JP2011023226A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】アノード排ガスから水素を分離する電気化学的水素ポンプの印加電圧の急変を抑制する。
【解決手段】燃料電池1のアノード側の排ガスから電気化学的水素ポンプ6にて水素を分離して、該水素をアノードへ再度供給する燃料電池システムにおいて、電気化学的水素ポンプ6内の前記排ガスを貯留する部分62における中央側よりも入口側のほうの断面積を大きくする。断面積が大きくなることにより、水素濃度の低下が緩やかになるため、電圧の変化が緩やかになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムのセルスタックから排出されるガス(以下、アノード排ガスという。)中には、発電に使用されなかった水素が含まれる。この水素を再循環させて再利用することで、燃料電池システムの効率を高めることができる。ところで、アノード排ガス中には窒素等の不純物が含まれており、水素と共に不純物を再循環させると、不純物の濃度が徐々に高まる。このように不純物の濃度が高まると、燃料電池の発電量が低下してしまう。これに対し、不純物と水素とを分離する電気化学的水素ポンプを備え、該ポンプにアノード排ガスが流入する入口と、水素を分離後の不純物を排出するための出口と、を設け、この出口を重力方向で最下部となるように設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、電気化学的水素ポンプにおいて、アノード排ガスを貯留しつつ水素を分離する(すなわち不純物を濃縮する)濃縮部が設けられている。そして、濃縮部には、電気化学的水素ポンプにおいて分離された水素と同じ量のアノード排ガスが流入する。また、濃縮部内では水素が分離されつつアノード排ガスが流入するため、該濃縮部の出口側では、入口側と比較して、不純物の濃度が高く且つ水素濃度が低くなる。つまり、出口側に向かうに従い窒素等の濃度が高くなる。そして、濃縮部の出口側から窒素が濃縮されると、水素が反応可能な面積、すなわち、水素が触媒に接する面積が徐々に減少する。
ここで、電解質膜の面積抵抗は同じであっても、電流集中により抵抗値は増加し、IR損失分だけ印加電圧が増加する。これにより窒素の濃縮が進み、濃縮部の出口から排出するガス中の水素濃度を低くすることが可能となる。この過程において電流は一定のため、反応面積と電流密度とは反比例する。そうすると、窒素の濃縮が進むほど、電圧の変化率が高くなる。
一方、濃縮部の出口から不純物を排出するときには、水素の排出量を可及的に少なくなることが望ましい。ここで、水素濃度が低いときには、電気化学的水素ポンプの印加電圧の変化率が大きくなるため、このときに濃縮部から排出されるのが良い。この電圧の変化は、水素濃度により異なる。そして、水素濃度が低い場合には不純物の濃度が高く、同一電流であっても不純物濃度の濃縮速度が速くなり且つ反応面積の減少速度も速くなる。このため、電圧の変化率を検知してから、ガスを排出させる弁を開くまでの応答差により、電圧が大きく変化してしまう。そうすると、印加電圧の急上昇による燃費の悪化や電気化学的水素ポンプの触媒の劣化を招く虞がある。
特開2006−019122号公報 特開2005−268056号公報 特開2005−243477号公報 特開2008−226657号公報 特開2008−112585号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、アノード排ガスから水素を分離する電気化学的水素ポンプの印加電圧の急変を抑制する技術の提供を目的とする。
上記課題を達成するために本発明による燃料電池システムは、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による燃料電池システムは、
燃料電池のアノード側の排ガスから電気化学的水素ポンプにて水素を分離して、該水素をアノードへ再度供給する燃料電池システムにおいて、
前記電気化学的水素ポンプ内の前記排ガスを貯留する部分における中央側よりも入口側のほうの断面積を大きくすることを特徴とする。
すなわち、電気化学的水素ポンプの入口付近の通路断面積が大きい。ここで、電気化学的水素ポンプに流入するアノード排ガスの流速よりも、濃縮された窒素等の拡散速度のほうが遅いため、濃縮された不純物は排ガスを貯留する部分における出口側から溜まる。この出口側から中央付近までは、通路断面積が小さいために水素の絶対量が少ないので、水素濃度が低下する速度が次第に速くなるので、電圧の上昇率が次第に増加する。そして、不純物の濃縮が進むに従って、不純物濃度の高い領域が入口側へ拡がる。入口付近では通路断面積が比較的大きいために、水素の絶対量が多い。このため、水素を分離するのに時間がかかるので、水素濃度の低下に時間がかかる。このため、電圧の変化は比較的緩やかになる。このときに、電気化学的水素ポンプから不純物を排出させると、応答遅れ中の電圧の変化量が小さくて済む。つまり、応答遅れにより電圧が高くなりすぎることを抑制できる。
