製造装置を、太陽光発電用の薄膜光電変換素子を構成する薄膜積層体製造装置100に実施する場合を例にとり、図面を参照しながら詳細に説明する。
薄膜積層体製造装置100は、図1に部分的に示されるように、帯状の可撓性基板1(プラスチックフィルム)を、その幅方向を鉛直方向にして水平方向に搬送する搬送経路に設置された成膜ユニット2を備えている。成膜ユニット2は、スパッタなどの物理蒸着(PVD)またはプラズマCVDなどの化学蒸着(CVD)を行なうための真空蒸着ユニットで構成され、可撓性基板1を挟んでその両側に対向配置された電極21(ターゲットまたは高周波電極)と、ヒータを内蔵した接地電極22を備えている。
この薄膜積層体製造装置100は、図中矢印F,Rで示されるように、正逆双方向の搬送に対応しており、成膜ユニット2の搬送方向の両側に、可撓性基板1を上下全幅に亘って案内するガイドロール5,5を備え、さらにそれらの両側には、正逆双方向の駆動に対応した図示しないフィードローラや巻出し/巻取りロール、テンションローラなどが配設され、それらは、所定の真空度に維持された真空室の内部に配設されている。なお、図示を省略するが、上記のような成膜ユニット2は、積層形成すべき薄膜の数および積層順に従い搬送経路に沿って複数並設されている。
以上のような基本構成を有する薄膜積層体製造装置100は、成膜部(2)における可撓性基板1の搬送高さを一定に維持するとともに、可撓性基板1を幅方向すなわち上下方向に展張するための展張ユニット3,3′,4,4′が配設されている。図1に示す例では、展張ユニット3,3′,4,4′は、搬送経路(1)の上部に設置された4つの上側展張ユニット3,4と、搬送経路(1)の下部に設置された4つの下側展張ユニット3′,4′で構成されている。
このうち、成膜ユニット2とガイドロール5,5との間に配設された上下各側2つの展張ユニット4,4′は、いずれも1対の挟持ローラ31,32で構成されているのに対し、成膜ユニット2の上部と下部に配設された上下各側2つの展張ユニット3,3′は、いずれも直列配置された3対の挟持ローラ31,32で構成されている。上下の展張ユニット3,3′,4,4′は、基本的に上下対称構造であるため、以下、上側展張ユニット3の各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図3および図4は、本発明に係る第1実施形態の上側展張ユニット3を示している。各図において、上側展張ユニット3は、可撓性基板1の一面側に配設された3つの固定ローラ31、可撓性基板1の他面側に配設された3つの可動ローラ32、および、それらを回転可能かつ相互に接離可能に支持する3つの支持機構30を備え、各固定ローラ31および各可動ローラ32は、それぞれ軸方向に対して傾斜した周面を有する同形状の円錐ローラで構成されている。
各固定ローラ31は、図4に示すように、それぞれ共通のベースフレーム40に固定された固定側支持部材33の先端部から、可撓性基板1の搬送面に対して直交する水平方向に突設された軸31aに、大径部を基端側にして回転可能かつ軸方向に移動不可能に支持されている。一方、各可動ローラ32は、それぞれ可動側支持部材36の先端部34の下面から、可撓性基板1の搬送面と平行に下方に突設された軸32aに、大径部を基端側にして回転可能かつ軸方向に移動不可能に支持されている。
各可動側支持部材36の先端部34は、可動側支持部材36に対して軸34aを介して回動可能に支持され、かつ、先端部34の他端34bに、上下両側から当接可能に設けた調整ネジ36a,36bの突出量を調整することによって、固定ローラ31に対する可動ローラ32の位置を調節可能である。一方、各可動側支持部材36の基端部は、対応する固定側支持部材33と一体の支持腕部35に、それぞれ軸36cを介して揺動可能に連結されており、軸36cを中心とした可動側支持部材36の揺動により、可動ローラ32が固定ローラ31に対して接離可能となっている。
