JP2011032372A - ポリアミド - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、成形時の分解等による変質が少なく、吸水率が低い等、従来以上に成形時、製品としての安定性に優れたポリアミドを提供することにある。
【解決手段】 テレフタル酸を代表例とする芳香族ジカルボン酸成分単位と特定の炭素数のジアミン成分単位とを含むポリアミドにより上記課題を解決できることを見出した。特定の炭素数のジアミン成分単位を特定比率で含むことで、成形時の安定性に優れ、吸水率も低いポリアミドを得ることが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い耐熱性、低吸水性、更には靱性、成形性、耐薬品性、透明性に優れたポリアミドに関する。さらに詳しくは、特定の高級ジアミン単位を含むポリアミドに関する。
テレフタル酸などの芳香族ポリカルボン酸成分単位と脂肪族ジアミン成分単位を含む構造を有するポリアミド樹脂は、その高い耐熱性と溶融射出成型が可能であることから電子回路基板や電装材部品、反射板等の主に電子情報材分野に好ましく用いられている。特許文献1〜6にはテレフタル酸単位と1,6-ヘキサメチレンジアミン単位とを含むポリアミド樹脂やその用途が開示されている。前記のポリアミドは極めて高い耐熱性を有するが、その分解温度が融点や溶融流動化する温度に近いことから成型中に樹脂分解を併発する傾向にあり、成形時の安定性向上の要望がある。また吸水性が比較的高く、用途によっては吸水性の低減が求められる場合がある。
特許文献7〜10には、1,9−ノナメチレンジアミンを含むポリアミド樹脂やその用途が開示されている。このポリアミドは成形時の安定性や低吸水性と言った点で優れた性能を有しているが、市場から成形時の安定性、吸水性等でより優れた性能を有する材料が求められている。
特開2002−294070号公報 特開2003−195202号公報 特開2005−193513号公報 特表2006−503160号公報 特開2007−271834号公報 特開2008−182172号公報 特開平7−228589号公報 特開2000−204244号公報 特開2004−75994号公報 特開2009−127631号公報
本発明は前記の状況に鑑み、高い耐熱性を有し、溶融成型時の安定性に優れ、しかも低吸水性の樹脂を提供することを課題とする。
本発明者らは、このような状況に鑑みて鋭意検討した結果、特定のジアミン成分単位を含むポリアミドが、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明の完成するに到った、即ち本発明は、
テレフタル酸から誘導されるジカルボン酸成分単位30〜100モル%とテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%と炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%とを含むジカルボン酸成分単位(a−1)(但し、これらジカルボン酸成分単位の合計量は100モル%である)と、
炭素原子数11〜20の直鎖脂肪族ジアミン成分単位70〜100モル%と、炭素原子数11〜20の分岐脂肪族ジアミン成分単位0〜30モル%と、炭素原子数4〜10の脂肪族ジアミン0〜30モルとを含むジアミン成分単位(a−2)(但し、これらジアミン成分単位の合計量は100モル%である)と、
前記ジアミン成分単位の(a−2)100モル%に対して0〜10モル%の炭素原子数4〜20の脂肪族モノアミン単位、炭素数4〜20の脂肪族モノカルボン酸単位から選ばれる単官能アミンもしくは単官能カルボン酸単位(a−3)とを含み、
濃硫酸30℃中で測定した極限粘度[η]が0.3〜3.0dl/gである事を特徴とするポリアミドである。
上記のポリアミドは、ジアミン成分単位(a−2)の炭素原子数11〜20の直鎖脂肪族ジアミン成分単位が1,12ドデカメチレンジアミン単位であるジアミン成分単位(a−2‘)であることが好ましい。
本発明によれば、高い耐熱性を有しつつ、成形時の樹脂安定性に優れ、しかも吸水性が従来の高耐熱性ポリアミドに比して低い。このため、各種電子情報分野の材料として好適に用いられると考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分単位(a−1)と、ジアミン成分単位(a−2)と、必要に応じて脂肪族モノアミン成分単位、脂肪族モノカルボン酸単位から選ばれる単官能化合物成分単位(a−3)とを含むことを特徴とする。
[ジカルボン酸成分単位(a−1)]
本発明のポリアミドに含まれるジカルボン酸成分単位(a−1)は、テレフタル酸成分単位30〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%、炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%を含む。このうちテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位としては、具体的にはイソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を例示できる。これらは2種以上の組み合せでも良い。
