JP2022029013A - 炭化ケイ素筒体および炭化ケイ素筒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】、ラミネーションの発生を抑制した炭化ケイ素の筒体およびラミネーション欠陥の発生を抑制する炭化ケイ素の筒体製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る炭化ケイ素筒体の製造方法は、焼結体からなる炭化ケイ素の筒体製造方法であって、原料である炭化ケイ素(SiC)と、少なくともバインダー、焼結助剤、水をミキサーで混合する混合工程(S1)と、前記混合工程によって混合された原料の粉末を混練し、粘土状の坏土を得る混練工程(S2)と、前記混練工程で混練された坏土を押出成形し、成形体を得る押出成形工程(S3)と、前記押出成形された成形体を焼結する工程(S4)と、を含み、前記混練工程(S2)において、二軸混練押出機によって原料を混練し、粘土状の坏土とすることを特徴する。【選択図】図2
Description
本発明は、炭化ケイ素筒体および炭化ケイ素筒体の製造方法に関し、特に、炭化ケイ素焼結体の筒体に生じる空隙が抑制された炭化ケイ素筒体および炭化ケイ素筒体の製造方法に関する。
炭化ケイ素セラミックス(SiC)は、その優れた熱特性及び化学的安定性から、ステンレスやチタン等の金属製品が耐えられないような過酷な高温環境下で使用される製品の材料として用いられている。
この過酷な高温環境下で使用される、炭化ケイ素セラミックス(SiC)の製品としては、例えば、ラジアントチューブ、ローラーハースキルンの製品搬送用ローラ、亜鉛やアルミニウム等の非金属溶解・保持炉における浸漬ヒータ保護管等の筒状(パイプ状、チューブ状)の製品がある。
この過酷な高温環境下で使用される、炭化ケイ素セラミックス(SiC)の製品としては、例えば、ラジアントチューブ、ローラーハースキルンの製品搬送用ローラ、亜鉛やアルミニウム等の非金属溶解・保持炉における浸漬ヒータ保護管等の筒状(パイプ状、チューブ状)の製品がある。
ところで、前記した炭化ケイ素(SiC)の筒状製品(炭化ケイ素筒体)は、密度が均一かつ寸法精度が高い成形を行うことができるとの理由から、一般的に冷間静水圧プレス(CIP)によって成形体を形成している。
しかしながら、この冷間静水圧プレスによる場合には、成型機と金型によって、炭化ケイ素筒体の長さ寸法の制限を受ける。
しかしながら、この冷間静水圧プレスによる場合には、成型機と金型によって、炭化ケイ素筒体の長さ寸法の制限を受ける。
そのため、長尺な炭化ケイ素筒体を一体物として製造する場合には、大型の成型機、金型等の設備が必要となる。また、量産には金型を多数そろえる必要があり、大きな出費を要する。
このように、長尺な炭化ケイ素筒体をこの冷間静水圧プレスで製造する場合には、大きな設備投資とコストを要するというデメリットがある。
このように、長尺な炭化ケイ素筒体をこの冷間静水圧プレスで製造する場合には、大きな設備投資とコストを要するというデメリットがある。
また、冷間静水圧プレス以外に、押出成形方法がある。この押出成形方法は、冷間静水圧プレスと比較すると成形圧力が低いため、成形体密度および強度が冷間静水圧プレスで成形した場合よりも劣る。
しかしながら、この押出成形は長尺品や小型品の連続成形に向いており、製品径は装置先端の口金を変更することで容易に製品径の変更を行うことができ、また押出成形の押出時間を延長することで容易に長尺化することができる。
しかしながら、この押出成形は長尺品や小型品の連続成形に向いており、製品径は装置先端の口金を変更することで容易に製品径の変更を行うことができ、また押出成形の押出時間を延長することで容易に長尺化することができる。
この押出成形には、プランジャー式とスクリュー式の2種類の方式がある。
前記プランジャー式は、成型機に一定量の原料となる坏土を投入し、押出成形する方式である。このプランジャー式の押出成形方法は、成型機に投入された一定量の原料を押出成形するため、成型機の容積で(プランジャーの一往復で)成形できる量が決められる。
これに対して、前記スクリュー式は、成型機に一定量の原料を投入するプランジャー式とは異なり、坏土を連続的に投入することができるため、一回の成形量に制限がないという利点がある。
