従来から、棒状や筒状のように断面が連続して同形状の成形体を得るための成形方法として、押出成形法が用いられている。この押出成形法の中でも2mを超える長尺の成形体の成形には、スクリュー式の押出成形機が一般的に用いられており、粘土状に調製された成形原料である坏土を特定の出口形状を有する金型から押し出すことによって、特定の断面形状を有する成形体を連続的に成形することができるので、棒状や筒状の長尺の成形体を得ることができる。
図9は、従来のスクリュー式の押出成形機を示す概略断面図である。
図9に示すスクリュー式の押出成形機60は、上段バレル部63内に並列に2本設置されたシャフト64aおよび羽根64bからなる上段スクリュー64(図9においては紙面に垂直な方向に2本が重なっている。)と、下段バレル部67内に設置されたシャフト68aおよび羽根68bからなる下段スクリュー68とを有している。なお、上段スクリュー64は上段軸受け70に両側で接続固定され、下段スクリュー68は下段軸受け71に片側支持で接続固定され、上段スクリュー64および下段スクリュー68は図示しない動力源に接続されている。また、上段スクリュー64と下段スクリュー68との間には真空室66を備え、押出成形機60の内部を真空引きするための図示しない真空ポンプが接続されている。さらに、上段バレル部63の一部に坏土の投入口62を開口してあり、下段バレル部67の出口側に、ブレーカプレート65および金型69が接続された構成とされている。
図10は、図9の押出成形機に設けられている従来のブレーカプレートを示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるE−E’線での断面図である。
図10に示すブレーカプレート65は、ステンレス鋼,クロム鋼,クロムモリブデン鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブデン鋼,炭素工具鋼および合金工具鋼等からなり、複数の貫通孔72および下段バレル部67に接続するための取付孔73を有している。
次に、この押出成形機60を用いた長尺の成形体の成形手順を説明する。
まず、セラミックスの粉体とバインダと水とを混合し、混練して粘土状の坏土とする。そして、この坏土を押出成形機61の投入口62より投入し、上段バレル部63内に並列に2本設置された上段スクリュー64同士の間に坏土を巻き込むように2本の上段スクリュー64を互いに逆回転させることによって、投入した坏土が羽根64bと上段バレル部63の内壁との間隙を通り、真空室66へと押し出される。真空室66へと押し出された坏土は、真空室66に接続された真空ポンプによって減圧されて坏土の内部の気泡を排出する。その後、坏土は下段スクリュー68の回転により、羽根68bと下段バレル部67の内壁との間隙を通り、ブレーカプレート65の複数の貫通孔72を通すことによって、坏土が分割された形で金型69の方向へと押し進められ、この坏土が金型69を通過することにより特定の断面形状を有する長尺の成形体が得られる。そして、この長尺の成形体を乾燥して焼成することにより長尺のセラミック製品が得られる。
このような、長尺のセラミック製品においては、乾燥や焼成工程における収縮の際のクラックや、曲がりを生じさせないことが必要であり、ブレーカプレート65は、下段スクリュー68の回転によって生じている坏土のねじれを解消し、金型69への坏土の供給量の均一化を図るという重要な役割を担っており、貫通孔72の孔径を変えたり、抵抗を大きくするためにブレーカプレート65の厚さを厚くしたりするなどの検討がなされている。
例えば、特許文献1には、オーガー式連続押出成形機を用いたセラミック坏土の連続成形方法が提案されており、坏土供給用スクリューと成形ダイスとの間に、押出機の有するスクリューの溝方向と逆方向の傾斜孔を有する整流板(ブレーカプレート)を設けることが記載されている。これによれば、押出機の有するスクリューの溝方向と逆方向の傾斜孔を有していることにより、スクリューの回転方向の坏土のねじれを完全に解消することができるので、クラックや曲がりの少ない焼結体を得ることができるというものである。
しかしながら、特許文献1に記載のブレーカプレートは、スクリューの回転方向の坏土のねじれを起因とするクラックや曲がりが生じるのを抑制することができるものの、クラックの発生を完全に抑制するには至ってなかった。そのため、クラックの発生の更なる抑制が必要であった。長尺の成形体の乾燥や焼成工程において生じるクラックのうち、成形体の押出方向に生じている乾燥体や焼結体の表面に生じているクラックについては、以下のことが起因しているものと考えられる。高い圧力を受けて押し進められた坏土はブレーカプレートによって分割されるが、分割された坏土の各々の表面には、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすくなっている。そして、さらに圧力を受けて金型の方向へ押し進められて、これら分割された坏土は再び合流して互いに圧着されることとなるが、金型を通過することによって得られる特定の断面形状を有する棒状や筒状の成形体には、樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分が押出方向に連続して存在することとなる。そのため、この坏土の表面同士が合わさった部分は密度が低くなりやすく、成形体に密度差を生じることとなり、その後の乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、特に成形体や乾燥体の表面は最も早く熱を受け、樹脂分や水分が激しく抜けていくため、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じていると考えられる。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、成形体の乾燥や焼成工程で受ける熱によって、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制可能なブレーカプレートおよびこれを用いた押出成形機を提供することを目的とする。
本発明のブレーカプレートは、セラミック原料からなる坏土を用いて成形体を製造する押出成形機の坏土の通路となる複数の貫通孔を有するブレーカプレートであって、最も外側に配置される前記貫通孔の開口形状が、前記成形体の外形に沿った長孔であることを特徴とするものである。
また、本発明のブレーカプレートは、上記構成において、前記成形体の外形が多角形状であり、最も外側に配置された前記貫通孔の開口形状が前記成形体の外形の断面の辺に平行な長孔であることを特徴とするものである。
また、本発明のブレーカプレートは、上記構成において、最も外側に配置された前記貫通孔の開口形状が前記成形体の外形の断面の辺の両端に渡る長さに対応する長孔であることを特徴とするものである。
また、本発明のブレーカプレートは、上記いずれかの構成において、最も外側に配置された前記貫通孔の内側に配置された前記貫通孔の開口形状が、最も外側に配置された前記貫通孔の開口形状に沿った長孔であることを特徴とするものである。
また、本発明のブレーカプレートは、上記いずれかの構成において、前記ブレーカプレートの前記坏土の入口側の面に、前記複数の貫通孔の中心から外周側に向けて細長い板状の整流羽根を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明のブレーカプレートは、上記構成において、前記整流羽根の厚みが、前記ブレーカプレートの外周側よりも中心側で薄くなっていることを特徴とするものである。
また、本発明のブレーカプレートは、上記構成において、前記複数の貫通孔の前記坏土の入口側を覆うように、開口が前記貫通孔よりも小さい網状部材を設けたことを特徴とするものである。
本発明の押出成形機は、上記いずれかの構成の本発明のブレーカプレートをスクリューと金型との間に設置したことを特徴とするものである。
本発明のブレーカプレートによれば、セラミック原料からなる坏土を用いて成形体を製造する押出成形機の坏土の通路となる複数の貫通孔を有するブレーカプレートであって、最も外側に配置された前記貫通孔の開口形状が、前記成形体の外形に沿った長孔を有することにより、長孔を通過した坏土に対応する成形体の表面には、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分が、従来の複数の貫通孔を配置したブレーカプレートと比べて少なくなるため、密度差を生じるおそれが少なくなり、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制することができる。
また、本発明のブレーカプレートによれば、前記成形体の外形が多角形状であり、最も外側に配置された前記貫通孔の開口形状が前記成形体の外形の断面の辺に平行な長孔であるときには、多角形状の成形体の各表面において、密度差を生じるおそれのある、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分の集まりやすい坏土の表面同士の合わさった部分が少なくなるので、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制することができる。
また、本発明のブレーカプレートによれば、最も外側に配置された前記貫通孔の開口形状が前記成形体の外形の断面の辺の両端に渡る長さに対応する長孔であるときには、成形体の外形の断面の辺に対応する表面において、密度差を生じるおそれのある、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分がより少なくなるので、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることをさらに抑制することができる。