また、脂肪族ジカルボン酸成分単位は、その炭素原子数を特に制限するものではないが、炭素原子数は4〜20、好ましくは6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導される。このような脂肪族ジカルボン酸成分単位を誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、特にアジピン酸が好ましい。また、本発明においては、ジカルボン酸成分単位を100モル%とするとき、テレフタル酸成分単位は、30〜100モル%、好ましくは40〜100モル%、より好ましくは60〜100モル%、更に好ましくは80モル%であり、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位は0〜70モル%、好ましくは0〜60モル%、より好ましくは0〜40モル%であり、更に好ましくは0〜20モル%であり、炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12の脂肪族ジカルボン酸成分単位は、0〜70モル%、好ましくは0〜60モル%、より好ましくは0〜40モル%であり、更に好ましくは0〜20モル%である。
また、本発明においては、ジカルボン酸成分単位(a−1)として、上記のような構成単位とともに、少量、例えば10モル%以下程度の量の3価以上の多価カルボン酸成分単位が含まれても良い。このような多価カルボン酸成分単位として具体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸等のような三塩基酸および多塩基酸を挙げることができる。
[ジアミン成分単位(a−2)]
本発明で使用するポリアミド樹脂(A)を構成するジアミン成分単位(a−2)は、直鎖および/または側鎖を有する炭素原子数11〜20、好ましくは炭素原子数11〜16、より好ましくは炭素数の1〜14の脂肪族ジアミンと炭素数4〜10の脂肪族ジアミンとを含む。
直鎖脂肪族ジアミン成分単位の具体的な例としては、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、1,14−テトラデカメチレンジアミン、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,18−オクタデカメチレンジアミン、1,20−エイコサメチレンジアミン等が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数が偶数のジアミン成分体が好ましく、1,12−ドデカメチレンジアミン単位を含むジアミン成分単位(a−2‘)であることが特に好ましい。
ジアミン成分単位の炭素原子数が多くなると、そのジアミン成分単位を含むポリアミドの融点は低下する傾向にあるが、溶融流動性は高まり、溶融流動化温度は低下する傾向にある。これは、上記アミン成分構造が有する自由度の高さ,換言すると分子構造の柔軟性の高さにあると推測される。
本発明のポリアミドに含まれるジアミン成分単位の炭素原子数が偶数であれば、炭素原子数が奇数のケースに比してポリアミド分子が整列し易く、融点の低下が少ない可能性が高い。例えば、1,11-ウンデカジアミン体よりも1,12-ドデカジアミン体の方が融点は高くなる傾向がある。従って、融点と前述の流動性のバランスとの観点では、ジアミン成分単位の炭素数は偶数であることが好ましい。
側鎖を有する直鎖脂肪族ジアミン成分単位の具体的な例としては、2−メチル−1,10−デカメチレンジアミン、2−メチル−1,11−ウンデカメチレンジアミン、2−メチル−1,13−トリデカメチレンジアミン、2−メチル−1,15−ペンタデカメチレンジアミン、2−メチル−1,17−ヘプタデカメチレンジアミン、2−メチル−1,19−ノナデカメチレンジアミン等が挙げられる。この中では、2−メチル−1,11−ウンデカメチレンジアミン単位が特に好ましい。
炭素原子数4〜10の脂肪族ジアミン成分単位の具体的な例としては、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン等の直鎖状ジアミン成分単位が挙げられる。これらの中では、炭素原子数が偶数の直鎖状ジアミン成分単位が好ましく、1,4−ブタンジアミン単位、1、6−ヘキサメチレンジアミン単位が特に好ましい。上記の低級脂肪族ジアミン成分単位は、例えば得られるポリアミドの融点調節に有用な成分である。
上記の炭素数4〜10の脂肪族ジアミン成分単位、炭素数11〜20の脂肪族ジアミン成分単位が共に偶数の炭素原子数のジアミン成分単位である場合、上記両ジアミン成分の併用による融点の低下が比較的緩慢であることが予想され、融点、ひいては耐熱性の調節のレンジが広く、樹脂の耐熱性品質を制御し易いと考えられるので好ましい。
このようなジアミン成分単位(a−2)は、全ての脂肪族ジアミン成分単位の合計を100モル%として、炭素原子数11〜20の直鎖脂肪族ジアミン成分単位は、70〜100モル%、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%であることが好ましい。
