JP2011030079A - 通信装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通信端末は、自宅の電話端末などの通常呼出端末の電話番号が登録された通話ボタンの操作を受け付けると(S1;YES)、その操作パターンに基づいて、呼び出し先の端末の種別を判定する(S2)。通信端末は通話ボタンの押下期間が3秒間未満であれば、通常呼出端末を呼び出して音声通信を開始する(S3;YES〜S5)。通信端末は、通話ボタンが3秒間以上押下されると緊急呼出端末の呼び出しと判定し(S3;NO)、その通話ボタンに応じた通常呼出端末、及び警備会社などの緊急呼出端末を呼び出して通信を開始する(S6,S7)。通信端末は、緊急呼出端末との通信を通常呼出端末との音声通信を並行して行うから、その音声通信を第三者に悟られにくくすることができる。
【選択図】図8
Description
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信端末が或る通信相手との音声通信とは別に行う、他の通信相手との通信を第三者に悟られにくくすることである。
本発明の請求項4に係る通信装置は、請求項1ないし3のいずれかに係る構成において、表示手段を備え、前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との通信を行わせている期間中においては、当該第2の端末に関する情報に係る画像を表示させないで、前記第1の端末に関する情報に係る画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る通信装置は、請求項1ないし4のいずれかに係る構成において、放音手段を備え、前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との音声通信を行わせている期間中においては、当該第2の端末から受信された音声データに応じた音声を放音させないで、前記第1の端末から受信された音声データに応じた音声を前記放音手段に放音させることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る通信装置は、請求項1ないし5のいずれかに係る構成において、収音した音声を表す音声データを出力する収音手段と、前記収音手段により出力された音声データに含まれるノイズに相当する音声成分を減衰させるフィルタリング処理を行うフィルタ手段とを備え、前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との音声通信を行わせている期間中においては、前記フィルタ手段に前記フィルタリング処理を行わせないことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る通信装置は、請求項1ないし6のいずれかに係る構成において、利用者が操作する操作手段を備え、前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との音声通信を行わせている期間中に当該音声通信を切断するための操作が前記操作手段に為された場合には、当該第2の端末との音声通信を切断せずに継続させることを特徴とする。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態である通信システムの構成を示す図である。
この通信システムは、移動通信端末10と、通常呼出端末20a,20b,20cと、緊急呼出端末30a,30b,30cとにより構成され、移動通信端末10の利用者の防犯を目的とした防犯システムである。移動通信端末10は、ここでは携帯電話端末であり、音声通信やデータ通信を行う通信装置である。移動通信端末10は、音声通信やデータ通信を並列して行う機能を有している。通常呼出端末20a,20b,20cは、それぞれ移動通信端末10との音声通信の通信相手となり得る第1の端末であり、ここでは移動通信端末10の通常の利用により呼び出される一般的な構成の電話端末である。通常呼出端末20a,20bは、例えば移動通信端末10の利用者の家族や親戚、友人などの人物により所持される携帯電話機であり、通常呼出端末20cは、例えば移動通信端末10の利用者の自宅に設置される固定電話機である。緊急呼出端末30a,30b,30cは、それぞれ移動通信端末10との通信の通信相手となり得る第2の端末であり、ここでは移動通信端末10の通常の利用でない、緊急時に呼び出さることのある通信端末である。緊急呼出端末30aは、例えば警察署に設置される通信端末であり、緊急呼出端末30b,30cは、例えば移動通信端末10の利用者が契約する警備会社に設置される通信端末である。なお、以下の説明において、通常呼出端末20a,20b,20cのそれぞれを特に区別する必要のないときは、これらを「通常呼出端末20」と総称し、また、緊急呼出端末30a,30b,30cのそれぞれを特に区別する必要のないときは、これらを「緊急呼出端末30」と総称する。また、通常呼出端末20及び緊急呼出端末30は、ここではそれぞれ3台ずつであるが、さらに多数であってもよいし、少数であってもよい。