前記プランジャー式は、成型機に一定量の原料となる坏土を投入し、押出成形する方式である。このプランジャー式の押出成形方法は、成型機に投入された一定量の原料を押出成形するため、成型機の容積で(プランジャーの一往復で)成形できる量が決められる。
これに対して、前記スクリュー式は、成型機に一定量の原料を投入するプランジャー式とは異なり、坏土を連続的に投入することができるため、一回の成形量に制限がないという利点がある。
しかしながら、前記スクリュー式押出成形では、スクリューによって坏土にせん断応力が加わり、成形体の内部にラミネーションと呼ばれる層上の空隙が発生する虞がある。
例えば、特許文献1には、圧力によって坏土から押し出された水分が配向した坏土の流れに沿って層をつくることが記載されている。
例えば、特許文献1には、圧力によって坏土から押し出された水分が配向した坏土の流れに沿って層をつくることが記載されている。
前記したように、長尺の炭化ケイ素セラミックス(SiC)成形体の成形には、押出成形を用いることができ、特に、前記スクリュー式押出成形は、坏土を連続的に投入できるため、より長尺の炭化ケイ素セラミックス(SiC)成形体を形成することができる。
しかしながら、前記したように、スクリュー式押出成形方法では、スクリューによって坏土にせん断応力が加わり、成形体の内部にラミネーション(空隙)が発生する虞がある。そして、このラミネ-ションによって、成形物の乾燥や焼成の際に不均一な収縮が発生し、成形物に変形や亀裂が生じるという技術的課題があった。
また、スクリュー式押出成形方法では、成形体密度および強度が劣るという技術的課題があった。
しかしながら、前記したように、スクリュー式押出成形方法では、スクリューによって坏土にせん断応力が加わり、成形体の内部にラミネーション(空隙)が発生する虞がある。そして、このラミネ-ションによって、成形物の乾燥や焼成の際に不均一な収縮が発生し、成形物に変形や亀裂が生じるという技術的課題があった。
また、スクリュー式押出成形方法では、成形体密度および強度が劣るという技術的課題があった。
そこで、本発明者らは、前記スクリュー式押出成形によって成形される、炭化ケイ素セラミックス(SiC)を前提に、このスクリュー式押出成形によるラミネーションの発生を抑制することにより、成形体の密度をより向上させると共に、焼結体である炭化ケイ素セラミックス(SiC)に生じる変形や亀裂を、極力抑制し、強度をより向上させることを鋭意研究し、本発明を完成するに至った。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、ラミネーションの発生を抑制した炭化ケイ素の筒体およびラミネーション欠陥(空隙)の発生を抑制した炭化ケイ素の筒体製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明に係る炭化ケイ素筒体の製造方法は、焼結体からなる炭化ケイ素の筒体の製造方法であって、原料である炭化ケイ素(SiC)と、少なくともバインダー、焼結助剤、水をミキサーで混合する混合工程と、前記混合工程によって混合された原料の粉末を混練し、粘土状の坏土を得る混練工程と、前記混練工程で混練された坏土を押出成形し、成形体を得る押出成形工程と、前記押出成形された成形体を焼結する工程と、を含み、前記混練工程において、二軸混練押出機によって原料を混練し、粘土状の坏土とし、焼結体の長さが少なくとも2000mmであって、前記焼結工程後の焼結体の内部に形成される空隙が、長径2mm以下であって、かつ個数が6個以下であることを特徴としている。
このように、本発明に係る炭化ケイ素筒体の製造方法によれば、二軸混練押出機によって原料を混練するため、原料の坏土に加わるせん断応力を制御し、内部にラミネーションと呼ばれる層上の空隙が発生することを抑制できる。
その結果、長さが少なくとも2000mmの焼結体において、焼結工程後の焼結体の内部に形成される空隙が長径2mm以下、かつ個数が6個以下とすることができ、炭化ケイ素筒体の変形や亀裂を極力抑制でき、強度をより向上させることができる。
その結果、長さが少なくとも2000mmの焼結体において、焼結工程後の焼結体の内部に形成される空隙が長径2mm以下、かつ個数が6個以下とすることができ、炭化ケイ素筒体の変形や亀裂を極力抑制でき、強度をより向上させることができる。
ここで、長径2mmを越える空隙が一つでも存在する場合には、変形や亀裂が生じやすい。また、空隙の長径が2mm以下であっても空隙が連結する虞があるため、個数は6個以下が良い。
