JP2011026725A - パラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸およびその製造方法 - Google Patents

パラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工糸の引張強度が高く、かつ、原糸に対する強度維持率の高いパラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸およびその製造方法を提供する。
【解決手段】引張強度が18cN/dtex以上であり、加工前の原糸と比較して強度維持率が80%以上であるパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸。パラ型全芳香族ポリアミドの原糸表面に無機微粉末を特定量付着させて牽切加工を行うことで、牽切加工時の開繊性を向上させて平均単糸長のバラツキを低減させる製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、パラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸に関する。さらに詳しくは、従来の高強力短繊維からなる牽切加工糸に比べて、引張強度が高く、かつ、原糸の強度維持率も高い牽切加工糸に関する。
パラ型芳香族系ポリアミド繊維を代表とする高強力繊維は、高耐熱性であり耐切創性も高いため、衣料用途分野においては、紡績糸として防護衣料用途へ展開されている。しかしながら、従来の高強力繊維を用いた紡績糸は、加工前の原糸に比べて加工糸の強度が著しく小さく、また、原糸と比較した強度保持率が著しく低いという欠点があった。このため、高強力を必要とする用途への展開は困難であった。
一般的に、紡績糸の繊維強力は、該紡績糸を構成する単繊維の強力と、単糸の平均糸長に比例する。このため、原糸の強度維持率を高くするためには、原糸の強力を上げるか、平均構成単糸長を長くするほかなかった。しかしながら、原糸の強力を上げることには限界があった。また、紡績糸の単糸長は一般的に100mm以下であるため、このような短繊維から構成される紡績糸の強度維持率は高くても50%以下であり、一方で、これ以上長い単糸を用いることは、紡績糸製造上困難となるばかりでなく、繊維を均一に配向させることが困難な結果、強度維持率の向上への寄与は小さいものとなっていた。
これらの問題を解決するため、特許文献1では、連続糸条を引き千切り方式にて短繊維化し、平均単糸長が130〜600mmの繊維からなる抱合性が付与された全芳香族ポリアミド紡績糸用糸条が提案されている。
さらに、特許文献2には、ローラー間距離が100〜200cmである一対の供給ローラーと牽切ローラーとの間で、湿度が80%以上の湿潤流体を付与ししつつ引き千切りし、次いで流体ノズルで抱合して引き取ることにより、平均単糸長が40〜90cmであり、紡績糸の原糸強度維持率が70%以上である高強力牽切加工糸が開示されている。
しかしながら、依然として、加工糸の引張強度および原糸強度に対する強度維持率は満足できるものではなく、さらなる向上が求められていた。
特開昭58−081637号公報 国際公開第2005/103353号パンフレット
本発明は、上記従来技術を背景になされたものであり、その目的とするところは、加工糸の引張強度が高く、かつ、原糸に対する強度維持率が高いパラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、パラ型全芳香族ポリアミドの原糸表面に無機微粉末を特定量付着させることで、牽切加工時の原糸開繊性が向上して平均単糸長のバラツキが低減し、その結果、加工糸の引張強度が高く、かつ、原糸に対する強度維持率が向上した牽切加工糸が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、引張強度が18cN/dtex以上であり、加工前の原糸と比較して強度維持率が80%以上であるパラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸である。
また別の本発明は、パラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸の製造方法であって、原糸表面に無機微粉末を0.1〜0.5質量%付着させた後に、牽切加工を実施するパラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸の製造方法である。
本発明のパラ型全芳香族ポリアミドからなる牽切加工糸は、従来の高強力短繊維からなる牽切加工糸に比べて、引張強度が高く、かつ、原糸に対する強度維持率が高いものである。このため、例えば、自動車の燃料ホースやタイミングベルト等のゴム補強用途等の高強力を必要とする用途において、大変有用である。
