JP2011027294A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵空間の減少を抑えつつ、貯蔵食品の酸化劣化を抑制する冷蔵庫を得ることを目的とする。
【解決手段】冷蔵室に設けられて内部が大気圧よりも減圧される減圧容器と、該減圧容器内を減圧する減圧手段と、該減圧容器の減圧を解除する減圧解除手段と、を備えた冷蔵庫において、前記減圧容器内に抗酸化剤が設けられ、前記減圧手段で前記減圧容器を減圧して該減圧容器内に抗酸化成分を放出させて、前記減圧解除手段で該減圧容器の減圧を解除して前記減圧容器内の抗酸化成分を含む空気を前記減圧容器内から前記冷蔵室に放出させることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】冷蔵室に設けられて内部が大気圧よりも減圧される減圧容器と、該減圧容器内を減圧する減圧手段と、該減圧容器の減圧を解除する減圧解除手段と、を備えた冷蔵庫において、前記減圧容器内に抗酸化剤が設けられ、前記減圧手段で前記減圧容器を減圧して該減圧容器内に抗酸化成分を放出させて、前記減圧解除手段で該減圧容器の減圧を解除して前記減圧容器内の抗酸化成分を含む空気を前記減圧容器内から前記冷蔵室に放出させることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、冷蔵庫に関する。
従来の冷蔵庫として、特許文献1には、抗酸化剤を内包した抗酸化剤ケースを貯蔵室に配置し、抗酸化成分を該貯蔵室内に放出することで、貯蔵食品の酸化を抑制する冷蔵庫が記載されている。
また、特許文献2には、減圧貯蔵室を備え、該貯蔵空間を大気圧より低くすることで、貯蔵食品中の栄養成分が空気中の酸素と結びつくことを抑制して酸化劣化を抑制する冷蔵庫が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の構成において、抗酸化剤は大気圧下で揮発性を有するので、抗酸化成分の揮発量を適切に制御しなければ、抗酸化剤を無駄に放出してしまい、頻繁に抗酸化剤を補充しなければならない、という課題があった。
また、一例として、食品を貯蔵室に出し入れするために貯蔵室の扉を開閉する際、貯蔵室内に放出していた抗酸化剤は貯蔵室外に漏れて無駄が生じる。そこで、扉開閉を見込んで抗酸化剤を設けた場合、抗酸化剤ケースが大型化して、貯蔵空間を減少させる、という課題があった。
次に、特許文献2に記載の構成において、減圧空間の圧力をより低くしようとした場合、減圧装置の大型化及び低圧室を構成する筐体の耐圧強度の向上が必要となり、貯蔵空間が減少する、という課題があった。
上記課題より、本発明の目的は、貯蔵空間の減少を抑えつつ、貯蔵食品の酸化劣化を抑制する冷蔵庫を得ることである。
上記目的を達成するために、本発明は、蔵室に設けられて内部が大気圧よりも減圧される減圧容器と、該減圧容器内を減圧する減圧手段と、該減圧容器の減圧を解除する減圧解除手段と、を備えた冷蔵庫において、前記減圧容器内に抗酸化剤が設けられ、前記減圧手段で前記減圧容器を減圧して該減圧容器内に抗酸化成分を放出させて、前記減圧解除手段で該減圧容器の減圧を解除して前記減圧容器内の抗酸化成分を含む空気を前記減圧容器内から前記冷蔵室に放出させることを特徴とする。
また、冷蔵室に設けられて内部が大気圧よりも減圧される減圧容器と、該減圧容器内を減圧する正逆回転可能な負圧ポンプと、該減圧容器内の空気を排出する逆支弁と、を備えた冷蔵庫において、前記減圧容器内に抗酸化剤が設けられ、前記負圧ポンプで減圧された場合、前記減圧容器内に抗酸化成分を放出させて、前記負圧ポンプで前記減圧容器内に空気が導入された場合、前記減圧容器内の抗酸化成分を含む空気が前記減圧容器内から前記冷蔵室に放出されることを特徴とする。
また、熱交換器の除霜時の高湿空気を前記減圧容器に導入させることを特徴とする。
また、前記抗酸化剤は抗酸化成分とパルプとバインダーとが混合した粒状であることを特徴とする。
また、前記バインダーはウレタン,セルロース,メチルセルロースのいずれかであることを特徴とする。
