JP2008185688A - カラー表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カラーデザインをする正常色覚者に対し色覚異常者が認識する画像を容易に模擬体験できるようにしたカラー表示装置を提供すること。
【解決手段】画像信号処理回路3として、入力した画像信号を正常色覚者の認識する色覚基準により画像処理する基本画像処理回路11と、この基本画像処理回路11により処理された画像信号を、色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する画像補正回路12と、基本画像処理回路11により処理された画像信号を、そのまま出力するか、画像補正回路12において補正された画像信号として出力するかを切り換える切換処理回路4とを備えている。また、画像補正回路12は、第1色覚異常者及び第2色覚異常者を対象とするように構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】画像信号処理回路3として、入力した画像信号を正常色覚者の認識する色覚基準により画像処理する基本画像処理回路11と、この基本画像処理回路11により処理された画像信号を、色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する画像補正回路12と、基本画像処理回路11により処理された画像信号を、そのまま出力するか、画像補正回路12において補正された画像信号として出力するかを切り換える切換処理回路4とを備えている。また、画像補正回路12は、第1色覚異常者及び第2色覚異常者を対象とするように構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、プロジェクタ等のカラー表示装置に関し、特に、色覚異常者の認識するカラー表示を模擬体験可能としたカラー表示装置に関する。
近年、時代の進歩とともに、各種印刷物、表示パネル、映像等の画像表示装置などにおいて、情報に関心を引き付け易くするとともに、より的確に伝達できるようにするためにカラーデザイン化が浸透してきており、情報伝達手段としてのカラーデザインの重要性が増大している。しかしながら、これまでのカラーデザインは、正常色覚者による色認識を基準として行われていたため、色覚異常者にとって現代社会は不便を感じるケースが多くなってきている。
本明細書において色覚異常者とは、色覚異常者又は色覚障害者と呼ばれる人々のことをいう。また、色覚異常者としては、赤と緑の区別が付き難い赤緑色覚異常者が圧倒的に多く、このような異常が現れるのは赤椎体系又は緑椎体系に異常が発生することに起因するといわれている。なお、赤椎体系に異常がある場合を第1色覚異常といい、緑椎体系に異常がある場合を第2色覚異常と呼んでいる。本明細書における色覚異常者は、このような赤緑色覚異常者のことをいうものとする。
そして、このような色覚異常者の人口割合は、世界各国において決して少なくはない。例えば、黄色人種では、女性の場合は500人に対し約1人の割合(約0.2%)と比較的低いが、同じ黄色人種でも男性の場合は20人に約1人の割合(約5%)と高い。また、黒人の場合も男性が約5%と高割合であり、白人の男性に至っては約8%の高割合に達する。このようなことから、色覚異常者にとって不利にならないようなカラーユニバーサルデザインを広めることが、今後の社会問題として重要であると考えられる。
このような時代背景の下にあって、色覚異常者の色認識を考慮した表示装置として、特許文献1に記載の画像処理装置が提案されている。この画像処理装置は、正常色覚者による色認識を基準として設計されたカラー画像を、色覚異常者であるユーザ個人の好みの特性に補正した画像を提供しようとしたものである。
特開平8−16129号公報
しかしながら、上記特許文献1の画像処理装置は、ユーザ個人の好みの特性に画像信号を補正するものであって、正常色覚者がデザインしたカラー表示物を色覚異常者の認識する画像として表示するものではない。従って、この画像処理装置は、画像情報における色覚異常者の不利を是正するものではあるが、各種情報メディアにおける色覚異常者の不便を除去するカラーデザインを行うための支援ツールとして機能するものではない。
色が重要な伝達手段になっている現代において、色覚異常者に不便をかけないカラーユニバーサルデザインを広めるためには、色覚異常者が認識する色覚基準を配慮してカラーデザインすることが必要である。また、このためには正常色覚者が表示物のカラーデザインを行うときに、カラーユニバーサルデザインを支援するツールとして、色覚異常者の認識する画像を容易に模擬体験できるような簡易な装置が必要である。
