JP2011026984A - ポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ本体側への流体の浸入を阻止するシール性能に優れた、アウターロータタイプのモータを備えるポンプ装置を提供する。
【解決手段】一端にインペラ20が固定された出力軸14と、樹脂からなるモールド部18に覆われたステータ16とを有するモータ10を備え、前記出力軸14を回転自在に支持する軸受192,193、および前記出力軸14に接触して前記インペラ20が収納されたインペラ室39から前記モータ10が収納されたモータ室38への流体の浸入を阻止するシール部材40が、共に、前記モールド部18に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体を移送するポンプ装置に関し、さらに詳しくは、モータおよびモータの出力軸に固定されたインペラを備え、このインペラの回転によって流体を移送するポンプ装置に関するものである。
下記特許文献1には、インペラと一体的に回転される出力軸を有するロータが、合成樹脂材料によってモールド(以下、この合成樹脂材料部分をモールド部という。)されたステータの内側に配設されたモータ、いわゆるインナーロータタイプのモータを備えたポンプ装置が記載されている。
この種のインナーロータタイプのモータを用いる場合、特許文献1に記載されるように、モールド部をキャップ状に形成し、その内側にロータおよびロータの出力軸に固定されるインペラが配設された構成とすることができる。すなわち、モールドされたステータの内側を、移送される流体(以下、単に水ということもある。)が通過する流体空間とすることができる。かかる構成とすれば、モールドされたステータは、移送される流体が装置外部(ステータの外側)へ漏れないように阻止する部材として機能するため、別途シール部材等を設ける必要がない。
ところが、このようなインナーロータタイプのモータは、ステータの内側に配設されるロータの大きさが小さく、出力トルクが小さいという問題がある。これに対し、特許文献2に記載されるような、ステータが内側に配設され、その外側にロータのマグネットが配設されるアウターロータタイプであれば、モータ全体の大きさを大きくすることなくインナーロータタイプよりも出力トルクを大きくすることができる。
特開2008−8222号公報 特開2002−81393号公報
しかし、アウターロータタイプのモータを用いたポンプ装置では、ステータがロータのマグネットの内側に配設されているため、ロータおよびインペラをまとめてステータの内側に配設することができない。したがって、装置外部への水漏れを防止するためのシール部材を別途設ける必要がある。具体的には、先端にインペラが設けられた出力軸の周囲を封止することにより、インペラ側からモータ本体(ステータ)側への流体の浸入を阻止し、装置外部への水漏れを防止する必要がある。ところが、アウターロータタイプのモータを用いたポンプ装置の構成上、装置運転中に回転している出力軸の周囲を確実に封止することは困難であるという問題があった。
上記問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、ステータの外側にロータのマグネットが配設されたアウターロータタイプのモータを用いたポンプ装置であって、インペラ側からモータ本体側への流体の浸入を阻止するシール性能に優れたポンプ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係るポンプ装置は、一端にインペラが固定された出力軸と、樹脂からなるモールド部に覆われたステータとを有するモータを備え、前記出力軸を回転自在に支持する軸受、および前記出力軸に接触して前記インペラが収納されたインペラ室から前記モータが収納されたモータ室への流体の浸入を阻止するシール部材が、共に、前記モールド部に固定されていることを要旨とするものである。
請求項1に記載の発明は、シール部材を出力軸と接触させることにより、インペラ室からモータ室への流体の浸入を阻止する構成を備える。そして、出力軸を回転自在に支持する軸受、および出力軸に接触するシール部材が共にステータを覆うモールド部に固定されているため、両者の同軸度が向上する。その結果、軸受に支持されている出力軸とシール部材の同軸度も向上するため、出力軸とシール部材との接触によりインペラ室からモータ室への流体の浸入を阻止するシール性能を向上させることができる。