即ち、焼結体の内部の空隙の長径が2mmを超えると実破壊強度が低下し、長径が2mm以下の空隙であってもその数が6個を超えると実破壊強度が低下するため、焼結体の内部に長径2mm以下の空隙が6個以下とする必要がある。
即ち、焼結体の内部の空隙の長径が2mmを超えると実破壊強度が低下し、長径が2mm以下の空隙であってもその数が6個を超えると実破壊強度が低下するため、焼結体の内部に長径2mm以下の空隙が6個以下とする必要がある。
特に、前記二軸混練押出機は、ニーディングディスクを重ねたセグメント式のスクリューを、18rpmの回転数で逆回転させることが好ましい。原料の坏土に加わるせん断応力をより適切に制御することができるためである。
また、前記二軸混練押出機は、スクリューの外径Lと長さDの比であるL/Dが10以上18以下であることが望ましい。
L/Dが低いと坏土の分散性が低くラミネーションが発生しやすく、高いと混練抵抗が高く押し出すことができないため、混練結果を考慮して、L/Dが10以上18以下に調整することが必要である。
L/Dが低いと坏土の分散性が低くラミネーションが発生しやすく、高いと混練抵抗が高く押し出すことができないため、混練結果を考慮して、L/Dが10以上18以下に調整することが必要である。
また、上記目的を達成するためになされた本発明に係る炭化ケイ素筒体は、焼結体からなる全長が少なくとも2000mmの炭化ケイ素筒体であって、前記焼結体は、全体に対する密度のばらつきが2.0%以下、芯振れが4mm以下かつ前記焼結体の内部に長径2mm以下の空隙が6個以下であることを特徴としている。
ここで、焼結体からなる炭化ケイ素筒体の密度のばらつきが2.0%を超えると、強度が低下した部位が焼結体に生じ、炭化ケイ素筒体が破損し易くなるため、好ましくない。
また、焼結体の内部の空隙の長径が2mmを超えると実破壊強度が低下し、長径が2mm以下の空隙であってもその数が6個を超えると実破壊強度が低下するため、焼結体の内部に長径2mm以下の空隙が6個以下であることが好ましい。
また、焼結体の内部の空隙の長径が2mmを超えると実破壊強度が低下し、長径が2mm以下の空隙であってもその数が6個を超えると実破壊強度が低下するため、焼結体の内部に長径2mm以下の空隙が6個以下であることが好ましい。
また、炭化ケイ素筒体は、3点曲げ強さが少なくとも421MPa、実破壊強度が少なくとも205MPaであることが好ましい。
前記焼結体の内部の空隙が、長径2mm以下であり、6個以下であるため、3点曲げ強さが少なくとも421MPa、実破壊強度が少なくとも205MPaになすことができる。
また、この3点曲げ強さが421MPaより小さいと使用中に破壊し易く、また実破壊強度が205MPaより小さくても使用中に破壊し易いため、炭化ケイ素筒体の3点曲げ強さは421MPa以上、実破壊強度は205MPa以上であることが好ましい。
前記焼結体の内部の空隙が、長径2mm以下であり、6個以下であるため、3点曲げ強さが少なくとも421MPa、実破壊強度が少なくとも205MPaになすことができる。
また、この3点曲げ強さが421MPaより小さいと使用中に破壊し易く、また実破壊強度が205MPaより小さくても使用中に破壊し易いため、炭化ケイ素筒体の3点曲げ強さは421MPa以上、実破壊強度は205MPa以上であることが好ましい。
また、外径のばらつきが±1%以下であることが望ましい。
特に、炭化ケイ素筒体は、外径のばらつきが±1%以下であり、芯振れが4mm以下であることが好ましい。
炭化ケイ素筒体の外径のばらつきが±1%を越え、芯振れが4mmを超える場合には、製品の使用中または搬送中のガタつきおよびその衝撃による破損が起こり易く、好ましくない。
特に、炭化ケイ素筒体は、外径のばらつきが±1%以下であり、芯振れが4mm以下であることが好ましい。
炭化ケイ素筒体の外径のばらつきが±1%を越え、芯振れが4mmを超える場合には、製品の使用中または搬送中のガタつきおよびその衝撃による破損が起こり易く、好ましくない。
本発明によれば、空隙(ラミネーション欠陥)の発生を抑制した炭化ケイ素筒体、及び空隙(ラミネーション欠陥)の発生を抑制する炭化ケイ素の筒体製造方法を得ることができる。
