JP2011023382A - アバランシェフォトダイオード - Google Patents

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宏一 飯山
Takeo Maruyama
武男 丸山
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Abstract

【課題】雪崩増幅利得の増大及び感度の向上が可能な横型アバランシェフォトダイオード(APD)の櫛型電極構造を提供する。
【解決手段】本発明のAPD10は、p型基板1と、p型基板の上に形成されたnウェル層2と、nウェル層上部に絶縁層7を介してp型基板表面に平行な横方向に交互に並んだp+層3及びn+層4と、p+層に接続されかつアノード電極に結線されたp型電極5と、n+層に接続されかつカソード電極に結線されたn型電極6と、を備える。p+層3はp型電極端部から横方向に延在し、p+層の幅Lpが前記p型電極の幅よりも大きい。さらに、nウェル層の外側に位置するp型基板の上部表面には、p+層3と、該p+層に接続しかつカソード電極に結線されたp型電極5と、を更に備えることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、アバランシェフォトダイオードに関し、特に、横型構造のアバランシェフォトダイオードに関するものである。
デジタルカメラ、カメラ搭載携帯電話等の電子機器のマーケットの拡大により、光検出装置の開発が益々盛んになっている。特に、一般的な半導体製造工程である相補型金属酸化膜半導体製造工程(CMOSプロセス)により製造可能なMOS型光検出装置の開発競争が激化している。光検出装置は、光を電荷に変換する光電変換層と、生成した電荷を蓄積する蓄積部とを有する。通常、光電変換層としてはフォトダイオードが使用されている。
少ない信号電荷により大きな信号を得る方法として、雪崩増幅(アバランシェ増幅)により信号電荷を倍増する技術(アバランシェフォトダイオード:APD)が知られている。このAPDは、半導体構造の面から、縦型と横型(ラテラル)との型式に分類されている。すなわち、縦型APDはp型領域及びn型領域が基板厚さ方向に積層されてなるフォトダイオードである(例えば、特許文献1を参照)。
これに対して、横型APDはp型領域及びn型領域が基板表面と平行に並んだ構造のフォトダイオードである。このような構造を有する横型APDにおいては、光吸収およびキャリア移動が半導体層のごく表面に近いところで行われるため、縦型のAPDと比べると高速動作を実現できる。なお、横型APDの高速応答を実現するための構造として、p型領域、n型領域にそれぞれ接続する櫛形電極をトレンチ構造内に形成したものが知られている(例えば、特許文献2や非特許文献1を参照)。
上記櫛型電極構造を採用した横型APDは、具体的には、図9(a)又は(b)に示すような断面構造をなす。図9(a)に示す横型APDは、凹凸断面をしたp型基板1を備える。p型基板1の個々の断面凹部内にはnウェル層2(ドーパント(不純物)の濃度が後述するn+層4の不純物濃度よりも低い層)が形成(充填)され、さらにその上部にn+層4(nウェル層2よりも不純物濃度が高い層)及びn型電極6が形成されている。一方、p型基板1の断面凸部の上部には、p+層3及びp型電極5が形成されている。n型電極6又はp型電極5は、通常、これらのn+層4又はp+層3と略同じ幅で形成されている。絶縁層7は、n+層4とp+層3とを分離するためにn+層4とp+層3との間に設けられている。
図9(b)に示すように、上記凹凸断面を有さないp型基板1を備えた横型APDも公知である。つまり、p型基板1の上部表面に沿ってnウェル層2が延在し、n+層4とp+層3とのいずれもがnウェル層2の上部に配置されている。
これらの通常の横型APDに逆バイアス電圧を印加すると、nウェル層2が空乏化して光が吸収される。p型電極5とn型電極6とは、p+層3とn+層4と同様に、p型基板5表面に平行に(図では横方向に)並んでいるので、発生する電界はnウェル層2表面付近が一番強く、nウェル層2及びp型基板1の内部に向かう程小さくなる。さらに、逆バイアス電圧を大きくして印加すると、n+層4とnウェル層2との境界付近で大きな雪崩増幅が発生し、光電流が増幅される(これをアバランシェ増幅と呼ぶ)。
