JP5246346B2 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP5246346B2
JP5246346B2 JP2011544125A JP2011544125A JP5246346B2 JP 5246346 B2 JP5246346 B2 JP 5246346B2 JP 2011544125 A JP2011544125 A JP 2011544125A JP 2011544125 A JP2011544125 A JP 2011544125A JP 5246346 B2 JP5246346 B2 JP 5246346B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
continuously variable
variable transmission
refrigerant
input
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011544125A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011067812A1 (ja
Inventor
裕之 小川
新 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Publication of JPWO2011067812A1 publication Critical patent/JPWO2011067812A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5246346B2 publication Critical patent/JP5246346B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/48Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members with members having orbital motion
    • F16H15/50Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/52Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of another member

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Motor Power Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、入力部材と、出力部材と、これらに挟持された回転部材と、を備え、その回転部材を傾転させることによって入力部材と出力部材との間で変速比を無段階に変化させる無段変速機構を有する無段変速機に関する。
下記の特許文献1には、この種の無段変速機について開示されている。また、従来、この種の無段変速機としては、入力部材たる入力ディスクと出力部材たる出力ディスクと回転部材たる摩擦ローラとを備え、その摩擦ローラの傾転角の変更により変速比を変えさせる所謂トロイダル型の無段変速機が知られている。例えば、このトロイダル型の無段変速機については、下記の特許文献2に開示されている。この特許文献2の無段変速機においては、変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて潤滑冷却液の流量を低下させている。尚、下記の特許文献3には、出力軸を中空状にして形成したオイル導入路と、モータケースを筒状のハウジング内に収納して形成したステータ冷却路と、そのオイル導入路にオイルを供給するオイル供給装置と、を備え、減速歯車機構を介してオイル導入路とステータ冷却路とを連通させることで、ステータコイルの冷却を行うインホイールモータについて開示されている。
特開2008−075878号公報 特開2004−052929号公報 特開2007−195320号公報
ところで、その無段変速機は、種々の摺動部を有しており、その摺動部の摺動に伴い発熱する。これが為、この無段変速機においては、そのような発熱を抑える等の冷却の手段を講ずる必要がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、適切な冷却が可能な無段変速機を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明では、入力部材と、出力部材と、これらに挟持された回転部材と、を備え、その回転部材を傾転させることによって前記入力部材と前記出力部材との間で変速比を無段階に変化させる無段変速機構を有する無段変速機において、冷媒の供給によって前記無段変速機構を冷却させるものであり、前記変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて前記冷媒の流量を増加させる冷却装置を設けている。
ここで、本発明では、前記無段変速機構を回転電機に内蔵してもよい。この場合、前記冷却装置は、前記回転電機の冷却も行うことが望ましい。
また、上記目的を達成する為、本発明では、入力部材と、出力部材と、これらに挟持された回転部材と、を備え、その回転部材を傾転させることによって前記入力部材と前記出力部材との間で変速比を無段階に変化させる無段変速機構を有する無段変速機において、冷媒の供給によって前記無段変速機構を冷却させる冷却装置と、前記変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて前記冷媒の流量を増加させる冷却性能調整装置と、を設けている。
ここで、その冷却性能調整装置は、前記冷媒の流量調整を行う流量調整装置を有することが望ましい。
また、その冷却装置は、前記無段変速機構を内蔵した回転電機の冷却も行うものとしてもよく、その際、前記冷却性能調整装置は、前記無段変速機構と前記回転電機の間に設けることが望ましい。
また、前記冷却装置は、前記回転部材を保持するキャリアの内部に前記冷媒を供給することで前記無段変速機構を冷却させるものであることが望ましい。
また、上記目的を達成する為、本発明では、ボール型ピニオンを持つトラクション遊星ギヤ機構を無段変速機構として有する無段変速機において、冷媒の供給によって前記無段変速機構を冷却させるものであり、その無段変速機構の変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて前記冷媒の流量を増加させる冷却装置を設けている。
本発明に係る無段変速機は、変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて無段変速機構の冷却装置の冷却性能を高める。つまり、この無段変速機は、変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるほど発熱量が大きくなるが、発熱量の大きい領域ほど冷却性能が高まるので、適切な冷却効果を発揮することができ、無段変速機構の耐久性を向上させることができる。更に、この無段変速機においては、把握可能な変速比の情報を契機にして冷却性能の調整が可能なので、温度センサ等の温度検知装置や温度推定装置等が不要となり、これにかかる原価の増大を抑えることができる。即ち、この無段変速機は、原価の増大を抑えつつ、無段変速機構の冷却性能、そして、無段変速機構の耐久性を向上させることができる。
また、この無段変速機は、無段変速機構を回転電機に内蔵した際に、その無段変速機構の冷却装置で回転電機も冷却させることによって、回転電機の冷却性能向上による耐久性の向上が図れるだけでなく、回転電機用の冷却装置を更に設けるよりも原価の低減と小型化が可能になる。また、この無段変速機は、無段変速機構の冷却装置に対しての冷却性能調整装置を無段変速機構と回転電機の間に設けることによって、無段変速機構と回転電機の双方を適切に冷却して耐久性を高めることができる。
図1は、本発明に係る無段変速機の実施例の構成を示す軸線方向に沿った断面図であり、インホイールモータに適用した場合の一例について示す図である。 図2は、本実施例の無段変速機の適用例の1つであるインホイールモータへの適用事例を説明する断面斜視図である。 図3は、本実施例の無段変速機が備えるシフト軸及びシフトキーについて示す図である。 図4は、本実施例の無段変速機の変速に係る要部の構成を示す軸線方向に対して垂直に切った断面図であり、インホイールモータに適用した場合の一例について示す図である。 図5は、本実施例の無段変速機が備える入力側カム機構と出力側カム機構の一例を説明する部分的な模式図である。 図6は、本実施例の無段変速機が備える遊星ボールの傾転角と変速比(速度比)との関係を示す線図である。 図7は、本実施例の無段変速機の適用例の1つであるインホイールモータへの適用事例を説明する断面斜視図であり、車輪への設置例を示す図である。 図8は、変速比と冷媒の流量の関係を示す線図である。 図9は、本実施例の無段変速機の適用例の1つであるインホイールモータへの適用事例を説明する断面斜視図であり、冷媒の流量調整装置を具備したものの図である。
以下に、本発明に係る無段変速機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る無段変速機の実施例を図1から図9に基づいて説明する。
本実施例の無段変速機は、入力部材と、出力部材と、これらに挟持された回転部材と、を備え、その回転部材を傾転させることによって入力部材と出力部材との間で変速比を無段階に変化させるものである。この種の無段変速機においては、入力部材と出力部材とを回転部材に押し付けることで相互間に摩擦力を発生させ、その摩擦力によって当該入力部材と当該出力部材との間でのトルク伝達を可能にする。例えば、この無段変速機は、複数の回転要素からなる所謂トラクション遊星ギヤ機構(例えばボール型ピニオンを持つトラクション遊星ギヤ機構)を無段変速機構として有するものである。後述する各種構成に即して説明するならば、この無段変速機は、入力軸と接続関係にある入力部材としてのインプットディスクと、出力軸と接続関係にある出力部材としてのアウトプットディスクと、回転部材としての遊星ボールと、を備える。この無段変速機においては、インプットディスクとアウトプットディスクを遊星ボールに押し付け、これら相互間に摩擦力を発生させることによって、インプットディスクとアウトプットディスクとの間でトルクを伝達させる。そして、この無段変速機においては、そのトルクの伝達可能な状態で、インプットディスクと遊星ボールの接触半径と、アウトプットディスクと遊星ボールの接触半径と、の比率を変更することで、そのインプットディスクの回転速度(回転数)とアウトプットディスクの回転速度(回転数)との比、換言するならば入力軸と出力軸の夫々の回転速度の比である変速比を無段階に変化させる。以下、図1を用いて詳述する。
