JP2011030307A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる回転電機を提供する。
【解決手段】筒状に形成される固定子4及び回転子5を有する回転電機本体部2と、回転電機本体部2の内側に設けられ動作に応じて摩耗粉が発生しうる摩耗粉発生部100と、回転電機本体部2の内側に設けられ摩耗粉を捕集する摩耗粉捕集部110とを備えることを特徴とする。したがって、摩耗粉発生部100にて発生した摩耗粉を摩耗粉捕集部110が捕集するので、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる回転電機を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】筒状に形成される固定子4及び回転子5を有する回転電機本体部2と、回転電機本体部2の内側に設けられ動作に応じて摩耗粉が発生しうる摩耗粉発生部100と、回転電機本体部2の内側に設けられ摩耗粉を捕集する摩耗粉捕集部110とを備えることを特徴とする。したがって、摩耗粉発生部100にて発生した摩耗粉を摩耗粉捕集部110が捕集するので、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる回転電機を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機に関し、特に、乗用車、バス、トラック等の車両に適用されて好適な回転電機に関するものである。
例えば、乗用車、バス、トラック等の車両に適用される駆動装置などには、電気エネルギを機械的動力に変換して出力する電動機や、機械的動力を電気エネルギに変換して回収する発電機等のいわゆる回転電機を備えたものが知られている。このような回転電機は、例えば、ハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)、電気車両(EV:Electric Vehicle)、燃料電池車両(FCV:Fuel Cell Vehicle)などに走行用駆動源として搭載される。そして、従来の回転電機としては、例えば、少なくとも一部分が車両の車輪のホイールの内側に配置されるモータ、いわゆるインホイールモータが知られている。インホイールモータは、例えば、駆動力を車輪に伝達する減速機構と共に車輪の内周側に車輪(駆動輪)毎に設けられる。
なお、従来のインホイールモータに関連する技術としては、例えば、特許文献1に摩耗粉吸着装置が開示されている。この特許文献1に記載の摩耗粉吸着装置は、ホイールに内包されたディスクロータに摩擦部材を押圧するブレーキユニットの近傍に配置され、ステータの外周を囲う円環状のロータを有するモータと、ブレーキユニットに対して車両前進時のディスクロータ回転方向の下流側に、ロータの外周と間隔を開けて車体に固定された非磁性部材とを備えるものである。
ところで、近年、インホイールモータなどに適用される回転電機では、例えば、変速機能が付加された回転電機の研究、開発がすすめられている。変速機能が付加された回転電機としては、例えば、ロータの回転速度とロータから伝達される動力を出力可能な出力軸の回転速度との比である変速比を無段階に変更可能な無段変速機構を回転電機に付加することで車輪の回転数にかかわらず常にエネルギ効率がよい回転数でモータを駆動すると共に、この無段変速機構をモータの内周側に配置することで、エネルギ効率の向上と共にコンパクト化を図ったインホイールモータがあるが、この場合、モータの内側で種々の摩耗粉が発生するおそれがあり、このため、この摩耗粉を適正に処理することが望まれていた。
なお、上記特許文献1に記載された摩耗粉吸着装置は、車輪が回転するときに非磁性部材に誘導磁界が発生し、この非磁性部材がモータの外側に配置されたディスクブレーキのパッドやディスクロータから回転方向下流側周辺に飛散して排出される摩耗粉を吸着することで、ディスクブレーキの摩耗粉がホイール意匠面に付着することを抑制するものであって、モータの内部で生じる摩耗粉を適正に処理する構成については開示されていない。
そこで本発明は、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる回転電機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による回転電機は、筒状に形成される固定子及び回転子を有する回転電機本体部と、前記回転電機本体部の内側に設けられ動作に応じて摩耗粉が発生しうる摩耗粉発生部と、前記回転電機本体部の内側に設けられ前記摩耗粉を捕集する摩耗粉捕集部とを備えることを特徴とする。
また、上記回転電機において、前記摩耗粉発生部は、磁石を含んで筒状に形成される筒状部材の内側に収容され、前記摩耗粉捕集部は、前記筒状部材の内面に設けられる溝部を含んで構成されてもよい。
また、上記回転電機において、前記摩耗粉発生部は、磁石を含んで筒状に形成される筒状部材の内側に収容され、前記摩耗粉捕集部は、非磁性体からなり、前記筒状部材の筒状本体部の内面に接して筒状に形成されると共に、前記筒状部材の前記筒状本体部と分割可能なフランジ部に設けられるカラー部を含んで構成されてもよい。
また、上記回転電機において、前記カラー部は、一方の端部が前記フランジ部に固定され、他方の端部が筒状の内側に屈曲して屈曲部をなすように構成してもよい。
また、上記回転電機において、前記筒状部材は、前記回転子であってもよい。
また、上記回転電機において、少なくとも一部分が車両の車輪の内周側に設けられてもよい。
また、上記回転電機において、前記摩耗粉発生部は、前記回転子の回転速度と、前記回転子から伝達される動力を出力可能な出力軸の回転速度との比である変速比を無段階に変更可能な変速部を含んで構成されてもよい。
本発明に係る回転電機によれば、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
以下に、本発明に係る回転電機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータの構成の一例を示す軸方向に沿った断面図、図2は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータの構成の一例を示す径方向に沿った断面図、図3は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備えるシフト軸及びシフトキーの正面図、図4は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備えるキャリヤの構造を説明する断面斜視図、図5は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備える入力側カム機構、出力側カム機構の一例を説明するための部分的な模式図、図6は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備える遊星ボールの傾転角度と変速比(速度比)との関係を示す線図、図7は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータの車輪への設置例を説明する断面斜視図、図8は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備えるステータ軸の構造の他の例を示す部分模式図である。
図1は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータの構成の一例を示す軸方向に沿った断面図、図2は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータの構成の一例を示す径方向に沿った断面図、図3は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備えるシフト軸及びシフトキーの正面図、図4は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備えるキャリヤの構造を説明する断面斜視図、図5は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備える入力側カム機構、出力側カム機構の一例を説明するための部分的な模式図、図6は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備える遊星ボールの傾転角度と変速比(速度比)との関係を示す線図、図7は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータの車輪への設置例を説明する断面斜視図、図8は、本発明の実施形態1に係るインホイールモータが備えるステータ軸の構造の他の例を示す部分模式図である。
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、出力軸21の回転軸線Xに沿った方向を軸方向といい、回転軸線Xに直交する方向、すなわち、軸方向に直交する方向を径方向といい、回転軸線X周りの方向を周方向という。また、径方向において回転軸線X側を径方向内側といい、反対側を径方向外側という。また、インホイールモータ1の軸方向においてホイール27が設けられる側をホイール側といい、反対側、つまり、車体への取り付け側を車体側という。
図1、図2に示す本実施形態の回転電機としてのインホイールモータ1は、電気エネルギを機械的動力に変換して出力する電動機や機械的動力を電気エネルギに変換して回収する発電機等として適用されるものである。すなわち、インホイールモータ1は、電力の供給により駆動し電気エネルギを機械エネルギに変換して出力する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。本実施形態のインホイールモータ1は、例えば、ハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)、電気車両(EV:Electric Vehicle)、燃料電池車両(FCV:Fuel Cell Vehicle)などの車両に、主に走行用駆動源として搭載される。
