JP2011030432A - 施肥装置付き多条苗移植機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、施肥装置付き多条苗移植機で、運搬姿勢にした時に施肥ホースが機体に沿ってコンパクトに収納され、破損するようなことを無くすることを課題とする。
【解決手段】走行車体の後部に多条の苗植付装置を昇降リンクで昇降可能に設け、走行車体に搭載した施肥装置から各苗植付装置に肥料を搬送する施肥ホース127を配管した施肥装置付き多条苗移植機において、左右側端部の苗植付装置を中央側の苗植付装置上に折り畳み可能にすると共に、施肥装置から分離した施肥ホース127を施肥装置の横長に設けるエアーチャンバ131に沿って保持可能にした施肥装置付き多条苗移植機とする。
【選択図】図14

Description

本発明は、走行車体の後部に苗植付装置と施肥装置とを備え、一度の走行で圃場に多条の苗株を植付けると共に施肥を行う施肥装置付き多条苗移植機に関するものである。
八条植えや十条植えの施肥装置付き多条苗移植機は、苗植付装置が走行車体の左右幅よりも広く運搬時には走行車体の左右幅からはみ出した苗植付装置を取り外したり折り畳んだりして移動させている。
例えば、特開平11−127646号公報に十条植えの施肥装置付き多条苗移植機が記載されている。
この十条植え苗移植機は、苗の植え付けと同時に施肥が行える施肥装置が装着されている。この施肥装置は、苗植付装置の各苗植付装置に肥料を空気搬送する施肥ホースが設けられ、機体の運搬時には、左右側部の苗植付装置を中央側の苗植付装置上に重ねて折り畳み、施肥装置から取り外した施肥ホースを苗植付装置に設けるホース収納支持ステーに取り付けて上方へループ状に湾曲させて保持する。
特開平11−127646号公報
前記の施肥装置付き多条苗移植機では、運搬時の状態で、施肥ホースが上方へ大きくループ状に湾曲した状態になっているために、施肥ホースが障害物に引っ掛かって破損することが有る。
そこで、本発明では、施肥装置付き多条苗移植機で、運搬姿勢にした時に施肥ホースが機体に沿ってコンパクトに収納され、破損するようなことを無くすることを課題とする。
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、走行車体(2)の後部に多条の苗植付装置(4)を昇降リンク(3)で昇降可能に設け、走行車体(2)に搭載した施肥装置(5)から各苗植付装置(4)に肥料を搬送する施肥ホース(127)を配管した施肥装置付き多条苗移植機において、左右側端部の苗植付装置(4)を中央側へ移動させて機体の左右幅を縮小できる構成とすると共に、分離した施肥ホース(127)を施肥装置(5)の横長に設けるエアーチャンバ(131)に沿って保持可能にした施肥装置付き多条苗移植機とする。
この構成で、施肥装置付き多条苗移植機を運搬時には、走行車体2からはみ出す苗植付装置4が折り畳まれて左右幅が走行車体2の幅と略同じになり、取り外した施肥ホース127がエアーチャンバ131に沿って保持されて機体から張り出すことが無い。
請求項2に記載の発明は、走行車体(2)の後部に多条の苗植付装置(4)を昇降リンク(3)で昇降可能に設け、走行車体(2)に搭載した施肥装置(5)から各苗植付装置(4)に肥料を搬送する施肥ホース(127)を配管した施肥装置付き多条苗移植機において、左右側端部の苗植付装置(4)を中央側へ移動させて機体の左右幅を縮小できる構成とすると共に、分離した施肥ホース(127)を施肥装置(5)の肥料ホッパ(125)上に巻き掛けて保持可能にした施肥装置付き多条苗移植機とする。
この構成で、施肥装置付き多条苗移植機を運搬時には、走行車体2からはみ出す苗植付装置4が折り畳まれて左右幅が走行車体2の幅と略同じになり、取り外した施肥ホース127が肥料ホッパ125上に巻き掛けて保持されて機体から張り出すことが無い。
請求項3に記載の発明は、施肥ホース(127)の取り外し端部を端部保持ケース(197)に差し込んで保持可能にした請求項1或は請求項2に記載の施肥装置付き多条苗移植機とする。
この構成で、取り外した施肥ホース127の端部が端部保持ケース197で塞がれて施肥ホース127内に泥が入ったり水が入ったりすることを防ぐ。
請求項1の発明は、施肥装置付き多条苗移植機を運搬状態にした場合に、分離した施肥ホース127を施肥装置5の横長に設けるエアーチャンバ131に沿って保持されて纏められ、施肥ホース127も機体から張り出して障害物に引掛けて破損するようなこともない。
請求項2の発明は、施肥装置付き多条苗移植機を運搬状態にした場合に、分離した施肥ホース127を施肥装置5の肥料ホッパ125上に巻き掛けて保持されて纏められ、施肥ホース127も機体から張り出して障害物に引掛けて破損するようなこともない。
請求項3の発明は、請求項1或は請求項2の発明で、取り外した施肥ホース127の端部が端部保持ケース197で覆われて施肥ホース127内に泥が入ったり水が入ったりすることを防ぎ、植付作業を再開した時に肥料の流れを妨げない。
乗用苗移植機の側面図 苗タンク下部の拡大側面図 苗タンク下部の要部拡大図 側端部材の収納状態の要部平面展開図 リヤフレーム部の左半部分の平面図 リヤフレームの折畳み状態の植付部の側面図 植付機構の拡大側面図 植付部の拡大平面図 固定レバー部の側面図 レバーの駆動構成図 植付機構の折畳み状態の平面図 整地ロータの要部拡大背面図 施肥装置の背面図である。 施肥装置の平面図である。 施肥装置の側面図である。 施肥装置の粉粒体繰出部の側面断面図である。 施肥装置の粉粒体繰出部の変形例の側面断面図である。 図16のS−S 断面図である。 施肥装置の傾動回転軸部分の拡大側面図である。 施肥装置の肥料回収レバー及びその関連部材の側面図である。 施肥装置の他の実施例の傾動機構の簡略側面図である。 施肥装置の他の実施例の傾動機構の簡略側面図である。 施肥装置とその近傍の他の実施例の側面図である。 図23の平面図である。 施肥装置とその近傍の他の実施例の側面図である。 施肥装置の施肥伝動機構を示す側面図である。 施肥装置の施肥伝動機構を示す平面図である。 施肥装置の逆転伝達機構及び繰出量調節機構の一部を示す展開図である。 施肥装置の肥料繰出部への伝動機構を示す断面図である。 施肥ホースの収納状態の側面図である。 施肥ホースの他の収納例の平面展開図である。 施肥ホースステーの支持部の拡大側面図である。 フロート部の側面図である。 施肥ホースの支持ステー部の平面図である。 苗植付部の一部を省略した平面図である。 苗植付部の一部を省略した背面図である。 苗載部下部の側部断面図である。 図37におけるA矢視図である。 左右外端部の苗載部を折りたたんだ状態を示す苗載部の側面図である。 一部を省略して表した図39におけるA矢視図である。 中央部の苗載部と左右外側部の苗載部との上部連結部の断面図である。 中央部の苗載部と左右外側部の苗載部との下部連結部の断面図である。 苗載部支持フレームの要部の正面図である。 フロート支持軸の分割部の(a)平面図と(b)平面図である。 折畳部の拡大側面図である。 折畳み牽制スイッチの配置側面図である。 別実施例の苗移植機部分側面図である。 整地ロータ装置の側面図である。 ロータ部の平面図である。 ロータ支持フレーム連結部の分解斜視図である。 エア切換管の分解斜視図である。
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施例について、以下に図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の適用例である乗用苗移植機1の側面図である。この乗用苗移植機1は、前輪16と後輪17で圃場走行可能な走行車体2の後側に昇降リンク3を介して多条の苗植付装置4が昇降可能に装着され、10条の植付け幅の左右の外側2条ずつを内側方に折畳み可能に構成される。
苗植付装置4は、苗の集合体であるマット苗を多条並列に保持し外側条部分を折畳み可能に構成された苗タンク6、この苗タンク6に保持されたマット苗の下端部を受ける苗受板7、この苗受板7の後方から植付け条別に臨む植付機構8等を備えるとともに、植付け幅の圃場面を整地する整地ロータ装置9も折畳み可能に備える。
苗受板7について説明すると、その折り畳み構造は、苗タンク6下部の拡大側面図を図2に示すように、外側2条部分を別体の側端部材7cと、この側端部材7cを外側条部分に固定するための長尺ロッド状のハンドル付きボルト7d(図4)とによって着脱可能に構成することにより、植付け全幅に及ぶ長さの苗受板7が別途詳述する苗タンク6の折畳み部分と対応して収納位置に折り畳み可能となる。
詳細には、苗受板7は、苗タンク6の下端に臨んでマット苗を受ける横長の仕切材であり、この苗受板7の基部に苗タンク6の下端部を左右にスライド動作可能に支持するスライド支持部311である中空フレームを一体に構成するとともに、植付け条別にマット苗から株分け取出しするための株取口312を備え、その外側条部分を側端部材7cとして別体に形成する。
この側端部材7cは、スライド支持部311の中空部にハンドル付きボルト7dを通し、外側端からハンドル操作によって締結することにより着脱可能に構成する。また、植付機構8の伝動ケース313から後方にステー314を延ばし、その後端部に横断方向に延びて後部を保護するリヤフレーム315を支持し、このリヤフレーム315に苗受板7の側端部材7cを着脱可能に吸着保持するマグネットによる苗受板保持機構316を設けて収納手段を構成する。
上記のように構成した苗受板7は、側端部材7cが着脱可能な別体部材によって構成されることから、苗受板7からその側端部材7cを取り外すことにより幅方向に長い苗受板7の構成寸法が縮小され、また、植付機構8の後縁を保護するリヤフレーム315にマグネットによる苗受板保持機構316を構成して収納位置とすることにより、苗受板7の側端部材7cをその保護範囲内に着脱可能に保持することができる。
従って、苗移植機1の多条マット苗植付装置は、苗受板7の折り畳みに際して、その側端部材7cの簡易な着脱移動の操作により、スライド支持部311や株取口312等が機体の外側緑に露出されることを回避して、周囲の障害物に対する苗受板7の保護を確保することができる。