図1の符号1は、本実施例の無段変速機を示す。この図1においては、後述するように、適用対象の一例であるインホイールモータ200の内側に配設した無段変速機1について図示している。この無段変速機1は、変速比を無段階に変化させる無段変速機構10と、この無段変速機構10を作動させるシフト機構20と、夫々にトルクの入出力軸としての機能を為す2本の回転トルク伝達軸と、を有している。本実施例においては、便宜上、一方の回転トルク伝達軸を入力軸30とし、他方の回転トルク伝達軸を出力軸40として説明するが、その入力側と出力側の関係を入れ替える、つまりその入力軸30を出力軸にすると共に出力軸40を入力軸にして構成することも可能である。また、その入力軸30が出力軸としても機能し、その出力軸40が入力軸としても機能するよう構成されたものであってもよい。尚、この無段変速機1がインホイールモータ200に適用された場合には、後述するように、その入力軸30が電動発電機部201のロータ230となる。
この無段変速機1においては、その入力軸30と出力軸40を同軸上に配置する。その入力軸30と出力軸40は、図1に示す如く、共通の回転軸Xを有する。以下においては、特に言及しない限り、その回転軸Xに沿う方向を軸線方向と云い、その回転軸X周りの方向を周方向と云う。また、その回転軸Xに直交する方向を径方向と云い、その中でも、内方に向けた側を径方向内側と、外方に向けた側を径方向外側と云う。
最初に、シフト機構20についての説明を行う。
本実施例のシフト機構20は、無段変速機1の中心軸21と、シフト軸22と、シフトキー23と、で構成する。このシフト機構20は、その中心軸21に対してシフト軸22とシフトキー23を相対移動させることによって、後述する無段変速機構10のアイドラプレート11を軸線方向に移動させ、変速比を無段階に変化させるものである。
その中心軸21は、回転軸Xを中心軸としたアイドラ軸であり、例えば図示しない車体や筐体等の無段変速機の固定部に固定する。つまり、この中心軸21は、その固定部に対して相対回転させぬよう構成した固定軸である。具体的に、この中心軸21は、回転軸Xを中心にして円柱状に成形したものであり、その軸線方向における一端を開口させた中空部21aと、この中空部21aと径方向外側の外部とを連通させる2つのスリット21bと、を有する。
その中空部21aは、回転軸Xを中心軸とした円柱状のものである。この中空部21aは、挿入されたシフト軸22を中心軸21に対して相対回転自在に支持する。例えば、その支持には、図示しない軸受等を利用すればよい。また、夫々のスリット21bは、図1及び図2に示すように、中心軸21の外周面から中空部21aに向けて貫通させた軸線方向が長手方向となる貫通孔である。この2つのスリット21bは、回転軸Xを中心にして対称となる位置に夫々形成する。
シフト軸22は、例えば円柱状に成形されたものであり、回転軸Xが中心軸となるよう中空部21aへと挿入された際に、その一端が中空部21aの軸線方向における壁面に当接し、他端が中空部21aによる開口から突出する長さに成形する。ここで、その中空部21aに挿入したシフト軸22は、後述するアウターケース204の円板部204bから突出させる。また、このシフト軸22は、中空部21aへと挿入された際の2つのスリット21bと対向する夫々の対応箇所を繋ぐ外周面に、周方向へと螺刻された図3に示す雄ネジ部22aを有する。
シフトキー23は、図3に示す如く、シフト軸22の雄ネジ部22aに螺合させる雌ネジ部23aを有する。この雌ネジ部23aは、円筒部の内周面に螺刻されたものである。また、このシフトキー23は、図3に示す如く、スリット21bに沿って長手方向に移動可能なキー部23bを有する。このキー部23bは、雌ネジ部23aが形成された円筒部の外周面から径方向外側に向けて突設した板状のものであり、スリット21b毎に設ける。具体的に、このキー部23bは、図1に示す如く、スリット21b内を貫通して、中心軸21の外周面よりも径方向外側に突出させる形状に成形する。また、このキー部23bは、図1に示す如く、その軸線方向の幅をスリット21bの長手方向の長さよりも短く成形する。従って、シフトキー23は、シフト軸22を周方向へと回転させた際に、キー部23bがスリット21bの周方向の壁面に係止されるので、雄ネジ部22aと雌ネジ部23aのネジの作用によって回転方向に応じた軸線方向へと移動する。つまり、このシフトキー23の夫々のキー部23bは、そのシフト軸22の回転によって、各々のスリット21b内を軸線方向へと往復移動することができる。ここで、そのシフト軸22は、図示しないシフト装置によって所望の周方向へと回転させる。例えば、そのシフト装置は、電動モータ等のアクチュエータを駆動源として備えており、必要とあればリンク機構も有している。
先ず、本実施例の無段変速機構10について詳述する。
この無段変速機構10は、アイドラプレート11と、軸受ボール12と、アイドラローラ13と、遊星ボール14と、傾転用アーム15と、キャリヤ16と、インプットディスク17と、アウトプットディスク18と、を備える。
アイドラプレート11は、アイドラローラ13を回転自在に支持する軸受部材である。このアイドラプレート11は、回転軸Xを中心とする円筒状に成形し、その内方に中心軸21を挿入する。具体的に、このアイドラプレート11は、その内周面の径を中心軸21の外周面の径よりも大きく成形し、その中心軸21に対する軸線方向への相対的な往復移動を可能にする。また、このアイドラプレート11は、その軸線方向の長さを例えばスリット21bの長手方向の長さと略同等に成形する。また、このアイドラプレート11は、軸線方向に沿って切った断面が径方向外側への先細り形状となるように成形する。
このアイドラプレート11は、中心軸21の外周部にシフトキー23の夫々のキー部23bを介して取り付ける。例えば、このアイドラプレート11には、その内周部に夫々のキー部23bの突出端を嵌合させる。従って、このアイドラプレート11は、シフトキー23の軸線方向への移動に伴って、中心軸21に対する軸線方向への相対的な往復移動を行う。
更に、このアイドラプレート11には、その外周面から径方向内側に向けた周方向の環状溝11aを形成する。この環状溝11aは、アイドラプレート11の軸線方向における中間部分に形成する。この環状溝11aにおいては、その底面と側壁面との夫々の環状の境界部分を円弧状となる滑らかな凹曲面に形成する。ここで、その環状の境界部分には、球状の軸受ボール12が配置される。つまり、この境界部分における凹曲面は、軸受ボール12を配置する軸受面になっている。
その軸受ボール12は、アイドラローラ13を周方向へと回転自在に支持するものである。
アイドラローラ13は、遊星ボール14の回転軸を為すものである。このアイドラローラ13は、回転軸Xを中心軸とする円筒状に主体部分を成形して、アイドラプレート11の環状溝11aの内部に相対回転自在に配設する。具体的に、このアイドラローラ13は、アイドラプレート11に対する周方向への滑らかな相対回転を実現させる範疇において、その軸線方向の長さを環状溝11aの溝幅と略同等に成形する。また、このアイドラローラ13は、その主体部分の内周面の軸線方向における中間部分に、その主体部分よりも軸線方向が短く、且つ、その主体部分よりも内壁面の径が小さい円筒部を有しており、その円筒部の軸線方向における内壁側の両端部分を軸受ボール12に接触させる。つまり、このアイドラローラ13は、環状溝11aの境界部分に配設された軸受ボール12を介して、アイドラプレート11に対する周方向への相対回転が自在となるようアイドラプレート11に支持されている。従って、このアイドラローラ13は、その主体部分の外周面に接する遊星ボール14の回転軸になることができ、また、アイドラプレート11の軸線方向への移動に伴って、このアイドラプレート11と共に中心軸21に対する軸線方向への相対的な往復移動を行うこともできる。
遊星ボール14は、転動体であり、トラクション遊星ギヤ機構におけるボール型ピニオンに相当する。この遊星ボール14は、図1及び図4に示す如く完全な球状体であることが好ましいが、その外周面が滑らかな曲面を成すものであれば、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。
この遊星ボール14は、その中心を通って貫通させた支持軸14aによって回転自在に支持する。例えば、遊星ボール14は、図4に示す如く、支持軸14aの外周面との間に配設した軸受14bによって、支持軸14aに対する相対回転(つまり自転)ができるようにしている。
その支持軸14aは、回転軸Xを含む平面上に中心軸が来るよう配設する。その基準となる位置は、図1に示すように、その中心軸が回転軸Xと平行になる位置である。ここで、支持軸14aは、その両端部を遊星ボール14の外周面(外周曲面)から突出させ、後述する傾転用アーム15に取り付ける。従って、この支持軸14aは、その傾転用アーム15の動きに伴い、図1の基準位置から傾斜させた位置に又は当該傾斜位置から基準位置に揺動(傾転)する。その傾転は、支持軸14aの中心軸と回転軸Xとを含む平面内で行われる。
ここで、遊星ボール14は、アイドラローラ13の外周側に複数個、例えば図3に示すように8個設ける。これが為、その遊星ボール14の数量に合わせて、支持軸14aと軸受14bも配設する。各遊星ボール14は、アイドラローラ13の外周面上を転動した際に各々の間で引き摺りトルクが生じないように、互いに所定の隙間を空けて、実質上、非接触にしている。
傾転用アーム15は、アイドラプレート11の軸線方向の移動に伴って、支持軸14aと遊星ボール14に傾転力を作用させ、その遊星ボール14の回転中心軸、即ち支持軸14aの中心軸を傾斜させる為の部材である。この傾転用アーム15は、回転軸Xに対して垂直方向へと延ばした形に成形及び配設する。具体的に、この傾転用アーム15は、その径方向内側の先端部を先細り形状に成形する。また、この傾転用アーム15は、支持軸14aの両端部に各々配設し、その夫々の支持軸14aの端部を径方向外側の端部に取り付ける。また、この傾転用アーム15は、中心軸21に対しての軸線方向への相対移動と周方向への相対回転をさせぬように配設する。
その両端部に取り付けた一対の傾転用アーム15は、支持軸14aと遊星ボール14毎に用意する。また、この一対の傾転用アーム15は、アイドラプレート11の軸線方向の両端部の壁面を各々の径方向内側の先端部における先細り形状の壁面で挟み込む。この一対の傾転用アーム15においては、その夫々の先細り形状の壁面がアイドラプレート11への接触面15aとなる。この一対の傾転用アーム15は、軸線方向にて対向する夫々の接触面15aによって径方向内側への外開き形状となるように先端部を成形する。
これに対して、アイドラプレート11においては、その軸線方向の両端部の夫々の壁面が各傾転用アーム15の接触面15aとの接触面11bとなる。このアイドラプレート11は、前述したように、軸線方向に沿って切った断面が径方向外側への先細り形状になっている。これが為、このアイドラプレート11においては、その両端部の接触面11bについても、その軸線方向に沿って切った断面が径方向外側への先細り形状になっている。ここでは、その夫々の接触面11bを軸線方向外側に向けた凸曲面状にしている。
このようにアイドラプレート11の接触面11bと傾転用アーム15の接触面15aを構成することで、アイドラプレート11と夫々の傾転用アーム15は、その接触面11bと接触面15aが点接触又は線接触する。従って、各々の接触箇所においては、アイドラプレート11が軸線方向に沿って移動する際の荷重が中心軸21に対して斜め外側を向いた力として各傾転用アーム15に作用する。傾転用アーム15は、その力によって支持軸14aを上記の平面内で傾斜させる。これが為、夫々の支持軸14aと遊星ボール14は、アイドラプレート11を軸線方向に移動させた際の傾転用アーム15への作用力によって、上記の平面内で傾斜することになる。