以下、本発明の実施形態に係る空隙(ラミネーション欠陥)が抑制された炭化ケイ素筒体およびその製造方法につき、図1乃至図4に基づいて説明する。尚、添付の図面は模式的なものである。
図1は、炭化ケイ素筒体の製造方法の手順を示すフローチャートである。
図1に示すように、炭化ケイ素筒体の製造方法は、原料の予備混合をする工程(ステップS1)と、原料の坏土を混練する工程(ステップS2)と、混練された坏土を押出成形する工程(ステップS3)と、成形された坏土を焼結する工程(ステップS4)とを有する。
なお、予備混合工程(ステップS1)と混練工程(ステップS2)と押出成形工程(ステップS3)は、一体化された装置において連続的に行うように構成することもできるが、以下では、別個の工程として説明をする。
図1に示すように、炭化ケイ素筒体の製造方法は、原料の予備混合をする工程(ステップS1)と、原料の坏土を混練する工程(ステップS2)と、混練された坏土を押出成形する工程(ステップS3)と、成形された坏土を焼結する工程(ステップS4)とを有する。
なお、予備混合工程(ステップS1)と混練工程(ステップS2)と押出成形工程(ステップS3)は、一体化された装置において連続的に行うように構成することもできるが、以下では、別個の工程として説明をする。
予備混合工程(ステップS1)では、原料である炭化ケイ素(SiC)とバインダー、焼結助剤および水などをミキサーで混合する。
例えば、バインダーはセルロースバインダーであり、焼結助剤は、B4Cであり、水としてイオン交換水を用いることができる。
例えば、バインダーはセルロースバインダーであり、焼結助剤は、B4Cであり、水としてイオン交換水を用いることができる。
配合比は、例えば、炭化ケイ素原料100mass%に対して、20℃の2%水溶液粘度が1000mPa・sとなるセルロースバインダー15mass%、焼結助剤のB4Cを0.2mass%とし、イオン交換水を15mass%とする。セルロースバインダーの粘度と配合比は成形体の保形性と押出成形機への負荷に関わる。粘度あるいは配合比が低いと成形体が自立せず変形し、SiC粒子間の粘結力が低下してき裂が発生することがある。また、高いと押出成形機のトルク不足で成形することができず、焼結時の揮発ガス量が増加し焼結体密度が低下する。これらのバランスを考慮して、セルロースバインダーの粘度は800~1500mPa・s、配合比は10~20mass%の範囲で調整することができる。焼結助剤のB4CはSiCの粒成長を促進する効果があり、0.2~0.5mass%の範囲で調節することができる。0.2mass%を下回ると焼結体密度が低下し、超えると異常粒成長を起こし焼結体の曲げ強さが極端に低下する。
そして、混合時間は、例えば30分間とする混練時間は10分~30分の範囲で調整することができる。10分を下回ると原料・助剤の分散性が不十分で、30分を超えると添加した水分が揮発する。これらのバランスを考慮して混合時間を決めることができる。
そして、混合時間は、例えば30分間とする混練時間は10分~30分の範囲で調整することができる。10分を下回ると原料・助剤の分散性が不十分で、30分を超えると添加した水分が揮発する。これらのバランスを考慮して混合時間を決めることができる。
混練工程(ステップS2)では、混合された原料の粉末を混練し、粘土状の坏土を得る。
ここで、原料の混練には、二軸混練押出機を用いる。二軸混練押出機とは、図2に示すように、ニーディングディスクを重ねたセグメント式の2本のスクリュー1,2を用いて原料3を混練する装置である。
例えば、スクリューの外径Lと長さDの比であるL/D=14の二軸混練押出機を用い、スクリュー回転速度18rpmで混練することによりSiC原料と助剤の分散性を高め、保形性が高くラミネーションの発生しにくい坏土が得られる。L/Dは10~18の範囲で調整することが出来る。なお、L/Dが低いと坏土の分散性が低くラミネーションが発生しやすく、高いと混練抵抗が高く押し出すことができないため、混練結果を考慮して調整することが必要である。
ここで、原料の混練には、二軸混練押出機を用いる。二軸混練押出機とは、図2に示すように、ニーディングディスクを重ねたセグメント式の2本のスクリュー1,2を用いて原料3を混練する装置である。