この場合において、図2の要部の拡大図を図3に示すように、側端部材7cをリヤフレーム315の上に保持するように、苗受板保持機構316のマグネットブラケット317を構成することにより、苗受板保持機構316による着脱操作を容易にすることができる。
また、苗受板保持機構316は、リヤフレーム315の上に沿うように平行する姿勢で側端部材7cを着脱可能に保持することにより、多条マット苗植付装置は、横に長い側端部材7cを苗受板7から取外した姿勢のままの簡易な移動操作によって苗受板7の収納と装着か可能にとなるとともに、保護を要する側端部材7cのスライド支持部311を前側に配置して確実に保護することができる。
また、別の苗受板保持機構316として、側端部材7cの収納状態の要部平面展開図を図4に示すように、マグネット式の苗受板保持機構316に代え、または、それに加えて、側端部材7cを固定するためのハンドル付きボルト7dとの螺合が可能なねじ穴を形成した螺合部318を収納位置に設けることにより、側端部材7cおよびハンドル付きボルト7dをリヤフレーム315の上に確実に保持することができる。
次に、リヤフレーム315等の収納構成について説明する。
リヤフレーム315は、その左半部分の平面図を図5に示すように、外側条部分315aを起立姿勢の収納位置に折畳み可能に構成するとともに、折畳み時は、植付部の側面図を図6に示すように、収納位置の苗タンク6の後端より後方位置とし、かつ、植付機構8の拡大側面図を図7に示すように、その植込杆8aの軌跡Pより後方に配置することにより、植込杆8aを保護することができる。
また、図6の回動ステー321を植付駆動軸322の前側に、植付け深さパイプ323を後下に配置し、さらに、植付部の拡大平面図を図8に示すように、リヤフレーム315はパッチン錠315bでロック可能に構成し、リヤフレーム315、駆動ケース331、苗取フレーム332を共通の回動軸線Cにより折畳み可能に構成する。
また、各植付駆動軸322にはその回転を検出する回転センサを設け、回転が不安定になると、走行速度を低下する。
折畳部の取扱いに関し、折畳み状態を検出するスイッチでは折畳み状態から展関して植付け作業をする場合のロック忘れが検出できないことから、回動固定用のロックレバー部の側面図を図9に示すように、ロックレバー341にマグネットスイッチ等による牽制スイッチ342を設ける。このようにロック忘れを検出する牽制スイッチ342を設けることによって植付部の破損を効果的に防止することができる。
また、レバーの駆動構成図を図10に示すように、電動駆動部343によって苗取調節ガイドと植付深さガイドを動作させ、ロックレバー341を解除すると植付深さ、苗取レバーが収納位置まで移動し、ロックレバー341をロックすると元の位置に戻るように構成する。
このように、牽制スイッチ342によりロックレバー341の位置に応じて、収納位置と展開位置とを切替えることにより従来の煩雑な作業、すなわち、植付部を折畳むために手動で収納位置に合わせ、展開するとそれぞれの必要な位置に合わせる煩雑な作業を要することなく、ロックレバー341をロックすると元の位置に戻るので、多条折畳みの煩雑な位置合わせ操作を簡単にでき、また、作業終了時の位置から変えなくてよい。
次に、レバー収納位置の警報装置について説明する。
植付回動ロックレバー341の牽制スイッチ342によってレバー位置をチェックできるようにした上で、苗取調節レバーに収納位置検出スイッチを設け、収納位置でないときにロックレバー341を操作するとエラ−とみなしてホーンやブザーまたは音声ガイドによってオペレータに警報を発することにより、全ての装置が収納位置にあるかどうかを容易に判断でき、破損を防止することができる。音声ガイドは、例えば、「苗取調節レバーを収納位置に操作してください」等のごとく、問題箇所の具体的な音声案内を行う。
上記苗取調節レバーのほかに、植付深さレバーの収納位置、苗タンク6の中央位置、施肥ホース127の収納位置を検出するスイッチを設け、それぞれが収納位置にない場合を警報条件とすることにより、多数の機器について破損につながる操作漏れを簡易に防止することができる。
整地ロータ装置9は、植付け幅を整地する整地ロータ227を備えるとともに、その外側条部分を植付機構8と一体的に折畳み可能に構成し、苗タンク6を含む折畳み状態において、整地ロータ227の外側端位置Bが、機体の最外側となるように構成することにより、側壁等に機体が干渉した場合には、整地ロータ227が空転して接触による機体側の損傷を防ぐことができる。
また、整地ロータ227は、その要部拡大背面図を図12に示すように、延長ロータブラケット355の延長軸受352にロータ延長駆動軸270a1が軸支され、ロータ支持フレーム268の軸受部材273にロータ駆動軸270aが軸支され、ロータ支持フレーム268に固着のロータブラケット358の取付部材358aに延長ロータブラケット355が折畳み支点軸353で枢支されている。ロータ駆動軸270aに整地ロータ227aが分割して固定され、ロータ延長駆動軸270a1に第一外側整地ロータ227a1と第二外側整地ロータ227a2が固定されている。
この折畳み支点353折畳み支点軸353の位置をロータカップリング354より内側に配置するとともに、苗植付装置200が折畳み状態であることを条件に、折畳みを操作可能に構成する。ロータカップリング354は、伝達効率の観点および藁屑等の夾雑物の引っ掛かりを抑えるために、外径寸法をロータ外径とほぼ同じに構成する。
ロータブラケット358には前側から上側にかけてロータカバー359をボルト360で取り付け、延長ロータブラケット355には前側から上側にかけて延長ロータカバー356をボルト357で取り付けているが、延長ロータカバー356のボルト穴を長穴にすることで延長ロータカバー356の取付位置を調整可能にして、ロータカバー359の端面と延長ロータカバー356の端面が密着するようにしている。
なお、このロータカバー359と延長ロータカバー356の連結部を前側にすることで泥の抵抗でカバーの連結部が開くのを防ぐことが出来る。
施肥装置5は、肥料ホッパ125に貯留されている粒状の肥料を繰出部126、・・・によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホース127、・・・でフロート210の左右両側に取り付けた施肥ガイド128、・・・まで導き、施肥ガイド128、・・・の前側に設けた作溝体275、・・・によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。電動モータ129で駆動のブロア130で発生させたエアが、左右方向に長いエアーチャンバ131を経由して施肥ホース127、・・・に吹き込まれ、施肥ホース127、・・・内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
以下、図13〜図29に示す施肥装置5の各部の構成について説明する。
肥料ホッパ125は各条共用で、上部に開閉可能な蓋125aが取り付けられている。肥料ホッパ125の下部は施肥条数分に分岐して漏斗状になっており、その下部が繰出部126、・・・の上端に接続されている。肥料ホッパ125は、左右方向に長い施肥装置側フレーム120に支持された左右2箇所の回動アーム132に取り付けられていて、この回動アーム132の下端部を支点に後方に回動させて繰出部126、・・・すなわち施肥装置5から分離させられるようになっている。回動アーム132は外側から1条目の繰出部と2条目の繰出部との間に配置されている(左右対称位置に2つ設けられている)。肥料ホッパ125の下部を肥料繰出部126、・・・の上端に接続した通常位置では、係止具133により肥料ホッパ125を固定しておく。
図16〜図18に示すように繰出部126は、肥料ホッパ125内の肥料を下方に繰り出す2個の繰出ロール134A、134Bを内蔵している。これらの繰出ロール134A、134Bは、外周部に溝状の凹部135、・・・が形成された回転体で、左右方向に設けた共通の繰出軸136の角軸部136a(図示例は四角軸)にそれぞれ一体回転するように嵌合している。繰出ロール134A、134Bが図36の矢印方向に回転することにより、肥料ホッパ125から落下供給される肥料が凹部135に収容されて下方に繰り出される。両繰出ロール134A、134Bにより繰り出された肥料は、下端の吐出口126aから吐出される。
図示例の繰出ロール134A、134Bの凹部の数は6個であり、両者の凹部の位相を異ならせてある。このため、両繰出ロール134A、134Bの凹部が交互に肥料を繰り出すこととなり、吐出口126aから吐出される肥料の量が時間的に均等化されている。いずれかの繰出ロール134A又は134Bを繰出軸136から外して位相を適当に変更して付け直すことにより、両繰出ロール134A、134Bの凹部の位相を等しくすることもできる。これで、圃場に点状に肥料を散布する場合に適用可能となる。
また、繰出部126の内部には、凹部135が下方に移動する側(前側)の繰出ロール134の外周面に摺接するブラシ137が着脱自在に設けられている。このブラシ137によって繰出ロール134A、134Bの凹部135に肥料が摺り切り状態で収容され、繰出ロール134A、134Bによる肥料繰出量が一定に保たれる。
また肥料詰まり時の繰出ロール134とカプセル摩耗防止板143の下部接触部分を図37(b)に示す現行の装置の繰出部126の構成と比較して図17(a)に示すように鈍角状に接触する構成すると、繰出伝動ギヤ166a、166b(図29)の破損が防止できる。
さらに、ブラシ137の上側には、繰出ロール134A、134Bの上方に突出して肥料ホッパ125から繰出部126に肥料が落下供給されないようにする繰出停止シャッタ177A、177B(図18)が設けられている。繰出停止シャッタ177A、177Bは、繰出部ケース139のスライド支持部140(図16)にスライド自在に支持されていて、ケース外の前端部に形成された把手177aをつかんでスライドさせるようになっている。
