JP2011024374A - 系統安定化システム - Google Patents

系統安定化システム Download PDF

Info

Publication number
JP2011024374A
JP2011024374A JP2009169001A JP2009169001A JP2011024374A JP 2011024374 A JP2011024374 A JP 2011024374A JP 2009169001 A JP2009169001 A JP 2009169001A JP 2009169001 A JP2009169001 A JP 2009169001A JP 2011024374 A JP2011024374 A JP 2011024374A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
accident
control
curve
phase difference
main control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009169001A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5424760B2 (ja
Inventor
Takashi Sasaki
孝志 佐々木
Yasuyuki Kowada
靖之 小和田
Toru Maeda
前田  徹
Kimihiko Shimomura
公彦 下村
Daigo Hirano
大悟 平野
Koji Suzuki
鈴木  孝治
Kazuo Maekawa
和夫 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chubu Electric Power Co Inc, Mitsubishi Electric Corp filed Critical Chubu Electric Power Co Inc
Priority to JP2009169001A priority Critical patent/JP5424760B2/ja
Publication of JP2011024374A publication Critical patent/JP2011024374A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5424760B2 publication Critical patent/JP5424760B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Stand-By Power Supply Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】事前演算方式の長所である高速性と事後演算方式の長所である柔軟性とを効果的に融合させた系統安定化システムを提供すること。
【解決手段】電力系統に事故が発生した場合に、事故の状況に応じた発電機制御を行って電力系統を安定化する系統安定化システムにおいて、電力系統に事故が発生した場合、予め想定された事故ケースに関する事前シミュレーションを実施して得られた制御テーブルに基づいて事前演算方式による主制御を実施すると共に、主制御では制御量が不足している場合に事故発生後の実際の系統現象を計測して得られた事後演算方式による補正制御を後追いで実施する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電力系統に事故が発生した場合に、事故の状況に応じた発電機制御を行って電力系統を安定化する系統安定化システムに関する。
電力系統(以下単に「系統」と称する)を構成する機器(送電線等)に落雷等の事故が発生した場合、発電機の同期が保持できなくなり、脱調に至る場合がある。このような発電機の脱調現象に対処しうるシステムとして種々のものが開発されているが、これらのシステムにおける演算方式を大別すると「事前演算方式」と、「事後演算方式」に区分される。
事前演算方式は、予め想定される系統事故に対する制御量を事前に演算しておく方式であり、系統事故の発生時に迅速な制御ができるという利点がある。一方、事後演算方式は、系統事故の発生後に実際の系統現象を計測し、計測した電気量に基づいて制御量を演算する方式であり、あらゆる事象に柔軟に対応できるという利点がある。
なお、事前演算方式および事後演算方式を用いる従来技術として、下記特許文献1に示された系統安定化制御方法がある。この系統安定化制御方法では、電圧・電流センサから潮流値等を把握しておき、事故が発生すると、事故直前の潮流値と事故後の事故情報により事故種別を把握して、電力相差角曲線(P−Δδ曲線)で推定しうる場合には、このP−Δδ曲線により算出した制御量に基づいて制御を行い(事後演算方式による制御)、P−Δδ曲線を推定し難い場合は、事前に決定した必要安定化制御テーブルを用いた制御(事前演算方式による制御)を行うこととしている。
特開2002−34156号公報
上記特許文献1に示される系統安定化制御手法によれば、電力相差角曲線(P−Δδ曲線)を用いた制御(事後演算方式による制御)と、事前に決定した制御テーブルを用いた制御(事前演算方式による制御)とを所定の条件に従って切り替える制御を行うことにより、事故の状態に柔軟に対応した精度の高い制御が可能である。しかしながら、今後、電力供給の自由化や規制緩和などの流れが加速することも予想され、系統設備も複雑化し、系統事故の様相も多様化する虞がある。このため、事前演算方式および事後演算方式を用いた系統安定化制御手法においては、制御精度の更なる向上が臨まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、事前演算方式の長所である高速性と事後演算方式の長所である柔軟性とを効果的に融合させ、制御精度の更なる向上を可能とする系統安定化システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる系統安定化システムは、電力系統に事故が発生した場合に、事故の状況に応じた発電機制御を行って電力系統を安定化する系統安定化システムにおいて、電力系統に事故が発生した場合、予め想定された事故ケースに関する事前シミュレーションを実施して得られた制御テーブルに基づいて事前演算方式による主制御を実施すると共に、前記主制御では制御量が不足している場合に事故発生後の実際の系統現象を計測して得られた事後演算方式による補正制御を後追いで実施することを特徴とする。
