JP2019034640A - 車両用灯具 - Google Patents

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佳典 柴田
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Abstract

【課題】 信頼性が向上され得る車両用灯具を提供することを目的とする。【解決手段】 少なくとも一つの標識灯21A,21Bと、画像を表示するディスプレイ23と、標識灯の状態を検知する検知部4と、検知部4からの情報に基づいてディスプレイ23の少なくとも一部を少なくとも一つの標識灯の少なくとも一部に切り替える制御部3と、を備える。標識灯の状態が検知部によって検知され、標識灯に何らかの不具合が生じた場合、ディスプレイの少なくとも一部を不具合が生じた標識灯の少なくとも一部に切り替えることができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用灯具に関し、特に信頼性が向上され得る車両用灯具に関する。
自動車等の車両には、ストップランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ等の標識灯を備えることが法規によって定められている。また、近年は意匠の自由度や報知機能の向上等のために、車両の車体表面に表示装置を設け、この表示装置によって文字や図形等を表示とすることが提案されている。例えば、下記特許文献1には、自動車の車体の表面に液晶表示装置等の表示パネルを貼付し、この表示パネルに所望の画像や文字等を表示することによって広告を行う広告呈示システムが記載されている。
特開2013−089096号公報
標識灯は昼夜を問わず点灯される。特に周りが明るい昼間でもこれらの標識灯を目立たせるためには、標識灯の輝度をある程度高める必要がある。そのため、標識灯が長期間使用されることによって、標識灯の光源は劣化しやすい傾向にあり、また、標識灯に不具合が生じる場合もある。なお、本明細書において「標識灯」とは、車両の外部に向けて光を照射する灯りのうちヘッドランプを除く灯りであって、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ等のように法規で車両に備えることを定められた灯りを意味する。
一方、上記特許文献1に記載されているような文字や図形等を表示するための表示部は、従来、標識灯として用いることを想定されていない。したがって、従来は、このような表示部と標識灯とを組み合わせて車両用灯具として用いる場合、上記のように標識灯の光源が劣化したり標識灯に不具合が生じたりしても、表示部は標識灯の代用にはなり得ず、車両用灯具を整備する必要がある。
そこで、本発明は、信頼性が向上され得る車両用灯具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の車両用灯具は、少なくとも一つの標識灯と、画像を表示するディスプレイと、前記標識灯の状態を検知する検知部と、前記検知部からの情報に基づいて前記ディスプレイの少なくとも一部を少なくとも一つの前記標識灯の少なくとも一部に切り替える制御部と、を備えることを特徴とする。
上記本発明の車両用灯具では、標識灯の状態が検知部によって検知され、標識灯に何らかの不具合が生じた場合、ディスプレイの少なくとも一部を不具合が生じた標識灯の少なくとも一部に切り替えることができる。そのため、標識灯に何らかの不具合が生じたとしてもディスプレイを用いて標識灯としての機能を確保し得る。本発明の車両用灯具は、このように標識灯に不具合が生じたとしても標識灯としての機能が確保され得るため、信頼性が向上され得る。
また、前記ディスプレイの少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの前記標識灯から出射する光の光度が、前記ディスプレイの少なくとも一部が前記一つの標識灯に切り替えられる前における前記一つの標識灯から出射する光の光度以上であることが好ましい。
このように標識灯から出射する光の光度が所定値以上となるようにディスプレイの少なくとも一部が標識灯に切り替えられることによって、当該切り替えの後において法規で定められる標識灯の明るさを保ち得る。例えば、標識灯が点灯し得なくなった場合は、ディスプレイのうち標識灯に切り替えられた部位から出射する光の光度が上記のように所定値以上とされる。また、例えば、標識灯が暗くなった場合は、暗くなった標識灯とディスプレイのうち当該標識灯に切り替えられた部位とから出射する光の光度の合計が上記のように所定値以上とされる。
また、前記ディスプレイの少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの前記標識灯の面積が、前記ディスプレイの少なくとも一部が前記一つの標識灯に切り替えられる前における前記一つの標識灯の面積以上であることが好ましい。
標識灯が点灯し得なくなったとしても、上記のようにディスプレイの少なくとも一部が標識灯に切り替えられることによって、当該切り替えの後において法規で定められる標識灯の面積を確保し得る。