繰出部126の吐出口126aには、前後方向に連通する接続管141(図13)が接続されている。そして、この接続管141の後端部に施肥ホース127(図15)が接続されている。施肥ホース127の外周螺旋溝に施肥装置側フレーム120の下端部が係合しているので、施肥ホース127が接続管141から抜けにくい。一方、各条の接続管141の前端部はエアーチャンバ131(図14、図15)の背面部に挿入連結されている。エアーチャンバ131の左端部はエア切換管142を介してブロア130(図13、図14)に接続されており、該ブロア130からのエアがエアーチャンバ131を経由し接続管141から施肥ホース127に吹き込まれるようになっている。
なお、ブロア130は、図14に仮想線で示すように、そのエア吐出口130aをエア切換管142から外して機体内方に回動収納できる構成としている。
エアーチャンバ131は、接続管141が取り付けられたゴム管173aと、中間部分の樹脂管131bとを交互に繋ぎ合わせて構成されている。この構成とすると、エアーチャンバ131を簡単に分解、組み立てできるので、繰出部126を一体的に取り外してのメンテナンスが容易である。ゴム管173aの長さを一対の繰出部の間隔よりも長くしておくと、樹脂管131bからゴム管173aを抜きやすい。
エアーチャンバ170の下側で、施肥装置側フレーム120にU字状のホース保持具196を左右にそれぞれ三箇所設けて、左右外側に条分の施肥ホース127を接続管141から取り外して外側からホース保持具196に差し込んで、運搬作業時に施肥ホース127が機体から張り出さないようにしている。取り外した施肥ホース127の端部に図14に示す如く端部保持ケース197を取り付けてボース内に水や泥が入り込まないようにする。
なお、ホース保持具196は、図15に示す如く、肥料ホッパ125の前側面に取り付けて、取り外した施肥ホース127を肥料ホッパ125の上側を通して保持することも出来る。
また、繰出部ケース139の背面部には、肥料ホッパ内の肥料を取り出すための肥料排出口144(図16)が形成されている。この肥料排出口144には、上端側を支点にして開閉自在な排出シャッタ145が取り付けられている。各繰出部の肥料排出口144は、繰出部126の後方に設けた左右方向に長い肥料回収管146に接続されている。肥料回収管146の左端部は、前記エア切換管142を介してブロア130に接続されている。
エア切換管142は、図51に示す如く、ブロア130に取り付けるブロア側取付口284とエアーチャンバ131側に取り付ける繰出側取付口285と肥料回収管146側に取り付ける排出側取付口286を形成した三股状の管であって、内部にエア切換シャッタ147を設けて、ブロア130の風をエアーチャンバ131に送ったり、肥料回収管146に送ったりする。さらに、ブロア側取付口284と繰出側取付口285と排出側取付口286に直行する上側に掃除用ダクトに繋ぐ掃除口287を形成し、内部に開閉蓋288を排出レバー290の支軸289に固着し、掃除口287を開くとブロア130の風が掃除口287から掃除用ダクトへ排出されて、肥料詰りの除去を行ったり作業終了後の内部乾燥を行えるようにしている。なお、排出レバー290は引張ばね291で掃除口287を塞ぐように付勢している。
なお、先端を細く絞った排気ホースを掃除口287に繋いで、ブロア130の風を排気ホースから強く噴出させて機体各部の空気洗浄に使えるようにすることも可能である。この排気ホースは、使用しない時はブロア130に巻きつけておく。
エア切換シャッタ147はエアーチャンバ131と肥料回収管146の間の前後中央部にあるので、両者へのエア供給が安定している。肥料回収管146の右端部は肥料回収口148になっている。
図20は上記各シャッタ145、・・・、147の開閉機構を示す図である。肥料回収口148の近傍に肥料回収レバー151が回動自在に設けられている。この肥料回収レバー151の回動支点軸151aと同軸上に、繰出部126の前側に配置された左右方向に長いシャッタ開閉伝達軸152(図13,図14)が設けられている。シャッタ開閉伝達軸152には扇形プレート153が取り付けられており、この扇形プレート153に形成された円弧状の長穴153aに、肥料回収レバー151に固着されたピン151bが遊嵌している。シャッタ開閉伝達軸152には各繰出部ごとに開閉ギヤ154が取り付けられ、該ギヤ154が排出シャッタ145の回動軸145aに取り付けた半円形ギヤ155と噛み合っている。
なお、半円形ギヤ155の端部には当該ギヤ155の歯よりも径の大きいストッパ部155aが形成されているので、両ギヤ154、155の噛み合いが外れることはない。また、肥料回収レバー151には、エア切換ワイヤ156の一端が繋がれている。エア切換ワイヤ156の他端は、エア切換シャッタ147の回動軸147aに取り付けたアーム157に付勢手段である引張りスプリング158を介して繋がれている。
肥料回収レバー151を回動操作すると、エア切換ワイヤ156が引かれてエア切換シャッタ147を切り替え、ブロア130から引き出されるエアが肥料回収管146に供給されるようになる。肥料回収レバー151の回動操作量が少ないうちは、ピン151bが長穴153aの中を移動するだけにすぎないので、シャッタ開閉伝達軸152は回動しない。しかしながら、肥料回収レバー151を一定量以上回動操作すると、ピン151bが扇形プレート153に係合し、シャッタ開閉伝達軸152が回動する。これにより、排出シャッタ145、・・・が開き、肥料ホッパ125内の肥料が肥料回収管146に排出される。つまり、1本のレバー151の操作だけでエア切換シャッタ147及び排出シャッタ145、・・・を操作することができる。しかも、必然的に、始めにエアが肥料回収管146に供給され、その後で肥料が肥料回収管146に排出されるのである。このため、肥料回収管146での肥料の搬送が円滑に行われ、肥料回収管146での肥料詰まりが生じない。また、肥料回収レバー151が肥料回収口148の近傍に設けられているので、肥料回収容器等を肥料回収口148の下側に容易に確保でき、さらに肥料回収の状況を確認しながら作業を行えて好都合である。
肥料回収レバー151はレバーガイド159に沿って回動操作するようになっている。このレバーガイド159にはガイド穴159a、159bが形成されており、肥料回収レバー151の撓みを利用して肥料回収レバー151の係合部(図示せず)をガイド穴159a、159bに係合させることにより、肥料回収レバー151をエア切換シャッタ147だけが切り替えられる位置P1(図20)と、エア切換シャッタ147及び排出シャッタ145、・・・の両方が切り替えられる位置P2とに固定することができるようになっている。肥料回収レバー151を上記以外の位置にも停止させられるようにし、排出シャッタ145の開度を無段階又は段階的に調節できるようにしてもよい。
従って、肥料回収時にはブロア130より気流搬送される肥料は肥料回収管146を流れ、回収口148からスムーズに肥料が排出される。
なお、エア切換シャッタ147は上下方向を向く回動軸147aを中心に回動するので、エア切換シャッタ147の開閉操作時の抵抗が変動しない。また、肥料回収時には引張りスプリング158の張力に抗して強制的にエア切換シャッタ147を切り替えるようにしているので、肥料回収時におけるエア切換シャッタ147の気密性が良好である。
図14に示す開閉ギヤ154と半円形ギヤ155との噛み合いに予め融通性を持たせておくと、各条のギヤの組み付けに多少の誤差があっても、各条の排出シャッタ145の動作タイミングに狂いが出ず、確実に排出シャッタ145が閉じるようにすることができる。
一方、肥料回収レバー151を図20に示す施肥作業位置にすると「ON」になるスイッチを設けると共に、各畦クラッチレバー167(1・2)、167(3・4)、167(5・6)(図34)をクラッチ入り位置にすると「ON」になるスイッチを各々設けて、これらスイッチの検出により、肥料回収レバー151が肥料排出位置(肥料回収レバー151が施肥作業位置でない時)で全ての畦クラッチレバー167(1・2)〜167(5・6)がクラッチ入りの時(施肥作業時)に、肥料回収レバー151が施肥作業位置でないことを警報するハンドル115下方のモニター部に設けたランプを点灯するか若しくはブザーを鳴らすように制御装置で制御している。
これは、肥料回収レバー151を図40のP2位置にして肥料回収作業をした後、肥料回収レバー151をP2位置にしたまま、メインスイッチを切って作業を中断し、後に(後日)、施肥・植付け作業を行なう時に肥料回収レバー151をP2位置にしたまま施肥・植付け作業をすると施肥作業が行なえないまま植付け作業をしてしまう不具合を防止するためで、肥料回収レバー151をP2位置にしたままでメインスイッチを入れるとランプが点灯するか若しくはブザーが鳴って作業者に肥料回収レバー151が施肥作業位置になっていないことを知らせ、即座に作業者は肥料回収レバー151を施肥作業位置に操作して前記のような不具合を未然に防止でき作業性が良い。
繰出部ケース139は、側面視で前下がりに傾斜した分割面FーF(図15)で、下側の固定部分139aと上側の離脱部分139bとに分割されている。繰出ロール174A、174B及び排出シャッタ145(肥料排出口144)は固定部分139aに設けられている。一方、ブラシ137及び繰出停止シャッタ177は離脱部分139bに設けられている。肥料ホッパ125が接続される上部開口部及び吐出口126aは分割されていないので、両者の気密性が良好に保たれる。
肥料ホッパ125を最も後方に回動させると、側面視で前記離脱部分139bを離脱させる方向に投影した区域外に肥料ホッパ125が位置するようになっている。このため、離脱部分139bを無理なく離脱させられる。また、分割面FーF(図15)の延長先はエアーチャンバ131の上端よりも下側に位置するとともに、側面視で離脱部分139bを離脱させる方向に投影した区域外にエアーチャンバ131が位置している。このため、離脱部分139bを取り外した状態で、走行車体2上から繰出ロール174A、174Bのメンテナンスを行いやすい。
図15(a)に示すように、繰出部126はエアーチャンバ131と一体的にリンクベースフレーム117に回動軸143aを中心にして回動可能に取り付けられている。リンクベースフレーム117には固定プレート118が接続され、該固定プレート118に繰出量調節ロッド支持プレート124が接続されており、該該繰出量調節ロッド支持プレート124は機体側フレーム119に固着している。
