JP2011024191A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】文書作成時の負荷の増大およびデザインの自由度の制限を回避できる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】入力画像データを画像形成に用いる画像形成用データに変換する色変換部2と、画像形成用データによる画像形成を制御する画像形成制御部3と、を備え、色変換部2は、入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、画像形成用データの色空間の同一色に変換する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
近年、カラー画像を表示または印刷するといったカラー画像出力技術が発達したことにより、個人や企業が作成する文書には、様々な色付き文字やカラー画像が使用されるようになった。このような文書では、注意を促す表記やグラフのグループ分けのために、色付き文字や複数の色による塗り分けを行うといった、色そのものに重要な情報を持たせている場合が多い。そのため、これらの文書の内容を正しく理解するためには、文字や画像を認識する能力に加え、文書に用いられている色の違いを判別する能力も求められる。
このような様々な色を用いた文書は、一般的な色覚を持った人々に対しては情報を理解させやすいが、一般の色覚と異なる色覚特性を持った人々にとっては必ずしもそうではない。人間の色覚に関する生理的、医学的研究によると、これまで、色覚特性には、赤と緑が判別しにくいまたは判別できない赤緑色盲や、その他に黄青色盲および全色盲などの型が存在することが知られている。最近では、CUDO(NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構)が、色覚が正常または異常という線引きではなく、C型(Commonの頭文字)などの色覚の型名を用いて、C型色覚の人を一般色覚、それ以外の色の認識に関して弱い部分のある人を色弱者と呼ぶことを提唱している。色覚の型としては、C型のほかに、P型(Protanope)の強度・弱度(赤緑色盲又は色弱に相当)、D型(Deuteranope)の強度・弱度(赤緑色盲又は色弱に相当)、T型(Tritanope)(黄青色盲に相当)、および、A型(Achromat)(全色盲に相当)が存在する。
従来は、このような様々な色覚特性を持った人が色を判別しやすいようにするための文書作成の負荷が非常に大きくなると同時に、デザインの自由度が制限される場合があった。例えば、一般色覚者がプレゼンテーション用の電子文書を作成し、それをカラー印刷して配布し、スクリーンへ電子文書を投影してプレゼンテーションを行うようなごく一般的なシチュエーションを想定する。この場合、例えばグラフを作成する一般的なオフィスアプリケーションソフトでは、各要素が自動で配色されるため、ユーザーが1要素ずつ色を指定しなおさなければならない場合があった。
また、一般的に、カラープリンタのような印刷装置、および、スクリーン上へ画像を投影するプロジェクタのように異なる画像出力装置では、それぞれ再現できる色の範囲が異なる。このため、印刷物上で色の違いが分かりやすいように配色をしても、投影画像では、色が違ってしまい、色の判別性が改善されない場合があった。
このような問題に対して、文書を作成する一般色覚者に対して、色弱者が混同しやすい色を選択できないようにすることで、文書作成時に混同しにくい色を選びやすくする色見本選択装置が提案されている。また、色弱者の見え方を模擬した画像を提示することで、一般色覚者に対し、色弱者にとって判別しにくい部分が分かるようにする表示システムが提案されている。
例えば、特許文献1では、色弱者が判別しにくい色の組み合わせを使わせないようにする目的で、文書やデザインに使う色を選択すると、その色と色弱者が混同しやすい色を選択できないようにする色見本選択装置が開示されている。また、特許文献2では、一般色覚者に対して色弱者の色の判別のしにくさを認識させる目的で、色弱者の色の見え方を模擬した画像を提示する表示システムが開示されている。
しかしながら、特許文献1および2のような方法でも、色弱者が判別できるか否かを一般色覚者が判断しづらい場合や、文書作成の負荷が改善できない場合があるという問題があった。例えば、特許文献2のような表示システムでは、色覚シミュレーション画像を提示する。しかし、シミュレーションツールによって色味が異なることや、一般色覚者にも色覚特性に個人差が存在することが知られている。このため、色覚シミュレーションの結果で、少し色が違っていた場合、その色の違いが色弱者にとって判別しにくいのかどうかを一般色覚者が判断するのが困難となる場合がある。また、判別しにくいと判断した場合、色弱者に判別しにくい色の使用を控えたり、別の色に置き換えるという、デザイン上の制限や、配色を変更する手間が発生するという問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、文書作成時の負荷の増大およびデザインの自由度の制限を回避できる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、入力画像データを画像形成に用いる画像形成用データに変換する色変換部と、前記画像形成用データによる画像形成を制御する制御部と、を備え、前記色変換部は、前記入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、前記画像形成用データの色空間の同一色に変換すること、を特徴とする。
また、本発明は、入力画像データを画像形成に用いる画像形成用データに変換する色変換ステップと、前記画像形成用データによる画像形成を制御する制御ステップと、を含み、前記色変換ステップは、前記入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、前記画像形成用データの色空間の同一色に変換すること、を特徴とする画像処理方法である。
また、本発明は、上記画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
また、本発明は、上記画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、文書作成時の負荷の増大およびデザインの自由度の制限を回避できるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、第1の実施の形態の色変換部の構成例を示すブロック図である。 図3は、変換テーブルについて説明する図である。 図4は、変換テーブルの生成方法について説明する図である。 図5は、第1の実施の形態の画像処理装置による画像形成処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。 図6は、印刷モードを選択する画面の一例を示す図である。 図7は、配色警告印刷モードが選択された後の画面の一例を示す図である。 図8は、第2の実施の形態の色変換部の構成例を示す図である。 図9は、第2の実施の形態の画像処理装置による画像形成処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。 図10は、第3の実施の形態にかかる画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 図11は、第3の実施の形態の色変換部および色信号置換部の構成例を示すブロック図である。 図12は、第3の実施の形態の画像処理装置による画像形成処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。 図13は、グラフや色文字を含む文書例を示す図である。 図14は、第4の実施の形態の色調整装置の構成例を示す図である。 図15は、第4および第5の実施の形態の処理フローチャートである。 図16は、第5の実施の形態の色調整装置の構成を示す図である。 図17は、PDLによって記述された入力画像データの例を示す図である。 図18は、色調整部によって調整された画像データの例を示す図である。 図19は、抽出された使用色情報の例と、面積評価値が付加された使用色情報の例を示す図である。 図20は、中間色信号が付加された使用色情報の例と、識別性評価値が付加された使用色情報の例を示す図である。 図21は、色調整された使用色情報の例と、色調整テーブルの例を示す図である。 図22は、画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体の一実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態の画像処理装置は、印刷などによる画像出力時に、入力画像データ中の色弱者が混同しやすい色を、同色に置き換えて出力する。第1の実施の形態は、例えばオフィスアプリケーションなどでグラフに使われる配色が予め判明しているケースを想定する。そして、混同色同士を同じ色に変換するLUT(Look Up Table)を予め用意し、このLUTを用いて混同色を同一色に変換する。
