JP2011025748A - 車両用インストルメントパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】故障時に最適な表示を実行するフォールトトレラントシステムを提供すると共に、故障時に適度な不便さをユーザに感じさせることで、ユーザに対して早期の修理を促すことのできる車両用インパネを提供する。
【解決手段】表示制御回路17は、バックライト12の故障を検知した場合、バックライト12の照明範囲のうち画像の表示が可能な輝度を得られる限定表示エリアを特定し、その特定した限定表示エリアのサイズに応じて、そこに表示する車両情報を選択する。そして、表示制御回路17は、インパネ用マイコン16及び車両系GDCシステム21に対し、選択した車両情報のみを限定表示エリアに表示し、他の情報の表示を排除する故障時表示設定を指示する。以降、バックライト12の修理かなされるまで、インパネ表示システム1には限られた範囲にのみ特定の車両情報が表示される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に用いられるインストルメントパネルに関する。
車両の計器盤として用いられるインストルメントパネル(以下、インパネとも表記する)では、メータ類、ナビゲーション画像、車載カメラによる撮影映像等の様々な情報を画像にして、1つの表示面(例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ)上にレイアウトして表示する、いわゆる統合インパネが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このような統合インパネにおいては、表示装置である液晶パネルのバックライトに用いられるランプが故障(不点)となった場合、表示画像が見えなくなってしまい、運転に必要な速度表示や燃料計、右左折表示を確認できなくなる。また、このような問題は、液晶パネルに限らず、マトリクス状に配置された発光体画素の組み合わせ画像を生成する自発光型表示パネルにおいて、発光体画素の不点故障が多数発生した場合にも同様に起こり得る。
このような問題に対し、例えば、液晶パネルのバックライトの故障を検知する技術や、バックライト用の予備のランプを備え故障時に使用する技術等が知られている(特許文献2,3参照)。また、複数の液晶モニタのうち何れかが故障した場合に、他の液晶モニタに表示を代行させる技術も知られている(特許文献4参照)。あるいは、自発光型表示パネルの一種である有機ELパネルにおいて不良画素を検出する技術(特許文献5参照)や、プラズマディスプレイおいて表示素子不点灯による故障状況を把握するための技術(特許文献6参照)も知られている。
特開2008−197666号公報 特開2002−131746号公報 特開2001−147417号公報 特開2005−221664号公報 特開2009−92965号公報 特開平7−199850号公報
しかしながら、特許文献3に記載のように、故障した際に実使用のランプと同じものを予備に用いることは製品のコスト高につながるという問題がある。
さらに、実使用のランプと同性能の予備ランプを用いた場合、特に一般家庭のユーザに使用される自家用の車両においては、下記のフォールトトレラントシステムならではの問題が発生する。
フォールトトレラントシステムは、システムの一部に障害が生じても全体が機能停止することなく、たとえ機能を縮小してでも動作しつつけるシステムである。例えば、バックアップの部品を備えており、障害が発生したときに自動的にバックアップ部品に代替して動作するようなシステムがこれに当たる。このとき、バックアップ部品が実使用の部品と同性能であれば、システムは正常時とほぼ変わらない動作を継続できる。しかし、このようなフォールトトレラントシステムでは、たとえユーザが故障に気付いたとしても、システムが正常時とほぼ変わらない動作をし続ける場合は、ユーザはその故障を修理することを疎かにしてしまうことも考えられる。
例えば、旅客機のように運行が終了する都度、業務として整備者が常に制御システム等を点検整備する場合は、フォールトトレラントシステムで発生した故障を敢えて放置することはないと考えられる。しかし、一般ユーザが使用する自家用車では、フォールトトレラントシステムで故障が発生していても、実用に支障がなければ次の定期点検を行うときまで、その故障を放置してしまうおそれがある。自家用車の統合インパネの事例を挙げれば、液晶パネル用バックライトのランプが故障した場合、予備のランプで表示を継続可能であれば、ユーザは敢えてランプを交換しないまま走行し続けるおそれがある。このような状態での使用が継続した場合、フォールトトレラントシステムでフォロー可能な範囲を超えた障害が生じたとき、すなわち、予備のランプまでも故障で不点になったとき、車両の運転に必要な情報を全く表示できなくなるおそれがある。
一方、統合インパネのモニタが故障したときに、ナビゲーション装置等の他の装置で用いるモニタを代用する場合、代用された装置が本来の表示サービスを提供できないというデメリットがある。また、代用されるモニタの設置場所が運転視界から外れている場合、車両の走行中に運転者が表示内容を視認し難いといった問題もある。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、故障時に最適な表示を実行するフォールトトレラントシステムを提供すると共に、故障時に適度な不便さをユーザに感じさせることで、ユーザに対して早期の修理を促すことのできる車両用インパネを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両用インストルメントパネルは、発光体が発光する光によって形成される画像を表示する表示装置を有し、車両の状況に関する情報を含む複数の車両情報を画像として表示する車両用インストルメントパネルであって、故障判定手段と、特定手段と、選択手段と、表示制御手段とを備える。