本発明は、従来技術に存在するこのような問題点に着目してなされたものであって、カラーデザインをする正常色覚者に対し色覚異常者が認識する画像を容易に模擬体験できるようにしたカラー表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係るカラー表示装置は、上記課題を解決するものであって、画像信号処理回路として、入力した画像信号を正常色覚者の認識する色覚基準により画像処理する基本画像処理回路と、この基本画像処理回路により処理された画像信号を、色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する画像補正回路と、基本画像処理回路により処理された画像信号を、そのまま出力するか、画像補正回路において補正された画像信号として出力するかを切り換える切換処理回路とを備えていることを特徴とする。
このような構成上の特徴を有する本発明に係るカラー表示装置によれば、正常色覚者が認識する色覚基準により処理された画像信号に基づく正常色覚者用のカラー画像と、色覚異常者が認識する色覚基準により処理された画像信号に基づく色覚異常者用のカラー画像とを選択的に供給することができる。このため、正常色覚者は色覚異常者の認識するカラー画像を容易に見ることができる。そして、このような模擬体験を繰り返し体験することにより、色覚異常者の認識を配慮したカラーユニバーサルデザインを可能とするものであり、本発明に係るカラー表示装置はカラーユニバーサルデザインを支援する有益なツールとして活用することができる。
前記画像補正回路は、第1色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する第1色覚異常補正回路と、第2色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する第2色覚異常補正回路とを有し、使用者の選択によりいずれか一方を選択するように構成されていることが好ましい。このように構成すれば、使用者が選択した色覚異常者の種類に対応して補正された画像を出力することができる。
また、第1色覚異常補正回路及び第2色覚異常補正回路は、正常色覚者が認識するRGB各値と第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値とを段階的に対比させた第1補間テーブル又は第2補間テーブルを使用して、基本画像処理回路から出力されたRGB画像信号の値を第1色覚異常者又は第2色覚異常者の認識するRGB各値に補間計算するとともに、補間計算された数値のRGB画像信号の値となるように基本画像処理回路から出力された画像信号を補正するように構成されていることが好ましい。このように構成すると、基本画像処理回路で処理された画像信号を、画像補正回路における第1補間テーブル又は第2補間テーブルを使用した演算処理により、第1色覚異常者及び第2色覚異常者の認識する画像を実現する画像信号に補正することができるとともに、その処理時間を軽減することができる。また、信頼性のある補間テーブルを使用することにより、色覚異常者の認識する画像に近似する画像を容易に表示することができる。
また、前記第1補間テーブル及び第2補間テーブルは、正常色覚者が認識するRGB各値をビット数に応じた諧調の数値で表し、この正常色覚者が認識する数値に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値を示したものであり、
前記第1色覚異常補正回路及び第2色覚異常補正回路は、前記第1補間テーブル及び第2補間テーブルの各数値をRGB3軸の直角座標上に表示するRGB3軸座標において、基本画像処理回路から入力されたRGB画像信号の値をプロットした点の近傍8ポイントの数値に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識する値を読み出し、これら読み出された8ポイントの数値に基づき、前記基本画像処理回路から入力されたRGB画像信号に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値を補間計算し、この補間計算結果に基づき補正値を求めるように構成されているようにすることが好ましい。このように構成すれば、補間計算が合理的なルールに従って精度よく行われるので、より現実的な色覚異常者の認識する画像に近似した画像を提供することができる。
前記第1色覚異常補正回路及び第2色覚異常補正回路は、前記第1補間テーブル及び第2補間テーブルの各数値をRGB3軸の直角座標上に表示するRGB3軸座標において、基本画像処理回路から入力されたRGB画像信号の値をプロットした点の近傍8ポイントの数値に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識する値を読み出し、これら読み出された8ポイントの数値に基づき、前記基本画像処理回路から入力されたRGB画像信号に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値を補間計算し、この補間計算結果に基づき補正値を求めるように構成されているようにすることが好ましい。このように構成すれば、補間計算が合理的なルールに従って精度よく行われるので、より現実的な色覚異常者の認識する画像に近似した画像を提供することができる。