また、第1の実施の形態では、同色に置換した部分については口頭説明による情報補償を促す通知を行う。これにより、プレゼンテーション等を行う文書作成者の文書作成時の負荷を増大させないと同時に、デザインの自由度を制限しないようにし、作成した文書を利用したプレゼンテーション時には、口頭説明などの視覚情報以外の手段による情報補償をしやすくすることができる。
なお、コミュニケーションによる情報補償については、直接指し棒などで指し示し、コミュニケーションでカバーすることで、プレゼンターの意図は伝わりやすくなることが、非特許文献1に記載されている(「バリアフリーのまとめと、そのほかの注意点」参照)。
図1は、第1の実施の形態にかかる画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。画像処理装置100は、例えば、MFP(Multi Function Peripheral)、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置として実現できる。画像処理装置100は、入力された画像データ(入力画像データ)を変換して出力する装置であれば、一般的なパーソナル・コンピュータなどのその他のあらゆる装置に適用できる。
図1に示すように、画像処理装置100は、出力形態指定部1と、色変換部2と、画像形成制御部3と、画像形成部6とを備えている。
出力形態指定部1は、画像の出力形態(印刷モード)の指定を受け付ける。出力形態指定部1は、例えば、画像処理装置100に備えられた操作部(図示せず)や、画像処理装置100にネットワークなどにより接続されたコンピュータの表示装置およびマウスなどの入力装置などを用いたユーザーによる指定を受け付ける。印刷モードとしては、例えば、配色警告印刷を行う配色警告印刷モード、および通常の印刷を行う一般文書モードなどが指定できる。配色警告印刷モードとは、色弱者が混同しやすい色を同色に置換して印刷するモードを表す。出力形態指定部1は、例えば、配色警告印刷モードか否かを表す情報を含む印刷モード情報を色変換部2および画像形成制御部3に送出する。
また、出力形態指定部1は、配色警告印刷モードが指定された場合、色弱者が相互に判別することが困難な色が同一色に変換される旨を通知する通知部として機能する。例えば、出力形態指定部1は、表示装置等に、色の違いの分からない場所については、指し示して口頭での説明を促す旨を表すメッセージを表示する。なお、通知方法はこれに限られるものではなく、紙媒体へのメッセージの印刷など、その他の方法を適用してもよい。
色変換部2は、指定された印刷モードに応じて、予め用意されている変換テーブルを補間して、入力画像データを画像形成に用いるデータ(画像形成用データ)に変換する。入力画像データは、一般的にはRGB色空間で表される。画像形成用データは、一般的にはCMY(K)色空間で表される。ただし、画像形成用データを印刷する代わりに、コンピュータの表示装置上に画像形成用データを提示する場合にはRGB色空間で表される。
画像形成制御部3は、指定された印刷モードに応じて、色変換部2により変換された画像形成用データを集約して印刷するように、または、両面印刷するように画像形成部6による画像の形成を制御する。
画像形成部6は、画像形成制御部3による制御に応じ、色変換部2から送られてきた画像形成用データに基づき、紙や表示装置などの媒体へ画像を形成する。
図2は、第1の実施の形態の色変換部2の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、色変換部2は、第1色信号変換部21と、第2色信号変換部22と、第3色信号変換部23と、第4色信号変換部24とを備えている。
第1色信号変換部21、第2色信号変換部22、第3色信号変換部23、および第4色信号変換部24は、配色警告印刷モードが指定されると、入力画像データを予め用意された各色覚特性などに応じたそれぞれ異なる変換テーブル(詳細は後述)を用いて画像形成用データに変換し、変換後のデータを画像形成部6へ送る。
図3は、変換テーブルについて説明する図である。色変換部2は、図3に示すような変換テーブルを補間することにより、入力画像データを画像形成用データに変換する。
図3の変換テーブルは、入力画像データのRGB空間(RGBは0〜255の値を取る)を各成分4分割(64刻み)の格子点で区切った例である。各格子点には、入力画像データのRGB値に対応した、画像形成用データのCMY値が割り当てられている。例えば、図3中の(R,G,B)=(42,32,0)というRGB値を持つ入力画像データを画像形成用データに変換する場合、(R,G,B)=(0,0,0)(64,0,0)(0,64,0)(64,64,0)という4点に対応するCMY値を補間(重み付け平均)して、入力画像データに対応するCMY値を求める。この例では、入力画像データのB成分が0であるため、実質4点での補間となるが、一般にはB成分が存在するため、8点による補間となる。
図4は、変換テーブルの生成方法について説明する図である。図4の横軸および縦軸は、それぞれCIELAB色空間のb*軸およびL*軸である。図4の入力画像データの色空間の定義範囲とは、入力画像データが取り得る色の範囲であり、一般的には、液晶ディスプレイなどの色再現範囲(例えばsRGB色空間)に相当する。また、出力装置の色再現範囲とは、MFPやプリンタなどの、紙媒体へ印刷する出力装置の色再現範囲である。一般的には、出力装置の色再現範囲より入力画像データの色空間の定義範囲の方が広い。
色変換部2は、入力画像データの色空間を図3に示したような格子点で分割し、各格子点のRGB値を、以下の(1)式〜(3)式によりXYZ三刺激値へ変換する。
Figure 2011024191
色変換部2は、さらに、CIELAB色空間の定義に従い、XYZ三刺激値をL*a*b*値へ変換する。この時点では、入力画像データの色空間の定義範囲の方が出力装置の色再現範囲よりも広い。このため、出力装置の色再現範囲(予め多数のCMYの組合せに対応した色見本を出力し、測色するなどにより求めておく)へマッピングする。例えば、色差が最小となる方向にマッピングを行う。図4中の入力画像データの空間の格子点は、このようなマッピングを行った後の格子点を模式的に表している。
以下に、色変換部2に含まれる信号変換部(第1色信号変換部21、第2色信号変換部22、第3色信号変換部23、第4色信号変換部24)ごとの変換テーブルの生成方法について説明する。なお、第1色信号変換部21、第2色信号変換部22、第3色信号変換部23、および第4色信号変換部24の変換テーブルは、それぞれ一般色覚者(C型色覚)、P型色覚、D型色覚、およびT型色覚の色覚特性に応じた変換テーブルに相当する。
(1)第1色信号変換部21の変換テーブルの生成方法
前述のマッピング後の各格子点のL*a*b*値に対し、色差が最小となる出力装置の画像形成用のCMY値を求める。これは、例えば、CMYを様々に組み合わせた色見本を出力・測色しておき、最も近い物を選んでも良いし、少数の色見本を出力・測色し、CMY値から出力されるL*a*b*値を予測するようなモデルを構築し、そのモデルに基づき最も色差の小さくなるCMY値を求めても良い。
以上の処理により、入力画像データのRGB値と出力装置の画像形成用のCMY値とを対応づけたテーブルが得られる。このテーブルを第1色信号変換部21の変換テーブルとする。