また、前記ディスプレイの面積が少なくとも一つの前記標識灯の面積より大きいことが好ましい。
ディスプレイの面積が少なくとも一つの標識灯の面積よりも大きいことによって、ディスプレイの一部を標識灯に切り替えた後もディスプレイの他の一部に画像を表示させたり、ディスプレイの他の一部を他の標識灯に切り替えたりし得る。
また、前記ディスプレイの一部が少なくとも一つの前記標識灯の少なくとも一部に切り替えられた後において、前記ディスプレイの他の一部に画像が表示されることが好ましい。
ディスプレイの一部が標識灯に切り替えられた後にもディスプレイの他の一部に画像が表示されることによって、車両用灯具の意匠の自由度や報知機能の低下が抑制され得る。
また、前記ディスプレイの輝度が前記標識灯の輝度より低いことが好ましい。
標識灯の明るさは法規で定められているが、ディスプレイに表示させる画像については明るさに関する規定は特にない。よって、車両の周囲の状況に合わせてディスプレイの輝度を標識灯の輝度より下げることによって、標識灯の光源よりもディスプレイの光源の劣化を抑制し得る。
また、前記標識灯の少なくとも一つがブレーキランプであることが好ましい。
上記本発明の車両用灯具に備えられる標識灯の少なくとも一つがブレーキランプとされることによって、車両に備えられる標識灯の中でも特に重要と考えられるブレーキランプに不具合が生じたとしてもブレーキランプの機能が確保され得る。
また、前記ディスプレイは、前記標識灯と互いに隣り合うように配置されることが好ましい。
ディスプレイと標識灯とが互いに隣り合うように配置されることによって、ディスプレイが標識灯に切り替えられる前後における違和感が低減され得る。
以上のように、本発明によれば、信頼性が向上され得る車両用灯具が提供される。
本発明の実施形態における車両用灯具が搭載された車両の例を示す図である。 本発明の実施形態における車両用灯具のブロック図である。 図2に示すディスプレイの画素を示す図である。 図2に示す制御部の制御フローチャートを示す図である。 図2に示すディスプレイにおいてディスプレイの一部が標識灯に切り替えられた後の様子を示す図である。
以下、本発明に係る車両用灯具を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。
図1は、本実施形態における車両用灯具が搭載された車両の例を示す図である。図1は、車両VEを後方側から見た図である。図1に示すように、本実施形態の車両VEの背面には、左右方向のそれぞれに1つずつ車両用灯具1が設けられている。
図2は、本実施形態における車両用灯具1のブロック図である。図2に示すように本実施形態の車両用灯具1は、標識灯である第1標識灯21A及び第2標識灯21B、ディスプレイ23、制御部3、及び検知部4を主な構成として備える。第1標識灯21A、第2標識灯21B、ディスプレイ23は、車両VEから外部に露出しており、車両VEの外部に向けて光を照射する。
第1標識灯21A及び第2標識灯21Bは、それぞれ互いに異なる機能の標識灯である。標識灯は常に点灯している必要がないため、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bは常に点灯する必要はない。すなわち、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bは、標識灯が点灯している、又は、標識灯を点灯すべきときに点灯し得る状態とされている部位であると解することができる。なお、点滅は点灯に含まれる。標識灯を点灯すべきときとは、例えば、標識灯がブレーキランプである場合は車両VEのブレーキが操作されたとき、標識灯がターンシグナルランプである場合は車両VEの方向指示器が入力されたとき、標識灯がバックランプである場合は車両VEのギアがバックギアに入れられたとき、標識灯がテールランプである場合は車両VEのヘッドランプが点灯されたとき等である。なお、本実施形態の第1標識灯21Aは、テールランプ及びストップランプが点灯する部位であり、本実施形態の第2標識灯21Bは、ターンシグナルランプが点灯する部位である。このような第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの光源は、特に限定されないが、例えば数個から数十個の発光ダイオード(LED)とすることができる。
ディスプレイ23は、所定の画像が表示される部位である。本実施形態のディスプレイ23は、第2標識灯21Bと互いに隣り合うように形成される。また、後述するように制御部3によってディスプレイ23の少なくとも一部が第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの少なくとも一方に切り替えられる前において、ディスプレイ23の面積は第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの面積以上である。ディスプレイ23に表示される画像は、様々な文字、図形、キャラクター等であってもよく、静止画でも動画でもよい。このような画像は、例えば、後続車の運転手や歩行者とのコミュニケーション用途等に用いられる。
