JP2011032342A - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

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Abstract

【課題】遊離の銅イオンを含有しているにもかかわらず、防錆能を有し、かつ遊離の銅イオンに起因する析出物が生じないインクジェット記録用水性インクを提供する。
【解決手段】遊離の銅イオンを含有するインクジェット記録用水性インクであって、前記遊離の銅イオンの濃度が前記インクジェット記録用水性インクに対して50ppm以下であり、ジイソプロピルアミンナイトライトを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インクに関するものである。
インクジェット記録用水性インクには、使用する着色剤に起因する遊離の銅イオンが含まれていることが多い。
また、インクジェットヘッドのインク流路等において、インクジェット記録用水性インクと接触する金属材料の腐食を防止するため、インクジェット記録用水性インクには一般にベンゾトリアゾール等の防錆剤が添加されている。
遊離の銅イオンを含有するインクジェット記録用水性インクにおいては、ベンゾトリアゾールを添加すると、遊離の銅イオンにベンゾトリアゾールが配位してインクジェット記録用水性インク中に析出物が生じ、インクジェットヘッドのノズルを詰まらせるという問題が生じる恐れがあった。
これに対して、インクジェット記録用水性インクに使用する着色剤の精製度を向上させたり、金属イオン封鎖剤等を使用することによりインクジェット記録用水性インク中の遊離の銅イオン濃度を10ppm以下にすることが提案されている(特許文献1)。
特開2000−355665号公報
しかし、着色剤の精製度を上げることはインクの製造に要するコストを上げてしまう。また、インクジェット記録用水性インク中の遊離の銅イオン濃度を10ppm以下に調整しても、遊離の銅イオンにベンゾトリアゾールが配位してインクジェット記録用水性インク中に析出物が生じることを充分に防ぐことはできず、インクジェットヘッドのノズルを詰まらせるという問題が依然懸念される。
そこで、本発明は、遊離の銅イオンを含有しているにもかかわらず、防錆能を有し、かつ遊離の銅イオンに起因する析出物が生じないインクジェット記録用水性インク(以下、「水性インク」ということもある)を提供することを目的とする。
本発明者は、遊離の銅イオンを含有するインクジェット記録用水性インクにおいて、ジイソプロピルアミンナイトライトを使用すると、水性インクに遊離の銅イオンが含まれていても析出物が生じず、高い防錆能を得られることを見出した。
すなわち、本発明は、遊離の銅イオンを含有するインクジェット記録用水性インクであって、前記遊離の銅イオンの濃度が前記インクジェット記録用水性インクに対して50ppm以下であり、ジイソプロピルアミンナイトライトを含有することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用水性インクによれば、遊離の銅イオンを含有しているにもかかわらず、遊離の銅イオンに起因する析出物が生じず、かつ高い防錆能を有する。したがって、インクジェットヘッドの腐食およびノズル詰まりを防止し、水性インクの吐出安定性を高めることができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクにおいて、前記ジイソプロピルアミンナイトライトの配合量が、前記インクジェット記録用水性インク全量に対して0.02重量%〜2重量%であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクにおいて、前記インクジェット記録用水性インクが、さらに銅錯体着色剤を含有することが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクにおいて、前記銅錯体着色剤として、銅フタロシアニン染料または銅フタロシアニン顔料を含有することが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、遊離の銅イオンおよびジイソプロピルアミンナイトライトを含有する。前記遊離の銅イオンの濃度は、前記水性インク全量に対して50ppm以下である。また、前記遊離の銅イオンの濃度が前記水性インク全量に対して10ppmを超えても50ppm以下であれば、前記遊離の銅イオンに起因する析出物が生じることがなく、着色剤等を高度に精製する必要がないため好ましい。なお、前記遊離の銅イオンの濃度が50ppmを超えると、前記水性インクがジイソプロピルアミンナイトライトを含有しても、前記遊離の銅イオンに起因する析出物が生じてしまうため好ましくない。
前記遊離の銅イオンを生じさせる原因物質は特に限定されないが、例えば、銅錯体染料(特に、銅フタロシアニン染料)、銅フタロシアニン顔料等の銅錯体着色剤およびその他の含金属染料等をあげることができる。