炭素原子数11〜20の分岐脂肪族ジアミン成分単位は0〜30モル%であり、好ましい下限値は0.1モル%、より好ましくは1モル%である。一方好ましい上限値は20モル%、より好ましくは10モル%である。
炭素原子数4〜10の脂肪族ジアミン成分単位は0〜30モル%であり、好ましい下限値は0.1モル%、より好ましくは1モル%である。一方、好ましい上限値は20モル%、より好ましくは10モル%である。
また、本発明においては、ジアミン成分単位(a−2)に、少量、例えば前記ジアミン成分単位100モル%に対して10モル%以下の量の3価以上の多価アミン成分単位が含まれても良い。
本発明の前記ジアミン成分単位100モル%に対して0〜10モル%含まれる脂肪族モノアミン成分単位や脂肪族モノカルボン酸成分単位(a−3)は、炭素原子数4〜20、好ましくは炭素原子数8〜20、より好ましくは炭素原子数11〜16の脂肪族モノアミン成分単位や脂肪族モノカルボン酸成分単位が好ましい。脂肪族モノアミン成分単位の具体的な例としては、1−アミノブタン、1−アミノヘキサン、1−アミノオクタン、1−アミノデカン、1−アミノウンデカン、1−アミノドデカン、1−アミノテトラデカン、1−アミノヘキサデカン、1−アミノオクタデカン、1−アミノエイコセン等の直鎖状脂肪族モノアミンが挙げられる。また、メチルアミノペンタン、メチルアミノヘプタン、メチルアミノオクタン、メチルアミノノナン、メチルアミノウンデカン、メチルアミノトリデカン、メチルアミノペンタデカン、メチルアミノヘプタデカン、メチルアミノノナデカン等の分岐脂肪族モノアミンも例示することが出来る。これらの中でも、炭素原子数11〜20のアミン単位が好ましく、より好ましくは1−アミノドデカン単位である。一方、脂肪族モノカルボン酸の具体的な例としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、バレリアン酸、ヘプチル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトイル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、ツベクロステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸などが挙げられる。これらの中でも炭素原子数11〜20のカルボン酸単位が好ましい。
これらの単官能化合物成分単位が含まれる好ましい下限値は0.005モル%、より好ましくは0.1モル% 、更に好ましくは0.02モル% 、特に好ましくは0.03モル%である。一方、好ましい上限値は2.0モル%、より好ましくは1.0モル% 、更に好ましくは0.5モル% 、特に好ましくは0.3モル%である。
上記の様な高級アミン単位や高級カルボン酸単位は、ポリアミド分子の末端に位置する事が予想され、自由度が高いとされる末端のアミド結合に由来する極性を緩和し、吸水率の低減に寄与する効果が期待される。一方、末端が芳香族カルボン酸であると、得られるポリアミドが着色し易く、視覚的な安定性が低い可能性がある。
これまで、本出願のような高級ジアミン成分単位を主成分の一つとするポリアミドの開示は少ない。これは当該ジアミン成分単位に対応するジアミン化合物の量産化例が少なく、ポリアミドとしての評価の機会が少なかったことが考えられる。これらのジアミン化合物の効率的な製法としては、例えば1,12−ドデカメチレンジアミンの場合には、次のような方法を挙げることが出来る。
ブタジエンの三量化、水素化、酸化反応を逐次行いジカルボン酸を得、更にそれをアミノ化後に水素化還元してジアミンを合成する方法が一例である。また、パラフィンを酵素反応でジカルボン酸とし、その後は前記同様にアミノ化、水素化還元によりジアミンを合成する方法が好ましい例である。
本発明のポリアミドは公知の方法で製造可能であり、上記の各成分単位に対応するジカルボン酸成分とジアミン成分、必要に応じて上記のモノアミンやモノカルボン酸との重縮合により製造することができる。例えば、上記のジカルボン酸成分とジアミン成分とをWO03/085029に記載されているように、触媒の存在下に加熱することにより低次縮合物を得、次いでこの低次縮合物の溶融物に剪断応力を付与することにより重縮合することで製造することができる。本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)は、温度25℃、96.5%硫酸中で測定した極限粘度[η]が、0.3〜3.0dl/g、好ましくは0.5〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.6〜1.1dl/gである。このような範囲にある場合、成形時の流動性に優れる。また、通常DSCで測定した融点は250〜330℃、特に270〜310℃が好ましい。このような範囲にあるポリアミド樹脂は、その分解温度と融点との差が比較的大きいので。成形時など樹脂が溶融状態での安定性にも優れていると予想される。また上記の融点範囲にあれば、電子情報材分野や自動車材分野などの産業材分野においても、充分な耐熱性としては充分なレベルである。