キャリヤ16は、所謂ステータドラムを成し、遊星ボール14と支持軸14aと傾転用アーム15を中心軸21に対して軸線方向に相対移動させぬよう保持するものである。このキャリヤ16は、回転軸Xを中心軸とする一対の円板部16aを有する。その夫々の円板部16aは、遊星ボール14、支持軸14a及び傾転用アーム15等を軸線方向にて挟む位置に、中心軸21に対する軸線方向への相対移動と周方向への相対回転をさせぬように配設する。
このキャリヤ16においては、図2に示すように、これら各円板部16aを複数本の連結軸16bで連結して、全体として籠状となるように構成する。これにより、このキャリヤ16は、外周面に開放部分を有することになる。各遊星ボール14は、その開放部分を介してキャリヤ16の外周面から径方向外側に一部分を突出させている。
このキャリヤ16においては、図2に示すように、各円板部16aの夫々の対向する面に、上述した一対の傾転用アーム15と同数の放射溝16cを形成する。その夫々の放射溝16cは、回転軸Xを中心にした放射状を成すものであり、周方向に沿って等間隔に形成する。各放射溝16cは、各傾転用アーム15に対応する位置、形状、大きさで形成される。例えば、各放射溝16cは、中心部から外周縁まで形成されている。ここで、各傾転用アーム15は、上述した傾転動作を行うことができると共に、中心軸21に対しての軸線方向への相対移動と周方向への相対回転をさせぬよう各々の放射溝16cの内部に配設する。
インプットディスク17とアウトプットディスク18は、キャリヤ16の開放部分から径方向外側に露出している各遊星ボール14の外周面に接触し、その各遊星ボール14との間で機械的動力、換言するならばトルクを相互に伝達させ得るものである。インプットディスク17は、後述する入力軸30からトルクが入力される入力側の回転体であり、無段変速機構10の入力部材を成すものである。一方、アウトプットディスク18は、インプットディスク17から各遊星ボール14を介して伝達されたトルクを後述する出力軸40に出力する出力側の回転体であり、無段変速機構10の出力部材を成すものである。
インプットディスク17とアウトプットディスク18は、各々回転軸Xを中心軸とする円環状に成形する。インプットディスク17とアウトプットディスク18は、軸線方向において対向させ、各遊星ボール14を挟み込むように配設する。インプットディスク17とアウトプットディスク18においては、各遊星ボール14の外周面と接触する接触面17a、18aを有している。その接触面17aは、インプットディスク17の径方向外側の端部に設ける。一方、接触面18aは、アウトプットディスク18の径方向外側の端部に設ける。夫々の接触面17a、18aは、遊星ボール14の外周面の曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面を成している。
インプットディスク17は、その外径が後述する入力軸30における円筒部材31の円筒部31aの内径よりも僅かに小さくなるように成形する。そして、このインプットディスク17は、軸線方向において、各遊星ボール14と円筒部材31の環状部31bとの間に配設する。これが為、このインプットディスク17の径方向外側の端部は、円筒部材31の環状部31bの環状面と軸線方向にて対向することになる。
一方、アウトプットディスク18は、その外径が円筒部材31の円筒部31aの内径よりも僅かに小さくなるように成形する。そして、このアウトプットディスク18は、軸線方向において、各遊星ボール14と後述する出力軸40における第2円筒部40cとの間に配設する。これが為、このアウトプットディスク18の径方向外側の端部は、その第2円筒部40cの環状の端面と軸線方向にて対向することになる。
本実施例の無段変速機1には、入力側カム機構51と出力側カム機構52とを設けている。
入力側カム機構51は、入力軸30における円筒部材31とインプットディスク17との間に作用するトルクを軸線方向に向けた推力に変換するものであり、例えばトルクカム機構を用いる。この入力側カム機構51は、円筒部材31の環状部31bの環状面とインプットディスク17の径方向外側の端部との間に配設する。この入力側カム機構51は、入力軸30と共に、外部からのトルクをインプットディスク17に伝えるトルク入力部を成す。
出力側カム機構52は、アウトプットディスク18と出力軸40との間に作用するトルクを軸線方向に向けた推力に変換するものであり、同様にトルクカム機構を用いればよい。この出力側カム機構52は、アウトプットディスク18の径方向外側の端部と出力軸40における第2円筒部40cの環状の端面との間に配設する。この出力側カム機構52は、出力軸40と共に、変速後のアウトプットディスク18のトルクを外部に伝えるトルク出力部を成す。
これら入力側カム機構51と出力側カム機構52の原理的な構成の一例を図5に示す。ここで例示する入力側カム機構51は、入力軸30が正転方向のトルクで回転して同一方向にインプットディスク17を回転させるとき又はインプットディスク17が逆転方向のトルクで回転して同一方向に入力軸30を回転させるときに、軸線方向の推力を発生させるものである。ここでは、便宜上、入力軸30等が或る一方の周方向に回転しているときを「正転」と云い、これとは逆方向に回転しているときを「逆転」と云うことにする。
入力側カム機構51は、回転軸Xを中心軸にして当該回転軸X上に対向させて配置した環状の第1回転部材51a及び第2回転部材51bと、これら第1回転部材51aと第2回転部材51bの夫々の対向する面に挟持されるカムローラ51cと、を有する。ここで、そのカムローラ51cは、第1回転部材51aと第2回転部材51bの互いに対向する面に各々形成したカム面51dにおいて挟持する。その夫々のカム面51dは、一方が基準面に対する軸線方向の間隔を正転時の周方向に向けて徐々に拡げるよう傾斜させ、他方が基準面に対する軸線方向の間隔を正転時の周方向に向けて徐々に狭めるよう傾斜させたものである。尚、その基準面とは、回転軸Xに対する垂線を含む仮想平面である。カムローラ51cは、複数個用意されており、その数に合わせてカム面51dも形成する。
ここでは、その第1回転部材51aを円筒部材31の環状部31bの環状面に一体となって回転するよう配設し、第2回転部材51bをインプットディスク17の径方向外側の端部に一体となって回転するよう配設する。これが為、この入力側カム機構51においては、入力軸30に正転方向のトルクが入力される又はインプットディスク17に逆転方向のトルクが入力されると、夫々のカム面51dの間隔が狭くなり、その夫々のカム面51dがカムローラ51cを挟み付けて相互に一体化される。従って、この入力側カム機構51においては、入力軸30に正転方向のトルクが入力された際に、そのトルクを円筒部材31からインプットディスク17に伝達し、インプットディスク17に逆転方向のトルクが入力された際に、そのトルクをインプットディスク17から円筒部材31(入力軸30)に伝達する。
更に、この入力側カム機構51においては、入力軸30に正転方向のトルクが入力された際又はインプットディスク17に逆転方向のトルクが入力された際に、そのトルクとカム面51dの傾斜角度に応じて軸線方向の推力を生じさせる。これについて、概略的に説明する。入力トルクをTin、カムローラ51cの個数をn、カムローラ51cが設けられている箇所の第1回転部材51aと第2回転部材51bでの半径をrとすると、カムローラ51cを挟み付けている箇所における円周方向(接線方向)の荷重Ftは、下記の式1で表すことができる。
Ft=Tin/(n・r) ・・・ (1)
そして、カム面51dの傾斜角度をαとすると、軸線方向に作用する推力Faは、下記の式2で表すことができる。
Fa=Ft/tan(α/2) ・・・ (2)
ここで、出力側カム機構52は、その入力側カム機構51と同様の構成を有している。つまり、出力側カム機構52は、第1回転部材52aと、第2回転部材52bと、カムローラ52cと、カム面52dと、を備えている。ここでは、第1回転部材52aをアウトプットディスク18の径方向外側の端部に一体となって回転するよう配設し、第2回転部材52bを後述する出力軸40における第2円筒部40cの環状の端面に一体となって回転するよう配設する。これにより、この出力側カム機構52においては、アウトプットディスク18に正転方向のトルクが入力される又は出力軸40に逆転方向のトルクが入力されると、夫々のカム面52dの間隔が狭くなり、その夫々のカム面52dがカムローラ52cを挟み付けて相互に一体化される。従って、この出力側カム機構52においては、アウトプットディスク18に正転方向のトルクが入力された際に、そのトルクをアウトプットディスク18から出力軸40に伝達し、出力軸40に逆転方向のトルクが入力された際に、そのトルクを出力軸40からアウトプットディスク18に伝達する。また、この出力側カム機構52においては、アウトプットディスク18に正転方向のトルクが入力された際又は出力軸40に逆転方向のトルクが入力された際に、そのトルクとカム面52dの傾斜角度に応じた軸線方向の推力を生じさせる。
このように、この無段変速機構10においては、入力軸30に正転方向のトルクが入力される又はインプットディスク17に逆転方向のトルクが入力されると、そのトルクが入力側カム機構51を介して入力軸30とインプットディスク17との間で伝達されると共に、そのトルクに応じた軸線方向の推力が生じる。そして、その際には、その推力によってインプットディスク17が夫々の遊星ボール14に押し付けられる。また、アウトプットディスク18に正転方向のトルクが入力される又は出力軸40に逆転方向のトルクが入力されると、そのトルクが出力側カム機構52を介してアウトプットディスク18と出力軸40との間で伝達されると共に、そのトルクに応じた軸線方向の推力が生じる。そして、その際には、その推力によってアウトプットディスク18が夫々の遊星ボール14に押し付けられる。この無段変速機構10においては、その入力側カム機構51と出力側カム機構52の夫々の推力、インプットディスク17と夫々の遊星ボール14との間の摩擦係数、及びアウトプットディスク18と夫々の遊星ボール14との間の摩擦係数に応じて伝達トルク容量が設定される。
この無段変速機構10においては、上述したように、入出力側の夫々のトルクに応じてインプットディスク17とアウトプットディスク18が各遊星ボール14に押し付けられる。
本実施例の入力軸30は、インプットハブを成すものであり、回転軸Xを中心軸として円筒状に成形された円筒部材31と、回転軸Xを中心軸として円環の板状に成形された環状部材32と、を備える。
円筒部材31は、回転軸Xを中心軸とした円筒部31aと、この円筒部31aの一端(インホイールモータ200に適用された際の車体側の端部)を外周側にして径方向内側に延設されたフランジの如き環状部31bと、で構成する。その環状部31bは、入力側カム機構51を介して入力軸30のトルクを無段変速機構10に伝える一方、その無段変速機構10からのトルクが入力側カム機構51を介して入力されるものでもある。
環状部材32は、その外径が円筒部材31の円筒部31aの外径と略同等に設定されており、その円筒部材31の他端(インホイールモータ200に適用された際のホイール側の端部)に一体となって回転し得るよう配設する。この環状部材32の内径は、円筒部材31の環状部31bの内径よりも小さく設定されている。