この場合、請求項2に記載のように、前記ステータを覆うモールド部が熱硬化性樹脂で形成されていればよい。なお、請求項2における熱硬化性樹脂とは、熱硬化性樹脂を主成分とした材料を含むものとする。好適な材料としては、例えば、不飽和ポリエステルにガラス繊維等を混合したBMC(Bulk Mold Compound)が挙げられる。
一般的に熱硬化性樹脂は、成形時の収縮が小さいため、成形品の寸法精度が高い。したがって、モールド部に固定される軸受およびシール部材の取付位置精度が高くなるため、両者の同軸度をさらに向上させることができる。
さらに、請求項3に記載のように、前記モールド部または前記インペラ室が構成されたケースのいずれか一方には、相対的に大径の大径壁部および該大径壁部の先端から突出した相対的に小径の小径壁部からなる環状の第一の壁部と、該第一の壁部の径方向外側から突出した環状の第二の壁部とが形成されると共に、他方には、環状に突出した環状突出部が形成され、前記第一の壁部の大径壁部と前記第二の壁部との間に前記環状突出部が嵌合されると共に、前記第二の壁部の小径壁部と前記環状突出部との間にOリングが挟持されていればよい。
このような構成とすれば、第一の壁部の大径壁部と、その外側に位置する第二の壁部との間に環状突出部が嵌合される際、第二の壁部によって環状突出部がガイドされるため、環状突出部が傾いて嵌合されることがない。したがって、例えば環状突出部にOリングが引っ掛かって嵌合されるといった不具合の発生を防止することができ(Oリングを確実に正規の位置に取り付けることができ)、モールド部とケースとの嵌合によるシール構造の信頼性が高まり、モールド部外側への水漏れが確実に防止される。
なお、モールド部外側への水漏れを防止するためであれば、ケースにモールド部を熱融着させることによって固定させる方法を採用することも考えられるが、モールド部が熱硬化性樹脂で形成されている場合、モールド部をケースに熱融着させることはできない。したがって、かかる構成は、請求項2のようにモールド部が熱硬化性樹脂で形成されている場合には、特に有効である。
本発明によれば、出力軸を回転自在に支持する軸受、および出力軸に接触するシール部材が共にステータを覆うモールド部に固定されているため、軸受に支持されている出力軸とシール部材の同軸度が向上する。よって、出力軸との接触によりインペラ室からモータ室への流体の浸入を阻止するシール部材のシール性能を向上させることができ、モータ室内への流体の浸入、装置外部への水漏れを防止することができる。
本発明の一実施形態に係るポンプ装置の断面図である。 図1に示したポンプ装置の断面の分解斜視図である。 シール部材およびインペラを拡大した、図1におけるA部拡大図である。 ステータ(モールド部)とケース本体との嵌合構造を拡大した、図3におけるB部拡大図である。 図1におけるC−C線断面図である。 図1におけるD−D線断面図である。 図1に示したポンプ装置の変形例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本実施形態に係る気液分離機能を備えた自吸式ポンプ装置1(以下、単にポンプ装置1という。)の概略構成を示す断面図であり、図2は、その断面の分解斜視図である。なお、以下の説明において軸線方向とは、モータ10の出力軸14の軸線方向、すなわち図1の上下方向をいい、径方向とは、モータ10の出力軸14の径方向、すなわち上記軸線方向に直交する方向をいうものとする。また、出力側(モータ10の出力側)とは、図1の下側をいい、反出力側(モータ10の反出力側)とは、図1の上側をいうものとする。
本実施形態に係るポンプ装置1は、モータ10と、このモータ10の出力軸14の一端に固定されたインペラ20と、モータ10が収納されたモータ室38およびインペラ20が収納されたインペラ室39が内部に設けられたケース30と、出力軸14に接触してインペラ室39からモータ室38への流体の浸入を阻止すると共に、装置外部への水漏れを防止するシール部材(オイルシール)40とを備える。
モータ10は、ロータ12およびステータ16とを備える。このモータ10は、ステータ16の外側にロータ12のマグネット(永久磁石)121が配設された、いわゆるアウターロータタイプのモータである。このようなアウターロータタイプのモータは、ロータのマグネットがステータ16の内側に配設された、同程度の大きさのインナーロータタイプのモータと比較し、ロータの外径を大きくすることができるため、出力トルクを大きくすることができるという利点を有する。