また、前記抗酸化成分はビタミンC,ビタミンE,酵素処理ルチンのいずれかであることを特徴とする。
また、前記抗酸化成分はアスコルビン酸又はトコフェノールであることを特徴とする。
本発明は、貯蔵空間の減少を抑えつつ、貯蔵食品の酸化劣化を抑制する冷蔵庫を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態の冷蔵庫について図を用いて説明する。
まず、図1及び図2を参照しながら冷蔵庫の構成に関して説明する。図1は本実施形態の冷蔵庫の中央縦断面図、図2は図1の冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図である。
冷蔵庫は、冷蔵庫本体1及び扉を備えて構成されている。冷蔵庫本体1は、鋼板製の外箱11と樹脂製の内箱12との間にウレタン発泡断熱材13及び真空断熱材(図示せず)を有して構成され、上から冷蔵室2,冷凍室3,4,野菜室5の順に複数の貯蔵室を有している。換言すれば、最上段に冷蔵室2が、最下段に野菜室5が、それぞれ区画して配置されており、冷蔵室2と野菜室5との間には、これらの両室と断熱的に仕切られた冷凍室3,4が配設されている。冷蔵室2及び野菜室5は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、冷凍室3,4は、0℃以下の冷凍温度帯(例えば、約−20℃〜−18℃の温度帯)の貯蔵室である。これらの貯蔵室2〜5は、仕切り壁33,34,35により区画されている。
冷蔵庫本体1の前面には、各貯蔵室の前面開口部を閉塞する扉が設けられている。冷蔵室扉6は、冷蔵室2の前面開口部を閉塞する扉である。冷凍室扉8は、冷凍室3の前面開口部を閉塞する扉である。冷凍室扉9は、冷凍室4の前面開口部を閉塞する扉である。野菜室扉10は、野菜室5の前面開口部を閉塞する扉である。冷蔵室扉6は、観音開き式の両開きの扉、いわゆるフレンチタイプの扉で構成され、冷凍室扉8,冷凍室扉9,野菜室扉10は、引き出し式の扉によって構成され、各引き出し扉と共に貯蔵室内の各容器が引き出される。
冷蔵庫本体1には、冷凍サイクルが設置されている。この冷凍サイクルは、圧縮機14,凝縮器(図示せず),キャピラリチューブ(図示せず)及び蒸発器15,そして再び圧縮機14の順に接続して構成されている。圧縮機14及び凝縮器は、冷蔵庫本体1の背面下部に設けられた機械室に設置されている。蒸発器15は、冷凍室3,4の後方に設けられた冷却器室に設置され、この冷却器室における蒸発器15の上方に送風ファン16が設置されている。
蒸発器15によって冷却された冷気は、送風ファン16によって冷蔵室2,冷凍室3,4及び野菜室5の各貯蔵室へと送られる。具体的には、送風ファン16によって送られる冷気は、開閉可能なダンパー装置を介して、その一部が冷蔵室2及び野菜室5の冷蔵温度帯の貯蔵室へと送られ、他の一部が冷凍室3,4の冷凍温度帯の貯蔵室へと送られる。
送風ファン16によって冷蔵室2,冷凍室3,4及び野菜室5の各貯蔵室へと送られる冷気は、各貯蔵室を冷却した後、冷気戻り通路を通って冷却器室へと戻される。このように、本実施形態の冷蔵庫は、冷気の循環構造を有しており、各貯蔵室を適切な温度に維持する。
冷蔵室2内には、透明な樹脂板で構成される複数段の棚17〜20が取り外し可能に設置されている。最下段の棚20は、内箱12の背面及び両側面に接するように設置され、その下方空間である最下段空間21を上方空間と区画している。また、各冷蔵室扉6の内側には複数段の扉ポケット25〜27が設置され、これらの扉ポケット25〜27は冷蔵室扉6が閉じられた状態で冷蔵室2内に突出するように設けられている。冷蔵室2の背面には、送風ファン16から供給された冷気を通す通路を形成する背面パネル30が設けられている。
最下段空間21には、左から順に、冷凍室3の製氷皿に給水するための給水タンク22,デザートなどの食品を収納するための収納ケース23,室内を減圧して食品の鮮度保持及び長期保存するための減圧貯蔵室24が設置されている。減圧貯蔵室24は、冷蔵室2の横幅より狭い横幅を有し、冷蔵室2の側面に隣接して配置されている。