この入力軸30は、ラジアル軸受RB1、RB2及びスラスト軸受TB1を介して、中心軸21に対する回転軸Xを回転中心とした相対回転が行えるように支持する。
そのラジアル軸受RB1は、入力軸30と後述するインホイールモータ200に適用された際のアウターケース204との間に配設する。入力軸30の円筒部材31における環状部31bには、ラジアル軸受RB1を軸線方向における入力側カム機構51とは反対側の環状の壁面と径方向内側の内周面とで保持する段付き部が形成されている。また、アウターケース204の円板部204bには、ラジアル軸受RB1を軸線方向における壁面(底面)と径方向外側の外周面とで保持する段付き部が形成されている。ラジアル軸受RB1は、その外輪を環状部31bの段付き部の内周面に嵌合させると共に、内輪を円板部204bの段付き部の外周面に嵌合させ、入力軸30とアウターケース204との間の相対回転を可能にする。後述するように、アウターケース204の円板部204bは中心軸21(ステータ軸221)に嵌合されているので、入力軸30は、車体に対して不動の中心軸21に対して、換言するならばインホイールモータ200に適用された際のアウターケース204及びステータ軸221(つまりステータ202)に対して、回転軸Xを回転中心とした相対回転を行うことができる。
ラジアル軸受RB2は、入力軸30と後述する出力軸40との間に配設する。入力軸30の環状部材32の内周面側には、ラジアル軸受RB2を軸線方向における環状の壁面と径方向内側の内周面とで保持する段付き部が形成されている。ラジアル軸受RB2は、その外輪を環状部材32の段付き部の内周面に嵌合させると共に、内輪を出力軸40の第1円筒部40aの外周面に嵌合させ、入力軸30と出力軸40との間の相対回転を可能にする。
スラスト軸受TB1は、入力軸30の環状部材32と出力軸40の後述する環状部40bとの対向している面の間に配設する。このスラスト軸受TB1は、入力軸30と出力軸40との間の相対回転を可能にする一方、これらの間の軸線方向への相対移動を禁止する部材である。
このように、入力軸30は、後述するステータ202と出力軸40の双方に対する相対回転を行うことができる。
続いて、本実施例の出力軸40は、無段変速機構10のアウトプットディスク18から出力側カム機構52を介して伝えられた出力トルクを外部に出力するアウトプットハブである。
この出力軸40は、回転軸Xを中心軸とした第1円筒部40aと、この第1円筒部40aの無段変速機構10側の一端を内周側にして径方向外側に延設されたフランジの如き環状部40bと、この環状部40bの外周側の端部から無段変速機構10側に向けて延設した第2円筒部40cと、で構成する。
その第1円筒部40aは、入力軸30の環状部材32に対して径方向内側に配置する。また、環状部40bは、その環状部材32よりも無段変速機構10側に配置し、第2円筒部40cは、入力軸30の円筒部材31に対して径方向内側に配置する。ここで、その環状部40bと第2円筒部40cの夫々の外径は、アウトプットディスク18の外径と略同等の大きさに成形する。つまり、環状部40bと第2円筒部40cの夫々の外径は、円筒部材31の円筒部31aの内径よりも僅かに小さくなるように成形されている。
その第2円筒部40cは、出力側カム機構52を介して無段変速機構10の出力トルクが伝達される一方、出力側カム機構52を介して車輪300からのトルクを無段変速機構10に伝えることもできる。
この出力軸40は、その第1円筒部40aの内周面において、ラジアル軸受RB3,RB4を介し、中心軸21に対して相対回転自在に支持させる。そのラジアル軸受RB3,RB4は、外輪を第1円筒部40aの内周面に嵌合させると共に、内輪を中心軸21の外周面に嵌合させ、出力軸40と中心軸21との相対回転を可能にする。つまり、出力軸40は、中心軸21(インホイールモータ200に適用された際のステータ202)に対して、回転軸Xを回転中心とした相対回転を行うことができる。
以上の様に構成した本実施例の無段変速機1においては、入力軸30に正転方向のトルクが入力されると、この入力軸30がトルクの回転方向に応じて中心軸21に対する相対回転を行う。その際、この無段変速機1においては、入力軸30とインプットディスク17とが一体になって正転方向に回転するよう入力側カム機構51によって連結されるので、そのインプットディスク17に入力軸30のトルクが伝わる。更に、その際には、入力軸30のトルクに応じた軸線方向の推力が入力側カム機構51で発生し、インプットディスク17が各遊星ボール14に対して押し付けられる。
これにより、この無段変速機1においては、インプットディスク17の接触面17aと夫々の遊星ボール14の外周面との間で生じる摩擦力によって、インプットディスク17から各遊星ボール14に対してトルクが伝達される。その際、夫々の遊星ボール14は、その中心を貫通する支持軸14a及びアイドラローラ13によって回転自在に支持されているので、インプットディスク17から伝達されたトルクによって自転する。そして、アイドラローラ13は、遊星ボール14の自転に伴って、回転軸Xを中心に回転する。この自転状態にある夫々の遊星ボール14は、その外周面において、アウトプットディスク18の接触面18aにも接触している。これが為、その接触部分においても摩擦力が生じるので、アウトプットディスク18には、その摩擦力によって、夫々の遊星ボール14からトルクが伝達される。アウトプットディスク18は、その夫々の遊星ボール14からのトルクによって、入力軸30やインプットディスク17と同一の方向へと中心軸21に対する相対回転を行う。
そのアウトプットディスク18には、出力側カム機構52を介して出力軸40が連結されている。これが為、この無段変速機1においては、アウトプットディスク18と出力軸40とが一体になって正転方向に回転するよう出力側カム機構52によって連結されるので、その出力軸40にアウトプットディスク18のトルクが伝わる。また、その際には、アウトプットディスク18のトルクに応じた軸線方向の推力が出力側カム機構52で発生し、アウトプットディスク18が各遊星ボール14に対して押し付けられる。
この結果、本実施例の無段変速機1は、入力軸30の正転時に、インプットディスク17とアウトプットディスク18を夫々の遊星ボール14に押し付けることができる。そして、これにより、この無段変速機1においては、インプットディスク17及びアウトプットディスク18と各遊星ボール14との間に接触圧力を発生させることができ、その接触圧力に応じた伝達トルク容量を確保することができる。従って、この無段変速機1においては、入力軸30のトルクが、その伝達トルク容量に応じたトルクとなって出力軸40に伝達されるようになる。そして、その出力軸40からは、外部に対してトルクが出力される。
その出力軸40に伝達されるトルクは、換言するならば、入力軸30のトルクを無段変速機構10の変速比に応じて増減させたものである。その無段変速機構10において、変速比は、支持軸14aと共に遊星ボール14が傾転する傾転角に応じたものとなる。これが為、この無段変速機1においては、アイドラローラ13を回転自在に支持しているアイドラプレート11をシフト機構20で軸線方向に移動させることにより夫々の遊星ボール14を傾転させて、入力軸30と出力軸40との回転数の比である変速比を連続的に変化させる。
この無段変速機構10においては、インプットディスク17とアウトプットディスク18の半径が同じならば、支持軸14aが中心軸21と平行になっているときに、インプットディスク17の接触面17aと各遊星ボール14の外周面が接触している箇所における回転軸Xからの半径(接触半径)と、アウトプットディスク18の接触面18aと各遊星ボール14の外周面が接触している箇所における回転軸Xからの半径(接触半径)と、が同じになり、変速比が「1」になる。
これに対して、この無段変速機構10においては、シフト機構20の動作に伴い支持軸14aが中心軸21に対して傾転しているときに、インプットディスク17と各遊星ボール14との間の接触半径又はアウトプットディスク18と各遊星ボール14との間の接触半径の内の何れか一方が各遊星ボール14の傾転角に応じて増大し、他方がその傾転角に応じて減少する。従って、この無段変速機構10においては、その接触半径の変化に応じてインプットディスク17の回転数に対するアウトプットディスク18の回転数が変化する。これにより、これらの回転数の比率である変速比は、図6に示すように、その傾転角に応じて変化することになる。尚、その図6は、インプットディスク17の回転数を「1」とした場合のアウトプットディスク18の回転数を傾転角毎にプロットし、各点を線で結んだものである。
次に、逆転方向のトルクが出力軸40に入力されたときの様な出力軸40が逆転している場合について説明する。
この場合、その出力軸40がトルクの回転方向に応じて中心軸21に対する相対回転を行う。その際、この無段変速機1においては、出力軸40とアウトプットディスク18とが一体になって逆転方向に回転するよう出力側カム機構52によって連結されるので、そのアウトプットディスク18に出力軸40のトルクが伝わる。更に、その際には、出力軸40のトルクに応じた軸線方向の推力が出力側カム機構52で発生し、アウトプットディスク18が各遊星ボール14に対して押し付けられる。
これにより、この無段変速機1においては、アウトプットディスク18の接触面18aと夫々の遊星ボール14の外周面との間で生じる摩擦力によって、アウトプットディスク18から各遊星ボール14に対してトルクが伝達される。その際、夫々の遊星ボール14がアウトプットディスク18から伝達されたトルクによって自転するので、アイドラローラ13は、その遊星ボール14の自転に伴って、回転軸Xを中心に回転する。この自転状態にある夫々の遊星ボール14の外周面はインプットディスク17の接触面17aにも接触しているので、その接触部分において生じた摩擦力によって、インプットディスク17には、夫々の遊星ボール14からトルクが伝達される。インプットディスク17は、その夫々の遊星ボール14からのトルクによって、出力軸40やアウトプットディスク18と同一の方向へと中心軸21に対する相対回転を行う。
この無段変速機1においては、インプットディスク17と入力軸30とが一体になって逆転方向に回転するよう入力側カム機構51によって連結されるので、その入力軸30にインプットディスク17のトルクが伝わる。また、その際には、インプットディスク17のトルクに応じた軸線方向の推力が入力側カム機構51で発生し、インプットディスク17が各遊星ボール14に対して押し付けられる。
この結果、本実施例の無段変速機1は、出力軸40の逆転時に、インプットディスク17とアウトプットディスク18を夫々の遊星ボール14に押し付けることができる。そして、これにより、この無段変速機1においては、インプットディスク17及びアウトプットディスク18と各遊星ボール14との間に接触圧力を発生させることができ、その接触圧力に応じた伝達トルク容量を確保することができる。従って、この無段変速機1においては、出力軸40のトルクが、その伝達トルク容量に応じたトルクとなって入力軸30に伝達されるようになる。その入力軸30に伝達されるトルクは、換言するならば、出力軸40に入力されたトルクを無段変速機構10の変速比に応じて増減させたものである。