またポリアミド樹脂は、通常アミド結合を有するため水分を吸収し易い。例えば電子部品を基盤に実装する際の半田付け工程では雰囲気温度が260℃付近となる。このような高温では吸湿した水分が蒸気となりポリアミド材料から放出され、その蒸気圧により部品表面に膨れが生じる、即ち製品不良となることがある。従って、ポリアミド樹脂の吸水率を低減は、実装工程での耐熱性向上、製品不良低減に繋がると考えられる。
本発明における吸水率は、以下のような方法で測定される。
(株)ソディック プラステック社製、ツパールTR40S3A型射出成形機を用い、シリンダー温度335℃、金型温度120℃で射出成形した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を得、重量測定する(重量B)。
この試験片を40℃、90%相対湿度のオーブンに4日放置し、これを室温に戻した後、試験片の重量を測定する。(重量A) これらの測定値を用い、下記式により吸水率が決定される。
吸水率(/%) = 100 X (重量A − 重量B)/重量B
本発明のポリアミドの吸水率は、好ましくは3%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2.0%以下である。好ましい下限値は勿論0%である。
ポリアミドは吸水率が上記のような範囲にあることが多く、実装工程でのリフロー耐熱性(後述)に優れる事が期待される。
[その他の成分]
本発明のポリアミドは、公知の無機充填材や安定剤を含む組成物として使用することも出来る。上記の無機充填材としては、繊維状、粉状、粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の形状を有する種々の無機補強材を使用することができる。さらに詳述すると、無機充填材としては、ガラス繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維、アスベスト繊維およびホウ素繊維などの無機繊維が挙げられる。このような繊維状充填剤を使用することにより、組成物の成形性が向上すると共に、樹脂組成物から形成される成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上する。上記のような繊維状添加剤の形状は、種類によって様々であるが、例えばガラス繊維の場合、平均長さは、通常0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、アスペクト比(L(繊維の平均長)/D(繊維の平均外径))が、通常10〜2000、好ましくは30〜600の範囲にある。
本発明のポリアミドは、白色顔料や黒色顔料などの各種顔料と組み合わせて用いることも出来る。例えばポリアミドを反射材に使用する場合、公知の白色顔料と組み合わせることが出来る。黒色顔料を併用しても良い。そのような白色顔料としては酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、鉛白、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミナなどが上げられる。黒色顔料として代表的なのはカーボンブラックである。
これらの白色顔料は、単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの白色顔料はシランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理して使用することもできる。たとえばビニルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのシラン系化合物で表面処理されていてもよい。白色顔料としては特に酸化チタンが好ましく、酸化チタンを使用することにより反射率、隠蔽性といった光学特性が向上する。また酸化チタンはルチル型が好ましい。また酸化チタンの粒子径は0.05〜2.0μm、好ましくは0.05〜0.7μmである。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、例えばベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物またはベンゾフェノン系化合物やヒンダードアミン系化合物等から選ばれる特定の紫外線吸収剤や安定剤、添加剤と組み合わせた組成物とすることも出来る。 当該ポリアミド組成物を成形して、例えば反射板などの光学用途に展開した場合、得られる反射板の変色や反射率の低下の抑制等、その光学性能の保持に効果を示すことが期待される。
上記の紫外線吸収剤は、窒素雰囲気下で温度25℃から340℃まで20℃/分で昇温した後に、温度340℃で10分間保持したときの紫外線吸収剤の加熱質量減少率が0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%,さらに0〜30重量%であることが好ましい。上記の様な紫外線吸収剤としては、特にベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物またはベンゾフェノン系化合物から選ばれる少なくとも1種以上からなることが好ましい。このような紫外線吸収剤として具体的には、2−[2‘−Hydroxy−3’−(3“,4”,5“,6”−tetra hydrophthalimidemethl)−5‘−methylphenyl]−benzotriazole、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−Bis(2,4−dimethylphenyl)−1,3,5−triazin−2−yl]−5−(octyloxy)phenol、などが挙げられる。