そして、排ガスを貯留する部分における出口側では、不純物が濃縮されているため、水素濃度の低いガスを排出させることができる。
なお、出口側の通路断面積も併せて大きくしても良い。すなわち、通路の中央付近の通路断面積のみを小さくしても良い。そうすると、出口付近または入口付近で不純物が濃縮されているときには、電圧の上昇が比較的緩やかになる。一方、通路の中間付近で不純物が濃縮されているときには、電圧の上昇が比較的速く進む。出口側での容量が大きくなることで、より長い時間で電圧の急変を生じさせないようにできる。また、有効膜面積を広く保つことができるため、不純物の濃縮をより促進することができる。さらに、入口側だけ通路断面積を拡大すると、出口側の外部に無駄な空間ができるが、出口側も通路断面積を拡大することにより、空間の有効利用が可能となる。
本発明によれば、アノード排ガスから水素を分離する電気化学的水素ポンプの印加電圧の急変を抑制することができる。
実施例に係る燃料電池システムの概略構成を示すものである。 水素ポンプの概略構成図である。 濃縮部の入口から出口までの水素と窒素との濃度の分布を示した図である。 水素ポンプの印加電圧の推移を示したタイムチャートである。 説明のために濃縮部を複数の領域に分けたときの図である。 実施例2に係る水素ポンプの概略構成を示すものである。 水素ポンプの印加電圧の推移を示したタイムチャートである。 説明のために濃縮部を複数の領域に分けたときの図である。
以下、本発明に係る燃料電池システムの具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る燃料電池システムの概略構成を示すものである。この燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを燃料電池1に供給して燃料電池1内部での電気化学反応により電力を得るものである。図1は、燃料ガスである水素の供給経路及び循環経路を示しており、酸化剤ガスの供給経路は省略している。
燃料電池1は、水素が供給される燃料極(アノード)と、空気が供給される空気極(カソード)とが電解質を挟んで重ね合わされて構成される発電セルを主要な構成要素とするものであり、例えば、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造とされている。
燃料電池1の各発電セルは、水素供給系から供給される水素と空気供給系から供給される空気中の酸素とによる電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換する。すなわち、各発電セルのアノードでは、水素供給手段から水素が供給されることで水素イオンと電子とに解離する反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、カソード側にそれぞれ移動する。一方、カソードでは、空気供給系から供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池1の電解質としては、例えば固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
水素供給系は、燃料電池1の各発電セルのアノードに燃料ガスである水素を供給するためのものであり、水素供給源としての水素タンク2を備えている。この水素タンク2から取り出した水素を水素供給経路3を通して燃料電池1のアノードへと供給する。また、本実施例の燃料電池システムは、燃料電池1のアノード出口から排出されるアノード排ガスをアノード入口側へと循環させて再利用する水素循環方式の燃料電池システムとして構成されている。そして、燃料電池1のアノード出口側とアノード入口側の水素供給経路3とを繋ぐように、アノード排ガスが流れる循環経路4が接続されている。
循環経路4の途中には、アノード排ガスから水を分離する気液分離装置5が設けられている。気液分離装置5で分離される水は、該気液分離装置5の底部に溜まる。この気液分離装置5の底部には、該気液分離装置5から水を排出するための水排出経路51が接続されている。この水排出経路51の途中には、水排出経路51を遮断する遮断弁52が設けられている。遮断弁52は、所定の時期に開いて気液分離装置5から水を排出させる。