このうち、故障判定手段は、発光体における故障の発生を判定する。特定手段は、故障判定手段により発光体に故障が発生していると判定されたときに、表示装置の全表示範囲のうち画像を表示可能な限定表示エリアを特定する。選択手段は、複数の車両情報のうち、特定手段により特定された限定表示エリアに表示すべき車両情報を選択する。表示制御手段は、選択手段により選択した車両情報だけを、特定手段により特定された限定表示エリア内に表示させる。
このように構成された車両用インストルメントパネルによれば、発光体の故障時において、画像を表示可能な限定された範囲で最小限必要な情報の表示を行うことのできるフォールトトレラントシステムを実現でききる。例えば、発光体が液晶パネル用のバックライトである場合を想定すると、実使用のランプと同性能の予備ランプを備える必要はなく、液晶パネルの一部分で画像が表示可能な程度の比較的小型の予備ランプを備えればよく、製品コストを低減できる。また、複数の発光体を同時に使用する表示デバイスを想定した場合、故障した発光体を除く残りの発光体で表示可能な範囲に限定して画像を表示すればよい。さらに、発光体の故障時には、選択された情報のみが限定表示エリア内に表示されるようになるため、ユーザに対して適度な不便さを感じさせることで、早期の修理を促すことができる。
ところで、発光体の故障の程度によって、画像が表示可能な限定表示エリアの大きさが変わってくることが考えられる。つまり、故障の影響が軽微であるならば、画像を表示可能な限定表示エリアを大きくできる一方、故障の影響が表示面の広範囲に及ぶ場合、画像を表示可能な限定表示エリアは必然と小さくなる。そこで、請求項2に記載のように、限定表示エリアの大きさに応じて、その限定表示エリアに表示する画像として選択する車両情報の種類や数を決定するように構成するとよい。このようにすることで、限定表示エリアが大きければより多くの車両情報を表示したり、小さければ表示する車両情報を最重要のものだけに絞り込んだりといった具合に、限定表示エリアの大きさ応じた最適な情報表示を行うことができる。
さらに、請求項3に記載のように、限定表示エリアの大きさに応じた数の車両情報を、車両情報ごとに予め定められた優先度順に選択するようにしてもよい。このようにすることで、発光体の故障時にユーザにとって有用な車両情報を優先的に表示することができ、車両の運転に支障のないようにできる。
なお、車両情報の優先度は、例えば、法令等で表示が義務付けられた車両情報や、車両の運転に不可欠な車両情報等を相対的に高く設定しておくことが考えられる。そのような優先度を高く設定すべき車両情報としては、特に、速度が挙げられる。そこで、請求項4に記載のように、限定表示エリアに表示すべき車両情報として、少なくとも車両の速度表示を選択するとよい。
つぎに、請求項5に記載の車両用インストルメントパネルは、次のような特徴を有する。特定手段は、故障していない残りの発光体を全て発光させた状態を想定した全表示範囲の輝度分布に基づいて、全表示範囲を格子状に区切った分割エリアごとの輝度を算出し、分割エリアのうち最も輝度が高い分割エリアを少なくとも1つ包含する範囲を限定表示エリアとして特定する。なお、全表示範囲の輝度分布は、例えば、個々の発光体それぞれの輝度分布を予め測定した値を保存しておき、その測定値の重ね合わせで算出できる。このように構成することで、発光体が故障した状態において最も輝度の高い部分、すなわち、最も明るい表示の行える場所を限定表示エリアに特定することができる。
あるいは、液晶パネル用の直下型方式のバックライトや自発光型表示パネルの場合、限定表示エリアの特定方法を請求項6に記載のようにすることもできる。すなわち、故障判定手段は、全表示範囲を格子状に区切った分割エリアごとに、その分割エリアに対応する発光体の故障の有無を判定する。そして、特定手段は、故障判定手段により故障と判定された分割エリアを避けて限定表示エリアを設定する。このように構成することで、発光体の故障時においても、最適な位置で車両情報の表示を継続できる。
ところで、本発明の車両用インストルメントパネルでは、発光体の故障時に限定的な表示を行うことで、ユーザに適度な不便さを感じさせ、それにより早期の修理を促すことができるが、早期の修理を促すための更なる工夫をしてもよい。そこで、請求項7に記載のように、故障判定手段により発光体に故障が発生していると判定された場合、自車両が停止しているときに限り、当該車両用インストルメントパネルの修理を促す旨のメッセージを報知する報知手段を更に備えるように構成するとよい。なお、メッセージの報知は、車両の停車中に車両用インストルメントパネルに表示してもよいし、車両内に備えられた音声出力装置を介して音声で出力してもよい。このように構成することで、ユーザに対して車両インストルメントパネルの修理をより効果的に促すことができる。
なお、本発明の車両用インストルメントパネルに適用可能な表示装置としては、マトリクス状に配置された非自発光型の画素の組み合わせによって画像を生成する液晶パネルと、この液晶パネルを照明するバックライトからなる液晶ディスプレイ(請求項8)や、マトリクス状に配置された発光体画素の組み合わせ画像を生成する自発光型表示パネル(請求項9)等が挙げられる。
インパネ表示システム1及び周辺構成を含む全体構成を示すブロック図である。 故障検出処理の手順を示すフローチャートである。 故障時表示設定処理(液晶パネル)の手順を示すフローチャートである。 故障時表示設定の実行事例(エッジライト方式、蛍光管)を示す説明図である。 故障時表示設定の実行事例(エッジライト方式、LED)を示す説明図である。 故障時表示設定の実行事例(エッジライト方式、LED)を示す説明図である。 故障時表示設定の実行事例(直下型方式、LED)を示す説明図である。 故障時表示設定処理(自発光型)の手順を示すフローチャートである。 故障時表示設定の実行事例(自発光型)を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[インパネ表示システム1の構成の説明]
図1は、インパネ表示システム1及び周辺構成を含む全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車両に搭載されるインパネ表示システム1には、車両状態を表示するための車両系グラフィックディスプレイコントローラ(以下、GDC)システム21と、DVDやTV映像等を表示するためのマルチメディア系GDCシステム22とが、制御データを伝送するための制御データ用LAN32、及び、画像データを伝送するための画像用LAN33を介して接続されている。
