JP2001352680A - 系統安定化制御方法 - Google Patents

系統安定化制御方法

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JP2001352680A
JP2001352680A JP2000171430A JP2000171430A JP2001352680A JP 2001352680 A JP2001352680 A JP 2001352680A JP 2000171430 A JP2000171430 A JP 2000171430A JP 2000171430 A JP2000171430 A JP 2000171430A JP 2001352680 A JP2001352680 A JP 2001352680A
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accident
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power system
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JP2000171430A
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English (en)
Inventor
Masahiro Tanitsu
昌洋 谷津
Tsutomu Suzuki
努 鈴木
Yasuo Sato
康生 佐藤
Masakazu Sato
雅一 佐藤
Ayato Kume
彩登 久米
Masato Nishikawa
正人 西川
Yoshinori Nakachi
芳紀 中地
Yoshihiko Wazawa
良彦 和澤
Koichi Yokoi
浩一 横井
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Chubu Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 事前演算によって求めた制御対象と事後演算
によって求めた制御対象に対して順次制御を行なって制
御量を低減すること。 【解決手段】 演算装置10において、情報収集端末3
0からの系統運用情報を基に予め想定した事故ケースに
対して系統の動特性モデルにしたがった演算を行なって
系統安定化対策が必要な発電機を予め登録しておき、事
故発生時に制御が必要なときには制御端末40に制御指
令を伝送して登録された発電機を系統から切り離し、か
つ事故発生時の情報を情報収集端末30から取り込み、
取り込んだ情報を基に制御量が不足していると判定した
ときには、制御量の不足を補うための発電機を新たに選
択して制御端末40に制御指令を伝送し、新たに選択し
た発電機を系統から切り離す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、系統安定化制御方
法に係り、特に、電力系統の事故時に、事故によって系
統の需給アンバランスが発生し、事故の影響が系統内に
波及するのを防止するための安定化対策を行なうに好適
な系統安定化制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統においては、系統の事故時に、
事故によって系統の需給アンバランスが発生し、事故の
影響が系統内に波及するのを防止するに際して、事故の
影響により系統内の複数の発電機が動揺または脱調する
前に、適切な発電機を系統から切り離す制御(電源制
限)が採用されている。
【0003】従来、発電機を系統から切り離すための系
統安定化制御方式としては、事故発生前に予め演算して
得られた事前演算結果を用いて制御対象を制御する事前
演算方式と、事故発生後に系統情報を基に演算を行な
い、この演算結果にしたがって制御対象を制御する事後
演算方式が知られている。
【0004】事前演算方式は、予め想定した事故につい
て、電力系統から運用状態を基に電力系統の動特性モデ
ルにしたがって動特性シミュレーション演算を行なっ
て、過渡的な状変(状態変化)波及推移を予測演算し、
この予測演算結果から発電機が動揺または脱調する場合
には、電源制限により安定化できる発電機を予め選定し
ておき、事故発生時に、この事故点に対応した事前シミ
ュレーション演算結果にしたがって制御すべき発電機を
予め選定された発電機の中から選択し、選択した発電機
を電力系統から切り離すものである。
【0005】一方、事後演算方式は、例えば、特開平6
−269123号公報および特開平8−182199号
公報に記載されているように、事故発生後に、事故情報
など、電力系統に関する情報を取り込み、事故の影響に