機体側フレーム119とエアーチャンバ131を支持する施肥装置側フレーム120はパッチン錠120aで係脱自在に係止されている。繰出量調節ロッド支持プレート124は繰出部126の内部を通って繰出量調節ロッド251の先端部を支持する構成であり、該繰出量調節ロッド251の他方の先端部には繰出量調節ハンドル253が設けられ、後述するように、繰出量調節ハンドル253を回すことで粉粒体の繰出量を調整できる。
また、施肥装置側フレーム120と繰出部126の側面とは一体化したホッパ124と繰出部126を傾動位置ロック用プレート121で接続している。傾動位置ロック用プレート121の一端は施肥装置側フレーム120に固定され、他端は繰出部126の側面に固定されている。
また、図15(b)に示すように、繰出量調節ロッド支持プレート121には縦長の長孔121aが設けられ、該長孔121aの上端側は水平方向に向きを変えた孔121bが接続している。前記長孔121aには施肥装置側フレーム120に固定されたピン120dが挿入されているので、一体化した繰出部126とホッパ124を傾動させるとピン120dが長孔121a内を動き、その上端部で繰出部126とホッパ124の傾動が停止する。前記長孔121aに続く孔121bにピン120dが移動すると、繰出部126とホッパ124が回動支点121cを中心に機体に対して水平方向に揺動可能となる。
上記構成によりホッパ124と繰出部126からなる施肥装置5のほぼ全体を傾斜することができるのでホッパ124と繰出部126に残っている粉粒体が施肥ホース127側に排出され、従来のように施肥装置5内に肥料などの粉粒体が残留することが無く、また粉粒体を速やかに施肥ホース127側に排出させることができる。また空になったホッパと繰出部の内部の点検が容易に行える。
図19には一体化したホッパ124と繰出部126からなる施肥装置5の傾動回転軸部分の拡大側面図を示す。回動軸143aは機体側フレーム119に取り付けられ、回動軸143aが設けられた施肥装置側フレーム120の基部には傾動位置ストッパ120b,120cが設けられている。回動軸143aを中心に施肥装置5が傾動する際に、前記ストッパ120b,120cがそれぞれ固定プレート118と機体側フレーム119に当接してそれ以上施肥装置5が傾動しないようにすることができる。
また、上記実施例の施肥装置5の傾動機構の別実施例の簡略側面図を図21に示す。
ホッパ124と繰出部126からなる施肥装置5を後方に傾斜させると、ロート部149と施肥ホース127は機体側フレーム119に残る構成にしても良い。
この構成では、ロート部149に肥料等の粉粒体が詰まった時に掃除をし易く、従ってメンテナンス性が良い。また、施肥ホース127に送給するエアーチャンバ131をオペレータの通路であるフェンダ116の水平面116b(図23、図24参照)の下方に設けることができ、ステップ面積が広くなる。
また、回動する繰出部126のロート部149との接合部は凹形状として凸形状のロート部149を包み込むことができる構成とし、さらに前記ロート部149の側または繰出部126の側の前記接合部にシール部材150を配置すると、繰出部126の外部から雨だれや泥水が入り込まない。
また、図22の施肥装置部分の側面図に示すように前記施肥装置5の傾動機構において、繰出部126を分割しておき、繰出量調節ロッド251と該繰出量調節ロッド251の先端部に設けた繰出量調節ハンドル253を傾動不能にしておき、主にホッパ124からなる施肥装置5だけを傾動可能にする構成を採用しても良い。傾動機構の回動軸は図15に示す回動軸143aでなく、図16に示す繰出伝動入力軸160を用いると、構成を比較的簡略にすることができ、また傾動機構を十分強度のある繰出伝動入力軸160と同軸構成とすることで強度も十分得られる。また、この構成でも施肥装置5の右側後方にボールジョイント軸受け等を設け、施肥装置5を右側に傾動可能にしても良い。
上記繰出量調節ロッド251と該繰出量調節ロッド251の先端部に設けた繰出量調節ハンドル253を傾動不能にすることで、これらの粉粒体繰出装置を固定した部位に保持できるので、粉粒体の繰出量を安定させることができる。
また、図23には施肥装置5のエアーチャンバ131のガード機構を説明する施肥装置部分の側面図を示し、図24には施肥装置部分の平面図を示す。エアーチャンバ131は比較的柔らかい素材から出来ているため、踏みつけるとエアーチャンバ131としての機能を奏し得ないだけでなく、エアーチャンバ131からのエア漏れがあると施肥ホース127内で肥料詰まりが発生するおそれがある。図44に示すように施肥機の座席114の後方にはフェンダ116の水平面であるリヤステップ116aの左右に補助ステップ161を構成している。該補助ステップ161からリヤステップ116aに向けてオペレータが歩くことがあるが、エアーチャンバ131はリヤステップ116aの上方にあり、前記水平面が通路であるためにエアーチャンバ131を踏みつけ易い。
そこで本実施例では図23と図24に示すようにエアーチャンバ131を踏みつけないようチャンバーガード162をエアーチャンバ131の上方に設ける。チャンバーガード162はホッパ124の基部に固着されたアーム141の先端部に設けられる機体の左右方向に伸びたガード部材である。
通路部分のエアーチャンバ131をチャンバーガード162で覆うことによって、足でエアーチャンバ131を踏んでエア漏れを起こすことがなく、施肥ホース127での肥料詰まりを防止できる。
また、畦クラッチレバー167を座席114の側面に設けるが、畦クラッチレバー167を「入」位置だけでなく「切」位置にしてもエアーチャンバ131と干渉しないような位置に設けることで、畦クラッチレバー167とエアーチャンバ131が無駄のない配置となる。
また、図25の施肥装置部分の要部側面図に示すように、エアーチャンバ131の上部を開閉可能なチャンバーカバー181で覆うことで、エアーチャンバ131の保護を図ることができる。また、チャンバーカバー181を上方に開放することによってエアーチャンバ131のメンテナンスを容易に行うことができる。
次に、施肥伝動機構113について主に図26〜図28により説明する。なお、施肥伝動機構113は、左から数えて第4条と第5条の肥料繰出部126の間に配置されている。
前記植付クラッチケース112の後面から突出するクランクアーム236(図26)が出力回転し、該クランクアーム236に連結した上下方向に延びる駆動側揺動ロッド171の上下方向の往復動作が上側のカウンタアーム172に伝動される。なお、カウンタアーム172は、側面視でくの字形状になっており、前記駆動側揺動ロッド171と後記する従動側揺動ロッド174とが連結されている。そして、カウンタアーム172の往復揺動による従動側揺動ロッド174の前後方向の往復動作がカウンタアーム172の後側の繰出入力アーム174に伝動され、この繰出入力アーム174の前後方向の往復作動が左側の一方向クラッチ175Lへ伝動される。
なお、一方向クラッチ175L,136Rは、左右に2個設けられており、左右方向の同一の一方向クラッチ軸176回りに回動する構成となっており、外環部177L,177Rと前記一方向クラッチ軸176との間に複数の伝動用ローラ178を備えたローラクラッチであり、外環部177L,177Rの回動を一方向クラッチ軸176に伝達するようになっている。従って、左側の一方向クラッチ175Lは、外環部177Lが繰出入力アーム174と一体に設けられ、繰出入力アーム174の前後方向の往復作動における一方向となる外環部177Lの回動を一方向クラッチ軸176に伝達するようになっている。
なお、左右の一方向クラッチ175L,136Rは、それぞれの外環部177L,177Rの同じ方向の回動で一方向クラッチ軸176に伝達するようになっている。
左側の一方向クラッチ175Lの外環部177Lの上側には該外環部177Lと一体の第一アーム179を設け、この第一アーム179と前側にある第二アーム270とを第一リンク181により連結している。第二アーム270は、左右方向の中継軸182と一体回転する構成となっており、該中継軸182の下側で前記第一リンク181を連結するべく中継軸182から下側に延びている。第二アーム270の右側には前記中継軸182と一体回転する第三アーム183を中継軸182から上側に延設しており、この第三アーム183は第二アーム270と一体回転する。第三アーム183の中継軸182より上側の位置には第二リンク184を連結しており、この第二リンク184の他端側には第四アーム185を連結している。この第四アーム185は、右側の一方向クラッチ175Rの外環部177Rの上側に該外環部177Rと一体に設けられている。
従って、左側の一方向クラッチ175Lの外環部177Lの往復回動により第一アーム179が前後方向に往復回動し、第一リンク181を介して第二アーム270へ伝達され、該第二アーム270が第一アーム179と同期して同じ側に前後方向に往復回動する。
第三アーム183は、中継軸182に対して第二アーム270とは上下反対側(上側)に延びているので、その第二リンク184との連結位置では第二アーム270の往復回動と同期して第二アーム270の第一リンク181の連結位置における前後方向の往復動とは前後反対側に往復揺動することになる。そして、第三アーム183の往復動が第二リンク184を介して第四アーム185へ伝達され、第四アーム185が第三アーム183と同期して同じ側に前後方向に往復回動するので、右側の一方向クラッチ175Rの外環部177Rは、左側の一方向クラッチ175Lの外環部177Lの往復回動と同期して反対側に回動する。従って、前記第一アーム179乃至第四アーム185、第一リンク181及び第二リンク184により、逆転伝達機構を構成している。
従って、前記逆転伝達機構により左右の一方向クラッチ175L,136Rの外環部177L,177Rが互いに反対側に回動するため、繰出入力アーム174の往復作動において左右の一方向クラッチ175L,136Rの何れか一方が一方向クラッチ軸176を同じ一方向(正転方向)に回転させることとなり、常時、連続的に一方向クラッチ軸176を駆動することができる。
左右の一方向クラッチ175L,136Rの間には一方向クラッチ軸176とキー186aにより一体回転する駆動ギヤ186を設け、この駆動ギヤ186が後述する繰出駆動軸163と一体回転する従動ギヤ187に噛み合う。従って、一方向クラッチ軸176の連続回転が繰出駆動軸163へ伝動される。なお、駆動ギヤ186の歯数は、従動ギヤ187の歯数より多く、従動ギヤ187の歯数の約2倍となっている。