さらに、車両系GDCシステム21には、パワートレイン系エレクトリックコントロールユニット(以下、ECU)群23と、ボディ系ECU群24等のECU群が、車内LAN31を介して接続されている。このうち、パワートレイン系ECU群23は、エンジンや変速機等を制御する複数のECUからなり、各ECUの制御対象に関する各種情報、例えば、異常情報、車速、エンジン回転数等のデータを車両系GDCシステム21に送信する。また、ボディ系ECU群24は、ドアや灯火、空調設備等を制御する複数のECUかならなり、各ECUの制御対象に関する各種情報、例えば、ドアの開閉状況、灯火の点灯状態、空調の設定温度や風力情報等を車両系GDCシステム21に送信する。なお、図示していないが、車両系GDCシステム21に接続しているECU群として車両制御系や情報通信系等があり、これらのECU群もパワートレイン系やボディ系ECU群と同様に、車両系GDCシステム21にデータを送信する。
車両系GDCシステム21は、図示しないGDC、CPUマイコン、及び車載用LANのインタフェースを有するLANマイコン等を備えている。CPUマイコンは、車内LAN31を介して各ECU群から受信したデータに基づき、インパネに表示する画像の大きさやレイアウトを決めるレイアウト制御データや、画像やレイアウトの切り替えタイミングを制御する制御データを生成し、その生成した制御データをLANマイコンから制御データ用LAN32を介してインパネ表示システム1内のインパネ用マイコン7に送信する。また、GDCは、CPUマイコンの命令に従ってグラフィック描画を生成し、その生成した画像データを、画像用LAN33を介してインパネ表示システム1内の表示パネルコントローラ15に送信する。
一方、マルチメディア系GDCシステム22については、車内LAN31を介して車両情報を受信する代わりにDVDやTV等の映像・音声信号を受信する以外は、車両系GDCシステム21と同様の作動を行うため、ここでは詳細を省略する。
インパネ表示システム1は、車速計、回転計、燃料計、距離計、水温計、方向指示インジケータ、各種警告等、車両の状況に関する車両情報や、ナビゲーション画像、車載カメラによる撮影映像、マルチメディア画像等の様々な情報を画像として1つの画面にレイアウトして表示する、いわゆる統合インパネであり、液晶パネル11、バックライト12、バックライト制御回路13、画像表示用メモリ14、表示パネルコントローラ15、インパネ用マイコン16、及び表示制御回路17を備える。
液晶パネル11は、マトリクス状に多数配置された液晶素子により外部光源からの光を透過させたり遮蔽することで画像を表示するカラー表示装置であり、偏光板、液晶層、液晶を駆動させる集積回路基板等からなる。
バックライト12は、液晶パネル11を背面から照明することで液晶パネル11の表示面に形成された画像を表示させる光源であり、液晶パネル11の表示面と同じ大きさの照明範囲を有する。液晶パネルの照明に用いられるバックライトには、光源の配置によってエッジライト方式と直下型方式とがあり、本実施形態のインパネ表示システム1には何れの方式も採用できる。エッジライト方式は、液晶パネル11の背面に配置される導光板の端面から発光体(ランプ)の光を導入し、この光が導光板の内部を反射しながら進むことで導光板全体が発光して面光源を得る照明方式である。直下型方式は、液晶パネル11の背後(直下)に拡散板を挟んで発光体(ランプ)を並べ、面光源を得る照明方式である。バックライト12の光源には、冷陰極管(CCFL)、発光ダイオード(LED)、電球等が用いられる。また、エッジライト方式及び直下型方式の何れのバックライトにおいても、常用ランプが故障した際に使用するための、通常時に点灯しない予備ランプを備える場合がある。なお、本実施形態のインパネ表示システム1においては、予備ランプを備える場合、常用ランプよりも小規模のものが用いられる。つまり、常用ランプが単体のバックライトであれば、それよりも小型の予備ランプが備えられ、常用ランプが複数あるバックライトであれば、それよりも数の少ない、あるいは同数であっても個々のランプが常用ランプより小型の予備ランプが備えられる。
バックライト制御回路13は、バックライト12の点灯を制御する。画像表示用メモリ14は、液晶パネル11に表示する画像を一時的に保存したり画像処理作業時のデータ保持に用いられる記憶装置である。表示パネルコントローラ15は、各GDCシステム21,22で生成された画像データを画像表示用メモリ14に一旦保存し、その保存された画像データと、画面レイアウトやタイミングデータ等の制御データとに基づき、液晶パネル11に表示させる表示データを生成する。この生成された表示データは液晶パネル11に送信され、バックライト12の点灯に合わせて画像が表示される。
インパネ用マイコン16は、車載LANのインタフェースを有し、制御データ用LAN32を介して車両系GDCシステム21及びマルチメディア系GDCシステム22から受信したレイアウトや切り換え制御データを、表示パネルコントローラ15に送信する。表示制御回路17は、発光体であるバックライト12の光源の故障(不点)を検出し、故障時用の表示制御を行う。
なお、図示していないが、インパネ表示システム1は、液晶パネル11やバックライト12を動作させるための構成として、他にも、液晶パネル11に書き込むべき画素を順次指定するタイミング調整機能を有するタイミングジェネレータ回路や電源回路等を備える。
上述の構成を有するインパネ表示システム1では、バックライト12に故障の発生していない通常時には、車両の状況に関する車両情報や、ナビゲーション画像、車載カメラによる撮影映像、マルチメディア画像等の複数の情報を液晶パネル11の表示面全域にレイアウトして表示する。一方、バックライト12の光源に故障が発生した場合、画像の表示が可能な限定表示エリアを特定し、選択した車両情報のみをその限定表示エリアに表示する故障時用の表示制御を行う。この故障時用の表示制御についての詳細な手順は後述する。