また、前記画像補正回路は、前記補正値を複数段階の補正度合いに調整する補正度調整機能付きの第1色覚異常補正回路と第2色覚異常補正回路とを有し、使用者によりいずれか一方の補正回路を選択可能とするとともに、補正度合いのレベルを選択可能とするように構成されているものとしてもよい。このように構成すれば、現実に使用する色覚異常者との情報交換により補正度合いを調整し、より一層色覚異常者が認識する画像に近い状態の画像を提供することができる。
また、前記カラー表示装置は、液晶プロジェクタとすることができる。カラー表示装置を液晶プロジェクタとすると、PCなどで作成したプレゼンテーション資料や、商品のデザイン写真などの画像を本発明の液晶プロジェクタを利用して色覚異常者の認識する画像を見ることができる。したがって、このような体験を通して、作成したい資料や商品をカラーユニバーサルデザインすることができる。
本発明によれば、正常色覚者が認識する色覚基準により処理された画像信号に基づく正常色覚者用のカラー画像と、色覚異常者が認識する色覚基準により処理された画像信号に基づく色覚異常者用のカラー画像とを選択的に供給することができる。このため、正常色覚者は色覚異常者の認識するカラー画像を容易に模擬体験することができる。そして、このような模擬体験を繰り返し可能とすることにより、色覚異常者の立場に立ったカラーユニバーサルデザインを可能とする。このようにして、本発明に係るカラー表示装置はカラーユニバーサルデザインを支援する有益なツールとして活用することができる。
(実施の形態1)
この実施の形態におけるカラー表示装置は、色覚異常者の認識するカラー画像を正常色覚者が容易に見ることができるようにした液晶プロジェクタであって、液晶3板式の投射型プロジェクタに構成されている。図1は、実施の形態1に係る液晶プロジェクタにおける画像処理に関連する概略機能ブロック図である。以下、本実施の形態に係る3板式液晶プロジェクタの概略構成について図1に基づき説明する。
この実施の形態におけるカラー表示装置は、色覚異常者の認識するカラー画像を正常色覚者が容易に見ることができるようにした液晶プロジェクタであって、液晶3板式の投射型プロジェクタに構成されている。図1は、実施の形態1に係る液晶プロジェクタにおける画像処理に関連する概略機能ブロック図である。以下、本実施の形態に係る3板式液晶プロジェクタの概略構成について図1に基づき説明する。
図1に示すように、パソコン、ビデオ等からの入力画像信号がA/D変換回路1に入力されて、デジタル信号に変換される。変換された画素は、画素変換回路2においてスケーリングされる。すなわち、この画素変換回路2において、入力画像信号の解像度を表示部の解像度に合わせ込む処理が行われる。画素変換回路2でスケーリングされた画像信号は、画像信号処理回路3に入力される。
画像信号処理回路3は、入力した画像信号を通常の液晶プロジェクタにおける画像処理と同様の画像処理を行う基本画像処理回路11と、この基本画像処理回路11により処理された画像信号を、色覚異常者の認識する画像に変換する画像補正回路12とを備えている。上記通常の液晶プロジェクタにおける画像処理とは、一般の液晶プロジェクタにおける画像処理回路において行われる画像処理であって、正常色覚者の認識する色覚を基準とするカラーマネージメント、シャープネス等の高画質な画像信号を得るための処理をいう。また、画像補正回路12における処理は、本発明における重要ポイントである。その補正処理の内容については後述する。
また、この液晶プロジェクタにおいては、基本画像処理回路11により処理された画像信号を、そのまま出力するか、画像補正回路12により補正された画像信号として出力するかは、OSD(On Screen Display)機能により選択可能としたOSD切換処理回路4により行われる。すなわち、液晶プロジェクタのOSDメニューで表示モードが正常色覚者用モード(以下、通常表示モードという)か色覚異常者用モード(以下、補正表示モードという)かを選択可能としている。
OSD切換処理回路4において通常表示モードが選択された場合は、基本画像処理回路11から出力された画像信号がOSD切換処理回路4を介してそのままデジタルガンマ補正回路5に出力されるように接続される。また、OSD切換処理回路4において補正表示モードが選択された場合は、前述の画像補正回路12からの出力、すなわち、基本画像処理回路11から出力された画像信号を画像補正回路12で補正した後の画像信号がOSD切換処理回路4を介してデジタルガンマ補正回路5に出力されるように接続される。
そして、デジタルガンマ補正回路5に入力されたRGB各色の画像信号は、ガンマ補正された画像信号としてRGB各色用のLCDパネル7(液晶パネル)を駆動する各LCDパネルドライバ6に入力されて、各色のLCDパネル7が駆動される。
この実施の形態に係る3板式液晶プロジェクタにおいては、光源として超高圧水銀ランプが使用されている。超高圧水銀ランプからの白色光は、RGB分解用ダイクロイックミラーを経て白色光をRGB3成分に分解される。そして、RGB3成分に分解された光は、前述の各色用のLCDパネル7に透過され、このLCDパネル7の各LCDパネルドライバ6にデジタルガンマ補正回路5を経た画像信号が入力されることにより画像を形成する光として生成される。各色のLCDパネル7を透過した画像形成用のRGB3成分の光は、RGB合成用ダイクロイックミラーにより合成され、さらに投射レンズ等の光学系装置を経てスクリーンに投射され、所定のカラー画像がスクリーンに形成される。