循環経路4は、気液分離装置5から2つに分岐している。一方の循環経路41には、電気化学的水素ポンプ6(以下、水素ポンプ6という。)が設けられており、一方の循環経路41と他方の循環経路42は該水素ポンプ6の下流で合流している。この合流部よりも下流の循環経路4には、水素ポンプ6から流出する水素を循環させるための循環ポンプ7が設けられている。
水素ポンプ6は、電解質に固体高分子膜を用いた固体高分子型の燃料電池1と同様の構造を有するものであり、固体高分子電解質膜61を挟んで濃縮部62と出口部63とが対設されたポンプセルを主要な構成要素としている。複数のポンプセルが多段積層されたスタック構造としても良い。そして、この水素ポンプ6は、各ポンプセルの濃縮部62側が
燃料電池1のアノードの出口側、各ポンプセルの出口部63側が燃料電池1のアノードの入口側に繋がるように循環経路4中に設置されている。なお、本実施例においては濃縮部62が、本発明における排ガスを貯留する部分に相当する。
濃縮部62には、該濃縮部62において濃縮された不純物を排出するための排出経路8が循環経路41と対称の位置に接続されている。この排出経路8の途中には、開閉弁9が設けられている。この開閉弁9及び遮断弁52は、電子制御装置であるECU10により操作される。
ところで、本実施例に係る水素ポンプ6は、濃縮部62の入口側(濃縮部62の循環経路41が接続されている側)の通路断面積が大きくされている。この通路断面積が大きくされている部分を以下、入口側拡大部64と称する。
ここで、図2は、水素ポンプ6の概略構成図である。図2(A)は、本実施例に係るものであり、図2(B)は、従来相当の通路断面積を持つものである。
水素ポンプ6の各ポンプセルでは、駆動回路の作動により固体高分子電解質膜61に電流が流されることで、濃縮部62側に供給されるアノード排ガス中の水素を選択的に固体高分子電解質膜61を透過させて出口部63側へと移動させる。
すなわち、各ポンプセルの濃縮部62側では、供給されたアノード排ガス中の水素が水素イオンと電子とに解離する反応が起き、水素イオンは固体高分子電解質膜61を通過し、電子は駆動回路によってポンプ外部を流され、それぞれ出口部63側へと移動する。そして、出口部63側で、固体高分子電解質膜61を通過した水素イオンと駆動回路によりポンプ外部を流された電子とが結合して水素が生成され、出口部63から循環経路4に排出される。
ここで、燃料電池1のカソード側からアノード側へと透過してきた窒素や、燃料ガス中に含まれる不純物等が水素供給系内に徐々に蓄積されていく。このとき、本実施例に係る燃料電池システムでは、水素ポンプ6によりアノード排ガス中の水素を選択的に取り出して循環させるようにしているので、窒素等の不純物は、水素ポンプ6の濃縮部62側に蓄積される。
そこで、本実施例に係る燃料電池システムでは、水素ポンプ6の濃縮部62側に不純物が蓄積されて十分に濃縮されたときに、開閉弁9を開くと共に、所定時間経過後に開閉弁9を閉じる動作を繰り返し行うようにしている。これにより、水素供給系中の不純物を選択的に循環経路4の外部に排出することが可能となり、無駄に排出する水素量を極力低減することができる。
ここで、図3は、濃縮部62の入口から出口までの水素と窒素との濃度の分布を示した図である。図3(A)は、水素ポンプ6を示し、図3(B)から(F)までは、図3(A)に対応する夫々の位置における水素と窒素との比を示している。そして、水素濃度の推移を図3(B)から(F)まで順に示している。なお、不純物は全て窒素ガスであるとして以下に説明する。また、図3(B)から(F)において、斜線で示した範囲は水素と窒素との混合ガスであるアノード排ガスの範囲を示し、その他の範囲はアノード排ガスから水素が分離した後の窒素ガスの範囲を示している。
水素ポンプ6に流入するアノード排ガス中の水素の比が例えば80%である場合、水素ポンプ6にアノード排ガスが流入した直後には、図3(B)に示すように、濃縮部62内のアノード排ガス中の水素の比も80%となる。
そして、水素ポンプ6にて水素が分離されると、その分、濃縮部62内のガスが減少する。そこへ新たにアノード排ガスが流入する。水素が分離された後の窒素の拡散速度よりも、アノード排ガス(窒素と水素との混合ガス)の流速のほうが速いため、アノード排ガスにより窒素は濃縮部62の出口側へ押し込まれる。このため、図3の(B)から(E)に示すように、濃縮部62の出口側から入口側へ向けて徐々に窒素の比率が上昇し、水素の比率が下降する。そして、略窒素のみが存在する領域が濃縮部62の出口側から入口側へ向けて徐々に拡大する。