ここで、電極5,6は、nウェル層2へ入ってくる光を反射するためAPD(APDが組み込まれた光検出装置)の受光効率を低下させる。受光効率の高い光検出装置を実現するためには、電極(n型電極6及びp型電極5)の幅を(ひいては同幅に通常設定されるn+層4とp+層3の幅をも)小さくする必要がある。しかしながら、電界強度が弱くなるために大きな雪崩増幅利得を得ることができない。一方、電極の幅、つまり、n+層とp+層の幅が広い場合には電界強度は強くなるが、ほとんどの光は電極で反射されるため、受光効率は低下する。
なお、図9(a)に示すような凹凸構造のp型基板1を備えた横型APDは、nウェル層2とp型基板1の凸部との境界で基板表面垂直方向(縦方向)に空乏層が形成され、縦方向に雪崩増幅が生じることを意図して作製された構造であるが、現実的には、図9(b)と同様にnウェル層2上部表面付近の浅い領域だけで雪崩増幅が生じ、雪崩増幅利得も小さい結果となっている(本願発明者らが既に報告した非特許文献1を参照)。
特開2000−323747号公報 特開2008−034627号公報
飯山宏一著、アイイーアイシーイー・トランザクションズ・オン・エレクトロニクス(IEICE TRANSACTIONS On Electronics)、2008年11月、第E91−C巻(VOL.E91−C)、第11号(NO.11)、p.1820−1823
このように、雪崩増幅利得の増大及び感度の向上のためにAPDの櫛型電極及び半導体層に関する構造設計は十分にし尽くされた状況にあるとは言えない。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、雪崩増幅利得の増大及び感度の向上が可能な横型アバランシェフォトダイオードの櫛型電極構造を提供することを目的とする。
本発明のアバランシェフォトダイオードは、p型基板と、p型基板の上に形成されたnウェル層と、nウェル層上部に絶縁層を介してp型基板表面に平行な横方向に交互に並んだp+層及びn+層と、p+層に接続されかつアノード電極に結線されたp型電極と、n+層に接続されかつカソード電極に結線されたn型電極と、を備え、かつ、p+層はp型電極端部から横方向に延在し、p+層の幅がp型電極の幅よりも大きいことを特徴とする。
なお、nウェル層の外側に位置するp型基板の上部表面には、p+層と、該p+層に接続しかつカソード電極に結線されたp型電極と、を更に備えることが望ましい。
また、本発明のアバランシェフォトダイオードは、p型基板と、p型基板の上に形成されたnウェル層と、nウェル層の上に形成されたpウェル層と、pウェル層上部に絶縁層を介してp型基板表面に平行な横方向に交互に並んだn+層及びp+層と、n+層に接続されかつアノード電極に結線されたn型電極と、p+層に接続されかつカソード電極に結線されたp型電極と、を備え、かつ、n+層はn型電極端部から横方向に延在し、n+層の幅がn型電極の幅よりも大きいことを特徴とするものであってもよい。
なお、pウェル層の外側に位置するnウェル層の上部表面には、n+層と、該n+層に接続しかつカソード電極に結線されたn型電極と、を更に備え、かつ、nウェル層の外側に位置するp型基板の上部表面には、p+層と、該p+層に接続しかつカソード電極に結線されたp型電極と、を更に備えることが望ましい。
なお、本発明のアバランシェフォトダイオードにおいては、nウェル層上部に形成されたp+層の延在部又はpウェル層上部に形成されたn+層の延在部の幅が0.5〜1.5μmであることが特に望ましい。
本発明のアバランシェフォトダイオードによれば、雪崩増幅利得を飛躍的に増大させることができるとともに感度を向上させることが可能となる。
さらに、本発明のアバランシェフォトダイオードによれば、雪崩増幅利得が得られる印加電圧がかなり低いことから、本発明のアバランシェフォトダイオードを他の電子回路とともに同一CMOSプロセスでモノリシックに集積することが可能となる。
本発明の実施例1に係る横型APDを示す概略断面図である。 本発明の実施例2に係る横型APDを示す概略断面図である。 本発明の実施例3に係る横型APDを示す概略断面図である。 比較例に係る横型APDの受光感度特性を示した図である。 実施例1〜3の横型APDの受光感度特性を示した図である。 図6(a)は実施例2及び実施例3における帯域幅−雪崩増幅利得特性を示し、図6(b)は帯域幅−受光感度特性を示した図である。 Lp幅が空乏層容量に与える影響を示した数値解析結果を示した図である。 図8(a)はLp幅が雪崩増幅利得−帯域幅特性に与える影響を示した数値計算結果を示し、図8(b)はLp幅が受光感度−帯域幅特性に与える影響を示した数値計算結果を示した図である。 