図2は、移動通信端末10の外観を模式的に表した正面図であり、図3は、移動通信端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、移動通信端末10の外観は一般的な携帯電話機と同等の構成であり、表示部13や操作部14の各操作キー(操作子)が移動通信端末10の外形を成す筐体16に設けられている。また、移動通信端末10には、利用者が移動通信端末10を利用するときに耳付近に位置するようにスピーカ151が設けられ、また、そのときに口元付近に位置するようにマイク152が設けられている。
以上の外観の構成を有している移動通信端末10のハードウェア構成は、制御部11、無線通信部12、表示部13、操作部14、及び音声入出力部15からなる。
図4は、通常呼出先テーブルTB1の一例を示す図である。通常呼出先テーブルTB1は、通常呼出端末20を呼び出すときに用いられる情報を管理する。
同図に示すように、通常呼出先テーブルTB1においては、通常呼出端末20を識別する識別情報である「呼出先ID」と、通信相手の端末に割り当てられた電話番号である「電話番号」とが対応付けて記述されている。通常呼出端末20aには呼出先ID「A1」が割り当てられ、通常呼出端末20bには呼出先ID「A1」が割り当てられ、通常呼出端末20cには呼出先ID「A3」が割り当てられている。通常呼出先テーブルTB1には、これら各呼出先IDに対応付けて各端末の電話番号が記述されている。
同図に示すように、緊急呼出先テーブルTB2においても、緊急呼出端末30を識別する識別情報である「呼出先ID」と、通信相手の端末に割り当てられた電話番号である「電話番号」とが対応付けて記述されている。緊急呼出端末30aには呼出先ID「ur1」が割り当てられ、緊急呼出端末30bには呼出先ID「ur2」が割り当てられ、緊急呼出端末30cには呼出先ID「ur3」が割り当てられている。緊急呼出先テーブルTB2には、これら各呼出先IDに対応付けて各端末の電話番号が記述されている。
図6に示すように、操作情報管理テーブルTB3においては、「操作子ID」と、「操作パターン」と、「呼出先種別」と、「呼出先ID」という各種の情報が対応付けて記述されている。「操作子ID」のフィールドには、通話ボタン143を識別する識別情報が記述される。ここでは、通話ボタン143aには操作子ID「01」が割り当てられ、通話ボタン143bには操作子ID「02」が割り当てられ、通話ボタン143cには操作子ID「03」が割り当てられている。「操作パターン」のフィールドには、通話ボタン143に対して為される操作方法である、操作パターンを表す情報が記述される。「短時間押下」は、通話ボタン143の連続する押下時間が短時間であることを表し、ここでは3秒未満であるとする。「長時間押下」は、通話ボタン143の連続する押下時間が長時間であることを表し、ここでは3秒以上と予め決められている。通話ボタン143に為される操作は、必ず「短時間押下」及び「長時間押下」のどちらか一方に該当する。「呼出先種別」のフィールドには、呼び出し先の端末の種別を表す情報が記述される。「通常呼出先」は、通常呼出端末20が呼び出し先の端末であることを表し、「緊急呼出先」は、緊急呼出端末30が呼び出し先の端末であることを表す。この呼出先種別「緊急呼出先」に対応付けて「操作パターン」に記述される操作パターン(ここでは、3秒以上の押下操作)は、「異常操作パターン」を表す。この異常操作パターンの操作は、利用者が危険に晒されなどの異常発生時に通話ボタン143に対して為す、予め決められた操作方法のことである。
受付部111は、操作部14から供給される操作情報を取得して、音声通信の通信相手となる通常呼出端末20の指定を、操作部14の通話ボタン143に為される操作により受け付ける。通信制御部112は、受付部111により通信相手を指定する操作が受け付けられると、その操作に応じて通信相手を識別して通常呼出端末20を呼び出すとともに、その操作が予め決められた操作パターンで為された場合には、その呼び出し又はその音声通信と並行して、通常呼出端末20とは異なる緊急呼出端末30との通信を行うよう、無線通信部12を制御する。