さらに、各固定側支持部材33と対応する可動側支持部材36との間には、付勢手段としてスプリング37(引張スプリング)が介装されている。各スプリング37は、それぞれの一端部において固定側支持部材33に揺動可能に連結される一方、それぞれの他端部において、加圧力調整ネジ38を介して可動側支持部材36に連結されており、それぞれの加圧力調整ネジ38を回動させて各スプリング37の初期変位を調整することにより、各固定ローラ31に対する各可動ローラ32の加圧力(接圧)を調整可能である。
なお、各固定ローラ31および各可動ローラ32は、それぞれの軸31a,32a(支軸)に、スラスト荷重を受圧可能なアリングを介して回転自在に支持されるが、それぞれの軸31a,32a(回転軸)に対して軸方向に固定され、かつ、各軸31a,32aが、スラスト荷重を受圧可能なベアリングを介して固定側支持部材33または可動側支持部材36の先端部34に回転自在に支持されても良い。
上記のように構成された上側展張ユニット3において、各固定ローラ31と可動ローラ32は、可撓性基板1の幅方向縁端側(上方)に位置したそれぞれの大径部から、可撓性基板1の幅方向中央側(下方)に位置したそれぞれの小径部にかけての周面で相互に圧接され、図4に示すように、鉛直方向に対して傾斜した挟持部で可撓性基板1を挟持しつつ送出可能であり、かつ、各挟持部における回転方向は、可撓性基板1の搬送方向F(R)と同方向になるように直列配置されている。
このような上側展張ユニット3の各挟持ローラ31,32で、張力を付与された状態で水平方向に搬送される可撓性基板1の上側縁部が挟持されると、各挟持ローラ31,32の大径部と小径部には周速差があるため、大径部と小径部との間の挟持点において可撓性基板1の搬送速度と一致した状態で転接し、その挟持点より大径側および小径側では、周速差に応じて互いに反対方向の滑りを生じる。これら大径側および小径側の摩擦力が平衡する地点が、可撓性基板1の搬送力が静止静摩力として挟持ローラ31,32に伝達される挟持点となる。したがって、挟持点は、伝達トルクが大きい大径部寄りとなる。
ここで、各挟持ローラ31,32と可撓性基板1との相対運動において、各挟持ローラ31,32は、大径側と小径側の周速差によって、小径側すなわち可撓性基板1の幅方向中央側に曲がって行こうとするが、各挟持ローラ31,32の軸方向は固定されているので、相対運動の結果として、可撓性基板1が、各挟持ローラ31,32の大径側すなわち上方に誘導される。
上記のような可撓性基板1に対する上昇力は、各挟持ローラ31,32の接圧(摩擦力)に依存するので、本実施形態における上側展張ユニット3ように、3対の挟持ローラ31,32が相互に隣接して直列配置された構成により、可撓性基板1の上側縁部に隣接3箇所で一斉に上昇力が付与されることで、各挟持ローラ31,32個々の接圧に比較して大きな上昇力を得ることができる。
したがって、各挟持ローラ31,32に金属ローラのような低摩擦の耐熱性剛体ローラを用いた場合にも、可撓性基板に対する実用的な把持力、上昇力、あるいは展張力を得ることができ、さらに、金属ローラの表面にフッ素樹脂コーティングなどの非導電質被覆を設けるか、各挟持ローラ31,32をセラミックなどの非導電質の耐熱性剛体ローラとすることにより、高温に加熱された電極の近傍に設置することが可能となり、可撓性基板1の加熱皺をその発生位置の近傍で効果的に抑制でき、良好な成膜を行うことができる。
一方、図1において、成膜ユニット2の外部に設置された上下各側2つの展張ユニット4,4′は、成膜ユニット2からの輻射熱の影響が少ないので、挟持ローラ31,32に、容易に把持力が得られるゴムローラを用い、かつ、1対の挟持ローラ31,32で展張ユニット4,4′を構成することで、装置の簡素化が図れるとともに、成膜ユニット2の両側のガイドロール5,5間に張架された可撓性基板1の上下両側縁部に対して良好な展張力の配分を得やすい利点もある。
また、上述したような各展張ユニット3,3′,4,4′において、各挟持ローラ31,32の挟持部における回転方向は、可撓性基板1の搬送方向F(R)と同方向であり、搬送方向F(R)に対する傾斜を含まないので、可撓性基板1の逆方向Rへの搬送に対しても全く同様に展張力を作用させ、かつ、その調整を行うことができ、正逆双方向の搬送を含む往復成膜プロセスに対してもそのままの形態で対応可能である。