本発明にかかる系統安定化システムによれば、事前演算方式の長所である高速性と事後演算方式の長所である柔軟性とを効果的に融合させた系統安定化システムを提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる系統安定化システムの構成例を示す図である。 図2は、本実施の形態の系統安定化システムにおける主制御および補正制御のタイムチャートの一例を示す図である。 図3は、主制御および補正制御に関する制御フローの一例を示すフローチャートである。 図4は、子局に記憶される制御テーブルの一例を示す図表である。 図5は、補正制御用定数を事後の計測情報に基づいて補正する処理のうち、左右方向(位相方向)の移動処理の概念を説明する図である。 図6は、補正制御用定数を事後の計測情報に基づいて補正する処理のうち、上下方向(発電機出力の方向)の移動処理の概念を説明する図である。 図7は、系統の安定判別に必要なエネルギー計算のうちの減速エネルギー計算の概念を示す図である。 図8は、平衡事故時におけるP−Δδ曲線推定の概念を説明する図である。 図9は、高速再閉路成功時におけるP−Δδ曲線推定の概念を説明する図である。 図10は、高速再閉路失敗時におけるP−Δδ曲線推定の概念を説明する図である。 図11は、親局におけるP−Δδ曲線の評価手法を説明する図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる系統安定化システムを詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<実施の形態>
(系統安定化システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる系統安定化システムの構成例を示す図である。本実施の形態の系統安定化システムは、その役割および機能に応じた地位が与えられ、図1に示すような機能的階層構造における所定の位置に配置されている。具体的に、給電指令所1には、機能的階層構造の上位に位置する親局10が配置され、機能的階層構造の中位に位置する変電所2aには子局12が配置され、機能的階層構造の下位に位置する発電所3および変電所2(2a〜2n)には端末14および端末15(15a〜15n)が配置されている。ここで、給電指令所1は、管轄区間における発電所全体の発電機制御を統括する指令所である。また、変電所2aは、複数の変電所の中から任意に選択された一つである。なお、他の変電所2b〜2nの何れか一つが、機能的階層構造の中位に位置する変電所2aに代わることも無論可能である。本実施の形態の系統安定化システムは、これら親局10、子局12および端末14,15によって構成される。なお、図1では、1箇所の発電所のみを示しているが、複数箇所の発電所を有していても構わない。
給電指令所1に配置された親局10と変電所2aに配置された子局12とは通信回線17にて接続され、変電所2aに配置された子局12と発電所3に配置された端末14とは通信回線18にて接続され、変電所2に配置された端末15とは通信回線19にて接続されている。なお、通信回線17,18,19(19a〜19n)については、所要の通信要求が満たされる回線であれば専用回線である必要はなく、公衆回線などを利用しても構わない。
発電所3および各変電所2に設けられている母線6同士は、送電線5を介して相互に接続されると共に、母線6またはその周辺部には要所の電気量(電圧、電流)を計測するための変流器8および計器用変圧器9が設けられている。また、発電所3には、種々の発電設備を備えてなる発電機群4が遮断器7を介して母線6に接続されている。
図2は、本実施の形態の系統安定化システムにおける主制御および補正制御のタイムチャートの一例を示す図である。ここで、主制御は、高速性に優れた事前演算方式による制御であり、補正制御は、柔軟性に優れた事後演算方式による制御である。また、補正制御は、主制御が実行されたとき、主制御では制御量が不足している場合等に、主制御に引き続き後追いで実行される制御である。
図2に示す主制御の例によれば、事故発生時を基準時(0ms)とし、約50msにて事故が除去されるとき、約150msにて2台電制が行われている。すなわち、この主制御では、事故の発生によりリレー等が動作し、事故区間の切り離しが行われたときに、事故発生から約150ms後(事故除去からは100ms後)に2台の発電機が母線から解列される制御が行われる。一方、補正制御では、事故発生時を基準時(0ms)とし、約200msにて1台電制が行われている。すなわち、事故の発生によりリレー等が動作し、事故区間の切り離しが行われ、さらに主制御が実行されたとき、実行された主制御の内容に応じて、主制御(2台電制)から約50ms後に補正制御(1台電制)が実行される。
なお、主制御および補正制御の詳細については、後述するフローチャートのところで説明するが、ここでは、その概要について若干の説明を行っておく。まず、主制御における事前演算は、親局にて例えば30秒周期で実行され、演算された事前演算の結果は、子局側に向けて例えば30秒周期で送信され、子局側にて保持される。子局は、端末からの情報により事故の発生を判断すると、事前演算結果を参照し、該当事故ケースにおける制御量を端末に送信し、端末は送信された制御量に基づく制御、すなわち主制御を実行する。また、子局は、事故発生後に事後演算を実行すると共に、更なる制御の必要性を判断し、制御の必要性を判断した場合には、追加の制御量を端末に送信し、端末は追加送信された制御量に基づく制御、すなわち補正制御を実行する。
つぎに、主制御および補正制御に関する制御フローについて図3を参照して説明する。ここで、図3は、主制御および補正制御に関する制御フローの一例を示すフローチャートである。なお、図3に示す全体の処理のうち、ステップS10〜S14が主制御のフローであり、ステップS15〜S22が補正制御のフローを示している。
まず、親局は、平常時(事故等が生起していない状態を意味)において、例えば30秒周期で制御テーブルの更新を行う(ステップS10)。この制御テーブルには、主制御内容および補正制御用定数からなる補正制御用情報が含まれており、この補正制御用情報は、親局から子局に対して、例えば30秒周期で送信される。なお、制御テーブルの詳細については、後述する。
つぎに、子局は、端末からのリレー情報(Ry情報)に基づき、事故点や事故種別などを判別し、制御テーブルに指示されている事故ケース(以下「対象事故ケース」という)が発生しているか否かを判定する(ステップS11)。ここで、子局は、対象事故ケースが発生していなければ(ステップS11,No)、ステップS10による制御テーブルの更新処理を行うが、対象事故ケースが発生している場合には(ステップS11,Yes)、制御テーブルを参照し、主制御指令(主制御内容)を該当端末(電制対象の発電機を制御する端末)に対して送信する(ステップS12)。主制御指令を受領した端末は、主制御指令に基づいて主制御を実行する(ステップS14)。なお、ステップS14による主制御の実行に併せて、制御テーブルの参照処理(ステップS13)が実行され、ステップS13にて参照された主制御内容および補正制御用定数はステップS16の処理に引き継がれる。