なお、この明細書において、呼び出しが行われる期間は、制御部11が無線通信部12に通信相手の端末の呼び出しを指示したときから、その端末との音声通信が開始されるなどしてその呼び出しを停止させるまでの期間のことであり、音声通信が行われる期間は、音声通信が開始されたときから、その音声通信が切断されて終了するまでの期間のことである。
次に、移動通信端末10の動作について説明する。ここでは、通話ボタン143が押下操作されて通信相手の端末の呼び出しが利用者により指示されたときの移動通信端末10の動作を説明する。図8は、移動通信端末10が、通信相手となる端末を呼び出すときの動作の手順を示すフローチャートである。
まず、制御部11は、利用者により通話ボタン143の押下操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS1)。制御部11は、通話ボタン143の押下操作を受け付けるまで待機し(ステップS1;NO)、ここで通話ボタン143aの押下操作が為されると、「YES」と判断して、ステップS2の処理に進む。
通常呼出端末20aの利用者は、自身の通常呼出端末20aに移動通信端末10からの着信があることに気付くと、そのオフフックキーを操作する。この操作を契機として、制御部11は、移動通信端末10と通常呼出端末20aとの音声通信を開始させる(ステップS5)。以降、制御部11は、音声通信に係る各種制御を実行する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態では、移動通信端末10が、通常呼出端末20との音声通信を行っている期間中に緊急呼出端末30を呼び出す、という構成を有している点で第1実施形態と異なり、その制御及びその制御に関わる構成以外については第1実施形態と共通している。したがって、第1実施形態と同じ構成及び制御については同一の符号を付して表し、その説明を省略する。
図9は、この第2実施形態の移動通信端末10の構成のうち、第1実施形態と異なる構成を示すブロック図である。同図に示すように、この実施形態の移動通信端末10は、さらに操作検出部17を備えている。操作検出部17は、例えば筐体16の内部に設けられ、ここでは移動通信端末10本体、つまり筐体16の振動を検出する振動検出用圧電センサを有している。振動検出用圧電センサは、圧電素子などから構成されており、機械的振動を電気エネルギーに変換して、振動に応じた電気信号を検出信号として制御部11に出力する。この操作検出部17は、筐体16に外力が与えられることで為される移動通信端末10に対する操作を検出する検出手段の一例である。
検出信号取得部113は、操作検出部17から供給される検出信号を取得する。
判定部114は、検出信号取得部113が取得する検出信号に基づいて、移動通信端末10に対して異常操作パターンの操作が為されたか否かを判定する。この実施形態では、制御部11は、この異常操作パターンの操作が為されたことを、緊急呼出端末30を呼び出すための指示として受け付ける。判定部114は、検出信号に基づいて、単位時間当たりの振動数が閾値以上となる時間が一定時間以上になるなどの、筐体16に与えられる外力が大きいことを意味する予め決められた条件を満たす振動が操作検出部17により検出されると、異常操作パターンの操作が為されたと判定する。なお、この異常操作パターンは、煩雑すぎるものでなく、且つ移動通信端末10の通常の利用では為されないような操作方法であることが望ましい。
通信制御部115は、通常呼出端末20との音声通信を行わせている期間中に異常操作パターンの操作が為されたことが判定部114により判定された場合には、緊急呼出端末30との通信を行うよう、無線通信部12を制御する。
次に、移動通信端末10の動作について説明する。
図10は、移動通信端末10が、通信相手となる端末を呼び出すときの動作の手順を示すフローチャートである。この実施形態の動作について、ステップS1〜S7までの処理ステップは第1実施形態と同じであるからその説明を省略する。
制御部11は、第1実施形態と同じ手順でステップS1〜S5までの処理を実行して、通常呼出端末20との音声通信を開始する。ここでは、移動通信端末10は、通常呼出端末20aとの音声通信を行うものとする。
一方、制御部11は、音声通信を終了しないと判断すると(ステップS8;NO)、その音声通信を継続する。そして、制御部11は、操作検出部17から供給される検出信号に基づいて、異常操作パターンの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS9)。ここで、制御部11は、異常操作パターンの操作を受け付けていないと判定すると(ステップS9;NO)、ステップS8の処理に戻る。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