このようなアウターロータであるロータ12は、出力軸14と、マグネット121とが連結部材122で連結されてなる。上述のようにマグネット121は、ステータ16の外周面と対向するように位置する。一方、出力軸14は、ステータ16の内側に位置する。
マグネット121の内側に位置するステータ16は、駆動コイル161や、この駆動コイル161から発生する磁界によって着磁されるステータコア162等を備える。このステータ16は、図1に示されるように、合成樹脂材料によりモールドされて(覆われて)いる(以下、ステータ16をモールドした樹脂部分をモールド部18と称する。)。ステータ16をこのように合成樹脂でモールドすることにより、電気的な部材である駆動コイル161等が保護され、湿気による腐食や短絡等の発生が防止されている。
ここで、モールド部18を構成する合成樹脂としては、熱可塑性樹脂よりも成形精度に優れる熱硬化性樹脂であることが好ましい。なお、ここでいう熱硬化性樹脂とは、熱硬化性樹脂を主成分とした材料を含むものとする。具体的な好適な材料としては、不飽和ポリエステルにガラス繊維等を混合したBMC(Bulk Mold Compound)等が例示できる。
モールド部18の中央には、ロータ12の出力軸14が挿通される貫通穴181が形成されている。また、モールド部18の反出力側には、貫通穴181と連通し、貫通孔181より大径の反出力側凹部182が形成されている。この反出力側凹部182には、出力軸14の反出力側端部を回転自在に支持する反出力側軸受192(ラジアル軸受)が圧入により固定されている。一方、モールド部18の出力側には、貫通孔181と連通した出力側凹部183が形成されている。この出力側凹部183は、貫通孔181より大径である、相対的に小径の小径凹部183aおよび相対的に大径の大径凹部183b(本発明における凹部に相当する。)とからなる。小径凹部183aには、出力軸14の中央からやや出力側よりを回転自在に支持する出力側軸受193(ラジアル軸受)が圧入により固定されている。つまり、出力軸14、すなわちロータ12は、反出力側軸受192および出力側軸受193によって、ステータ16の軸線を中心として回転自在に支持されている。
さらに、出力側凹部183の大径凹部183bには、シール部材40が圧入により固定されている。このシール部材40の構造および機能の詳細については、後述する。
インペラ20は、筒状部22および羽根部24を備え、モータ10の出力軸14の一端に固定されている。具体的には、出力軸14の端部にはローレット加工が施されており、そのローレット部分がインペラ20の筒状部22に形成された軸固定孔221に圧入されている。なお、かかる固定方法は例示であり適宜変更可能であるが、後述のようにインペラ20は出力軸14の軸線方向における位置規制部材として働くため、出力軸14に対するインペラ20のがたつきが発生しないように十分な固定強度を確保する必要がある。例えば、ボルト等の連結部材により出力軸14に固定された構成とすればさらに好適である。
このような構成のモータ10およびインペラ20は、ケース30に収納されている。このケース30は、ケース本体31に対し、底蓋32と、パイプ33と、インペラケース34と、上蓋35とが組み付けられてなり、内部にはモータ10が収納される空間であるモータ室38、インペラ20が収納される空間であるインペラ室39、移送される流体の流路5、および自吸工程(ポンプ装置1内やホース内の空気を排出する工程。後述の動作説明参照。)で流体と気体とを分離する気液分離室50等が構成される。
具体的には、ケース本体31に対し、底蓋32および上蓋35が組み付けられることにより、ケース30の外壁が構成される。底蓋32は、水漏れ防止用のOリング90を介して例えばボルト等によりケース本体31と連結されている。上蓋35は、爪部351がケース本体31の係止孔311に係止されることにより固定されている。このようにケース本体31に上蓋35が固定されることによって、モータ10が収納される空間であるモータ室38が構成されている。
さらに、ケース本体31の上部には、移送される流体をポンプ装置1内に引き込む吸引口312が形成されており、この吸引口312と連通するようにOリング91を介してパイプ33が連結されている。パイプ33は、逆止弁331を有する略L字形状の筒状部材である。そして、パイプ33の吸引口312と連結された反対側には、パイプ33の外側に嵌め込まれるようにしてインペラケース34が連結されている。このインペラケース34は、パイプ33と連結された反対側が、ケース本体31のインペラ室側壁313の外側に嵌め込まれるようにしてケース本体31と連結されている。このパイプ33およびインペラケース34とにより、ポンプ装置1内に引き込まれた流体の流路5が形成されている。このように、インペラ20が収納される空間であるインペラ室39は、ケース本体31とインペラケース34とにより構成されている。