例えば、スクリューの外径Lと長さDの比であるL/D=14の二軸混練押出機を用い、スクリュー回転速度18rpmで混練することによりSiC原料と助剤の分散性を高め、保形性が高くラミネーションの発生しにくい坏土が得られる。L/Dは10~18の範囲で調整することが出来る。なお、L/Dが低いと坏土の分散性が低くラミネーションが発生しやすく、高いと混練抵抗が高く押し出すことができないため、混練結果を考慮して調整することが必要である。
押出成形工程(ステップS3)では、スクリュー式真空押出成形機を用いて筒体の成形行う。
スクリュー式真空押出成形機は、上部スクリューによって小さな穴が多数開いた目皿を通して坏土を細断しながら真空室に送り込み、下部スクリューによって坏土を口金に搬送するとともに開口の形状の断面の筒体を成形する。目皿の穴径は坏土から脱気するために3mm程度が好ましい。3mmより小さいと抵抗が大きく坏土を送ることができず、大きいと脱気不足となりラミネーションの原因となる。
なお、ここで筒体の形状は、円筒に限定されないが、ここでは、円筒(いわゆるパイプ、チューブ)の例を用いて説明を行う。
スクリュー式真空押出成形機は、上部スクリューによって小さな穴が多数開いた目皿を通して坏土を細断しながら真空室に送り込み、下部スクリューによって坏土を口金に搬送するとともに開口の形状の断面の筒体を成形する。目皿の穴径は坏土から脱気するために3mm程度が好ましい。3mmより小さいと抵抗が大きく坏土を送ることができず、大きいと脱気不足となりラミネーションの原因となる。
なお、ここで筒体の形状は、円筒に限定されないが、ここでは、円筒(いわゆるパイプ、チューブ)の例を用いて説明を行う。
焼結工程(ステップS4)では、成形された成形体を乾燥し、その後、焼結する。乾燥は、例えば180度の熱風乾燥とすることができる。また、焼結は、例えば常圧のアルゴン雰囲気下で2300度の温度で行う。
上記製造方法を実行することにより、前記焼結工程後の焼結体の内部に形成される空隙が、長径2mm以下であって、かつ個数が6個以下である炭化ケイ素筒体を得ることができる。
上記製造方法によって製造された炭化ケイ素筒体に関して、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
具体的には、原料を、炭化ケイ素原料100mass%と、この炭化ケイ素原料100mass%に対して、20℃の2%水溶液粘度が1000mPa・sとなるセルロースバインダー15mass%と、焼結助剤のB4Cを0.2mass%とし、イオン交換水を15mass%とした。
そして、二軸混練押出機を用いて、30分混練し、外径10mm、内径8mm、長さ2000mmの炭化ケイ素筒体を押出成形した。その後、成形された成形体を180度の熱風乾燥し、その後、常圧のアルゴン雰囲気下で2300度の温度で焼結した(実施例1)。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
具体的には、原料を、炭化ケイ素原料100mass%と、この炭化ケイ素原料100mass%に対して、20℃の2%水溶液粘度が1000mPa・sとなるセルロースバインダー15mass%と、焼結助剤のB4Cを0.2mass%とし、イオン交換水を15mass%とした。
そして、二軸混練押出機を用いて、30分混練し、外径10mm、内径8mm、長さ2000mmの炭化ケイ素筒体を押出成形した。その後、成形された成形体を180度の熱風乾燥し、その後、常圧のアルゴン雰囲気下で2300度の温度で焼結した(実施例1)。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また実施例2として、外径20mm、内径14mm、長さ4500mmの炭化ケイ素筒体を押出成形した以外、実施例1と同様な条件とし、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また実施例3として、外径40mm、内径30mm、長さ6000mmの炭化ケイ素筒体を押出成形した以外、実施例1と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また実施例3として、外径40mm、内径30mm、長さ6000mmの炭化ケイ素筒体を押出成形した以外、実施例1と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また比較例1として、一軸スクリュー混練機を用いて混練する以外は、実施例1と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