なお、グラフなどの配色によっては、一般色覚者であっても、個人差により色を判別しにくい場合もある。このため、色弱者が判別しにくい色を同色に置き換えるのと同様の変換テーブルを生成するようにしても良い。その場合は、判別性評価式としてCIEのΔEabやΔE94色差式で色同士の色差を評価し、色差が所定値(例えば、同系色で色を明確に判別できる色差の目安とされる13程度)以下か否かで評価すれば良い。
(2)第2色信号変換部22の変換テーブルの生成方法(P型色覚を強調的に模擬)
前述のマッピング後の各格子点のL*a*b*値を、CIELAB色空間の定義式の逆計算により、XYZ三刺激値へ戻す。さらに、以下の(4)式により、錐体応答空間のLMS値へ変換する。さらに、以下の(5)式により、P型色覚者の錐体応答を模擬する信号へ変換する。そして、以下の(6)式によりXYZ三刺激値へ逆変換する。また、CIELAB色空間の定義に従い、XYZ三刺激値をL*a*b*値へ変換する。
Figure 2011024191
この結果算出されたL*a*b*値は、マッピング後の入力画像データの色空間の格子点の色をP型色覚者が見た場合の知覚量を模擬したものである。このP型色覚者の知覚量を模擬したL*a*b*値に対し、前述と同様に、色差最小となるCMY値を算出し、変換テーブルとする。ただし、この変換テーブルの一部の格子点上のCMY値を以下のように変更を加える。
まず、一般的に、オフィスアプリケーション(表計算ソフト)などで作成される文書では、グラフに使われる配色は、予め決められた色が要素数に応じて順に割り当てられる。また、色文字などでも、カラーパレットにある数色を使って作成されるのが一般的である。
広く用いられているオフィスアプリケーションの配色の上位色を抽出し、上記P型色覚者の知覚量を模擬したL*a*b*値へ変換したテーブル(RGB to Lab(P型))を用い、前記上位色のRGB値に対するL*a*b*値を補間により求める。図4の四角記号のプロット(図4では6色)が、このような補間により求められたL*a*b*値を表している。
これらの色同士の全ての色の組合せについて、以下の(7)式により判別性のスコアを算出する。(7)式は、色の判別性に関する主観評価実験の結果に加え、さらに入力画像データの色空間の黒色点と出力装置の黒色点との明度差kを考慮して求められる。
Figure 2011024191
明度差kの値は、図4の出力装置の色再現範囲と入力画像データの色空間の定義範囲のそれぞれの黒色点の明度差に相当する値を用いる。前述の通り、出力装置の色再現範囲へのマッピングを行う際、はみ出した格子点を再現範囲表面に貼り付ける場合や、色空間全体を縮小して色再現範囲を一致させる場合などが考えられるが、通常、マッピングによる明度差は最大でもそれぞれの黒色点同士の明度差となる。
一方、彩度方向のマッピングの影響も存在するが、(7)式のΔL*とΔb*の係数に現れているように、色の判別性には明度差が大きく寄与する。このため、本実施の形態では、黒色点同士の明度差程度のずれが生じることを前提に色の判別性を評価する。これにより、入力画像データの色空間(プロジェクタで投影する色空間など)と出力装置の色再現範囲の違いによって、実際に判別しにくい色の組合せと、本実施の形態の方法により同色に置き換える色の組合せとに相違が生じることを抑制できる。
(7)式の(Dist.)が3未満の色の組合せが存在した場合、その色の補間計算に用いられる格子点に対応したCMY値を、それら格子点の平均値やCMY値の合計が最も少ないものに統一するように値を置換する。図4の例では、右上の2色の場合、○の6格子点が補間計算に用いられる格子点に相当する。左上の2色の場合は×の7格子点が補間計算に用いられる格子点に相当する。ただし、双方とも、実際にはa*方向の成分も存在する3次元空間であるため、さらに補間に使われる格子点数は増える。
このようにCMY値を求める代わりに、判別しにくい2色のL*a*b*値の平均値を求め、そのL*a*b*値に対して色差最小となるCMY値を求め、それを補間に使われる格子点の共通のCMY値としてもよい。このような処理を、判別しにくい色の組合せ全てに対し行う。
なお、CMY値またはL*a*b*値の平均を取る場合は、変換テーブルの連続性が損なわれにくい。また、CMY値の合計の最小値を用いる場合は、同一の色に変換される部分の濃度を薄くでき、出力装置の画像形成用色材の消費量を抑えることができる。ただし、変換テーブルの連続性が損なわれ、グラデーション画像などが入力された場合に、階調とびの原因となる。
このように一部の格子点のCMY値を置き換えた変換テーブルとすることで、入力画像データ中の、P型色弱者が判別しにくい色同士を同色に置き換えて出力するような色変換が可能となる。
(3)第3色信号変換部23の変換テーブルの生成方法(D型色覚を強調的に模擬)、および、第4色信号変換部24の変換テーブルの生成方法(T型色覚を強調的に模擬)
以下の(8)式は、D型色覚者の錐体応答を模擬する信号に変換するための式であり、P型色覚者の場合の(5)式に対応する。その他の式は省略するが、D型色覚およびT型色覚についても、P型色覚と同様に、それぞれの色覚特性を持った人が判別しにくい色を同色に置き換えるような変換テーブルを作成することができる。
Figure 2011024191
次に、図5〜図7を用いて第1の実施の形態の画像処理装置100の動作を詳細に説明する。図5は、第1の実施の形態の画像処理装置100による画像形成処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、印刷モードを選択する画面の一例を示す図である。図7は、配色警告印刷モードが選択された後の画面の一例を示す図である。
まず、画像処理装置100のユーザーが表示装置などに表示された印刷モードを選択する画面(図6)で、配色警告印刷モードを選択すると、出力形態指定部1が選択を受け付ける(ステップS101)。
配色警告印刷モードが選択されると、出力形態指定部1は、色弱者の見え方を模擬した画像が印刷されること、および、色の違いの分からない場所については、指し示して口頭での説明を促すことを表示装置に表示する(ステップS102)。図7は、このようなメッセージが表示された画面の例を表している。
次に、色変換部2が、RGB色空間の入力画像データをCMY色空間の画像形成用データに変換する(ステップS103)。具体的には、色変換部2に含まれる各信号変換部(第1色信号変換部21、第2色信号変換部22、第3色信号変換部23、第4色信号変換部24)が、それぞれ対応する所定の色覚特性(色覚タイプ)を模擬した変換テーブルを用いて、RGB値をCMY値に変換する。
次に、画像形成制御部3が、色変換部2により変換された画像形成用データを集約して印刷するように、または、両面印刷するように画像形成部6による画像の形成を制御し、画像形成処理を実行する(ステップS104)。
このように、第1の実施の形態の画像処理装置では、入力画像データ中の色弱者が混同しやすい色を、同色に置き換えて出力する。これにより、色の違いが色弱者にとって判別しにくいのかどうかを一般色覚者が判断するのが困難となるという問題が生じない。このため、判別しにくいと判断した場合にさらに別の色に置き換えるなどの手間が発生することがない。すなわち、文書作成時の負荷の増大およびデザインの自由度の制限を回避できる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の画像処理装置は、P型色覚者とD型色覚者のいずれかが判別しにくい色を同色(例えば黒)に置換した画像を合成して出力する。これにより、一般色覚者が色覚特性別の画像を見比べて、判別しにくい箇所を探す手間を軽減することができる。なお、色覚タイプの組み合わせは、P型およびD型に限られるものではなく、他の任意の組み合わせについて適用できる。また、3つの色覚タイプを合成するように構成してもよい。
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態の色変換部2(図1および図2参照)の機能が変更される。その他の構成は第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