そして、このインホイールモータ1は、少なくとも一部分が車両の車輪26(図7参照)のホイール27(図7参照)の内周側に位置するように配置されるものである。本実施形態のインホイールモータ1は、回転電機本体部としてのモータ部2と変速部としての無段変速部3とが円筒状のホイール27の内周側に位置するように設けられている。インホイールモータ1は、例えば、車輪26の内周側に車輪26毎に設けられる。各インホイールモータ1は、各車輪26のホイール27のリム内に収められて各車輪26を駆動車輪として回転駆動可能に設けられている。これにより、インホイールモータ1は、例えば、車両内部のスペースの有効活用、ホイール27の内周側の余剰スペースの有効活用、車両の低床化、ドライブシャフトやデファレンシャルギヤ等の駆動力伝達装置の省略、車輪26毎の回転数やトルクのきめ細かい制御あるいは車両姿勢の制御等を図るものである。
そして、本実施形態に係るインホイールモータ1は、ロータ5の回転速度(回転数)とこのロータ5から伝達される動力(トルク)を出力可能な出力軸21の回転速度(回転数)との比率を異ならせることができる変速機能が付加されたインホイールモータである。このインホイールモータ1は、ロータ5の回転速度と出力軸21の回転速度との比である変速比を無段変速部3にて無段階に変更可能であり、これにより車輪26の回転数にかかわらず常にエネルギ効率がよい回転数でモータ部2を駆動すると共に、この無段変速部3をモータ部2の内周側に配置することで、エネルギ効率の向上と共に装置のコンパクト化を図ったものである。
具体的には、インホイールモータ1は、回転電機本体部としてのモータ部2と、変速部としての無段変速部3とを備える。インホイールモータ1は、モータ部2が全体として出力軸21の回転中心である回転軸線Xと同軸の円筒状に形成されると共に、このモータ部2の径方向内側、すなわち、モータ部2の内周面側に無段変速部3が配置される。言い換えれば、インホイールモータ1は、無段変速部3の径方向外側にモータ部2が無段変速部3を覆うようにして設けられる。このインホイールモータ1は、モータ部2のステータ4、ロータ5や無段変速部3の出力軸21の中心軸線が回転軸線Xで一致するように各要素が位置決めされている。
モータ部2は、回転電機本体部であり、固定子としてのステータ4と、回転子としてのロータ5とを有する。このモータ部2は、基本的には永久磁石式同期電動機として構成されている。ステータ4とロータ5とは、ともに回転軸線Xと同軸の円筒状に形成され、ステータ4がロータ5の径方向外側を覆うように配置され、言い換えれば、ロータ5がステータ4の内周側に配置される。
ステータ4は、電力が供給されることで所定の磁界を形成するものである。ステータ4は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される。ステータ4は、全体として、軸方向の車体側の一端が閉塞すると共にホイール側の他端が開放した円筒状に形成される。ステータ4は、ステータコイル6と、アウターケース7とを含んで構成される。
ステータコイル6は、電磁鋼板を積層して構成されるステータコア(ステータ鉄心)に巻いた複数のコイルを円筒状に配置して構成される。各ステータコイル6は、アウターケース7の内周面に周方向に沿って等間隔で固定されている。なお、ステータコアは、電磁鋼板に限らず例えば圧粉磁心により構成されてもよい。
そして、ステータコイル6は、例えば、三相ケーブルなどを介して車両の制御装置(不図示)に電気的に接続される。例えば、この制御装置には、車両に搭載されたECU(Electrical Control Unit)からインホイールモータ1が出力すべきトルク指令値が送られる。そして、この制御装置は、そのトルク指令値によって指定されたトルクを出力するための制御電流を生成し、その制御電流を三相ケーブルを介してステータコイル6に供給する。
アウターケース7は、底部のある筒状の部材であり、円筒部71と円板部72とを含んで構成される。アウターケース7の円筒部71は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される部分であり、アウターケース7の円板部72は、回転軸線Xと同軸の円板状に形成される部分である。アウターケース7は、円板部72が円筒部71の一方の開口、すわなち、軸方向の車体側の開口を塞ぐようにこの円筒部71に固定される。アウターケース7は、円筒部71と円板部72とが一体化されることで、円板部72が円筒部71の底部をなす。上述した各ステータコイル6は、アウターケース7の円筒部71の内周面に周方向に沿って等間隔で固定されている。
なお、このステータ4をなすアウターケース7は、ステータコイル6を保持する保持部材であると共にインホイールモータ1の各部の径方向外側を覆うようにして収容する外包部材としても兼用される。すなわち、モータ部2のロータ5や後述する無段変速部3は、このアウターケース7の径方向内側の収容空間部に収容される。
ロータ5は、ステータ4のステータコイル6が形成する磁界の磁気を受けて機械的動力、言い換えればトルクを発生するものである。ロータ5は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される。ロータ5は、ステータ4をなすアウターケース7の内側、すなわち、ステータコイル6の径方向内側(内周側)に配置される。ロータ5は、ステータ4に対して回転軸線Xを回転中心として相対回転可能に支持される。
ロータ5は、円筒部51と、フランジ部52と、フランジ部53とを含んで構成される。ロータ5の円筒部51は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される部分であり、ロータ5のフランジ部52及びフランジ部53は、回転軸線Xと同軸の円環板状に形成される部分である。
ロータ5は、ロータコア(ロータ鉄心)をなす円筒部51に複数の永久磁石(不図示)が設けられている。複数の永久磁石は、例えば、円筒部51の周方向に沿って等間隔で設けられており、周方向にとなりあう2つの永久磁石の極性が互いに異なるように設定されている。なお、このロータ5は、複数の永久磁石が円筒部51に埋め込まれて設けられる埋込磁石型の永久磁石ロータであってもよいし、複数の永久磁石が円筒部51の表面に設けられる表面磁石型の永久磁石ロータであってもよい。
ロータ5は、フランジ部52の外周部が円筒部51の一方の開口、すわなち、軸方向の車体側の開口に固定され、フランジ部53の外周部が円筒部51の他方の開口、すわなち、軸方向のホイール側の開口に固定される。すなわち、ロータ5は、円筒部51の軸方向両端部にそれぞれフランジ部52、フランジ部53が径方向内側(内周側)に延びるようにして設けられている。
円筒部51は、軸方向に沿った長さがアウターケース7の円筒部71の軸方向に沿った長さとほぼ同等に設定されている。円筒部51とフランジ部52とフランジ部53とは、外径がほぼ同等に設定され、さらに言えば、アウターケース7の円筒部71の内径よりも小さく設定されている。フランジ部52とフランジ部53とは、フランジ部53の内径がフランジ部52の内径より小さく設定されている。
ロータ5は、全体がステータコイル6の径方向内側(内周側)に収容されるようにアウターケース7の内側に挿入され、円筒部51、フランジ部52、フランジ部53の中心軸線が回転軸線Xとほぼ一致するようにラジアル軸受RB1、RB2やスラスト軸受TB1などにより回転可能に支持される。
すなわち、ロータ5は、アウターケース7の内側に挿入された状態で、円筒部51の外周面がステータコイル6(言い換えれば円筒部71の内周面)と径方向に対向する位置に配置される。また、ロータ5は、アウターケース7の内側に挿入された状態で、フランジ部52が円板部72側、すなわち、軸方向の車体側に位置しこの円板部72と軸方向に対向する一方、フランジ部53が軸方向のホイール側に位置するように配置される。
そして、ロータ5は、アウターケース7の内側に挿入された状態で、フランジ部52の内周部がラジアル軸受RB1により円板部72の軸方向のホイール側の面の段付き部に回転可能に支持される。つまり、ラジアル軸受RB1は、外輪がフランジ部52の内周部に嵌合され内輪が円板部72の段付き部に嵌合され、この外輪と内輪とが相対回転可能な構成となっている。また、ロータ5は、フランジ部53の内周部がラジアル軸受RB2により後述する出力軸21の円筒部21cの外周面に回転可能に支持される。つまり、ラジアル軸受RB2は、外輪がフランジ部53の内周部に嵌合され内輪が出力軸21の円筒部21cの外周面に嵌合され、この外輪と内輪とが相対回転可能な構成となっている。さらに、ロータ5は、フランジ部53の軸方向の車体側の面がスラスト軸受TB1により出力軸21の円環部21bの軸方向のホイール側の面に回転可能に支持される。つまり、スラスト軸受TB1は、フランジ部53の軸方向の車体側の面と出力軸21の円環部21bの軸方向のホイール側の面と間に介在しこれを相対回転可能に支持している。
したがって、ロータ5は、ステータ4に対して回転軸線Xを回転中心として相対回転可能であると共に、出力軸21に対しても回転軸線Xを回転中心として相対回転可能である。つまり、ステータ4とロータ5と出力軸21とは、相互に回転軸線Xを回転中心として相対回転可能な構成となっている。