また、本発明のブレーカプレートによれば、最も外側に配置された前記貫通孔の内側に配置された前記貫通孔の開口形状が、最も外側に配置された前記貫通孔の開口形状に沿った長孔であるときには、成形体の表面のみならず、成形体の内部の厚み方向においても、密度差を生じるおそれのある、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分が少なくなるので、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に、成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制することができるとともに、乾燥体や焼結体の内部についてもクラックが生じるおそれをさらに少なくすることができる。
また、本発明のブレーカプレートによれば、ブレーカプレートの坏土の入口側の面に、前記複数の貫通孔の中心から外周側に向けて細長い板状の整流羽根を設けたときには、ねじり応力の付与されている坏土を整流羽根で一旦分割して、坏土に付与されているねじり応力を緩和することによって、坏土にねじり応力が残存することによる長尺の成形体やこの成形体を乾燥して焼成した長尺のセラミック製品にクラックや曲がりが生じるのを抑制することができる。
また、本発明のブレーカプレートによれば、整流羽根の厚みが、ブレーカプレートの外周側よりも中心側で薄くなっているときには、整流羽根の厚みが、ブレーカプレートの外周側よりも中心側で薄く、すなわち、ブレーカプレートの中心側の整流羽根を鋭利にすることによって、坏土の充填密度が高く、ねじり応力の高いブレーカプレートの中心付近に押し進められてくる坏土を分割しやすくなり、ねじり応力を一層緩和してクラックや曲がりが生じるのをさらに抑制することができるとともに、整流効果を生んで成形速度を速くすることができる。
また、本発明のブレーカプレートによれば、複数の貫通孔の坏土の入口側を覆うように、開口が貫通孔よりも小さい網状部材を設けたときには、坏土を細かく分割することができるので、坏土内の気泡が取り除かれて、得られた長尺の成形体を乾燥して焼成した長尺のセラミック製品の機械的強度を高めることができる。また、異物を取り除くことができるので、異物を起因とするクラックや機械的強度の低下を防ぐことができる。
そして、本発明の押出成形機によれば、以上の本発明のブレーカプレートをスクリューと金型との間に設置したことにより、スクリューの回転による坏土のねじれを解消し、坏土のねじれを起因とするクラックや曲がりの発生を抑制することができるとともに、乾燥体や焼結体の表面に、成形体の押出方向に沿ったクラックを生じにくくすることができるので、棒状や筒状の長尺のセラミック部品を得る際の成形に好適に用いることができる。
以下、本発明のブレーカプレートおよび本発明のブレーカプレートを設置した押出成形機の実施の形態の例について説明する。
図1は、本発明のブレーカプレートを設置した本発明の押出成形機の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
図1に示す例のスクリュー式の押出成形機1は、上段バレル部3内に並列に2本設置されたシャフト4aおよび羽根4bからなる上段スクリュー4(図1においては紙面に垂直な方向に2本が重なっている。)と、下段バレル部7内に設置されたシャフト8aおよび羽根8bからなる下段スクリュー8とを有している。なお、上段スクリュー4は上段軸受け10に両側で接続固定され、下段スクリュー8は下段軸受け11に片側支持で接続固定され、上段スクリュー4および下段スクリュー8は図示しない動力源に接続されている。また、上段スクリュー4と下段スクリュー8との間には真空室6を備え、押出成形機1の内部を真空引きするための図示しない真空ポンプが接続されている。さらに、上段バレル部3の一部に坏土の投入口2が開口しており、下段バレル部7の出口側に、複数の貫通孔12を有する本発明のブレーカプレート5および金型9が接続された構成としてある。
次に、図1に示す例の押出成形機1を用いた長尺の成形体の成形手順を説明する。まず、セラミックスの粉体とバインダと水とを混合し、混練して粘土状の坏土とする。そして、この坏土を押出成形機1の投入口2より投入し、上段バレル部3内に並列に2本設置された上段スクリュー4同士の間に坏土を巻き込むように2本の上段スクリュー4を互いに逆回転させることによって、投入した坏土が羽根4bと上段バレル部3の内壁との間隙を通り、真空室6へと押し出される。真空室6へと押し出された坏土は、真空室6に接続された真空ポンプによって減圧されて坏土の内部の気泡を排出する。その後、坏土は下段スクリュー8の回転により、羽根8bと下段バレル部7の内壁との間隙を通り、ブレーカプレート5の複数の貫通孔12を通ることによって、坏土が分割された形で金型9の方向へと押し進められ、この坏土が金型9を通過することにより特定の断面形状を有する長尺の成形体が得られる。そして、この成形体を乾燥して焼成することによって長尺のセラミック製品が得られる。