図3は、ディスプレイ23の画素を示す図である。図3に示すように、ディスプレイ23は、マトリックス状に配置された複数の画素24を有している。ディスプレイ23のそれぞれの画素24は、赤色の光を出射する赤色表示用ドット24Rと、緑色の光を出射する緑色表示用ドット24Gと、青色の光を出射する青色表示用ドット24Bとを含んでいる。従って、本実施形態では、ディスプレイ23はRBGのカラー表示が可能とされる。
また、図2に示すように、ディスプレイ23の横側には走査線駆動回路25Hが配置されており、ディスプレイ23の下側にはデータ線駆動回路25Vが配置されている。走査線駆動回路25H及びデータ線駆動回路25Vは、それぞれの画素24の各表示用ドットに電気的に接続されており、走査線駆動回路25H及びデータ線駆動回路25Vから電圧が印加されたり電流が流されることにより、各表示用ドットが点灯されたり非点灯にされたりする。また、走査線駆動回路25H及びデータ線駆動回路25Vからの電圧や電流の大きさが制御されることで、それぞれのドットの輝度が調整される。このようなディスプレイ23を構成するディスプレイとしては、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ等を挙げることができる。
検知部4は、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの状態を検知する。具体的には、検知部4は、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bから出射する光の光度が所定の値未満となったり、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bが点灯しなくなったり、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bに電流を供給する回路がショートしたりした場合に、その情報を制御部3へと送る。このような検知部4は、例えば、光度計等と組み合わせて構成される。検知部4が光度計と組み合わせて用いられる場合、検知部4は、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの光源に供給される電流を検知するとともに光度計の計測結果に基づいて、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの異常を検知することができる。すなわち、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの明るさが第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの光源に供給される電流量から推定される明るさより暗くなったり、標識灯が点灯すべきときに点灯しなかったりする場合、検知部4は第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの異常を検知する。
制御部3は、走査線駆動回路25H及びデータ線駆動回路25Vに電気的に接続されており、ディスプレイ23の各画素24の点灯の状態を制御することによって、ディスプレイ23の一部を第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの少なくとも一方の少なくとも一部に切り替える。また、制御部3は、上記のようにディスプレイ23の各画素24の点灯の状態を制御することによって、ディスプレイ23に所定の画像を表示させる。さらに、制御部3は、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの光源に電気的に接続されており、適切なタイミングで第1標識灯21A及び第2標識灯21Bを点灯させる制御をする。制御部3は、これらの制御を外部から制御部3に入力する信号に基づいて行う。本実施形態では、制御部3は、検知部4、車両VEのECU(Engine Control Unit)等の制御装置5、画像表示指示部6等に電気的に接続されている。画像表示指示部6は、ディスプレイ23に所定の画像を表示させる信号を出力する。この信号には、ディスプレイ23に表示される画像の内容にかかる情報が含まれている。
次に、本実施形態の車両用灯具1の動作について説明する。図4は、制御部3の制御フローチャートを示す図である。
ステップSP1において、検知部4が第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの異常を検知し、検知部4から第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの異常を知らせる信号が制御部3に入力された場合、ステップSP2に進む。一方、ステップSP1において、当該信号が制御部3に入力されない場合、ステップSP3に進む。なお、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの異常とは、上記のように第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bから出射する光の光度が所定の値未満となった場合や、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bが点灯しなくなった場合を意味する。