上述した第1実施形態において、移動通信端末10における異常操作パターンの操作は、通話ボタン143を一定時間(例えば、3秒)以上長押しする、という方法の操作であったが、これ以外の操作パターンを採用してもよい。例えば、移動通信端末10は、通話ボタン143に対してある期間内に一定回数以上(例えば、3秒間に3回など)の押下操作が為されたら異常操作パターンの操作を受け付けたと判定してもよいし、モールス信号のように、或る決められたリズムで為される操作パターンを採用してもよい。異常操作パターンについてはこれ以外の操作方法であってもよく、操作情報管理テーブルTB3の「操作パターン」のフィールドにその情報が記述され、移動通信端末10がその情報に従って、異常操作パターンの操作が為されたか、又は異常操作パターンでない操作パターンの操作が行われたかを判定するとよい。また、異常操作パターンに関する情報のみが操作情報管理テーブルTB3に記述され、異常操作パターン以外の操作パターンが規定されていない構成であってもよい。
移動通信端末10において、操作検出部17が圧力センサを有し、この圧力センサを筐体16の外部空間に面する側に設けておく。そして、制御部11は、操作検出部17が出力する圧力センサ(つまり、筐体16)に与えられる圧力を表す検出信号に基づいて、移動通信端末10本体に与えられる圧力が閾値以上になった場合に、異常操作パターンの操作を受け付けたと判定してもよい。緊急事態に陥った利用者は、自然に移動通信端末10本体(筐体16)を力一杯握り締めることがあるから、移動通信端末10は圧力センサにより検出される比較的大きな圧力に基づいて、必要な時期に緊急呼出端末30の呼び出しを行うことができる。このように、筐体16に与えられる力の大きさが閾値以上になったことを、異常操作パターンの操作とみなしてもよい。すなわち、第2実施形態に係る構成では、操作子に為される操作でない、筐体16に与えられえる外力によって移動通信端末10に作用する様々な力学的な作用を採用し得る。この場合に、移動通信端末10は、この外力が大きいときに生じる作用を、異常操作パターンの操作とみなすと好適である。なお、上記の異常操作パターンの操作とみなす作用を複数組み合わせてもよい。
なお、第2実施形態において、移動通信端末10は、通常呼出端末20との音声通話中に、第1実施形態で説明した異常操作パターンの操作が通話ボタン143や他の操作子に為されたことを契機に、緊急呼出端末30を呼び出す構成を採用してもよい。
上述した第1及び第2実施形態において、移動通信端末10は、緊急呼出端末30との通信として、音声通信とデータ通信とを行うようにしてもよいし、データ通信のみを行うようにしてもよい。このデータ通信には、例えば、緊急呼出端末30に緊急時の通報であることを知らせるためのアラームの放音や電子メールの送信などを含む。また、以下に説明する移動通信端末10の所在する位置の通知に係るデータ通信を行ってもよい。
制御部11は、緊急呼出端末30を呼び出すときや、緊急呼出端末30との音声通信中に位置検出部18により位置を検出し、その位置を表す位置情報を無線通信部12により緊急呼出端末30に送信する。緊急呼出端末30は、受信した位置情報に基づいて、移動通信端末10の位置を特定して、利用者の救出などに役立てる。
上述した第1及び第2実施形態において、移動通信端末10の制御部11は、マイク152により出力された音声データに含まれるノイズに相当する音声成分を減衰させるフィルタリング処理を行うようにしてもよい。
図12は、この変形例に係る移動通信端末10の構成のうち、第1又は第2実施形態と異なる構成を示すブロック図である。同図に示すように、この実施形態の制御部11は、さらに上記フィルタリング処理を行うフィルタ部118をさらに有している。フィルタ部118は、マイク152から供給される音声データから周辺の音や風切り音などのノイズ、つまり人声以外の音を低減し、通話相手の端末の利用者が移動通信端末10の送話音声を聴き取りやすくなるようにフィルタリング処理を行う。フィルタ部118は、例えばノイズキャンセル専用のマイクを搭載し、専用ソフトウェアによって、送話音声の音声データからノイズに相当する音声成分を減衰させる。また、制御部11は、例えばDTX機能を利用して、無音声状態を検出し、無音状態の場合は送信しないなどの処理を行わせてもよい。なお、フィルタ部118が実行するフィルタ処理は、ソフトウェアの実行による音声処理により実現されてもよいし、帯域通過フィルタなどを用いてハードウェア的な処理により実現されてもよく、周知の種々のノイズ除去・低減に係る技術を採用することができる。