従来の横型APDを示した概略断面図であり、図9(a)は凹凸断面をなすp型基板を備えたAPDを示し、(b)は凹凸断面を有さないp型基板を備えたAPDを示した図である。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る横型APD10を示す概略断面図である。図示のとおり、このAPD10は、p型基板1と、その上に形成されて入射光(検出対象の光)を受けるnウェル層2と、このnウェル層2内にp型基板1表面と平行に(図中、横方向に)並んだ状態で形成されたp+層3及びn+層4と、p+層3に接続するp型電極5と、n+層4に接続するn型電極6と、p+層3とn+層4との間に形成された絶縁層7と、を備えてなるものである。
さらに、nウェル層2内のp型電極5はアノード電極に結線され、nウェル層2内のn型電極6はカソード電極に結線されている。ここで、p+層3はIII族元素(一般にはボロン(B))からなるp型不純物を比較的高濃度に拡散させて形成され、n+層4はV族元素(一般にはリン(P)や砒素(As))からなるn型不純物を比較的高濃度に拡散させて形成される。
また、電極5,6の材料にはアルミニウムが通常用いられ、このアルミニウムの上部に図示しないが銅(Cu)や金(Au)が堆積されてもよい。この堆積物は、アルミニウム金属部の電気抵抗を抑えたり、電圧等を測定するために電極5,6に接続される測定端子との接触抵抗を抑えたりするために有効である。さらに図示しないが、電極5,6の下部、つまりp+層3とp型電極5との間及びn+層4とn型電極6との間には、金属とシリコンとの合金であるシリサイド又はサリサイド等を含んだ金属膜が形成されてもよい。この金属膜を介在させることで、p+層3とp型電極5と(n+層4とn型電極6と)の接触性を良好にすることができる。また、絶縁層7の材料として、通常、SiO2などの酸化物が用いられる。
従来の横型APD(例えば図9(a)参照)との構成と比較した本発明の構成の特徴は、(1)p+層3はp型電極5の幅よりも大きな幅を有していること、つまり、p+層3の上部に接続されたp型電極5は、p+層3の一部(例えば、中央部)の領域のみに形成されること、及び(2)p型基板1は図9(a)に示すような凹凸断面を有しておらず、つまり、p+層3及びn+層4の下部にはいずれもnウェル層2が存在していることである(後者の点は図9(b)に示す構成と同じである。)。
このような構成をした実施例1の横型APD10では、入射光を反射する電極5,6は比較的に小さくかつp型電極5が接続(投影)されないp+層3の横方向に延びた部分は入射光を空乏層となるnウェル層2に透過させるため、逆バイアス印加電圧を大きくすると、p+層3とnウェル層2との境界面で大きな雪崩増幅が発生するとともに感度が向上する。仮に、p+層3の幅が狭過ぎると雪崩増幅が生じる面積が小さくなり、大きな雪崩増幅利得は得られない。
一方、p+層3の幅が広すぎる場合には境界面付近で発生する電界が弱くなるために、大きな雪崩増幅利得は得られない。印加する逆バイアス電圧をさらに大きくすれば電界は強くなるものの、電極5,6の破壊を生じ得るとともに、同時に電子回路(図示せず)を集積化する場合には、大きな逆バイアス電圧は電子回路部に影響を与えるため、好ましくない。また、キャリアの移動距離が長くなるために応答性が悪くなる(応答が遅くなる)。
なお、図示しないシリサイド等の金属膜はp型電極5の幅と同程度の幅を有していればよく、p型電極5や金属膜が接触(投影)されないp+層3の横方向に延びた部分(図1中の幅Lpだけ延びた部分)には入射光が直接受光されることが好ましい。
以上のように、従来のCMOSプロセスでは電極5,6はn+層4あるいはp+層3とほぼ同じ幅を持って形成されるが、本発明ではn+層4あるいはp+層3の幅より狭く電極5,6が形成される。なお、低電圧でより大きな雪崩増幅利得を得るとともに応答性を更に向上するには、p+層3の幅をp型電極5の幅より大きな最適な幅を選択する必要がある。
図2は、本発明の実施例2に係る横型APD20を示す概略断面図である。図示に示す実施例2のAPD20には、p+層3及びp型電極5がnウェル層2の外側にあるp型基板1の上部表面に更に形成され、このp型電極5がカソード電極に結線されている点を除けば、実施例1に示す装置構成と基本的に同様である。従って、その他の構成要素についての説明は省略する。