つぎに、子局は、管轄区間における潮流計測を開始する(ステップS15)。ここで「管轄区間における潮流計測」とは、「発電機出力の計測」、あるいは「発電機端の潮流計測」を意味する。すなわち、発電機出力を端末から取り込む場合もあれば、発電機端の潮流計測で代用する場合もあり、何れの手法を用いても構わない。なお、以下の説明では、発電機出力を端末から取り込む場合を一例とする。
具体的に、ステップS15では、管轄区間内の発電機出力を端末から取り込み、取り込んだ発電機出力に基づいて等価発電機の角速度偏差(Δω)および位相角偏差(Δδ)を算出する。なお、これらの角速度偏差(Δω)および位相角偏差(Δδ)の算出式については後述する。
さらに、子局は、ステップS13にて参照された補正制御用定数を事故後の計測情報に基づいて補正する(ステップS16)。具体的に、この補正処理では、送信された補正制御用定数に基づくP−Δδ曲線を左右方向に平行移動する処理(Δδの増減)と、上下方向に平行移動する処理(負荷の増減)とが実行される。なお、これら左右方向および上下方向の平行移動処理の詳細については後述する。
そして、子局は、将来時点のΔω、Δδを予測し(ステップS17)、系統の安定度を判別するためのエネルギー計算を実行し(ステップS18)、計算したエネルギーを用いて電力系統の安定・不安定を判定する(ステップS19)。ステップS19で電力系統が不安定であると判定された場合、発電機を制御するための補正制御量(電制量)を算出すると共に、制御テーブルとの比較により電制量の不足分を算出し(ステップS20)、電制量の不足分があれば該当端末(電制対象の発電機を制御する端末)に対して制御指令(補正制御指令)を送信する(ステップS21)。補正制御指令を受領した端末は、補正制御指令に基づいて補正制御を実行し(ステップS22)、一連の処理を終了する。
上記では、本実施の形態の系統安定化システムにおける主制御および補正制御に関する全体的な処理の流れについて説明したが、以下では、補足すべき主要な技術事項について、更に詳細な説明を行う。
(制御テーブル)
図4は、子局に記憶される制御テーブルの一例を示す図表である。この制御テーブルでは、図4に示すように、事故ケースと、当該事故ケースに対応する主制御内容および補正制御用定数が示されている。例えば、事故ケースのケース番号1では、「AA線事故」における「2φ2LG事故(高速再閉路失敗)」の場合に、主制御内容として「0台電制」(すなわち「電制」を行わない)が、補正制御用定数のうちP−Δδ曲線の係数として「P0(1),P1(1),P2(1)」、「P0(2),P1(2),P2(2)および「P0(3),P1(3),P2(3)」が、管轄区間の両端間(端と端)における初期位相差(事故発生直前の値)として「θ0」が示されている。また、事故ケースのケース番号2では、「AA線事故」の「3φ3LG事故(平衡事故)」の場合に、主制御内容として「1台電制」が、補正制御用定数のうちP−Δδ曲線の係数として「P0(1),P1(1),P2(1)」が、管轄区間の両端間(端と端)における初期位相差(事故発生直前の値)として「θ0」が示されている。以下、事故ケースのケース番号3,4では、「AA線事故」における「3φ4LG事故(高速再閉路成功)」の場合と、「BB線事故」における「2φ2LG事故(高速再閉路失敗)」の場合とが示されている。これらの事故ケースにおける主制御内容および補正制御用定数は、事故および事故後の処置の態様に応じた親局側にて事前に実施されるオンラインシミュレーション(以下「事前シミュレーション」と称する)に基づいて推定された値であり、前述したように、親局から子局に対して送信される。なお、親局から送信される値は、事前シミュレーションの結果そのものではなく、事前シミュレーション結果から推定して得られた曲線に関する係数である。無論、シミュレーション結果そのものを送信してもよいが、親局から子局に送信すべき情報が増加する。一方、事前シミュレーション結果から推定して得られた曲線に関する係数を送信すれば、送信すべき情報量を削減でき、子局側の処理も簡易に行うことができるという利点がある。
(Δδ、Δωの演算処理)
つぎに、ステップS15にて実行するΔδ、Δωの演算処理の詳細について説明する。上述したように、ステップS15では、管轄区間内の発電機出力を端末から取り込むこととしている。このとき、取り込んだ発電機出力(あるいは、発電機端の潮流計測値)を次式に代入することで等価発電機の角速度偏差(Δω)および位相角偏差(Δδ)を算出することができる。
Figure 2011024374
Figure 2011024374
ここで、上記(1),(2)式における記号の意味は、以下のとおりである。
E:管轄区間における発電機出力の合計(pu)
M:管轄区間における発電機出力の合計値の初期値(pu)
Δω:等価発電機の角速度偏差(rad/s)
Δδ:等価発電機の位相角偏差(rad)
M:等価発電機の慣性定数(s)
ω0:基準角周波数(rad/s)
なお、Δδ、Δωの演算処理は、事故発生後から100ms程度で開始される(結果的に、補正制御が実行される時点より100ms程度遡った時点)。また、Δδ、Δωの演算データは、事故発生直後から時系列的に蓄積されて行く。
(P−Δδ曲線の左右方向の移動処理)
つぎに、図5を参照し、ステップS16にて実行するP−Δδ曲線の左右方向の移動処理について説明する。図5は、補正制御用定数を事後の計測情報に基づいて補正する処理のうち、左右方向(位相方向)の移動処理の概念を説明する図である。図5において、太破線で示す波形K1は、事前シミュレーション結果をプロットした曲線であり、太実線で示す波形K2は、事前シミュレーション結果から推定して得られた曲線である。一方、二点鎖線で示す波形K3は、事後計測情報をプロットした曲線であり、一点鎖線で示す波形K4は、波形K3をΔδ0だけ左右方向(図5の例では右方向)にシフトした曲線である。なお、右方向へのシフト量である位相角偏差Δδ0は、次式によって算出することができる。
Figure 2011024374
ここで、上記(3)式における記号の意味は、以下のとおりである。
Δδ0:事後計測情報における位相角偏差初期値(rad)
θ :事後計測情報における位相差初期値(rad)
θ0 :事前シミュレーションにおける位相差初期値(rad)
なお、上記θおよびθ0の値は、管轄区間の両端間における位相差である。
(P−Δδ曲線の上下方向の移動処理)