ここまででインパネ表示システム1の概略構成を説明したが、表示制御回路17が、特許請求の範囲における故障判定手段、特定手段、選択手段、表示制御手段、及び報知手段に相当する。
[故障検出処理の説明]
図2は、インパネ表示システム1の表示制御回路17が実行する故障検出処理の手順を示すフローチャートである。
表示制御回路17は、まず、バックライト12のランプの故障(不点)を検知したか否かを判定する(S10)。バックライトのランプの故障を検知する方法としては、例えば、個々のランプごとに輝度を測定するセンサを設け、輝度の変化を監視して故障か否かを判断する方法や、特許文献2に記載のように、個々のランプにAND回路を接続し、ランプの故障時にAND回路の出力が0になることで、故障したランプを特定する方法等が挙げられる。
S10でランプの故障を検知していない場合(S10:NO)、S10の処理を繰り返す。そして、ランプの故障を検知した場合(S10:YES)、故障時表示設定処理を実行する(S20)。この処理では、画像を表示可能な限定表示エリアを特定し、その特定した限定表示エリアに表示すべき車両情報を選択する。そして、その限定表示エリアと選択した車両情報とに基づいて故障時表示設定を車両系GDCシステム21へ指示する。これ以降、インパネ表示システム1には、限られた範囲にのみ情報が表示される。なお、S20の故障時表示設定処理の詳細な手順については後述する。
S20で故障時表示設定処理を実行した後、車両が停止したか否かを判定する(S30)。車両が停止していないと判定している間(S30:NO)、この処理を繰り返す。そして、車両が停止したと判定した場合(S30:YES)、インパネ表示システム1の修理を促すメッセージをユーザに対して報知する(S40)。報知の方法としては、インパネ表示システム1の液晶パネル11において、限定表示エリアに表示している車両情報(例えば、速度計)に代えて、ここに修理を促すメッセージを表示することが考えられる。また、車両に搭載されている音声出力装置を介して修理を促すメッセージを音声出力してもよい。あるいは、車両にナビゲーション装置が搭載されていれば、このナビゲーション装置の地図データベースと連動して、最寄り又は普段利用している修理工場の住所や電話番号等を、修理を促すメッセージと共に表示してもよい。
[故障時表示設定処理の説明]
つぎに、インパネ表示システム1の表示制御回路17が実行する故障時表示処理の詳細な内容について、図3のフローチャート及び図4〜7の説明図に基づいて説明する。この故障時表示処理は、上述の故障検出処理(図2参照)のS20において実行される処理である。
表示制御回路17は、まず、バックライト制御回路13に対してバックライト12の全点灯設定を指示する(S201)。この指示に対してバックライト制御回路13は、故障したランプを除き、故障時用に別途用意された予備ランプも含めて全てのランプを最大出力で点灯させる。
つぎに、表示制御回路17は、故障したランプを除く全てのランプを点灯した状態を想定したバックライトの輝度の点広がり関数(PSF:Point Spread Function)を算出する(S203)。具体的には、インパネ表示システム1の製造段階で、個々のランプごとのバックライト12の照明範囲上での発光輝度分布の測定結果をルックアップテーブルとして予めインパネ表示システム1のメモリに登録しておく。そして、点灯可能な全てのランプについて、ルックアップテーブルに記録されている個々のランプの輝度分布を重ね合わせてバックライト12全体が現状どのような輝度分布になるかを計算する。
続くS205では、バックライト12の照明範囲をM行N列(M,Nは2以上の整数)の格子状エリアに分割した個々の分割エリアについて、最も輝度の高い分割エリアと、その周辺の分割エリアを含む範囲を限定表示エリアとして特定する。具体的には、個々の分割エリアごとに輝度分布を平均化し、その平均輝度値の最も高い分割エリアを含む周辺の矩形範囲を限定表示エリアとして特定する。あるいは、個々の分割エリア内の平均輝度値を算出する代わりにピーク輝度値を用いて、ピーク輝度値の最も高い分割エリアを限定表示エリアに特定してもよい。なお、最も輝度の高い分割エリアと併せて限定表示エリアに含める周辺の分割エリアは、画像の表示に適した輝度(例えば、平均輝度450nit以上)となるものを選択することが考えられる。
つぎに、S205で特定した限定表示エリアのサイズに基づき、この限定表示エリア内に表示すべき車両情報を選択する(S207)。ここでは、車両情報ごとに予め定められた表示の優先順に従って表示すべき車両情報を選択する。例えば、走行時の保安上最も必要な車速計の画像を最優先で表示させることが好ましい。また、車速計以外で走行時の保安上優先して表示すべき車両情報として方向指示表示や燃料計等があるが、車両情報の表示方法に関する法令等の規定に沿って車速計の周囲に表示させるとよい。なお、これらの車両情報は、車速計の次に優先して表示するものとして、限定表示エリアの大きさに余裕がある場合に車速計と併せて表示させるとよい。また、上述のような優先順に限らず、法令等によって表示が義務付けられた車両情報を優先的に表示するようにしてもよい。
つづいて、インパネ用マイコン16に対し、車両系GDCシステム21に対して設定する車両情報以外の画像表示の排除を指示する(S209)。これにより、インパネ用マイコン16は、マルチメディア系GDCシステム22や、その他のシステムによる画像を表示しないように、表示パネルコントローラ15への制御データの送信を制限する。
そして、表示制御回路17は、車両系GDCシステム21に対し、S205で決定した限定表示エリア及びS207で選択した車両情報に基づき、故障時表示設定の適用を指示し(S211)、故障時表示設定処理を終了する。ここでは、車両系GDCシステム21に対して、限定表示エリアを液晶パネル11の表示領域の対応する範囲に当てはめ、その限定表示エリア内にS207で選択した車両情報(速度計他)のみを表示するように指示する。以降、表示制御回路17は、バックライト12の故障が修理されるまで、この故障時表示設定を優先して適用するように車両系GDCシステム21に対して制御信号を送信する。