また、同時に、本発明のパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸は、牽切加工糸表面の単糸の絡まり量が多いため、ゴム等のマトリックス中におけるアンカー効果は向上し、マトリックスとの表面剥離を低減することができる。その結果、従来の補強材と比べて、補強効果が向上した補強材を得ることができる。
本発明に好ましく用いられる牽切加工装置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<パラ型全芳香族ポリアミド繊維>
本発明の牽切加工糸を構成するパラ型全芳香族ポリアミドとは、1種または2種以上の2価の芳香族基が、アミド結合により直接連結されたポリマーである。また、芳香族基には、2個の芳香環が酸素、硫黄、または、アルキレン基を介して結合されたもの、あるいは、2個以上の芳香環が直接結合したものも含む。さらに、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基等が含まれていてもよい。なお、2価の芳香族基を直接連結するアミド結合の位置は、パラ型である。
このようなパラ型全芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、テレフタル酸成分と3,4’−ジアミノジフェニルエーテル成分およびパラフェニレンジアミン成分とが共重合されたコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド、テレフタル酸成分とフェニルベンゾイミダゾール骨格を有する芳香族ジアミン成分およびパラフェニジレンジアミン成分とが共重合されたコポリパラフェニレン・フェニルベンゾイミダゾール・テレフタルアミド等を挙げることができる。
また、本発明に用いられるパラ型全芳香族ポリアミドとしては、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、機械的強度が特に優れていることから、ポリパラフェニレンテレフタルアミドまたはコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを用いることが好ましい。なお、ポリパラフェニレンテレフタルアミドは、一般的な有機溶剤に不溶であるため、硫酸等の強酸を使用して光学異方性を有するドープを作成する必要があり、このため、製造負荷が比較的大きい。これに対してコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、アミド系溶剤等に可溶であることから、繊維を得るための紡糸用溶液(ドープ)を得るための負荷が小さく、また、成形加工性にも優れる。このため、本発明においては、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを用いることが最も好ましい。
なお、本発明においては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維が主成分となるものであれば、その他に、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維、高強力ポリエチレン繊維、高強力ポリビニルアルコール繊維、全芳香族ポリエステル繊維等が混合された混合繊維であってもよい。ここで、「主成分」とは、牽切加工糸を構成する繊維全体に対して、パラ型全芳香族ポリアミドが50質量%より大きく100質量%の範囲となることを意味する。なお、本発明においては、パラ型全芳香族ポリアミドが100質量%であることが特に好ましい。
<パラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性>
[単糸繊度]
牽切加工に用いるパラ型全芳香族ポリアミド繊維の単糸繊度は、2.2dtex以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.1dtex以下である。単糸繊度が2.2dtexよりも大きい場合には、牽切加工糸の構成単糸本数が少なくなり、単糸どうしの絡み合いが減少するため、糸条の強度が低下するという問題が生じる場合がある。
[引張強度]
牽切加工に用いるパラ型全芳香族ポリアミド繊維の引張強度は、18cN/dtex以上であることが好適である。さらに好ましくは、20cN/dtex以上である。18cN/dtexを下回る場合には、牽切加工後の強度が低く、本願発明の牽切加工糸を得ることができない。また、牽切加工後の強度が低く、ゴム補強材としての効果が期待できない。
[無機微粉末の付着量]
牽切加工に用いるパラ型全芳香族ポリアミド繊維への無機微粉末の付着量は、0.1〜0.5質量%の範囲とする。好ましくは、0.2〜0.3質量%の範囲である。付着量が0.1質量%未満の場合には、牽切加工時に十分な開繊性を得ることができず、一方で、0.5質量%を超える場合には、加工時に微粉末の飛散が多くなるという問題が発生する。
[無機微粉末の平均粒径]