以下、このモータ室38内およびインペラ室39内の具体的な構成について説明する。
図3は、モータ室38に収納されたシール部材40およびインペラ室39に収納されたインペラ20を拡大して示した図(図1におけるA部拡大図)である。シール部材40は、ケース30に形成されたインペラ室39からモータ室38への流体の浸入を阻止する役割を果たす合成樹脂製の部材であり、円筒部41と、その円筒部41の内側に形成された軸線方向に並んだ二つのリップ42,43とを有する。上述したように、シール部材40は、モールド部18に形成された出力側凹部183の大径凹部183bに、円筒部41を弾性変形させながら圧入により固定されている。具体的には、シール部材40の反出力側端面401が、出力側凹部183の小径凹部183aと大径凹部183bとの境界に存在する段部(大径凹部183bの底面)と当接する位置まで圧入される。
このようにして固定されるシール部材40のリップ42,43は、反出力側軸受192および出力側軸受193に回転自在に支持された出力軸14の外周面に接触している。つまり、装置運転中には、リップ42,43は回転する出力軸14と摺接する。これにより、インペラ20の回転によって移送される流体のインペラ室39からモータ室38への浸入が阻止されると共に、モータ室38を通っての装置外部への水漏れが防止される。なお、正確には、シール部材40はモータ室38内に設けられるため、シール部材40のリップ42,43が出力軸14と、シール部材40の円筒部41が出力側凹部183の大径凹部183bと当接する位置までは流体が浸入可能である。すなわち、モータ室38内における大径凹部183bまでは流体が入り込み、シール部材40によって出力側凹部183の小径凹部183aからの(軸線方向からの)流体の浸入が阻止される。つまり、本実施形態における「モータ室38への流体の浸入が阻止される」とは、モータ室38における出力側凹部183の大径凹部183b(すなわちシール部材40が配設された空間)を除いた部分への流体の浸入が阻止されることをいう。
一方、図2および図3に示すように、ケース本体31には、モータ室38の底面(下側の面)の中央から円筒状に突出した凸部395が設けられ、凸部395の中央には、出力軸14が挿通される貫通孔382が形成されている。また、凸部395の周囲には、環状に突出した環状突出部383が形成されている。この環状突出部383に、ステータ16(モールド部18)が位置決め固定されている。
この点について、図3および図4(図3におけるB部の拡大図)を参照して具体的に説明する。ステータ16のモールド部18の反出力側には、環状の突起である第一の壁部184と、この第一の壁部184よりも外側に設けられた第二の壁部185とが形成されている。この第一の壁部184と、第二の壁部185との間に環状突出部383を嵌め込むようにしてステータ16がモータ室38内に位置決め固定されている。このケース本体31に対するステータ16の位置決め固定される際、ケース本体31とモールド部18との間には、Oリング92が介在される。
具体的には、相対的に内側に位置する第一の壁部184は、外周面までの径が相対的に大径の大径壁部184aと相対的に小径の小径壁部184bとからなり、両者の境界に生じる段差を利用して第一の壁部184と環状突出部383との間にOリング92が挟み込まれている。つまり、第一の壁部184の小径壁部184bと環状突出部383との間にOリング92が挟み込まれる。これにより、大径凹部183bの径方向からモータ室38内(ステータ16の外側)への流体の浸入が阻止される。なお、第一の壁部184の小径壁部184bにおけるOリング92との当接面、および環状突出部383におけるOリング92との当接面は、出力軸14と同芯の筒状となっている。また、環状突出部383は、第一の壁部184の大径壁部184aと第二の壁部185との間に嵌合(圧入)される。
かかる構成とすることにより、ポンプ装置1では、シール部材40によって出力軸14の軸方向からの流体の浸入が防止されると共に、Oリング92によって大径凹部183bの径方向からモータ室38内への流体の浸入が防止される。そのため、モータ室38内への流体の浸入が阻止され、ロータ12やステータ16の水濡れによる故障や腐食等が確実に防止される。また、モータ室38を経由してのポンプ装置1外部への水漏れが確実に防止される。