より発電機が動揺または脱調するか否かを予測演算し、
この演算結果から制御が必要であると判定したときに
は、制御すべき発電機を選定し、系統が動揺または脱調
に至る前に、選定した発電機を系統から切り離すもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち事
前演算方式は、予め想定した事故(事故ケース)につい
てのみ適用されるため、発生した事故がシミュレーショ
ン演算によって予め想定した事故条件(事故点)以外に
は対応することができない。このため、様々な事故条件
に対応するには、数多くの事前シミュレーション演算を
行なうことが余儀なくされる。また実際の事故発生時に
系統状態、例えば、事故地点の位置や事故発生後の再閉
路の成功/失敗が想定したケースと異なるときには、事
前演算による制御対策結果が実際の現象と異なることが
ある。
【0007】また、上記従来技術のうち事後演算方式
は、事故発生時に事故の情報を取り込み、事故の影響を
予測演算し、この演算結果を基に制御が必要か否かを判
定し、制御が必要なときにのみ制御すべき発電機に対し
て安定化制御を行なっているため、事故発生時の系統状
態を考慮した制御はできるが、事故発生後の系統状態に
関する情報を取り込んだり、伝送したりあるいは制御す
べき発電機(制御対象)に関する演算を行なったりする
のに時間がかかり、事故発生から制御完了までの時間が
長くなるとともに、制御量が多くなることがある。すな
わち、事故が発生した場合、事故発生と同時に適正な制
御対象を選択して制御すれば、系統の動揺などを抑制す
るための制御量を少なくできるが、同じ事故でも、事故
発生から制御完了までの時間が長くなるほど制御量が多
くなる。
【0008】本発明の目的は、事前演算によって求めた
制御対象と事後演算によって求めた制御対象に対して順
次制御を行なって制御量を低減することができる系統安
定化制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、予め想定した事故に関連づけて制御対象
を事前に登録し、電力系統の事故時に事故の内容によっ
て制御すべき制御対象を前記登録された制御対象の中か
ら選択し、選択した制御対象に対して系統安定化制御を
実行し、かつ前記電力系統の事故時に前記電力系統に関
する情報を基に前記選択した制御対象とは異なる他の制
御対象に対する制御が必要か否かを判定し、前記他の制
御対象に対する制御が必要と判定したときにはこの判定
結果を基に制御が必要な他の制御対象を選択し、選択し
た他の制御対象に対して系統安定化制御を実行する系統
安定化制御方法であって、予め想定した事故に関連づけ
て制御対象を事前に登録するに際して、電力系統の事故
時に、遮断器の開放に伴って前記電力系統から切り離さ
れる区間のうち制御量が最大となる地点以外で事故が発
生したことを想定して制御対象を登録することを特徴と
する系統安定化制御方法を採用したものである。
【0010】前記系統安定化制御方法を採用するに際し
ては、他の制御対象を選択するときに、電力系統の事故
時に前記電力系統に関する情報を基に選択した制御対象
に系統安定化制御を実行しただけでは制御量が不足して
いるか否かを判定し、制御量が不足していると判定した
ときには、この判定結果を基に前記制御量の不足を補う
他の制御対象を選択することもできる。
【0011】また、前記系統安定化制御方法を採用する
に際しては、予め想定した事故に関連づけて制御対象を
事前に登録するときに、電力系統の事故時に、遮断器の
開放に伴って前記電力系統から切り離される区間のうち
制御量が最小または中間となる地点で事故が発生したこ
とを想定して制御対象を登録することもできる。
【0012】前記各系統安定化制御方法を採用するに際
しては、以下の要素を付加することができる。
【0013】(1)選択した制御対象に対して系統安定
化制御を実行するに際して、前記選択した制御対象に対
して電力系統から切り離す制御を実行する。
【0014】前記した手段によれば、電力系統の事故時
に、事故の内容によって制御すべき制御対象を登録され
た制御対象の中から選択し、選択した制御対象に対して
系統安定化制御を実行し、この後、他の制御対象に対す
る制御が必要なときあるいは登録された制御対象に対し
て系統安定化制御を実行しただけでは制御量が不足して
いるときには、他の制御対象を選択して系統安定化制御
を実行するようにしたため、事前演算によって求めた制
御対象と事後演算によって求めた制御対象に対して順次
制御を行なって制御量を低減することができ、系統を迅
速に安定化することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明が適用された系統安