つぎに、図4〜7の説明図に基づき、上述の故障時表示設定の複数の実行事例をバックライト12の照明方式別に説明する。
図4は、光源に冷陰極管を用いたエッジライト方式のバックライト12を採用した場合における故障時表示設定の実行事例を模式的に示す説明図である。図4に示すとおり、バックライト12の右端部には、照明範囲の縦方向の長さと同じ長さの常用ランプ12a(冷陰極型蛍光管)が通常時用の光源として設けられている。一方、バックライト12の左上端部には、常用ランプ12aよりも小型で照明規模の小さい予備ランプ12bが、故障時用の予備光源として設けられている。バックライト12は、通常時においては、常用ランプ12aのみを点灯し、予備ランプ12bは消灯したままで照明を行うよう制御される。常用ランプ12aから発せられた光はバックライト12の照明範囲に沿って配置された導光板内に導かれ、導光板内で反射と散乱を繰り返すことで導光板全体が均一に発光するようになっている。
ここで、常用ランプ12aが故障で不点灯となったと想定する。この場合、まず、予備ランプ12bが点灯される。しかし、この状態では光量不足のため、バックライト12の照明範囲の全面を十分な輝度で均等に発光させるには至らず、輝度分布の高低にばらつきが生じる。そのため、表示制御回路17は、バックライト12の全照明範囲を格子状に均等に区切った(図4の事例では、縦横5×7マス)個々の分割エリアごとに、現状での平均輝度を算出する。そして、最も平均輝度の高い分割エリアを含み、かつ、画像の表示に適した所定の輝度を得られる周辺範囲を限定表示エリアに特定する。図4に示す事例では、予備ランプ12b近傍の縦横2×2マス分の分割エリアに相当する範囲が限定表示エリアに特定されている。この縦横2×2マス分の限定表示エリアに対応する液晶パネル11の表示範囲(同じく、限定表示エリアと称する)に表示すべき車両情報として表示優先度の最も高い速度計を選択し、選択した速度計の画像のみを液晶パネル11上の限定表示エリアに表示させ、それまで表示していた他の画像の表示を排除する。
なお、図4の事例では、限定表示エリアとして縦横2×2マス分の表示スペースが確保されたため、そのサイズに適した車両情報として速度計のみが選択されることとなった。しかし、仮にこれより大きなサイズの限定表示エリアが確保された場合、そのサイズに応じて車速計の次に表示優先度の高い方向指示表示や燃料計を車速計と併せて表示する。また、故障時に限定表示エリアに表示する画像は、最大階調(RGBの3色表示画素であれば、白の最大階調)で表示するのが好ましい。そうすることにより、バックライト12の光を最大限に液晶パネル11の表示面に透過させることができるため、故障状態でも画像の表示に適したパネル輝度(450nit以上)を効率よく得られる。あるいは、最大階調でなくとも、前記パネル輝度を得られる程度の階調レベルであればよい。
上記図4の事例では、バックライト12の光源として冷陰極型蛍光管を用いている。蛍光管を光源に使用した場合、低温での点灯時において立ち上がりの輝度が低いという問題がある。また、蛍光管には、環境負荷物質である水銀が用いられている。これらの問題を解消するため、近年、バックライトの光源としてLEDが用いられている。さらに、液晶パネルにおける黒表示のコントラストを向上させるため、LED光源をエリアごとに点灯制御するエリアアクティブ駆動方法といった技術も導入されている。
図5は、光源にLEDを用いたエッジライト方式のバックライト12を採用した場合における故障時表示設定の実行事例を模式的に示す説明図である。図5に示すとおり、バックライト12の右端部には、照明範囲の縦方向に沿って複数の常用ランプ12c(LED)が通常時用の光源として配列している。なお、図5の事例では、故障時に使用する予備ランプは設けられていない。複数の常用ランプ12cからそれぞれ発せられた光はバックライト12の照明範囲に沿って配置された導光板内に導かれ、導光板内で反射と散乱を繰り返すことで導光板全体が均一に発光するようになっている。
ここで、複数の常用ランプ12cのうち、下から4列目までのランプが故障で不点灯となったと想定する。この場合、残りの常用ランプ12cを全点灯する。しかし、この状態では光量不足のため、バックライト12の照明範囲の全面を十分な輝度で均等に発光させるには至らず、輝度分布の高低にばらつきが生じる。そのため、表示制御回路17は、バックライト12の全照明範囲を格子状に均等に区切った(図5の事例では、縦横5×7マス)個々の分割エリアごとに、現状での平均輝度を算出する。そして、最も平均輝度の高い分割エリアを含み、かつ、画像の表示に適した所定の輝度を得られる周辺範囲を限定表示エリアに特定する。図5に示す事例では、バックライト12の照明範囲の右上端部の縦横2×2マス分の分割エリアに相当する範囲が限定表示エリアに特定されている。この縦横2×2マス分に対応する液晶パネル11の限定表示エリアに表示すべき車両情報として表示優先度の最も高い速度計を選択し、選択した速度計の画像のみを液晶パネル11上の限定表示エリアに表示させ、それまで表示していた他の画像の表示を排除する。
つぎに、図6は、光源にLEDを用いたエッジライト方式のバックライト12(予備ランプあり)を採用した場合における故障時表示設定の実行事例を模式的に示す説明図である。この事例は、常用ランプ故障時における表示に必要な輝度の確保を補助するため、予備ランプを別途設けたものである。図6に示すとおり、バックライト12の右端部には、照明範囲の縦方向に沿って複数の常用ランプ12d(LED)が通常時用の光源として配列している。一方、バックライト12の左上端部には、照明範囲の縦方向に沿って複数の予備ランプ12e(LED)が故障時用の予備光源として配列している。
なお、予備ランプ12eは、常用ランプ12dと同性能のものか、あるいは常用ランプ12dよりも低性能で廉価なものを用いるものとし、設置数も常用ランプ12dより少ないものとする。なお、予備ランプ12dを複数のLED構成する場合、LEDが互いに隣接するように配置することが望ましい。そうすることによって、個々のLEDを離して配置して照明範囲全体をカバーするよりも高い集光効果が得られ、限定的な情報のみを表示する故障時表示設定にとって好適な形態となる。