紫外線吸収剤として、ヒンダードアミン系化合物を挙げることも出来る。本発明におけるヒンダードアミン系化合物は、前記と同様の熱安定性を示すことが好ましい。このようなヒンダードアミン系化合物として具体的には、N,N’,N”,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10ジアミン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などが挙げられる。
上記のベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物またはベンゾフェノン系化合物から選ばれる紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の紫外線吸収剤とを組み合わせて用いることも出来、またこの場合、より高い効果を示すことがある。
本発明では、発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じて、以下の添加剤、すなわち、酸化防止剤(フェノール類、アミン類、イオウ類、リン類等)、熱安定剤(ラクトン化合物、ビタミンE類、ハイドロキノン類、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、光安定剤(ベンゾエート類、オギザニリド類等)、他の重合体(オレフィン類、変性ポリオレフィン類、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体等のオレフィン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体等のオレフィン共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、LCP等)、難燃剤(臭素系、塩素系、リン系、アンチモン系、無機系の低分子化合物や例えばブロモポリスチレンなどの重合体等)や同様の難燃助剤、蛍光増白剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、核剤等の、種々公知の配合剤を添加することができる。
上記のうち、無機充填材、顔料、難燃剤等はポリアミド組成物100重量%に対して0〜80重量%である。好ましい下限値は10重量%、より好ましくは20重量%、更に好ましくは30重量%、殊に好ましくは40重量%、特に好ましくは45重量%である。好ましい上限値は70重量%、より好ましくは60重量%、更に好ましくは55重量%、特に更に好ましくは50重量%、である。
一方、各種安定剤については、ポリアミド組成物を100重量%に対して0〜10重量%である。好ましい下限値は0.05重量%、より好ましくは0.1重量%である。好ましい上限値は5重量%、更に好ましくは3重量%、特に好ましくは2重量%である。
[ポリアミド樹脂組成物]
本発明のポリアミドを用いた樹脂組成物は、上記の各成分を、公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーなどで混合する方法、あるいは混合後さらに一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法により製造することができる。温度等の混合時の条件は、その手法や樹脂の融点、極限粘度([η])等を考慮して決定される。
また本発明のポリアミドや上記ポリアミド樹脂組成物は、公知の各種成形法によって成型することが可能である。具体的には、射出成形法、圧縮成形法、押出し成形法等の公知の方法が挙げられる。これらの手法により、その形状は射出成形体、フィルム、シート、繊維など多岐の形状の成形体を得ることが可能である。
上記の方法で得られる成形体は、各種の用途に用いることが出来る。具体的には自動車電装部品用材料、エレクトロニクス用の回路基板、発光ダイオードや自動車照明、室内照明などの各種光源に対応する反射材等の産業用材料、工業用材料が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例において、各物性値の測定および評価は以下の方法で行った。
[極限粘度[η]]
ポリアミド樹脂0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解し、ウベローデ粘度計を使用し、25℃±0.05℃の条件下で試料溶液の流下秒数を測定し、以下の式に基づき算出した。
[η]=ηSP/[C(1+0.205ηSP)、ηSP=(t−t0)/t0
(上記の各記号の意味は以下の通りである。