ステップSP2において、制御部3は、ディスプレイ23の少なくとも一部を第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの少なくとも一方の少なくとも一部に切り替える。図5は、図2に示すディスプレイ23の一部が第2標識灯21Bに切り替えられた後の様子を示す図である。図5には、図2に示す第2標識灯21Bにおいて標識灯が点灯しなくなり、図2に示すディスプレイ23の一部が第2標識灯23Bに切り替えられた後の様子を示す図である。したがって、図5に示す場合において、図2に示す第2標識灯21Bは標識灯が点灯し得ない標識灯非点灯部22となっており、ディスプレイ23の一部が第2標識灯23Bとなっている。例えば、ステップSP1において、上記のように第2標識灯21Bが点灯しなくなったことを示す信号が検知部4から制御部3に入力された場合、ステップSP2において制御部3は、図5に示すように、ディスプレイ23の一部を第2標識灯23Bに切り替える。
また、例えば、ステップSP1において、第2標識灯21Bから出射する光の光度が所定の値未満となったことを示す信号が検知部4から制御部3に入力された場合、ステップSP2において制御部3は、ディスプレイ23の一部を第2標識灯23Bに切り替える。この場合、図2に示す第2標識灯21Bに加えてディスプレイ23の一部が第2標識灯23Bとなる。
また、例えば、ステップSP1において、第1標識灯21Aが点灯しなくなったり第1標識灯21Aから出射する光の光度が所定の値未満となったりしたことを示す信号が検知部4から制御部3に入力された場合、ステップSP2において制御部3は下記制御をする。すなわち、制御部3は、上記第2標識灯21Bの場合と同様に、図5に括弧書きで示すようにディスプレイ23の一部を第1標識灯21Aに切り替える。
また、本実施形態の制御部3は、ステップSP2において、標識灯の光度を以下のように調整する。すなわち、制御部3は、後述するようにして標識灯が点灯する場合において、ディスプレイ23の少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの標識灯から出射する光の光度が、ディスプレイ23の少なくとも一部が当該一つの標識灯に切り替えられる前における当該一つの標識灯から出射する光の光度以上となるようする。具体的には、制御部3は、ディスプレイ23の一部を第1標識灯23Aに切り替える場合、後述するようにして標識灯が点灯する場合において、当該切り替え後の第1標識灯21A,23Aから出射する光の光度が当該切り替え前の第1標識灯21Aから出射する光の光度以上となるようにする。ここで、当該切り替え後の第1標識灯21A,23Aとは、上記のように当該切り替え前の第1標識灯21Aが点灯しなくなっている場合は、ディスプレイ23のうち第1標識灯23Aに切り替えられた部位を意味する。一方、上記のように当該切り替え前の第1標識灯21Aが暗くなっている場合は、当該切り替え後の第1標識灯21A,23Aとは、当該切り替え前の第1標識灯21Aとディスプレイ23のうち第1標識灯23Aに切り替えられた部位とを意味する。すなわち、標識灯が暗くなった場合は、暗くなった標識灯とディスプレイ23のうち当該標識灯に切り替えられた部位とから出射する光の光度の合計が上記のように所定値以上とされる。
ディスプレイ23の一部が第1標識灯23Aに切り替えられた後の第1標識灯23Aから出射する光の光度を高くする方法としては、ディスプレイ23のうち第1標識灯23Aに切り替えられる部位の面積を大きくしたり当該部位の輝度を高めたりすることが考えられる。従って、例えば、制御部3は、第1標識灯21Aが暗くなるにつれて、ディスプレイ23のうち第1標識灯23Aに切り替えられる部位の面積を大きくしたり当該部位の輝度を高めたりする。
また、本実施形態の制御部3は、ステップSP2において、標識灯の面積について以下のように制御する。すなわち、制御部3は、ディスプレイ23の少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの標識灯の面積が、ディスプレイ23の少なくとも一部が当該一つの標識灯に切り替えられる前における当該一つの標識灯の面積以上となるようにする。具体的には、制御部3は、ディスプレイ23の一部を第1標識灯23Aに切り替える場合、当該切り替え後の第1標識灯21A,23Aの面積が当該切り替え前の第1標識灯21Aの面積以上となるようにする。すなわち、第1標識灯21Aが点灯しなくなった場合、ディスプレイ23のうち第1標識灯23Aに切り替えられる部位の面積を第1標識灯21Aの面積以上とする。