図8は、第2の実施の形態の色変換部202の構成例を示す図である。図8に示すように、色変換部202は、第4色信号変換部24の代わりに、合成部25を備える点が第1の実施の形態の色変換部2と異なっている。その他の構成は図2と同様であるため説明を省略する。
合成部25は、第2色信号変換部22の出力、および第3色信号変換部23の出力から、第4の画像形成用データを合成する。具体的には、合成部25は、第2色信号変換部22および第3色信号変換部23から、P型色覚およびD型色覚の見え方を強調的に模擬した結果生成されたCMY色空間の画像形成用データを受け取る。以下では、これらをそれぞれP型模擬画像およびD型模擬画像と呼ぶ。
次に、合成部25は、P型模擬画像の1画素目のCMY値と、P型模擬画像の2画素目と比較する。合成部25は、並行して、D型模擬画像の1画素目とD型模擬画像の2画素目とを比較する。P型模擬画像およびD型模擬画像のいずれかで1画素目と2画素目とが一致していた場合、合成部25は、新たに合成する画像(以下、合成画像データという)の2画素目をP型模擬画像の1画素目のCMY値とする。なお、P型模擬画像の1画素目のCMY値の代わりに、D型模擬画像の1画素目のCMY値、または黒(C,M,Y)=(255,255,255)とするように構成してもよい。
一方、いずれも一致していなかった場合は、合成部25は、合成画像データの2画素目を、P型模擬画像の2画素目のCMY値とする。なお、この場合に合成画像データの2画素目をD型模擬画像の2画素目のCMY値とするように構成してもよい。すなわち、一致していなかった場合に採用する色覚特性を予め定めておき(この例ではP型またはD型)、一致していない場合にはこの色覚特性の模擬画像の画素のCMY値を採用するように構成すればよい。
なお、合成部25は、合成画像データの1画素目はP型模擬画像の1画素目のCMY値とする。また、例えば用紙の端部では、隣接画素がいずれも白色というケースがありうる。このような場合に、例えば隣接画素の画素値が白で一致したため黒に置換するように構成すると、トナーの無駄、および違和感を与えるなどの問題が生じうる。このため、合成部25は、一致しているか否かの判定の際、比較対象の画素が(C,M,Y)=(0,0,0)、すなわち白色であった場合には、一致の有無にかかわらず、(C,M,Y)=(0,0,0)を比較対象の画素値とする。
同様にして、合成部25は、1画素目と3画素目とを比較し、比較結果に応じて合成画像データの3画素目を設定するという処理を1画素目と最終画素とを比較するまで繰り返す。そして、合成部25は、1画素目と最終画素との比較が終わったら、2画素目と3画素目、2画素目と4画素目、・・・、2画素目と最終画素、3画素目と4画素目、・・・というように、比較元の画素が最終画素に到達するまで比較処理を繰り返す。
このような処理により、P型色覚者とD型色覚者のいずれかが判別しにくい色が同色(黒を含む)に置き換わった画像が合成される。これにより、ユーザーは、1枚の画像のみを見ることで、いずれかの色覚特性において判別しにくい箇所を把握することができる。例えば、P型は色1と色2の区別がつきにくく、D型は色2と色3の区別がつきにくかったとする。この場合、第2の実施の形態の方法では、色1、色2および色3の全てを同色に置き換えることになる。それらの色同士は、いずれかの色覚特性を持つ人が見ると区別しにくい配色であり、一般色覚者がそれを説明資料として用いる際には、全ての色が使われている箇所を具体的に指し示し、口頭などによる別手段で説明する必要がある。
次に、図9を用いて第2の実施の形態の画像処理装置の動作を詳細に説明する。図9は、第2の実施の形態の画像処理装置による画像形成処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS201からステップS202までは、第1の実施の形態にかかる画像処理装置100におけるステップS101からステップS102までと同様の処理なので、その説明を省略する。
ステップS203では、色変換部202が、RGB色空間の入力画像データをCMY色空間の画像形成用データに変換する(ステップS203)。本実施の形態では、色変換部202に含まれる3つの信号変換部(第1色信号変換部21、第2色信号変換部22、第3色信号変換部23)が、それぞれ対応する所定の色覚特性(色覚タイプ)を模擬した変換テーブルを用いて、RGB値をCMY値に変換する。
次に、合成部25が、第2色信号変換部22による変換結果、および第3色信号変換部23による変換結果を合成した第4の画像形成用データを生成する(ステップS204)。
次に、画像形成制御部3が、色変換部202により変換された画像形成用データを集約して印刷するように、または、両面印刷するように画像形成部6による画像の形成を制御し、画像形成処理を実行する(ステップS205)。
このように、第2の実施の形態の画像処理装置では、複数の色覚者のいずれかが判別しにくい色を同色に置換した画像を合成して出力する。これにより、一般色覚者が色覚特性別の画像を見比べて、判別しにくい箇所を探す手間を軽減することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の画像処理装置は、入力画像データに応じて動的に同色への変換を行う。
図10は、第3の実施の形態にかかる画像処理装置300の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、画像処理装置300は、出力形態指定部1と、色変換部302と、画像形成制御部3と、色信号置換部4と、色逆変換部5と、画像形成部6とを備えている。
第3の実施の形態では、色変換部302の機能と、色信号置換部4および色逆変換部5を追加したことが第1の実施の形態と異なっている。
色変換部302は、入力画像データを出力装置の画像形成用データでなく、CIELAB色空間の画像データ(以下、Lab画像データという)へ変換する点が第1の実施の形態の色変換部2と異なる。
色信号置換部4は、色変換部302による変換後のLab画像データ中の色弱者が混同しやすい色同士を同色に置き換える。
色逆変換部5は、色信号置換部4により置換された後のLab画像データを、出力装置の画像形成用のCMYデータ(画像形成用データ)へ変換する。
図11は、第3の実施の形態の色変換部302および色信号置換部4の構成例を示すブロック図である。図11に示すように、色変換部302は、第1色信号変換部321と、第2色信号変換部322と、第3色信号変換部323と、第4色信号変換部324とを備えている。
第1色信号変換部321、第2色信号変換部322、第3色信号変換部323、および第4色信号変換部324は、CMY値ではなく、Lab値に変換する変換テーブルを用いて、入力画像データを画像形成用データに変換する点が、第1の実施の形態の第1色信号変換部21、第2色信号変換部22、第3色信号変換部23、および第4色信号変換部24と異なっている。
すなわち、第1色信号変換部321、第2色信号変換部322、第3色信号変換部323、および第4色信号変換部324は、入力画像データを色弱者の見え方を模擬したLab値へ変換し、いずれの色覚特性を模擬したのかという情報と共に、色信号置換部4へ送る。
色信号置換部4は、色差評価部41と、色置換部42とを備えている。色差評価部41は、画像中の色弱者が混同しやすい色の組合せを評価して抽出する。色置換部42は、混同しやすい色を同色へ置換し、置換したLab画像データを色逆変換部5へ送る。
次に、図12を用いて第3の実施の形態の画像処理装置300の動作を詳細に説明する。図12は、第3の実施の形態の画像処理装置300による画像形成処理の全体の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS301からステップS302までは、第1の実施の形態にかかる画像処理装置100におけるステップS101からステップS102までと同様の処理なので、その説明を省略する。