つぎに、図6を参照し、ステップS16にて実行するP−Δδ曲線の上下方向の移動処理について説明する。図6は、補正制御用定数を事後の計測情報に基づいて補正する処理のうち、上下方向(発電機出力の方向)の移動処理の概念を説明する図である。図6において、太破線で示す波形K1、太実線で示す波形K2および、一点鎖線で示す波形K4は、図5に示したものと同一である。一方、太実線で示す波形K5は、波形K2をPP0だけ上下方向(図6の例では下方向)のシフトした曲線である。
ここで、シフト量PP0は、補正制御に関する演算の実施時刻を「te」とするとき、つぎのように算出することができる。なお、時刻teは、事故発生後から100ms程度の時間を想定している。
まず、事後計測情報として、時刻teにおけるΔδ(te)を算出し、事前シミュレーション結果のP−Δδ曲線(波形K2)上におけるΔδ(te)時点のPE(te)を算出する(Q1点)。つぎに、te時点で得られる事後計測情報のPE(te)を算出する(Q2点)。これらQ1点とQ2点との差分をPP0とし、事前シミュレーション結果で得られたP−Δδ曲線をPP0だけ平行移動する。この平行移動した曲線が、波形K5であり、求める補正後のP−Δδ曲線となる。
なお、図5および図6に示す例は、平衡事故時の一例を示したものである。このため、再閉路を模擬する不平衡事故ケースでは、全てのP−Δδ曲線(例えば、故障除去後、再閉路後、再故障中、再閉路失敗後の故障除去に関する各P−Δδ曲線)に対し、上下方向にPP0だけの平行移動を行うことになる。
(Δδ、Δωの予測演算処理)
つぎに、ステップS17にて実行するΔδ、Δωの予測演算処理の詳細について説明する。このステップS17では、ステップS18のエネルギー計算において必要となる、将来時点のΔδ、Δωを予測する処理が必要となる。なお、各対象故障ケースによって異なるが、将来時点のΔδ、Δωとして、以下のタイミングを考慮する必要があり、それぞれ当該タイミングの最大値までの予測処理が必要となる。
(1)補正制御(実施)のタイミング
(2)再閉路のタイミング
(3)再閉路失敗後の事故除去のタイミング
(エネルギー計算)
つぎに、ステップS18にて実行するエネルギー計算の詳細について説明する。
(エネルギー計算−加速エネルギーVAの算出)
加速エネルギーVAは、次式に基づいて算出される。
Figure 2011024374
ここで、上記(4)式における記号の意味は、以下のとおりである。
A:加速エネルギー(s)
M(tc):等価発電機の慣性定数(主制御後の状態を想定)(s)
Δω(tc):補正制御の電制タイミングにおける角周波数(主制御後の状態を想定:予測値)(rad/s)
ω0:基準角周波数(rad/s)
上式のように、加速エネルギーVAについてはP−Δδ曲線上の面積から算出するのではなく、発電機の運動エネルギーより算出する。これにより、故障中、故障除去、主制御等の系統変化による積分区間を変更することなく、加速エネルギーVAの算出が可能となる。また、Δω(tc)は、サンプリングデータから予測演算を用いて求めた値であり、完全な事後演算となる。なお、Δωの演算には主制御の影響が考慮されているため、(4)式で表現される加速エネルギーVAには、主制御後の状態が反映されることになる。
(エネルギー計算−減速エネルギーVDの算出)
図7は、系統の安定判別に必要なエネルギー計算のうちの減速エネルギー計算の概念を示す図である。図7の横軸において、Δδteは、制御演算時点(同時にサンプリング最終点となる)における位相角偏差であり、Δδtcは、補正制御による電制タイミングにおける位相角偏差であり、Δδuは、不安定平衡点における位相角偏差である。なお、Δδtcは予測値であり、Δδuは、制御テーブルに書き込まれている係数値(P0,P1,P2)と、管轄区域における発電機出力の合計値の初期値(PM)から、子局にて計算される値である。
減速エネルギーVDは、図7の概念図に示すように、P−Δδ曲線を用いた積分計算によって算出することができる。なお、具体的な計算式は、次式のとおりである。
Figure 2011024374
Figure 2011024374
ここで、上記(5)、(6)式における記号の意味は、以下のとおりである。
Δδu:不安定平衡点での位相角偏差(rad)
M:管轄区間における潮流初期値−主制御量(等価発電機の機械入力の代替)(pu)
1,P2,P0,PP0:P−Δδ曲線の係数
D:減速エネルギー(s)
E(Δδ):等価発電機出力(pu)(PE=P1sinΔδ+P2cosΔδ+P0)
Δδtc:補正制御の電制タイミングにおける位相角偏差(予測値)(rad)
(安定・不安定の判別)
安定・不安定の判別については、上記(4)および(6)式にて算出したVA,VDに基づき、次式を用いて行う。なお、本手法は、等面積法(エネルギー法)と称される手法である。
Figure 2011024374
(制御量の算出)
上記(7)式を用いた安定度判別により、不安定と判定された場合、電制パターンを想定したXG,M,PM,P1,P2,Δδuから電制量を算出する。それには、まず、電制に伴い変化する量を次式により算出する。
Figure 2011024374
Figure 2011024374
Figure 2011024374
ここで、上記(8)〜(10)式における記号の意味は、以下のとおりである。
G':補正制御における電制後の等価発電機リアクタンス(pu)
M':補正制御における電制後の等価発電機慣性定数(s)
M':補正制御における電制後の等価発電機機械入力(pu)
G:補正制御実施後の残り発電機の集合
つぎに、上記(8)式で算出したXG'に基づき、電制後のP−Δδ曲線の係数P1',P2'および等価発電機出力PE'を算出する。
Figure 2011024374
Figure 2011024374
Figure 2011024374
ここで、上記(11)〜(13)式における記号の意味は、以下のとおりである。
1',P2':補正制御における電制後の電力相差角曲線の係数
E':補正制御における電制後の等価発電機出力(pu)
このようにして算出した電制後の各値を(4)〜(6)式に代入することにより、電制後のエネルギー量を計算する。
Figure 2011024374
Figure 2011024374
Figure 2011024374
ここで、上記(14)〜(16)式における記号の意味は、以下のとおりである。
A':補正制御における電制後の加速エネルギー(s)
Δδu':補正制御における電制後の不安定平衡点の位相角偏差(rad)
D':補正制御における電制後の減速エネルギー(s)
上記(14)〜(16)式にて求めた電制後のVA'およびVD'に基づいて安定度判別を行い、不安定であれば更なる電制を考慮し、決定した制御量に基づく制御指令を端末に送信する。なお、どのケース内容について計算を行うのかの判断は、端末からのRy情報を元に子局側で行う。
(補正制御用定数の算出処理)
つぎに、親局から子局に送信される補正制御用情報の一つである補正制御用定数について説明する。