上記第1実施形態の展張ユニット3,3′は、1対の挟持ローラ31,32および支持機構30からなる挟持ローラユニットを、共通のベースフレーム40で一体化した構成であり、個々の挟持ローラ31,32および支持機構30は同構造であるので、部品が共通化される利点がある。
(第2実施形態)
図5および図6は、本発明に係る第2実施形態の上側展張ユニット6を示している。この上側展張ユニット6は、3対の挟持ローラ31,32を回転可能かつ相互に接離可能に支持する支持機構60のみが第1実施形態と異なり、それ以外の基本構成は第1実施形態と同様であるので、同様の部材には同様の符号を付してその説明を省略し、以下、変更点について述べる。
第2実施形態の上側展張ユニット6において、中央の挟持ローラ31,32の固定側支持部材33、可動側支持部材36、およびその先端部34の構造は、第1実施形態上側展張ユニット3における場合と同様であるが、その両側の挟持ローラ31,32の固定側支持部材63,63、可動側支持部材66,66は、それぞれ共通の固定フレーム61、可動フレーム62を介して、中央の挟持ローラ31,32の固定側支持部材33、可動側支持部材36に連結されている。
すなわち、固定フレーム61は、可撓性基板1の搬送方向F(R)に平行に延在し、その中央部において固定側支持部材33の下面に固着され、その両端部に固定側支持部材63,63が調整ネジ61b,61bで固定されている。可動フレーム62も、固定フレーム61と同様に可撓性基板1の搬送方向F(R)に平行に延在し、その中央部において可動側支持部材36の側面に固着され、その両端部に可動側支持部材66,66が調整ネジ62b,62bで固定されている。
上記構成により、第2実施形態の上側展張ユニット6では、中央の1つのスプリング37によって、3対の挟持ローラ31,32に加圧力が付与され、かつ、1つの加圧力調整ネジ38で3対の挟持ローラ31,32の加圧力を調整可能であるので、部品点数が少なく構造が簡素であるとともに、ベースフレーム40への取付け作業や加圧力の調整操作を容易に行える利点がある。また、ベースフレーム40を省略し、固定電極枠20に直接取付けることもできる。
なお、図示例では、各固定側支持部材63,63は、固定フレーム61にのみ連結され、ベースフレーム40には固定されていないが、固定フレーム61を省略し、各固定側支持部材63,63をベースフレーム40に直接固定するようにしても良い。また、固定フレーム61の両端部に固定側支持部材63,63が恒久的に固定されるか、または、固定側支持部材63,63が固定フレーム61を介して中央の固定側支持部材33と一体に構成されていても良い。同様に、可動フレーム62の両端部に可動側支持部材66,66が恒久的に固定されるか、または、可動側支持部材66,66が可動フレーム62を介して中央の可動側支持部材36と一体に構成されていても良い。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも本発明の技術的思想に基づいてさらに各種の変形および変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、上下各側の展張ユニット3,3′が、可撓性基板1の搬送方向F(R)に直列配置された3対の挟持ローラ31,32で構成される場合を示したが、2対または4対以上の挟持ローラ31,32で構成されても良い。また、上記各実施形態では、可撓性基板1の縁部が、各対の挟持ローラ31,32で、鉛直方向に対して傾斜した挟持部で、搬送面に対してやや屈曲された状態で挟持される場合を示したが、挟持ローラ31,32の挟持部が可撓性基板1の搬送面内にあっても良い。
さらに、上記実施形態では、展張ユニット3,3′が、搬送経路の上下各側に設置される場合を示したが、薄膜積層体製造装置100または成膜ユニット2の仕様によっては、下側展張ユニット3′を省略し、上側展張ユニット3のみを用いて可撓性基板1を上方に展張し、可撓性基板1の下垂や皺を抑制することもできる。