そして、上記構成の押出成形機1のセラミック原料からなる坏土の通路となる複数の貫通孔12を有するブレーカプレート5において、最も外側に配置された貫通孔12の開口形状が、成形体の外形に沿った長孔であることが重要である。
図2は、本発明のブレーカプレートの実施の形態の一例を示す平面図である。図2に示す例のブレーカプレート5は、ステンレス鋼,クロム鋼,クロムモリブデン鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブデン鋼,炭素工具鋼および合金工具鋼等からなり、坏土の通路となる複数の貫通孔12および下段バレル部7に接続するための取付孔13を有している。そして、本発明のブレーカプレート5には、複数の貫通孔12として、従来と同様の丸孔12aの他に、開口形状が成形体の外形に沿った2つの長孔12bが最も外側(図2においては上側。)に配置してある。このような本発明のブレーカプレート5が、下段スクリュー8と金型9との間に設置されていることにより、坏土がブレーカプレート5を通過して分割された後、さらに圧力を受けて金型9の方向へ押し進められて再び合流して圧着され、金型9を通過することによって得られる成形体における、長孔12bを通過した坏土に対応する成形体の表面には、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分が、従来の複数の貫通孔を配置したブレーカプレートと比べて少ないため、密度差を生じるおそれが少なくなり、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制することができる。
また、成形体の外形が多角形状であり、最も外側に配置された貫通孔12の開口形状が成形体の外形の断面の辺に平行な、すなわち成形体の外形の断面を見たときにその断面における辺に平行であって、成形体の外形の表面に対して幅方向に平行な、長孔12bであることが好ましい。
図3は、本発明のブレーカプレートの実施の形態の他の例を示す平面図である。
図3に示す例のブレーカプレート5は、成形体の外形が四角形状であるときのものであり、最も外側に配置された貫通孔12の開口形状が四角形状の成形体の外形の断面の辺に沿った長孔12bである。このような長孔12bであるときには、四角形状の成形体の各表面において、密度差を生じるおそれのある部分、すなわち坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分の集まりやすい坏土の表面同士の合わさった部分が少なくなるので、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制することができる。なお、ここでは成形体の外形が四角形状である場合について説明したが、その他の多角形状の成形体に対しても、最も外側に配置された貫通孔12の開口形状が多角形状の成形体の外形の断面の辺に平行な長孔12bであれば、上記同様の効果が得られることはいうまでもない。
図4は、本発明のブレーカプレートの実施の形態のさらに他の例を示す平面図である。
本発明のブレーカプレート5は、図4に示す例のように、最も外側に配置された貫通孔12の開口形状が成形体の外形の断面の辺の両端に渡る長さに対応する長孔12bであることが好ましい。貫通孔12の開口形状が成形体の外形の断面の辺の両端に渡る長さ、すなわち成形体の外形の断面を見たときにその断面における辺の両端に渡る長さであって、成形体の外形の表面に対して幅方向の一端から他端に渡る長さに対応する長孔12bであることにより、成形体の各表面に対して各2個の長孔12bを有している図3に示す例のブレーカプレート5と比較して、成形体の外形の断面の辺に対応する各表面に対して、密度差を生じるおそれのある部分、すなわち坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分がより少なくなるので、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることをさらに抑制することができる。
図5は、本発明のブレーカプレートの実施の形態のさらに他の例を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるA−A’線での断面図である。なお、図5および図5以降に示す図においてブレーカプレート5の左右に配置した複数の矢印は、ブレーカプレート5に対する坏土の流れ方向を示すものである。
本発明のブレーカプレート5は図5に示す例のように、最も外側に配置された貫通孔12である長孔12bの内側に配置された貫通孔12の開口形状が、最も外側に配置された長孔12bの開口形状に沿った長孔12b’であることが好ましい。これにより、成形体の表面のみならず、成形体の内部の厚み方向においても、密度差を生じるおそれのある、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分が少なくなるので、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制するとともに、乾燥体や焼結体の内部についてもクラックが生じるおそれをさらに少なくすることができる。