バックライト12は、通常時においては、常用ランプ12dのみを点灯し、予備ランプ12eは消灯したままで照明を行うよう制御される。複数の常用ランプ12dからそれぞれ発せられた光はバックライト12の照明範囲に沿って配置された導光板内に導かれ、導光板内で反射と散乱を繰り返すことで導光板全体が均一に発光するようになっている。
ここで、複数の常用ランプ12dのうち、下から4列目までのランプが故障で不点灯となったと想定する。この場合、残りの常用ランプ12dと予備ランプ12eとを全点灯する。しかし、この状態では光源の配置が不均一であるため、バックライト12の照明範囲の全面を十分な輝度で均等に発光させるには至らず、輝度分布の高低にばらつきが生じる。そのため、表示制御回路17は、バックライト12の全照明範囲を格子状に均等に区切った(図6の事例では、縦横5×7マス)個々の分割エリアごとに、現状での平均輝度を算出する。そして、最も平均輝度の高い分割エリアを含み、かつ、画像の表示に適した所定の輝度を得られる周辺範囲を限定表示エリアに特定する。図6に示す事例では、バックライト12の照明範囲の上部中央の縦横3×3マス分の分割エリアに相当する範囲が限定表示エリアに特定されている。このサイズの限定表示エリアであれば、速度計の表示に必要なスペースを確保してなおスペースに余裕がある。そこで、この縦横3×3マス分の限定表示エリアに対応する液晶パネル11の限定表示エリアに表示すべき車両情報として表示優先度の最も高い速度計と、次に表示優先度の高い方向指示表示を選択し、選択した速度計及び方向指示表示の画像を液晶パネル11上の限定表示エリアに併せて表示させ、それまで表示していた他の画像の表示を排除する。
つぎに、図7は、光源にLEDを用いた直下型方式のバックライト12(予備ランプあり)を採用した場合における故障時表示設定の実行事例を模式的に示す説明図である。図7に示すとおり、液晶パネル11の背後に位置するバックライト12の全照明範囲に複数の常用ランプ12fがマトリクス状に配列している。マトリクス状に配列したLED群と液晶パネル11の間には拡散板が介在し、各LEDからの光がこの拡散板を透過することで均一な面光源を得られる。また、LEDの下面側には反射板が配置され、LEDの下方へ向かった光がバックライト12の上面側へ反射するようになっている。さらに、バックライト12の上部中央の縦横3×3マス分の合計9個の常用ランプ12fが並ぶスペースには、個々の常用ランプ12fに近接して9つの予備ランプ12eが故障時用の予備光源として併設されている。
ここで、複数の常用ランプ12fのうち、何れかが故障で不点灯となったと想定する。この場合、残りの常用ランプ12fと予備ランプ12gとを全点灯する。そして、表示制御回路17は、バックライト12の全照明範囲を格子状に均等に区切った(図7の事例では、個々の常用ランプ12fの位置と対応する縦横7×9マス)個々の分割エリアごとに、現状での平均輝度を算出する。そして、最も平均輝度の高い分割エリアを含み、かつ、画像の表示に適した所定の輝度を得られる周辺範囲を限定表示エリアに特定する。この場合、予備ランプ12gが配置されている照明範囲上部中央の範囲が、限定表示エリアに必然的に含まれることになる。また、故障箇所が予備ランプ12gの位置から離れた位置にあるため、比較的大きなサイズの限定表示エリアを確保できる。
図7に示す事例では、バックライト12の照明範囲の上部中央の縦横4×4マス分の分割エリアに相当する範囲が限定表示エリアに特定されている。このサイズの限定表示エリアであれば、速度計に加え、方向指示表示の画像に必要なスペースを確保してもなおスペースに余裕がある。そこで、この縦横4×4マス分の限定表示エリアに対応する液晶パネル11の限定表示エリアに表示すべき車両情報として表示優先度の最も高い速度計と、次に表示優先度の高い方向指示表示と、更に次に表示優先度の高い燃料計とを選択し、この選択した速度計、方向指示表示、燃料計の画像を液晶パネル11上の限定表示エリアに併せて表示させ、それまで表示していた他の画像の表示を排除する。
なお、図5〜図7で示した事例のように、バックライト12の常用光源として複数のLEDを用いる場合、1つが故障したときに一律に故障と判定してもよいが、故障位置や故障数に応じて故障判定の基準を多様化してもよい。例えば、端部のLEDの故障は故障判定から除外したり、故障したLEDが規定数(例えば2〜5個)に達した場合に故障と判定するといった方法が挙げられる。
また、予備ランプには、色にばらつきのあるものを用いてもよい。故障時の緊急表示用であれば、色のずれは品質的に問題ではない。むしろ、表示色に斑があることにより、ユーザに対して故障を強く印象付けることができるため、早期の修理を促す効果がある。例えば、予備ランプに白色LEDを用いる場合、色温度が5000Kや6000K、7000K等、均一でない様々な色温度特性をもつLEDを組み合わせてもよい。このようにすることで、LEDの生産ロットの違いによる品質のばらつきを考慮する必要がなくなり、製品コストを低減できる。
[変形例]
上記実施形態においては、インパネ表示システム1の表示装置として液晶ディスプレイ(液晶パネル11+バックライト12)を用いた事例について説明した。液晶ディスプレイは画像を構成する画素自体が発光せず、画像を表示するためには外部光源によって液晶パネルを照明する必要がある。これに限らず、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイといった、画像を構成する画素自体が発光するいわゆる自発光型表示パネルを本発明に適用することもできる。以下、インパネ表示システム1の表示装置として自発光型表示パネルを用いた場合の実施形態について説明する。
インパネ表示システム1の表示装置として自発光型表示パネルを用いる場合、図1のブロック図において、液晶パネル11、バックライト12及びバックライト制御回路13に代えて、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイ等の自発光型表示パネルを備える。そして、表示制御回路17は、発光体である自発光型表示パネルの画素の故障(不点)をフォトダイオードや電流計測等で検出し、故障時用の表示制御を行う。