従って、駆動ギヤ186及び従動ギヤ187により、回転速度を増速して伝動する増速伝動部を構成している。なお、左右の一方向クラッチ175L,136Rのそれぞれの外環部177L,177Rの外周には、一方向クラッチ175L,136Rの伝動用ローラ178部分へ肥料や塵等の異物が混入しないように駆動ギヤ186の基部内径部との隙間を塞ぐシール材188を設けている。なお、左右の一方向クラッチ175L,136Rの伝動用ローラ178の駆動ギヤ186とは反対側にも、外環部177L,177Rの内面と一方向クラッチ軸176の外面とに接触するように外側シール材188aを設けている。
以上のように、左右の一方向クラッチ175L,136Rの間に駆動ギヤ186を設けているので、左右何れの一方向クラッチ175L,136Rが伝動状態であっても伝動する一方向クラッチ175L,136Rと駆動ギヤ186並びにキー186aとが近いため、左右一対の一方向クラッチ175L,136Rの左右一方側に駆動ギヤ186を配置した場合と比較して、一方向クラッチ175L,136Rにより伝動される動力を駆動ギヤ186へ適正な速度で精度良く伝動することができ、肥料繰出部126の肥料の繰出量を適正に安定させることができる。
また、一方向クラッチ175L,136Rの外環部177L,177Rと駆動ギヤ186の基部内径部との隙間を塞ぐシール材188が一方向クラッチ軸176の方向において前記外環部177L,177Rと重複する構成となるので、一方向クラッチ175L,136Rの伝動用ローラ178と駆動ギヤ186との左右方向(一方向クラッチ軸176方向)の位置を近づけることができ、一方向クラッチ175L,136Rにより伝動される動力を駆動ギヤ186へ適正な速度でより精度良く伝動することができる。
従来の一般的な一方向クラッチを使用すると、この一方向クラッチは、図28に示す外側シール材188aのように、伝動用ローラの外側(一方向クラッチ軸方向の外側)にシール材を設けているので、そのシール材の一方向クラッチ軸方向の厚み分駆動ギヤ並びにキーと伝動用ローラとの間隔を設けなければならず、駆動ギヤ186の回転作動速度が一方向クラッチ軸の支持部における緩みのがたの影響を受けやすくなって不適正になったり不安定になったりすることが考えられる。
逆転伝達機構の左右には、該逆転伝達機構を支持する逆転用支持部材189L,189Rをそれぞれ設けている。この逆転用支持部材189L,189Rは、鋳物により構成され、施肥装置5の基部フレーム190に締付ボルト191にて固定されており、一方向クラッチ軸176、繰出駆動軸163及び逆転伝達機構の中継軸182を軸受するボールベアリング192、193、194をそれぞれ備えている。
なお、繰出駆動軸163は、逆転用支持部材189L,189Rを貫通して左右に長く設けられている。従って、前記一方向クラッチ軸176、繰出駆動軸163及び中継軸182は、左右の逆転用支持部材189L,189Rにより左右で軸受され、一方向クラッチ137、逆転伝達機構及び駆動ギヤ186並びに従動ギヤ187等の施肥伝動機構113の伝動部の左右で両持支持されているので、支持剛性が向上し、繰出伝動が適正に精度良く行われる。
特に、図27及び図28に示すように、第二アーム270は左側の逆転用支持部材150Lに近づけて配置され、第三アーム183は右側の逆転用支持部材150Rに近づけて配置されているので、中継軸182におけるこれらのアーム141,144から受ける作動荷重を左右それぞれのボールベアリング155がしっかりと受け、前記アーム141,144の伝達精度の向上を図ることができる。
左側の逆転用支持部材150Lの左側には、繰出量調節機構195を設けている。この繰出量調節機構195は、前部に繰出量調節ねじ部分252aを備える繰出量調節軸252と該軸158の後部に取り付けた繰出量調節ハンドル253とを備えている。繰出量調節軸252の中途部には該軸158が回動できるように外嵌された軸支持部材254を設けており、この軸支持部材254に固着した左右方向の軸支持支点軸254aを左側の逆転用支持部材150Lに挿入した構成となっている。
従って、繰出量調節機構195は、前記軸支持支点軸254a回りに回動可能に設けられている。なお、軸支持支点軸254aは、繰出量調節軸252の右側で左側の逆転用支持部材150Lに支持されると共に、左側で格別に設けた調節軸支持フレーム255に支持されている。従って、繰出量調節機構195は、軸支持支点軸254a部分において繰出量調節軸252の左右で両持支持された構成となっている。
カウンタアーム172の回動軸256を支持するカウンタ支持部材257の上部には、雌ねじ部分258aを備える主要部が側面視六角形の位置調節体258を左右方向の軸回りに回動可能に設けている。なお、カウンタ支持部材257の後端部には左右方向の同一直線上に軸心が位置するカウンタ支点軸259を左右それぞれ設け、カウンタ支持部材257は、このカウンタ支点軸259回りに基部フレーム190に対して回動可能に設けられている。
なお、基部フレーム190にはカウンタ支点軸259を装着する孔260を複数個(4個)前後に配列しており、型式、仕様等により施肥装置5のスペースが制限されるようなときにはカウンタ支点軸259の前後位置を変更して対応し、カウンタ支持部材257及び基部フレーム190等の部品の共用化を図っている。カウンタ支点軸259部分は基部フレーム190とは別の補強部材167により機体に支持されており、カウンタ支点軸259の位置が変わってもカウンタ支点軸259部分に補強部材167を取り付けて剛性を保ち、カウンタ支点軸259の位置が変化しにくいようにしている。前記位置調節体258の雌ねじ部分258aに繰出量調節軸252の前部の繰出量調節ねじ部分252aが螺合しており、繰出量調節軸252の回動により位置調節体258が前後に移動してカウンタ支持部材257がカウンタ支点軸259回りに回動し、カウンタアーム172の回動軸256を前上方あるいは後下方に移動させる構成となっている。
従って、カウンタアーム172の回動軸256を移動させることにより、カウンタアーム172の姿勢が変化し、例えば前記回動軸256を前上方へ移動させると、駆動側揺動ロッド171及び従動側揺動ロッド174が共にカウンタアーム172と直角に近い状態で交差するように姿勢が変更されるので、駆動側揺動ロッド171で作動するカウンタアーム172及び従動側揺動ロッド174で作動する繰出入力アーム174の揺動ストローク(揺動角)がそれぞれ大きくなり、一方向クラッチ軸176ひいては繰出駆動軸163の回転速度が大きくなって、肥料繰出部126による繰出量が多くなる。
一方、前記回動軸256を後下方へ移動させると、駆動側揺動ロッド171及び従動側揺動ロッド174が共にカウンタアーム172と直角からかけ離れた状態で交差するように姿勢が変更されるので、駆動側揺動ロッド171で作動するカウンタアーム172及び従動側揺動ロッド174で作動する繰出入力アーム174の揺動ストローク(揺動角)がそれぞれ小さくなり、一方向クラッチ軸176ひいては繰出駆動軸163の回転速度が小さくなって、肥料繰出部126による繰出量が多くなる。従って、繰出量調節ハンドル253を操作して繰出量調節軸252を回動させることにより、施肥装置5の肥料の繰出量を連続的に変更して調節できるようになっている。
カウンタ支持部材257は、左右のプレート部257aと該左右のプレート部257aを繋ぐ前部プレート部257bとにより平面視コの字状に構成され、前記左右のプレート部257aに位置調節体258、カウンタアーム172の回動軸256及びカウンタ支点軸259を軸受するボールベアリング262,263,264をそれぞれ設けている。従って、位置調節体258及びカウンタアーム172の回動軸256は左右のボールベアリング262,263により両持支持され、左右のカウンタ支点軸259は左右に配置したそれぞれのボールベアリング264により左右別個に支持されている。よって、繰出量調節軸252の繰出量調節ねじ部分252aと位置調節体258の雌ねじ部分258aとの螺合部は螺合しているためにガタが生じやすく、カウンタ支持部材257の回動位置が不安定になる要因となりやすいが、この螺合部の左右にボールベアリング262を設けて位置調節体258を両持支持しているので、カウンタ支持部材257の回動位置の安定を図ることができ、繰出量調節の適正化及び施肥装置5の肥料の繰出量の安定化を図ることができる。
図28に示すように、繰出量調節軸252の軸支持部材254より前側の部分には繰出量表示用ねじ部分265を設けると共に、該ねじ部分265に螺合する雌ねじ部分258aを備える繰出量表示具281を設けている。なお、繰出量表示具281は、繰出量表示用ねじ部分265を覆うカバー280の右側部に設けた長孔部283に係合し、この長孔部283から一部がカバー280の右側に突出するように設けられ、前記カバー280に対して回動しないように支持されると共に前記長孔部283に案内されて繰出量調節軸252方向に移動可能に支持され、繰出量調節軸252の回動に伴って該軸158方向に移動する構成となっている。前記カバー280の長孔部283の縁にはこの長孔方向に目盛177をつけていると共に、繰出量表示具281にはマーク269をつけており、該マーク269が指し示す目盛177を読みながら作業者が肥料の繰出量を認識したり調節したりするようになっている。
繰出量調節軸252は側面視で前上がり姿勢に傾斜して設けられ、繰出量調節軸252の前端部に設けた繰出量調節ハンドル253を肥料繰出部126より前側に配置している。従って、作業者は、肥料繰出部126が邪魔にならずに座席114に座ったまま、走行車体2側から繰出量調節ハンドル253を容易に操作することができる。
また、図29に示すように、繰出駆動軸163に伝達された施肥動力は、2条ごとに1組設けられた施肥畦クラッチ164,・・・を介して、繰出駆動軸163に回転自在に外嵌する筒軸165,・・・に伝達される。そして、一対の繰出伝動ギヤ166a,166bを介して、各筒軸165から各条の繰出軸140へ伝動される。駆動側の繰出伝動ギヤ166aは筒軸165に摺動自在に嵌合しており、該ギヤ166aをずらして一対の繰出伝動ギヤ166a,166bの噛み合いを解除することができる。つまり、各条ごとに施肥作動を入り・切りする単条クラッチ166として構成されているのである。