前記銅錯体染料としては、C.I.ダイレクトバイオレット47、48、90および91;C.I.ダイレクトブルー86、87、90、98、194、195、196、199、226および248;C.I.ダイレクトブラウン95、100、112、194および211;C.I.ダイレクトブラック71、105、106、107、108および146;C.I.アシッドレッド161;C.I.アシッドオレンジ87、88および122;C.I.アシッドレッド194、209、211、215および216;C.I.アシッドブルー151、154、167、168、170、171、184、187、199、229および234;C.I.アシッドグリーン56、57、60および65;C.I.アシッドブラウン231、232、294および296;C.I.アシッドブラック58、60、62、64、107、108、112、115、118、119、121、122、131、132、139、140、155および156;C.I.リアクティブレッド6、7、27、32および130;C.I.リアクティブバイオレット1、2、3、4および5;C.I.リアクティブブルー3、7、9、10、13、14、15、18、20、21、25、26、38、40、41、43、52、63、71、72、77、79、80、105、113、118、120、121、122、131、140、147および148;C.I.リアクティブグリーン5、12、14および15;C.I.リアクティブブラウン14、18および19;C.I.リアクティブブラック1、8、9、13、31および35;等があげられる。
前記銅フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7および36;C.I.ピグメントブルー15:x(ここで、x=1〜6の整数。好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:1、15:3、15:4および15:6);等をあげることができる。
前記水性インクが前記銅フタロシアニン顔料を含有する場合には、分散剤または界面活性剤を含有させ、前記銅フタロシアニン顔料を水性インク中で安定に分散させることが好ましい。
前記分散剤としては、天然高分子分散剤または合成高分子分散剤があげられる。より具体的には、天然高分子分散剤としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン等のタンパク質;アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム;サポニン等のグルコシド;アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミンおよびアルギン酸アンモニウム等のアルギン酸誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体;等があげられる。また、合成高分子分散剤としては、ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−(メタ)アクリル樹脂;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体;スチレン−マレイン酸共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体;およびこれらの塩があげられる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。
前記界面活性剤としては、ドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウムおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびポリオキシエチレンアルキルアミド等の非イオン性界面活性剤;等をあげることができる。
前記インクジェット記録用水性インクが銅フタロシアニン顔料を含有する場合には、分散剤を用いなくても水に分散可能な自己分散型の銅フタロシアニン顔料を用いてもよい。ここで、自己分散型の銅フタロシアニン顔料は、顔料表面にカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはスルホン基のような少なくとも一種の親水基またはその塩を結合させるように表面処理をすることによって得ることができる。自己分散型の銅フタロシアニン顔料としては、例えば、CAB−O−JET(登録商標)250Cおよび450C(キャボット社製)を用いてもよい。
前記銅錯体着色剤およびその他の含金属染料の配合量は、当該水性インクに付与する色に応じて適宜設定することができる。例えば、前記銅フタロシアニン染料の場合、前記水性インク全量に対して0.1〜8重量%が好ましく、前記銅フタロシアニン顔料の場合、前記水性インク全量に対して0.1〜8重量%が好ましい。前記銅フタロシアニン染料と前記銅フタロシアニン顔料を併用する場合には、両者の配合量の合計は、前記水性インク全量に対して0.1重量%〜8重量%とすることが好ましい。