次に、色変換部302が、RGB色空間の入力画像データを、RGB値と各色覚特性の知覚量を模擬したL*a*b*値とを対応付ける変換テーブルを用いて、Lab画像データに変換する(ステップS303)。具体的には、色変換部302に含まれる各信号変換部(第1色信号変換部321、第2色信号変換部322、第3色信号変換部323、第4色信号変換部324)が、それぞれ対応する所定の色覚特性(色覚タイプ)を模擬した変換テーブルを用いて、RGB値をLab値に変換する。色変換部302は、変換後のLab画像データと、いずれの色覚タイプの色覚特性を模擬したのかを表す情報とを色差評価部41へ送る。
次に、色差評価部41は、Lab画像データと色覚タイプを表す情報を受け取ると、色覚タイプごとの判別性の評価式を用い、画素間の色の判別性を評価する(ステップS304)。
具体的には、まず色差評価部41は、1画素目および2画素目のそれぞれのLab値の各成分の差分を表すΔL、Δb、Δaを求める。次に、色差評価部41は、上述の(7)式を用いて、判別性のスコア(Dist.)を算出する。(7)式における定数kの値は、第1の実施の形態と同様である。
次に、色差評価部41は、算出したスコア(Dist.)の値が所定値(以下では所定値=3とする)より小さいか否かを判断する(ステップS305)。
スコア(Dist.)の値が3未満であった場合(ステップS305:Yes)、色置換部42が、2画素目のL*a*b*値を、1画素目のL*a*b*値または黒((L*,a*,b*)=(0,0,0))に置換する(ステップS306)。
スコア(Dist.)が3以上であった場合(ステップS305:No)、2画素目のL*a*b*値は置換されず、そのままのL*a*b*値を保つ。ただし、比較元が白色((L*,a*,b*)=(100,0,0))であった場合には、置換は行わない。
次に、色信号置換部4は、比較元の画素(最初の処理では1画素目)がLab画像データの最終画素か否かを判断する(ステップS307)。最終画素でない場合は(ステップS307:No)、色信号置換部4は、次の画素(例えば2画素目)を比較元とし、比較対象を当該画素以降の画素(例えば3画素目以降)として、ステップS304〜ステップS306までの処理を繰り返す。
比較元の画素が最終画素である場合(ステップS307:Yes)、置換処理の行われたLab画像データが色逆変換部5へ送られる。そして、色逆変換部5が、送られてきたLab画像データの画素ごとのL*a*b*値を、色差が小さくなる出力装置の画像形成用のCMY値に変換した画像形成用データを生成する(ステップS308)。
例えば、CMY値を様々に組み合わせた色見本を出力・測色しておき、最も近い物を選んでも良い。また、少数の色見本を出力・測色し、CMY値から出力されるL*a*b*値を予測するようなモデルを構築し、そのモデルに基づき最も色差の小さくなるCMY値を求めても良い。さらに、予め出力装置のデバイス特性を記述した変換テーブルを構築しておき、それを用いて補間演算により求めるようにしても良い。色逆変換部5は、このようにして色信号置換部4から受け取ったLab画像データをCMY色空間の画像形成用データに変換し、画像形成部6に送る。
次に、画像形成制御部3が、紙などの記録媒体上に、受け取った画像形成用データを集約して印刷するように、または、両面印刷するように画像形成部6による画像の形成を制御し、画像形成処理を実行する(ステップS309)。
このように、第3の実施の形態の画像処理装置では、入力画像データに応じて動的に同色への変換を行う。画素単位処理のため、処理量が多くなるが、配色を固定とする必要がなくなる。
(第4の実施の形態)
上述のように、近年では、様々な色付き文字やカラー画像が使用されている。このような様々な色を用いた文書であっても、色覚に障害がある場合には色情報の判別が難しい。例えば、赤と緑の判別が難しい色覚の場合では、赤、緑、青を使用したグラフの、赤と緑の識別がしにくく、あるいは全く識別できないため、青とそれ以外の2要素から成るグラフとしか認識できない場合がある。また、カラー画像出力装置が多色を表現できるため、却って、一般的な色覚特性の人にとっても識別しづらい配色がなされてしまうことがある。
図13に色文字、円グラフ、写真を含むような文書例を示す。図13に示したグラフでは、円グラフ本体の塗り分けは、比較的面積が大きく、色同士が接しているため、色の違いは比較的分かりやすい。しかし、このグラフの情報を読み取るためには、凡例と対応付ける必要があるが、凡例部分は面積が小さいため、色同士の違いが分かりにくく、円グラフ本体部分との対応付けが難しくなる。同様に、色文字についても、明朝体のような細い字体で、しかも文字サイズが小さいような場合には、色文字の使い分けが認識しづらい。一方、写真などの自然物の画像については、経験的に対象物と色名を対応付けられる(葉は緑、人の顔は肌色等)場合が多く、また、色の塗り分けそのものが意味を持つものではない場合が多い。
従来、このような色覚障害に配慮して、例えば、色弱者が複数の色同士を容易に識別できるようにするために、輝度成分とそれ以外の2成分のうち、第1軸の成分に応じて、第1軸の成分が所定値以上の場合と、所定値以下の場合とで、いずれか一方の場合に、輝度成分を減少させると共に、他方の場合には輝度成分を増加させ、輝度成分の変化に応じて、第2軸の成分を減少させるような装置が提案されている(特許文献3を参照)。
また、色覚障害タイプを入力し、それに応じてドキュメントデータ中の混同色を検索し、色の変更が必要であった場合に、過去の色変更の情報があれば、それを用いて色変更を行うような装置が提案されている(特許文献4を参照)。
さらに、予め登録された、色弱者が誤認する傾向にある色に関する情報を参照して、入力画像データにそれらの色が含まれているかを判定し、含まれている場合には、その色を所定の色に変換する装置も提案されている(特許文献5を参照)。
しかしながら、上記した特許文献3では、第1軸の成分に応じて輝度成分を変化させ、それに応じて第2軸の成分を減少させているが、色が使用されている領域の面積を考慮していない。このため、前述のように、グラフの凡例のような小面積領域の識別性を十分に向上させることができない可能性がある。また、第2軸の成分を減少させてしまうため、例えばb*軸方向で近い色があった場合に、識別性を悪化させてしまう可能性もある。
特許文献4、5についても同様に、色が用いられている領域の面積が考慮されていないため、小面積領域の識別性を十分に向上させることができない可能性がある。
そこで、第4の実施の形態では、入力カラー画像におけるグラフの凡例や文字部分のような小面積領域に色が用いられている場合に、色弱者であっても、色の違いが識別しやすいような色に調整する色調整装置としての画像処理装置400について説明する。
第4の実施の形態の画像処理装置400では、入力カラー画像に含まれる色が、小面積領域で用いられているような場合であっても、色弱者が色同士の違いを識別しやすいような色に調整することができる。
このような色の調整は、出力装置の色再現範囲内での処理を前提としている。実際は出力装置の色再現範囲外の色も処理対象となりうる。このため、上述のように、印刷物上で色の違いが分かりやすいように配色をしても、投影画像では色の判別性が改善されないという問題が生じうる。そこで、第4の実施の形態では、さらに、上述の第1〜第3の実施の形態の方法により、混同色を同一色に変換する。すなわち、再現範囲外での処理も考慮するため、差異を拡大できない部分を第1〜第3の実施の形態の方法により同色に変換する。
これにより、判別性が改善されない場合に、色弱者に判別しにくい色の使用を控える、または別の色に置き換えるという、デザイン上の制限や、配色を変更する手間が発生するという問題を回避できる。すなわち、文書作成時の負荷の増大およびデザインの自由度の制限を回避することができる。
なお、第1〜第3の実施の形態の方法により混同色を同一色に変換する処理を行わず、面積を考慮した色の調整までを行うように構成してもよい。
第4の実施の形態は、入力画像信号(入力画像データ)として、PDLで記述されたプリンタデータが入力された場合に、塗りつぶし部分を抽出し、色差を拡大する。対象とする色覚特性は、色弱者のほとんどを占めるP/D型色覚である。
図14は、第4の実施の形態の画像処理装置400の構成を示す図である。図14に示すように、画像処理装置400は、色抽出部401と、面積評価部402と、色信号変換部403と、使用色分類部404と、識別性評価部405と、色調整部(第1色調整部)406とを備えている。なお、図14では省略しているが、画像処理装置400は、さらに、第1〜第3の実施の形態のいずれかの機能を実現する図1または図10の各構成部を備えている。すなわち、色調整部406により調整された入力画像データに対して、同一色への変換を行って画像を形成するための各構成部を備えている。