定化制御システムの全体構成図である。図1において、
系統安定化制御システムは、演算装置10、伝送路2
0、複数の情報収集端末30、複数の制御端末40を備
えて構成されており、演算装置10は伝送路20を介し
て各情報収集端末30に接続されているとともに、伝送
路20を介して各制御端末40に接続されている。
【0016】各情報収集端末30は電力系統に分散して
配置されており、電力系統の系統運用情報であるTM
(テレメータ)データ、例えば、発電機の端子電圧、有
効・無効電力、送電線の有効・無効電力、負荷母線の電
圧、消費有効・無効電力などのデータを取り込むととも
に、SV(スーパーバイザ)データ、例えば、リレーの
動作や遮断器の開閉状態およびその状態変化など、機器
構成の変化データを入力し、入力した系統運用情報を伝
送路20を介して演算装置10に伝送するようになって
いる。
【0017】演算装置10は、各情報収集端末30から
の情報を基に、事前演算方式と事後演算方式を併用し、
電力系統の事故発生時に、複数の制御対象、例えば、系
統に分散して配置された複数の発電機を順次選択するた
めの演算を行ない、この演算結果にしたがった制御指令
を伝送路20を介して制御端末40に出力するようにな
っている。
【0018】具体的には、演算装置10は、各情報収集
端末30からの系統運用情報を基に、予め想定した事故
ケースに対し、電力系統の動特性モデルにしたがった過
渡安定度計算、脱調判定、安定化対策演算を行ない、各
演算結果にしたがって、安定化対策上制御すべき制御対
象としての発電機などを、予め想定した事故ケースに関
連づけて事前に登録し、事故発生時に、制御対象に対す
る制御が必要なときには、事前に登録された発電機など
の制御対象を系統から切り離すための演算を行なうよう
になっている。さらに、演算装置10は、事故発生時
に、各情報収集端末30から系統の情報を取り込んで過
渡安定度計算、脱調判定、安定化対策演算を行ない、こ
れらの演算結果を基に、系統から切り離した発電機とは
異なる他の発電機に対する制御が必要かあるいは、事前
に登録された発電機を系統から切り離しただけでは制御
量が不足しているか否かを判定し、他の発電機に対する
制御が必要と判定したとき、あるいは制御量が不足して
いると判定したときには、この判定結果を基に制御が必
要な他の発電機あるいは制御量の不足を補う他の発電機
を選択し、選択した他の発電機を電力系統から切り離す
ための制御指令を生成するようになっている。
【0019】演算装置10において、予め想定した事故
ケースに関連づけて発電機を事前に登録するに際して
は、電力系統の事故時に、遮断器の開放に伴って電力系
統から切り離される区間のうち制御量が最大となる地点
以外で事故が発生したことを想定して発電機を登録する
こととしている。具体的には、電力系統の事故時に、遮
断器の開放に伴って電力系統から切り離される区間(送
電線路)のうち制御量が最小となる地点、すなわち系統
の事故時に、遮断器の開放に伴って系統から離される区
間のうち系統から切り離される発電機からみて最も離れ
た地点で事故が発生したことを想定して発電機を登録し
たり、あるいは系統から切り離される区間のうち制御量
が中間となる地点、すなわち系統から切り離される区間
のうち系統から切り離される発電機からみて中間点とな
る地点で事故が発生したことを想定して発電機を登録す
ることとしている。なお、各情報収集端末30は、事故
発生時にアナログ情報である変圧器(PT)、変流器
(CT)や接点入力(保護リレー動作など)を入力する
ことも可能である。
【0020】各制御端末40は、制御設備単位あるいは
制御設備のある電気所単位に配置されており、演算装置
10において演算された制御指令として、事前演算方式
による制御指令と事後演算方式による制御指令が伝送路
20を介して入力されるようになっている。そして演算
装置10から制御指令が入力された制御端末40では、
系統安定化制御として、指定の発電機を系統から切り離
す制御(電源制限)を行なったり、特定の負荷を系統か
ら切り離す負荷制限を行なったりするとともに、変電所
などに設置された電力用コンデンサ(SC)や分路リア
クトル(ShR)の入り切り制御を同時に行なうように
なっている。制御端末40によって発電機が系統から切
り離される制御が行なわれると、制御量の低減に伴っ
て、系統が安定化されることになる。
【0021】次に、系統安定化制御システムの作用を図
2のフローチャートおよび図3のタイムチャートにした
がって説明する。まず、演算装置10は、各情報収集端
末30から系統運用情報(TMデータ、SVデータ)を
順次入力し、入力した系統運用情報を基に過渡安定度計
算に必要な系統モデルを作成する(ステップS10)。
なお、このステップにおいて、制御対象以外の影響の少