その後、図3(E)のように濃縮部62内が殆ど窒素で満たされたときに、開閉弁9を開く。水素ポンプ6内のガスは、アノード排ガスに押されて開閉弁9を通過し、大気中へ放出される。このときの濃縮部62内の特に出口側には殆ど水素が存在していないため、水素ポンプ6から窒素のみを排出させることができる。つまり、高濃度の不純物を排出することが可能となる。そして、図3(F)に示すように、濃縮部62内がまたアノード排ガスで満たされたときに開閉弁9を閉じれば、水素が排出されることを抑制できる。
開閉弁9の開放時期は、水素ポンプ6の印加電圧の変化率を基準値と比較することにより判定する。濃縮部62では、窒素が濃縮されていき、水素の反応面積(有効膜面積)が徐々に減少していく。固体高分子電解質膜61における面積抵抗は同じでも、電流集中により抵抗値は増加するため、印加電圧が増加する。そして、固体高分子電解質膜61に流れる電流は一定であるため、水素の反応面積と電流密度とは反比例する。例えば反応面積が半分になれば、電流密度は倍になり、反応面積が4分の1になれば、電流密度は4倍となる。このため、窒素の濃縮が進むほど、電圧の変化率が高くなる。つまり、窒素の濃縮が進むほど、より急激に電圧が変化する。なお、印加電圧が水の電気分解に十分な電圧になると、水素のない部位においても水の分解が始まり触媒等を劣化させるため、このような状態は避けなければならない。
ここで、水素の排出を抑制するためには、濃縮部62に水素が殆どないか少ない状態で開閉弁9を開く必要がある。この時期は、電圧の変化率が高くなるときである。しかし、電圧の変化率は水素濃度により大きく変わる。例えば水素濃度が比較的低い場合には、不純物の濃度が比較的高いため、電流が同じとしても不純物の濃縮速度が速く且つ反応面積の減少速度も速い。このため、開閉弁9を開く判定がなされてから、実際に開閉弁9が開くまでの時間差により、電圧が大きく変化してしまう。つまり、応答遅れが生じる。
これに対し本実施例では、図2(A)に示すように、濃縮部62の入口側の通路断面積を中央付近と比較して大きくした入口側拡大部64を設けている。ここで、電圧の変化は、有効発電面積の変化によって引き起こされる。そして、水素の反応量が一定と仮定した場合には、(有効面積)×(電流密度)は一定となる。また、窒素濃度により有効発電面積の時間変化量が増加する。
そうすると、窒素の領域が入口側拡大部64内を拡大するときの電圧の変化が緩慢となる。すなわち、濃縮部62の入口側において通路断面積が大きいことにより水素の絶対量が多くなるため、反応により水素が減少したとしても、水素濃度の減少は緩慢となる。そのため、濃縮部62の入口側での有効面積が減少する速度が小さくなるので、印加電圧の増加速度が低くなる。つまり、電圧の変化が緩慢となる。
一方、濃縮部62の出口側では通路断面積が比較的小さくなっているため、窒素の拡散速度よりもアノード排ガスの流速のほうが高いため、窒素を多く含む不純物がアノード排ガスにより濃縮部62の出口側へ押される。これにより、不純物が濃縮される。
また、出口側では、水素と窒素との混合ガスであるアノード排ガスの流速が、濃縮された不純物である窒素の拡散速度よりも高くなる。そのため、混合ガスが窒素を出口側へ押し流し、水素濃度の低いガスを出口から排出させることができる。入口側拡大部64の大きさは、系の応答性等を考慮して実験等により得ることができる。
次に、図4は、水素ポンプ6の印加電圧の推移を示したタイムチャートである。図4(A)は濃縮部62の入口側の通路断面積を大きくしていない従来相当の場合を示し、図4(B)は濃縮部62の入口側の通路断面積を大きくした本実施例による場合を示している。
また、図5は、説明のために濃縮部62を複数の領域に分けたときの図である。図5では濃縮部62をEとFの2つの領域に分けている。Eで示される領域は通路断面積を大きくしていない領域であり、Fで示される領域は通路断面積を大きくしている領域である。
水素が分離された窒素がトリガー位置に達したときに開閉弁9を開く指令が出される。このときに、Eで示される領域は窒素の拡散を抑制するための領域といえ、Fで示される領域は水素が分離された窒素がトリガー位置に達してから開閉弁9が開くまでの間の電圧変化を緩やかにするための領域といえる。窒素の領域が濃縮部62の出口側から入口側へ向かって進行するときの窒素とアノード排ガスとの境界Gを破線で示している。この境界GがEで示される領域を通過している際の電圧変化が図4におけるEで示される時間における電圧変化に対応し、Fで示される領域を通過している際の電圧変化が図4におけるFで示される時間における電圧変化に対応している。なお、図4においてGで示される時期は、水素が分離された窒素がトリガー位置に達した時期を示している。