また、図5(b)に示すように、ブレーカプレート5の貫通孔12の坏土の入口側および出口側となる部分に、開口を広げて角による引っ掛かりをなくすようにC面加工が施されていることが好ましい。これにより、下段スクリュー8の回転により、羽根8bと下段バレル部7の内壁との間隙を通ってきた坏土をブレーカプレート5にスムーズに導入して分割し、金型9の方向へスムーズに排出することができる。このようにしてスムーズな坏土の導入および排出を行なうことで、坏土の流れを妨げず、下段スクリュー8の回転による坏土のねじれを解消し、再び合流した坏土が気泡を巻き込むことを少なくすることができる。また、ブレーカプレート5に対して坏土の入口側および出口側となる部分にC面加工が施されていることにより、下段スクリュー8に接続されている動力源や押出成形機1を構成する各部材に過剰な負荷が掛かることが少なくなるので、動力源や各部材の交換頻度を少なくすることができ、押出成形機1自体の寿命を延ばすことができる。
そして、上記いずれかの構成の本発明のブレーカプレート5を下段スクリュー7と金型9との間に設置した本発明の押出成形機1は、下段スクリュー8の回転による坏土のねじれを解消し、坏土のねじれを起因とするクラックや曲がりの発生を抑制することができるとともに、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ったクラックを生じにくくすることができるので、棒状や筒状の長尺のセラミック部品を得る際の成形に好適に用いることができる。
図6は、本発明のブレーカプレートの実施の形態のさらに他の例を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。
本発明のブレーカプレート5は、図6に示す例のように、ブレーカプレート5の坏土の入口側の面に、複数の貫通孔12の中心から外周側に向けて細長い板状の整流羽根15を設けていることが好ましい。押出成形機1の下段スクリュー8の回転により、羽根8bと下段バレル部7の内壁との間隙を通って押し出されてきた坏土には、ねじり応力が付与されており、得られた長尺の成形体にこのねじり応力が残存しているときには、長尺の成形体やこの成形体を乾燥して焼成した長尺のセラミック製品にクラックや曲がりが生じるおそれがある。そのため、ねじり応力の付与されている坏土が貫通孔12に入る前に、整流羽根15で坏土を一旦分割して、坏土に付与されているねじり応力を緩和することによって、坏土にねじり応力が残存することによる長尺の成形体やこの成形体を乾燥して焼成した長尺のセラミック製品にクラックや曲がりが生じるのを抑制することができる。なお、整流羽根15は、細長い板状であれば上記効果を得ることができるが、より効果を高めるためには、整流羽根15の長さ方向に垂直な断面形状が三角形であることが好ましい。
また、整流羽根15の材質としては、ブレーカプレート5と同様に、ステンレス鋼,クロム鋼,クロムモリブデン鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブデン鋼,炭素工具鋼および合金工具鋼等を用いればよい。
図7は、本発明のブレーカプレートの実施の形態のさらに他の例を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるC−C’線での断面図である。
本発明のブレーカプレート5は、図7に示す例のように、ブレーカプレート5の坏土の入口側の面に、複数の貫通孔12の中心から外周側に向けて設けられている細長い板状の整流羽根15の厚みが、ブレーカプレート5の外周側よりも中心側で薄くなっていることが好ましい。これは、整流羽根15の厚みが、ブレーカプレート5の外周側よりも中心側で薄く、すなわち、ブレーカプレート5の中心側の整流羽根15の坏土に最初に接する部分を鋭利にすることによって、坏土の充填密度が高く、ねじり応力の高いブレーカプレート5の中心付近に押し進められてくる坏土を分割しやすくなり、ねじり応力を一層緩和してクラックや曲がりが生じるのをさらに抑制することができるとともに、整流効果を生んで成形速度を速くすることができる。
図8は、本発明のブレーカプレートの実施の形態のさらに他の例を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるD−D’線での断面図である。