ない系統の縮約処理や系統運用情報の伝送漏れや遅れを
補正するための状態推定演算を行なうことも可能であ
る。
【0022】次に、ステップS20に移り、このステッ
プS20においては、予め想定された事故地点に対し、
事故シーケンスを仮定して過渡安定度計算、脱調判定、
安定化対策演算が行なわれる。ここでの事故シーケンス
としては、事故の発生する地点、例えば、ある送電線の
事故で、送電線のどの地点で事故が発生したかを特定す
るための地点、事故点における事故インピーダンス、事
故の発生する様相、遮断器の再閉路方式、遮断器の再閉
路の成功/失敗、線路開放の有無および各事象の発生タ
イミングなどが考慮される。具体的に仮定される事故シ
ーケンスは、例えば、3サイクル遮断(超高圧系統を想
定し、保護リレーの動作を仮定)とすること、および事
故発生箇所を線路の負荷側至近端とする定義が可能であ
る。
【0023】ここで、ステップS20における過渡安定
度計算の一例を以下に説明する。この過渡安定度計算と
しては、電力系統の動特性シミュレーションが行なわれ
る。例えば、発電機や発電機を制御するAVR(Aut
omatic Generation Regulat
or)、GOV(Governor)、PSS(Pow
er System Stabilizer)の制御装
置の内部状態を表現する微分方程式と、各発電機を互い
に接続する回路網の連立方程式を組み合わせた計算を行
なう。これらの関係式は、
【数1】
【0024】
【数2】 回路網の連立方程式 YE=I
【0025】
【数3】 インターフェイス計算 u=g(y,E) I=h(y,E) ただし、x:状態ベクトル、u:系統からの入力信号 A、B:定数、y:xのサブセット I:ノードインジェクション電流 E:ノード電圧 Y:ノードアドミッタンス行列 となり、数1、数2、数3の関係の基に上記方程式を解
くことで、例えば発電機の状態として位相角が求めら
れ、この位相角によって過渡安定度を求めることができ
る。
【0026】また、ステップS20における脱調判定で
は、過渡安定度計算結果が用いられ、過渡安定度計算結
果を基に安定か不安定かの脱調判定が行なわれ、不安定
と判定されたときには、系統安定化対策上必要となる制
御対象の選択が行なわれる。この脱調判定方法の一例と
して、過渡安定度計算結果による波形データを基にした
基準発電機に対する各発電機の内部位相角差による安定
判別方法を以下に説明する。
【0027】過渡安定度計算において一定時間刻みごと
に動特性シミュレーション演算が行なわれ、各発電機の
内部位相角が求められる。ここで、基準発電機と各発電
機の内部位相角差を求めることにより、各発電機が事故
により安定度的にどのような影響を受けているかを判定
できる。すなわち、基準発電機に対する位相角差が増大
し発散傾向にあるときには、当該発電機は脱調傾向にあ
り、この発電機に対して安定化対策制御を行なわなけれ
ば、発電機の同期運転ができなくなり、大規模な停電を
引き起こすことになる。
【0028】発電機が脱調しているか否かを判定するに
際しては、例えば、発電機の位相角差が一定のしきい値
を超えたか否かで判定することができる。また、各時間
刻みごとの位相角差を基に波形を認識し、波形データの
極大値、極小値より振幅を求め、各振幅ごとに発散傾向
(不安定)か収束傾向(安定)か否かを判定することも
できる。また各発電機の位相角差の代わりに、各発電機
の角速度や加速エネルギーを用いて脱調判定を行なうこ
とも可能である。この脱調判定結果が安定と判定された
ときにはステップS30に処理が移り、脱調判定結果が
不安定と判定されたときには、系統安定化対策上必要と
なる制御対象を選択するための演算が行なわれる。系統
安定化対策上必要な制御対象としては、例えば、発電
機、需要家などの負荷、あるいは変電所などに設置され
た電力用コンデンサ(SC)や分路リアクトル(Sh
R)が選択される。
【0029】ステップS20における系統安定化対策上
必要となる制御対象の選定の一例として、発電機を選定
する場合について以下に説明する。電力系統における事
故発生時に、発電機に及ぼす影響度および事前演算結果
による電源制御用発電機の選定法として、事故発生時の
発電機の加速エネルギーと減速エネルギーを基に安定度
評価を求め、この安定度評価にしたがって系統から切り
離す遮断発電機を選定する方法が挙げられる。
【0030】すなわち、事故発生から事故除去までの間
に発電機は加速され(加速エネルギー)、事故除去後に
発電機には減速力(減速エネルギー)が働く。このと
き、加速エネルギーが大きい程発電機は脱調しやすく、
減速エネルギーが小さい程発電機は脱調しやすいことに
より、事前シミュレーションにおいて、各発電機ごとに