ここで、この無段変速機1の具体的な適用例の1つを示す。その具体例としては、電気エネルギを機械エネルギに変換して出力する電動機としての機能(力行機能)と、機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)と、を兼ね備えている回転電機であり、変速機能内蔵型のものへの適用が考えられる。以下においては、少なくとも一部分が車両の車輪のホイールの内側に配置される電動機、つまりハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicle)、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)等の車両で主に走行用の駆動源として使用される所謂インホイールモータへの適用例として説明する。
図1の符号200は、ここで例示するインホイールモータを示す。このインホイールモータ200は、その少なくとも一部分が図7に示す車輪300のホイール301の内側に当該車輪300を回転駆動し得るよう配置されるものであり、車両において駆動輪として使用する車輪300毎に配設する。
このインホイールモータ200は、回転電機本体としての電動発電機部201と変速部としての上述した無段変速機1とを備えており、その電動発電機部201と無段変速機1を夫々の回転中心が車輪300と同じ回転中心(図1に示す回転軸X)となるように配置する。つまり、このインホイールモータ200は、電動発電機部201における後述するステータ202及びロータ230の回転中心と、無段変速機構10の回転中心と、車輪300の回転中心と、が回転軸Xで一致するように各要素が位置決めされている。
このインホイールモータ200は、そのような配置を採ることによって、例えば、車両内部のスペースの有効活用、ホイール301の径方向内側の余剰スペースの有効活用、車両の低床化、ドライブシャフトやデファレンシャルギヤ等の駆動力伝達装置の省略、車輪300毎の回転数やトルクのきめ細かい制御又は車両姿勢の制御等を図るものである。
このインホイールモータ200においては、電動発電機部201を全体として回転軸Xと同軸の円筒状に形成すると共に、この電動発電機部201の径方向内側(即ち電動発電機部201の内周面よりも内側)に無段変速機1を配置する。換言するならば、その無段変速機1は、径方向外側において電動発電機部201で覆われている。
このインホイールモータ200において、電動発電機部201は、電気エネルギが機械エネルギに変換されてできた動力(トルク)を後述するロータ230から出力して車輪300を回転駆動させる電動機としての機能(力行機能)と、車輪300側から伝わってきたトルクがロータ230に入力された際に、その入力トルクを機械エネルギから電気エネルギに変換して回収することが可能な発電機としての機能(回生機能)と、兼ね備えたものである。また、このインホイールモータ200において、無段変速機1は、その入力軸30を電動発電機部201のロータ230として構成すると共に、その出力軸40をインホイールモータ200の出力軸として構成し、その入力軸30(ロータ230)の回転速度と出力軸40の回転速度との比である変速比を無段階に変更することができるものである。つまり、このインホイールモータ200は、無段変速機1を介在させることによって、車輪300の回転数に拘わらず常にエネルギ効率の良い回転数で電動発電機部201を駆動させるものである。そして、更に、このインホイールモータ200は、無段変速機1を円筒状の電動発電機部201の内側に内蔵することで装置のコンパクト化を図るものでもある。
具体的に、電動発電機部201は、電動機又は発電機として作動し得るものであり、基本的に永久磁石式同期電動機として構成する。この電動発電機部201は、固定子としてのステータ202と、回転子としてのロータ230と、を有する。そのステータ202とロータ230は、回転軸Xを中心軸とする円筒状に成形する。この電動発電機部201においては、そのロータ230の径方向外側を覆うようにステータ202が配置される。つまり、ロータ230は、ステータ202の径方向内側に配置される。
そのステータ202は、電力が供給されることで所定の磁界を形成するものである。このステータ202は、ステータコイル203とアウターケース204とを備えており、これらの構成部品によって、全体として、軸線方向の車体側の一端を閉塞させると共にホイール側の他端を開放させた回転軸Xを中心軸とする円筒状を成している。
ステータコイル203は、ステータコア(ステータ鉄心)に巻き付けた複数のコイルからなる。その夫々のコイルは、アウターケース204の後述する円筒部204aの内周面に周方向に沿って略等間隔に配置して固定する(図2)。そのステータコアには、電磁鋼板を積層して構成されたものや、圧粉磁心により構成されたものを用いる。
このステータコイル203は、例えば、三相ケーブル等を介して車両の駆動ECU(Electrical Control Unit)たる駆動制御装置(図示略)に電気的に接続する。例えば、この駆動制御装置には、車両の統合ECUたる統合制御装置(図示略)からインホイールモータ200が出力すべきトルクの指令値が送られる。その指令を受けた駆動制御装置は、そのトルクの出力に必要な制御電流を生成し、三相ケーブルを介してステータコイル203に供給する。このとき、駆動制御装置からは、電力が例えばインバータ等で高電圧に変換されてステータコイル203へと供給される。
アウターケース204は、底部のある筒状の部材であり、無段変速機1の中心軸21をステータ軸221として共有すると共に、円筒部204aと円板部204bとを有する。その円筒部204aは、回転軸Xを中心軸とし、ロータ230(入力軸30)の外径よりも大きな内径を有する円筒状に成形されたものである。この円筒部204aは、その内周面でロータ230の外周面を覆うように配置して、その外周面との間でステータコイル203を成す夫々のコイルを保持する。一方、円板部204bは、円筒部204aの車体側の一端の開口を閉塞させるべく設けた回転軸Xを中心軸とする円板状のものである。このアウターケース204においては、円筒部204aと円板部204bとが一体化されることで、その円板部204bが円筒部204aの底部となる。また、このアウターケース204は、その円板部204bにおいて車体に対する固定軸であるステータ軸221に嵌合させる。尚、ここでのステータ軸221は、無段変速機1の中心軸21と同じ形状のものであり、シフト機構20を成すシフト軸22等を備えている。
このステータ202を成すアウターケース204は、ステータコイル203を保持する保持部材であると共に、インホイールモータ200の各部の径方向外側を覆うようにして収容する外包部材としても兼用される。即ち、電動発電機部201のロータ230や無段変速機1は、このアウターケース204の径方向内側の円柱状の空間部分に収容される。円板部204bには、収容された無段変速機1と対向する面に、ラジアル軸受RB1の軸線方向及び径方向内側を保持する段付き部が形成されている。
一方、ロータ230は、ステータ202のステータコイル203が形成する磁界の磁気を受けて回転駆動し、機械的動力、つまり回転軸Xを中心とするトルクを発生させるものである。このロータ230は、ステータ202を成すアウターケース204の径方向内側で且つステータコイル203の径方向内側(つまりステータ202の内側)に配置する。つまり、このロータ230は、全体がステータコイル203の径方向内側へと収容されるようにアウターケース204の内側に挿入される。
このロータ230は、無段変速機1の入力軸30と同じ形状のものであり、同様の環状部31bを有する円筒部材31と環状部材32とを備えている。無段変速機1をインホイールモータ200に適用した場合、円筒部材31の円筒部31aは、その外径をアウターケース204の円筒部204aの内径よりも小さく設定する。また、このロータ230は、その軸線方向に沿った長さ、つまり円筒部材31の軸線方向に沿った長さと環状部材32の肉厚の合計がアウターケース204の円筒部204aの軸線方向に沿った長さと略同等に設定する。
ここで、このロータ230においては、その円筒部材31がロータコア(ロータ鉄心)を成す。これが為、円筒部材31は、複数の永久磁石(図示略)を備えている。その夫々の永久磁石は、例えば、円筒部材31の周方向に沿って略等間隔で設けられており、周方向に隣り合う2つの永久磁石の極性が互いに異なるように設定されている。このロータ230は、複数の永久磁石が円筒部材31に埋め込まれて設けられる埋込磁石型の永久磁石ロータであってもよく、複数の永久磁石が円筒部材31の表面に設けられる表面磁石型の永久磁石ロータであってもよい。
このロータ230は、入力軸30と同様に、ラジアル軸受RB1、RB2及びスラスト軸受TB1を介して、ステータ202や出力軸40に対する回転軸Xを回転中心とした相対回転が行えるように支持されている。
このように構成したインホイールモータ200は、図7に示すように、全体が車輪300のホイール301の内側に位置するように配置し、その車輪300を駆動輪として回転駆動可能にする。タイヤ302が装着されたホイール301は、その中心部に貫通孔が形成されており、その貫通孔に出力軸40の第1円筒部40aを嵌合させることによって、インホイールモータ200に取り付ける。また、インホイールモータ200は、図示しない車体に固定する。具体的に、このインホイールモータ200は、アウターケース204の円板部204bが車体の適宜の箇所に接合されることにより、車体に取り付けられる。このような構成とすることにより、インホイールモータ200は、車体との接合面積を広くすることができるので、インホイールモータ200の車体に対する固定強度を大きくすることができる。
このインホイールモータ200においては、制御された交流電流をステータコイル203に流すことによって、電動発電機部201が電動機として作動し、ロータ230に正転方向のトルク(正のモータトルク)が生じる。そのロータ230は、ラジアル軸受RB1、RB2及びスラスト軸受TB1によって回転自在に支持されているので、そのモータトルクの発生によって正転方向に回転し、その正のモータトルクであるモータ出力トルクを出力する。
このインホイールモータ200においては、そのロータ230のモータ出力トルクが前述した入力軸30のトルクと同義であり、上述した入力軸30の正転時と同様に無段変速機1が作動する。従って、このインホイールモータ200は、電動発電機部201のロータ230で発生したモータ出力トルクを無段変速機1の伝達トルク容量(変速比)に応じたトルクにして出力軸40に伝達し、その出力軸40のトルクで車輪300を回転駆動させる。これにより、車輪300の路面との接地面に駆動力[N]が生じるので、車両は、前進走行することができる。
一方、車両の減速時等には、インホイールモータ200の出力軸40に逆転方向のトルクが入力される。これにより、無段変速機1は、上述した出力軸40の逆転時と同様に作動し、その出力軸40のトルクを伝達トルク容量(変速比)に応じたトルクにしてロータ230に伝える。そのロータ230に伝達されたトルクは、逆転方向に働く。これが為、このインホイールモータ200は、電動発電機部201を発電機として作動させることによって、ロータ230のトルクを電力に変換し、バッテリ(図示略)に蓄電させることができる。