図14を参照すると、左から数えて第1条と第2条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ164(1・2)及び第3条と第4条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ164(3・4)は、第2条の肥料繰出部126と第3条の肥料繰出部126との間隔部にそれぞれ設けられている。第5条と第6条の施肥作動を入・切する施肥畦クラッチ164(5・6)は、第6条の肥料繰出部126の右側すなわち施肥装置5の右端に設けられている。これらの施肥畦クラッチ164を操作する畦クラッチレバー167(1・2),167(3・4),167(5・6)は、図14に示すように先端を前方に突出させて上下に回動操作するように設けられている。左右の後輪17,17は平面視で第1条の肥料繰出部126と第2条の肥料繰出部126との間隔部及び第5条の肥料繰出部126と第6条の肥料繰出部126との間隔部にそれぞれ位置しており、後輪17,17と畦クラッチレバー167,・・・とが同じ肥料繰出部間にないように配置されている。
また、図14に示すように、左から1条目の施肥作動を入・切する単条クラッチ166(1)及び左から2条目の施肥作動を入・切する単条クラッチ166(2)は、1条目と2条目の間隔部にそれぞれ設けられている。同様に、単条クラッチ166(3)及び単条クラッチ166(4)は3条目と4条目の間隔部に設けられ、単条クラッチ166(5)及び単条クラッチ166(6)は5条目と6条目の間隔部に設けられている。これらの単条クラッチ166,・・・は切換つまみ168で操作する。
施肥作業時には、繰出ロール134A、134Bを正転(図16の矢印方向)させ、肥料貯留タンク125の肥料を繰出口126aから下方に繰り出す。繰出口126aから繰り出された肥料は、管状部126b及び施肥ホース127内をブロア130から吹き出される圧力風によって運ばれ、施肥ホース127の先端吐出口から施肥ガイド128に吐出され圃場に供給される。なお、繰出量調節機構195により、繰出駆動軸163の回転速度を変更して肥料吐出量を無段階に調節できる。
肥料回収時には、肥料貯留タンク124の肥料を肥料排出口144から排出する。排出された肥料は、肥料回収管146及び回収シュート148内をブロア130から吹き出される圧力風によって運ばれ、回収シュート先端の回収口から吐出されて回収容器等に回収される。
また、各畦クラッチレバー167,・・・には、施肥畦クラッチ164,・・・の入・切に連係して植付畦クラッチ,・・・を入・切するためのケーブル120,・・・が繋がれている。畦クラッチレバー167,・・・は後輪のない粉粒体繰出部間に設けられているので、ケーブル120,・・・を施肥ホース127,・・・及び後輪11,11と干渉することなく配索することが可能になっている。
また、繰出量調節ハンドル253の代わりに繰出量調節ハンドル253と同じ配置で設けられた電動モータで繰出伝動軸163を駆動する場合には、繰出伝動軸163の回転センサ271(1)〜184(3)によりそれぞれ第1条と第2条の施肥作動の入・切を行う施肥畦クラッチ164(1・2)及び第3条と第4条の施肥作動の入・切を行う施肥畦クラッチ164(3・4)および第5条と第6条の施肥作動の入・切を行う施肥畦クラッチ164(5・6)の回転数を検出し、図示しない制御装置で繰出伝動軸163の回転を制御する。その結果、各畦クラッチレバー167の操作によって各繰出ロール134A、134Bの回転数に差が生じても繰出伝動軸163の回転数の検出により、精度の高い施肥量設定が可能となる。また、肥料の使用量をモニター表示できる構成としても良い。
従来は施肥量の検出を繰出伝動軸163の回転センサ271(1)〜184(3)の測定値から換算し、その平均値を求めていた。しかし回転センサ271(1)〜184(3)の一つの施肥畦クラッチ164がオフになると前記平均値が異なるが、モニター部272aには全施肥クラッチ164が作動しているものとして単位面積当たりの施肥量を表示していた。そのため、正しい施肥量が表示されないという不具合があった。
しかし本実施例では回転センサ271(1)〜184(3)を繰出伝動軸163に設け、一つの施肥畦クラッチ164でもオフになると前記施肥量はゼロ値を測定する回転センサ271の数を減らして、その平均値を単位面積当たりの施肥量として表示する。そのため、作動中の施肥畦クラッチ164部分での精度の高い施肥量の制御ができる。
なお、肥料ホッパ125にコーティング籾を貯留して直播種機として使用する場合があるが、その際には、図15に示す如く、肥料ホッパ125の内部の上下中間位置にスノコ状の緩衝籾受け198を引っ掛けて設けると、籾の重量によってコーティング剤が剥がれるのを防止出来る。
苗載部80は、前側が上位となるよう傾斜して設けられており、仕切壁81,・・・によって苗植付条ごとの左側から1番目の苗載部80−1〜10番目の苗載部80−10に区分されている。苗載部80は苗載面の裏面側で左右動自在に支持されている。その支持構造は、苗載面の裏面側下部に左右方向に設けた横枠82に係合摺接部材84,・・・を固着し(図37に図示)、該係合摺接部材84をユニット伝動部62,・・・の上に設けた左右に長い苗受板7に左右に摺動自在に係合させていると共に、ユニット伝動部62−2,62−4に基部が支持された苗載部支持フレーム85に取り付けたローラ86,・・・を苗載面の裏面上部に固着した左右方向の断面コ字状の上部レール87に係合させている。前記横移動棒74の両端部に取り付けた連結部材74a,74aが横枠82に固着の取付部材88,88に連結させてあり(図41に図示)、横移動棒74が左右往復動することにより苗載部80も苗受板7に沿って左右往復動する。なお、各苗載面の上端部には、延長苗載せ部89,・・・が苗載両側へ回動可能に取り付けられている。
前記苗受板7は、図37に示すごとく、係合摺接部材84,・・・が係合する断面長方形の基台部7aと、苗載部上の苗の下端面を受け止める断面L字状の本体部7bとを一体成形したものであり、各苗載部80に対応させて10箇所にコ字状に切り欠かれた苗取口90,・・・が形成されている。苗載部80が左右往復動することにより、各苗載部80の下端部に位置する苗がこの苗取口90,・・・に順次供給される。苗植付装置200の後記株挿具202が苗取口90を通過し、苗を一株分に分割して取り出す。また、図38に示すごとく、苗取口90の緑部左右側にゴム製の苗取ガイド91,91が取り付けられていると共に、苗取口90の緑部前側に株挿具202の先端軌跡に沿う形状に形成された金属線材製の背面ガイド92が取り付けられている。
苗受板7の支持部の構造は下記のようになっている(図37参照)。すなわち、ユニット伝動部62,・・・に固着のブラケット94,・・・に苗受板上下動ガイドプレート95,・・・を取り付け、該ガイドプレート95に対し上下に摺動自在に苗受板取付部材96,・・・を設け、さらに該取付部材96,・・・に苗受板7を取り付けている。また、ブラケット94,・・・には左右方向の苗取り量調節軸97が回転自在に嵌合しており、該苗取り量調節軸97に固着した苗受板上下動アーム98,・・・の先端部が苗受板取付部材96,・・・にピン99にて連結されている。図示を省略した苗取り量調節レバーを用いて苗取り量調節軸97を回転させると、苗受板取付部材96,・・・と苗受板7が苗載部80と平行に上下移動し、それにより株挿具202による苗取り量が調節される。
各苗載部80−1〜80−10の裏面側下部には、苗載部の下端部に位置する横1列分の苗が全て移植されると苗を下方に移送するベルト式の苗縦送り装置101,・・・がそれぞれ設けられている。この苗縦送り装置101は、図37及び図38に示すように外周部に小突起が形成された無端の苗送りベルト102を駆動ローラ103と従動ローラ104に張架し、引張スプリング105によって従動ローラ104の回転軸104aを苗送りベルト102が張る方向に引っ張っている。駆動ローラ103が取り付けられているローラ駆動軸103aには駆動アーム107がラチェット機構108を介して取り付けられている。
また、図40に示すように前記苗縦送り駆動軸73には苗縦送りアーム109,・・・が一体に取り付けられており、該苗縦送りアームの先端部にローラ110,・・・が支持されている。苗載部80が左右行程の端部に到達すると、駆動アーム107がローラ110に接当し、ローラ駆動軸103aが所定角度回転させられ、これによって苗送りベルト102が所定量だけ作動するようになっている。ローラ110が駆動アーム107から離れると、トルクスプリング68の張力によって駆動アーム107が駆動前の姿勢に戻る。また、前記畦クラッチ71を操作する操作具71aとワイヤ49を介して連動する作動停止部材54が設けられており、畦クラッチ71が「切」に操作されると、この作動停止部材54が従動ローラ104に係合して苗送りベルト102が送り作動しないようになる。
各苗載部80の上面側下部には、苗が浮き上がるのを防止する苗押え具55と、最下段に位置する苗の葉を受けて葉が下方に垂れ下がらないように持ち上げる抵抗棒58,・・・とが設けられている。苗押え具55は、仕切壁81,81に突設した支柱59,59に回動自在に支持されており、図37において実線で示す苗押え作用状態と同図において鎖線で示す苗押え非作用状態とに切り替えられるようになっている。
また、苗押え具55の上端には、マット苗ガイド66を着脱可能に取り付け、マット苗を苗載部80に上から差し込む際に先端が浮き上がらないようにする。そして、このマット苗ガイド66を抵抗棒58に取り付けると、一部の条のマット苗が苗取口90へ供給されるのを阻止して植付条の制限をする。
この苗移植機1は、運搬時や格納時に苗植付装置4の左右幅を縮小させるための構成が各所に施されている。まず、苗載部80の左右端部を折り畳む構成について説明する(図38〜図42参照)。