実施例2のAPD20構造では、上述の通りnウェル層2外側のp型基板1上部にp+層3及びp型電極5が設けられかつp型電極5がnウェル層2内のn型電極6が結線されているカソード電極に結線されているため、p+層3の電位はnウェル層2内のn+層4と等電位に設定される。すると、p型基板1領域で発生したキャリアのうち、電子はnウェル層2を通ってn+層4から取り出され、正孔はnウェル層2外側のp型基板1を通ってp+層3から取り出される。これらの電子と正孔は本来どちらも、電界が弱い箇所で発生するので移動速度が遅く、光検出器の応答速度を劣化させるものであるが、実施例2のAPD20ではnウェル層2内のn+層4に接続されたn型電極6とnウェル層2外側のp+層3に接続されたp型電極5は等電位であるため、それぞれの電極5,6から取り出された電子と正孔は再結合(相殺)されて消滅するため、応答速度が遅い成分がキャンセルされ、APDが高速化することになる。
図3は、本発明の実施例3に係る横型APD30を示す概略断面図である。図示に示す実施例3のAPD30は、p型基板1の上に形成されたnウェル層2の上部にpウェル層8を更に備える。なお、このようなAPD30の構造上、nウェル層2はpウェル層8より下のp型基板1内に配置されるため、ディープnウェル層(deep n−well)とも呼ばれる。
実施例3の横型APD30は、pウェル層8内にp型基板1表面と平行に並んだ状態で形成されたp+層3及びn+層4と、p+層3に接続するp型電極5と、n+層4に接続するn型電極6と、p+層3とn+層4との間に形成された絶縁層7と、をさらに備える。
なお、実施例3では、実施例1又は実施例2と異なり、pウェル層8内のp型電極5はカソード電極に結線され、pウェル層8内のn型電極6はアノード電極に結線されている。加えて、p型基板1の上部表面にはp+層3及びp型電極5が形成され、nウェル層2の上部表面にはn+層4及びn型電極5が形成され、pウェル層8の上部表面にはn+層4及びカソード電極5が形成されているとともに、p型基板1上部表面上のp型電極5と、nウェル層2上部表面上のn型電極6とが、pウェル層8上のp型電極5が結線されているカソード電極に結線されている。このような構造によれば、p型基板1上部表面にあるp型電極5と、nウェル層2上部表面にあるn型電極6と、pウェル層8にあるp型電極5とが等電位に設定される(短絡する)ために、p型基板1、nウェル層2、又はpウェル層8の深部で発生した応答速度が遅いキャリアを取り出し、打ち消し合せることができる。
なお、実施例3においても、実施例1及び2と同様に、p+層3とp型電極5との間及びn+層4とn型電極6との間には、シリサイド又はサリサイド等を含んだ金属膜(図示せず)が形成されている。
(各実施例の作用効果の検証)
上述した実施例1〜3に係るAPD10,20,30の作用効果を確認するために、比較例となる従来のAPDと実施例1〜3の構造のAPDとを0.18μm基準のCMOSプロセスで作製した。
(比較例の結果)
採用した比較例は図9(a)に示す従来構造であり、具体的にはp型電極5及びn型電極6の幅はいずれも0.22μmであり、この電極5,6が幅0.46μm及び厚さ0.345μmの寸法を夫々有したp+層3及びn+層4の中央に配置されている。なお、電極5,6間隔は0.62μmである。従って、p+層3表面上の電極5端部から絶縁層7までの距離(p+層3の横方向延在部の距離:Lp)は0.12μmmである。また、nウェル層2の受光面積は30×30μmである。
図4は比較例に係る横型APDの受光感度特性を示した図である。図中、横軸は逆バイアス印加電圧(単位:V)であり、縦軸は受光感度(A/W)である。なお、受光感度とは、入射光量をワット(W)、変換される光電流をアンペア(A)で表したときの両者の比率である。図4より、逆バイアスの印加電圧を0Vから15V程度にまで増大させることにより0.12A/Wから0.6A/Wにまで受光感度が向上している(つまり、比較例のAPDの雪崩増幅利得は5倍程度である)ことがわかる。
(実施例1〜3の結果)
図5は実施例1〜3の横型APDの受光感度特性を示した図である。なお、本検証に供された実施例1の電極5,6の幅は比較例の構成と同様0.22μmであり、n+層4の幅及び厚さは上記比較例の構成と同様である(幅0.46μm及び厚さ0.345μm)。しかし、p+層3の幅のみが2.72μmと長い。従ってp+層3表面上に設置されたp型電極5端部から一方の絶縁層7までの距離(p+層3の横方向延在部の距離:Lp)は1.25μmである。図5中、白抜き三角印のプロットに示すように、実施例1のAPD構造では逆バイアスの印加電圧を増大させることにより0.065A/Wから11.3A/Wにまで受光感度が飛躍的に向上しており、約174倍の雪崩増幅利得が得られていることがわかる。