その際、インホイールモータ200においては、ロータ230に生じる回転抵抗によって、その回転を制動するモータ回生トルクがロータ230に生じる。つまり、このインホイールモータ200は、ロータ230に生じる負のモータトルクであるモータ回生トルクにより、ロータ230、インプットディスク17、遊星ボール14、アウトプットディスク18、出力軸40等の回転部材の回転を制動することができる。従って、このインホイールモータ200を搭載した車両は、車輪300の路面との接地面に制動力(負の駆動力)が生じるので、制動することができる。即ち、このインホイールモータ200は、電力の回生によるモータ回生トルクを車輪300に作用させ、負の駆動力である制動力を車両に働かせるという回生制動を行わせることができる。
このように、このインホイールモータ200は、変速比を無段階(連続的)に変化可能な無段変速機1によって、ステータコイル203に電流を流してロータ230で発生させたトルクを変速比に応じて増減し、この増減後のトルクを出力軸40から出力することができる。また、このインホイールモータ200は、車両において電力の回生及び回生制動を実現させることができる。更に、このインホイールモータ200においては、出力軸40の回転数を一定とした場合に、ロータ230の回転数を無段変速機1の変速比に応じて適宜設定することができる。これが為、このインホイールモータ200においては、ロータ230の回転数を特性線図等から求まるエネルギ効率の良い回転数に設定することができる。つまり、このインホイールモータ200においては、ステータコイル203に電流を流してロータ230にトルクを発生させることでロータ230が回転するのであるが、その際にロータ230と出力軸40との間に配置した無段変速機1の変速比を適宜変化させることによって、ロータ230の回転数がエネルギ効率の良好な回転数に設定される。また、このインホイールモータ200は、電流を流すことによりトルクを発生させる電動発電機部201とそのトルクを増減させる為の変速比を無段階に変化可能な無段変速機1とを同心上に配置し、これらを単一のアウターケース204の内部に収容した構成としているので、全体としての構成をコンパクト化することができる。
ところで、無段変速機1には、様々な摺動部が存在している。例えば、その摺動部としては、インプットディスク17の接触面17a、アウトプットディスク18の接触面18a及びアイドラローラ13の外周面と各遊星ボール14の外周面との接触箇所や、アイドラプレート11の接触面11bと各傾転用アーム15の接触面15aとの接触箇所等がある。その摺動部の中には、耐久性を担保すべく摩擦による発熱を冷媒等で抑えるものもあれば、円滑な動作を担保すべく潤滑剤等を介在させるものもある。
そこで、本実施例の無段変速機1においては、摺動部や当該摺動部の発熱の影響を受ける各部を冷却可能な冷却装置と、その摺動部を円滑に作動させる潤滑装置と、を設ける。その潤滑装置は、この種の無段変速機1の技術分野において周知のものを用いればよく、例えば潤滑液を適切な位置に適量供給可能な構成を採ればよい。
一方、この無段変速機1の冷却装置は、冷媒をキャリア16の内部で環流させるように構成する。この冷却装置は、冷媒を供給する電動ポンプ等の冷媒供給部と、キャリア16の夫々の円板部16aの内の少なくとも一方に形成した冷媒環流路と、冷媒供給部と冷媒環流路とを繋ぐ冷媒供給路と、冷却に供された冷媒を排出する冷媒排出路と、を備えて構成する。これにより、この無段変速機1は、摺動部や当該摺動部の発熱の影響を受ける各部の冷却が可能になり、耐久性が良くなる。
その冷媒環流路は、回転軸Xを中心にして円板部16aの内部で周方向に形成された孔である。この冷媒環流路は、円板部16aの例えば外郭側における内部に少なくとも1本形成する。また、この冷媒環流路は、周方向に1周させた環状の孔であってもよく、周方向に形成された弧状の孔であってもよい。ここで、この冷媒環流路の本数や形成する位置及び形状は、キャリア16が強度不足とならぬように設定する。他の冷媒供給路等についても強度を考慮に入れた上で設定する。また、この冷媒環流路を双方の円板部16aに設ける場合には、夫々の円板部16aを繋ぐ連結軸16bの内部に、夫々の冷媒環流路を連通させる連通路を設けてもよい。
無段変速機1を単独で見た場合、冷媒供給路や冷媒排出路は、キャリア16との間で相対移動及び相対回転を行わない部材、例えば中心軸21の内部に形成すればよい。
また、冷媒としては、摺動部の潤滑液を兼ねた冷却液(例えばトラクション油)を用いることができる。この場合、冷媒供給部は、潤滑装置における電動ポンプ等の潤滑液供給部と共用させることが望ましい。
ここで、この無段変速機1においては、変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるほどに、スピン損失による発熱量が大きくなる。これが為、この無段変速機1の冷却装置は、図8に示す如く、変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて冷媒の流量を増加させるように、換言するならば変速比が「1」に近づくにつれて冷媒の流量を減少させるように構成する。これにより、この無段変速機1においては、スピン損失による発熱量の大きい領域での冷却性能を高めることができるので、耐久性が向上する。また、この無段変速機1においては、駆動制御装置が把握している変速比の情報を契機にして冷媒の流量調整を行うことができるので、無段変速機1における温度の検知装置(温度センサ等)や推定装置等が不要となり、これにかかる原価の増大を抑えつつ、無段変速機1の冷却性能、そして、無段変速機1の耐久性を向上させることができる。
例えば、ここでは、冷媒供給部を駆動制御装置等の制御装置で駆動制御し得るよう構成し、変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて冷媒の供給量を増やすよう冷媒供給部の制御を行ってもよい。この場合には、その冷媒供給部と制御装置とが無段変速機1の冷却装置の冷却性能を調整する、つまり変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて無段変速機1の冷却装置の冷却性能を高める冷却性能調整装置となる。この構成は、冷媒供給部と潤滑装置の潤滑液供給部とを共用させない場合に有用である。また、この無段変速機1においては、冷媒供給路等の冷媒の通路の途中に流量調整弁等の流量調整装置を配設すると共に、その流量調整装置を駆動制御装置等の制御装置で駆動制御し得るよう構成し、変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて冷媒の流量を増加させるべく流量調整装置の制御を行うよう構成してもよい。この場合には、その流量調整装置と制御装置とが無段変速機1の冷却装置の冷却性能を調整する冷却性能調整装置となる。この構成は、冷媒供給部と潤滑装置の潤滑液供給部とを共用させる場合に有用である。
さて、上述したインホイールモータ200について再び見てみると、このインホイールモータ200においても、そのような無段変速機1の冷却装置を設けることで同様の効果を得ることができる。しかしながら、このインホイールモータ200は、電動発電機部201においても発熱が起こるので、電動発電機部201の耐久性を担保するならば、電動発電機部201の冷却装置も必要になる。
その電動発電機部201の冷却装置は、冷媒をアウターケース204の内部で環流させるように構成する。この冷却装置は、冷媒を供給する電動ポンプ等の冷媒供給部と、アウターケース204の円筒部204aに形成した冷媒環流路と、冷媒供給部と冷媒環流路とを繋ぐ冷媒供給路と、冷却に供された冷媒を排出する冷媒排出路と、を備えて構成する。これにより、この電動発電機部201は、ロータ230等における発熱部位の冷却が可能になり、耐久性が良くなる。
その冷媒環流路は、回転軸Xを中心にして円筒部204aの内部で周方向に形成された孔である。この冷媒環流路は、円筒部204aの内部に少なくとも1本形成する。また、この冷媒環流路は、周方向に1周させた環状の孔であってもよく、周方向に形成された弧状の孔であってもよい。ここで、この冷媒環流路の本数や形成する位置及び形状は、アウターケース204が強度不足とならぬように設定する。他の冷媒供給路等についても強度を考慮に入れた上で設定する。
一方、冷媒供給路や冷媒排出路は、アウターケース204との間で相対移動及び相対回転を行わない部材、例えばアウターケース204そのものやステータ軸221の内部に形成すればよい。
また、冷媒としては、上記と同様に、無段変速機1の摺動部等の潤滑液を兼ねた冷却液(例えばトラクション油)を用いることができる。この場合、冷媒供給部は、無段変速機1の潤滑装置における潤滑液供給部と共用させることが望ましい。
ここで、これまで説明したインホイールモータ200においては、無段変速機1と電動発電機部201の双方に個別の冷却装置が用意されていることになる。しかしながら、冷媒供給部等のように夫々で共用できるものもあり、かかる構成は、原価や搭載スペース等の点から好ましくない。そこで、以下に、夫々の冷却装置の構成を見直したインホイールモータ200の冷却装置250の一例について説明する。このインホイールモータ200の冷却装置250は、電動発電機部201の冷却性能向上による耐久性の向上が図れるだけでなく、冷却装置を個別に設けるよりも原価の低減と小型化を可能にするものである。
その冷却装置250は、図1及び図2に示す如く、冷媒を供給する電動ポンプ等の冷媒供給部251と、キャリア16の夫々の円板部16aの内の少なくとも一方に形成した少なくとも1本の第1冷媒環流路252と、アウターケース204の円筒部204aに形成した少なくとも1本の第2冷媒環流路253と、を備える。
冷媒供給部251は、この冷却装置250の専用のものとして用意してもよく、冷媒として無段変速機1の摺動部等の潤滑液を兼ねた冷却液(例えばトラクション油)を用いるのならば、無段変速機1の潤滑装置における潤滑液供給部と共用させてもよい。また、第1冷媒環流路252は、上述した無段変速機1の冷却装置における冷媒環流路と同様のものとする。また、第2冷媒環流路253は、上述した電動発電機部201の冷却装置における冷媒環流路と同様のものとする。
更に、この冷却装置250は、アウターケース204の円板部204bに形成し、第1冷媒環流路252に連通させて当該第1冷媒環流路252と冷媒供給部251とを繋ぐ少なくとも1本の第1冷媒供給路254と、アウターケース204の円筒部204a及び円板部204bに形成し、第2冷媒環流路253に連通させて当該第2冷媒環流路253と冷媒供給部251とを繋ぐ少なくとも1本の第2冷媒供給路255と、アウターケース204の円板部204bに形成し、第1冷媒環流路252に連通させて当該第1冷媒環流路252を環流した冷媒を排出する少なくとも1本の第1冷媒排出路256と、アウターケース204の円筒部204a及び円板部204bに形成し、第2冷媒環流路253に連通させて当該第2冷媒環流路253を環流した冷媒を排出する少なくとも1本の第2冷媒排出路257と、を備える。