左側から3番目の苗載部80−3と4番目の苗載部80−4を仕切る仕切壁81−4は、内側の部位81aと外側の部位81bとに分割されており、内側の部位81aは中央部の苗載部80−4〜80−8と一体に形成され、外側の部位81bは左外側3条の苗載部80−1,80−2,80−3と一体に形成されている。この仕切壁81−4は、仕切壁81−9を除く他の仕切壁よりも苗載面に対して高く形成されている。そして、内側と外側の両部位81a,81bの上端部に形成した筒状部120a,120b,・・・に1本の回動軸18を挿通して設け、この回動軸18を中心として左外側3条の苗載部80−1,80−2,80−3を上側内向きに反転させ、当該部分を左側から4番目乃至6番目の苗載部80−4,80−5,80−6の上に重なり合う状態に折りたたむようにしている。左側から5番目乃至7番目の仕切壁81−5,81−6,81−7に設けた支柱59,・・・の頂部には凹状の支柱受け23,・・・が固着されており、左外側3条の苗載部が折りたたまれたとき仕切壁81−1,81−2,81−3に設けた支柱59,・・・の頂部がこの支柱受け23,・・・に係合する。
また、右から2番目の苗載部80−9と3番目の苗載部80−8を仕切る仕切壁81−9は、内側の部位81aと外側の部位81bとに分割されており、内側の部位81aは中央部の苗載部80−4〜80−8と一体に形成され、外側の部位81bは右外側2条の苗載部80−9,80−10と一体に形成されている。この仕切壁81−9は仕切壁81−4よりも更に苗載面に対して高く形成されている。そして、内側と外側の両部位81a,81bの上端部に形成した筒状部67a,67b,・・・に1本の回動軸18を挿通して設け、この回動軸18を中心として右外側2条の苗載部80−9,80−10を上側内向きに反転させ、当該部分を右から3番目と4番目の苗載部80−7,80−8の上に重なり合う状態に折りたたむようにしている。
一番左側の仕切壁81−1の底面に凹状の支柱受け23が固着されており、右外側2条の苗載部が折りたたまれたときに一番右側の仕切壁81−11に設けた支柱59の頂部がこの支柱受け23に係合する。また、仕切壁81−8の設け支柱59の頂部と仕切壁81−10に設けた支柱59の頂部を補助支柱123で連結して、苗載部80−9,80−10を支える。
なお、前記筒状部の配置に関し、内側の部位81aと対応する筒状部67aと外側の部位81bと対応する筒状部67bは上下3組に分けて配置され、上から67b,67a,67b,67a,67a,67bの順に並んでいる。また、上2組の筒状部67a,67b間には隙間がないが、最下部の筒状部67a,67bには隙間Sが設けられている。これは次の理由による。すなわち、苗受板7のL状本体部7bは側面視で鋭角になっているので、左外側3条の苗載部80−1,80−2,80−3及び右外側2条の苗載部80−9,80−10をそのままの位置では反転させることができず、L状本体部7bとの干渉を避けるために苗載部の傾斜に沿って隙間S分だけ押し上げた状態で上記苗載部を反転させるためである。
図41における82は前記横枠で、この横枠82は中央部の苗載部80−4〜80−8と左右外側部の苗載部80−1,80−2,80−3(或は80−9,80−10)の境界部近傍で中央部分82Aと外側部分82Bに分離している。そして、中央部分82Aの左右両端部に前記取付部材88が固着されていると共に、外側部分82Bの内端部に取付部材88に対向させて固定部材24が固着されている。固定部材24には左右に貫通する丸孔79が穿設され、また取付部材88には前記丸孔79の延長線上にねじ孔34が穿設されている。先端部にねじが切られた固定棒38を外側から固定部材24の丸孔79に挿入し、その先端ねじ部を取付部材88のねじ孔34に螺合させることにより、左右外側部の苗載部80−1,80−2,80−3(或は80−9,80−10)を中央部の苗載部80−4〜80−8に固定する。
なお、固定棒38の適所に小径部38aが形成されており、左右外側部の苗載部を折りたたむに際して固定棒38をねじ孔34から引き抜くと、この小径部38aにノックピン39の先端が係合するため、固定棒38がそれ以上抜けないようになっている。小径部38aの外側の壁面はテ−パ状になっているので、固定棒38を押し込むことはできる。図中の40はノックピン39を固定棒側に付勢するスプリングである。
図25における41は苗載部の裏面上部に設けた横パイプで、この横パイプ41も中央部の苗載部80−4〜80−8と左右外側部の苗載部80−1,80−2,80−3(或は80−9,80−10)の境界部近傍で中央部分41Aと外側部分41Bに分離している。そして、中央部分41Aの中空部内端側に雄ねじ部材42が嵌装されている。先端部にねじ孔43が形成された固定棒44を外側から横パイプ41内に挿入し、そのねじ孔43を雄ねじ部材42に螺合させることにより、左右外側部の苗載部80−1,80−2,80−3(或は80−9,80−10)を中央部の苗載部80−4〜80−8に固定する。この固定棒44の抜落ち防止機構は、前記固定棒38のそれと同様で、スプリング45で付勢されたノックピン46を固定棒44の小径部44aに係合させるようになっている。
左右外側部の苗載部を展関した状態では、中央部の苗縦送り装置101Aと左右外側部の苗縦送り装置101Bが伝動連結されるように構成されている(図38参照)。すなわち、中央部の苗縦送り装置101Aのローラ駆動軸103aAは、その内端部に駆動アーム107がラチェット機構108を介して取り付けられていると共に、外端部にクラッチ爪を備えた駆動クラッチ体140が一体に取り付けられている。駆動クラッチ体140には、外側部のローラ駆動軸103aBに取り付けた従動クラッチ体47が咬み合うようになっている。従動クラッチ体47は、外側部のローラ駆動軸103aBに一体回転するように嵌合し、かつ軸心方向に摺動可能で、スプリング48によって軸端側に付勢されている。
従って、駆動クラッチ体140,従動クラッチ体47の両クラッチ体を連結する際に、双方のクラッチ爪同士が突き合っても、従動クラッチ体47が逃げることができるので、駆動クラッチ体140,従動クラッチ体47の位相が合っていなくても無理なく連結すると共に、迅速に咬み合い状態になる。
苗載部支持フレーム85は、図37に示すように、ユニット伝動部62−2,62−4に基部が固着された縦フレーム85a,85aの上部に横フレーム85bを水平に設け、該横フレーム85bの左右端部に回動フレーム85c,85cを回動自在に設けた構成で、縦フレーム85a,85aの上端部に中央部の苗載部80−4〜80−8を支持するローラ86,86が取り付けられ、また回動フレーム85c,85cの先端部に左右外側の苗載部80−1,80−2,80−3(或は80−9,80−10)を支持するローラ86,86が取り付けられている。
左右外側の苗載部を支持するローラ86は、図43に示すごとく、そのローラ軸86aが回動フレーム85Cのローラ軸孔に軸方向に摺動自在に散合しており、ローラ軸86aに遊嵌するスプリング86bにて回動フレーム85cから離れる方向に付勢されローラ軸86aに挿通した割りピン86cによって抜止めされている。ローラ軸86aの端部には、指掛け86dが固着されている。この指掛け86dに指を掛けてローラ軸86aを下方に引き下げると、ローラ86が上部レール87のコ字状凹部から外れる。
横フレーム85bと回動フレーム85cの連結部は、横フレーム85b側の軸85dに回動フレーム85C側の筒部85eが回動自在かつ軸方向に摺動自在に嵌合している。筒部85eには波状のカム85fが一体に形成されており、軸85dに直交させて挿通したピン85gがこのカム85fに接当するようにスプリング85hによって筒部85eが上向きに付勢されている。常時は、カム85fの凹部にピン85gが係合し、回動フレーム85Cが左右側方を向く状態で安定するようになっている。その安定状態よりも回動フレーム85Cが苗載部側に回動しないようにするストッパ85iがカム85fに固着されている。
更に、前記外側2条部分の苗送りベルト作動停止用ワイヤ78の中間部が、回動フレーム85cの適所に固定されている。このため、左右外側の苗載部を支持するローラ86が上部レール87のコ字状凹部から外れた状態で苗載部の外側2条部分を折りたたむと、ワイヤ49に引かれて回動フレーム85cが後方に回動する。この時、ピン85gが波状のカム85fに沿って摺動するため、回動フレーム85cの回動は滑らかに行われる。
図44はフロート支持軸211の分割部の構造を表す図である。フロート支持軸211は、センターフロート210C及びミッドフロート210M,210Mを支持する中央部分211Aと、サイドフロート210S,210Sを支持する左右端部分211B,211Bとからなり、両部にそれぞれ固着した断面U字状の連結具231,232を互いに係合させてある。連結具231,232は前後に長く成形されているので、植付深さレバー215の操作による中央部分211Aの回動が左右端部分211B,211Bへ確実に伝達される。また、この構成にすると、連結具231,232の内側に形成された前後に連通する空間部233を通って泥が後方に抜けるため、泥等を咬み込むことによる連結不良が生じない。
伝動ケース60の左右端部を上側に回動させて折り曲げると、それに連動して左右端部分211B,211Bも上側に折りたたまれ、また伝動ケース60の左右端部を本体側に連結すると、それに連動して中央部分211Aと左右端部分211B,211Bが連結される。このように、フロート支持軸211については折りたたみ時及び戻し時に操作を行わなくてもよいので、水田作業機全般の左右幅縮小作業の労力が軽減される。なお、フロート支持軸211を折りたたむ際には、植付深さレバー215を運搬位置すなわちフロート210,・・・が持ち上がる位置に操作して行う。
この時、連結具231,232が回動支点軸49と平行になるようしてあるので、フロート支持軸211を折りたたんだときに連結具231,232が下方に突出せず邪魔にならない。
苗移植機1の苗植付装置4は、苗載部80と苗植付装置200とを植付け条と対応して並列配置し、横並びの苗載部80の下端で共通伝動する植付主軸であるサイド部の植付主軸70を備え、外側端の苗植付装置200を植付主軸70とともに内側に折畳み可能に構成される。
