JP2011025207A - 再帰性反射塗装物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 積層塗膜からなる再帰性反射塗装物において、少なくとも反射層と、接着層と、微小球型再帰性反射体を有し、接着層は、反射層と微小球型再帰性反射体との間に配置するとともに、接着層のウエット塗膜の厚さが、微小球型再帰性反射体の半径以下であることを特徴とする再帰性反射塗装物。
【選択図】 図3
Description
特に万年筆やボールペンやシャープペンシルなどの筆記具や、口紅やアイライナーなどの容器、釣り竿、ドアノブ、手摺りなどの非平面(筒状部材など)に形成された再帰性反射塗装物が挙げられる。
文献1には、再帰反射現象を備え、金属蒸着層との組み合わせで金属光沢的な再帰性反射塗装物及び、その再帰性反射塗装物の形成方法が提案されている。
具体的な再帰反射現象は、微小球型再帰性反射体の屈折率にも左右されるが、屈折率が2.2の場合は、入射した光線が微小球型再帰性反射体への入射とともに屈折し、背面の軸上に達したところで、背面に設置した反射材で反射され、軸対象で同じ方向に反射光は放出される。この再帰反射現象は、微小球型再帰性反射体が単層配置している場合に発現する現象である。しかし、微小球型再帰性反射体が2層以上配置した状態(以下、複層配置と称する。)では、入射光が複数の微小球型再帰性反射体を経由して反射材に達する為、反射した反射光は、最初に光が入射した微小球型再帰性反射体には戻らず、入射した方向と異なる反射光となり、所謂、乱反射現象となり、再帰反射現象が発現しないものである。
このように特許文献1に記載されている図2参照符号6のような微小球型再帰性反射体が単層配置していない場合には、有効的な再帰反射現象を発現させることが困難である。
また、これらの材料は1種または2種以上の混合物であってもよい。さらに、これら材質には彫刻や、エッチング、印刷などで模様を形成してもよい。
特に、前記鎖状高分子材料は、前記液媒体に可溶で、且つ接着性を有する樹脂がよく、熱可塑性接着剤が好適に使用できる。具体的には、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよび共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれら樹脂を主成分とする混合物が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上の混合物でもよい。また、これらに、テルペン系樹脂やロジン系樹脂などの粘着性付与剤や、パラフィン系オイルなどの柔軟剤、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、無機顔料、有機顔料などの充填剤、ゼオライト、シリカゲルなどの吸着剤などを必要に応じて添加することもできる。特に、吸水性が少ないポリエステル樹脂が好適に使用できる。
接着層のウエット塗膜の厚さT1と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T1=0.34×(r/2)以下にすることが重要である。
本発明における平均粒子径とは、JIS R 6002(1998)に規定されている測定方法(沈殿試験)での累積高さ50%に相当する粒子径を示す。
さらに、前記塗料に硬化剤を添加することにより、前記鎖状高分子材料を時間の経過とともに反応硬化させることができる。その硬化剤の具体例としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂など挙げられる。
再配置塗膜層のウエット塗膜の厚さT2と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T2=r−T1以上にすることが重要である。
図1は、本発明の再帰性反射塗装物の形成過程の塗膜断面図である。接着層を反射層と微小球型再帰性反射体との間に配置するとともに、接着層のウエット塗膜の厚さT1と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T1=0.34×(r/2)以下にすることで、微小球型再帰性反射体の隙間(空隙)から接着層を形成するための塗料が露出せず、微小球型再帰性反射体を単層配置することが可能となる。
一方、図2は、接着層のウエット塗膜の厚さT1と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T1=0.34×(r/2)以上にした塗膜断面図である。図1と異なり微小球型再帰性反射体を配置するとともに微小球型再帰性反射体の隙間(空隙)から接着層を形成するための塗料が露出し、その部分に微小球型再帰性反射体が配置され、結果的に単層配置が困難となる。
故に、接着層のウエット塗膜の厚さT1と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T1=0.34×(r/2)以下に形成させることにより、微小球型再帰性反射体が厚み方向に複数接着される接着層の状態を抑制することで、微小球型再帰性反射体を単層配置させるものである。
図3は、図1に示した形成過程の再帰性反射塗装物の上層部に再配置塗膜層を形成させた塗膜断面図である。ウエット状態の接着層3上に再配置塗膜6を形成するための塗料を塗布することで、ウエット状態の接着層3とウエット状態の再配置塗膜6は一つのウエット状態の複合塗膜7となり、ウエット状態の複合塗膜内で微小球型再帰性反射体4が再配列をし、より単層配置状態がよくなる。このように微小球型再帰性反射体の上層に再配置塗膜層を有するとともに、再配置塗膜層のウエット塗膜の厚さT2と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T2=r−T1以上にすることで、微小球型再帰性反射体をウエット状態の複合塗膜内で再配置することが可能となる。
さらに、接着層と、微小球型再帰性反射体と、再配置塗膜層とが、一体の複合塗膜層にすることで、接着機構を有しない微小球型再帰性反射体を完全に複合塗膜内に配置することができ、一体の複合塗膜層の上層と下層との密着性が向上する効果が得られる(図4)。
また、反射層が、銀及び銀合金からなる金属層で、微小球型再帰性反射体の屈折率が、2.2以上とすることで、銀特有の淡い黄色みをおびた白色金属光沢と再帰反射の相乗効果により外観特性が向上する。