本発明のブレーカプレート5は、図8に示す例のように、複数の貫通孔12の坏土の入口側を覆うように、開口が貫通孔12よりも小さい網状部材16を設けていることが好ましい。このように、網状部材16を設けていることにより、坏土を細かく分割することができるので、坏土内の気泡が取り除かれて、得られた長尺の成形体を乾燥して焼成した長尺のセラミック製品の機械的強度を高めることができる。また、異物を取り除くことができるので、異物を起因とするクラックや機械的強度の低下を防ぐことができる。
また、網状部材16の材質としては、ステンレス鋼,クロム鋼,クロムモリブデン鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブデン鋼,炭素工具鋼および合金工具鋼等からなる網状の部材を用いればよい。番手としては20〜100番を用いるのが好ましい。
次に、本発明のブレーカプレート5の製造方法の一例を示す。ステンレス鋼,クロム鋼,クロムモリブデン鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブデン鋼,炭素工具鋼および合金工具鋼等を用いて、所定の形状や厚みとなるように切り出し、ボール盤にて、複数の貫通孔12である丸孔12aや、所望する成形体の外形に沿った長孔12b,成形体の外形の断面の辺に平行な長孔12b,成形体の外形の断面の辺の両端に渡る長さに対応する長孔12b等と、取付孔13とを形成する。さらに、取付孔13に下段バレル部7に接続するためのねじ加工を施すことにより、本発明のブレーカプレート5を得ることができる。また、丸孔12aおよび長孔12bに対して坏土の入口側および出口側となる部分にC面加工を施してもよい。
また、整流羽根15については、ブレーカプレート5と同様に、上記いずれかの材質の鋼材から所定の形状や厚みとなるように切り出し、整流羽根15の1本に対し少なくとも2箇所に整流羽根取付孔14を形成するためにねじ加工を施すことにより得ることができる。そして、ブレーカプレート5の坏土の入口側の面の所定位置にも図示しない取付孔を形成し、これらの取付孔を合わせてボルト等を用いて締結することにより、ブレーカプレート5の坏土の入口側の面に、複数の貫通孔12の中心から外周側に向けて細長い板状の整流羽根15を設けることができる。さらに、整流羽根15の厚みが、ブレーカプレート5の外周側よりも中心側で薄くするには、鋼材から切り出す際に、所望形状となるように加工を施せばよい。
また、網状部材16については、ブレーカプレート5および整流羽根15と同様に、上記いずれかの材質からなる網状の部材を用意し、複数の貫通孔12の坏土の入口側を覆うことのできる大きさに加工し、ブレーカプレート5に形成した下段バレル部7に接続するための取付孔13と整流羽根15を接続するための図示しない取付孔と同じ位置に孔加工を施すことにより、網状部材16を得ることができる。そして、ブレーカプレート5の複数の貫通孔12の坏土の入口側を覆うように網状部材16を配置し、網状部材16の上に整流羽根15を配置して取付孔13および整流羽根取付孔14にボルト等を挿入して締結することにより接続することができる。
このようにして得られた本発明のブレーカプレート5は、最も外側に配置された貫通孔12の開口形状が、成形体の外形に沿った長孔12bを有することにより、長孔12bを通過した坏土に対応する成形体の表面には、坏土の中を移動しやすい樹脂分や水分が集まりやすい坏土の表面同士が合わさった部分が、従来の複数の貫通孔を配置したブレーカプレートと比べて少ないため、成形体の表面において密度差を生じるおそれが少なくなり、その後の工程である乾燥や焼成工程で受ける熱によって樹脂分や水分が抜けて収縮する際に、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ってクラックが生じることを抑制することができる。
また、ブレーカプレート5の坏土の入口側の面に、複数の貫通孔12の中心から外周側に向けて細長い板状の整流羽根15を設けたときには、ねじり応力の付与されている坏土が貫通孔12に入る前に、整流羽根15で坏土を一旦分割して、坏土に付与されているねじり応力を緩和することによって、坏土にねじり応力が残存することによる長尺の成形体やこの成形体を乾燥して焼成した長尺のセラミック製品にクラックや曲がりが生じるのを抑制することができる。
さらに、整流羽根の厚みが、ブレーカプレート5の外周側よりも中心側で薄くなっているときには、坏土の充填密度が高く、ねじり応力の高いブレーカプレート5の中心付近に押し進められてくる坏土を分割しやすくなり、ねじり応力を一層緩和してクラックや曲がりが生じるのをさらに抑制することができるとともに、整流効果を生んで成形速度を速くすることができる。
また、複数の貫通孔12の坏土の入口側を覆うように、開口が貫通孔12よりも小さい網状部材16を設けたときには、坏土を細かく分割することができるので、坏土内の気泡が取り除かれて、得られた長尺の成形体を乾燥して焼成した長尺のセラミック製品の機械的強度を高めることができる。また、異物を取り除くことができるので、異物を起因とするクラックや機械的強度の低下を防ぐことができる。