この折畳部には、その拡大側面図を図45に示すように、外側端の苗植付装置200に伝動する植付主軸70の外側部70Bを展開状態に固定するための規制部221aを形成したロックアーム221を設け、このロックアーム221は、その規制部221aの固定位置から解除位置に及ぶ範囲Aを揺動可能に軸支する軸支部223を備え、固定位置においてその規制部221aと軸支部223を植付主軸70の前側位置に上下に振り分けて配置する。また、ロックアーム221は、固定位置においてその規制部221aから機体前側に突出するように屈曲してなる揺動操作用の把持部224と機体後側に突出する突起部220を形成し、突起部220がケースに当接して固定位置となる。この突起部220はケースに沿って配策するセンサ線219を浮き上がらないようにする。また、ロックアーム221を解除位置にして外側端の苗植付装置200を折り畳むと突起部220が折り畳んだケースに当接してロックアーム221を固定位置に回動出来なくする。
上記構成のロックアーム221は植付主軸70の前側の開放空間に臨んで配置されることから、作業者はロックアーム221を固定位置まで無理なく揺動操作することができる。また、上記構成のロックアーム221は、規制部221aに近接する把持部224を介して規制部221aに効率よく操作力を作用することができるので、ロックアーム221を固定位置まで容易に操作することができる。
フロート210には、要部拡大側面図を図37に示すように、高さを変更するアクチュエータとしてのモ−タ241を取付け、ダイヤルで高さ設定可能に構成する。また、図46の側面図に示すように、マグネットスイッチによる折畳み牽制スイッチ242を固定側に設け、可動側に対応してマグネット228を取付ける。このスイッチ信号により、折畳んだ時に最深の高さ位置に制御して展開時に噛み合いやすくすることができ、その結果、深さレバーが不要となり、また、操作が1つ減ることにより折畳みが容易となる。
ここで、改めて、ロータ装置の全体構成の具体例について説明する。
図47、図48にそれぞれ整地ロータ装置9の側面図と背面図を示し、図49にロータ部分の要部平面図を示す。
ロータ支持構造には、苗植付装置4の苗載部支持フレーム85の両側辺部材に左右両端を回動自在に支持された梁部材282と該梁部材282の両端に固着した支持アーム267と該支持アーム267に回動自在に取り付けられたロータ支持フレーム268が設けられている。該ロータ支持フレーム268の下端には整地ロータ227(227a,227a1)の駆動軸239(239a,239a1)の軸受部材240が取り付けられている。
支持アーム267とロータ支持フレーム268の連結部は、図50に示す如く、ロータ支持フレーム268の上端にネジによって長さを調整可能にした調整ロッド233をロックナット234で固定し、この調整ロッド233の上端を支持アーム267のピン235で連結している。このロータ支持フレーム268の長さ調整は、左右側部の整地ロータ227aと中央部の整地ロータ227bの地面高さを調整するためで、後述する中央部の整地ロータ227bを吊り下げる第一リンク部材246と第二リンク部材247の連結部も長さ調整可能にしても良い。
図49に示すように、フロート210との配置位置の関係でセンターフロート210Cの前方にある中央部の整地ロータ227bはミッドフロート210Mとサイドフロート210Sの前方にある側方部の整地ロータ227aより前方に配置されている。そのためロータ227aの駆動軸239aへの動力は後輪のギヤケース218内のギアから自在継手243等を介して伝達されロータ227bの駆動軸239bは両方のロータ227a,227aの駆動軸239a,239aの車体内側の端部からそれぞれ動力が伝達される左右一対のチェーンケース244,244内の一対のチェーン(図示せず)から動力伝達される。
また、機体中央部のロータ227bの駆動軸239bは左右一対のチェーンケース244,244を介して支持されているだけなので、チェーンケース244,244の補強のために左右一対のチェーンケース244,244を橋渡しする補強部材245が設けられている。さらに、ロータ227bは梁部材282に上端部が支持された一対のリンク部材246,247によりスプリング248を介して吊り下げられている。
該―対のリンク部材246,247は梁部材282に一端部が固着支持された第一リンク部材246と該第一リンク部材246の他端部に一端が回動自在に連結した第二リンク部材247からなり、該第二リンク部材247の他端部と補強部材245に回動自在に支持された取付片245aとの間に前記スプリング248が接続している。
ロータ227a,227bをロータ支持フレーム268とロータ支持アーム267と梁部材282を介して上下位置調節レバー249で上下位置を調節可能にしているが、梁部材282と上下位置調節レバー249との係止部については以下のとおりである。
上下位置調節レバー249の下端部は断面コ字状のリンク部材と該リンク部材を水平方向に貫通するロッドにより連結されている。該リンク部材はレバーボス250と一体的に結合している。またレバーボス250は側面視でL字状のプレートと該L字状のプレートと一体の平面プレートとからなり、L字状プレートの中央部には苗載部支持フレーム85の横フレーム85bに支持された軸部が設けられ、L字状プレートは軸部に回動自在に支持されている。またレバーボス250の平面プレートは梁部材282から突出した突出部266aを回転軸とするローラの円筒部に接するように配置されている。
従って上下位置調節レバー249を図48の矢印S方向へ回動させるとレバーボス250の平面プレートがローラを押し上げるので梁部材282は上方に移動する。このときローラは、回転しながらレバーボス250の平面プレートと接するので、上下調節レバー249の操作荷重の低減が図れると共に回転体であるため摩耗がなく良好な操作性が確保できる。そしてレバーボス250が上下に回動し、該レバーボス250は突出部266aを回転軸とするローラの円筒部に接するように係止しているので、該突出部266aがレバー249の機体右方向(図48の矢印S方向)の回動で、上向きに梁部材282を動かす。該突出部266aの前記上動により第一リンク部材246の梁部材282との連結部と反対側の端部も梁部材282を中心として上向きに回動する。この第一リンク部材246の上方への回動により第二リンク部材247とスプリング248を介して整地ロータ227bを上方に上げることができる。ロータ227bを上方に移動させると、駆動軸239bと駆動軸239aを介して整地ロータ227aも同時に上方に移動する。
なお、ロータ上下位置調節レバー249は走行部のほぼ中央部に設けているので、整地ロータ227a,227bの上下動を行う場合に左右のバランスを取りやすい。
また、支持アーム267の回動でロータ支持フレーム268が上方に移動するので、整地ロータ227a,227bを収納位置、すなわち苗植付装置4の裏面側に収納状態となるように移動させることができる。
本実施例ではロータ上下位置調節レバー249の標準位置で圃場面より40mmの高さにある整地ロータ227a,227bをロータ上下位置調節レバー249を図48の矢印S方向へ回動させることで標準位置より最大15mm高くでき、図48の矢印S方向の反対方向への回動で標準位置より最大15mm低くできるように設定している。
図48に示す左右両端の第二外側整地ロータ227a2は左右方向に延びる第二側方駆動軸239a1で支持されているが、該ロータ延長駆動軸239a1は、より中央部側の第一側方駆動軸239aにサイドフロート210Sの内側で着脱可能に取り付られて、該ロータ延長駆動軸239a1に装着される第二外側整地ロータ227a2を取り外せば畦際ぎりぎりまで苗を植え付けられる。
苗植付装置として、ポット苗を終え付けるポット苗移植機が有るが、この苗植付装置4は、苗押出しピンが苗取出位置にある苗箱の横一列分のポットに対し、ポット底部の切れ目からポット内に挿入され、苗を後方に押し出し、この苗を苗植付装置が圃場に植え付けるようにしている。このポット苗移植機で、苗押出しピンの押し出し圧を検出する苗センサを設けて、押し出し圧が軽すぎると欠株として運転席に設けるモニタに表示して作業者に知らせるようにすれば良い。
2 走行車体
3 昇降リンク
4 苗植付装置
5 施肥装置
125 肥料ホッパ
127 施肥ホース
131 エアーチャンバ
197 端部保持ケース

Claims (3)

  1. 走行車体(2)の後部に多条の苗植付装置(4)を昇降リンク(3)で昇降可能に設け、走行車体(2)に搭載した施肥装置(5)から各苗植付装置(4)に肥料を搬送する施肥ホース(127)を配管した施肥装置付き多条苗移植機において、左右側端部の苗植付装置(4)を中央側へ移動させて機体の左右幅を縮小できる構成とすると共に、分離した施肥ホース(127)を施肥装置(5)の横長に設けるエアーチャンバ(131)に沿って保持可能にした施肥装置付き多条苗移植機。
  2. 走行車体(2)の後部に多条の苗植付装置(4)を昇降リンク(3)で昇降可能に設け、走行車体(2)に搭載した施肥装置(5)から各苗植付装置(4)に肥料を搬送する施肥ホース(127)を配管した施肥装置付き多条苗移植機において、左右側端部の苗植付装置(4)を中央側へ移動させて機体の左右幅を縮小できる構成とすると共に、分離した施肥ホース(127)を施肥装置(5)の肥料ホッパ(125)上に巻き掛けて保持可能にした施肥装置付き多条苗移植機。
  3. 施肥ホース(127)の取り外し端部を端部保持ケース(197)に差し込んで保持可能にした請求項1或は請求項2に記載の施肥装置付き多条苗移植機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112020965A (zh) * 2020-09-18 2020-12-04 杨先文 一种具有施肥间距调节功能的农业用均匀施肥装置
CN116097962A (zh) * 2023-03-23 2023-05-12 贵州省土壤肥料研究所(贵州省生态农业工程技术研究中心)(贵州省农业资源与环境研究所) 一种山地辣椒膜内点灌施肥装置

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CN116097962B (zh) * 2023-03-23 2023-06-30 贵州省土壤肥料研究所(贵州省生态农业工程技术研究中心)(贵州省农业资源与环境研究所) 一种山地辣椒膜内点灌施肥装置

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