補正制御用定数は、図4の制御テーブルで示すように、初期位相角および電力相差角曲線(P−Δδ曲線)の係数の2つであり、これらは以下のように定義される。
(1)初期位相角
想定される種々の事故ケースにおいては、管轄区間の両端間における事故発生直前の初期位相角が必要となる。具体的な算出式は、次式のとおりである。
Figure 2011024374
ここで、上記(17)式における記号の意味は、以下のとおりである。
θ0:管轄区間の両端間における初期位相角
θj(t=0):事故発生直前の一端母線における位相角偏差(事前シミュレーション)
θt(t=0):故障発生直前の他端母線における位相角偏差(事前シミュレーション)
(2)P−Δδ曲線の係数
P−Δδ曲線の係数については、事故様相により必要な系統状態が異なるため、事故様相毎に算出する必要がある。ここでは、その一例として、平衡事故ケース(3φ3LG事故など)、高速再閉路成功ケース(2φ3LG再閉路成功、3φ4LG再閉路成功など)および高速再閉路失敗ケース(1φ1LG再閉路失敗、1φ2LG再閉路失敗、2φ2LG再閉路失敗など)の3通りの場合について説明するが、これら以外の事故ケースや、これら以外の再閉路有無によって発生し得る全パターンについて求めておくことが好ましい。
(平衡事故ケース)
図8は、平衡事故時におけるP−Δδ曲線推定の概念を説明する図である。図8において、中太破線で示す波形K1は、事前シミュレーション計算にて得られた時系列データからなる曲線であり、太実線で示す波形L1は、波形K1内のサンプリングデータである。これらのデータ、すなわち事前シミュレーション計算にて得られた波形L1によるサンプリングデータを用いることにより、P−Δδ曲線の推定が可能となる。なお、サンプリングデータL1は、任意に設定することが可能である。また、推定したP−Δδ曲線は、例えば中太実線で示す波形M1に示す曲線で表され、推定したP−Δδ曲線の係数値であるP0,P1,P2が子局に対して送信されることは、前述したとおりである。
(高速再閉路成功ケース)
図9は、高速再閉路成功時におけるP−Δδ曲線推定の概念を説明する図である。図9において、中太破線で示す波形K1は、事前シミュレーション計算にて得られた時系列データからなる曲線であり、太実線で示す波形L1,L2は、それぞれ波形M1,M2内のサンプリングデータである。これらのデータ、すなわち事前シミュレーション計算にて得られた波形L1,L2によるサンプリングデータを用いることにより、2つのP−Δδ曲線の推定が可能となる。ここで、推定した2つのP−Δδ曲線のうち、第1のP−Δδ曲線は、中太実線で示す波形M1に示す曲線で表され、第2のP−Δδ曲線は、中太一点鎖線で示す波形M2に示す曲線で表される。なお、サンプリングデータL1,L2は、任意に設定することが可能である。また、これら推定した第1、第2のP−Δδ曲線の係数値であるP0(1),P1(1),P2(1)およびP0(2),P1(2),P2(2)が子局に対して送信されることは、前述したとおりである。
(高速再閉路失敗ケース)
図10は、高速再閉路失敗時におけるP−Δδ曲線推定の概念を説明する図である。図10において、中太破線で示す波形K1は、事前シミュレーション計算にて得られた時系列データからなる曲線であり、太実線で示す波形L1〜L3は、波形M1〜M3内のサンプリングデータである。これらのデータ、すなわち事前シミュレーション計算にて得られた波形L1〜L3によるサンプリングデータを用いることにより、3つのP−Δδ曲線の推定が可能となる。ここで、推定した3つのP−Δδ曲線のうち、第1のP−Δδ曲線は、中太実線で示す波形M1に示す曲線で表され、第2のP−Δδ曲線は、中太二点鎖線で示す波形M2に示す曲線で表され、第3のP−Δδ曲線は、中太一点鎖線で示す波形M3に示す曲線で表される。なお、サンプリングデータL1〜L3は、任意に設定することが可能である。また、これら推定した第1〜第3のP−Δδ曲線の係数値であるP0(1),P1(1),P2(1)、P0(2),P1(2),P2(2)およびP0(3),P1(3),P2(3)が子局に対して送信されることは、前述したとおりである。
(P−Δδ曲線の係数の算出手法)
つぎに、P−Δδ曲線における係数P0,P1,P2の算出手法について説明する。まず、等価発電機の電気出力PE、等価発電機の位相角偏差Δδを次式に基づいて算出する。なお、Δδについては、初期値を0とした基準発電機からの相対位相とする。また、PE,Δδは、最小二乗法を解くために使用するデータであり、最小二乗法のサンプリング期間のみのデータで充分である。
Figure 2011024374
Figure 2011024374
ここで、上記(18)、(19)式における記号の意味は、以下のとおりである。なお、式中において、iは対象発電機を識別するための識別番号、nはサンプリングデータのデータ数、t1〜tnは、n個のサンプリングデータのサンプリング時間である。
E:等価発電機の電気出力(pu)
Ei:発電機iの電気出力(pu)
Δδ:等価発電機の位相角偏差(rad)
Δδi:発電機iの位相角偏差(rad)
i:発電機iの慣性定数(s)
次に、上記の通り求めたPE,Δδを基に、次式にて最小二乗法によりP0,P1,P2を推定する。
Figure 2011024374
上記(20)式は、事前シミュレーション結果から算出したPE,Δδが既知量、P0,P1,P2が未知量となる。この(20)式にサンプリング期間中の各時間断面におけるデータを基にして行列形式で表現すると次式のように表すことができる。なお、サンプリング期間はΔδが一定値以上変化している期間を前提とする。
Figure 2011024374
また、(21)式における各行列を、つぎの(22)〜(24)式のように定義すると、上記(20)式は、(25)式のように表現することができる。
Figure 2011024374
Figure 2011024374
Figure 2011024374
Figure 2011024374
上記(25)式を最小二乗法により解くことで、未知量Xを次式に基づいて算出することができる。これにより、P−Δδ曲線における係数P0,P1,P2を得ることができる。
Figure 2011024374
なお、無制御で安定になる故障ケースにおいては、更に故障除去時間を延長したシミュレーションを再計算するなどして、不安定となる状況を作為しても構わないし、サンプリング期間(図8参照)を調整して安定になる故障ケースにおいて、係数P0,P1,P2を推定しても構わない。なお、それでも安定となる場合は、係数P0,P1,P2を推定できないという情報を子局に通知することにする。
(親局におけるP−Δδ曲線の評価)