また比較例2として、一軸スクリュー混練機を用いて混練する以外は、実施例2と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また比較例2として、一軸スクリュー混練機を用いて混練する以外は、実施例2と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また比較例3として、一軸スクリュー混練機を用いて混練する以外は、実施例3と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また比較例4として、原料を湿式混合し、CIP成形を行い、外径40mm、内径30mm、長さ4000mmの炭化ケイ素筒体を押出成形した以外、実施例1と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
また比較例4として、原料を湿式混合し、CIP成形を行い、外径40mm、内径30mm、長さ4000mmの炭化ケイ素筒体を押出成形した以外、実施例1と同一条件で製造した。その後、外径、長さ、密度、ラミネーション個数、切断片の3点曲げ強さおよび製品の実破壊強度の評価を行った。
ラミネーション欠陥(個数)の検査は、以下のようにして検査した。
図3に示すように、押出成形によって成形された炭化ケイ素の筒体4では、気泡や坏土にせん断応力が加わった形跡がラミネーション5として残っている。
このラミネーション5がその後になされる焼結などの結果、空隙6を発生させることがある。この空隙6がラミネーション欠陥であり、ラミネーション欠陥の検査では、この空隙6の発生およびその個数を測定した。
測定個数は、炭化ケイ素の筒体4の断面の20か所においてカウントし、長径2mmを超える空隙が一つもなく、長径2mm以下の空隙も6個以下である場合を良品として判定した。
図3に示すように、押出成形によって成形された炭化ケイ素の筒体4では、気泡や坏土にせん断応力が加わった形跡がラミネーション5として残っている。
このラミネーション5がその後になされる焼結などの結果、空隙6を発生させることがある。この空隙6がラミネーション欠陥であり、ラミネーション欠陥の検査では、この空隙6の発生およびその個数を測定した。
測定個数は、炭化ケイ素の筒体4の断面の20か所においてカウントし、長径2mmを超える空隙が一つもなく、長径2mm以下の空隙も6個以下である場合を良品として判定した。
寸法精度、強度などの測定は、全体に対する密度のばらつき、3点曲げ強さ、実破壊強度、外径のばらつき、および、芯振れにおいて行った。
ここで、密度の測定は、JIS R 1643準拠の方法により測定した。そして、密度のばらつきは、(最大値-平均値)/平均値×100(%)で求めた。
また、3点曲げ強さは、JIS R 1601準拠の方法により測定した。また、実破壊強度は、製品の両端を固定し、中央に荷重を掛けて破壊した荷重から測定した。
また、芯振れとは、図4に示すように、炭化ケイ素の筒体4を(例えばコロを用いて)平面上で回転させたときの外表面の軌跡の振れ幅Dのことをいい、この振れ幅Dはダイヤルゲージを用いて測定した。
また、外径は、炭化ケイ素の筒体4の外径20か所において、ノギスを用いて測定した。そして、外径のばらつきは、(最大値-平均値)/平均値×100(%)で求めた。
また、内径は、炭化ケイ素の筒体4の内径20か所において、ノギスを用いて測定した。そして、内径のばらつきは、(最大値-平均値)/平均値×100(%)で求めた。
上記実施例1~3、比較例1~4の結果を表1に示す。
ここで、密度の測定は、JIS R 1643準拠の方法により測定した。そして、密度のばらつきは、(最大値-平均値)/平均値×100(%)で求めた。
また、3点曲げ強さは、JIS R 1601準拠の方法により測定した。また、実破壊強度は、製品の両端を固定し、中央に荷重を掛けて破壊した荷重から測定した。
また、芯振れとは、図4に示すように、炭化ケイ素の筒体4を(例えばコロを用いて)平面上で回転させたときの外表面の軌跡の振れ幅Dのことをいい、この振れ幅Dはダイヤルゲージを用いて測定した。
また、外径は、炭化ケイ素の筒体4の外径20か所において、ノギスを用いて測定した。そして、外径のばらつきは、(最大値-平均値)/平均値×100(%)で求めた。