そして、上記いずれかの構成の本発明のブレーカプレート5を下段スクリュー7と金型9との間に設置した本発明の押出成形機1は、下段スクリュー8の回転による坏土のねじれを解消し、坏土のねじれを起因とするクラックや曲がりの発生を抑制することができるとともに、乾燥体や焼結体の表面に成形体の押出方向に沿ったクラックを生じにくくすることができるので、棒状や筒状の長尺のセラミック部品を得る際の成形に好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施例について示す。
まず、ステンレス鋼板に所定の加工を施し、外形が500mmの正方形であり、厚みが20mmであり、径がφ30mmの4個の取付孔13と、径がφ25mmの104個の丸孔12aと、最も外側に配置された25mm×140mmの計8個の長孔12bとを有する、図3に示す例のブレーカプレート5を作製した。また、外形が500mmの正方形であり、厚みが20mmであり、径がφ30mmの4個の取付孔13と、径がφ25mmの104個の丸孔12aと、最も外側に配置された25mm×290mmの4個の長孔12bとを有する、図4に示す例の本発明のブレーカプレート5を作製した。さらに、外形が500mmの正方形であり、厚みが20mmであり、径がφ30mmの4個の取付孔13と、最も外側に配置された25mm×290mmの4個の長孔12bと、25mm×230mm,25mm×170mm,25mm×110mmおよび25mm×50mmの各4個の長孔12bの開口形状に沿った長孔12b’と、中央に径がφ40mmの1個の丸孔12aとを有する、図5に示す例の本発明のブレーカプレート5を作製した。なお、図5に示す例の本発明のブレーカプレート5においては、図5(b)の断面図に示すように、丸孔12aおよび長孔12bに対して坏土の入口側および出口側となる部分にC面加工を施した。
また、ステンレス鋼板に所定の研削加工を施し、外形が500mmの正方形であり、厚みが20mmであり、径がφ30mmの4個の取付孔と、径がφ25mmの143個の貫通孔とを有する、図7に示す形状の従来のブレーカプレートを作製した。そして、作製した本発明のブレーカプレート5および従来のブレーカプレートをそれぞれの押出成形機に設置した。
次に、坏土を準備した。まず、坏土の原料となる、純度が95%以上で平均粒径が1μmのアルミナ1次原料を用意し、このアルミナ1次原料を100質量%に対し、Ca,Si,Mgの酸化物からなる焼結助剤を1〜5質量%,バインダとしてPVAを1〜1.5質量%,水を100質量%,分散剤を0.5質量%となるようにそれぞれ秤量し、これらをニーダーに投入して混練し、粘土状の坏土を得た。
なお、以降の成形手順については、本発明の押出成形機1を構成する部材の符号を用いて説明する。準備した坏土をそれぞれの押出成形機の投入口2より投入した。投入された坏土は、上段バレル部3内に並列に2本設置された上段スクリュー4同士の間に坏土を巻き込むように互いに逆回転させることによって、羽根4b同士の間隙および羽根4bと上段バレル部3の内壁との間隙を通って、せん断力を与えられながら押し進められ、真空室6へと押し出された。
次に、真空室6へ押し出された坏土は、真空室6に接続された真空ポンプによって減圧されて坏土内の気泡が取り除かれ、真空室6内を通過した坏土は下段バレル部7内の下段スクリュー8上に落下し、下段スクリュー8の回転によって羽根8b同士の間隙および羽根8bと下段バレル部7の内壁との間隙を通って、本発明のブレーカプレート5または従来のブレーカプレートによって分割された形で金型9の方向へ押し進められ、金型9を通過させることによって、外辺が160mmの正方形であり、中空部の1辺が125mmの正方形の断面形状であり、長さが2.5mの筒状の成形体を各30本成形した。
そして、この成形体を100℃で48時間乾燥した後、乾燥体の表面にクラックが生じていないか確認を行なった。次に、大型の焼成炉に入れて大気雰囲気中で1500〜1700℃の最高温度で焼成した後、焼結体の表面にクラックが生じていないか確認を行なった。
その結果、従来のブレーカプレートを設置した押出成形機を用いて作製した筒状の成形体を乾燥させた乾燥体およびこれを焼成した焼結体については、30本中の9本に成形体の押出方向に沿って生じたクラックが確認された。
これに対し、図3に示す例の本発明のブレーカプレート5を設置した押出成形機1を用いて作製した筒状の成形体を乾燥させた乾燥体およびこれを焼成した焼結体については、成形体の押出方向に沿って生じた微小なクラックが1本確認された。また、図4および図5に示す例の本発明のブレーカプレート5を設置した押出成形機1を用いて作製した筒状の成形体を乾燥させた乾燥体およびこれを焼成した焼結体については、クラックの発生は確認されなかった。
これにより、成形体の外形に沿った長孔12bを最も外側に配置することで、成形体の押出方向に沿ったクラックを生じにくくできることがわかった。また、成形体の外形の断面の辺の両端に渡る長さに対応する長孔12bを最も外側に配置することで、さらに、成形体の押出方向に沿ったクラックを生じにくくできることがわかった。