加速エネルギーおよび減速エネルギーを演算し、この演
算値にしたがって各発電機の安定度を評価し、遮断発電
機として安定度評価の低い発電機を選定する。
【0031】例えば、実際のシミュレーション時の電力
変動波形(発電機の出力)は、図4に示すように、事故
発生時t1には発電機出力が低下し、事故が除去された
時点t2からは発電機の出力が上昇する特性を示すた
め、発電機の出力を基に安定度評価指数Sを、次の(数
4)に示すように、
【0032】
【数4】S=(P0−P1)/M+(P0−P2)/M ただし、M:慣性定数 P0:事故発生前の発電機出力 P1:事故継続中の発電機出力 P2:事故除去直後の発電機出力 で定義し、Sの大きいものを遮断発電機に選定する。す
なわち制御効果の大きい発電機を選定する。なお、ある
時刻における各発電機の位相格差の大きいものを遮断発
電機に選定することも可能である。また、運用制約条件
や人間の知識による判定も考慮して遮断発電機を選択す
ることも可能である。
【0033】次に、ステップS30に移り、それぞれの
想定事故ケースに対して、ステップS20で求めた制御
対象が対応するように、事故ケースと制御対象とが関連
づけられてテーブルに登録される。
【0034】次に、ステップS40において、各情報収
集端末30からの情報を基に電力系統で事故が発生した
か否かの判定が行なわれる。すなわち、ここでは、各情
報収集端末30からのデータであるアナログ情報(P
T、CTなど)や接点入力(リレー動作など)を基に事
故発生有無、事故様相などが判定される。なお、ステッ
プS40において、事故点標定演算により事故点の位置
を求めるようにすることも可能である。そしてステップ
S40において、事故が発生したと判定されたときには
ステップS50に移り、事故が発生していないと判定さ
れたときにはステップS10に戻り、新しく入力された
データにしたがってステップS10〜S30までの処理
が行なわれる。
【0035】ステップS50においては、事故発生時
に、発生した事故に該当する制御対象として、ステップ
S30で登録された制御対象が選択され、選択された制
御対象、例えば遮断すべき発電機に対して制御指令(制
御出力)を出力するための処理が行なわれる。この制御
指令は伝送路20を介して制御端末40に伝送され、遮
断すべき発電機に対して系統から切り離す制御が実行さ
れる。ここまでの処理は、事故発生時から、例えば10
3msで実行される。
【0036】このように、事故発生時に、事故発生前に
予め演算によって求めた制御対象に対して系統から切り
離す制御が行なわれるため、制御対象を高速に制御する
ことができる。そしてステップS50で求められた制御
指令の結果は、制御対象および制御対策を行なった時間
の情報として処理され、ステップS60の処理に移行す
る。
【0037】ステップS60においては、発生した事故
の条件(内容)を基に過渡安定度計算、脱調判定、安定
化対策演算が行なわれる。過渡安定度計算を行なう条件
は、情報収集端末30から伝送路20を介して入力され
るので、発生した事故ケースのみの演算でよく、事前演
算方式のように、予め想定した事故ケースについて数多
く演算することは不要である。なお、ステップS40で
事故点標定演算による結果を用いて事故点を標定し、こ
の演算に反映することもできる。そしてこのステップ6
0における過渡安定度計算、脱調判定、安定化対策演算
はステップS20と同様の処理が行なわれる。ただし、
このステップ60では、ステップS50において処理し
た演算結果、例えば、事前演算で求めた制御対象および
制御対策を行なった時間を考慮し、事前演算結果を補正
するための過渡安定度演算が行なわれる。すなわち、事
前演算では、制御対象を高速に制御するために、事故地
点や事故除去時間を想定しているので、精度が低く、制
御量が不足している。このため、事後演算において事前
演算結果を補正することで、精度を高めるとともに制御
量の不足を補うこととしている。
【0038】ステップS70では、ステップS60にお
ける過渡安定度計算、脱調判定、安定化対策演算結果を
基に系統安定化対策上必要な制御対象が選択される。す
なわち、事前演算によって求められた制御対象を系統か
ら切り離しただけでは制御量が不足しているときには、
制御量の不足を補う他の制御対象を選択するための処理
が行なわれ、選択された制御対象に対する制御指令が伝
送路20を介して制御端末40に伝送され、他の制御対
象、例えば、発電機に対して系統安定化対策制御として
系統から切り離す制御が行なわれる。このように、ステ
ップS70においては、事前演算によるステップS50
の制御対策結果が実現象と差異がなく、ステップS50
の制御で安定化できるときには、安定化対策制御は行な
われないが、事前演算による条件の仮定が実現象と異な