つまり、第1冷媒環流路252には第1冷媒供給路254から冷媒が供給されると共に、第1冷媒環流路252からは冷却に供された冷媒が第1冷媒排出路256を介して排出される。また、第2冷媒環流路253には第2冷媒供給路255から冷媒が供給されると共に、第2冷媒環流路253からは冷却に供された冷媒が第2冷媒排出路257を介して排出される。その第1冷媒排出路256や第2冷媒排出路257から排出された冷媒は、図示しないリザーバタンク等の冷媒貯留部に送ってから冷媒供給部251に戻してもよく、冷媒供給部251に直接戻してもよい。
ここで、第1冷媒供給路254、第2冷媒供給路255、第1冷媒排出路256及び第2冷媒排出路257を1本ずつしか設けない場合には、第1冷媒供給路254及び第2冷媒供給路255と第1冷媒排出路256及び第2冷媒排出路257とを回転軸Xを中心にして対称となる位置に形成すればよい。これにより、供給された冷媒を第1冷媒環流路252や第2冷媒環流路253の全体に環流させることができるので、特に第1冷媒環流路252や第2冷媒環流路253が環状の通路や環状に近い弧状の通路の場合には、無段変速機1や電動発電機部201をむらなく冷却させることができる。
ここでは、双方の円板部16aに第1冷媒環流路252を形成する。これが為、夫々の円板部16aを繋ぐ少なくとも2本の連結軸16bの内部には、夫々の第1冷媒環流路252を連通させる第1及び第2の連通路258,259を各々設ける。その第1連通路258は、車体側の円板部16aの第1冷媒環流路252側からホイール側の円板部16aの第1冷媒環流路252に冷媒を供給させる為のものであり、第1冷媒供給路254に連通させる。つまり、ホイール側の円板部16aの第1冷媒環流路252には、第1冷媒供給路254と第1連通路258を介して冷媒が供給される。また、第2連通路259は、ホイール側の円板部16aの第1冷媒環流路252で冷却に供された冷媒を車体側の円板部16aの第1冷媒環流路252側に送るものであり、第1冷媒排出路256に連通させる。つまり、ホイール側の円板部16aの第1冷媒環流路252で冷却に供された冷媒は、第2連通路259と第1冷媒排出路256を介して排出される。
無段変速機1の冷却装置でも説明したように、このインホイールモータ200の冷却装置250においても、変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて例えば図8に示すようにキャリア16への冷媒の流量を増加させる。
例えば、その為には、上述したように、冷媒供給部251と無段変速機1の潤滑装置の潤滑液供給部とを共用させないのであれば、変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて冷媒の供給量を増加させるべく、駆動制御装置等の制御装置に冷媒供給部251を駆動制御させればよい。この場合には、その冷媒供給部251と制御装置とが無段変速機1(無段変速機構10)の冷却性能を調整する、つまり変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて無段変速機1(無段変速機構10)の冷却性能を高める冷却性能調整装置となる。これにより、このインホイールモータ200は、無段変速機1においてスピン損失による発熱量の大きい領域での冷却性能を高めることができ、且つ、電動発電機部201の冷却性能も高めることができるので、無段変速機1と電動発電機部201の双方の耐久性を向上させることができる。また、このインホイールモータ200においても、上述したように、駆動制御装置が把握している変速比の情報を契機にして冷媒の流量調整を行うことができるので、原価の増大を抑えつつ、無段変速機1の冷却性能(無段変速機1の耐久性)を向上させることができる。
ここで、その冷媒供給部251の駆動制御による冷媒の流量調整は、アウターケース204に流入する冷媒の流量も同じように変えてしまう。これが為、このときには、電動発電機部201の冷却性能を下げてしまう虞がある。そこで、電動発電機部201の冷却性能を変化させずに、変速比に応じた適切な冷却効果を無段変速機1で発揮させるべく、キャリア16への冷媒の流量のみを調整させるように構成する。具体的には、キャリア16への冷媒の流量調整が可能な図9に示す流量調整弁等の流量調整装置260を設け、その流量調整装置260を駆動制御装置等の制御装置で駆動制御し得るよう構成する。例えば、その流量調整装置260は、第1冷媒環流路252に冷媒を送る第1冷媒供給路254上に配設する。また、その制御装置は、変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて冷媒の流量を増加させるべく流量調整装置260の制御を行うよう構成する。この場合には、その流量調整装置260と制御装置とが無段変速機1(無段変速機構10)の冷却性能を調整する、つまり変速比が「1」よりも大きくなる又は「1」よりも小さくなるにつれて無段変速機1(無段変速機構10)の冷却性能を高める冷却性能調整装置となる。これにより、このインホイールモータ200は、電動発電機部201の冷却性能を低下させずに、無段変速機1においてスピン損失による発熱量の大きい領域での冷却性能を高めることができるので、電動発電機部201の耐久性を更に向上させながら無段変速機1の耐久性を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る無段変速機は、入力部材と、出力部材と、これらに挟持された回転部材と、を備え、その回転部材を傾転させることによって入力部材と出力部材との間で変速比を無段階に変化させるものにおいて、その無段変速機構を適切に冷却させる技術として有用である。
1 無段変速機
10 無段変速機構
11 アイドラプレート
13 アイドラローラ
14 遊星ボール
15 傾転用アーム
16 キャリア
16a 円板部
16b 連結軸
17 インプットディスク
18 アウトプットディスク
20 シフト機構
21 中心軸
30 入力軸
40 出力軸
51 入力側カム機構
52 出力側カム機構
200 インホイールモータ
201 電動発電機部
202 ステータ
203 ステータコイル
204 アウターケース
204a 円筒部
204b 円板部
221 ステータ軸
230 ロータ
250 冷却装置
251 冷媒供給部
252 第1冷媒環流路
253 第2冷媒環流路
254 第1冷媒供給路
255 第2冷媒供給路
256 第1冷媒排出路
257 第2冷媒排出路
258 第1連通路
259 第2連通路
260 流量調整装置
X 回転軸

Claims (8)

  1. 入力部材と、出力部材と、これらに挟持された回転部材と、を備え、該回転部材を傾転させることによって前記入力部材と前記出力部材との間で変速比を無段階に変化させる無段変速機構を有する無段変速機において、
    冷媒の供給によって前記無段変速機構を冷却させるものであり、前記変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて前記冷媒の流量を増加させる冷却装置を設けたことを特徴とする無段変速機。
  2. 前記無段変速機構を回転電機に内蔵した請求項1記載の無段変速機。
  3. 前記冷却装置は、前記回転電機の冷却も行う請求項2記載の無段変速機。
  4. 入力部材と、出力部材と、これらに挟持された回転部材と、を備え、該回転部材を傾転させることによって前記入力部材と前記出力部材との間で変速比を無段階に変化させる無段変速機構を有する無段変速機において、
    冷媒の供給によって前記無段変速機構を冷却させる冷却装置と、前記変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて前記冷媒の流量を増加させる冷却性能調整装置と、を設けたことを特徴とする無段変速機。
  5. 前記冷却性能調整装置は、前記冷媒の流量調整を行う流量調整装置を有する請求項4記載の無段変速機。
  6. 前記冷却装置は、前記無段変速機構を内蔵した回転電機の冷却も行うものとし、前記冷却性能調整装置は、前記無段変速機構と前記回転電機の間に設けた請求項4記載の無段変速機。
  7. 前記冷却装置は、前記回転部材を保持するキャリアの内部に前記冷媒を供給することで前記無段変速機構を冷却させる請求項1から6の内の何れか1つに記載の無段変速機。
  8. ボール型ピニオンを持つトラクション遊星ギヤ機構を無段変速機構として有する無段変速機において、
    冷媒の供給によって前記無段変速機構を冷却させるものであり、該無段変速機構の変速比が1よりも大きくなる又は1よりも小さくなるにつれて前記冷媒の流量を増加させる冷却装置を設けたことを特徴とする無段変速機。
JP2011544125A 2009-12-02 2009-12-02 無段変速機 Active JP5246346B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2009/006565 WO2011067812A1 (ja) 2009-12-02 2009-12-02 無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011067812A1 JPWO2011067812A1 (ja) 2013-04-18
JP5246346B2 true JP5246346B2 (ja) 2013-07-24

Family

ID=44114679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011544125A Active JP5246346B2 (ja) 2009-12-02 2009-12-02 無段変速機

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8784261B2 (ja)
JP (1) JP5246346B2 (ja)
CN (1) CN102639903B (ja)
WO (1) WO2011067812A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101831828B1 (ko) 2005-10-28 2018-02-23 폴브룩 인텔렉츄얼 프로퍼티 컴퍼니 엘엘씨 전동 드라이브

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9347532B2 (en) 2012-01-19 2016-05-24 Dana Limited Tilting ball variator continuously variable transmission torque vectoring device
EP2815152A1 (en) 2012-02-15 2014-12-24 Dana Limited Transmission and driveline having a tilting ball variator continuously variable transmission
EP2893219A4 (en) 2012-09-06 2016-12-28 Dana Ltd TRANSMISSION HAVING CONTINUOUS OR INFINITELY VARIABLE VARIATOR DRIVE
US9556943B2 (en) 2012-09-07 2017-01-31 Dana Limited IVT based on a ball-type CVP including powersplit paths