給水タンク22及び収納ケース23は、左側の冷蔵室扉6の後方に配置されている。これによって、左側の冷蔵室扉6を開くのみで、給水タンク22及び収納ケース23を引き出すことができる。また、貯蔵室24は右側の冷蔵室扉6の後方に配置されている。これによって、右側の冷蔵室扉6を開くのみで、貯蔵室24の食品トレイ60を引き出すことができる。
なお、給水タンク22及び収納ケース23は、左側の冷蔵室扉6の最下段の扉ポケット27の後方に位置することとなり、貯蔵室24は右側の冷蔵室扉6の最下段の扉ポケット27の後方に位置することとなる。ここで、蒸発器15によって冷却されて冷蔵室2へ送られた冷気が貯蔵室24の周囲を通って貯蔵室24の内部を間接冷却する構成である。
給水タンク22の後方には、給水ポンプ28が設置されている。収納ケース23の後方で且つ貯蔵室24の後部側方の空間には、減圧容器70を減圧するための減圧装置の一例である負圧ポンプ29が配置されている。負圧ポンプ29は、一方を減圧容器70の側面に設けられたポンプ接続部に導管を介して接しており、一方を熱交換器周辺の空気を吸引できるようになっており(図示せず)、正逆運転ができるようになっている。
次に、減圧容器70について、図3を用いて説明する。図3に示す減圧容器70は耐圧構造であり、内部を減圧した場合、内容積の変化が抑制される。減圧容器70は、負圧ポンプ29に接続されている。すなわち、負圧ポンプ29によって減圧容器70内の空気が吸引される。なお、減圧容器70内の減圧は、外気を遮断した状態で行われる。一方、負圧ポンプ29により減圧容器70内に空気を送り込む場合、減圧解除手段となる逆止弁71を備えていることにより、減圧容器70内の空気が減圧容器70外に排出される。
なお、減圧容器70内にある抗酸化剤81は、図3に示すように、袋86に内包された形状のものであっても、図4,図5及び図6に示すカセット式であってもよい。
一例として、減圧容器70を図1に示す冷蔵室2の後方に配置し、減圧容器70内を負圧ポンプ30により吸引すると、差圧により抗酸化剤81から抗酸化成分が放出し、減圧容器70内に充満する。
この充満した減圧容器70内の気体は、抗酸化成分の濃度が高い。そこで、この気体を減圧容器70内から減圧容器70外へ放出させて、冷蔵室2内に充満させる。これにより、冷蔵室2内に貯蔵されている食品の酸化劣化を防止することができる。
減圧容器70内の抗酸化成分濃度の高い気体を、冷蔵室2内に放出する手段としては、減圧容器70の減圧状態を解除することで、減圧容器70外へ開放する手段とする。また、減圧解除した後、負圧ポンプ29を用いて減圧容器70内へ空気を導入させて、減圧容器70内の気体を減圧容器70外へ放出する構成とする。
減圧容器70から放出された抗酸化作用を有する気体は、冷蔵室2内の酸素と反応する。これにより、当該酸素が冷蔵室2に保存されている食品と結合して酸化劣化することを抑制することができる。
放出する態様としては、冷蔵室2の貯蔵食品を包むように放出する構成や、冷蔵室2の冷気通路内に放出させて、冷蔵室2全体に抗酸化作用を有する気体を拡散させる構成にすることで、貯蔵食品の酸化劣化を抑制する効果を奏する。
なお、減圧容器70内で充満した抗酸化作用を有する気体を冷気通路に放出する場合、減圧容器70から気体を放出させる出口は、減圧容器70内へ空気を導入させる位置よりも下流側にするのが好ましい。この構成にすることで、放出した気体が再度減圧容器70内に戻されることを防ぎ、効率的に冷蔵室2内へ気体を放出できる。
次に、抗酸化成分放出カセットについて、図4から図6を参照しながら詳細を説明する。図4は抗酸化成分放出カセット80の単独斜視図、図5は図4のA−A断面図、図6は図4のB−B断面図である。
抗酸化成分放出カセット80は、抗酸化成分を放出する抗酸化剤81と、この抗酸化剤81を収納した樹脂容器82と、この樹脂容器82の内部の抗酸化成分をその外部に導いて放出する手段である紙85とを備えて構成されている。紙85は、樹脂容器82の内部の抗酸化成分をその外部に導いて放出する手段の一例であり、和紙や不織布などで形成され、通気性を有している。