色抽出部401は、入力画像データから、同一色での塗りつぶしに用いられている色の情報を抽出する。面積評価部402は、色抽出部401で抽出された同一色で塗りつぶされた領域の面積を算出する。色信号変換部403は、色抽出部401で抽出された入力画像データの使用色を、識別性評価や色調整を行うための中間色信号へと変換する。使用色分類部404は、中間色信号へ変換された使用色の所定の色成分の値に応じて、使用色を複数のグループに分類する。識別性評価部405は、使用色分類部404で分類されたグループ毎に、使用色同士の識別性を評価する。色調整部406は、識別性評価部405による、識別性判定結果などに応じて、入力画像データの使用色に対し、識別性を向上させるような色調整を行う。
次に、入力された画像データの使用色に対し、色調整が行われる処理の流れを説明する。図15は、第4および第5の実施の形態の処理フローチャートである。なお、第4の実施の形態では、ステップ16、17の処理を実行せず、ステップ15からステップ18に処理が進む。
まず、入力画像データが入力される(ステップS11)と、色抽出部401は、入力画像データに含まれる塗りつぶし領域のRGB値の抽出を行う(ステップS12)。本実施の形態では、一般的なオフィス文書に用いられることの多いsRGB値とみなして以下説明するが、必ずしもsRGB値である必要はない。入力画像データのヘッダーなどにRGB値の属性が記述されているような場合には、Adobe(登録商標)RGBやscRGBといった拡張RGBなどであっても構わない。
次に、面積評価部402が、入力画像データに含まれる塗りつぶし領域の面積の評価を行う(ステップS13)。そして、色信号変換部403が、入力画像データに含まれる塗りつぶし領域のRGB値をCIELABなどの中間色信号に変換する(ステップS14)。そして、使用色分類部404が、中間色信号へと変換された使用色を、複数のグループに分類する(ステップS15)。
識別性評価部405は、使用色分類部404によって複数のグループに分類された使用色に対して、グループ毎に、それぞれ識別し難い色の組合せが無いか、識別性の評価を行う(ステップS18)。識別性に問題のある色が同一グループに含まれていなければ(ステップS18:No)処理は終了し、識別性に問題のある色が同一グループに含まれていた場合には(ステップS18:Yes)、色調整部406が、識別性を向上させるため、グループ内で、所定の色成分の差異が拡大するような処理を行う(ステップS19)。
この後、図15では省略しているが、上述の第1〜第3の実施の形態のいずれかの方法(図5、図9、および図12のいずれかの処理)により、色が調整された入力画像データを対象として、混同色が同一色に変換された画像形成用データが生成され、画像形成処理が実行される。
次に、第4の実施の形態の処理を詳細に説明する。まず、対象となる画像データが入力されるが、ここでは、ページ記述言語(以下PDL)で記述された入力画像データを前提として説明する。PDLとは、プリンタに対して描画を指示するためのプログラミング言語のことであり、文字や図形、その描画位置や色などを指定することができる。図16は、PDLによって記述された入力画像データの例を示す。
入力画像データが入力されると、色抽出部401は、入力画像データ中の文字や図形の色情報を抽出する。具体的には、図17における、FontColor、FillColorといった、文字色や領域の塗りつぶし色に関する記述を探索し、それに続く数値データ(RGB値)を抽出していく。その際、既に抽出された色と同一の色であった場合には、重複して抽出しない。図19(a)は抽出例である。No.は抽出された順番、RGBは、使用色のRGB値であり、その他は、色信号変換部403などにより用いられるため、この時点では全て0で初期化された状態である。このように抽出された使用色情報と入力画像データが面積評価部402へ送られる。また、色調整部406へは入力画像データのみが送られる。
面積評価部402は、入力画像データと使用色情報を受け取ると、使用色の用いられている領域の面積の評価を行う。面積評価部402は、図19(a)に示すような使用色情報の1色目のRGB値を参照し、入力画像データ中の同じRGB値が設定されている部分を探す。そして、面積評価部402は、一致する色情報が見つかったら、その周辺でFontSizeやRectFillといった、文字サイズや塗りつぶし領域の大きさの情報を持った記述を探す。そして、面積評価部402は、FontSizeであればその2乗値を、図形であればその面積を、面積情報として設定する。図17の例であれば、C302:RectFillの後の4つの数値は、{x座標、y座標、幅、高さ}を示している。このため、面積評価部402は、幅×高さ、すなわち、20*20=400を面積情報とする。文字列であれば、面積評価部402は、C101で指定されたフォントサイズ10の2乗で100を面積情報とする。このように、面積評価部402は、使用色毎に、面積情報を算出していき、同一の色について、複数箇所に用いられている場合には、最小面積を面積評価値として採用する。すなわち、円グラフとその凡例などであれば、一般的には円弧・扇形の部分の面積ではなく、凡例の部分の面積を採用することになる。このように算出された面積情報(S)が付加された使用色情報(図19(b))が、色信号変換部403へと送られる。
色信号変換部403は、面積評価部402から使用色情報を受け取ると、使用色毎に、RGB(ここでは、sRGB)値を中間色信号(ここでは、CIELAB)へと変換する。中間色信号への変換では、色信号変換部403は、まず、入力されたsRGB色信号をsRGBの仕様(IEC/4WD 61966−2−1:Colour Measurement and Management in Multimedia Systems and Equipment−Part 2−1: Default RGB Colour Space−sRGB)に基づき、XYZ三刺激値へと変換する(上述の(1)式〜(3)式)。さらに、色信号変換部403は、CIELAB表色系の定義に従い、L*a*b*値を算出する。色信号変換部403は、このように算出した中間色信号を付加した使用色情報(図20(a))を使用色分類部404と識別性評価部405へと送る。
使用色分類部404は、色信号変換部403から使用色情報を受け取ると、各使用色をb*成分の正負に応じて2つのグループに分け、その分類情報を識別性評価部405へと送る。図20(a)の例であれば、b*値がマイナスのNo.1,4,5(Gr=1)と、プラスのNo.2,3,6(Gr=2)の2つに分類される。識別性評価部405は、色信号変換部403から使用色情報を、使用色分類部404から使用色のグループ情報Grを受け取ると、分類されたグループ毎に、識別性の評価を行う。識別性評価部405は、分類後のグループ毎に、グループ内での全ての色の組合せに対して識別性を評価する。識別性評価部405は、あらかじめ主観評価実験などを行い、明度差やその他の色成分の差異と、識別しやすさを関連付ける評価式を構築しておき、それを用いて識別性を評価する。以下の(9)式に識別性評価式の一例を示す。
Figure 2011024191
(9)式において、Sは評価対象領域の面積、ΔL*は、評価対象と比較対象の2色の明度差、Δb*は2色のb*成分差である。面積が小さいほど、評価値Distは小さくなる。また、ΔL*やΔb*についても同様である。
図20(b)において、例えば、No.1の識別性を評価する場合には、同じグループ内のNo.4及び5に対して識別性の評価を行う。
No.4に対して評価する場合、以下のようになる。
Dist.=100/225*(0.167*|47.09−41.96|+0.125*|−33.08+26.63|)=0.74
No.5に対しては、以下のようになる。
Dist.=100/225*(0.167*|47.09−58.67|+0.125*|−33.08+19.78|)=1.60