上記のように構成されるモータ部2は、制御装置(不図示)から三相ケーブル(不図示)などを介してステータコイル6に電力が供給されることで、ステータ4に電磁力が生じ、この電磁力によりロータ5が回転駆動する。すなわち、ステータ4のステータコイル6からの磁束がロータ5内を通りロータ5が回転する。この結果、モータ部2は、電気エネルギを機械的動力に変換して出力することができ、機械的動力、言い換えればモータトルクを発生することができる。このとき、制御装置から電力は、例えばインバータなどにて高電圧に変換されてステータコイル6に供給される。
そして、ロータ5の回転動力は、フランジ部52から無段変速部3に伝達される。つまり、モータ部2のロータ5は、いわゆるインプットドラムをなし、ロータ5にて発生したトルクを無段変速部3に入力するものでもある。ロータ5が所定のトルクを発生させると、このトルクは、フランジ部52から無段変速部3の入力側カム機構19を介してインプットディスク17に伝達される。
無段変速部3は、ロータ5の回転速度と出力軸21の回転速度との比である変速比を無段階に変更可能なものである。ここで、出力軸21は、ロータ5から伝達される動力(トルク)を出力可能なものである。
本実施形態の無段変速部3は、複数の回転要素からなるいわゆるトラクション遊星ギヤ機構により構成される。そして、無段変速部3は、複数の回転要素のひとつとして、少なくともボール型ピニオンとしての遊星ボール13を有するものである。
無段変速部3は、ロータ5の内周側に配置されかつロータ5に入力側カム機構19を介して接続されるインプットディスク17の回転速度(回転数)と、インプットディスク17からトルクを受けて回転しかつ出力軸21に出力側カム機構20を介して接続されるアウトプットディスク18の回転速度(回転数)との比率を無段階に変化させる。無段変速部3は、インプットディスク17と遊星ボール13との接触半径と、アウトプットディスク18と遊星ボール13との接触半径との比率を変更することで、入力側と出力側との回転速度比である変速比を変更可能である。
具体的には、本実施形態の無段変速部3は、ステータ軸8と、シフト軸9と、シフトキー10と、アイドラプレート11と、アイドラローラ12と、遊星ボール13と、傾転用アーム14と、キャリヤ15と、インプットディスク17と、アウトプットディスク18と、入力側カム機構19と、出力側カム機構20と、出力軸21とを備える。
ステータ軸8は、円板部72の中心部にてアウターケース7を軸方向に貫通するようにして設けられる固定軸である。ステータ軸8は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される。ステータ軸8は、軸方向の車体側の一端部がアウターケース7の円板部72と一体化され固定されている。つまり、ステータ軸8とアウターケース7とは、相対回転不能な構成となっている。なお、ステータ軸8と円板部72とを一体化するための手段は、適宜に選択することができ、焼嵌め、溶接、ネジ止めなどのいずれであってもよい。
ステータ軸8は、軸方向の車体側の一端部、すなわち、円板部72に固定されている側の端部から軸方向の中間部をこえた程度の位置までの部分が中空に形成され中空部8a(図4も参照)をなしている。また、ステータ軸8は、軸方向の中間部に所定長さの2つのスリット8b(図4も参照)が形成されている。2つのスリット8bは、ステータ軸8の中心軸線、すなわち回転軸線Xに対して対称となる位置に形成され、ステータ軸8の外周面から中空部8aまで貫通している。
シフト軸9及びシフトキー10は、アイドラプレート11を軸方向に沿って移動させる部材である。
シフト軸9は、ステータ軸8の中心部に形成されている中空部8aに挿入されている。シフト軸9は、中空部8a内に回転自在に支持されている。シフト軸9は、軸方向の車体側の一端部、すなわち、円板部72側の端部がステータ軸8における円板部72側の端部から突出する長さに形成される。また、シフト軸9は、軸方向の中間部、より具体的には中空部8aと連通する各スリット8bに対応する箇所に雄ネジ部9a(図3参照)が形成されている。
シフトキー10は、図3に示すように、雌ネジ部10aとキー部10bとを含んで構成される。雌ネジ部10aは、円筒状に形成され内周面がシフト軸9の雄ネジ部9aに螺合可能な部分である。シフトキー10は、雌ネジ部10aがシフト軸9の雄ネジ部9aに螺合することでシフト軸9に取り付けられる。キー部10bは、雌ネジ部10aの外周面から径方向に外側に向けて突出した板状の部分である。ここでは、キー部10bは、雌ネジ部10aの外周面に2つ設けられている。シフトキー10は、図1に示すように、シフト軸9が中空部8a内に設置された状態で、2つのキー部10bがそれぞれ対応するスリット8bを貫通してステータ軸8の外周側に突出し露出するように、各キー部10bの形成位置、形状、大きさが設定されている。この結果、シフトキー10は、回転軸線X周りに回転することで、ネジの作用によりキー部10bがステータ軸8の軸線方向に沿って前後動可能な構成となる。すなわち、シフトキー10は、回転軸線X周りに回転することで、軸方向(回転軸線X方向)に沿ってホイール側と車体側とに移動可能である。
アイドラプレート11は、アイドラローラ12を回転自在に支持する軸受部材である。アイドラプレート11は、ステータ軸8の外周部に設けられる。アイドラプレート11は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成され、ステータ軸8が内周側に挿入されるように、言い換えれば、ステータ軸8の外周面の一部を覆うようにして設けられる。アイドラプレート11は、ステータ軸8に対して緩く嵌合しており、これにより、ステータ軸8の軸線方向に沿って前後動可能な構成となる。すなわち、アイドラプレート11は、軸方向(回転軸線X方向)に沿ってホイール側と車体側とに移動可能である。
アイドラプレート11は、外周面の軸方向の中間部に窪み部11aが形成される。窪み部11aは、アイドラプレート11の外周面の軸方向の中間部が全周にわたって径方向内側に向かって窪んだ形状をなす部分である。
また、アイドラプレート11は、径方向に対して対称な位置となる二箇所にシフトキー10のキー部10bの先端部が嵌合している。これにより、アイドラプレート11は、キー部10bによって軸方向に移動させられるように構成される。つまり、アイドラプレート11は、シフトキー10が回転軸線X周りに回転し軸方向(回転軸線X方向)に沿って移動することに伴って、軸方向に沿って移動することができる。
アイドラプレート11は、上述の窪み部11aの径方向内側の底部に近い箇所の断面が円弧状となる滑らかな凹曲面に形成されており、この凹曲面が軸受ボール11bを配置する軸受面となっている。
アイドラローラ12は、外周面に遊星ボール13が接触しこの遊星ボール13の回転軸をなすものである。アイドラローラ12は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される。アイドラローラ12は、アイドラプレート11の窪み部11aの内部に配置され、内周面が軸受ボール11bによって回転自在に支持される。さらに言えば、アイドラローラ12は、内周面における軸方向両端部を軸受ボール11bに接触させることにより、軸受ボール11bおよびアイドラプレート11によって回転自在に支持されている。アイドラローラ12は、アイドラプレート11における軸方向の中央部に配置されている。これにより、アイドラローラ12は、アイドラプレート11と共に軸方向に沿ってホイール側と車体側とに移動可能であると共に、アイドラプレート11に対して相対回転可能な構成となる。
遊星ボール13は、転動体であり、いわゆるトラクション遊星ギヤ機構におけるボール型ピニオンに相当する。遊星ボール13は、アイドラローラ12の外周側に複数設けられる。遊星ボール13は、磁性体あるいは非磁性体のいずれによっても構成することができ、その形状は完全な球形が好ましいが、これ以外にラグビーボールのような断面が楕円形状をなすなど外周面が滑らかな曲面をなすものであってもよい。また、図2には8個の遊星ボール13が図示されているが、これらの各遊星ボール13は互いに実質上、非接触となっている。好ましくは、各遊星ボール13が回転しアイドラローラ12の外周面上を転動した場合にそれぞれの遊星ボール13の間で引き摺りトルクが生じないように所定の隙間が空いている。
各遊星ボール13は、中心を通って貫通する支持軸13aによって回転自在に支持されている。例えば、遊星ボール13は、支持軸13aの外周面との間に軸受が配置され、この軸受によって回転できるようになっている。
各支持軸13aは、図1に示すように、基本的には、中心軸線がステータ軸8の中心軸線と平行になりうるように、すなわち回転軸線Xと平行になりうるように配置される。さらに具体的に言えば、各支持軸13aは、中心軸線がステータ軸8の中心軸線を含む平面内に位置し、かつその平面内で、ステータ軸8と平行な状態およびその平行状態から傾斜する状態に揺動(傾転)可能に構成されている。また、各支持軸13aは、両端部が遊星ボール13の外周面(外周曲面)から突出している。
傾転用アーム14は、アイドラプレート11の軸方向に沿った移動に伴って、各遊星ボール13の回転中心軸線、すなわち、支持軸13aの中心軸線を傾斜させるためのものである。傾転用アーム14は、支持軸13aの遊星ボール13から突出した両端部にそれぞれ取り付けられている。傾転用アーム14は、支持軸13aおよびこれによって支持されている遊星ボール13に傾転力を作用させるための部材である。各傾転用アーム14は、図に示す例では、支持軸13aからステータ軸8側に向けて、すなわち、径方向内側に向けて延びており、それぞれの先端部(すなわち回転中心側の端部)が先細りの形状になっている。各支持軸13aの軸方向両側に取り付けられている一対の傾転用アーム14は、軸方向に対して上述したアイドラプレート11を挟むようにしてアイドラプレート11の軸方向の両側の側面(外面)に接触している。