次に、本実施の形態における画像補正回路12について、図1〜図5に基づき説明する。
画像補正回路12は、基本画像処理回路11により処理されたRGB画像信号を色覚異常者の認識する画像に変換するものであって、基本画像処理回路11により処理された画像信号を色覚異常者の認識する色覚基準による画像信号に補正する。また、画像補正回路12は、第1色覚異常者が認識する色覚基準による画像信号に補正する第1色覚異常補正回路14と、第2色覚異常者が認識する色覚基準による画像信号に補正する第2色覚異常補正回路15とを備えている。使用者は、第1色覚異常者の認識する画像を求めるか、第2色覚異常者の認識する画像を求めるかにより、第1色覚異常補正回路14と第2色覚異常補正回路15とを選択できるように構成されている。また、選択された第1色覚異常補正回路14又は第2色覚異常補正回路15を駆動させるようにするために、この画像補正回路12には信号切換回路13が設けられている。なお、この選択は、液晶プロジェクタのOSDメニューで選択できるように構成されている。OSDメニューで選択された補正回路の選択指令は、前記OSD切換処理回路4から信号切換回路13に送信され、信号切換回路13はこの送信指示に基づき選択された第1色覚異常補正回路14又は第2色覚異常補正回路15を動作させるように切り換えられる。
画像補正回路12は、基本画像処理回路11により処理されたRGB画像信号を色覚異常者の認識する画像に変換するものであって、基本画像処理回路11により処理された画像信号を色覚異常者の認識する色覚基準による画像信号に補正する。また、画像補正回路12は、第1色覚異常者が認識する色覚基準による画像信号に補正する第1色覚異常補正回路14と、第2色覚異常者が認識する色覚基準による画像信号に補正する第2色覚異常補正回路15とを備えている。使用者は、第1色覚異常者の認識する画像を求めるか、第2色覚異常者の認識する画像を求めるかにより、第1色覚異常補正回路14と第2色覚異常補正回路15とを選択できるように構成されている。また、選択された第1色覚異常補正回路14又は第2色覚異常補正回路15を駆動させるようにするために、この画像補正回路12には信号切換回路13が設けられている。なお、この選択は、液晶プロジェクタのOSDメニューで選択できるように構成されている。OSDメニューで選択された補正回路の選択指令は、前記OSD切換処理回路4から信号切換回路13に送信され、信号切換回路13はこの送信指示に基づき選択された第1色覚異常補正回路14又は第2色覚異常補正回路15を動作させるように切り換えられる。
次に、画像信号処理回路3の動作について説明する。図2はこの画像信号処理のフローチャートである。
この液晶プロジェクタにおいては、使用者は、OSDメニューにより、表示モードを通常表示モードとするか補正表示モードとするかを選択する(ステップS1)。さらに、使用者は、補正表示モードを選択した場合は、第1補正表示モード(第1色覚異常者用モード)或いは第2補正表示モード(第2色覚異常者用モード)かを選択する(ステップS2)。この選択信号はOSD切換処理回路4から信号切換回路13に選択指令として送信される(図1参照)。
この液晶プロジェクタにおいては、使用者は、OSDメニューにより、表示モードを通常表示モードとするか補正表示モードとするかを選択する(ステップS1)。さらに、使用者は、補正表示モードを選択した場合は、第1補正表示モード(第1色覚異常者用モード)或いは第2補正表示モード(第2色覚異常者用モード)かを選択する(ステップS2)。この選択信号はOSD切換処理回路4から信号切換回路13に選択指令として送信される(図1参照)。
次に、選択された表示モードが通常表示モードか補正表示モードか判断される(ステップS3)。通常表示モードが選択されている場合は、OSD切換処理回路4が基本画像処理回路11に接続される(ステップS4)。したがって、基本画像処理回路11により処理された画像信号がそのまま画像信号処理回路3からOSD切換処理回路4に出力され、デジタルガンマ補正回路5に入力されるので、最終的には正常色覚者の認識する画像がこの液晶プロジェクタのスクリーンに映し出されることになる。
一方、表示モードとして補正表示モードが選択されている場合は、OSD切換処理回路4が第1色覚異常補正回路14及び第2色覚異常補正回路15に接続される(図1参照)。そして、第1補正表示モード或いは第2補正表示モードのいずれが選択されているか判断される(ステップS5)。また、第1補正表示モードが選択されている場合には、信号切換回路13が切り替えられ、信号切換回路13に対し第1色覚異常補正回路14が接続される(ステップS6)。また、第2補正表示モードが選択されている場合には、信号切換回路13が切り替えられ、信号切換回路13に対し第2色覚異常補正回路15が接続される(ステップS9)。