次にステップSP3において、制御部3は、制御装置5からの点灯信号が入力された場合はステップSP4に進み、制御装置5からの点灯信号が入力されない場合はステップSP1に戻る。点灯信号とは、上記のように標識灯を点灯すべきときであることを知らせる信号を意味する。
ステップSP4において、制御部3は、制御装置5からの点灯信号に基づいて第1標識灯21A,23Aまたは第2標識灯21B,23Bを点灯させる。具体的には、制御装置5は、車両VEのブレーキ動作を監視しており、ブレーキ動作がなされた場合にブレーキ動作を示す信号を出力する。本実施形態の第1標識灯21A,23Aはテールランプ及びストップランプが点灯する部位であるため、上記ブレーキ動作を示す信号に基づいて、制御部3は第1標識灯21A,23Aにおいてストップランプを点灯させる。また、第1標識灯21A,23Aはテールランプを点灯する部位でもあるため、制御部3は、車両VEのヘッドランプの点灯と連動する信号を制御装置5から受けて第1標識灯21A,23Aにおいてテールランプを点灯させる。このようにストップランプやテールランプが点灯されるとき、第1標識灯23Aとされたディスプレイ23の一部では、赤色の光を点灯するように制御部3によって制御される。この場合、第1標識灯23Aとされた領域の各画素24では、例えば、赤色表示用ドット24Rが点灯し、緑色表示用ドット24G及び青色表示用ドット24Bが非点灯とされる。
また、本実施形態の第2標識灯21B,23Bはターンシグナルランプが点灯する部位であるため、車両VEの方向指示器が入力された場合は、制御装置5はその旨の信号を出力し、制御部3はその信号に基づいて第2標識灯21B,23Bにおいてターンシグナルランプを点灯させる。このようにターンシグナルランプが点灯されるとき、第2標識灯23Bとされたディスプレイ23の一部では、橙色の光を点灯するように制御部3によって制御される。この場合、第2標識灯23Bとされた領域の各画素24では、例えば、赤色表示用ドット24R及び緑色表示用ドット24Gが点灯し、青色表示用ドット24Bが非点灯とされる。
なお、ディスプレイ23のうち標識灯とされない部位は、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bのように輝度が高められなくてもよいため、通常の使用時にはディスプレイ23は第1標識灯21A及び第2標識灯21Bよりも輝度が低くてもよい。標識灯の明るさは法規で定められているが、ディスプレイ23に表示させる画像については明るさに関する規定は特にない。よって、車両VEの周囲の状況に合わせてディスプレイ23の輝度が下げられることによって、ディスプレイ23の光源の劣化が抑制され得る。このように通常の使用時にはディスプレイ23の輝度が低くされる場合、制御部3は、ディスプレイ23のうち第1標識灯23Aまたは第2標識灯23Bとされた部位の点灯時には、当該部位の輝度を高める。
上記ステップSP1からステップSP4の後、ディスプレイ23のうち第1標識灯23Aまたは第2標識灯23Bとされていない領域が残されている場合は、ステップSP1に戻ることができる。この場合、上記ステップSP1からステップSP4を繰り返してディスプレイ23の一部ずつが第1標識灯23Aまたは第2標識灯23Bに切り替えられる。また、上記ステップSP1からステップSP4の後、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bを整備する等して第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bの異常を解消することによって、第1標識灯23Aまたは第2標識灯23Bとされたディスプレイ23の一部を元に戻してステップSP1に戻ることができる。
また、制御部3は、上記制御に加えて、所定の画像がディスプレイ23に表示されるよう各画素24を制御する。具体的には、制御部3は、画像表示指示部6からの画像信号に含まれる画像の内容にかかる情報に基づいて、走査線駆動回路25H及びデータ線駆動回路25Vを駆動する。走査線駆動回路25H及びデータ線駆動回路25Vは、印加する電圧や流す電流を調整して、それぞれの画素24の赤色表示用ドット24R、緑色表示用ドット24G及び青色表示用ドット24Bの点灯や非点灯、点灯する場合の輝度を調整する。つまり制御部3は、走査線駆動回路25H及びデータ線駆動回路25Vを介して、それぞれの画素24の各表示用ドットの点灯及び非点灯の制御や、それぞれの表示用ドットから出射する光の輝度を制御する。こうして、制御部3がそれぞれの画素24を制御することで、ディスプレイ23には所定の画像が表示される。
なお、本実施形態のディスプレイ23の面積は、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの面積より大きい。ディスプレイ23の面積が少なくとも一つの標識灯の面積よりも大きいことによって、制御部3は、ディスプレイ23の一部を標識灯に切り替えた後もディスプレイ23の他の一部に画像を表示させたり、ディスプレイ23の他の一部を他の標識灯に切り替えたりし得る。