この場合、より識別性の低い方の0.74をNo.1の識別性評価値として採用する(図20(b))。
一方、No.2の識別性評価は、No.3とNo.6に対して、それぞれ評価値が5.81、6.88となり、5.81を評価値とする。このようにして算出した識別性評価値Distが使用色情報に付加され、色調整部406へと送られる。
色調整部406は、識別性評価部405より使用色情報(図20(b))を受け取ると共に、色抽出部401から入力画像データを受け取る。色調整部406は、受け取った使用色情報において、識別性の評価値(Dist.)に所定値(例えば2.5)未満の値があった場合、その色を含むグループ内の色に対して識別性向上のための色調整を行う。以下、その色調整について説明する。
図20(b)において、まず、L*が中央となる色を決める。この例ではNo.1,4,5であるから、No.1の明度が3色の中央となる。そして、その色を固定し、その他の2色の明度を、評価値が所定値(例えば2.5)以上となるように調整する(図21(a))。(但し、中央の色の明度が40〜60の範囲から外れるように、偏りがある場合には、中央の明度が例えば50になるように、他の色も一律に同明度だけ調整し、その調整後の色に対し、以下の調整を行う)。この際、Δb*の値は、最初は固定し、明度のみを調整する。No.5の色については、明度を70.87とすると、評価値が2.5となり、No.1との識別性が所定値以上となる。一方、No.4については、明度を20.0としても識別性が2.37にしかならず、十分な識別性が確保できているとは言えない。なお、明度を20としたのは、カラープリンタ等の画像形成装置の色再現範囲を考慮したもので、ここでは、これ以上明度を下げると表現できなくなる明度の下限値として20としている。但し、画像形成方式などにより、色再現範囲は大きく異なるため、下限を20よりも大きく又は小さく設定しても良い。同様に、上限についても、ここでは80を想定して70.87を許容したが、画像形成方式によっては、70程度に上限を設定することもありうる。
ところで、No.4について、明度を下げてもNo.1との識別性が確保できないため、このような場合には、L*の次に、b*成分を調整する。No.1のb*成分との差分値を拡大するため、b*成分を23.9程度に調整すると、評価値がおよそ2.5となり、識別性が所定値以上となる(図21(a))。以上のように調整したL*a*b*値をS14の逆変換によりsRGB値に変換して生成した、色調整テーブルが図21(b)である。
色調整部406は、入力画像データ中のFontColorやFillColorの記述のRGB値とテーブルのRGB値が一致した場合に、調整後のR’G’B’値へと置換する。その一例が図18である。C102及びC301の文字色や塗りつぶし領域の色の情報のみが置き換わっている。
以上、識別性向上のための色調整について説明したが、対象とする色覚タイプはP/D型を前提としている。T型色覚者の識別性を向上させようとする場合には、識別性評価や色調整処理において、b*をa*に置き換えて実施すれば良い。すなわち、P/D型色覚者はL*方向及びb*方向の色成分の違いは一般色覚者と同等以上に識別できるが、a*方向の色成分の違いが分からないため、L*及びb*成分の差異を強調することで識別性を向上している。一方、T型色覚者においては、L*とa*は一般色覚者と同等以上だが、b*成分の違いが分かりにくいため、L*及びa*成分の差異を強調する必要がある。
以上説明した実施の形態では、入力画像データに使用されている色を、面積を考慮した識別性の評価に応じて色調整を行うことで、色弱者が小面積の凡例を含むグラフ画像などを閲覧する場合であっても、容易に色同士を識別することが可能な色調整を行うことが可能である。また、b*成分の正負などに応じてグループ分けし、グループ毎に色調整することで、比較的色混同の起きにくい色同士の識別性を考慮することなく、容易に色調整が可能である。
本実施の形態によれば、入力画像データ中の塗りつぶし領域の面積に応じて識別性の評価及び色調整を行っているため、グラフの凡例や文字の色のような、色の違いが分かりにくいような色であっても、色弱者にとって識別性の良くなるような色調整を行うことが可能である。また、P/D型の色弱者が、一般色覚者と同等以上に識別しやすい輝度成分と所定の第2の色信号成分を調整しているので、P/D型色弱者であっても、識別性の良くなるような色調整を行うことが可能である。また、T型の色弱者が、一般色覚者と同等以上に識別し易い輝度成分と所定の第3の色信号成分を調整しているので、T型色弱者であっても、識別性の良くなるような色調整を行うことが可能である。さらに、面積が小さいほど、色調整量を大きくしているので、グラフの凡例や色文字といった、色を認識しづらい対象に対しても、色の識別性が良くなるような色調整を行うことが可能である。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、入力画像データ中の使用色をb*成分の正負で2つのグループに分けた場合に、グループ間でb*成分の差異が所定値よりも小さい色があった場合に、あらかじめb*成分の差異を強調した上で、グループ毎に識別性の評価や色調整を行う。
図16は、第5の実施の形態に係る色調整装置としての画像処理装置500の構成例を示すブロック図である。第5の実施の形態では、第4の実施の形態の構成に、第2色調整部407を追加している。図15は、第4および第5の実施の形態の処理フローチャートである。第5の実施の形態では、ステップ16、17の処理を実行する。
以下、第2色調整部407における処理について説明する。第2色調整部407は、色信号変換部403から使用色情報を受け取ると共に、使用色分類部404から使用色グループ情報を受け取ると、分類されたグループ間で、b*成分の最小となる2色を抽出する。すなわち、第2色調整部407は、b*成分がプラスのグループであればb*が最小の色を抽出し、b*成分がマイナスのグループであればb*成分が最大(絶対値が最小)の色を抽出する(図20(b)から、それぞれ、No.2とNo.5が該当することが分かる。)。そして、第2色調整部407は、それら2色のb*成分差(絶対値)を算出する。図20(b)の例では、第2色調整部407は、以下のようにb*成分差Δb*を算出する。
Δb*=22.66−(−19.78)=42.44
この値が所定値(例えば45)未満であった場合、b*成分の差異(絶対値)を拡大する(ステップS16,17)。
No.2の色については、
b*=b*+(45−42.44)/2=23.94
No.5の色については、
b*=b*−(45−42.44)/2=−21.06
となる。
そして、第2色調整部407は、この処理により、それぞれのグループでb*の最小もしくは最大となる色に変化があった場合には、それら2色についても同様の処理を行い、グループ間で最も近い色同士のb*成分の差が45以上になるまで繰り返す。ここでは一例として閾値を45としているが、これに限定されるものではなく、使用色の面積が非常に大きい場合はこれよりももっと小さい値でも良いし、面積が非常に小さい場合には、さらに大きな値を用いる必要がある。以下、ステップS18以降、第4の実施の形態と同様の処理を行う。
b*成分の正負により使用色を分類した場合、正負の色同士は、黄と青の全く別系統の色に見えるため、比較的混同しにくい。しかし、例えば、両方とも明度が低かった場合、両方とも暗い灰色に見えてしまい、混同してしまう可能性がある。
以上説明した実施の形態では、使用色をb*成分の正負で2つに分類した後、それぞれのグループ間で最もb*成分差の小さい色同士に対して、その差異を所定値以上になるようにあらかじめ調整しているため、それぞれのグループ毎に色調整を行っても、全ての使用色の識別性を確保することができる。本実施の形態についても、T型色弱者の識別性を向上させる場合には、b*をa*に置き換えれば良いのは明らかである。
本実施の形態によれば、入力画像データ中の使用色を分類し、分類したグループ間での最小のb*もしくはa*成分差が所定値以上になるようにしているので、グループ間で色みの近い色があった場合にも、識別性が良くなるような色調整を行うことが可能である。