WO2014039900A1 (en) 2012-09-07 2014-03-13 Dana Limited Ball type cvt with powersplit paths
JP6293148B2 (ja) 2012-09-07 2018-03-14 デーナ リミテッド 直接駆動モードを含むボール式cvt
JP6320386B2 (ja) 2012-09-07 2018-05-09 デーナ リミテッド 遊星ギヤセットを含むボール式cvt/ivt
WO2014039901A1 (en) 2012-09-07 2014-03-13 Dana Limited Ball type continuously variable transmission/ infinitely variable transmission
JP6247690B2 (ja) 2012-09-07 2017-12-13 デーナ リミテッド 出力連結動力経路を有するボール式cvt
JP5590098B2 (ja) * 2012-10-31 2014-09-17 トヨタ自動車株式会社 無段変速機
US10030748B2 (en) 2012-11-17 2018-07-24 Dana Limited Continuously variable transmission
WO2014124063A1 (en) 2013-02-08 2014-08-14 Microsoft Corporation Pervasive service providing device-specific updates
US9551404B2 (en) 2013-03-14 2017-01-24 Dana Limited Continuously variable transmission and an infinitely variable transmission variator drive
WO2014159755A2 (en) 2013-03-14 2014-10-02 Dana Limited Ball type continuously variable transmission
JP5621872B2 (ja) * 2013-04-04 2014-11-12 トヨタ自動車株式会社 無段変速機
CN105339705B (zh) 2013-06-06 2018-03-30 德纳有限公司 三模式前轮驱动和后轮驱动行星齿轮无级变速传动装置
US10030751B2 (en) 2013-11-18 2018-07-24 Dana Limited Infinite variable transmission with planetary gear set
US10088022B2 (en) 2013-11-18 2018-10-02 Dana Limited Torque peak detection and control mechanism for a CVP
CN106536987A (zh) 2014-06-17 2017-03-22 德纳有限公司 包括无限可变变速器和直接连续可变变速器的非公路连续可变基于行星齿轮的多模式变速器
US9822870B2 (en) * 2015-04-03 2017-11-21 Allison Transmission, Inc. Manufacturing technique for variator cooling technologies
US10030594B2 (en) 2015-09-18 2018-07-24 Dana Limited Abuse mode torque limiting control method for a ball-type continuously variable transmission
KR102560906B1 (ko) * 2016-04-04 2023-07-28 마자로 엔브이 가변 트랜스미션을 위한 유성 베리에이터
JP6429339B2 (ja) * 2017-02-24 2018-11-28 摩特動力工業股▲ふん▼有限公司Motive Power Industry Co.,Ltd. 無段変速機構
TWI637118B (zh) * 2017-07-04 2018-10-01 摩特動力工業股份有限公司 滾動車輛之無段變速控制系統
US20190017597A1 (en) * 2017-07-11 2019-01-17 Dana Limited Control Methods For Heat Recovery In A Ball-Type Continuously Variable Transmission
CN110985602B (zh) * 2019-12-11 2021-02-12 上海交通大学 无级变速器及半主动调谐粘滞惯性阻尼器
CN111503202B (zh) * 2020-03-20 2021-07-06 上海交通大学 一种半主动调谐质量惯性阻尼器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001132808A (ja) * 1999-11-01 2001-05-18 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2004052929A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Toyota Central Res & Dev Lab Inc トロイダル型無段変速機
JP2007195320A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Bridgestone Corp インホイールモータシステム
JP2008075878A (ja) * 1997-10-22 2008-04-03 Fallbrook Technologies Inc 無断変速機

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4127030A1 (de) * 1991-08-16 1993-02-18 Fichtel & Sachs Ag Antriebsnabe mit stufenlos einstellbarem uebersetzungsverhaeltnis
US5397279A (en) * 1993-02-11 1995-03-14 Mccotter, Jr.; Geraco R. High speed, radial ball, traction transmission
JP3531607B2 (ja) * 2000-12-28 2004-05-31 トヨタ自動車株式会社 トロイダル型無段変速機およびフルトロイダル型無段変速機
CN2468804Y (zh) * 2001-03-08 2002-01-02 梁锡昌 轿车无级变速器
WO2010122634A1 (ja) 2009-04-21 2010-10-28 トヨタ自動車株式会社 変速機能のある電動機

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075878A (ja) * 1997-10-22 2008-04-03 Fallbrook Technologies Inc 無断変速機
JP2001132808A (ja) * 1999-11-01 2001-05-18 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2004052929A (ja) * 2002-07-22 2004-02-19 Toyota Central Res & Dev Lab Inc トロイダル型無段変速機
JP2007195320A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Bridgestone Corp インホイールモータシステム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101831828B1 (ko) 2005-10-28 2018-02-23 폴브룩 인텔렉츄얼 프로퍼티 컴퍼니 엘엘씨 전동 드라이브

Also Published As

Publication number Publication date
US20120244990A1 (en) 2012-09-27
CN102639903A (zh) 2012-08-15
JPWO2011067812A1 (ja) 2013-04-18
WO2011067812A1 (ja) 2011-06-09
US8784261B2 (en) 2014-07-22
CN102639903B (zh) 2014-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5246346B2 (ja) 無段変速機
JP5131354B2 (ja) 無段変速機
WO2013018394A1 (ja) ハブベアリング、減速機構およびインホイールモータ
JP5263388B2 (ja) 変速機能のある電動機
US20130267365A1 (en) In-wheel motor
US9306430B2 (en) In-wheel actuator and in-wheel assembly comprising the same
US8862298B2 (en) Drive control device of hybrid vehicle
US10625605B2 (en) Vehicular power unit
US9254741B2 (en) In-wheel actuator and in-wheel assembly comprising the same
KR20120100244A (ko) 인휠 구동장치
JP5879822B2 (ja) インホイールモータ
US20140070600A1 (en) In-wheel actuator and in-wheel assembly comprising the same
KR20120138455A (ko) 인휠 구동장치
WO2011108479A1 (ja) インホイールモータ駆動装置およびその設計方法
US20180209518A1 (en) Vehicle
US20230249544A1 (en) Vehicle drive device with variable transmission
JP2018100744A (ja) 電動アクチュエータ用回転駆動源および電動アクチュエータ
JP2006014477A (ja) 電動機
CN109923331A (zh) 电动致动器
JP2013169048A (ja) インホイールモータ及び駆動ユニット
JP6414089B2 (ja) 制動装置
JP5432408B1 (ja) 互いに逆回転する複数の大口径薄型の回転電機を電気自動車の駆動用モーターとして使う場合に適する変速装置
CN109314434B (zh) 包括用于对电池充电的车轮驱动的发电机的车辆
JP3745708B2 (ja) 無段変速装置
CN118182100A (zh) 一种电驱动系统及电动汽车

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130325

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3