第1補正表示モードが選択されている場合は、第1色覚異常補正回路14において第1補間テーブル(第1色覚異常者用補間テーブル)を使用した補間計算が行われる(ステップS7)。この第1補間テーブルは、図3に示すように、正常色覚者が認識するRGB各値をビット数に応じた諧調の数値で表すとともに、この数値と第1色覚異常者が認識するRGB各値とを適宜の間隔を置いて段階的に対比させたものである。そして、この第1補間テーブルの各数値をRGB3軸の直角座標上に表示するRGB3軸座標において、図4に示すように、基本画像処理回路11から入力されたRGB画像信号の値をプロットしたa点の近傍8ポイント(b点〜i点)の数値に対する第1色覚異常者が認識する値を読み出す。そして、これら読み出された数値に基づき、基本画像処理回路11から入力された画像信号に対する第1色覚異常者の認識する数値を補間計算し(ステップS7)、この補間計算結果に基づき補正値が求められる(ステップS8)。そして、補正された画像信号がOSD切換処理回路4を介してデジタルガンマ補正回路5に出力される(ステップS12)。この結果、この液晶プロジェクタのスクリーンには、第1色覚異常者が認識する画像に近似する画像が映し出される。
また、第2補正表示モードが選択されている場合は、第2色覚異常補正回路15において第2補間テーブル(第2色覚異常者用補間テーブル)を使用した補間計算が行われる(ステップS10)。この第2補間テーブルは、図4に示すように、正常色覚者が認識するRGB各値をビット数に応じた諧調の数値で表すとともに、この数値と第2色覚異常者が認識するRGB各値とを、前記第1補間テーブルの場合と同一の間隔を段階的に対比させたものである。そして、この第2補間テーブルの各数値をRGB3軸の直角座標上に表示するRGB3軸座標において、前述の補間計算と同様に、入力されたRGB画像信号の値をプロットしたa点の近傍8ポイント(b点〜i点)の数値に対する第2色覚者が認識する値を読み出す。そして、これら8ポイント(b点〜i点)の読み出された数値から入力された画像信号に対する第2色覚異常者の認識する数値を補間計算し(ステップS10)、この補間計算結果に基づき補正値が求められる(ステップS11)。そして、補正された画像信号がOSD切換処理回路4を介してデジタルガンマ補正回路5に出力される(ステップS12)。この結果、この液晶プロジェクタのスクリーンには、第2色覚異常者が認識する画像に近似する画像が映し出される。
上記のように構成された実施の形態1に係るカラー表示装置によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)正常色覚者が認識する色覚基準により処理された画像信号に基づく正常色覚者用のカラー画像と、正常色覚者が認識する色覚基準により処理された画像信号を、色覚異常者が認識する色覚基準により補正した画像信号に基づく色覚異常者用のカラー画像とを選択的に供給することができる。このため、正常色覚者は色覚異常者の認識するカラー画像を容易に見ることができる。そして、このような模擬体験を繰り返し体験することにより、色覚異常者の認識を配慮したカラーユニバーサルデザインを可能とするものであり、本発明に係るカラー表示装置はカラーユニバーサルデザインを支援する有益なツールとして活用することができる。
(1)正常色覚者が認識する色覚基準により処理された画像信号に基づく正常色覚者用のカラー画像と、正常色覚者が認識する色覚基準により処理された画像信号を、色覚異常者が認識する色覚基準により補正した画像信号に基づく色覚異常者用のカラー画像とを選択的に供給することができる。このため、正常色覚者は色覚異常者の認識するカラー画像を容易に見ることができる。そして、このような模擬体験を繰り返し体験することにより、色覚異常者の認識を配慮したカラーユニバーサルデザインを可能とするものであり、本発明に係るカラー表示装置はカラーユニバーサルデザインを支援する有益なツールとして活用することができる。
(2)画像補正回路12は、第1色覚異常者が認識する色覚基準による画像信号に補正する第1色覚異常補正回路14と、第2色覚異常者が認識する色覚基準による画像信号に補正する第2色覚異常補正回路15とを有し、使用者の選択によりいずれか一方を選択するように構成されている。したがって、本発明のカラー表示装置によれば、使用者が選択した色覚異常者の種類に対応して補正された画像を出力することができる。
(3)第1色覚異常補正回路14及び第2色覚異常補正回路15は、第1補間テーブル又は第2補間テーブルを使用して基本画像処理回路11から出力されたRGB画像信号の値を、第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値に補間計算するように構成されている。また、この補間計算結果に基づき基本画像処理回路11から出力された画像信号を補正するように構成されている。したがって、基本画像処理回路11で処理された画像信号を、画像補正回路12における第1補間テーブル又は第2補間テーブルを使用した演算処理により、第1色覚異常者及び第2色覚異常者の認識する画像を実現する画像信号に補正することができるとともに、その処理時間を軽減することができる。また、信頼性のある補間テーブルを使用することにより、色覚異常者の認識する画像に近似する画像を容易に表示することができる。