り、補正制御が必要なときにのみ事後演算による制御が
行なわれることになる。そしてステップS70の処理の
あとはステップS10に戻り、処理が続行されることに
なる。そして事後演算によって制御対象が制御される時
間は、例えば、事故発生から198msである。
【0039】このように、本実施形態においては、事前
演算によって制御対象を高速に制御し、事後演算によっ
て制御量の不足を補う他の制御対象を高精度に選択して
制御しているため、不足制御のない最適な制御が可能に
なる。
【0040】また、ステップS60およびステップS7
0においては、事故発生後の電力系統の振る舞い考慮し
た演算を行なうことも可能である。例えば、図5に示す
ように、情報収集端末30からの情報を基に、事故シー
ケンスが作成され、過渡安定度計算、脱調判定、安定化
対策演算が行なわれる際に、事故の除去されるタイミン
グがどのようになるかは、例えば、電力系統の遮断器の
動きや保護リレーの動作などによりいろいろな場合が考
えられ、それぞれの場合で安定化に必要な制御量が異な
る。このため、事故除去タイミングまで待って過渡安定
度計算を行なうのでは、対策が遅くなるため、事故発生
時に、各種の事故ケース、主保護成功(事故点のリレー
開放)、遮断器不動作、後備保護、進展事故などを考慮
した事故シーケンスを作成し、各事故シーケンスに関す
る演算を並列処理する。その後、実際の系統からの系統
運用情報を基に電力系統において実際に発生した現象に
対応する制御ケースを決定し、決定した制御ケースを最
終的な制御結果とする。このような処理を行なうことに
より、高速に実系統の振る舞いに合った制御が可能にな
る。なお、図5は、最終的に主保護成功となった場合の
タイムチャートである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電力系統の事故時に、事故の内容によって制御すべき制
御対象を登録された制御対象の中から選択し、選択した
制御対象に対して系統安定化制御を実行し、この後、他
の制御対象に対する制御が必要なときあるいは登録され
た制御対象に対して系統安定化制御を実行しただけでは
制御量が不足しているときには、他の制御対象を選択し
て系統安定化制御を実行するようにしたため、事前演算
によって求めた制御対象と事後演算によって求めた制御
対象に対して順次制御を行なって制御量を低減すること
ができ、系統を迅速に安定化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたシステムの全体構成図であ
る。
【図2】図1に示すシステムの作用を説明するためのフ
ローチャートである。
【図3】図1に示すシステムの作用を説明するためのタ
イムチャートである。
【図4】発電機の出力の変化を説明するための図であ
る。
【図5】事故発生後の系統運用情報を考慮した処理を説
明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
10 演算装置 20 伝送路 30 情報収集端末 40 制御端末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 努 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか事業所内 (72)発明者 佐藤 康生 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 雅一 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分事業所内 (72)発明者 久米 彩登 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分事業所内 (72)発明者 西川 正人 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 中地 芳紀 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 和澤 良彦 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 (72)発明者 横井 浩一 愛知県名古屋市東区東新町1番地 中部電 力株式会社内 Fターム(参考) 5G066 AD01 AD09 AE01 AE05 AE09 5H590 AA11 AA13 AA21 BB11 CC01 CE01 DD64 EA05 EB21 EB25 EB28 FA06 FC22 FC23 GB05 HA01 HA02 HA06 HA07 HA10 HB02 HB03 JA02 JB18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め想定した事故に関連づけて制御対象