図5中の黒塗り三角印のプロットは、実施例2の構造をなす横型APDの受光感度特性を示した図である。なお、本検証に供された実施例2の装置構造の寸法は上記実施例1の装置構造の寸法と基本的に同様であるが、比較例で使用したp+層3及びp型電極5と同様の寸法をなすp+層3及びp型電極5をp型基板1上部表面にも設けたものである。図5のプロットに示すように、実施例2のAPD構造では逆バイアスの印加電圧を増大させることにより0.033A/Wから7.58A/Wにまで受光感度が飛躍的に向上しており、約230倍の雪崩増幅利得が得られていることがわかる。
図5中の黒塗り丸印は、実施例3の構造をなす横型APDの受光感度特性を示した図である。なお、本検証に供された実施例3の構造では、電極5,6の幅は比較例及び実施例1,2の場合と同寸法(0.22μm)であるが、pウェル層8内のn+層4の幅が2.72μmと長くなっている。一方、p型基板1及びnウェル層2の上部表面内に設けられたp+層3及びn+層5は、比較例で使用した構成と同様の寸法をなす(幅0.46μm)。図5に示すように、実施例3のAPD構造では逆バイアスの印加電圧を増大させることにより0.026A/Wから13.8A/Wにまで受光感度が飛躍的に向上しており、約531倍の雪崩増幅利得が得られていることがわかる。
以上のように、本発明の実施例1〜3の横型APDでは、比較例の従来APDに比べて格段に大きな雪崩増幅利得が得られることが分かる。また、どの実施例の結果においても、雪崩増幅が生じる逆バイアスの印加電圧は8〜9V程度であり、比較例のAPDにおける印加電圧(図4では約15V、市販のAPD装置では約150V)に比べると十分に低いものとなっている。従って、本発明のAPDを他の電子回路とともに同一のCMOSプロセスでモノリシックに集積することが可能である。
(実施例2及び実施例3の雪崩増幅効果の比較検討)
実施例2のAPD構造と実施例3のAPD構造の諸特性を調べた結果を図6(a)及び(b)に示す。図6(a)は帯域幅−雪崩増幅利得特性を示した図である。この図6(a)より、雪崩増幅利得を同じ値に設定した場合、実施例3の構造の方がその帯域幅が高くなる(つまり、より動作速度が上昇する)ことが分かる。また、図6(b)は帯域幅−受光感度特性を示した図である。帯域幅を同じ値に設定した場合には実施例3の構造の方がより高い感度が得られることが分かる。これは、実施例2と実施例3の構造では、雪崩増幅を生じさせる衝突電離の割合(衝突電離係数)が相違することによるものと考えられる。
この衝突電離係数とは、キャリア(電子あるいは正孔)が単位距離進む間に引き起こす衝突電離の回数のことを意味し、この係数の値が大きいほど雪崩増幅利得が大きくなる。例えば、シリコンSi等を用いた場合、電子による衝突電離係数αの方が正孔による衝突電離係数βより大きい(α>β)ことは公知である。
この衝突電離係数を実施例2及び実施例3の構造について検討してみると、実施例2ではnウェル層2における光吸収により生成された正孔がp+層3に移動する際に雪崩増幅が発生することになるので、上記係数βに近い値になる。一方、実施例3ではpウェル層8における光吸収により生成された電子がn+層4を移動する際に雪崩増幅が発生するので、上記係数αに近い値になる。従って、実施例3の衝突電子係数>実施例2の衝突電子係数であることになり、衝突電離現象の面からも上記検証結果(実施例3のAPD構造の方が大きな雪崩増幅利得が得られること)が正しいといえる。
(縦型APDと本発明の横型APDとの比較検討)
本明細書の背景技術にも述べたように、APDは、縦型APDと横型APDとに分類される。本発明において横型構造を採用しているのは以下に示す理由からである。
横型構造を採用すれば、空乏層容量が小さくなり、動作速度が高くなる。
(2)縦型APD及び横型APDとも、キャリア(正孔及び電子)が電極(p型電極及びn型電極)に向かって移動することになるが、p型電極とn型電極とが基板表面に平行に交互に並んだ横型APDの方が構造上、キャリアの移動距離が短くなり、動作速度が高くなる。