また、図1および図3から分かるように、モータ室38の底面の中央から円筒状に突出した凸部395は、大径凹部183bに入り込んで位置する。つまり、大径凹部183bの開口は、インペラ室39の外壁である凸部395に覆われている。
モータ室38内に配設されたモータ10の出力軸14は、凸部395に形成された貫通孔382を通ってその先端部分がモータ室38から突出し、インペラ室39内に位置する。インペラ20は、この出力軸14の先端部分に固定され、インペラ室39内に収容されている。具体的には、図3に示すように、インペラ20の筒状部22は、モータ室38の底面の中央から円筒状に突出した凸部395によってインペラ室39内に生まれた凹状の空間391内に位置し、筒状部22の反出力側端面222は、所定のクリアランスを隔てて凹状の空間391の底部391aと対向している。つまり、出力軸14は、その軸線方向にある程度上下動可能となるように、遊びをもった状態で固定される。このような遊びが無いと、各構成部品の製造誤差等により、組み付けが困難になるおそれがあるからである。また、羽根部24は、その旋回径よりも大きく形成されたインペラ室39の主空間392内に位置する。
図5は、インペラ20の羽根部24を軸線方向と直交する方向に切断した断面図(図1におけるC−C線断面図)である。また、図6は、インペラ20の羽根部24より下を軸線方向と直交する方向に切断した断面図(図1におけるD−D線断面図)である。図5に示されるように、インペラ室39の側壁313には、二つの吐出口313aが形成されている。これにより、インペラ20の回転によって吸い込み口394からインペラ室39内に引き込まれた流体は、インペラ20の回転遠心力により、この吐出口313aを通って気液分離室50に押し出される。
また、図6に示されるように、インペラ室39の主空間392の側壁313には、戻り口313bが形成されている。戻り口313bは、気液分離室50の下部と連通しており、インペラ20の回転によって一旦気液分離室50に押し出された流体を、再びインペラ室39に戻すための流路となる。そのため、戻り口313bは、インペラ20の回転によって気液分離室50からインペラ室39内に流体が引き込まれるよう、負圧が発生するインペラ20の羽根部24より下方に設けられている。
インペラ20によって押し出された流体が移動する気液分離室50は、ケース30の内部空間の大部分を占める。具体的には、ケース30の内部空間における、モータ室38、インペラ室39、およびパイプ33やインペラケース34によって構成された流体の流路5を除く部分が気液分離室50となっている。図2に示すように、この気液分離室50(ケース本体31)の上部には、自吸工程において気液分離室50と連通して分離された空気を外部に排出するため、および自吸工程終了後の水を外部に排出するための排出口51が設けられている。また、この排出口51と並んで、予めケース30内に所定量の呼び水を導入するための呼び水供給口52が設けられている。
以下、このように構成されるポンプ装置1の動作について説明する。まず、ケース30の内部空間内には、インペラ20が空回りしないよう、少なくともインペラ20の羽根部24の全てが浸かる程度の呼び水が呼び水供給口52から供給される。
所定量の呼び水供給後、モータ10のステータ16が有する駆動コイル161に給電する。すると、駆動コイル161を備えるステータ16から磁界が発生し、ステータ16の外側に位置するマグネット121を備えるロータ12が回転する。ロータ12が回転すると、ロータ12が有する出力軸14の先端に固定されているインペラ20がインペラ室39内で回転する。
インペラ20の回転により、インペラ室39の主空間392内に存在していた呼び水が、側壁313に形成された二つの吐出口313aから気液分離室50へ押し出されて、インペラ室39内は負圧になる。すると、パイプ33に設けられた逆止弁331が開き、一方が吸引口312に連結されると共に他方が流体源に連結されている(例えば、風呂の残り湯を洗濯機に引き込む場合には、流体源である風呂釜の水中に落とし込まれている)ホースの内部に存在していた空気がケース30内に引き込まれる。ケース30内に取り込まれた空気は、パイプ33やインペラケース34によって形成された流体の流路5を通って吸い込み口394からインペラ室39内に吸い込まれれる。そして、インペラ20の回転によって呼び水と攪拌されながら混合され、インペラ室39から吐出口313aを通って気液分離室50へ押し出される。