また、上記各実施形態では、主に、本発明を、可撓性基板を連続的に搬送しながら成膜を行なうロールツーロール方式の薄膜積層体製造装置に実施する場合について述べたが、本発明は、可撓性基板を成膜装置1ユニット分ずつ間欠的にステップ搬送しながらその停止期間中に成膜を行うステッピングロール方式の薄膜積層体製造装置にも実施可能である。その場合、上側展張ユニット3または上下各側の展張ユニット3,3′は、隣接する成膜ユニット間に設置され、当該設置位置ではガイドロール5は省略される。
また、本発明に係る薄膜積層体製造装置は、太陽電池用の薄膜積層体製造装置の他に、有機EL等の半導体薄膜など、可撓性基板を用いた各種薄膜積層体の製造装置や処理装置に適用できる。
1 可撓性基板
2 成膜ユニット(成膜部)
3,6 上側展張ユニット
3′ 下側展張ユニット
5 ガイドロール
30,60 支持機構
31,32 挟持ローラ
33,63 固定側支持部材
36,66 可動側支持部材
37 スプリング(付勢手段)
38 調整ネジ(加圧力調整手段)
40 ベースプレート
61 固定フレーム
62 可動フレーム
100 薄膜積層体製造装置
F,R 搬送方向

Claims (4)

  1. 帯状の可撓性基板を、その幅方向を鉛直方向にして水平方向に搬送しながら、前記基板の搬送経路に設置された成膜部にて、前記基板の表面に薄膜を積層形成する薄膜積層体製造装置であって、
    前記基板の上側縁部を挟持する複数対の挟持ローラと、前記複数対の挟持ローラを回転可能かつ相互に接離可能に支持する支持機構と、前記支持機構を介して前記複数対の挟持ローラに加圧力を付与する付勢手段とを備え、前記複数対の挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側に位置した大径部および基板幅方向中央側に位置した小径部を有しており、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されている、薄膜積層体製造装置。
  2. 前記複数対の挟持ローラは、前記基板の一面側に配列された複数の固定ローラと、前記基板の他面側に配列された複数の可動ローラで構成され、前記支持機構は、前記各固定ローラに共通の固定フレームを含む、請求項1に記載の薄膜積層体製造装置。
  3. 前記支持機構は、前記各可動ローラに共通の可動フレームをさらに含み、前記付勢手段は、前記可動フレームを介して前記各可動ローラに共通に配設され、かつ、前記各可動ローラに共通の加圧力調整手段を備えている、請求項2に記載の薄膜積層体製造装置。
  4. 帯状の可撓性基板を、その幅方向を鉛直方向にして水平方向に搬送しながら、前記基板の搬送経路に設置された成膜部にて、前記基板の表面に薄膜を積層形成する薄膜積層体製造装置であって、
    前記基板の上側縁部を挟持する複数対の上側挟持ローラと、前記複数対の上側挟持ローラを回転可能かつ相互に接離可能に支持する上側支持機構と、前記上側支持機構を介して前記複数対の上側挟持ローラに加圧力を付与する上側付勢手段とを含み、前記複数対の上側挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側に位置した大径部および基板幅方向中央側に位置した小径部を有しており、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されている上側展張ユニットと、
    前記複数対の上側挟持ローラのそれぞれと前記基板の搬送方向に対して同位置で前記基板の下側縁部を挟持する複数対の下側挟持ローラと、前記複数対の下側挟持ローラを回転可能かつ相互に接離可能に支持する下側支持機構と、前記下側支持機構を介して前記複数対の下側挟持ローラに加圧力を付与する下側付勢手段とを含み、前記複数対の下側挟持ローラは、それぞれが軸方向に対して傾斜した周面を有し、かつ、基板幅方向縁端側に位置した大径部および基板幅方向中央側に位置した小径部を有しており、それぞれの挟持部における回転方向が前記基板の搬送方向と同方向になるように直列配置されている下側展張ユニットと、
    を備えている、薄膜積層体製造装置。
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