抗酸化剤81は、食品中の栄養成分が酸化される前に、酸素と結合することにより、食品中の栄養成分の酸化を抑制するものである。すなわち、抗酸化剤81は、酸化されやすい物質からなるものである。
また、抗酸化剤81は貯蔵食品に直接触れるため、ビタミンC,ビタミンE及び酵素処理ルチン等、栄養成分を含む自然食品に含有する酸化防止剤、例えばアスコルビン酸やトコフェノールなどが好適に用いられる。
樹脂容器82は、抗酸化剤81を収納した樹脂容器本体83と、内側にアルミフィルム84aを貼着した樹脂容器蓋84とからなる。樹脂容器本体83の周縁部と樹脂容器蓋84の周縁部とを重ねて、当該両周縁部は紙85が介在された部分を除いて全周にわたって接合し、その内部空間を樹脂容器本体83とアルミフィルム84aで囲んだ空間としている。従って、この空間内に配置された抗酸化剤81から樹脂容器本体83,アルミフィルム84aを通して抗酸化成分が外部に漏れ出すことを抑制する。
樹脂容器蓋84は、表側に突出する突部84bを形成することにより、樹脂容器本体側の面に全長にわたって凹部84cが形成されている。紙85は、樹脂容器蓋84の凹部84c内に全長にわたって配置され、両端部が樹脂容器82の外部に臨んでいる。これによって、樹脂容器82内に配置された抗酸化剤81から放出される抗酸化成分は、樹脂容器本体83,アルミフィルム84aに挟持された紙85の部分のみを通して樹脂容器82の外部空間である減圧容器70内に放出される。従って、減圧容器70内への抗酸化成分の放出率は、紙85の挟持部の断面積(換言すれば、紙85の厚みまたは幅)、挟持部における長さを調整することにより容易に調整することができる。
次に、抗酸化剤81は、パルプとバインダーに混合され、かつ粒状である。この抗酸化剤81は、三方シール包装の袋86に収納され、減圧容器70に収納される。なお、袋86は、その形状を袋に限定するものでなく、抗酸化剤81を収納できる形状のものであればよい。また、抗酸化剤81の抗酸化成分は、袋86を透過して放出される構成である。すなわち、袋86の材質としては、PET/PP混抄不織布等がよい。
パルプは水分を吸収する、いわゆる吸湿剤の役割をする。パルプの配合量が少ないと、吸湿量が少なくなり、水に溶け易いビタミンCは溶出し易くなる。これにより、抗酸化成分が抗酸化成分放出カセット80から放出する量が少なくなり、目的の鮮度保持効果が得られなくなる。そこで、パルプは抗酸化剤81に対して以下の範囲が好ましい。
すなわち、抗酸化剤81の溶解度は、ビタミンCの場合40%程度である。そこで、必要なビタミンCを溶解させるためには、ビタミンC重量比で250%以上の水分が必要となる。しかし、抗酸化成分放出カセット80を交換不要な仕様の場合、1日に必要なビタミンC放出量は、抗酸化成分放出カセット80の含有量の約0.03%とする。このことから、交換不要な抗酸化成分放出カセット80において、1日に必要な吸水量は、ビタミンC重量比で7.5%以上である。また、パルプの吸湿量は、パルプ重量比のおよそ50%から100%である。従って、必要なパルプの含有量は、抗酸化剤81の種類や雰囲気温度により変動することを考慮して、抗酸化剤81の重量に対して5%から300%の割合で配合されることが好ましい。
次に、図7から図9を参照しながら、抗酸化成分放出カセット80中の抗酸化剤81の詳細について説明する。
抗酸化剤としてアスコルビン酸を用いた場合、アスコルビン酸は常温で固体であり、通常減圧しても気化しない。そこで、検討の結果、アスコルビン酸と水分を吸着する吸着剤を混合することにより、抗酸化剤81を有効に放出できることを見出した。
図7は、アスコルビン酸の放出下でほうれん草を3日間保存したときの、ほうれん草のビタミンC残存率を測定した結果を示す。図8は、アスコルビン酸の放出下でマグロを3日間保存したときのK値を測定した結果を示す。図9は、アスコルビン酸の放出下で牛肉を3日間保存したときの牛肉の色調を測定した結果を示す。