押し出された流体(気液混合体)は、気液分離室50を上下方向に貫くパイプ33の周りを旋回しながら「縦渦」状態で上昇する。そのため、この流体の流れによる「縦渦」の中心位置が真空となり、呼び水がその真空部分に引き寄せられ、空気と水が容易に分離される。すなわち、気液分離室50内では、激しく気液混合体がかき回されるが、その流れが「縦渦」を形成しているため、「横渦」と比較すると気液混合体が上昇するのに時間が掛かる。その結果、気液混合体は、気液分離室50の上部に達するまでに空気と水とに分離され、質量の軽い空気は気液分離室50の上部に溜まる。したがって、分離された空気は徐々に排出口51から排出される。
一方、質量の重い水は気液分離室50の下部に移動し、上述の側壁313に形成された戻り口313bからインペラ室39内に引き込まれる。そして、再び空気と混合されたあと、気液分離室50へ押し出される。
このような動作を繰り返すことにより、ケース30内やホース内に存在していた空気のみが徐々に排出口51から排出される。空気が排出されると、流体源から水が徐々に引き込まれる。そして、完全に空気が排出され、ケース30内やホース内が水で満たされると、自吸運転状態から定常の給水運転状態(液体を移送している状態。風呂の残り湯を洗濯機に引き込む場合には、風呂釜の水を洗濯槽内に移送している状態。)となり、吸引口312から装置内に引き込まれた水が連続的に排出口51から排出される。
なお、給水動作終了後、モータ10への給電を停止し、インペラ20の回転が停止されると、インペラ室39内の負圧は消滅する。すると、ケース30内のへの流体の引き込み作用が無くなり、流体は逆流しようとするが、パイプ33に設けられた逆止弁331が流体の流路5を塞ぐため、流体が逆流することはない。
以上、本実施形態に係るポンプ装置1の構成ならびに動作について説明したが、かかる構成を備えるポンプ装置1によれば次のような作用効果が奏される。
ポンプ装置1では、モータ10の出力軸14を回転自在に支持する反出力側軸受192および出力側軸受193は、それぞれ、ステータ16を覆うモールド部18の反出力側凹部182、出力側凹部183(小径凹部183a)に圧入により固定されている。また、出力軸14に摺接するシール部材40は、モールド部18の出力側凹部183(大径凹部183b)に圧入により固定されている。つまり、反出力側軸受192、出力側軸受193、およびシール部材40のいずれもが、モールド部18に固定されているため、これらの部材を高い同軸度で配設することができる。その結果、反出力側軸受192および出力側軸受193に支持される出力軸14と、その出力軸14に摺接するシール部材40の高い同軸度を確保することができるため、シール部材40による高いシール性能を有するポンプ装置1とすることができる。
なお、反出力側軸受192、出力側軸受193、およびシール部材40の固定方法としては、圧入以外のものを採用することもできる。ただし、これらの部材の高い同軸度を確保するためには、モールド部18に対するそれぞれの部材の固定位置のばらつきを小さくしなければならない(反出力側凹部182や出力側凹部183内で、これらの部材ががたつくような固定方法は避けなければならない)ため、本実施形態のように圧入による固定方法が最も好適である。場合によっては、圧入による固定強度を向上させるため、接着剤等を用いてもよい。
また、本実施形態では、ステータ16を覆うモールド部18は、熱硬化性樹脂で形成されているため、成形品であるモールド部18の寸法精度が高い。したがって、モールド部18に固定される反出力側軸受192、出力側軸受193、およびシール部材40の固定位置精度も向上するため、出力軸14に摺接するシール部材40のシール性能がさらに向上する。
また、ポンプ装置1では、ケース本体31に形成された環状突出部383と、ステータ16を覆うモールド部18に形成された第一の壁部184の小径壁部184bとの間にOリング92が挟持されることにより、大径凹部183bの径方向からのモータ室38内への流体の浸入ならびにモータ室38を経由した装置外部への水漏れが防止されている。そして、このケース本体31とモールド部18とが嵌合される際、環状突出部383が第二の壁部185によって案内されるため、ケース本体31に対しモールド部18が傾いた状態で嵌合されるようなことはない。つまり、Oリング92を所定位置に確実に収めることができるため、上記モールド部18とケース本体31とによるシール構造は、高い信頼性を有する。