また、本発明において、牽切加工に用いるパラ型全芳香族ポリアミド繊維へ付着させる無機微粉末の平均粒径は、5μm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、3μm以下である。平均粒径が5μmを超える場合には、単糸間も含め、繊維全体に無機微粉末を均一に付着させることが困難となり、牽切加工時に十分な開繊性が得られなくなるため、ゴム等の補強材として必要な引張強度を発現することができなくなる。
[無機微粉末の種類]
本発明において、牽切加工に用いるパラ型全芳香族ポリアミド繊維へ付着させる無機微粉末の種類は、無水珪酸アルミニウムまたはアルミノ珪酸ナトリウムとすることが好ましい。無水珪酸アルミニウムまたはアルミノ珪酸ナトリウムとすることにより、牽切加工に用いるパラ型全芳香族ポリアミド繊維表面に、微粒子が均一に付着し、さらに、付着後の加熱工程における熱変化もないため、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の性能が阻害されない。また、繊維表面への均一付着を達成することにより、牽切加工時の開繊性が向上し、その結果、牽切後の単糸長のバラツキが低減し、且つ抱合時の単糸同士の絡まりが向上する。
[その他]
牽切加工に用いるパラ型全芳香族ポリアミド繊維に対する油剤付着量は、0.05〜0.5質量%の範囲とすることが好ましく、かつ、牽切加工前の原糸の水分含有率を7.0質量%以下とすることが好ましい。油剤付着量が0.05質量%未満の場合には、引き千切り加工の際に、繊維に帯電している静電気による反発によりトウバラケによる断糸が多発し、安定に牽切加工することが困難となる。一方で、油剤付着量が0.5質量%を超える場合には、油剤による繊維収束効果により、牽切加工の際にトウが十分に開繊せず、牽切糸を構成する単糸長のばらつきが大きくなる。また、牽切加工前の原糸の水分含有率が7.0質量%を超える場合には、水分による繊維収束効果により、油剤付着量が0.5質量%を超えたときと同じような現象が現れ、均一な牽切加工をすることが困難となる。
[強度維持率]
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸の、加工前の原糸に対する強度維持率は80%以上である。好ましくは85%以上である。ただし、牽切加工糸が混合繊維の場合には、強度の低い原糸に対する強度維持率とする。強度維持率が80%未満の場合には、原糸が持つ強度を効果的に発揮できておらず、得られた糸条の利用用途が制限されてしまう。
[平均単糸長]
本発明の牽切加工糸を構成する平均単糸長は、40〜90cmの範囲とすることが好適である。さらに好ましくは、60cm〜80cmの範囲である。平均単糸長が40cm未満の場合には、原糸強度を十分に発揮することができず、本願発明である強度維持率80%を達成することが困難な場合がある。一方で、平均単糸長が90cmを超える牽切加工糸を製造する場合には、2.0m以上の牽切長が必要となることから、牽切部分でのトウが著しく開繊され、このため、ローラーへの巻き付きが多発し、実質的に安定な牽切加工を行うことが困難となる。
[単糸長の変動係数(CV)]
本発明の牽切加工糸を構成する単糸長の変動係数(CV)は、50%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、40%以下である。単糸長の変動係数(CV)が50%を超える場合には、単糸長のばらつきが大きいために、牽切加工糸の強度ばらつき、すなわち強度の標準偏差が大きくなり、均一な糸条を形成することが困難となる。
[牽切加工糸表面の単糸絡まり量]
本発明の牽切加工糸は、繊維集合体の繊維軸方向に対して40度から140度までの傾斜を有する単糸が、全体の1%以上3%未満となっている。これにより、例えば、本発明の牽切加工糸をゴム等の補強材として用いた場合には、マトリックス中のアンカー効果が向上し、マトリックスとの間で高い接着性を確保することが可能となる。
<牽切加工糸の製造方法>
以上に説明した本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸の好ましい製造方法について、図面を用いて詳しく説明する。図1は、本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸の製造に好ましく用いられる牽切加工装置を示す図である。1は供給ニップローラー、2はシューター、3は牽切ニップローラー、4は吸引性空気ノズル、5は旋回性抱合ノズル、6はデリベリローラー、7は巻取牽切加工糸、8はパラ型芳香族ポリアミド繊維である。
まず、パラ型芳香族ポリアミド繊維8は、供給ニップローラー1の前で所望の本数引き揃えられ、重ね合わされながら供給ニップローラー1を通過した後、シューター2の中で牽切(引き千切り加工)される。この際、湿度が80%以上の湿潤流体、例えば湿潤空気がシューター内に供給され、パラ型全芳香族ポリアミド繊維に付与される。次いで、吸引性空気ノズル4により牽切ニップローラー3から引出され、次いで旋回性抱合ノズル5によって絡みや毛羽巻付による抱合性が付与された後にデリベリローラー6によって引き取られる。