従って、本実施形態の制御部3は、ディスプレイ23の一部が少なくとも一つの標識灯の少なくとも一部に切り替えられた後において、ディスプレイ23の他の一部に画像を表示し得る。ディスプレイ23の一部が標識灯に切り替えられた後にもディスプレイ23の他の一部に画像が表示されることによって、車両用灯具1の意匠の自由度や報知機能の低下が抑制され得る。
以上説明したように、本実施形態の車両用灯具1は、標識灯である第1標識灯21A及び第2標識灯21Bと、画像を表示するディスプレイ23と、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの状態を検知する検知部4と、検知部4からの情報に基づいてディスプレイ23の少なくとも一部を第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの少なくとも一方の少なくとも一部に切り替える制御部3と、を備える。
標識灯は法規で定められた装備であり、車両VEの使用時には欠かすことのできない装備である。しかし、上記のように標識灯の光源は劣化し易い傾向にあり、標識灯に不具合が生じる場合もある。一方、歩行者とのコミュニケーション用途等に用いられる画像は常に表示される必要がなく、通常は当該画像の輝度が標識灯のように高められる必要もない。よって、ディスプレイ23に用いられる光源は、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bに用いられる光源に比べて劣化が抑制され得る。本実施形態の車両用灯具1では、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの状態が検知部4によって検知され、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bに何らかの不具合が生じた場合、ディスプレイ23の少なくとも一部を不具合が生じた標識灯の少なくとも一部に切り替えることができる。そのため、第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bに何らかの不具合が生じたとしてもディスプレイ23を用いて標識灯としての機能が確保され得る。本実施形態の車両用灯具1は、このように第1標識灯21Aまたは第2標識灯21Bに不具合が生じたとしても標識灯としての機能が確保され得るため、信頼性が向上され得る。
また、本実施形態のディスプレイ23は、第2標識灯21Bと互いに隣り合うように配置される。このようにディスプレイ23と標識灯とが互いに隣り合うように配置されることによって、ディスプレイ23が標識灯に切り替えられる前後における違和感が低減され得る。
また、本実施形態では、ディスプレイ23の少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの標識灯から出射する光の光度が、ディスプレイ23の少なくとも一部が当該一つの標識灯に切り替えられる前における当該一つの標識灯から出射する光の光度以上とされる。このように標識灯から出射する光の光度が所定値以上となるようにディスプレイ23の少なくとも一部が標識灯に切り替えられることによって、当該切り替えの後において法規で定められる標識灯の明るさを保ち得る。
また、本実施形態では、ディスプレイ23の少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの標識灯の面積が、ディスプレイ23の少なくとも一部が当該一つの標識灯に切り替えられる前における当該一つの標識灯の面積以上とされる。標識灯が点灯し得なくなったとしても、上記のようにディスプレイ23の少なくとも一部が標識灯に切り替えられることによって、当該切り替えの後において法規で定められる標識灯の面積を確保し得る。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、制御部3によってディスプレイ23の一部が第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの少なくとも一方に切り替えられる例を挙げて説明したが、ディスプレイ23の全体が第1標識灯21A及び第2標識灯21Bの少なくとも一方に切り替えられてもよい。ディスプレイ23の標識灯への切り替えは、ディスプレイ23の一部ずつが標識灯へ切り替えられてもよく、ディスプレイ23の全部がいっきに標識灯に切り替えられてもよい。
また、上記実施形態では、ディスプレイ23の少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの標識灯から出射する光の光度が、ディスプレイ23の少なくとも一部が一つの標識灯に切り替えられる前における当該一つの標識灯から出射する光の光度以上とされる例を挙げて説明した。しかし、本発明は当該形態に限定されない。制御部3によってディスプレイ23の少なくとも一部が一つの標識灯の少なくとも一部に切り替えられる前後において、当該一つの標識灯の明るさが法規を満たす範囲とされればよい。