また、縦型APDの場合は、p型電極とn型電極とが基板表面に平行に交互に並ばないため、例えば、単一のp+層に複数のp型電極が配置される場合がある。従って、p型電極の真下に位置しないp+層3の延在部(受光領域)の幅Lpは極端に大きな値になる。これに対して、横型APDには、交互に並んだ複数のp+層3が存在し、個々のp+層3におけるp型電極5が接触しない延在部の幅Lpは縦型APDの幅に比べると非常に小さいものとなる。
ここで、図7は、Lp幅が空乏層容量に与える影響を示した数値計算結果である。図示の通り、Lp幅が小さければ小さいほど空乏層容量が小さくなることがわかる。例えば、縦型APDではLpが8μm程度になってしまうため空乏層容量が大きくなってしまい、動作速度は低下するものと思われる。しかしながら、実施例1〜3の説明において上述したように、Lp幅は電極5,6の幅よりも大きくする必要があるので、現時点の通常の電極作成技術を鑑みれば、本発明のp+層3又はn+層4のLp幅の範囲は0.5〜1.5μmが好ましい。
図8(a)はLp幅が雪崩増幅利得−帯域幅特性に与える影響を示した数値計算結果を示し、図8(b)はLp幅が受光感度−帯域幅特性に与える影響を示した数値計算結果を示す。ここで、帯域幅fBWは、電子及び正孔の移動時間で定まる帯域幅fと、空乏層容量で定まる帯域幅fCRを用いて次式のように求められる。
Figure 2011023382
これらの図8(a)及び(b)より、雪崩増幅利得や受光感度が同じ値に設定されたとしても、Lp幅をある程度小さくした方がその帯域幅fBWが高い(帯域が広い)こと、つまり動作速度が高いことがわかる。特にLp幅が0.5〜2.0μmのときに帯域が最も広く(動作速度が最も高く)なることがわかる。
本発明のアバランシェフォトダイオードは、通常のCMOSプロセスを用いて他の電子回路ともにモノリシックに作製・集積可能である。その上、作製されたアバランシェフォトダイオードは10V以下の低電圧の下で100倍以上の雪崩増幅利得を得ることができる有望な技術であり、産業上の利用可能性を有する。
1 p型基板
2 nウェル層(又はディープnウェル層)
3 p+層
4 n+層
5 p型電極
6 n型電極
7 絶縁層
8 pウェル層
10,20,30 アバンランシェフォトダイオード

Claims (5)

  1. p型基板と、
    前記p型基板の上に形成されたnウェル層と、
    前記nウェル層上部に絶縁層を介して前記p型基板表面に平行な横方向に交互に並んだp+層及びn+層と、
    前記p+層に接続されかつアノード電極に結線されたp型電極と、
    前記n+層に接続されかつカソード電極に結線されたn型電極と、を備え、かつ、
    前記p+層は前記p型電極端部から前記横方向に延在し、前記p+層の幅が前記p型電極の幅よりも大きいことを特徴とするアバランシェフォトダイオード。
  2. 前記nウェル層の外側に位置する前記p型基板の上部表面には、p+層と、該p+層に接続しかつ前記カソード電極に結線されたp型電極と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のアバランシェフォトダイオード。
  3. p型基板と、
    前記p型基板の上に形成されたnウェル層と、
    前記nウェル層の上に形成されたpウェル層と、
    前記pウェル層上部に絶縁層を介して前記p型基板表面に平行な横方向に交互に並んだn+層及びp+層と、
    前記n+層に接続されかつアノード電極に結線されたn型電極と、
    前記p+層に接続されかつカソード電極に結線されたp型電極と、を備え、かつ、
    前記n+層は前記n型電極端部から前記横方向に延在し、前記n+層の幅が前記n型電極の幅よりも大きいことを特徴とするアバランシェフォトダイオード。
  4. 前記pウェル層の外側に位置する前記nウェル層の上部表面には、n+層と、該n+層に接続しかつ前記カソード電極に結線されたn型電極と、を更に備え、かつ、
    前記nウェル層の外側に位置する前記p型基板の上部表面には、p+層と、該p+層に接続しかつ前記カソード電極に結線されたp型電極と、を更に備えることを特徴とする請求項3に記載のアバランシェフォトダイオード。
  5. 前記nウェル層上部に形成された前記p+層の延在部又は前記pウェル層上部に形成された前記n+層の延在部の幅が0.5〜1.5μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアバランシェフォトダイオード。
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