なお、本発明のインクジェット記録用水性インクは、調色における必要に応じて、前記銅錯体着色剤に加えて、他の着色剤を使用することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクが含有するジイソプロピルアミンナイトライトは、インクジェットヘッドで使用されているニッケル、42合金(42%のニッケルを含有するニッケル−鉄合金)、SUS430等に対して優れた防錆効果を発揮し、かつ安全性が高い。また、前記遊離の銅イオンに配位して析出物を生じさせることもない。したがって、ジイソプロピルアミンナイライトの配合量は、前記遊離の銅イオンが前記水性インク全量に対して50ppm以下であれば、その存在量に関わらず、防錆能の点から定めることができ、前記水性インク全量に対して、好ましくは0.005重量%〜3重量%、さらに好ましくは0.02重量%〜2重量%である。ジイソプロピルアミンナイトライトの配合量が0.005重量%未満であると防錆効果が得られなくなるから好ましくなく、3重量%を超えると蒸発特性が劣り、吐出安定性が悪くなるから好ましくない。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、遊離の銅イオンを含有し、かつジイソプロピルアミンナイトライトを含有する以外は、公知のインクジェット記録用水性インクと同様の構成とすることができる。例えば、前記水性インクの溶媒としては、水、なかでも脱イオン水を使用することが好ましい。水の配合量は、併用する水溶性有機溶剤の種類、組成および前記水性インクの要求特性に応じて広い範囲で決定される。水の配合量は、前記水性インク全量に対して好ましくは10重量%〜95重量%、より好ましくは10重量%〜80重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクには、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止する湿潤剤、記録した水性インクを速やかに記録媒体内部に浸透させる浸透剤として、水溶性有機溶剤が適宜添加される。
前記湿潤剤は、特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン等のケトン;ジアセトンアルコール等のケトアルコール;テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル;ポリアルキレングリコール、アルキレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびグリセリン等の多価アルコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげられる。前記ポリアルキレングリコールは、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等があげられる。前記アルキレングリコールは、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコールおよびヘキシレングリコール等があげられる。前記湿潤剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記湿潤剤の配合量は、少なすぎるとインクジェットヘッドのノズルの目詰まりを防止するために不充分であり、多すぎるとインクの粘度が上昇してインクジェットヘッドからの吐出が困難となるため、前記水性インク全量に対して、好ましくは5重量%〜50重量%、より好ましくは5重量%〜40重量%である。
前記浸透剤は、特に限定されず、例えば、グリコール系エーテルがあげられる。前記グリコール系エーテルは、特に限定されず、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテルおよびトリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等があげられる。前記浸透剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記浸透剤の配合量は、少なすぎると記録媒体への水性インクの浸透性が不充分であり、多すぎると水性インクの過剰な浸透性によってフェザリング等のにじみを生じやすくなるため、前記水性インク全量に対して、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜7重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、必要に応じて、さらに、従来公知の添加剤等を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、粘度調整剤、防黴剤およびpH調整剤等があげられる。前記粘度調整剤は、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロースおよび水溶性樹脂等があげられる。
本発明のインクジェット記録用水性インクの製造方法は、着色剤および水、必要に応じて使用する湿潤剤および浸透剤等の水溶性有機溶剤、各種添加剤を常法にしたがって均一に混合することにより製造することができる。
実施例1〜10および比較例1〜4
(1)インクの調製
表1に示す実施例1〜10および表2に示す比較例1〜4の組成をそれぞれ均一に攪拌混合することにより、実施例1〜10および比較例1〜4の水性インクを調製した。
(2)銅イオン(Cu2+)濃度の測定
実施例1〜10および比較例1〜4の水性インクそれぞれを、限外濾過フィルター(PALL社製、Macrosep(登録商標)Centrifugal Devices 10K)により液成分を分離し、分離した液成分を超純水により希釈して測定可能な濃度の希釈液とした。得られた希釈液をイオンクロマトグラフ分析装置(日本ダイオネクス(株)製、DX−500)を用いて、前記水性インク中の銅イオン濃度を測定した。測定結果を表1および表2に示す。