さらに、本実施例の成形時において、下段スクリュー8の接続されている動力源に掛かる負荷を圧力計で確認したところ、図5に示す例のC面加工を施した本発明のブレーカプレート5を設置した押出成形機1が、負荷が最も低かった。この結果から、丸孔12aおよび長孔12bの坏土の入口側および出口側となる部分にC面加工が施されていることにより、下段スクリュー8の接続されている動力源に過剰な負荷が掛かっておらず、これは押出成形機1を構成する各部材にも同様に過剰な負荷が掛かることはないことでもあるので、動力源や各部材の長寿命化が図られ、交換頻度を少なくすることができ、押出成形機1自体の寿命を延ばすことができることがわかった。
次に、表1に示す整流部材15や網状部材16を設けた本発明のブレーカプレート5を作製し、焼結体の3点曲げ強度およびボイド率を調査する試験を実施した。なお、整流羽根15の効果を確認するため、押出成形時に成形速度を計測した。
まず、実施例1と同様の方法により、図5に示すブレーカプレートを作製し、坏土の入口側の面の所定位置の8箇所に孔加工を施して、整流羽根15を接続するための図示しない取付孔を形成した。
次に、整流羽根15を作製した。ステンレス鋼を用いて、長さが200mm,高さが30mm,厚みが15mmであり、長さ方向に垂直な断面形状が三角形の整流羽根15Aを8本切り出した。また、ステンレス鋼を用いて、長さ,高さおよび長さ方向に垂直な断面形状が三角形であることは同様であり、長さ方向の一方の厚みが15mmであり、他方の厚みが7mmとなる整流羽根15Bを8本切り出した。そして、それぞれの整流羽根15にねじ加工を施して、整流羽根15の1本につき2箇所にφ5mmの整流羽根取付孔14を形成し、長さ方向の厚みの等しい整流羽根15Aおよび長さ方向の厚みの異なる整流羽根15Bをそれぞれ8本得た。
次に、網状部材16を作製した。ステンレス鋼からなり、番手40の網状の部材を用意して、外形が500mmの正方形となるように加工し、ブレーカプレート5に形成した下段バレル部7に接続するための径がφ30mmの4個の取付孔13と整流羽根15を接続するための図示しない取付孔と同じ位置に孔加工を施して、網状部材16を2枚得た。
そして、表1に示す構成の本発明のブレーカプレート5を作製した。なお、整流羽根15については、整流羽根取付孔14がブレーカプレート5の坏土の入口側の面の所定位置の図示しない取付孔に合うように配置してボルトを用いて締結した。また、網状部材16については、ブレーカプレート5の複数の貫通孔12の坏土の入口側を覆うように網状部材16を配置し、網状部材16の上に整流羽根15を配置して取付孔13および整流羽根取付孔14にボルトを挿入して締結することにより接続した。その後、作製した各ブレーカプレート5を実施例1と同様にそれぞれの押出成形機1に設置した。そして、実施例1と同様の坏土を準備し、この坏土をそれぞれの押出成形機1に投入して長尺の成形体を作製した。このとき、それぞれの押出成形機1の成形速度(1分間に押出方向に進んだ距離)を計測した。次に、得られた長尺の成形体を乾燥させて焼成した後、必要な加工を施してJIS R 1601−1995に準拠して3点曲げ強度の測定を行なった。また、別途焼結体から試験片を切り出し、この表面を鏡面加工した後、画像解析装置(ニレコ社製 LUZEX−FS)にて100倍の倍率で観察し、この画像を取り込み、画像解析装置にてボイド率(%)を算出した。結果を表1に示す。
結果、試料No.1の整流羽根15を設けていない本発明のブレーカプレート5を用いて押出成形された焼結体の3点曲げ強度が332MPaであったのに対し、試料No.2〜5の整流羽根15を設けた本発明のブレーカプレート5を用いて押出成形された焼結体の3点曲げ強度は340MPa以上であり、整流羽根15を設けたことにより、坏土に付与されているねじり応力を緩和して、焼結体に生じるマイクロクラックを抑えることができていることが分かった。
また、試料No.2と試料No.3、試料No.4と試料No.5の成形速度を比較すると、それぞれ試料No.3および試料No.5の成形速度が速くなっているので、整流羽根15の厚みが、ブレーカプレート5の外周側よりも中心側で薄くなっていることにより、整流効果を高められることが分かった。
また、試料No.1のボイド率が3.1%であったのに対し、試料No.2,3のボイド率は2.9%であり、整流羽根15を設けたことによってボイド率の改善が図れることが分かった。さらに、試料No.4,5のボイド率は1.2%であり、網状部材16を設けたことによってボイド率の大幅な改善が図れることが分かった。また、試料No.4,5は、3点曲げ強度が362MPaであり、整流羽根15および網状部材16を設けたことによって、整流効果と坏土内にある気泡や異物を取り除くことによる相乗効果により機械的強度を高められることが分かった。