特に、筒状部材に用いたことにより、図5に示す見る位置8(正面部分)と見る位置9(側面部分)とで再帰反射特性が異なる。具体的には、見る位置8から見る位置9に移動するにつれて、再帰反射特性は減少し、色相の変化を伴わない明度差(濃淡差)が発生し、その結果、実際の塗膜厚さより厚く見える錯覚により、深み感や奥行き感が発現した外観特性が得られる。
次に製造方法を基に本発明の塗膜構成の一例を詳細に説明する。
被塗物の表面を公知の方法によりバフ研磨し、脱脂した後電気めっき法により、Ni/Ag層を形成し反射層とする。
(処理工程2)
前記Ni/Ag層を形成した被塗物上に、クロム酸を主成分とする水溶液を用いて、酸化クロム層(所謂クロメート処理)を電気化学法により形成する。
(処理工程3)
前記酸化クロム層上に、ポリエステル樹脂を主成分とする塗料(透明)をスプレー法により塗布し接着層を形成する。
(処理工程4)
前記接着層上に、微小球型再帰性反射体であるガラスビーズを塗布(振り掛けあるいは塗し)し単層配置させる。
(処理工程5)
前記ガラスビーズの単層配置層上に、処理工程3で使用した塗料を用いて、再配置塗膜層を形成する。
(処理工程6)
前記再配置塗膜層上に、公知の熱硬化型アクリルメラミン系塗料を用いてクリヤー塗膜を形成する。
(処理工程7)
市販の粒度800の耐水研磨紙(D耐水ペーパー(DCCS)、三共理化学(株))を使用し、前記クリヤー塗膜を研磨し、表面を平滑にする(尚、研磨は処理工程5の再配置塗膜層までは達しない)。
(処理工程8)
公知のアルコール脱脂により表面の研磨粉を除去した後、処理工程6で用いた塗料にてクリヤー塗膜層を形成する。
(処理工程9)
前記クリヤー塗膜上に、公知の熱硬化型アクリルメラミン系塗料を用いてカラークリヤー塗膜を形成する。
(処理工程10)
処理工程6で用いた塗料にてクリヤー塗膜層を形成する。
(処理工程11)
市販の粒度2000の耐水研磨紙(D耐水ペーパー(DCCS)、三共理化学(株))を使用し、前記クリヤー塗膜を研磨し、表面を平滑にする(尚、研磨は処理工程9のカラークリヤー塗膜までは達しない)。
(処理工程12)
さらに、表面を公知の方法によりバフ研磨し鏡面状態にする。
以上が、本発明における塗膜構成の一例であるが、本発明において最も重要な工程は、処理工程3であり、接着層のウエット塗膜の厚さを制御したことにある。
真鍮製の、100mm×100mm×厚さ1mmである板状の材料をバフ研磨し、表面を平滑にし、ジクロロメタンで脱脂処理し被塗物とした。次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでアクリルラッカー塗料(トアインクラック(クリヤー)、(株)トウペ製)をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、100℃、30分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
真鍮製の、外径10mm、長さ100mmである横断面外形状が円形の材料をバフ研磨し、表面を平滑にし、ジクロロメタンで脱脂処理し被塗物とした。次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでアクリルラッカー塗料(トアインクラック(クリヤー)、(株)トウペ製)をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、100℃、30分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが3.2μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが5.5μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが9.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した。
次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが1.0μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した。
次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが10μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した。
次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが20μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した。
次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが30μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した。
次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが52μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した。次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが52μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥した。次いで熱硬化性アクリル塗料(マジクロン1000(クリヤー)、関西ペイント(株)製を専用シンナーで2倍希釈)をスプレー塗装し、180℃、20分の条件で乾燥し、被塗物表面からの乾燥塗膜の厚さが100μmの再帰性反射塗装物を得た。
実施例2と同様の被塗物を用いた。
次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−24M(平均粒子径51.8μm、屈折率1.93)、(株)ユニオン製)を塗布した。次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが65μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥した。次いで熱硬化性アクリル塗料(マジクロン1000(クリヤー)、関西ペイント(株)製を専用シンナーで2倍希釈)をスプレー塗装し、180℃、20分の条件で乾燥し、被塗物表面からの乾燥塗膜の厚さが100μmの再帰性反射塗装物を得た。