(3)析出物評価
実施例1〜10および比較例1〜4のインクを親水性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)タイプメンブランフィルタ(孔径3.0μm;東洋濾紙(株)製)を用いて濾過し、濾過後、当該メンブランフィルタ上に析出物があるか否かを顕微鏡観察した。評価結果を表1および表2に示す。
析出物評価 評価基準:
A:析出物が観察されなかった
C:析出物が観察された
(4)陽分極測定
電気化学測定システム(北斗電工(株)製、HZ−3000)において、作用極に42合金電極、対極に白金電極、参照電極に銀−塩化銀電極を取り付けた。
次に、実施例1〜10および比較例1〜4の水性インクをそれぞれ60℃に保温し、作用極と対極を水性インクに、参照電極を飽和塩化カリウム溶液に浸漬し、−600mV〜800mVの範囲で電位を変化させて水性インクに流れる電流密度を測定した。そして、測定された電流密度を下記の評価基準によって評価した。評価結果を表1および表2に示す。ここで、42合金の腐食が防止されるためには、実用上、A評価またはB評価である必要がある。
陽分極測定 評価基準:
A:−600〜400mVの電位範囲において、電流密度20μA/cm以下
B:−600〜300mVの電位範囲において、電流密度20μA/cm以下
C:−600〜300mVの電位範囲において、電流密度20μA/cmを超える
(5)吐出安定性評価
実施例1〜10および比較例1〜4の水性インクを、所望のインクカートリッジに充填したのち、インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(ブラザー工業(株)製;DCP−110)に装着して、普通紙300枚に連続記録を行った。連続記録後の抜けや吐出曲がりのピン数のカウントを行ない、下記の評価基準によって評価した。評価結果を表1および表2に示す。ここで、実用上はA評価またはB評価である必要がある。
吐出安定性評価 評価基準:
A:抜けおよび吐出曲がりのピン数が2本以下
B:抜けおよび吐出曲がりのピン数が3〜5本
C:抜けおよび吐出曲がりのピン数が6本以上
Figure 2011032342
Figure 2011032342
表1から、水性インク中の遊離の銅イオンの濃度が50ppm以下であり、ジイソプロピルアミンナイトライトを使用した実施例1〜10の水性インクでは、水性インク中に析出物が生じることがなく、陽分極測定および吐出安定性評価の結果も良好であった。ジイソプロピルアミンナイトライトの配合量が0.005重量%と多少少なかった実施例3の水性インクでは、陽分極測定の結果が多少劣ったものの実用上問題がない程度であった。一方、ジイソプロピルアミンナイトライトの配合量が3重量%と多少多かった実施例6の水性インクでは、吐出安定性評価が多少劣ったものの実用上問題がない程度であった。
表2から、ジイソプロピルアミンナイトライトを使用していない比較例1の水性インクでは、陽分極測定の結果が悪く、42合金の腐食を防止することができないため実用上使用することができなかった。防錆剤として、ジイソプロピルアミンナイトライトに代えてジイソプロパノールアミンを使用した比較例2の水性インクでも、陽分極測定の結果が悪く、42合金の腐食を防止することができないため実用上使用することができなかった。防錆剤として、ジイソプロピルアミンナイトライトに代えて1,2,3−ベンゾトリアゾールを使用した比較例3の水性インクでは、水性インク中に析出物が生じた。ジイソプロピルアミンナイトライトを使用していても、水性インク中の遊離の銅イオンの濃度が50ppmを超えた比較例4の水性インクでは、水性インク中に析出物が生じ、さらに吐出安定性評価が悪かった。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、インクジェット記録を行うインクジェット記録装置にて広く使用することができ、インクジェット記録用水性インク中に銅錯体着色剤等の遊離の銅イオンを生じさせる成分を含有する場合に有用である。

Claims (4)

  1. 遊離の銅イオンを含有するインクジェット記録用水性インクであって、
    前記遊離の銅イオンの濃度が前記インクジェット記録用水性インクに対して50ppm以下であり、
    ジイソプロピルアミンナイトライトを含有することを特徴とするインクジェット記録用水性インク。
  2. 前記ジイソプロピルアミンナイトライトの配合量が、前記インクジェット記録用水性インクに対して0.02重量%〜2重量%であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 前記インクジェット記録用水性インクが、さらに銅錯体着色剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 前記銅錯体着色剤として、銅フタロシアニン染料または銅フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録用水性インク。
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