(4)前記補間テーブルは、正常色覚者が認識するRGBの各値を0〜256の数値で表し、この数値に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値を示したものである。また補間計算は、RGB3軸の直角座標上において、基本画像処理回路11から入力されたRGB画像信号の値をプロットしたa点の近傍8ポイント(b点〜i点)の数値に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識する値を読み出し、これら読み出された数値から補間計算するように構成されている。したがって、補間計算が合理的なルールに従って精度よく行われるので、より現実的な色覚異常者の見方に合致した画像を提供することができる。
(5)前記カラー表示装置は、液晶プロジェクタであるので、PCなどで作成したプレゼンテーション資料や、商品のデザイン写真などの画像を本発明の液晶プロジェクタを利用して色覚異常者の認識する画像を見ることができる。したがって、このような体験を通して、作成したい資料や商品をカラーユニバーサルデザインすることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る液晶プロジェクタは、実施の形態1に係る液晶プロジェクタの画像補正回路12における補正値を複数段階の補正度合いに調整するように、画像補正回路12を構成する第1色覚異常補正回路14及び第1色覚異常補正回路15を補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24及び第2色覚異常補正回路25としたものである。
実施の形態2に係る液晶プロジェクタは、実施の形態1に係る液晶プロジェクタの画像補正回路12における補正値を複数段階の補正度合いに調整するように、画像補正回路12を構成する第1色覚異常補正回路14及び第1色覚異常補正回路15を補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24及び第2色覚異常補正回路25としたものである。
そして、図6に示すように、前述のOSD切換処理回路4により駆動されるOSDメニューおいて、使用者が補正度合いを選択できるようにしている。また、OSDメニューにより選択された補正度合いは、前述の補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24及び第2色覚異常補正回路25に補正度指令として入力され、これら補正回路では選択された補正度合いにより基本画像処理回路11から入力された画像信号を補正するように構成されている。
図7は、この実施の形態2における画像信号処理のフローチャートである。
実施の形態2においては、使用者は、OSDメニューにより、表示モードを通常表示モードとするか補正表示モードとするかを選択する(ステップS21)とともに、補正表示モードの場合は第1補正表示モード或いは第2補正表示モードを選択する(ステップS22)。この選択信号はOSD切換処理回路4から信号切換回路13へ選択指令として送信される(図6参照)。さらに、使用者は、OSDメニューにより、画像補正回路12における補正度合いを選択する(ステップS23)。この補正度合いは、OSD切換処理回路4から補正度合い指令として補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24及び第2色覚異常補正回路25に送信される(図6参照)。
実施の形態2においては、使用者は、OSDメニューにより、表示モードを通常表示モードとするか補正表示モードとするかを選択する(ステップS21)とともに、補正表示モードの場合は第1補正表示モード或いは第2補正表示モードを選択する(ステップS22)。この選択信号はOSD切換処理回路4から信号切換回路13へ選択指令として送信される(図6参照)。さらに、使用者は、OSDメニューにより、画像補正回路12における補正度合いを選択する(ステップS23)。この補正度合いは、OSD切換処理回路4から補正度合い指令として補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24及び第2色覚異常補正回路25に送信される(図6参照)。
次に、選択された表示モードが通常表示モードか補正表示モードか判断される(ステップS24)。通常表示モードが選択されている場合は、実施の形態1の場合と同様にOSD切換処理回路4が基本画像処理回路11に接続される(ステップS25)。したがって、基本画像処理回路11により処理された画像信号がそのまま画像信号処理回路3からOSD切換処理回路4に出力され、デジタルガンマ補正回路5に入力されるので、最終的には正常色覚者が認識する画像がスクリーンに映し出される。