ここで、各傾転用アーム14は、先端部におけるアイドラプレート11側の側面がアイドラプレート11と接触する接触面14aをなす。各傾転用アーム14は、接触面14aがステータ軸8側、すなわち、径方向内側にて外開きとなるような傾斜面となっており、これにより、各傾転用アーム14の径方向内側の先端部が上述したような先細りの形状になっている。
これに対し、アイドラプレート11は、軸方向の両端面がそれぞれ各傾転用アーム14の接触面14aと接触する接触面11cをなす。アイドラプレート11は、各接触面11cが凸曲面に形成されている。アイドラプレート11は、各接触面11cが径方向外側にて外開きとなるような凸曲面状の傾斜面となっている。
これにより、各傾転用アーム14とアイドラプレート11とは、各接触面14aと各接触面11cとが接触することで、点接触もしくは線接触するように構成となる。したがって、各傾転用アーム14の接触面14aとアイドラプレート11の接触面11cとの接触箇所においては、アイドラプレート11が軸方向に沿って移動することによる荷重がステータ軸8に対して斜め外側を向いた力として各傾転用アーム14に作用する。そして、各支持軸13aおよびこれによって支持された各遊星ボール13は、アイドラプレート11が軸方向に沿ってホイール側又は車体側に移動することに応じて各傾転用アーム14にステータ軸8に対して斜め外側を向いた力が作用することで、回転中心軸線、すなわち、支持軸13aの中心軸線がステータ軸8の回転中心軸線を通る平面内で傾斜することとなる。
キャリヤ15は、いわゆるステータドラムをなし、遊星ボール13及び支持軸13aならびに各傾転用アーム14をステータ軸8に対して軸方向に相対移動不能に保持するものである。キャリヤ15は、図1、図4に示すように、回転軸線Xと同軸の円板状に形成される一対の円板部15aと、この一対の円板部15aを連結する複数の連結軸15bを含んで構成される。
キャリヤ15は、一対の円板部15aが軸方向に対して各遊星ボール13、各支持軸13a、各傾転用アーム14などを挟んでこれらの両側に配置されると共に、この一対の円板部15aが複数の連結軸15bにより連結されることで、全体として籠状の部材を構成する。
キャリヤ15は、円板部15aの互いに対向する面には、上述した傾転用アーム14の数と同数の放射溝15cが形成されている。各放射溝15cは、円板部15aの互いに対向する面において中心部から外周縁まで形成されている。各放射溝15cは、各傾転用アーム14に対応する形成位置、形状、大きさで形成される。複数の放射溝15cは、円板部15aの互いに対向する面において、周方向に沿って等間隔に形成されており、全体として放射状に設けられる。
各傾転用アーム14は、これらの各放射溝15cの内部に上述した傾転動作を行うことができるように配置されている。したがって、各遊星ボール13、各支持軸13a、各傾転用アーム14は、このキャリヤ15によって、ステータ軸8に対して軸方向に相対移動不能に保持されると共に、ステータ軸8周りに相対回転(公転)不能に保持される。
キャリヤ15は、上記のように籠状に構成されていることにより、外周面に開放部分を有する。各遊星ボール13は、開放部分を介してキャリヤ15の外周面から径方向外側に一部分が突出し露出している。
インプットディスク17とアウトプットディスク18とは、各遊星ボール13との間で機械的動力、言い換えれば、トルクを相互に伝達可能な2つの回転体をなすものである。インプットディスク17、アウトプットディスク18は、キャリヤ15の開放部分から径方向外側に露出している各遊星ボール13の外周面にトルク伝達可能に接触する。インプットディスク17は、上述のモータ部2の力行時にモータ部2のロータ5からトルクが入力される入力側の回転体、すなわち、無段変速部3の入力部材をなすものである。アウトプットディスク18は、上述のモータ部2の力行時にインプットディスク17から各遊星ボール13を介して伝達されるトルクを出力する出力側の回転体、すなわち、無段変速部3の出力部材をなすものである。
インプットディスク17とアウトプットディスク18とは、ともに全体として回転軸線Xと同軸の円環状に形成される。インプットディスク17とアウトプットディスク18とは、軸方向に対して各遊星ボール13を挟んで各遊星ボール13の両側に位置し、互いに対向するようにして配置される。
インプットディスク17とアウトプットディスク18とは、それぞれ接触面17a、18aにて遊星ボール13の外周面と接触している。接触面17aは、インプットディスク17の径方向外側端部、すなわち、外周部の遊星ボール13側の側面に設けられている。接触面18aは、アウトプットディスク18の径方向外側端部、すなわち、外周部の遊星ボール13側の側面に設けられている。接触面17a、18aは、遊星ボール13の外周面の曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面をなし、各遊星ボール13の外周面に接触可能である。
インプットディスク17は、ロータ5の円筒部51の内径よりわずかに小さい外径であって、ロータ5のフランジ部52と軸方向に対向して配置されている。インプットディスク17は、軸方向に対してこのフランジ部52と各遊星ボール13との間に配置される。さらに具体的に言えば、インプットディスク17は、軸方向に対してフランジ部52側(車体側)の各傾転用アーム14と各遊星ボール13との間に配置される。
アウトプットディスク18は、ロータ5の円筒部51の内径よりわずかに小さい外径であって、ロータ5のフランジ部53と軸方向に対向して配置されている。アウトプットディスク18は、軸方向に対してフランジ部53と各遊星ボール13との間に配置される。さらに具体的に言えば、アウトプットディスク18は、軸方向に対してフランジ部53側(ホイール側)の各傾転用アーム14と各遊星ボール13との間に配置される。
入力側カム機構19は、ロータ5とインプットディスク17との間に作用するトルクを軸方向に向けた推力に変換してインプットディスク17を遊星ボール13に向けて押圧するトルクカム部材である。入力側カム機構19は、軸方向に対してロータ5のフランジ部52とインプットディスク17との間に設けられる。つまり、無段変速部3は、軸方向に対して車体側からホイール側に向かって、ロータ5のフランジ部52、入力側カム機構19、インプットディスク17、遊星ボール13の順番で配置される。
出力側カム機構20は、アウトプットディスク18と出力軸21との間に作用するトルクを軸方向に向けた推力に変換してアウトプットディスク18を遊星ボール13に向けて押圧するトルクカム部材である。出力側カム機構20は、軸方向に対して出力軸21の後述する円筒部21aとアウトプットディスク18との間に設けられる。つまり、無段変速部3は、軸方向に対してホイール側から車体側に向かって、出力軸21の円筒部21a、出力側カム機構20、アウトプットディスク18、遊星ボール13の順番で配置される。
ここで、出力軸21は、いわゆるアウトプットハブをなす中空軸である。出力軸21は、円筒部21aと円環部21bと円筒部21cとを含んで構成される。円筒部21aと円筒部21cとは、ともに回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される。円筒部21aと円筒部21cとは、円筒部21aの外径が円筒部21cの外径より大きく設定され、円筒部21aの内径が円筒部21cの内径より大きく設定される。円環部21bは、回転軸線Xと同軸の円環板状に形成される。円環部21bは、外径が円筒部21aの外径と同等に設定され、内径が円筒部21cの外径と同等に設定される。円筒部21a、円環部21bは、外径がロータ5の円筒部51の内径よりわずかに小さく、上述したインプットディスク17やアウトプットディスク18とほぼ同じ外径である。
出力軸21は、軸方向に対して車体側からホイール側に向かって、円筒部21a、円環部21b、円筒部21cの順番で配置される。そして、出力軸21は、円筒部21aの軸方向のホイール側の端部と円環部21bの外周部とが固定され、円環部21bの内周部と円筒部21cの軸方向の車体側の端部とが固定され、全体が一体化される。上述のロータ5は、フランジ部53の内周部がラジアル軸受RB2によりこの円筒部21cの外周面に回転可能に支持される。
そして、出力軸21は、ステータ軸8の外周側に嵌合され、ラジアル軸受RB3、ラジアル軸受RB4により、円筒部21cの内周面がステータ軸8の外周面に回転可能に支持される。出力軸21は、軸方向の一方の端部である円筒部21cがアウターケース7の円筒部71(あるいはロータ5のフランジ部53)から軸方向のホイール側に突出している。これに対し、出力軸21は、軸方向の他方の端部である円筒部21aがアウターケース7の円筒部71の内部、さらに言えば、ロータ5の円筒部51の内部に位置する。出力軸21は、この円筒部21aが円環部21bからキャリヤ15の外周側を通ってアウトプットディスク18に向かって延びており、この円筒部21aの先端部(軸方向の車体側の端部)とアウトプットディスク18の軸方向のホイール側の面との間に上述の出力側カム機構20が配置されている。
ここで、入力側カム機構19、出力側カム機構20について説明すると、入力側カム機構19、出力側カム機構20は、トルクに基づいて軸方向の推力を生じさせるためのものであり、その原理的な構成を例示すれば図5のようになる。すなわち、入力側カム機構19、出力側カム機構20は、例えば、相互にトルク伝達するべき第1回転部材22と第2回転部材23とが同一軸線上に対向して配置される。入力側カム機構19、出力側カム機構20は、第1回転部材22、第2回転部材23の互いに対向する面の少なくとも一方の面に、第1回転部材22と第2回転部材23との軸方向の間隔が徐々に狭くなるように周方向に向けて傾斜したカム面24が形成されている。言い換えれば、入力側カム機構19、出力側カム機構20は、少なくとも第1回転部材22又は第2回転部材23の一方の軸方向の厚さが周方向に沿って次第に厚くなっている。そして、入力側カム機構19、出力側カム機構20は、相互の間隔が周方向で次第に変化する第1回転部材22と第2回転部材23との間にカムローラ25が挟み込まれている。