図7から図9において、101は、抗酸化成分放出カセット80がない場合を示す。102は、抗酸化成分放出カセット80中の抗酸化剤81をアスコルビン酸粉末と吸着剤とウレタンを混練した粒子とした場合を示す。103は、102のウレタンをメチルセルロースにした場合を示す。104は、102のウレタンを半分にした場合を示す。105は、抗酸化成分放出カセット80中の抗酸化剤81をアスコルビン酸粉末のみとした場合を示す。ウレタンやメチルセルロースは、アスコルビン酸粉末と吸着剤とのバインダーとなっている。
図7から図9において、105の場合、101の場合と同等の値である。すなわち、アスコルビン酸粉末のみとした場合、抗酸化作用が無いことがわかる。これに対し、102(バインダーにウレタンを使用)と、103(バインダーにメチルセルロースを使用)の場合は、101の場合よりもビタミンCが多く残存し、鮮度の指標であるK値が小さく、牛肉の色調が良く保たれている。すなわち、抗酸化作用が高いことが判る。
また、102と104(102のウレタンの半分の量)の場合を比較すると、104の方が抗酸化作用は小さい。
すなわち、バインダーの使用量には最適量があり、102より、ウレタンの場合、ウレタン量は抗酸化剤の50%である。また、103より、メチルセルロースの場合、メチルセルロース量は抗酸化剤と吸湿剤を近接して一体化するための最低量であって、抗酸化剤の0.5%である。以上より、バインダーと抗酸化剤81との配合比は、抗酸化剤81に対して0.5%以上50%以下の割合で配合するのが好ましい。
次に、図10を参照しながら、抗酸化剤81の抗酸化成分の放出量と減圧量との測定結果に基づいて、その関係について説明する。
まず、抗酸化剤81の抗酸化成分の放出量と減圧量との関係を測定するための試験方法について説明する。
抗酸化剤81を内部に備えた抗酸化成分放出カセット80を密閉容器に入れる。次に、負圧ポンプ29により密閉容器内の空気を吸い出して密閉容器内を減圧し、一定圧力に保持する。そのときの密閉容器内の抗酸化剤81の濃度を測定した。
図10において、縦軸に抗酸化剤81の濃度、横軸に一定減圧になったときを0分としたときからの経過時間を示す。図中の符号94は、密閉容器内を0.7気圧に保った場合を示す。符号95は、密閉容器内を0.95気圧に保った場合を示す。符号96は、大気圧の場合を示す。
図10より、96(大気圧)の場合、抗酸化剤81の密閉容器内の濃度は上昇しなかった。一方、94,95(減圧)の場合、抗酸化剤81の濃度が上昇すると共に、更には、95(0.95気圧の場合)よりも94(0.7気圧の場合)の方が、抗酸化剤81の放出量が大きいことが判る。従って、減圧することで抗酸化成分81を密閉容器内に放出させることができる。
しかし、密閉容器の耐圧性を高めると容器コストが増大すること、また、圧力を低くしすぎると、吸湿剤が吸湿した水分が減圧過程、すなわち密閉容器内の空気を排出する際に蒸発放出してしまうため、密閉容器の耐圧性能は100Pa〜1000hPaの範囲とすることが好ましい。
次に、図11を参照しながら、抗酸化剤81の食品中の栄養成分の損失を防止するための有効濃度について説明する。図11は、アスコルビン酸の有効濃度試験によるほうれん草のビタミンC含有量の測定結果を示す図である。
アスコルビン酸の有効濃度試験では、10L(リットル)の密閉容器に、抗酸化成分としてアスコルビン酸を0.01mg放出させた場合(符号110)と、0.1mg放出させた場合(符号111)と、未放出の場合(符号112)とにおいて、密閉容器に保存したほうれん草のビタミンC含有量を示す。
図11において、縦軸はビタミンC含量〔mg/100g〕、横軸は経過時間を示す。有効濃度試験の結果、112よりも110及び111のビタミンC含有量が多く、保存中の酸化による損失を防止できたことが判る。
特に、110はアスコルビン酸を0.001mg/Lの濃度になるようにアスコルビン酸を放出させており、112及び111よりも、ビタミンCの含有率を高く保つことができる。このことから、抗酸化成分の放出量は、少なくとも0.001mg/L又はそれ以上が好ましい。