以下、実施例等をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに何等限定されるものではない。
<測定・評価方法>
実施例および比較例における各特性値は、下記の方法により測定・評価した。
(1)原糸の引張強度
牽切加工前のパラ型全芳香族ポリアミド繊維、につき、引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565)を用いて、ASTM D885に準拠して、以下の条件にて測定を実施した。
[測定条件]
測定温度 :室温
測定試料長 :750mm
引張速度 :250mm/min
チャック間距離 : 500mm
(2)牽切加工糸の繊度および引張強度
牽切加工糸につき、JIS L1095に準拠して、繊度を求めた。また、引張試験機(SHIMADZU社製、商品名:AUTOGRAPH、型式:AGS−100A)を用いて、JIS L1095に準拠して、以下の条件にて測定を実施した。
[測定条件]
測定温度 :室温
測定試料長 :250mm
引張速度 :300mm/min
チャック間距離 :150mm
(3)牽切加工糸の強度保持率
上記方法によって得られた原糸の引張強度と牽切加工糸の引張強度から、牽切加工前の原糸に対する牽切加工糸の強度維持率を算出した。
[式1]
牽切加工糸の強度保持率(%)=([牽切加工糸の引張強度]/[原糸の引張強度])×100
(4)平均単糸長
得られた牽切加工糸から、100本の単糸を切断しないようにランダムに抜き取った。それぞれの単糸の長さを、伸ばした状態で測定し、得られた値の平均値とを平均単糸長とした。
(5)単糸長の変動係数(CV)
上記方法によって得られた100本の単糸長の標準偏差(σ)と、その平均糸長(X)から、次式を用いて計算した値を単糸長の変動係数(CV)とした。
[式2]
単糸長の変動係数(CV)(%)=(σ/X) ×100
(6)単糸絡まり観察
光学顕微鏡(Nikon社製、商品名:ECLIPSE E600WPOL)を用いて、倍率200倍にて、400μm×400μmの範囲で牽切加工糸表面の任意の箇所を測定し、繊維集合体の繊維軸方向に対して40度から140度までの範囲に傾斜している単糸の観察を行ない、その含有率を求めた。合計で10箇所の観察を実施し、その平均値を求めた。
(7)ゴム剥離強度
牽切加工糸をNBRゴム(ニトリルゴム)に埋設し、150℃で40分加硫してゴムシートを得た。続いて、ゴムシート面に対して90度の方向へ牽切加工糸を剥離し、このときの剥離強度を、引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565)を用いて、以下の条件で測定した。合計で25本の牽切加工糸について測定を実施し、その平均値を求めた。
[測定条件]
測定温度 :室温
引張速度 :300mm/min
<実施例1>
図1に示す装置を用いて、単糸繊度0.84dtex、全繊度1670dtex、強度23.1cN/dtex、微粉末がアルミノ珪酸ナトリウムであり、微粉末付着量0.28質量%、油剤付着量0.2%であるパラ型全芳香族ポリアミド繊維を3本引き揃え、ローラー間の距離(牽切長)150cmで、供給ニップローラー1とシューター2と牽切ニップローラー3との間で、約11.4倍で400m/minの速度で同時に引き千切り、細い短繊維束とした。
続けて吸引性空気ノズル4と旋回流を有する旋回性抱合ノズル5(圧空圧0.3MPa)とに、牽切ニップローラー3とデリベリローラー6との速度比100:99.5で通して絡みを付与すると共に、短繊維の毛羽をランダムに巻きつけ、約440dtexの牽切加工糸条7を得た。牽切加工前の原糸の状況、牽切条件、および、得られた牽切加工糸条の物性を、表1に示す。
<実施例2>
旋回流を有する旋回性抱合ノズル5に使用する圧空圧力を0.5MPaとした以外は、実施例1と同様にして牽切加工糸条を得た。牽切加工前の原糸の状況、牽切条件、および、得られた牽切加工糸の物性を、表1に示す。
<実施例3>
単糸繊度0.84dtex、全繊度1670dtex、強度23.5cN/dtex、微粉末が無水珪酸アルミニウムであり、微粉末付着量0.26質量%、油剤付着量0.2%であるパラ型全芳香族ポリアミド繊維を用いて、実施例1と同様にして牽切加工糸を得た。牽切加工前の原糸の状況、牽切条件、および、得られた牽切加工糸の物性を、表1に示す。
<比較例1>
牽切加工前の原糸に微粉末を付着させない以外は、実施例1と同様にして牽切加工糸条を得た。牽切加工前の原糸の状況、牽切条件、および、得られた牽切加工糸の物性を、表1に示す。
<比較例2>
牽切加工前の原糸に付着させるアルミノ珪酸ナトリウムを0.8質量%として、実施例1と同様に牽切加工を試みたが、加工時の粉じんが多いため、牽切加工糸を得ることができなかった(牽切加工中止)。
<比較例3>
牽切加工前の原糸に付着させる微粉末として、水酸化マグネシウムを0.5質量%付着させた以外は、実施例1と同様にして牽切加工糸条を得た。牽切加工前の原糸の状況、牽切条件、および、得られた牽切加工糸の物性を、表1に示す。