図22は、上記各実施の形態をソフトウェアで実施する場合の画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。上記各実施の形態の画像処理装置に相当するコンピュータ600は、プログラム読取装置600a、全体を制御するCPU600b、CPU600bのワークエリア等として使用されるRAM600c、CPU600bの制御プログラム等が記憶されているROM600d、ハードディスク600e、NIC600f、マウス600g、キーボード600h、画像データの表示およびユーザーが画面に直接触れることで情報の入力が可能なディスプレイ601、カラープリンタ等の画像形成装置602とを備えている。本画像処理装置は、例えばワークステーションやパーソナル・コンピュータ等で実現することができる。
このような構成の場合、図1および図10に示した各構成部(出力形態指定部1、色変換部2、画像形成制御部3、画像形成部6等)、および、図14、16に示した色抽出部401、面積評価部402、色信号変換部403、使用色分類部404、識別性評価部405、色調整部406、第2色調整部407の機能はCPU600bに実行させることができる。また、入力画像データは、DISK100eやRAM600c、ROM600dのいずれかに保持されたものを読み出したり、NIC600fから入力させることができる。なお、CPU600bで行われる画像処理機能は、例えばソフトウェアパッケージ、具体的には、CD−ROMや磁気ディスク等の情報記録媒体の形で提供することができる。このため、図22に示す例では、情報記録媒体がセットされると、これを駆動する図示しない媒体駆動装置が設けられている。
以上により、本発明における色調整方法(画像処理方法)は、ディスプレイ等を備えた汎用の計算機システムにCD−ROM等の情報記録媒体に記録されたプログラムを読み込ませて、この汎用計算機システムの中央演算装置に色調整処理(画像処理)を実行させる装置構成においても実施することが可能である。この場合、本発明の色調整処理(画像処理)を実行するためのプログラム、すなわちハードウェアシステムで用いられるプログラムは、記録媒体に記録された状態で提供される。プログラムなどが記録される情報記録媒体としては、CD−ROMといったものに限定されるものではなく、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ、光磁気ディスクといったものが用いられても良い。記録媒体に記録されたプログラムは、ハードウェアシステムに組み込まれている記憶装置、例えばハードディスク600eにインストールされることにより、このプログラムを実行して、画像処理機能を実現することができる。また、上記実施の形態の機能等を実現するためのプログラムは、ネットワークを介した通信によってサーバから提供されるものでも良い。
1 出力形態指定部
2、202、302 色変換部
3 画像形成制御部
4 色信号置換部
5 色逆変換部
6 画像形成部
21、321 第1色信号変換部
22、322 第2色信号変換部
23、323 第3色信号変換部
24、324 第4色信号変換部
25 合成部
41 色差評価部
42 色置換部
100、300、400、500 画像処理装置
401 色抽出部
402 面積評価部
403 色信号変換部
404 使用色分類部
405 識別性評価部
406 (第1)色調整部
407 第2色調整部
特開2006−350066号公報 特開2007−334053号公報 特許第3867988号公報 特許第4155051号公報 特開2006−246072号公報
岡部正隆、伊藤啓、「色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法」(URL:http://www.nig.ac.jp/color/gen/index.html)

Claims (11)

  1. 入力画像データを画像形成に用いる画像形成用データに変換する色変換部と、
    前記画像形成用データによる画像形成を制御する制御部と、を備え、
    前記色変換部は、前記入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、前記画像形成用データの色空間の同一色に変換すること、
    を特徴とする画像処理装置。
  2. 前記入力画像データの色空間の色と、前記画像形成用データの色空間の色とを対応づけたテーブルであって、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色に対して予め定められた特定色を対応づけた変換テーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記色変換部は、前記変換テーブルを用いて前記入力画像データを前記画像形成用データに変換すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記色変換部は、複数の色覚特性それぞれに対して、前記色覚特性の色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、前記色覚特性ごとに定められた同一色に変換し、
    前記制御部は、複数の色覚特性それぞれに対して変換された複数の前記画像形成用データによる画像形成を制御すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記色変換部は、さらに、複数の色覚特性それぞれに対する複数の前記画像形成用データの少なくとも1つで同一色に変換された画素を、予め定められた色に変換した合成画像データを生成し、
    前記制御部は、前記合成画像データの出力を制御すること、
    を特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記入力画像データの色空間の色と、前記画像形成用データの色空間の色とを対応づけた変換テーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記色変換部は、前記変換テーブルを用いて前記入力画像データを前記画像形成用データに変換し、さらに、予め定められた評価式により、前記画像形成用データの相互に隣接する画素間の色の色差を算出し、算出した色差が予め定められた閾値より小さい場合に、色差が前記閾値より小さい複数の画素それぞれを予め定められた色に変換すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記色変換部は、前記入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、前記画像形成用データの色空間で対応する複数の色のうちいずれか一方の色に変換すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記色変換部は、前記入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、前記画像形成用データの色空間の黒色に変換すること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色が前記画像形成用データの色空間の同一色に変換される旨を通知する通知部をさらに備えること、
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 入力画像データを画像形成に用いる画像形成用データに変換する色変換ステップと、
    前記画像形成用データによる画像形成を制御する制御ステップと、を含み、
    前記色変換ステップは、前記入力画像データの色空間に含まれる色のうち、色弱者が相互に判別することが困難な色として予め定められた複数の色それぞれを、前記画像形成用データの色空間の同一色に変換すること、
    を特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項9記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  11. 請求項9記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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