したがって、入力側カム機構19、出力側カム機構20は、カムローラ25を挟み込んでいる箇所の間隔が狭くなる方向のトルクが第1回転部材22と第2回転部材23との間に作用すると、第1回転部材22と第2回転部材23とがカムローラ25を挟み付けて相互に一体化されるとともに、トルクおよびカム面24の傾斜角度に応じて軸方向の推力が生じる。
これを概略的に説明すると、入力トルクをTin、カムローラ25の個数をn、カムローラ25が設けられている箇所の第1回転部材22、第2回転部材23での半径をrとすると、カムローラ25を挟み付けている箇所における円周方向(接線方向)の荷重Ftは、下記の数式(1)で表すことができる。
Ft=Tin/(n・r) ・・・ (1)
そして、カム面24の傾斜角度(図5参照)をαとすると、軸方向に作用する推力Faは、下記の数式(2)で表すことができる。
Fa=Ft/tan(α/2) ・・・ (2)
Ft=Tin/(n・r) ・・・ (1)
そして、カム面24の傾斜角度(図5参照)をαとすると、軸方向に作用する推力Faは、下記の数式(2)で表すことができる。
Fa=Ft/tan(α/2) ・・・ (2)
したがって、ロータ5に所定のトルクが作用すると、そのトルクがフランジ部52から入力側カム機構19を介してインプットディスク17に伝達されると共に、そのトルクに応じた軸方向の推力が生じ、その推力によってインプットディスク17が遊星ボール13に押し付けられる。また、遊星ボール13に接触しているアウトプットディスク18にトルクが作用すると、そのトルクが出力側カム機構20を介して出力軸21の円筒部21aに伝達されると共に、そのトルクに応じた軸方向の推力が生じ、その推力によってアウトプットディスク18が遊星ボール13に押し付けられる。この結果、この無段変速部3は、伝達するトルクに応じてインプットディスク17、アウトプットディスク18が遊星ボール13に押し付けられ、その推力と摩擦係数とに応じて伝達トルク容量が設定される。
上記のように構成されるインホイールモータ1は、制御された交流電流をステータコイル6に流すことにより、ロータ5にトルクが生じる。ロータ5は、ラジアル軸受RB1、RB2によって回転自在に支持されているから、トルクが作用することにより回転する。この場合、インホイールモータ1は、ロータ5のフランジ部52とインプットディスク17との間に入力側カム機構19が設けられているので、ロータ5のフランジ部52とインプットディスク17とが入力側カム機構19によって共に一体回転するように連結され、またロータ5のトルクに応じた軸方向の推力が発生してインプットディスク17が遊星ボール13に対して押し付けられる。
この結果、インホイールモータ1は、インプットディスク17の接触面17aと遊星ボール13の外周面との間で生じる摩擦力によってインプットディスク17から遊星ボール13に対してトルクが伝達される。遊星ボール13は、その中心を貫通する支持軸13aおよびアイドラローラ12によって回転自在に支持されているから、インプットディスク17から伝達されるトルクによって自転する。このとき、遊星ボール13の自転に伴ってアイドラローラ12も回転軸線Xを中心として回転する。そして、インホイールモータ1は、遊星ボール13の外周面にアウトプットディスク18の接触面18aも接触しているので、遊星ボール13とアウトプットディスク18との間の摩擦力によって遊星ボール13からアウトプットディスク18にトルクが伝達される。
そして、インホイールモータ1は、アウトプットディスク18と出力軸21の円筒部21aとの間に出力側カム機構20が設けられているので、アウトプットディスク18と出力軸21とが出力側カム機構20によって共に一体回転するように連結され、またアウトプットディスク18のトルクに応じた軸方向の推力が発生してアウトプットディスク18が遊星ボール13に対して押し付けられ、その接触圧力に応じた伝達トルク容量が確保される。この結果、モータ部2のロータ5に生じるトルクは、無段変速部3を介して出力軸21に伝達され、外部の所定の機器、ここでは、車輪26(図7参照)に対してその出力軸21からトルクが出力される。
上記のようにしてロータ5から出力軸21に伝達されるトルクは、無段変速部3における伝達トルク容量に応じたトルクとなり、その伝達トルク容量は主として、遊星ボール13とインプットディスク17およびアウトプットディスク18との間の接触圧力によって定まる。したがって、インホイールモータ1は、遊星ボール13を磁性体によって構成した場合には、ロータ5に設けられている永久磁石による吸引力が遊星ボール13に作用し、その磁気吸引力によって遊星ボール13がインプットディスク17およびアウトプットディスク18に押し付けられるので、その接触圧が増大し、無段変速部3の伝達トルク容量を増大させることができる。これに対して、インホイールモータ1は、遊星ボール13を非磁性体によって構成した場合、遊星ボール13に対して磁気吸引力が作用しないものの、遊星ボール13や永久磁石が一定間隔で配置されていることにより両者の間隔が間欠的に変化することに起因するコギングトルクを回避することができる。
そして、出力軸21に現れるトルクは、ロータ5のトルクを無段変速部3による変速比に応じて増減したトルクとなる。無段変速部3における変速比は、支持軸13aと共に遊星ボール13が傾転する傾転角度に応じたものとなる。本実施形態の無段変速部3は、アイドラローラ12を回転自在に支持しているアイドラプレート11を軸方向に移動させることにより遊星ボール13を傾転させて、ロータ5と出力軸21との回転数の比率すなわち変速比を連続的に変化させることができる。
すなわち、インホイールモータ1は、インプットディスク17とアウトプットディスク18との半径が同じである場合、支持軸13aがステータ軸8と平行になっていれば、インプットディスク17の接触面17aが接触している箇所の遊星ボール13の回転半径(遊星ボール13の回転中心からの半径)と、アウトプットディスク18の接触面18aが接触している箇所の遊星ボール13の回転半径(遊星ボール13の回転中心からの半径)とが同じになり、したがって変速比は「1」になる。
これに対して、インホイールモータ1は、支持軸13aが傾転すると、インプットディスク17の接触面17aが接触している箇所の遊星ボール13の回転半径とアウトプットディスク18の接触面18aが接触している箇所の遊星ボール13の回転半径とのいずれか一方が傾転角度に応じて増大し、かつ他方が傾転角度に応じて減少する。その結果、インホイールモータ1は、インプットディスク17の回転数に対するアウトプットディスク18の回転数が上記の回転半径の変化に応じて変化し、結局、図6に例示するように、これらの回転数の比率である変速比が傾転角度に応じて変化する。なお、図6はインプットディスク17の回転数を「1」とした場合のアウトプットディスク18の回転数を傾転角度毎にプロットし、各点を線で結んだものである。
上記のように遊星ボール13をその支持軸13aと共に傾転させる動作は、例えば、シフト軸9を図示しないモータやリンク機構などのシフト装置によって回転させることにより行うことができる。
すなわち、インホイールモータ1は、シフト軸9が回転すると、その雄ネジ部9aに螺合しているシフトキー10がネジの作用によって軸方向に移動する。そして、インホイールモータ1は、このシフトキー10がアイドラプレート11に係合しているので、アイドラプレート11がシフトキー10と共に軸方向に移動する。そして、インホイールモータ1は、アイドラプレート11の軸方向両側の接触面11cに傾転用アーム14の接触面14aが点接触もしくは線接触し、かつ、傾転用アーム14は軸方向に移動せずに傾くように保持されているので、アイドラプレート11が軸方向に移動して傾転用アーム14が押されることにより、アイドラプレート11の接触面11cと傾転用アーム14の接触面14aとの接触部で生じる斜め外側に向けた力でこの傾転用アーム14が傾く。この結果、インホイールモータ1は、支持軸13aおよびこれによって回転自在に支持されている遊星ボール13が傾転用アーム14と共に傾き、その傾転角度に応じた変速比が設定される。
したがって、インホイールモータ1は、ロータ5で発生したトルクを無段変速部3にて無段階(連続的)に変化させることのできる変速比に応じて増減して出力軸21から出力することができる。また、インホイールモータ1は、出力軸21の回転数を一定とした場合にはロータ5の回転数を無段変速部3の変速比に応じて適宜に設定できる。そのため、インホイールモータ1によれば、ロータ5の回転数を特性線図などから求まるエネルギ効率のよい回転数に設定することができる。また、インホイールモータ1は、電流を流すことによりトルクを発生するモータ部2とそのトルクを増減する変速比を無段階に変化させることのできる無段変速部3とを同心上に配置し、単一のアウターケース7の内部に収容した構成とすることができるので、全体としての構成をコンパクト化することが容易である。
つまり、インホイールモータ1は、ステータコイル6に電流を流すことによりロータ5にトルクが発生し、ロータ5が回転する。インホイールモータ1は、そのロータ5と出力軸21との間に無段変速部3が配置されており、その無段変速部3による変速比を適宜に変化させることにより、ロータ5の回転数がエネルギ効率の良好な回転数に設定される。また、インホイールモータ1は、無段変速部3がロータ5の内周側に収容されており、したがってステータコイル6およびロータ5ならびに無段変速部3が同心上に配置された構成となる。したがって、インホイールモータ1は、全体としての構成がコンパクトで、かつエネルギ効率を向上させることができる。