Figure 2011026725
<実施例4>
実施例1で得られた牽切加工糸につき、単糸の絡まり量を観察したところ、牽切加工糸の繊維軸方向に対して40度から140度の傾きを持つ単糸の割合は、2.8%であった。また、得られた牽切加工糸につき、剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
<実施例5>
旋回抱合ノズル5の圧空圧を0.25MPaにすること以外は、実施例1と同様にして、441dtexの牽切加工糸を得た。
得られた牽切加工糸の繊維軸方向に対して40度から140度の傾きを持つ単糸の割合は、1.4%であった。また、得られた牽切加工糸につき、剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
<実施例6>
牽切加工を行う原糸のアルミノ珪酸ナトリウム付着量を0.45質量%とした以外は、実施例1と同様にして、牽切加工糸を得た。得られた牽切加工糸の繊維軸方向に対して40度から140度の傾きを持つ単糸の割合は2.5%であった。また、得られた牽切加工糸につき、剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
<実施例7>
牽切加工を行う原糸に付着させた微粉末を無水珪酸アルミニウムとし、その付着量を0.31質量%とした以外は、実施例1と同様にして、牽切加工糸を得た。得られた牽切加工糸の繊維軸方向に対して40度から140度の傾きを持つ単糸の割合は2.2%であった。また、得られた牽切加工糸につき、剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
<比較例4>
図1に示す装置を用いて、単糸繊度0.84dtex、全繊度1670dtex、強度24.0cN/dtex、微粉末が珪酸マグネシウム80質量%、含水珪酸アルミニウム20質量%であり、微粉末付着量1.03質量%、油剤付着量0.24%であるパラ型全芳香族ポリアミド繊維束3本を引き揃え、ローラー間の距離(牽切長)を150cmとして、供給ニップローラー1とシューター2と牽切ニップローラー3との間で、約11.4倍の牽切倍率で、400m/minの速度で同時に引き千切り、細い短繊維束とした。
続けて吸引性空気ノズル4と旋回流を有する旋回性抱合ノズル5(圧空圧0.3MPa)とに、牽切ニップローラー3とデリベリローラー6との速度比100:99.5で通して絡みを付与すると共に、短繊維の毛羽をランダムに巻きつけ、444dtexの牽切加工糸条7を得た。
得られた牽切加工糸の繊維軸方向に対して40度から140度の傾きを持つ単糸の割合は、0.4%であった。また、得られた牽切加工糸につき、剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2011026725
1 供給ニップローラー
2 シューター
3 牽切ニップローラー
4 吸引性空気ノズル
5 旋回性抱合ノズル
6 デリベリローラー
7 巻取牽切加工糸
8 パラ型全芳香族ポリアミド繊維

Claims (6)

  1. 引張強度が18cN/dtex以上であり、加工前の原糸と比較して強度維持率が80%以上であるパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸。
  2. 繊維集合体の繊維軸方向に対して40度から140度までの傾斜を有する単糸が、全体の1%以上3%未満である請求項1記載のパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸。
  3. ゴム補強材である請求項1または2記載のパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸。
  4. パラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる牽切加工糸の製造方法であって、
    原糸表面に無機微粉末を0.1〜0.5質量%付着させた後に、牽切加工を実施するパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸の製造方法。
  5. 前記無機微粉末が、平均粒径5μm以下の無水珪酸アルミニウムもしくはアルミノ珪酸ナトリウムである請求項4記載のパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸の製造方法。
  6. 請求項4または5記載のパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸の製造方法によって得られるパラ型全芳香族ポリアミド牽切加工糸であって、
    引張強度が18cN/dtex以上であり、加工前の原糸と比較して強度維持率が80%以上である牽切加工糸。
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