最後に、親局側で推定したP−Δδ曲線の推定結果の評価指標について説明する。上述したように、本実施の形態にかかる系統安定化システムは、事前演算方式による主制御では制御量が不足している場合に、事後演算方式による補正制御を後追いで実施する方式を採用している。しかしながら、後追いで実施する補正制御を如何に柔軟に実施するといっても、全体の制御の精度は、主制御の精度に依存するところが大である。したがって、親局側で推定したP−Δδ曲線の精度を予め評価しておくことは、非常に重要である。そこで、以下に、親局側で実施するP−Δδ曲線にかかる推定精度の評価手法について説明する。
図11は、親局におけるP−Δδ曲線の評価手法を説明する図である。ここで、図11(a)〜(c)に示される記号の意味は、以下のとおりである。
M:管轄区間における発電機出力の合計値の初期値(pu)
M':補正制御実施後の等価発電機機械入力(pu)
0:推定したP−Δδ曲線における発電機出力軸切片(pu)
D_CALC:減速エネルギー真値
D_EST :減速エネルギー推定値
D_BASE:エネルギー基準値
SPS:サンプリング開始時刻
SPE:サンプリング終了時刻
図11(a)において、波形N1は、シミュレーション結果であり、例えば図5における波形K1に対応している。また、図11(b)において、波形N2は、推定したP−Δδ曲線であり、例えば図5における波形K2に対応している。この波形N2において、図示のようにサンプリング開始時刻tSPSからサンプリング終了時刻tSPEまでの区間で積分したハッチングで示す面積を減速エネルギー推定値VD_ESTと定義する。一方、図11(a)の波形N1において、減速エネルギー推定値VD_ESTを算出したときと同一の区間で積分したハッチングで示す面積を減速エネルギー真値VD_CALCと定義する。さらに、図11(c)に示すように、波形N2を任意の区間(図11の例では、P−Δδ曲線の値がP0〜P0までの区間)で積分したハッチングで示す面積をエネルギー基準値VD_BASEと定義する。
つぎに、上記のように算出される、減速エネルギー真値VD_CALC、減速エネルギー推定値VD_ESTおよびエネルギー基準値VD_BASEを用いて、次式で示される減速エネルギー誤差率VD_ERRを算出する。
D_ERR =(VD_CALC−VD_EST)/VD_BASE …(27)
そして、(27)式で算出した減速エネルギー誤差率VD_ERRと、整定値である減速エネルギー誤差率しきい値VD_SETとを、次式に基づいて比較することで、推定したP−Δδ曲線における係数の評価を行う。
D_ERR ≦VD_SET:妥当
D_ERR >VD_SET:不適当 …(28)
推定結果が不適当と判定された場合には、推定したP−Δδ曲線の係数が妥当な値となるよう、P−Δδ曲線の係数修正を行う。なお、修正の手法は任意であり、どのような手法を用いても構わない。一例を挙げるとすれば、次式を用いて修正することが可能である。ただし、係数P0の値が負値とならないよう、配慮する必要がある。
1'=kP1
2'=kP2
0'=kP0+(1−k)PM'
k=VD_CALC/VD_EST …(29)
ただし、上記(29)式における記号の意味は以下のとおりである。
0,P1,P2:修正前の係数
0',P1',P2':修正後の係数
k:0または正の実数
上述してきた実施の形態の系統安定化システムによれば、電力系統に事故が発生した場合、予め想定された事故ケースに関する事前シミュレーションを実施して得られた制御テーブルに基づいて事前演算方式による主制御を実施すると共に、主制御では制御量が不足している場合に事故発生後の実際の系統現象を計測して得られた事後演算方式による補正制御を後追いで実施することとしているので、事前演算方式の長所である高速性と、不確定要因等による想定外事象にも対応できる事後演算方式の長所である柔軟性と、を効果的に融合させたシステムの構築が可能となる。
また、本実施の形態の系統安定化システムによれば、事後演算方式に適用する等面積法で用いる電力相差角曲線の係数を、事前演算方式における事前シミュレーション結果から予め求めておくようにしているので、事後演算方式の制御タイミングを高速化することが可能となる。
また、本実施の形態の系統安定化システムによれば、事後演算方式に適用する等面積法で用いる電力相差角曲線の係数を、事故点、事故ケースおよび再閉路有無によって発生し得る全パターンについて求めておくようにしているので、事後演算方式の演算精度を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態の系統安定化システムによれば、事後演算方式に適用する等面積法で用いる電力相差角曲線の係数を、事故発生後の実際の系統現象計測値を用いて補正するようにしているので、事後演算方式の更なる演算精度の向上が可能となる。
また、本実施の形態の系統安定化システムによれば、事前演算方式における事前シミュレーション結果から予め求めておく電力相差角曲線の係数について、事前シミュレーションを実施して得られたシミュレーション波形の発電機出力−発電機位相角平面上の所定の区間における面積と、当該電力相差角曲線の所定の区間における面積とを比較することにより、電力相差角曲線の係数に関する精度評価を行うようにしているので、主制御の精度を向上させることができ、後追いで実施する補正制御による制御量を局限することが可能となる。
以上のように、本発明は、事前演算方式の長所である高速性と事後演算方式の長所である柔軟性とを効果的に融合させた系統安定化システムとして有用である。
1 給電指令所
2,2a〜2n 変電所
3 発電所
4 発電機群
5 送電線
6,27 母線
7 遮断器
8 変流器
9 計器用変圧器
10 親局
12 子局
14,15a〜15n 端末
17,18,19 通信回線

Claims (9)

  1. 電力系統に事故が発生した場合に、事故の状況に応じた発電機制御を行って電力系統を安定化する系統安定化システムにおいて、
    電力系統に事故が発生した場合、予め想定された事故ケースに関する事前シミュレーションを実施して得られた制御テーブルに基づいて事前演算方式による主制御を実施すると共に、前記主制御では制御量が不足している場合に事故発生後の実際の系統現象を計測して得られた事後演算方式による補正制御を後追いで実施することを特徴とする系統安定化システム。
  2. 事後演算方式に適用する等面積法で用いる電力相差角曲線の係数を、事前演算方式における事前シミュレーション結果から予め求めておくことを特徴とする請求項1に記載の系統安定化システム。
  3. 前記電力相差角曲線の係数を、事故点、事故ケースおよび再閉路有無によって発生し得る全パターンについて求めておくことを特徴とする請求項2に記載の系統安定化システム。
  4. 前記電力相差角曲線の係数を、事故発生後の実際の系統現象計測値を用いて補正することを特徴とする請求項2または3に記載の系統安定化システム。