また、インホイールモータ1は、図7に示すように、全体が車輪26のホイール27の内周側に位置するように配置される。インホイールモータ1は、車輪26のホイール27のリム内に収められて各車輪26を駆動車輪として回転駆動可能に設けられている。この車輪26は、ホイール27にタイヤ28が装着されることで構成される。車輪26は、ホイール27の中心部に貫通孔が形成されており、その貫通孔に上述の出力軸21を嵌合させることにより、ホイール27がインホイールモータ1の出力軸21に取り付けられる。一方、インホイールモータ1は、不図示の車体に固定されている。具体的には、インホイールモータ1は、アウターケース7の円板部72が車体の適宜の箇所に接合されることにより、車体に取り付けられる。このような構成とすることにより、インホイールモータ1は、車体との接合面積を広くすることができるので、インホイールモータ1の車体に対する固定強度を大きくすることができる。
そして、上記のように構成されるインホイールモータ1は、モータ部2が電動機として機能し、すなわち、交流電流の供給を受けて駆動することでモータトルク(機械的動力)を発生しロータ5から出力する(力行機能)。インホイールモータ1は、ロータ5から出力されるこの正のモータトルクであるモータ出力トルクを無段変速部3のインプットディスク17、遊星ボール13、アウトプットディスク18、出力軸21などを介して車輪26に作用させることができる。この結果、インホイールモータ1を搭載した車両は、車輪26の路面との接地面に駆動力[N]が生じ、これにより走行することができる。
これに対して、インホイールモータ1は、モータ部2が発電機として機能し、すなわち、車輪26から無段変速部3の出力軸21、アウトプットディスク18、遊星ボール13、インプットディスク17などを介してロータ5が機械的動力を受けて回転することで回生により発電し、ロータ5に伝達された機械的動力を電力に変換する(回生機能)。そして、インホイールモータ1は、変換した電力をバッテリー(不図示)などに蓄える。
このとき、インホイールモータ1は、ロータ5に生じる回転抵抗により、ロータ5にこの回転を制動するモータ回生トルクが生じる(回生制動)。つまり、インホイールモータ1は、ロータ5に生じる負のモータトルクであるモータ回生トルクにより、ロータ5、インプットディスク17、遊星ボール13、アウトプットディスク18、出力軸21などの回転部材の回転を制動することができる。この結果、インホイールモータ1を搭載した車両は、車輪26の路面との接地面に制動力(負の駆動力)が生じ、これにより制動することができる。すなわち、インホイールモータ1は、回生制動時には、電力の回生により負のモータトルクであるモータ回生トルクを車輪26に作用させ、負の駆動力である制動力を車両に付与する。
なお、インホイールモータ1は、アウターケース7の軸方向での一端側が円板部72によって閉じられ、これとは反対側に出力軸21が突き出ているから、出力軸21からトルクを出力することにより出力軸21やこれを内周側から支持しているステータ軸8に曲げ荷重およびせん断荷重が作用する。インホイールモータ1は、このような荷重に対して十分耐え得る構造とするために、ステータ軸8を例えば図8に示す構造とすることが好ましい。この図8に示すステータ軸8は、キャリヤ15から突き出ている部分の外径d1が、アウターケース7に固定されている端部側の外径d2より大きく設定されている。また、ステータ軸8は、その大径側の部分にキャリヤ15の側面に密着するフランジ部29が形成されている。したがって、ステータ軸8は、図8に示す構成とすれば、キャリヤ15から突出していて曲げ荷重の掛かる部分の外径を大きくすることでその剛性が高くなるので、ステータ軸8の支持剛性を向上させることができる。
また、インホイールモータ1は、アウターケース7の内部の空間部に潤滑液を兼ねた冷却液が流されて、インホイールモータ1における摺動部の潤滑や冷却などが行われる。アウターケース7の内部に供給される冷却液(例えばトラクション油)は、このアウターケース7の内部の空間部を循環し、モータ部2の各部や無段変速部3で発生する熱を吸収してインホイールモータ1全体を冷却すると共に、インプットディスク17の接触面17a、アウトプットディスク18の接触面18aあるいはアイドラローラ12の外周面と遊星ボール13の外周面との接触箇所などの各部を潤滑する。
ところで、このようなインホイールモータ1は、図1に示すように、モータ部2の内側の摩耗粉発生部100にて種々の摩耗粉が発生するおそれがあり、このため、この摩耗粉を適正に処理することが望まれていた。
そこで、本実施形態のインホイールモータ1は、図1に示すように、摩耗粉発生部100にて発生する摩耗粉を捕集する摩耗粉捕集部110を備えることで、内部で生じる摩耗粉を適正に処理している。
ここで、摩耗粉発生部100は、インホイールモータ1においてモータ部2の内側に設けられ動作に応じて摩耗粉が発生しうる部分である。さらに具体的には、摩耗粉発生部100は、モータ部2のロータ5の径方向内側(内周側)に位置する。本実施形態の摩耗粉発生部100は、少なくとも無段変速部3を含んで構成される。
摩耗粉発生部100をなす無段変速部3は、上述したように、各部にトルク伝達部や摺動部などを含んで構成される。無段変速部3のトルク伝達部は、例えば、入力側カム機構19とインプットディスク17との接触部分、インプットディスク17の接触面17aと遊星ボール13の外周面との接触部分、アウトプットディスク18の接触面18aと遊星ボール13の外周面との接触部分あるいはアウトプットディスク18の出力側カム機構20との接触部分などであり、無段変速部3の摺動部は、アイドラプレート11の接触面11cと傾転用アーム14の接触面14aとの接触部分やアイドラローラ12の外周面と遊星ボール13の外周面との接触部分などである。
摩耗粉発生部100をなす無段変速部3は、これらトルク伝達部におけるトルクの伝達や摺動部における摺動に伴って無段変速部3の各部に作用する摩擦力などにより摩耗粉が発生しうる。
摩耗粉捕集部110は、モータ部2の内側に設けられ摩耗粉を捕集するものである。さらに具体的には、摩耗粉捕集部110は、モータ部2のロータ5の径方向内側(内周側)、摩耗粉発生部100の径方向外側(外周側)に位置する。本実施形態の摩耗粉捕集部110は、筒状に形成される筒状部材120の内面に設けられる溝部130を含んで構成される。
ここで、筒状部材120は、磁石を含んで筒状、具体的には、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成される部材であり、径方向内側(内周側)に摩耗粉発生部100、すなわち、無段変速部3を収容するものである。つまり、筒状部材120は、無段変速部3の径方向外側を覆うようにして収容する。本実施形態の筒状部材120は、モータ部2のロータ5である。
筒状部材120をなすロータ5は、円筒部51、フランジ部52、フランジ部53を含む全体が基本的には磁性体(例えば、スチール)により形成されると共に、上述したように、筒状本体部である円筒部51に複数の永久磁石が設けられている。摩耗粉発生部100をなす無段変速部3は、この円筒部51の径方向内側(内周側)に配置される。なお、本実施形態の筒状部材120をなすロータ5は、円筒部51、フランジ部52、フランジ部53が一体に、あるいはこれらが一体的に形成され、基本的には分割不能に形成される。
そして、摩耗粉捕集部110の溝部130は、筒状部材120をなすロータ5の円筒部51の内周面に複数形成される。各溝部130は、円筒部51の内周面に周方向に沿って円環状に形成されてもよいし、軸方向に沿って直線状に形成されてもよい。また、各溝部130は、円筒部51の内周面に波型状に形成されてもよいし、蛇行して形成されてもよい。また、各溝部130は、円筒部51の内周面に円形穴状に形成されてもよい。
上記のように構成されるインホイールモータ1は、摩耗粉発生部100をなす無段変速部3のトルク伝達部におけるトルクの伝達や摺動部における摺動に伴って無段変速部3の各部に作用する摩擦力などにより摩耗粉が発生し、この摩耗粉が例えばインホイールモータ1内部の冷却液に含有されうる。そして、この冷却液中の磁性体の摩耗粉は、筒状部材120をなすロータ5の永久磁石の磁力によりロータ5の内周面に吸着されると共に、このロータ5の内周面に形成された摩耗粉捕集部110の各溝部130内に捕集、つまり、捕獲され収容される。したがって、インホイールモータ1は、モータ部2の内周側で発生した摩耗粉をこのモータ部2の内周側の所定の位置に捕集することができ、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。この結果、インホイールモータ1は、遊星ボール13、インプットディスク17、アウトプットディスク18などの無段変速部3のトルク伝達部や摺動部等への摩耗粉の接触、付着を抑制することができ、よって、耐久性を向上することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ1によれば、筒状に形成されるステータ4及びロータ5を有するモータ部2と、モータ部2の内側に設けられ動作に応じて摩耗粉が発生しうる摩耗粉発生部100と、モータ部2の内側に設けられ摩耗粉を捕集する摩耗粉捕集部110とを備える。