次に、減圧容器70に接続した負圧ポンプ29の運転について説明する。
負圧ポンプ29によって減圧容器70に導入させる空気の吸入口は、熱交換器の除霜運転中の高湿空気を吸入するのに効果的な位置、すなわち冷蔵庫本体1の熱交換器周辺に配置される。
前述したように、抗酸化剤81は、抗酸化成分と吸湿剤とが近接して配合されており、抗酸化成分は吸湿剤に吸湿された水分に移行して、蒸発する水分と共に大気中に放出される。
従って、抗酸化成分を効果的に放出させるためには、吸湿剤に十分な水分を供給する必要がある。すなわち、負圧ポンプ29で吸い込まれて、減圧容器70に供給する空気は、高湿である方が望ましい。
そこで、減圧容器70内に供給する空気は、熱交換器の除霜運転時の高湿空気を利用することが望ましい。また、減圧容器70内の空気を吸い出し、所定の圧力まで減圧するタイミングは、除霜運転終了後とすることが好ましい。
これにより、吸湿剤に水分が十分吸湿して、抗酸化成分が吸湿剤の水分に移行すると共に、減圧によって減圧容器70の空間に抗酸化成分が充満する。そして、次の除霜運転の際に減圧容器70内に高湿の空気を送り込むことで、減圧容器70内に充満した抗酸化成分が吸湿剤に吸湿されることなく、減圧容器70外へ放出される。
よって、吸湿剤には水分だけが吸湿され、抗酸化成分の水分移行と大気放出が繰り返され効果的に冷蔵庫内に保存された食品の酸化防止ができる。
以上のように、本実施の形態によれば、抗酸化成分を放出する装置の小型化,交換不要を可能とし、また、減圧装置の小型化及び減圧貯蔵室の筐体の強度低減を可能として、食品収納スペースの増大及びコスト低減を図りつつ、収納した食品中の栄養成分の酸化劣化を長期間にわたって防止できる。
29 負圧ポンプ
70 減圧容器
71 逆止弁
80 抗酸化成分放出カセット
81 抗酸化剤
82 樹脂容器
83 樹脂容器本体
84 樹脂容器蓋
85 紙
70 減圧容器
71 逆止弁
80 抗酸化成分放出カセット
81 抗酸化剤
82 樹脂容器
83 樹脂容器本体
84 樹脂容器蓋
85 紙
Claims (7)
- 冷蔵室に設けられて内部が大気圧よりも減圧される減圧容器と、該減圧容器内を減圧する減圧手段と、該減圧容器の減圧を解除する減圧解除手段と、を備えた冷蔵庫において、
前記減圧容器内に抗酸化剤が設けられ、
前記減圧手段で前記減圧容器を減圧して該減圧容器内に抗酸化成分を放出させて、前記減圧解除手段で該減圧容器の減圧を解除して前記減圧容器内の抗酸化成分を含む空気を前記減圧容器内から前記冷蔵室に放出させることを特徴とする冷蔵庫。 - 冷蔵室に設けられて内部が大気圧よりも減圧される減圧容器と、該減圧容器内を減圧する正逆回転可能な負圧ポンプと、該減圧容器内の空気を排出する逆支弁と、を備えた冷蔵庫において、
前記減圧容器内に抗酸化剤が設けられ、
前記負圧ポンプで減圧された場合、前記減圧容器内に抗酸化成分を放出させて、前記負圧ポンプで前記減圧容器内に空気が導入された場合、前記減圧容器内の抗酸化成分を含む空気が前記減圧容器内から前記冷蔵室に放出されることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1又は2において、熱交換器の除霜時の高湿空気を前記減圧容器に導入させることを特徴とする冷蔵庫。
- 請求項1又は2において、前記抗酸化剤は抗酸化成分とパルプとバインダーとが混合した粒状であることを特徴とする冷蔵庫。
- 請求項4において、前記バインダーはウレタン,セルロース,メチルセルロースのいずれかであることを特徴とする冷蔵庫。
- 請求項4において、前記抗酸化成分はビタミンC,ビタミンE,酵素処理ルチンのいずれかであることを特徴とする冷蔵庫。
- 請求項4において、前記抗酸化成分はアスコルビン酸又はトコフェノールであることを特徴とする冷蔵庫。
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