上述のように、濃縮部62の出口側の通路断面積の小さなところ(領域E)から不純物が濃縮される。水素の分離が開始された直後には、水素濃度が高いため電圧の変化率は比較的低い。そして、不純物の濃縮が進むに従って、不純物の濃度が高い領域が濃縮部62の入口側へ向かって拡がる。そして、不純物の濃度が高い領域が濃縮部62の中央付近まで進んだときには、該中央付近では通路断面積が小さいために水素の絶対量は少ないので、水素濃度が速やかに低下する。このため、電圧の変化率が徐々に高くなる。そして、不純物の濃度が高い領域が濃縮部62の入口側(領域F)まで進むと、該入口側では通路断面積が大きくなるために、水素の絶対量が多いので、水素濃度を低下させるのに時間がかかる。そのため、電圧の変化率は比較的低くなる。すなわち、境界Gがトリガー位置まで進行してから開閉弁9が開くまでに応答差があっても、この最中の電圧の変化率を小さくすることができる。
以上説明したように本実施例によれば、アノード排ガスから水素を分離する水素ポンプ6の印加電圧の急変を抑制することができる。これにより、印加電圧の急上昇による燃費の悪化や電気化学的水素ポンプの触媒の劣化を抑制できる。
図6は、本実施例に係る水素ポンプ6の概略構成を示すものである。本実施例に係る水素ポンプ6は、濃縮部62の入口側に加えて出口側の通路断面積も大きくしている。すなわち、濃縮部62の中央付近の通路断面積のみが比較的小さい。この通路断面積が大きくされている出口部分を以下、出口側拡大部65と称する。その他の装置については実施例1と同じため説明を省略する。
図7は、水素ポンプ6の印加電圧の推移を示したタイムチャートである。図7(A)は濃縮部62の通路断面積を大きくしていない従来相当の場合を示し、図7(B)は濃縮部62の入口側及び出口側の通路断面積を大きくした本実施例による場合を示している。
また、図8は、説明のために濃縮部62を複数の領域に分けたときの図である。図8では濃縮部62をHとIとJとの3つの領域に分けている。Hで示される領域は濃縮部62の出口側で通路断面積を大きくしている領域であり、Iで示される領域は通路断面積を大きくしていない領域であり、Jで示される領域は濃縮部62の入口側で通路断面積を大きくしている領域である。
Hで示される領域は固体高分子電解質膜61の有効面積を確保し、電圧変化を緩慢とするために窒素を溜める領域である。Iで示される領域は、図5のEで示される領域に相当し、Jで示される領域は、図5のFで示される領域に相当する。境界Gが図8のH,I,Jで示される領域を通過している際の夫々の電圧変化が図におけるH,I,Jで示される時間における電圧変化に対応している。
境界GがHの領域を通過している場合には、通路断面積が大きいために水素濃度の低下が緩慢となるため、電圧の低下も緩やかになる。また、I,Jの領域では、実施例と同様の電圧変化となる。なお、図7においてGで示される時期は、水素が分離された窒素がトリガー位置に達した時期を示している。
ここで、濃縮部62の出口側の通路断面積を大きくすることにより、該出口側により多くの窒素ガスを溜めることができる。これにより、固体高分子電解質膜61の有効面積を確保することできる。また、より長い時間、電圧が急変することを抑制できる。これにより、濃縮された不純物を排出するときの制御性を向上させることができる。また、水素の排出量をより低減させることができる。さらに、濃縮部62の入口側の通路断面積と併せて出口側の通路断面積を大きくしているため、空間の有効利用が可能となる。
1 燃料電池
2 水素タンク
3 水素供給経路
4 循環経路
5 気液分離装置
6 電気化学的水素ポンプ
7 循環ポンプ
8 排出経路
9 開閉弁
10 ECU
41 循環経路
42 循環経路
51 水排出経路
52 遮断弁
61 固体高分子電解質膜
62 濃縮部
63 出口部
64 入口側拡大部
65 出口側拡大部

Claims (1)

  1. 燃料電池のアノード側の排ガスから電気化学的水素ポンプにて水素を分離して、該水素をアノードへ再度供給する燃料電池システムにおいて、
    前記電気化学的水素ポンプ内の前記排ガスを貯留する部分における中央側よりも入口側のほうの断面積を大きくすることを特徴とする燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015057774A (ja) * 2013-09-16 2015-03-26 ハミルトン・サンドストランド・コーポレイションHamilton Sundstrand Corporation システム、閉鎖されたビークルで燃料電池を作動させる方法及び燃料電池の動作方法

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