一方、表示モードとして補正表示モードが選択されている場合は、OSD切換処理回路4が補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24及び第2色覚異常補正回路25に接続される(図6参照)。そして、第1補正表示モード或いは第2補正表示モードのいずれが選択されているか判断される(ステップS26)。また、第1補正表示モードが選択されている場合には、信号切換回路13が切り替えられ、信号切換回路13に対し補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24が接続される(ステップS27)。また、第2補正表示モードが選択されている場合には、信号切換回路13が切り替えられ、信号切換回路13に対し補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路25が接続される(ステップS31)。
第1補正表示モードが選択されている場合は、補正度調整機能付の第1色覚異常補正回路24において、実施の形態1における第1補間テーブルを使用し、前述の補間計算と同様の補間計算が成される(ステップS28)。そして、この補間計算結果に対し、OSD切換処理回路4からから入力される補正度合いを乗算して(ステップS29)、補正値が求められる(ステップS30)。したがって、基本画像処理回路11から入力された画像信号は、この補正値に基づいて補正されてOSD切換処理回路4を介してデジタルガンマ補正回路5に出力される(ステップS35)。この結果、この液晶プロジェクタのスクリーンには、第1色覚異常者が認識する画像に近似する画像が使用者の選択した補正度合いに調整されて映し出される。
また、第2補正表示モードが選択されている場合は、補正度調整機能付の第2色覚異常補正回路25において、実施の形態1における第2補間テーブルを使用して実施の形態1の場合と同様に補間計算される(ステップS32)。そして、この補間計算結果に対し、OSD切換処理回路4から入力される補正度合いを乗算して(ステップS33)、補正値が求められる(ステップS34)。したがって、基本画像処理回路11から入力された画像信号は、この補正値に基づいて補正されてOSD切換処理回路4を介してデジタルガンマ補正回路5に出力される(ステップS35)。この結果、この液晶プロジェクタのスクリーンには、第2色覚異常者が認識する画像に近似する画像が使用者の選択した補正度合いに調整されて映し出される。
上記のように構成された実施の形態2に記載のカラー表示装置によれば、現実に使用する色覚異常者との情報交換により補正度合いを調整し、より一層色覚異常者が認識する画像に近い状態の画像を提供することができる。
(変形例)
上記実施の形態において以下のように変更することもできる。
(1)上記各実施の形態においては、カラー表示装置は液晶3板式の投射型プロジェクタとして説明してきたが、これに限定されるものではなく、プロジェクタはRGB各色のカラーフィルタが規則的に格子状に配置され、1枚でフルカラーの変調光を投射することが可能な単板の液晶ライトバルブを用いる構成であってもよい。また、反射型液晶表示装置やティルトミラーデバイスを用いる構成としてもよい。これらプロジェクタにおいても同様の構成により同様の効果を奏することができる。
上記実施の形態において以下のように変更することもできる。
(1)上記各実施の形態においては、カラー表示装置は液晶3板式の投射型プロジェクタとして説明してきたが、これに限定されるものではなく、プロジェクタはRGB各色のカラーフィルタが規則的に格子状に配置され、1枚でフルカラーの変調光を投射することが可能な単板の液晶ライトバルブを用いる構成であってもよい。また、反射型液晶表示装置やティルトミラーデバイスを用いる構成としてもよい。これらプロジェクタにおいても同様の構成により同様の効果を奏することができる。
(2)また、上記各実施の形態においては、カラー表示装置は液晶3板式の投射型プロジェクタとして説明してきたが、プロジェクタに限定するものではない。カラー表示装置としては、例えば、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、リアプロジェクタなどであってもよい。
(3)また、上記各実施の形態においては、補間テーブルとして図3又は図5に例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、数値表示する段階をさらにきめ細かいものとしてもよく、さらに研究を重ねて数値が改正されたものとしてもよい。なお、前記図3及び図5はインターネット http://www.tsienst.fr/~brettel/CRA24/table2data.txtに記載されているものを抜粋して、補間テーブルのイメージを表したものである。