    を事前に登録し、電力系統の事故時に事故の内容によっ
    て制御すべき制御対象を前記登録された制御対象の中か
    ら選択し、選択した制御対象に対して系統安定化制御を
    実行し、かつ前記電力系統の事故時に前記電力系統に関
    する情報を基に前記選択した制御対象とは異なる他の制
    御対象に対する制御が必要か否かを判定し、前記他の制
    御対象に対する制御が必要と判定したときにはこの判定
    結果を基に制御が必要な他の制御対象を選択し、選択し
    た他の制御対象に対して系統安定化制御を実行する系統
    安定化制御方法であって、予め想定した事故に関連づけ
    て制御対象を事前に登録するに際して、電力系統の事故
    時に、遮断器の開放に伴って前記電力系統から切り離さ
    れる区間のうち制御量が最大となる地点以外で事故が発
    生したことを想定して制御対象を登録することを特徴と
    する系統安定化制御方法。
  2. 【請求項2】 予め想定した事故に関連づけて制御対象
    を事前に登録し、電力系統の事故時に事故の内容によっ
    て制御すべき制御対象を前記登録された制御対象の中か
    ら選択し、選択した制御対象に対して系統安定化制御を
    実行し、かつ前記電力系統の事故時に前記電力系統に関
    する情報を基に前記選択した制御対象に対して系統安定
    化制御を実行しただけでは制御量が不足しているか否か
    を判定し、制御量が不足していると判定したときにはこ
    の判定結果を基に前記制御量の不足を補う他の制御対象
    を選択し、選択した他の制御対象に対して系統安定化制
    御を実行する系統安定化制御方法であって、予め想定し
    た事故に関連づけて制御対象を事前に登録するに際し
    て、電力系統の事故時に、遮断器の開放に伴って前記電
    力系統から切り離される区間のうち制御量が最大となる
    地点以外で事故が発生したことを想定して制御対象を登
    録することを特徴とする系統安定化制御方法。
  3. 【請求項3】 予め想定した事故に関連づけて制御対象
    を事前に登録し、電力系統の事故時に事故の内容によっ
    て制御すべき制御対象を前記登録された制御対象の中か
    ら選択し、選択した制御対象に対して系統安定化制御を
    実行し、かつ前記電力系統の事故時に前記電力系統に関
    する情報を基に前記選択した制御対象とは異なる他の制
    御対象に対する制御が必要か否かを判定し、前記他の制
    御対象に対する制御が必要と判定したときにはこの判定
    結果を基に制御が必要な他の制御対象を選択し、選択し
    た他の制御対象に対して系統安定化制御を実行する系統
    安定化制御方法であって、予め想定した事故に関連づけ
    て制御対象を事前に登録するに際して、電力系統の事故
    時に、遮断器の開放に伴って前記電力系統から切り離さ
    れる区間のうち制御量が最小または中間となる地点で事
    故が発生したことを想定して制御対象を登録することを
    特徴とする系統安定化制御方法。
  4. 【請求項4】 予め想定した事故に関連づけて制御対象
    を事前に登録し、電力系統の事故時に事故の内容によっ
    て制御すべき制御対象を前記登録された制御対象の中か
    ら選択し、選択した制御対象に対して系統安定化制御を
    実行し、かつ前記電力系統の事故時に前記電力系統に関
    する情報を基に前記選択した制御対象に対して系統安定
    化制御を実行しただけでは制御量が不足しているか否か
    を判定し、制御量が不足していると判定したときにはこ
    の判定結果を基に前記制御量の不足を補う他の制御対象
    を選択し、選択した他の制御対象に対して系統安定化制
    御を実行する系統安定化制御方法であって、予め想定し
    た事故に関連づけて制御対象を事前に登録するに際し
    て、電力系統の事故時に、遮断器の開放に伴って前記電
    力系統から切り離される区間のうち制御量が最小または
    中間となる地点で事故が発生したことを想定して制御対
    象を登録することを特徴とする系統安定化制御方法。
  5. 【請求項5】 選択した制御対象に対して系統安定化制
    御を実行するに際して、前記選択した制御対象に対して
    電力系統から切り離す制御を実行することを特徴とする
    請求項1から4のうちいずれか1項に記載の系統安定化
    制御方法。
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