上述した第1及び第2実施形態において、移動通信端末10の制御部11は、無線通信部12により緊急呼出端末30との音声通信を行わせている期間中に、オンフックキー141が押下操作するなどの音声通信を切断させるための終話操作を受け付けても、その音声通信を切断せずに継続させてもよい。これにより、犯人により強制的に移動通信端末10に対する終話操作が為されても、実際には音声通信が継続されることになり、犯人に知られないように、受話音声を緊急呼出端末30に送ることができる。なお、この構成おいて、移動通信端末10が実際に音声通信を切断するのは、例えばオンフックキー141が複数回押下操作されるなど、決められた回数の終話操作が為された場合とすればよい。
また、この構成において、上記変形例2の構成を採用し、上記終話操作が為された後も、移動通信端末10は位置情報を緊急呼出端末30に送信してもよい。
上述した第1及び第2実施形態において、移動通信端末10の通話ボタン143に対して1つずつの通常呼出端末20の呼出先IDが割り当てられていたが、複数の通常呼出端末20の呼出先IDが割り当てられていてもよい。なお、この変形例では、移動通信端末10には、通話ボタン143が1つだけ設けられている場合について説明する。
図13は、この変形例において、通常呼出先テーブルTB1及び緊急呼出先テーブルTB2の変わりに用いられる呼出先テーブルTB4の一例を示す図である。同図に示すように、呼出先テーブルTB4において、「操作パターン」と、「呼出先種別」と、「呼出先ID」との各種の情報が対応付けて記述されている。なお、「操作パターン」及び「呼出先種別」の各情報の意味は、上述の第1実施形態で説明したとおりである。「呼出先ID」のフィールドには、呼出先種別「通常呼出先」に対応付けて、「A1→A2→A3」と記述されている。「A1」、「A2」、「A3」は第1実施形態と同じで通常呼出端末20を識別する識別情報である。「→」はこの順で呼び出しを行うことを指定するものである。通話ボタン143が短時間押下されたときには、制御部11は、複数の通常呼出端末20をこの矢印の順序に従って1ずつ呼び出す(つまり、リレー発呼を行う。)ことを指定する。つまり、制御部11は、通話ボタン143の押下操作を受け付けると、まず通常呼出端末20aの呼び出しを無線通信部12によって指示し、応答があれば、通常呼出端末20aとの音声通信を開始する。一方、一定時間応答がなければ、制御部11は、通常呼出端末20aの呼び出しを中止し、通常呼出端末20bの呼び出しを指示する。そして、制御部11は、通常呼出端末20bの応答があれば、通常呼出端末20bとの音声通信を開始するし、一定時間応答がなければ、通常呼出端末20bの呼び出しを中止し、通常呼出端末20cの呼び出しを指示する。一方、制御部11は、通話ボタン143の異常操作パターンでの操作を受け付けた場合には、呼出先テーブルTB4に登録されている、すべての通常呼出端末20の呼び出し、及び緊急呼出端末30との通信を並行して行わせるよう、無線通信部12を制御する。これにより、通話ボタン143が1つしかない場合であっても、移動通信端末10は、通話ボタン143に複数の通常呼出端末20を割り当て、また、通常呼出端末20の呼び出し又は音声通信と、緊急呼出端末30との通信を並列して行って、迅速な通報を行うことが可能となる。
また、上述の第1及び第2実施形態で説明したようなマルチコールサービスを利用しての実施に限らず、例えば、移動通信端末10が音声通信に関するチャネルを1チャネルとして通信網NWと接続され、交換機側でのミキシング処理などにより複数の通信相手の端末との同時通話が実現されてもよい。なお、移動通信端末10が複数の通信相手の端末を並列して呼び出すために必要な処理の一部が、移動通信端末10以外の装置において行われてもよい。
上述した第1実施形態においては、制御部11は、通話ボタン143により受け付けた操作の操作パターンが異常操作パターンに該当すれば、緊急呼出端末30を呼び出していたが、これ以外の操作子に為される操作を契機として、緊急呼出端末30を呼び出してもよい。
例えば、移動通信端末10がアドレス帳機能を有し、このアドレス帳機能を利用して、通話相手の端末を指定させるための、例えば通信相手のユーザ名の一覧画面を表示させる。そして、利用者が希望するユーザ名にカーソルを合わせて、通話相手の指定に係る押下操作をする場合に、移動通信端末10は、その操作が異常操作パターンの操作に該当しなければ、その通常呼出端末20を呼び出し、異常操作パターンの操作に該当すれば、通常呼出端末20とともに、緊急呼出端末30を呼び出すようにしてもよい。また、利用者がテンキーを操作して電話番号を直接入力する場合に、例えば電話番号を入力してから押下するオフフックキー142の操作が異常操作パターンの操作に該当すれば、移動通信端末10は、緊急呼出端末30を呼び出すようにしてもよい。このように、異常操作パターンの操作が為されたか否かの判定の対象となる操作子は、前掲のものに限定されないし、また、いわゆるハードボタンであるか、ソフトボタンであるかについても問わない。また、移動通信端末10の操作子は、押下操作が為されるものに限らず、例えばスライド式スイッチなどでもよい。