自発光型表示パネルで故障を検知していない通常時には、車両の状況に関する車両情報や、ナビゲーション画像、車載カメラによる撮影映像、マルチメディア画像等の複数の情報を自発光型表示パネルの表示面全域にレイアウトして表示する。一方、自発光型表示パネルで故障を検知した場合、画像の表示が可能な限定表示エリアを特定し、選択した車両情報のみをその限定表示エリアに表示する故障時用の表示制御を行う。以下、この故障時用の表示制御についての詳細な手順を説明する。
まず、図2に基づいて、自発光型表示パネルを採用したインパネ表示システム1の表示制御回路17が実行する故障検出処理の手順について説明する。なお、自発光型表示パネル採用時の障検出処理の手順については、既に説明した液晶パネル採用時の故障検出処理の手順と概ね同一であるが、S10における故障の検知方法、及び、S20の故障時表示設定処理の内容がそれぞれ異なる。一方、S30及びS40の処理については、既に説明した液晶パネル採用時の故障検出処理の内容と同一であるので説明を省略する。
まず、S10において、表示制御回路17は、自発光型表示パネルの表示面をM行N列(M,Nは2以上の整数)の格子状エリアに分割した個々の分割エリアごとに故障(不点)画素を検出し、1つの分割エリア内で故障画素が規定数に達したか否かを判定する。なお、有機ELディスプレイやプラズマディスプレイ等において故障画素を検出する方法は公知であるので、ここでの説明は省略する。
S10において、全ての分割エリアにおいて故障画素が規定数未満である場合(S10:NO)、S10の処理を繰り返す。そして、何れかの分割エリアにおいて故障画素が規定数に達した場合、故障と判定し(S10:YES)、故障時表示設定処理(自発光型表示パネル)を実行する(S20)。この処理では、画像を表示可能な限定表示エリアを特定し、その特定した限定表示エリアに表示すべき車両情報を選択する。そして、その限定表示エリアと選択した車両情報とに基づいて故障時表示設定を車両系GDCシステム21へ指示する。これ以降、インパネ表示システム1には、限られた範囲にのみ情報が表示される。
つぎに、前記S20において実行される故障時表示処理(自発光型表示パネル)の詳細な内容について、図8のフローチャート及び図9の説明図に基づいて説明する。
表示制御回路17は、まず、故障画素の数が最も少ない分割エリアと、その周辺の分割エリアを含む矩形範囲を限定表示エリアとして特定する(S202)。このとき、故障判定された分割エリア、すなわち、故障画素が規定数に達している分割エリアを除外した範囲で限定表示エリアを特定する。
つぎに、S202で特定した限定表示エリアのサイズに基づき、この限定表示エリア内に表示すべき車両情報を選択する(S204)。ここでは、車両情報ごとに予め定められた表示の優先順に従って表示すべき車両情報を選択する。表示の優先順としては、例えば、車速計、方向指示表示、燃料計の順序が考えられる。また、上述のような優先順に限らず、法令等によって表示が義務付けられた車両情報を優先的に表示するようにしてもよい。
つづいて、インパネ用マイコン16に対し、車両系GDCシステム21に対して設定する車両情報以外の画像表示の排除を指示する(S206)。これにより、インパネ用マイコン16は、マルチメディア系GDCシステム22や、その他のシステムによる画像を表示しないように、表示パネルコントローラ15への制御データの送信を制限する。
そして、表示制御回路17は、車両系GDCシステム21に対し、S202で決定した限定表示エリア及びS204で選択した車両情報に基づき、故障時表示設定の適用を指示し(S208)、故障時表示設定処理(自発光型表示パネル)を終了する。ここでは、車両系GDCシステム21に対して、限定表示エリア内にS204で選択した車両情報(速度計他)のみを表示するように指示する。以降、表示制御回路17は、自発光型表示パネルの故障が修理されるまで、この故障時表示設定を優先して適用するように車両系GDCシステム21に対して制御信号を送信する。
つぎに、図9に基づき、自発光型表示パネルを採用した場合の故障時表示設定の実行事例を説明する。
図9に示すとおり、自発光型表示パネル41の表示面上には複数の故障(不点)画素が点在している。表示制御回路17は、自発光型表示パネル41の全表示範囲を格子状に均等に区切った(図9の事例では、縦横5×7マス)個々の分割エリアごとに故障画素数を監視し、1つの分割エリア内で故障画素が所定数(図9の事例では5箇所)に達した場合、その分割エリアを故障と判定する。
何れかの分割エリアにおいて故障判定がなされた場合、最も故障画素数が少ない分割エリア及びその周辺範囲を含み、かつ、故障判定された分割エリアを含まない矩形範囲を限定表示エリアに特定する。なお、限定表示エリアのサイズは、可能な限り大きく設定するようにしてもよいが、ユーザに対してある程度の不便さを感じさせることにより早期の修理を促すという効果の観点からすれば、限定表示エリアのサイズに上限を設けるようにしてもよい。
図9に示す事例では、自発光型表示パネル41の表示範囲左上端部の縦横3×4マス分の分割エリアに相当する範囲が限定表示エリアに特定されている。このサイズの限定表示エリアであれば、速度計に加え、方向指示表示の画像に必要なスペースを確保してもなおスペースに余裕がある。そこで、この縦横3×4マス分の限定表示エリアに表示すべき車両情報として表示優先度の最も高い速度計と、次に表示優先度の高い方向指示表示と、更に次に表示優先度の高い燃料計とを選択し、選択した速度計、方向指示表示、燃料計の画像を自発光型表示パネル41の限定表示エリアに併せて表示させ、それまで表示していた他の画像の表示を排除する。
[効果]