また、内径は、炭化ケイ素の筒体4の内径20か所において、ノギスを用いて測定した。そして、内径のばらつきは、(最大値-平均値)/平均値×100(%)で求めた。
上記実施例1~3、比較例1~4の結果を表1に示す。
上記検証から解るように、実施例1~3は、焼結体の内部の空隙が全くないか、あったとしても長径2mm以下の空隙が6個以下である。
また、全体に対する密度のばらつきが2.0%以下であり、外径のばらつきが±1%以下である。
また、全体に対する密度のばらつきが2.0%以下であり、外径のばらつきが±1%以下である。
さらに、実施例1~3に係る炭化ケイ素筒体は、3点曲げ強さが421MPa以上、実破壊強度が205MPa以上であり、芯振れが4mm以下であった。
したがって、実施例1~3に炭化ケイ素の筒体は、使用および搬送に耐え得る十分な強度を備えていることが確認された。
したがって、実施例1~3に炭化ケイ素の筒体は、使用および搬送に耐え得る十分な強度を備えていることが確認された。
また、上記実施例の長さを確認すると解るように、実施例1~3に係る炭化ケイ素の筒体は、長さに対する外径の比(長さ÷外径)が225以下である。この比が大きくなるほど、外径に対して、筒体が長尺化する。
従来2000mm以上の長さの炭化ケイ素の筒体は製造するのが難しく、筒体を連結させて製造する必要があったが、本発明の実施形態に係る炭化ケイ素の筒体は、外径が10mm程度であっても、2000mm以上の長さの筒体を製造でき、筒体の長尺化にも好適である。
従来2000mm以上の長さの炭化ケイ素の筒体は製造するのが難しく、筒体を連結させて製造する必要があったが、本発明の実施形態に係る炭化ケイ素の筒体は、外径が10mm程度であっても、2000mm以上の長さの筒体を製造でき、筒体の長尺化にも好適である。
以上のように本発明の炭化ケイ素筒体およびその製造方法によれば、空隙(ラミネーション欠陥)の発生を抑制することができる。また、本発明の炭化ケイ素筒体は、空隙(ラミネーション欠陥)が抑制されることから、3点曲げ強さ、実破壊強度が向上し、使用および搬送に耐え得る十分な強度を得ることができる。更に、本発明の炭化ケイ素筒体の製造方法は、長尺化した筒体の製造に好適である。
1,2 スクリュー
3 原料
4 筒体(パイプ)
5 ラミネーション
6 空隙
3 原料
4 筒体(パイプ)
5 ラミネーション
6 空隙
Claims (5)
- 焼結体からなる炭化ケイ素の筒体の製造方法であって、
原料である炭化ケイ素(SiC)と、少なくともバインダー、焼結助剤、水をミキサーで混合する混合工程と、
前記混合工程によって混合された原料の粉末を混練し、粘土状の坏土を得る混練工程と、
前記混練工程で混練された坏土を押出成形し、成形体を得る押出成形工程と、
前記押出成形された成形体を焼結する工程と、
を含み、
前記混練工程において、二軸混練押出機によって原料を混練し、粘土状の坏土とし、
焼結体の長さが少なくとも2000mmであって、前記焼結工程後の焼結体の内部に形成される空隙が、長径2mm以下であって、かつ個数が6個以下であることを特徴とする炭化ケイ素筒体の製造方法。 - 前記二軸混練押出機は、スクリューの外径Lと長さDの比であるL/Dが10以上18以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素筒体の製造方法。
- 焼結体からなる全長が少なくとも2000mmの炭化ケイ素筒体であって、
前記焼結体は、全体に対する密度のばらつきが2.0%以下、かつ前記焼結体の内部に長径2mm以下の空隙が6個以下であることを特徴とする炭化ケイ素の筒体。 - 3点曲げ強さが少なくとも421MPa、実破壊強度が少なくとも205MPaであることを特徴とする請求項3に記載の炭化ケイ素の筒体。
- 外径のばらつきが±1%以下であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の炭化ケイ素の筒体。
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JP2020132097A JP2022029013A (ja) | 2020-08-04 | 2020-08-04 | 炭化ケイ素筒体および炭化ケイ素筒体の製造方法 |
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