したがって、インホイールモータ1は、モータ部2の内周側の摩耗粉発生部100にて発生した摩耗粉をこのモータ部2の内周側の摩耗粉捕集部110にて所定の位置に捕集することができ、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ1によれば、摩耗粉発生部100は、磁石を含んで筒状に形成される筒状部材120の内側に収容され、摩耗粉捕集部110は、筒状部材120の内面に設けられる溝部130を含んで構成される。したがって、インホイールモータ1は、筒状部材120の磁石の磁力により筒状部材120の内周面に摩耗粉を吸着させると共に、摩耗粉捕集部110の各溝部130内にこの摩耗粉を適正に捕集することができ、よって、インホイールモータ1の耐久性を確実に向上することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ1によれば、筒状部材120は、ロータ5である。したがって、インホイールモータ1は、モータ部2のロータ5を摩耗粉捕集部110の各溝部130を設ける筒状部材120として兼用することができることから、インホイールモータ1を構成する部品点数を抑制することができるので、インホイールモータ1の大型化及び製造コストの増加を抑制しつつ内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ1によれば、少なくとも一部分が車両の車輪26の内周側に設けられる。したがって、インホイールモータ1は、車両内部のスペースの有効活用、ホイール27の内周側の余剰スペースの有効活用、車両の低床化、ドライブシャフトやデファレンシャルギヤ等の駆動力伝達装置の省略、車輪26毎の回転数やトルクのきめ細かい制御あるいは車両姿勢の制御等を図った上で、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ1によれば、摩耗粉発生部100は、ロータ5の回転速度と、ロータ5から伝達される動力を出力可能な出力軸21の回転速度との比である変速比を無段階に変更可能な無段変速部3を含んで構成される。したがって、インホイールモータ1は、全体としての構成をコンパクトとし、かつエネルギ効率を向上させた上で、モータ部2の内周側の無段変速部3で発生した摩耗粉をこのモータ部2の内周側の所定の位置に捕集することができ、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
なお、以上で説明したインホイールモータ1では、変速部としての無段変速部3は、例えば、回転中心軸線を傾斜させることができかつ外周面が滑らかな曲面に形成された転動体としての遊星ボール13と、その遊星ボール13が外周面に接触した状態で外周側に配置された回転軸としてのアイドラローラ12と、遊星ボール13をその回転中心軸線に沿う方向の両側から遊星ボール13を挟み付けた状態にて遊星ボール13の外周面にトルク伝達可能に接触する2つの回転体としてのインプットディスク17、アウトプットディスク18とを備え、アイドラローラ12およびインプットディスク17、アウトプットディスク18のうちのいずれか1つここではインプットディスク17が入力部材としてロータ5に連結され、かつ他のいずれか1つここではアウトプットディスク18が出力部材として出力軸21に連結される。
また、以上で説明したインホイールモータ1では、変速部としての無段変速部3は、例えば、アイドラローラ12を回転自在に支持しかつ出力軸21の軸方向に前後動可能な軸受部材としてのアイドラプレート11と、遊星ボール13をその回転中心軸線に沿って貫通しかつ遊星ボール13を回転自在に支持している支持軸13aと、その支持軸13aの両端部に設けられるとともにアイドラプレート11の軸方向での両端部に向けて延びているアーム部としての傾転用アーム14と、アイドラプレート11と傾転用アーム14とが点接触もしくは線接触するようにアイドラプレート11と傾転用アーム14との少なくともいずれか一方に形成された凸曲面としての接触面11cとを備え、アイドラプレート11が軸方向に移動することによりアイドラプレート11が傾転用アーム14を押圧して支持軸13aおよび遊星ボール13を傾けるように構成される。
また、以上で説明したインホイールモータ1は、ロータ5と一方の回転体としてのインプットディスク17との間に作用するトルクを軸方向に向けた推力に変換してインプットディスク17を遊星ボール13に向けて押圧する第1カム機構としての入力側カム機構19が、ロータ5とインプットディスク17との間に設けられている。
また、以上で説明したインホイールモータ1は、出力部材とされる他方の回転体としてのアウトプットディスク18と出力軸21との間に作用するトルクを軸方向に向けた推力に変換してアウトプットディスク18を遊星ボール13に向けて押圧する第2カム機構としての出力側カム機構20が、出力軸21とアウトプットディスク18との間に設けられている。
また、以上で説明したインホイールモータ1は、ロータ5に永久磁石が取り付けられ、2つの回転体としてのインプットディスク17、アウトプットディスク18が遊星ボール13の外周面のうちロータ5側の位置で遊星ボール13に接触しており、かつ遊星ボール13が永久磁石によってロータ5側に吸引される磁性体を備えるように構成されてもよい。また、以上で説明したインホイールモータ1は、ロータ5に永久磁石が取り付けられ、2つの回転体としてのインプットディスク17、アウトプットディスク18が遊星ボール13の外周面のうちロータ5側の位置で遊星ボール13に接触しており、かつ遊星ボール13が非磁性体によって形成されていてもよい。
また、以上で説明したインホイールモータ1では、アウターケース7は、ステータコイル6が内周面に取り付けられた円筒部71と、その円筒部71の軸方向での一方の端部側に一体に形成された端板部としての円板部72とを備え、2つの回転体としてのインプットディスク17、アウトプットディスク18のうち円板部72に近い一方の回転体であるインプットディスク17がロータ5に連結され、かつ出力軸21は軸方向で円板部72とは反対方向に向けて突出するとともに2つの回転体としてのインプットディスク17、アウトプットディスク18のうちの他方の回転体であるアウトプットディスク18に連結されている。
(実施形態2)
図9は、本発明の実施形態2に係るインホイールモータの構成の一例を示す軸方向に沿った断面図、図10は、本発明の実施形態2に係るインホイールモータが備える摩耗粉捕集部を説明する軸方向に沿った模式的断面図である。実施形態2に係る回転電機は、実施形態1に係る回転電機と略同様の構成であるが摩耗粉捕集部の構成が実施形態1に係る回転電機とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
図9は、本発明の実施形態2に係るインホイールモータの構成の一例を示す軸方向に沿った断面図、図10は、本発明の実施形態2に係るインホイールモータが備える摩耗粉捕集部を説明する軸方向に沿った模式的断面図である。実施形態2に係る回転電機は、実施形態1に係る回転電機と略同様の構成であるが摩耗粉捕集部の構成が実施形態1に係る回転電機とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
本実施形態の回転電機としてのインホイールモータ201は、図9、図10に示すように、摩耗粉捕集部210を備えることで、内部で生じる摩耗粉を適正に処理している。
具体的には、摩耗粉捕集部210は、モータ部2のロータ5の径方向内側(内周側)、摩耗粉発生部100の径方向外側(外周側)に位置する。本実施形態の摩耗粉捕集部210は、実施形態1で説明した溝部130(図1参照)にかえて、筒状に形成される筒状部材220の内周面に接して設けられるカラー部240を含んで構成される。
ここで、筒状部材220は、モータ部2のロータ5である。筒状部材220をなすロータ5は、円筒部51、フランジ部52、フランジ部53を含む全体が基本的には磁性体(例えば、スチール)により形成されると共に、上述したように、筒状本体部である円筒部51に複数の永久磁石が設けられている。
そして、本実施形態の筒状部材220をなすロータ5は、所定の箇所で分割可能な構成となっている。すなわち、この筒状部材220をなすロータ5は、円筒部51と、側部円板部であるフランジ部53との間で分割可能な構成となっている。筒状部材220をなすロータ5は、円筒部51とフランジ部52とが一体に形成される。一方、筒状部材220をなすロータ5は、円筒部51とフランジ部53とが分割可能に別体に形成される。筒状部材220をなすロータ5は、図9に示すように、例えば、ボルト241などの固定具によりフランジ部53が円筒部51の軸方向のホイール側の端部に固定され、円筒部51と、フランジ部52と、フランジ部53とが一体化される。
摩耗粉捕集部210のカラー部240は、筒状部材220をなすロータ5の円筒部51の内周面に接して筒状に形成されると共に、円筒部51と分割可能なフランジ部53に設けられる。つまり、カラー部240は、回転軸線Xと同軸の円筒状に形成され、一方の端部が例えばスライド嵌合や圧入などによりフランジ部53に固定される。そして、カラー部240は、一方の端部がフランジ部53に固定され円筒部51とフランジ部53とが一体化された状態で、外周面がロータ5の円筒部51の内周面に内接するようにして配置される。また、カラー部240は、この状態で他方の端部がフランジ部52に接する位置まで延在している。そして、本実施形態のカラー部240は、非磁性体(例えば、アルミニウム)により形成されている。
上記のように構成されるインホイールモータ201は、摩耗粉発生部100をなす無段変速部3のトルク伝達部におけるトルクの伝達や摺動部における摺動に伴って無段変速部3の各部に作用する摩擦力などにより摩耗粉が発生し、この摩耗粉が例えばインホイールモータ201内部の冷却液に含有されうる。そして、この冷却液中の磁性体の摩耗粉は、筒状部材220をなすロータ5の永久磁石の磁力によりロータ5の内周面に内接するようにして設けられた摩耗粉捕集部210のカラー部240の内周面に吸着され捕集される。したがって、インホイールモータ201は、モータ部2の内周側で発生した摩耗粉をこのモータ部2の内周側の所定の位置に捕集することができ、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