上記実施形態のインパネ表示システム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)液晶パネルのバックライトや、自発光型表示パネルの発光画素等の故障(不点)時において、画像を表示可能な限定された範囲で最小限必要な情報の表示を行うことのできるフォールトトレラントシステムを実現でききる。例えば、液晶パネル用のバックライトの場合、常用ランプと同性能の予備ランプを備える必要はなく、液晶パネルの一部分で画像が表示可能な程度の比較的小型の予備ランプを備えればよく、製品コストを低減できる。また、LED光源の液晶パネルや自発光型表示パネルのように、複数の発光体が存在する表示デバイスの場合、故障した発光体を除く残りの発光体で表示可能な範囲に限定して画像を表示すればよい。さらに、発光体の故障時には、選択された情報のみが限定表示エリア内に表示されるようになるため、ユーザに対して適度な不便さを感じさせることで、早期の修理を促すことができる。
(2)限定表示エリアが大きければより多くの車両情報を表示したり、小さければ表示する車両情報を最重要のものだけに絞り込んだりといった具合に、限定表示エリアの大きさ応じた最適な情報表示を行うことができる。
(3)限定表示エリアの大きさに応じた数の車両情報を、車両情報ごとに予め定められた優先度順に選択することで、発光体の故障時にユーザにとって有用な車両情報を優先的に表示することができ、車両の運転に支障のないようにできる。
(4)自車両が停止しているときに限り、インパネの修理を促す旨のメッセージを報知することで、ユーザに対して車両インストルメントパネルの修理をより効果的に促すことができる。
なお、上記実施形態のインパネ表示システム1は、本発明を車両に適用したものである。このように、本発明は、走行状態がリアルタイムに変わり、かつ、点検や修理の実施がユーザ自身の判断に委ねられる車両(特に自動車)の分野に本発明を適用するのが特に好ましい。しかし、本発明はこれに限らず、例えば小型船舶用の計器表示盤等にも適用可能である。
1…インパネ表示システム、11…液晶パネル、12…バックライト、13…バックライト制御回路、14…画像表示用メモリ、15…表示パネルコントローラ、16…インパネ用マイコン、17…表示制御回路、21…車両系GDCシステム、22…マルチメディア系GDCシステム、23…パワートレイン系ECU群、24…ボディ系ECU群、31…車内LAN、32…制御データ用LAN、33…画像用LAN。

Claims (9)

  1. 発光体が発光する光によって形成される画像を表示する表示装置を有し、車両の状況に関する情報を含む複数の車両情報を画像として表示する車両用インストルメントパネルであって、
    前記発光体における故障の発生を判定する故障判定手段と、
    前記故障判定手段により前記発光体に故障が発生していると判定されたときに、前記表示装置の全表示範囲のうち画像を表示可能な限定表示エリアを特定する特定手段と、
    前記複数の車両情報のうち、前記特定手段により特定された限定表示エリアに表示すべき車両情報を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択した車両情報だけを、前記特定手段により特定された限定表示エリア内に表示させる表示制御手段とを備えること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  2. 請求項1に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記選択手段は、前記限定表示エリアの大きさに応じて、選択する車両情報の種類や数を決定すること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  3. 請求項2に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記選択手段は、前記限定表示エリアの大きさに応じた数の車両情報を、車両情報ごとに予め定められた優先度順に選択すること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記選択手段は、前記限定表示エリアに表示すべき車両情報として、少なくとも車両の速度表示を選択すること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記特定手段は、故障していない残りの前記発光体を全て発光させた状態を想定した全表示範囲の輝度分布に基づいて、全表示範囲を格子状に区切った分割エリアごとの輝度を算出し、前記分割エリアのうち最も輝度が高い分割エリアを少なくとも1つ包含する範囲を前記限定表示エリアとして特定すること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  6. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記故障判定手段は、全表示範囲を格子状に区切った分割エリアごとに、その分割エリアに対応する前記発光体の故障の有無を判定し、
    前記特定手段は、前記故障判定手段により故障と判定された分割エリアを避けて前記限定表示エリアを設定すること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記故障判定手段により前記発光体に故障が発生していると判定された場合、自車両が停止しているときに限り、当該車両用インストルメントパネルの修理を促す旨のメッセージを報知する報知手段を更に備えること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記表示装置は、マトリクス状に配置された非自発光型の画素の組み合わせによって画像を生成する液晶パネルと、前記液晶パネルを照明するバックライトである前記発光体とで構成された液晶ディスプレイであること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
  9. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の車両用インストルメントパネルにおいて、
    前記表示装置は、マトリクス状に配置された発光体画素の組み合わせ画像を生成する自発光型表示パネルであること
    を特徴とする車両用インストルメントパネル。
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