上述の第1及び第2実施形態において、移動通信端末10は、利用者を認証し、その認証に成功した場合にのみ、緊急呼出端末30の呼び出しを行うようにしてもよい。移動通信端末10の利用者が緊急呼出端末30への通報を希望していなくても、誤って異常操作パターンに該当する操作を行ってしまったり、物との接触により偶然に異常操作パターンの操作が為されることが考えられるからである。
そこで、移動通信端末10は、指紋認証や静脈認証などを行うためのセンサを有し、自動又は所定の操作子の操作を契機として、認証を行う。そして、移動通信端末10は、認証に成功して正当な利用者と判断した後に、異常操作パターンの操作を受け付けた場合のみ、緊急呼出端末30の呼び出しを行う。なお、認証処理の種類については特に問わないが、緊急呼出端末30への通報は緊急性を要するから、この通報を迅速に行うために、バイオメトリクス認証などの、利用者の煩雑な動作を伴うものでない認証方法を採用することが好ましい。
上述した第2実施形態においては、移動通信端末10は、音声通信を開始するときの通話ボタン143の操作パターンに応じて緊急呼出端末30を呼び出す構成を有していたが、この構成を有しなくて、音声通信中のみに緊急呼出端末30を呼び出す構成であってもよい。また、この移動通信端末10は、異常操作パターンの操作を受け付けたと判定し、緊急呼出端末30を呼び出すときには、通常呼出端末20との音声通信を終了させてもよい。
また、上述した第1及び第2実施形態においては、移動通信端末10は、通話ボタン143a,143b,143cのどれが操作されても、同じ緊急呼出端末30の呼び出しを行っていたが、操作子毎に異ならせてもよい。この構成において、操作情報管理テーブルTB3の「呼出先ID」の記述を、操作子ごとに異なるようすればよい。
上述した第1実施形態において、通信システムは、移動通信端末10の防犯を目的とした防犯システムであったが、別の目的とした通信システムに適用してもよい。つまり、操作子に音声通信の複数の呼出先を割り当てておき、制御部11は、その操作子の操作方法が予め決められた操作パターンに合致しなければ、第1の端末を呼び出し、操作方法が予め決められた操作パターンに合致すれば、第1の端末とともに、それとは異なる第2の端末を呼び出す構成であればよい。第2実施形態の通信システムについても同様であり、制御部11は、第1の端末との音声通信を行っている期間に、自通信装置に異常操作パターンの操作とみなすものとして予め決められた操作パターンの操作が為されると、第1の端末との音声通信を継続させたまま、それとは異なる第2の端末の呼び出しを指示する。また、移動通信端末10は、操作パターンに応じた呼び出し先を選択すればよいから、通信相手の端末の種別の区別がなくてもよい。
上述の第1及び第2実施形態では、移動通信端末10は、上記第2の端末に相当する緊急呼出端末30との音声通信中において、緊急呼出端末30に関する情報に係る画像の表示を行わなかったが、例えば、利用者だけが通報に成功したことが分かるようその情報に係る画像を表示してその旨を報知してもよい。また、この報知の態様は、ランプの点灯などでもよい。また、移動通信端末10は、緊急呼出端末30との音声通信中において受話音声の放音を行わなかったが、その放音を行ってもよいし、利用者が所定の操作を行ったことを契機として、その放音を行ってもよい。
移動通信端末10は、緊急呼出端末30との通信を、上記第1の端末に相当する通常呼出端末20との音声通信の呼び出し又は並行して行うから、緊急呼出端末30との通信のみを行う場合に比べれば、少なくとも緊急呼出端末30との通信への注意力が減り、第三者にその通信を悟られにくくすることに寄与する。
さらに、上述した移動通信端末10の制御部11が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現され得る。
Claims (10)
- 音声通信を含む通信を行う通信手段と、
前記音声通信の通信相手となる第1の端末の指定を、操作子に為される操作により受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記操作が受け付けられると、当該操作に応じて通信相手を識別して前記第1の端末を呼び出すとともに、当該操作が予め決められた操作方法で為された場合には、その呼び出し又は前記第1の端末との音声通信と並行して当該第1の端末と異なる第2の端末との通信を行うよう、前記通信手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする通信装置。 - 音声通信を含む通信を行う通信手段と、