そして、インホイールモータ201は、例えば、オーバーホールの際には、フランジ部53が円筒部51より鉛直方向下側に位置した状態で、図10に示すように、フランジ部53と共にカラー部240を円筒部51から抜き取り分離することで、カラー部240の内周面に吸着されていた摩耗粉がロータ5の永久磁石の磁力から解放され自重で落下し、フランジ部53とカラー部240とで区画された収容空間部内に収容される。この結果、インホイールモータ201は、フランジ部53とカラー部240とで区画された収容空間部内に収容され摩耗粉を容易にインホイールモータ201の外部に除去することができるので、インホイールモータ201の分解整備性を向上することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ201によれば、インホイールモータ201は、モータ部2の内周側の摩耗粉発生部100にて発生した摩耗粉をこのモータ部2の内周側の摩耗粉捕集部210にて所定の位置に捕集することができ、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ201によれば、摩耗粉発生部100は、磁石を含んで筒状に形成される筒状部材220の内側に収容され、摩耗粉捕集部210は、非磁性体からなり、筒状部材220の円筒部51の内面に接して筒状に形成されると共に、筒状部材220の円筒部51と分割可能なフランジ部53に設けられるカラー部240を含んで構成される。したがって、インホイールモータ201は、筒状部材220の磁石の磁力によりカラー部240の内周面に摩耗粉を吸着させ適正に捕集することができ、インホイールモータ201の分解整備性を向上することができる。
(実施形態3)
図11は、本発明の実施形態3に係るインホイールモータが備える摩耗粉捕集部を説明する軸方向に沿った模式的断面図である。実施形態3に係る回転電機は、実施形態2に係る回転電機と略同様の構成であるがカラー部が屈曲部を備える点で実施形態2に係る回転電機とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
図11は、本発明の実施形態3に係るインホイールモータが備える摩耗粉捕集部を説明する軸方向に沿った模式的断面図である。実施形態3に係る回転電機は、実施形態2に係る回転電機と略同様の構成であるがカラー部が屈曲部を備える点で実施形態2に係る回転電機とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
本実施形態の回転電機としてのインホイールモータ301は、図11に示すように、摩耗粉捕集部310を備えることで、内部で生じる摩耗粉を適正に処理している。この摩耗粉捕集部310は、カラー部240を含んで構成される。
そして、本実施形態のカラー部240は、一方の端部が上述のようにフランジ部53に固定され、他方の端部が筒状の内側に屈曲して屈曲部350をなす。屈曲部350は、カラー部240においてフランジ部52側の端部(カラー部240の引き抜き側とは反対側の端部)に設けられる円環板状の部分である。屈曲部350は、回転軸線Xと同軸の円環状に形成される。
上記のように構成されるインホイールモータ301は、フランジ部53と共にカラー部240を円筒部51から抜き取り分離する際に、カラー部240の内周面に吸着されていた摩耗粉をカラー部240の屈曲部350により確実にフランジ部53とカラー部240とで区画された収容空間部内に落下させ収容することができ、摩耗粉がロータ5の円筒部51の内周面に付着して残留したり、遊星ボール13、インプットディスク17、アウトプットディスク18などのモータ部2の内周側に位置する各部に付着したりすることを抑制することができる。この結果、インホイールモータ301は、インホイールモータ301の分解整備性をさらに向上することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ301によれば、インホイールモータ301は、モータ部2の内周側の摩耗粉発生部100にて発生した摩耗粉をこのモータ部2の内周側の摩耗粉捕集部310にて所定の位置に捕集することができ、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施形態に係るインホイールモータ301によれば、摩耗粉捕集部310のカラー部240は、一方の端部がフランジ部53に固定され、他方の端部が筒状の内側に屈曲して屈曲部350をなす。したがって、インホイールモータ301は、筒状部材220の磁石の磁力によりカラー部240の内周面に摩耗粉を吸着させ適正に捕集することができると共に、フランジ部53と共にカラー部240を円筒部51から抜き取り分離する際に、モータ部2の内部に摩耗粉が残留することを確実に抑制することができる。
なお、本実施形態のインホイールモータ301のように、カラー部240に屈曲部350を設ける場合、この屈曲部350にインプットディスク17や入力側カム機構19などが干渉しないように、適宜その大きさを調節すればよい。
なお、上述した本発明の実施形態に係る回転電機は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本発明の実施形態に係る回転電機は、以上で説明した実施形態を複数組み合わせることで構成してもよい。
以上の説明では、回転電機は、車両を駆動するための走行用駆動源であるものとして説明したが、車両の作業用回転電機や補機用回転電機などとして適用してもよいし、車両に限らず他の装置の電動機又は発電機として適用してもよい。
以上の説明では、回転電機は、少なくとも一部分が車両の車輪の内周側に設けられるインホイールモータであるものとして説明したがこれに限らない。
以上の説明では、摩耗粉発生部は、回転子の回転速度と、回転子から伝達される動力を出力可能な出力軸の回転速度との比である変速比を無段階に変更可能な変速部を含んで構成されるものとして説明したが、変速部以外の部分を含んでもよいし、また変速部を含まない構成であってもよい。
以上の説明では、回転電機本体部としてのモータ部2は、同期電動機であるものとして説明したが、同期電動機以外の構造のものであってもよい。また、以上の説明では、変速部としての無段変速部3は、アイドラローラによって支持されている遊星ボールに接触している一方のディスク(回転体)を入力部材とし、他方のディスク(回転体)を出力部材として構成したがこれに限らない。以上で説明した変速部としての無段変速部3は、回転軸としてのアイドラローラと2つ回転体としてのインプットディスク、アウトプットディスクの合計3つの回転要素を備えたいわゆる3要素の変速機構であるから、これら3つの回転要素のいずれか1つをアイドラーとし、かつ他の2つの回転要素のいずれか1つを入力要素、他のいずれか1つを出力要素としてもよい。
以上の説明では、転動体としての遊星ボール13に磁気吸引力を及ぼす構成とする場合、遊星ボール13自体を磁性体で構成するかわりに、遊星ボール13の外周部のみを磁性材料で構成するなど、一部に磁性体を備えた構成としてもよい。
以上の説明では、筒状部材は、回転電機本体部の回転子であるものとして説明したが、これに限らない。筒状部材は、回転電機本体部の回転子とは別個に設けられていてもよい。
以上のように、本発明に係る回転電機は、内部で生じる摩耗粉を適正に処理することができるものであり、種々の回転電機に適用して好適である。
1、201、301 インホイールモータ(回転電機)
2 モータ部(回転電機本体部)
3 無段変速部(変速部)
4 ステータ(固定子)
5 ロータ(回転子)
21 出力軸
26 車輪
27 ホイール
28 タイヤ
51 円筒部(筒状本体部)
52、53 フランジ部
100 摩耗粉発生部
110、210、310 摩耗粉捕集部
120、220 筒状部材
130 溝部
240 カラー部
350 屈曲部
X 回転軸線
2 モータ部(回転電機本体部)
3 無段変速部(変速部)
4 ステータ(固定子)
5 ロータ(回転子)
21 出力軸
26 車輪
27 ホイール
28 タイヤ
51 円筒部(筒状本体部)
52、53 フランジ部
100 摩耗粉発生部
110、210、310 摩耗粉捕集部
120、220 筒状部材
130 溝部
240 カラー部
350 屈曲部
X 回転軸線
Claims (7)
- 筒状に形成される固定子及び回転子を有する回転電機本体部と、
前記回転電機本体部の内側に設けられ動作に応じて摩耗粉が発生しうる摩耗粉発生部と、
前記回転電機本体部の内側に設けられ前記摩耗粉を捕集する摩耗粉捕集部とを備えることを特徴とする、
回転電機。 - 前記摩耗粉発生部は、磁石を含んで筒状に形成される筒状部材の内側に収容され、
前記摩耗粉捕集部は、前記筒状部材の内面に設けられる溝部を含んで構成される、
請求項1に記載の回転電機。 - 前記摩耗粉発生部は、磁石を含んで筒状に形成される筒状部材の内側に収容され、
前記摩耗粉捕集部は、非磁性体からなり、前記筒状部材の筒状本体部の内面に接して筒状に形成されると共に、前記筒状部材の前記筒状本体部と分割可能なフランジ部に設けられるカラー部を含んで構成される、
請求項1に記載の回転電機。 - 前記カラー部は、一方の端部が前記フランジ部に固定され、他方の端部が筒状の内側に屈曲して屈曲部をなす、
請求項3に記載の回転電機。 - 前記筒状部材は、前記回転子である、
請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。 - 少なくとも一部分が車両の車輪の内周側に設けられる、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。 - 前記摩耗粉発生部は、前記回転子の回転速度と、前記回転子から伝達される動力を出力可能な出力軸の回転速度との比である変速比を無段階に変更可能な変速部を含んで構成される、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転電機。
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