[η]:極限粘度(dl/g)、ηSP:比粘度、C:試料濃度(g/dl)、t:試料溶液の流下秒数(秒)、t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒))
[融点]
PerkinElemer社製DSC7を用いて、一旦330℃で5分間保持し、次いで10℃/分の速度で23℃まで降温せしめた後、10℃/分で昇温した。このときの融解に基づく吸熱ピークを融点とした。
[耐熱性]
(株)ソディック プラステック製ツパールTR40S3A型射出成形機を用い、シリンダー温度:335℃、金型温度:120℃の条件で射出成形した長さ64mm、幅6mm、厚さ0.8mmの試験片を用いて、40℃。相対湿度95%の恒温恒湿オーブンに4日間保管して吸水させた。
上記吸水した試験片を赤外線および熱風併用型リフローはんだ装置(日本アントム工業(株)製SOLSYS−2001R)に装入し、所定の設定温度で20秒間保持する。その後、10℃高い温度(以下、ピーク温度と言う事がある。)に昇温させる。この工程で、試験片に目視で膨れが観察されなければ、更に温度を5℃昇温させ、試験片の膨れを確認する。膨れが無ければ、更に温度を5℃昇温させる。(本件では特に断らない限り上記の所定温度は180℃とする。)
この昇温工程を繰り返し、膨れの発生しなかった最も高い温度を耐熱性の指標(リフロー耐熱性)とした。
実施例1
テレフタル酸121gをジメチルホルムアミドに溶解させる。また、1,12ドデカメチレンジアミン(1-アミノドデカン含有率0.05%)144gをエタノールに溶解させる。これらの溶解工程は、何れも約60℃で実施する。
次いで、テレフタル酸の溶液を1,12ドデカメチレンジアミン溶液に添加し、析出した固体部を濾別した。(以下、カルボン酸とアミンの接触によって生成する固体部をナイロン塩と言う事がある。)
上記のナイロン塩80gを1リットル容積のガラス反応器に投入する。次いで、窒素ガスを流通させながら330℃まで10℃/分の速度で昇温しさらに330℃到達後、20分保持した後、反応器下部を開き、溶融樹脂をストランド状に抜き出し、回転刃にてストランドをカットし、ペレット状のポリマーを得た。
この低縮合物の[η]は0.70dl/gであり、DSCにより求められる融点は301℃、吸水率は1.6%であった。また、リフロー耐熱性は275℃であった。
実施例2
実施例1で得られた低縮合物を二軸押出機を用い320℃で高縮合化反応を行った。
比較例1
テレフタル酸332gとヘキサメチレンジアミン232gを水溶液中70℃で混合し、水を留去させナイロン塩(1)を合成した。さらにアジピン酸292gとヘキサメチレンジアミン232gを水溶液中70℃で混合し、水を留去させナイロン塩(2)を得た。
次いで、ナイロン塩(1)47gとナイロン塩(2)53gとを混合し、1リットル容積のガラス反応器に投入した。次いで、窒素ガスを流通させながら330℃まで10℃/分の速度で昇温した。330℃に達した段階で反応器下部を開いても溶融樹脂ストランドの引き出しは出来なかった。温度をさらに340℃にまで上げ、20分保持すると、反応器下部を開いての溶融樹脂ストランド状に抜き出しが可能となった。この引き出したストランドを回転刃にてカットし、ペレット状のポリマーを得た。
この低縮合物の[η]は0.75dl/gであり、DSCにより求められる融点は295℃、吸水率は4%であった。また、リフロー耐熱性は260℃であった。
上記の様に本発明のポリアミドは、従来に比して融点が同等以上で且つ溶融流動性に優れており、吸水率が低く、また実用耐熱性にも優れていることが分かる。

Claims (2)

  1. テレフタル酸から誘導されるジカルボン酸成分単位30〜100モル%とテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%と炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜70モル%とを含むジカルボン酸成分単位(a−1)(但し、これらジカルボン酸成分単位の合計量は100モル%である)と、
    炭素原子数11〜20の直鎖脂肪族ジアミン成分単位70〜100モル%と、炭素原子数11〜20の分岐脂肪族ジアミン成分単位0〜30モル%と、炭素原子数4〜10の脂肪族ジアミン0〜30モルとを含むジアミン成分単位(a−2)(但し、これらジアミン成分単位の合計量は100モル%である)と、
    前記ジアミン成分単位100モル%に対して0〜10モル%の炭素原子数4〜20の脂肪族モノアミン単位、炭素数4〜20の脂肪族モノカルボン酸単位から選ばれる単官能アミンもしくは単官能カルボン酸単位(a−3)とを含み、
    濃硫酸30℃中で測定した極限粘度[η]が0.3〜3.0dl/gである事を特徴とするポリアミド
  2. ジアミン成分単位(a−2)の炭素原子数11〜20の直鎖脂肪族ジアミン成分単位が1,12ドデカメチレンジアミン単位であるジアミン成分単位(a−2‘)であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド
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