予め決められた操作方法の操作が自通信装置に対して為されたか否かを判定する判定手段と、
前記通信手段に第1の端末との音声通信を行わせている期間中に前記操作方法の操作が為されたと前記判定手段により判定された場合には、当該第1の端末と異なる第2端末との通信を行うよう、前記通信手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする通信装置。 - 筐体と、
前記筐体に外力が与えられることにより為される自通信装置に対する操作を検出する検出手段と
を備え、
前記判定手段は、前記検出手段により予め決められた条件を満たす前記操作が検出された場合に、自通信装置に対して前記操作方法の操作が為されたと判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。 - 表示手段を備え、
前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との通信を行わせている期間中においては、当該第2の端末に関する情報に係る画像を表示させないで、前記第1の端末に関する情報に係る画像を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置。 - 放音手段を備え、
前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との音声通信を行わせている期間中においては、当該第2の端末から受信された音声データに応じた音声を放音させないで、前記第1の端末から受信された音声データに応じた音声を前記放音手段に放音させる
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の通信装置。 - 収音した音声を表す音声データを出力する収音手段と、
前記収音手段により出力された音声データに含まれるノイズに相当する音声成分を減衰させるフィルタリング処理を行うフィルタ手段と
を備え、
前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との音声通信を行わせている期間中においては、前記フィルタ手段に前記フィルタリング処理を行わせない
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の通信装置。 - 利用者が操作する操作手段を備え、
前記制御手段は、前記通信手段に前記第2の端末との音声通信を行わせている期間中に当該音声通信を切断するための操作が前記操作手段に為された場合には、当該第2の端末との音声通信を切断せずに継続させる
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の通信装置。 - 前記受付手段は、予め決められた複数の前記第1の端末を前記音声通信の通信相手とする指示を前記操作子に為される操作により受け付け、
前記制御手段は、前記操作子に対して為された操作が前記操作方法の操作でない場合には、前記複数の前記第1の端末を1ずつ呼び出し、当該操作が前記操作方法の操作である場合には、前記複数の前記第1の端末の呼び出し又は前記音声通信と、前記第2の端末との通信とを並行して行わせるよう、前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 音声通信を含む通信を行う通信手段を備えるコンピュータに、
前記音声通信の通信相手となる第1の端末の指定を、操作子に為される操作により受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて前記操作が受け付けられると、当該操作に応じて通信相手を識別して前記第1の端末を呼び出すとともに、当該操作が予め決められた操作方法で為された場合には、その呼び出し又は前記第1の端末との音声通信と並行して当該第1の端末と異なる第2の端末との通信を行うよう、前記通信手段を制御する制御ステップと
を実行させるためのプログラム。 - 音声通信を含む通信を行う通信手段を備える通信装置のコンピュータに、
予め決められた操作方法の操作が前記通信装置に対して為されたか否かを判定する判定ステップと、
前記通信手段に第1の端末との音声通信を行わせている期間中に前記操作方法の操作が為されたと前記判定ステップにおいて判定された場合には、当該第1の端末と異なる第2端末との通信を行うよう、前記通信手段を制御する制御ステップと
を実行させるためのプログラム。
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