真鍮製の、外径10mm、長さ100mmである横断面外形状が円形の材料をバフ研磨し表面を平滑にした後、公知の方法にて長手方向に線状の彫刻、所謂光線彫りを施し、ジクロロメタンで脱脂処理し被塗物とした。次いで公知の電気めっき法により金属Ni/Ag層を形成し反射層とした。次いでポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤(PES−360HVXM30(透明)、東亜合成(株)製)にポリイソシアネート樹脂を主成分とする硬化剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)を10wt%添加した塗料をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが1.0μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−24M(平均粒子径51.8μm、屈折率1.93)、(株)ユニオン製)を塗布した。次いで接着層を形成した同成分の塗料を用いて、ウエット塗膜の厚さが65μmになるようにスプレー塗装にて再配置塗膜層を形成した後、160℃、20分の条件で乾燥した。次いで熱硬化性アクリル塗料(マジクロン1000(クリヤー)、関西ペイント(株)製を専用シンナーで2倍希釈)をスプレー塗装し、180℃、20分の条件で乾燥し、被塗物表面からの乾燥塗膜の厚さが100μmの再帰性反射塗装物を得た。
真鍮製の、100mm×100mm×厚さ1mmである板状の材料をバフ研磨し、表面を平滑にし、ジクロロメタンで脱脂処理し被塗物とした。次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでアクリルラッカー塗料(トアインクラック(クリヤー)、(株)トウペ製)をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが8.4μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、100℃、30分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
真鍮製の、外径10mm、長さ100mmである横断面外形状が円形の材料をバフ研磨し、表面を平滑にし、ジクロロメタンで脱脂処理し被塗物とした。次いで公知の電気めっき法により金属Ni層を形成し反射層とした。次いでアクリルラッカー塗料(トアインクラック(クリヤー)、(株)トウペ製)をスプレー塗装にてウエット塗膜の厚さが8.4μmになるように接着層を形成した。次いで微小球再帰性反射体(ユニビーズUB−23NH(平均粒子径53.0μm、屈折率2.2)、(株)ユニオン製)を塗布した後、100℃、30分の条件で乾燥し、再帰性反射塗装物を得た。
JIS K 5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて再帰性反射塗装物の外観特性(再帰反射性、単層配置性及び深み感)を評価した。
2級の純度の水(ISO3696)を沸騰状態にし、実施例及び比較例で得た光輝性塗装物を前記沸騰状態の水に25分間浸漬した後、塗装物を沸騰状態の水の中から取りだし常温に戻す。次にJIS K 5600−5−6「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」に規定されているクロスカット法(1mmの正方形を10×10コマ(計100コマ))にて密着性を評価する。尚評価は、100コマの碁盤目内で塗膜が残ったコマ数とした。
2 反射層
3 ウエット状態の接着層(塗膜の厚さT1と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T1=0.34×(r/2)以下)
4 微小球型再帰性反射体
5 ウエット状態の接着層(塗膜の厚さT1と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T1=0.34×(r/2)以上)
6 ウエット状態の再配置塗膜層
7 ウエット状態の複合塗膜
8 見る位置(正面部分)
9 見る位置(側面部分)
Claims (7)
- 積層塗膜からなる再帰性反射塗装物において、少なくとも反射層と、接着層と、微小球型再帰性反射体を有し、接着層は、反射層と微小球型再帰性反射体との間に配置するとともに、接着層のウエット塗膜の厚さT1と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T1=0.34×(r/2)以下であることを特徴とする再帰性反射塗装物。
- 前記微小球型再帰性反射体の上層に再配置塗膜層を有するとともに、再配置塗膜層のウエット塗膜の厚さT2と微小球型再帰性反射体の平均粒子径rの関係が、T2=r−T1以上であることを特徴とする請求項1記載の再帰性反射塗装物。
- 前記接着層と、微小球型再帰性反射体と、再配置塗膜層とが、一体の複合塗膜層となることを特徴とする請求項1乃至2記載の再帰性反射塗装物。
- 前記反射層が、銀及び銀合金からなる金属層であることを特徴とする請求項1乃至3記載の再帰性反射塗装物。
- 前記接着層と再配置塗膜層を形成する塗料が、少なくともポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性接着剤であることを特徴とする請求項1乃至4記載の再帰性反射塗装物。
- 前記微小球型再帰性反射体の屈折率が、2.2以上であることを特徴とする請求項1乃至5の再帰性反射塗装物。
- 前記再帰性反射塗装物を筒状部材に用いたことを特徴とする請求項1乃至6記載の再帰性反射塗装物。
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2009
- 2009-07-29 JP JP2009176409A patent/JP2011025207A/ja active Pending
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