  5. 事前シミュレーションを実施して得られたシミュレーション波形の発電機出力−発電機位相角平面上の所定の区間における面積と、前記電力相差角曲線の前記所定の区間における面積とを比較することにより、前記電力相差角曲線の係数に関する精度評価を行うことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の系統安定化システム。
  6. 前記制御テーブルには、事故ケース、当該事故ケースに対応する主制御内容、当該事故ケースに対応する電力相差角曲線の係数、管轄区間の両端間における初期位相差の情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の系統安定化システム。
  7. 機能的階層構造の上位に位置する親局と、前記機能的階層構造の中位に位置し、前記親局と通信回線で接続される子局と、前記機能的階層構造の下位に位置し、前記子局と通信回線で接続される端末と、が構成されるとき、
    前記親局は、前記制御テーブルに具備すべき情報を推定して前記子局に送信し、
    前記子局は、前記制御テーブルを具備し、前記親局から送信された情報を用いて前記制御テーブルの内容を更新すると共に、前記端末からの情報に基づき、事故発生の有無、事故点および事故ケースを判別し、前記制御テーブルに指示されている事故ケースが発生している場合に、当該事故ケースに基づく主制御指令および補正制御指令を端末に通知し、
    前記端末は、前記主制御指令に基づいて前記主制御を実行し、前記補正制御指令に基づいて前記補正制御を実行することを特徴とする請求項6に記載の系統安定化システム。
  8. 前記子局は、前記電力相差角曲線の係数を事後の計測情報に基づいて補正すると共に、補正後の電力相差角曲線を用いて前記補正制御指令を生成することを特徴とする請求項7に記載の系統安定化システム。
  9. 前記子局は、事前シミュレーションを実施して得られた発電機出力−発電機位相角平面上の電力相差角曲線を、事後の計測情報に基づいて発電機位相角の方向および発電機出力の方向のうちの少なくとも一つの方向に平行移動することで前記補正後の電力相差角曲線を求めることを特徴とする請求項8に記載の系統安定化システム。
JP2009169001A 2009-07-17 2009-07-17 系統安定化システム Active JP5424760B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009169001A JP5424760B2 (ja) 2009-07-17 2009-07-17 系統安定化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009169001A JP5424760B2 (ja) 2009-07-17 2009-07-17 系統安定化システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011024374A true JP2011024374A (ja) 2011-02-03
JP5424760B2 JP5424760B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=43633914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009169001A Active JP5424760B2 (ja) 2009-07-17 2009-07-17 系統安定化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5424760B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012239307A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Toshiba Corp 電力系統安定化システム、電力系統安定化方法及び電力系統安定化プログラム
JP2013066262A (ja) * 2011-09-15 2013-04-11 Mitsubishi Electric Corp 系統安定化制御システム
JP2015027199A (ja) * 2013-07-26 2015-02-05 東北電力株式会社 電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法
JP2016025715A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 三菱電機株式会社 電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法
JP2016534706A (ja) * 2013-10-22 2016-11-04 メータ・テック,インコーポレーテッド 配電系統内部の不安定性を検出および補正するための方法および装置
JP2021058059A (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 株式会社東芝 系統安定化システム
CN116613736A (zh) * 2023-05-04 2023-08-18 兰州理工大学 一种含虚拟惯量的新能源电力系统等效惯量预测方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0974679A (ja) * 1995-09-08 1997-03-18 Hitachi Ltd 電力系統安定化方法および装置
JPH1198689A (ja) * 1997-09-19 1999-04-09 Mitsubishi Electric Corp 電源安定化制御方法およびその装置
JPH11243644A (ja) * 1998-02-23 1999-09-07 Mitsubishi Electric Corp 電力系統の想定事故安定度評価方法
JP2001339862A (ja) * 2000-05-26 2001-12-07 Chubu Electric Power Co Inc 電力系統の安定化方法およびその安定化装置並びに記録媒体
JP2001352680A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Hitachi Ltd 系統安定化制御方法
JP2006005993A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Tohoku Electric Power Co Inc 電力系統安定化装置および電力系統安定化処理プログラム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0974679A (ja) * 1995-09-08 1997-03-18 Hitachi Ltd 電力系統安定化方法および装置