なお、本実施形態では、ケース本体31に設けられた環状突出部383が、モールド部18に設けられた段差を有する第一の壁部184と、組み付けの際に環状突出部383をガイドする第二の壁部185との間に嵌合される構成であることを説明したが、このような構成に限られない。例えば、図7に示されるように、モールド部18に環状突出部383を、ケース本体31に第一の壁部184と第二の壁部185を設けた構成としてもよい。つまり、モールド部18の環状突出部383が、ケース本体31に設けられた第一の壁部184と第二の壁部185との間に嵌合された構成としてもよい。この場合、Oリング92は、上記と同様に環状突出部383と小径壁部184bとの間に介在させればよい。
さらに、上述のよう動作するポンプ装置1の運転中、インペラ室39内の流体圧力は、様々に変化する。そのため、若干軸線方向に上下動可能となるような遊びをもって配設されているインペラ20が固定された出力軸14は、インペラ室39内の圧力変化によってその遊びの大きさ分上下動する。本実施形態では、図3に示すインペラ20の筒状部22の反出力側端面222とインペラ室39の内壁(凹状の空間391の底部391a)とが当接することで、その上方向に移動する出力軸14の位置が規制される。つまり、出力軸14がその軸線方向に上下動しても、常に流体(気液混合体)で満たされているインペラ室39内においてインペラ20とインペラ室39の内壁が当接する構成であるため、両者の衝突音がインペラ室39内を流れる流体によって低減され、静音性に優れたポンプ装置1とすることができる。
また、ケース本体31に形成された、モータ室38の底面の中央から円筒状に突出した凸部395は、シール部材40が固定された大径凹部183b内に入り込んで位置する。つまり、大径凹部183bの開口側は、インペラ室39の外壁である凸部395に覆われた状態となる。このように、大径凹部183bの開口を凸部395で塞いだ構成とすることで、大径凹部183bに圧入により固定されたシール部材40の脱落が防止される。
なお、このようなシール部材40の脱落防止効果を得るという観点からすれば、凸部395の大きさは特に限定されない。つまり、大径凹部183bの開口の少なくとも一部が凸部395に覆われていれば、シール部材40が大径凹部183bから脱落することはない。
また、本実施形態に係るポンプ装置1は、運転開始時に流路内の空気を分離することができる、いわゆる自吸式のポンプ装置であり、気液分離室50を備える。そして、本実施形態では、この気液分離室50が、モータ10が収納されるモータ室38、およびインペラが収納されるインペラ室39と共に、ケース30内に構成されているため、部品点数の増加が抑えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 ポンプ装置
10 モータ
14 出力軸
16 ステータ
18 モールド部
184 第一の壁部
185 第二の壁部
192 反出力側軸受
193 出力側軸受
20 インペラ
30 ケース
38 モータ室
383 環状突出部
39 インペラ室
40 シール部材
92 Oリング

Claims (3)

  1. 一端にインペラが固定された出力軸と、樹脂からなるモールド部に覆われたステータとを有するモータを備え、前記出力軸を回転自在に支持する軸受、および前記出力軸に接触して前記インペラが収納されたインペラ室から前記モータが収納されたモータ室への流体の浸入を阻止するシール部材が、共に、前記モールド部に固定されていることを特徴とするポンプ装置。
  2. 前記ステータを覆うモールド部が熱硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記モールド部または前記インペラ室が構成されたケースのいずれか一方には、相対的に大径の大径壁部および該大径壁部の先端から突出した相対的に小径の小径壁部からなる環状の第一の壁部と、該第一の壁部の径方向外側から突出した環状の第二の壁部とが形成されると共に、他方には、環状に突出した環状突出部が形成され、前記第一の壁部の大径壁部と前記第二の壁部との間に前記環状突出部が嵌合されると共に、前記第二の壁部の小径壁部と前記環状突出部との間にOリングが挟持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ装置。
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