(4)上記実施の形態2において、補正度合いとしては数段階のものとすることができる。具体的に何段階とするか記載していないが、例えば、120%、100%、80%のような範囲及び3段階としてもよく、また、このような範囲及び段階数を他に変更してもよい。また、このような補正度合い調整ではなく、他の考え方に基づく補正度合い調整とすることを排除するものではない。
3…画像信号処理回路、4…(OSD)切換処理回路、11…基本画像処理回路、12…画像補正回路、14…第1色覚異常補正回路、15…第2色覚異常補正回路、24…補正度調整機能付き第1色覚異常補正回路、25…補正度調整機能付き第2色覚異常補正回路。
Claims (6)
- 画像信号処理回路として、入力した画像信号を正常色覚者の認識する色覚基準により画像処理する基本画像処理回路と、この基本画像処理回路により処理された画像信号を、色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する画像補正回路と、基本画像処理回路により処理された画像信号を、そのまま出力するか、画像補正回路において補正された画像信号として出力するかを切り換える切換処理回路とを備えていることを特徴とするカラー表示装置。
- 前記画像補正回路は、第1色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する第1色覚異常補正回路と、第2色覚異常者の認識する色覚基準の画像信号に補正する第2色覚異常補正回路とを有し、使用者の選択によりいずれか一方を選択するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー表示装置。
- 第1色覚異常補正回路及び第2色覚異常補正回路は、正常色覚者が認識するRGB各値と第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値とを段階的に対比させた第1補間テーブル又は第2補間テーブルを使用して、基本画像処理回路から出力されたRGB画像信号の値を第1色覚異常者又は第2色覚異常者の認識するRGB各値に補間計算するとともに、補間計算された数値のRGB画像信号の値となるように基本画像処理回路から出力された画像信号を補正するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のカラー表示装置。
- 前記第1補間テーブル及び第2補間テーブルは、正常色覚者が認識するRGB各値をビット数に応じた諧調の数値で表し、この正常色覚者が認識する数値に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値を示したものであり、
前記第1色覚異常補正回路及び第2色覚異常補正回路は、前記第1補間テーブル及び第2補間テーブルの各数値をRGB3軸の直角座標上に表示するRGB3軸座標において、基本画像処理回路から入力されたRGB画像信号の値をプロットした点の近傍8ポイントの数値に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識する値を読み出し、これら読み出された8ポイントの数値に基づき、前記基本画像処理回路から入力されたRGB画像信号に対する第1色覚異常者又は第2色覚異常者が認識するRGB各値を補間計算し、この補間計算結果に基づき補正値を求めるように構成されている
ことを特徴とする請求項3記載のカラー表示装置。 - 前記画像補正回路は、前記補正値を複数段階の補正度合いに調整する補正度調整機能付きの第1色覚異常補正回路と第2色覚異常補正回路とを有し、使用者によりいずれか一方の補正回路を選択可能とするとともに、補正度合いのレベルを選択可能とするように構成されていることを特徴とする請求項4記載のカラー表示装置。
- 前記カラー表示装置は、液晶プロジェクタであることを特徴とする請求項1〜5記載のカラー表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2007017653A JP2008185688A (ja) | 2007-01-29 | 2007-01-29 | カラー表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011024191A (ja) * | 2009-06-17 | 2011-02-03 | Ricoh Co Ltd | 画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体 |
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JP2016057621A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 三星ディスプレイ株式會社Samsung Display Co.,Ltd. | 表示装置、表示制御装置及び表示方法 |
-
2007
- 2007-01-29 JP JP2007017653A patent/JP2008185688A/ja active Pending
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