JPH1198689A (ja) * 1997-09-19 1999-04-09 Mitsubishi Electric Corp 電源安定化制御方法およびその装置
JPH11243644A (ja) * 1998-02-23 1999-09-07 Mitsubishi Electric Corp 電力系統の想定事故安定度評価方法
JP2001339862A (ja) * 2000-05-26 2001-12-07 Chubu Electric Power Co Inc 電力系統の安定化方法およびその安定化装置並びに記録媒体
JP2001352680A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Hitachi Ltd 系統安定化制御方法
JP2006005993A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Tohoku Electric Power Co Inc 電力系統安定化装置および電力系統安定化処理プログラム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012239307A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Toshiba Corp 電力系統安定化システム、電力系統安定化方法及び電力系統安定化プログラム
JP2013066262A (ja) * 2011-09-15 2013-04-11 Mitsubishi Electric Corp 系統安定化制御システム
JP2015027199A (ja) * 2013-07-26 2015-02-05 東北電力株式会社 電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法
JP2016534706A (ja) * 2013-10-22 2016-11-04 メータ・テック,インコーポレーテッド 配電系統内部の不安定性を検出および補正するための方法および装置
JP2016025715A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 三菱電機株式会社 電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法
JP2021058059A (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 株式会社東芝 系統安定化システム
JP7225072B2 (ja) 2019-10-02 2023-02-20 株式会社東芝 系統安定化システム
CN116613736A (zh) * 2023-05-04 2023-08-18 兰州理工大学 一种含虚拟惯量的新能源电力系统等效惯量预测方法
CN116613736B (zh) * 2023-05-04 2024-01-26 兰州理工大学 一种含虚拟惯量的新能源电力系统等效惯量预测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5424760B2 (ja) 2014-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5424760B2 (ja) 系統安定化システム
Zhao et al. Roles of dynamic state estimation in power system modeling, monitoring and operation
Shrestha et al. Out-of-step protection using state-plane trajectories analysis
EP2482418A1 (en) Active desynchronization of switching converters
US11256278B2 (en) Power system stabilization device and power system stabilization method
JP5710303B2 (ja) 電力系統の縮約モデルのパラメータ推定方法及びその装置
CN102841962A (zh) 基于超前计算的电磁机电暂态混合实时仿真接口交互方法
Samson et al. Square-root sigma-point filtering approach to state estimation for wind turbine generators in interconnected energy systems
JP4845526B2 (ja) 系統運用訓練装置
JP6305256B2 (ja) 電力系統安定化システムおよび電力系統安定化方法
JP5665670B2 (ja) 電力系統の状態推定計算装置、電力系統監視制御システム及び電力系統の状態推定計算方法
Cai et al. A study on robust adaptive modulation controller for TCSC based on COI signal in interconnected power systems
JP5971692B2 (ja) 電力系統の短絡容量監視方法およびそのシステム
JP2020137164A (ja) 電力系統安定化システム
CN104022512A (zh) 基于响应信息的电力系统紧急控制方法
JP2021141790A (ja) 電力系統安定化システム
CN110212571B (zh) 一种可再生能源发电系统稳定性量化分析方法
JP2017188969A (ja) 系統モデル作成システム
JP2012080707A (ja) 設備データ推定装置
JP2005094831A (ja) 電力系統安定化制御システム及び電力系統安定化制御方法
Sanchez-Acevedo et al. Accuracy Analysis of a Dynamic State Estimator with a Hardware in the Loop Approach
JP3479711B2 (ja) 電力系統状態決定装置
JP5863349B2 (ja) 系統安定化制御システム
CN114880912B (zh) 一种发电机机电暂态过程鲁棒动态状态估计方法
JP4160535B2 (ja) 電力系統安定化装置および電力系統安定化処理プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5424760

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250