また、上記実施形態では、ディスプレイ23の少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの標識灯の面積が、ディスプレイ23の少なくとも一部が当該一つの標識灯に切り替えられる前における当該一つの標識灯の面積以上とされる例を挙げて説明した。しかし、本発明は当該形態に限定されない。制御部3によってディスプレイ23の少なくとも一部が一つの標識灯の少なくとも一部に切り替えられる前後において、当該一つの標識灯の面積が法規を満たす範囲とされればよい。
また、上記実施形態では、第2標識灯21Bが標識灯非点灯部22となる例を挙げて説明した。しかし、標識灯の輝度が低下したものの点灯可能である場合、ディスプレイ23の少なくとも一部が当該標識灯に切り替えられた後、輝度が低下した当該標識灯は点灯されてもよく非点灯とされてもよい。
また、上記実施形態では、第1標識灯21A及び第2標識灯21Bが備えられる例を挙げて説明したが、標識灯の数は特に限定されない。また、標識灯は、上記実施形態で例示したテールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプに限定されず、例えばバックランプであってもよい。ただし、標識灯の少なくとも一つがブレーキランプであることが好ましい。車両用灯具1に備えられる標識灯の少なくとも一つがブレーキランプとされることによって、車両VEに備えられる標識灯の中でも特に重要と考えられるブレーキランプに不具合が生じたとしてもブレーキランプの機能が確保され得る。
また、上記実施形態では、一つの制御部3によってディスプレイ23の切り替え、ディスプレイ23への画像の表示、標識灯の点灯の制御が行われる例を挙げて説明したが、制御部を複数設けてそれぞれの制御が互いに異なる制御部によって行われてもよい。
また、上記実施形態では、標識灯とディスプレイとが互いに隣り合う位置に配置されて一体となった一つのディスプレイを挙げて説明したが、本発明は当該形態に限定されない。標識灯及びディスプレイは、それぞれ互いに離れた位置に形成されてもよい。
また、上記実施形態では、ディスプレイ23の輝度を高めてディスプレイ23が第1標識灯23Aまたは第2標識灯23Bとされる例を挙げて説明したが、ディスプレイ23が通常の使用時においても第1標識灯21A及び第2標識灯21Bと同等以上の輝度とされてもよい。
本発明によれば、信頼性が向上され得る車両用灯具が提供され、自動車等の車両の分野などにおいて利用可能である。
1・・・車両用灯具
3・・・制御部
4・・・検知部
21A・・・第1標識灯
21B・・・第2標識灯
23・・・ディスプレイ
VE・・・車両

Claims (8)

  1. 少なくとも一つの標識灯と、
    画像を表示するディスプレイと、
    前記標識灯の状態を検知する検知部と、
    前記検知部からの情報に基づいて前記ディスプレイの少なくとも一部を少なくとも一つの前記標識灯の少なくとも一部に切り替える制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記ディスプレイの少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの前記標識灯から出射する光の光度が、前記ディスプレイの少なくとも一部が前記一つの標識灯に切り替えられる前における前記一つの標識灯から出射する光の光度以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記ディスプレイの少なくとも一部が切り替えられてなる部位を含む一つの前記標識灯の面積が、前記ディスプレイの少なくとも一部が前記一つの標識灯に切り替えられる前における前記一つの標識灯の面積以上である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
  4. 前記ディスプレイの面積が少なくとも一つの前記標識灯の面積より大きい
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  5. 前記ディスプレイの一部が少なくとも一つの前記標識灯の少なくとも一部に切り替えられた後において、
    前記ディスプレイの他の一部に画像が表示される
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  6. 前記ディスプレイの輝度が前記標識灯の輝度より低い
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  7. 前記標識灯の少なくとも一つがブレーキランプである
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  8. 前記ディスプレイは、前記標識灯と互いに隣り合うように配置される
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車両用灯具。
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